JPH10323525A - 排煙処理装置 - Google Patents

排煙処理装置

Info

Publication number
JPH10323525A
JPH10323525A JP9154482A JP15448297A JPH10323525A JP H10323525 A JPH10323525 A JP H10323525A JP 9154482 A JP9154482 A JP 9154482A JP 15448297 A JP15448297 A JP 15448297A JP H10323525 A JPH10323525 A JP H10323525A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
spheres
sphere
gas
smoke exhaust
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9154482A
Other languages
English (en)
Inventor
Kikuichi Kataoka
菊一 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP9154482A priority Critical patent/JPH10323525A/ja
Publication of JPH10323525A publication Critical patent/JPH10323525A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のハニカム構造のフィルタを使用する場
合には洗浄が困難であり使い捨てとせざるを得ず、交換
作業と高価なランニングコストが必要となる。 【解決手段】 内部に空間が形成されてなる容器2と、
この容器2の一端に形成され排煙を含む気体が流入する
流入ポートMと、この容器2の他端に形成され処理され
た気体が排出される流出ポート12と、上記容器2の空
間内に充填されセラミック材料により球状に成形されて
なる多数の球体3と、上記容器2内に充填された多数の
球体3を攪拌するための攪拌装置5と、上記多数の球体
3の下方に形成され少なくとも該球体5よりも小径の貫
通孔2cが多数形成されてなる網部2bと、を備えてな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば工場や焼
却炉等から排出される排煙や或いはディーゼルエンジン
車から排出される排煙等を処理するために使用される排
煙処理装置に関するものである。
【従来の技術】
【0002】従来より、車の排気ガスや焼却炉等から排
出される有害物質からの悪影響を防止するために種々の
研究がされている。例えば、ディーゼルエンジン車は、
長年使用することにより黒煙の排出量も多くなり、こう
した黒煙を除去し回収するハニカム状(例えば、1平方
インチ内に100個以上の孔を開けたもの)のセラミッ
クフィルタが開発されている。またこうしたハニカム状
のフィルタで黒煙を捕捉しニクロム線で焼却した上で排
出する技術も提案されている。また、排煙を処理するも
のではないが、触媒としてのゼオライト粉体にカルシウ
ムイオン,マグネシウムイオン,マグネシウム等を置換
させ、球状の多孔質なセラミックに焼成し、ゼオライト
の持つ陽イオン交換を利用して、石油類の炭化水素を細
かくし、完全に近い燃焼効果を生むことで、燃焼時に発
生する窒素酸化物,一酸化炭素,炭化水素黒煙などの有
害物質を削減するものも提案されている。また、従来よ
り焼却炉から発生する排煙を処理する装置として、バグ
フィルタを使用し、高圧の空気を流通させることで微粒
子を捕捉し集塵する電気集塵装置が実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記種
々の研究によってもたらされたものでは、以下に説明す
る種々の課題を有する。すなわち、上記ハニカム状とな
されたフィルタを使用するものでは、一定期間使用され
た後には、洗浄することには無理があることから廃棄さ
れるものであり、所謂使い捨てにすることが前提である
ことから、長時間使用することはできず、経済性の点か
らしても有効ではない。また、上記ハニカム状のフィル
タで黒煙を捕捉しニクロム線で焼却した上で排出する技
術については、装置が複雑となるばかりではなく高価で
あるとともに、燃焼(焼却)後には焼却灰が発生する。
また、上記セラミックスを触媒とする技術については、
実際上有効な効果を期待することはできない。また、上
述した電気集塵装置では、ランニングコストが高価とな
るばかりではなく、前述した他の技術と同じように、そ
の都度フィルタを交換する必要がある。
【0004】そこで、本発明は、こうした従来の排煙処
理装置が有する課題を解決するために提案されたもので
あって、排煙内に含まれる黒煙等を効率良く捕捉すると
ともに、交換することなく長期間安定した状態で使用す
ることができる排煙処理装置を提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために提案された第1の発明(請求項1記載の発明)
は、内部に空間が形成されてなる容器と、この容器の一
端に形成され排煙を含む気体が流入する流入ポートと、
この容器の他端に形成され処理された気体が排出される
流出ポートと、上記容器の空間内に充填されセラミック
材料により球状に成形されてなる多数の球体と、上記容
器内に充填された多数の球体を攪拌するための攪拌装置
と、上記多数の球体の下方に形成され少なくとも該球体
よりも小径の貫通孔が多数形成されてなる網部と、を備
えてなることを特徴とするものである。
【0006】この本発明は、流入ポートから排煙が気体
(ガス)と共に流入すると、該気体は、この容器内に多
数充填された球体と球体との間に形成された微小な間隙
を抜けて排気ポートから排出される。この時、気体に含
まれた黒煙や硝酸その他の微粒子とされている有害物質
は、各球体の表面に付着し又湿気を含んでいる場合には
該湿気も付着される。そして、このように表面に有害物
質が付着された多数の球体は、攪拌装置により攪拌され
ると、互いに衝突し又は容器の壁面と衝突し、この球体
同士又は容器の壁面との衝突により、該球体の表面に付
着した黒煙等は該球体から剥離し又は削られ自重により
落下する。そして、自重により落下した黒煙等は、球体
により圧縮され固まりを形成し、球体の下方に形成され
た網部から落下する。したがって、この排煙処理装置に
よれば、排煙は確実且つ迅速に処理することができ、例
えば、従来使用されているハニカム構造を備えたフィル
タ等を所定期間経過後に交換する等の必要性はなく、長
期間(半永久的に)安定した状態で使用することができ
る。特に、この容器内には球体が多数充填されているこ
とから、流入ポートから容器内に流入した気体は、ハニ
カム構造のように予め気体の流路が決定されているもの
ではないばかりではなく、直線状の流路となるものでは
ないので、気体内に含まれた黒煙等の微粒子は、この球
体に衝突する回数が極めて多く、これにより十分該気体
から黒煙等の微粒子を該球体に付着させることができ
る。
【0007】また、第2の発明(請求項2記載の発明)
は、上記請求項1の発明において、前記容器には、紫外
線を球体に放射する紫外線ランプが設けられており、各
球体の表面には酸化チタンが被覆されてなることを特徴
とするものである。
【0008】この発明では、球体の表面には酸化チタン
が被覆されているとともに、これらの球体は紫外線が照
射されることから、該紫外線により酸化チタンが活性化
し、気体内に含まれている悪臭や窒素酸化物等を有効に
分解することができる。特に、この酸化チタンは各球体
の表面に被覆されていることから、全体の表面積は極め
て大きく、高い反応効率を得ることができる。したがっ
て、この第2の発明によれば、単に黒煙等を除去するこ
とのみならず、有機物の分解をも助けることから、利用
分野も広範なものとすることができる。
【0009】また、第3の発明(請求項3記載の発明)
は、前記第1又は第2の発明において、前記容器内に
は、該容器の長さ方向と同じ方向に形成された仕切り板
と、この仕切り板の下方に形成され駆動モータにより回
転駆動する回転軸と、この回転軸の外周に螺旋状に形成
された攪拌羽根と、を備え、容器内に充填された多数の
球体は、上記回転軸の回転駆動により上記仕切り板を中
心に容器内を循環するよう構成されてなることを特徴と
するものである。
【0010】この第3の発明に係る排煙処理装置では、
駆動モータにより回転する回転軸に攪拌羽根が形成さ
れ、この攪拌羽根により仕切り板を中心に多数の球体が
循環されるものであることから、容器内に充填された多
数の球体の中で特定の球体のみが常に流入ポートの近傍
に位置される可能性を有効に回避することができる。特
に、前述した第2の発明に記載される排煙処理装置に、
こうした構成を採用することにより、紫外線ランプから
の紫外線は、全ての球体に満遍なく且つ繰り返し照射さ
れることから、前記第2の発明に係る排煙処理装置に比
べ、より一層処理能力を向上させることができる。
【0011】また、第4の発明(請求項4記載の発明)
は、前記第1又は第2の発明において、前記容器は水平
方向に長尺となされ、該容器には、気体が流通する流通
方向と交差する方向に形成された複数の仕切り板と、こ
れらの仕切り板に形成された通風孔と、を備えてなるこ
とを特徴とするものである。
【0012】この第4の発明に係る排煙処理装置におい
ても、前記各発明と同じように、効率良く排煙を処理す
ることができる。特に、この発明では、複数の仕切り板
により容器が仕切られていることから、仕切られた空間
毎に径の異なる球体を充填することができ、第2の発明
に適用することにより、紫外線ランプにより紫外線が照
射されることから一層効率良く排煙を処理することがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態を図
面を参照しながら詳細に説明する。 (第1の実施の形態)この第1の実施の形態に係る排煙
処理装置1は、本発明を自動車のマフラーに取り付けた
装置に適用したものであり、図1及び図2に示すよう
に、容器2と、この容器2内に充填されている多数の球
体3と、容器2内であって該容器2の上方に設けられた
紫外線ランプ4と、容器2内に充填された多数の球体3
を攪拌する攪拌装置5とを備えている。
【0014】上記容器2は、自動車のフレームF1 ,F
2 に第1の連結金具10と、この第1の連結金具10よ
りも長尺な第2の連結金具11を介して取り付けられて
なるものであり、容器2全体としては、左端側がやや下
方となるよう傾斜した状態で取り付けられている。そし
て、この容器2は、内部に多数の球体3が充填される収
納空間が形成されているものであり、一端(右端)のや
や上方には自動車のマフラーMの先端側が挿入される開
口(符号は省略する。)が本発明を構成する流入ポート
として形成され、他端(左端)には、この容器2内で処
理された気体を外部に排出する流出ポートとして、排気
管12の一端が該容器2の内部にやや挿入された状態で
固定されている。また、この容器2の全体形状は、上記
流入ポート側から流出ポート側(排気管12側)に亘っ
て徐々に縮径されやや円錐形状に成形されている(図2
参照)。そして、この容器2の上面であって左端側から
略中央にには、図1及び図2に示すように、波状に湾曲
してなるリブ2aが複数(4つ)形成されている。これ
らのリブ2a内は、後述する球体3が入ることができる
大きさとされており、これらのリブ2aにより、球体3
と容器2の壁面との間を通ってマフラーMから流入した
排気ガスが上記排気管12から外部に排出されることが
ないとともに、マフラーMから流入した排気ガスの熱が
放射される。また、この容器2の右端側上方には、開口
(符号は省略する。)が形成され、この開口は、ネジ7
aにより容器2に固定された蓋体7により閉塞されてい
る。そして、この蓋体7の下面には、本発明を構成する
紫外線ランプ4が固定されている。なお、この紫外線ラ
ンプ4の下方には、該紫外線ランプ4を球体3との衝突
から保護するとともに該紫外線ランプ4から放射される
紫外線を透過するガラス板13が固定されている。
【0015】また、上記容器2の下側には底板2bが形
成されており、この底板2bの左端から略中央までに
は、多数の透孔2cが穿設されている。なお、本実施の
形態における排煙処理装置1では、上記底板2bは、本
発明を構成する網部であり、したがって、これらの透孔
2cは、後述する各球体3の直径よりも短い内径を有し
ている。また、この容器2の下方には、後述するように
上記底板2bに形成された透孔2cから落下した黒煙等
が堆積する回収容器14が固定されており、この回収容
器14の底部14aには、円形状の排出口(符号は省略
する。)が形成され、この排出口には、該排出口を閉塞
するネジ式の栓15が着脱可能に設けられている。
【0016】また、上記攪拌装置5は、上記容器2の右
端外側にモータ台16を介して固定されてなる駆動モー
タ17と、この駆動モータ17により回転駆動する図示
しない駆動軸に、モータ台16内に位置する継手18を
介して基端が固定されてなるとともに容器2の一端から
他端に亘って回転可能に支持されてなる回転軸19と、
この回転軸19の外周に形成されてなる螺旋状の攪拌羽
根20とから構成されている。上記駆動モータ17は、
図示しないスイッチ又は自動車のエンジンの駆動開始に
より連動して回転駆動されるようにされている。また、
上記回転軸19の先端は、容器2の他端側内壁に形成さ
れたピボット軸受21に回転可能に支持されており、基
端側中途部は、駆動モータ17の図示しない駆動軸に対
応した位置に形成された開口(符号は省略する。)に挿
通され、該開口はシール部材22を介してシールされ、
排煙に含まれる粒子が容器2の外側に漏出することのな
いようにされている。また、この回転軸19の外周に形
成されている攪拌羽根20は、該回転軸19の基端側か
ら先端側に亘って、該回転軸19の外周から周端までの
距離が徐々に長く形成されており、この回転軸19の回
転駆動により、多数の球体3は、容器2の左端側から右
端側に強制的に移動させられる。
【0017】また、上述した構成からなる容器2内に充
填された多数の球体3は、何れもセラミックスにより直
径約5〜30mmの球状に成形されたものであり、表面
には酸化チタンが被覆(コーティング)されている。な
お、この球体3の材料であるセラミックスは、シリカゲ
ルやゼオライト等従来より知られているセラミック材料
が使用される。また、こうした球体3は、上記容器2内
に少なくとも前記リブ2aが全て隠れる位の量が充填さ
れている。
【0018】上述した第1の実施の形態に係る排煙処理
装置1によれば、マフラーMから容器2内に流入した自
動車の排気ガスは、攪拌装置5の駆動により攪拌されて
いる多数の球体3間を通過し、排気管12から外部に排
出される。この時、排気ガスは、上記容器2内に多数充
填された球体3と球体3との間に形成された微小な間隙
を抜けて上記排気管12から排出されるので、該排気ガ
スに含まれた黒煙や硝酸その他の微粒子とされている有
害物質は、各球体3の表面に付着し又湿気を含んでいる
場合には該湿気も付着される。そして、このように表面
に黒煙を含む有害物質が付着された多数の球体3は、上
記攪拌装置5により攪拌されると互いに衝突し、この球
体3同士の衝突により、該球体3の表面に付着した黒煙
等は、該球体3から剥離し下方に落下する。そして、落
下した黒煙等は、底板2bに形成された多数の透孔2c
からさらに落下し、図1に示すように、前記回収容器1
4内に堆積する。なお、この回収容器14内に堆積した
黒煙P等は、栓15を取り外すことにより回収される。
【0019】また、容器2内の各球体3は、紫外線ラン
プ4により紫外線が照射されることから、個々の球体3
に被覆された酸化チタンが活性化され、排気ガスに含ま
れている窒素酸化物(NOx)や悪臭等が分解される。
特に、この第1の実施の形態に係る排煙処理装置1で
は、容器2の全体形状が略円錐状に成形されていること
から、内部に充填された多数の球体3が抵抗により締
り、攪拌できない事態に到ることを有効に防止すること
ができる。また、容器2は、前述したように、波状に湾
曲してなるリブ2aが複数形成されていることから、球
体3と容器2の壁面との間を通ってマフラーMから流入
した排気ガスが十分処理されることなく上記排気管12
から外部に排出されてしまうことがないとともに、マフ
ラーMから流入した排気ガスの熱を外部に放射させるこ
とができる。また、このように容器2内に充填された多
数の球体3により形成された微細な小孔により消音効果
も実現することができる。
【0020】したがって、この排煙処理装置1によれ
ば、排煙(排気ガス)は確実且つ迅速に処理することが
でき、例えば、従来使用されているハニカム構造を備え
たフィルタ等を所定期間経過後に交換する等の必要性は
なく、長期間(半永久的に)安定した状態で使用するこ
とができる。また、本実施の形態に係る排煙処理装置1
では、自動車のマフラーMから排出される排気ガスを処
理するものであることから、各球体3により排気ガスの
熱を吸収するとともに、該球体3の表面に付着した黒煙
等は、この排気ガスの熱により乾燥が早められる。さら
に、この装置1では、球体3の表面に付着した又は剥離
された黒煙等が炭素酸化物等の有害物質を包んで吸収す
る効果を有する。
【0021】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態に係る排煙処理装置について、図面を参照
しながら詳細に説明する。この第2の実施の形態に係る
排煙処理装置20は、前記第1の実施の形態に係る排煙
処理装置1と同じように、自動車の排気ガスを処理する
ために使用されるものであって、容器21と、この容器
21内を4つの処理室に区画する第1乃至第3の仕切り
板22,23,24と、これらの仕切り板22,23,
24により区画された4つの処理室内に充填された多数
の球体25と、上記容器21内であって該容器21の上
方に設けられた紫外線ランプ26と、容器21内に充填
された多数の球体25を攪拌する攪拌装置27を備えて
いる。
【0022】上記容器21は、自動車のフレームF3
4 に第1の連結金具28と、この第1の連結金具28
と略同じ長さを有する第2の連結金具29を介して取り
付けられてなるものであり、容器21全体としては、略
水平とされた状態で自動車に取り付けられている。そし
て、この容器21は、容器本体31と、この容器本体3
1の上部に固定された蓋体32とから構成されている。
上記容器本体31は、図4に示すように、下端が円弧状
となされ断面形状が略すり鉢状に成形されてなるもので
あり、上部には開口(符号は省略する。)が形成され、
上端縁には図3に示すネジ33が挿通される図示しない
ネジ孔が穿設されたフランジ部31aが形成されてい
る。また、上記蓋体32は、この容器本体31に形成さ
れた開口を閉塞するものであり、図3及び図4に示すよ
うに上面がやや上方に膨出した形状に成形されており、
天井の内側面には本発明を構成する上記紫外線ランプ2
6が固定されている。そして、この蓋体32にも該蓋体
32の下端縁から外側に向かって、上記フランジ部31
aに対応した長さ幅のフランジ部32aが形成されてい
る。また、この蓋体32の下端の内側にはコ字状となさ
れた溝部32bが形成され、この溝部32bには、透明
体としてのガラス板35が嵌め込まれている。このガラ
ス板35は、上記容器本体31に形成された開口と略同
じ長さ幅に成形されている。したがって、上記紫外線ラ
ンプ26から放射される紫外線は、このガラス板35を
透過して、後述する容器本体31内に充填された多数の
球体25に照射される。また、上記ガラス板35と一体
とされた蓋体32は、容器本体31から取り外すことが
でき、点検扉としての機能を有している。なお、上記容
器本体31の底板部31bには、後述するように、駆動
モータの駆動により各球体25が衝突することにより剥
離された黒煙等が落下する多数の透孔31cが穿設され
ている。なお、この実施の形態においては、上記底板部
31bは、本発明を構成する網部である。そして、この
容器本体31の下方には、この落下した黒煙等が堆積す
る回収容器36が固定されており、この回収容器36の
底部36aには、排出口(符号は省略する。)が形成さ
れ、この排出口には、該排出口を閉塞するネジ式の栓3
7が着脱可能に設けられている。
【0023】また、上記容器本体31の一端(右端)の
やや上方には自動車のマフラーMの先端側が挿入される
開口(符号は省略する。)が本発明を構成する流入ポー
トとして形成され、他端(左端)には、この容器本体3
1内で処理された気体を外部に排出する流出ポートとし
て、排気管38の一端が該容器本体31の内部にやや挿
入された状態で固定されている。なお、この排気管38
の一端は、球体25が漏出しないよう金網38aにより
閉塞されている。
【0024】そして、上記容器本体31には、前述した
通り、4つの処理室に区画する第1乃至第3の仕切り板
22,23,24が固定されている。この第1及び第3
の仕切り板22,24は、図5に示すように、外形が略
すり鉢状に成形されてなるものであって、中央よりもや
や下端側には、後述する回転軸が挿通される円形状の開
口22a,24aが穿設され、この開口22aが穿設さ
れた高さからやや下方であって該開口22a,24aの
回りには、気体が流通する円弧状の通風口22b,24
bが多数穿設されている。また、上記第2の仕切り板2
3は、図4に示すように、後述する回転軸が挿通される
開口(符号は省略する。)が穿設され、この開口のやや
上方には、気体が流通する円弧状の通風口23aが多数
穿設されている。
【0025】また、上記攪拌装置27は、図3に示すよ
うに、上記容器本体31の右端外側にモータ台39を介
して固定されてなる駆動モータ40と、この駆動モータ
40により回転駆動する駆動軸40aにモータ台39内
に位置する継手41を介して基端が固定されてなるとと
もに、容器本体31の一端から他端に亘って回転可能に
支持されてなる回転軸41と、この回転軸41の外周に
脚部42a,42a,43a,43a,44a,44
a,45a,45aを介して固定されてなる第1乃至第
4の攪拌羽根42,43,44,45とから構成されて
いる。上記第1の攪拌羽根42は、上記容器本体31左
端に形成された壁面と前記第1の仕切り板22との間に
形成されてなるものであり、第2の攪拌羽根43は、こ
の第1の仕切り板22と第2の仕切り板23との間に形
成されてなるものであり、第3の攪拌羽根44は、この
第2の仕切り板23と第3の仕切り板24との間に形成
されてなるものであり、第4の攪拌羽根45は、この第
3の仕切り板24と容器本体31の右端に形成された壁
面との間に形成されてなるものである。また、これら第
1乃至第4の攪拌羽根42,43,44,45は、容器
本体31内(前記4つの処理室内)に充填される多数の
球体25を、上記駆動モータ40の回転駆動力により攪
拌するものであり、図3又は図4に示すように、やや捩
じられた円弧状に成形されている。なお、これら第1乃
至第4の攪拌羽根42,43,44,45のねじれ角
は、回転軸41の回転により角球体25が駆動モータ4
0側に送られる角度とされている。また、上記駆動モー
タ40は、図示しないスイッチ又は自動車のエンジンの
駆動開始により連動して回転駆動されるようにされてい
る。また、上記回転軸41の先端は、容器本体31の他
端側(左端側)内壁に形成されたピボット軸受46に回
転可能に支持されており、中途部は、前記第1乃至第3
の仕切り板22,23,24に形成された各開口に挿通
されている。
【0026】なお、この容器本体31内(前記4つの処
理室内)に充填される各球体25は、前記第1の実施の
形態に係る排煙処理装置1において説明したものと同様
の構成からなるものを使用することができるが、他方、
この装置20では、前述の通り、容器本体31は、第1
乃至第3の仕切り板22,23,24により4つの処理
室に区画されていることから、例えば、マフラーMに最
も近い処理室では最も小径の球体25を使用する等のよ
うに、各処理室毎に径の異なる球体25を多数充填して
も良い。
【0027】したがって、上述した第2の実施の形態に
係る排煙処理装置20では、マフラーMからの排気ガス
は、容器本体31内に流入し、第3,第2及び第1の仕
切り板24,23,22に形成された通風口24b,2
3a,22bを経て排気管38から外部に放出される。
この時、上記各処理室では、駆動モータ40の駆動によ
り第1乃至第4の攪拌羽根42,43,44,45を介
して多数の球体25が攪拌されているとともに、紫外線
ランプ26から放射される紫外線は、上記ガラス板35
を通過して、多数の球体25に照射される。したがっ
て、この実施の形態に係る排煙処理装置20において
も、前記第1の実施の形態に係る排煙処理装置1と同じ
ように、排気ガス内に含まれている黒煙等を効果的に捕
捉することができるとともに、該黒煙等は球体25同士
の衝突により表面から剥離されて回収容器36内に堆積
されるので、容易に回収することができる。特に、この
第2の実施の形態に係る排煙処理装置20においては、
4つの処理室がそれぞれ独立していることから、球体2
5の径をそれぞれの処理室毎に変更することができ、黒
煙等の回収処理速度を一層早めることができる。また、
この装置20では、水平方向に固定された容器本体31
の上方に設けられた蓋体32に紫外線ランプ26が固定
されているので、該紫外線ランプ26による紫外線の受
光面積も大きく、一層窒素酸化物等を効果的に分解する
ことができる。また、この装置20では、蓋体32を取
り外すことにより、ガラス板35も取り外され、容器本
体31の上部が大きく開放されることから、内部の点検
や修理を極めて簡便なものとすることができる。
【0028】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態に係る排煙処理装置について、図面を参照
しながら詳細に説明する。この第3の実施の形態に係る
排煙処理装置50は、前記第1の実施の形態に係る排煙
処理装置1と基本的構成は変わらず、図6に示すよう
に、容器51内に、駆動モータ52により駆動する回転
軸53の長さ方向に長い仕切り板54を設け、この仕切
り板54の回りを多数の球体55が循環するところに特
徴を有するものである。
【0029】すなわち、この排煙処理装置50は、図6
に示すように、内部に多数の球体55が充填されてなる
容器51と、この容器51の上面に形成された開口(符
号は省略する。)を閉塞するとともに着脱可能に固定さ
れてなる蓋体56と、この蓋体56に固定されてなる紫
外線ランプ57と、容器51内に充填された球体55を
攪拌する攪拌装置58と、上記仕切り板54とを備えて
なるものである。そして、上記攪拌装置58は、容器5
1の右端側の外側に固定されたモータ台59を介して固
定されてなる駆動モータ52と、この駆動モータ52の
駆動により回転するとともに容器51内に該容器51の
長さ方向に沿って取り付けられ回転可能に支持されてな
る回転軸53と、この回転軸53の外周に固定されてな
る螺旋状の攪拌羽根60とから構成されている。そし
て、上記仕切り板54は、上記回転軸53の上方に固定
されており、図7に示すように、一端には円弧状となさ
れた一方の切欠き部54aが形成され、他端には円弧状
となされた他方の切欠き部54bが形成され、さらに、
上面には、気体が多数の球体55間に成形された孔を通
過することなくこの仕切り板54の上面を通過すること
がないよう多数の傾斜部54cが逆止片として形成され
ている。なお、図6及び図8に示すように、この容器5
1にも上面には波状のリブ51aが形成されている。ま
た、上記紫外線ランプ57の下方にはガラス板61が取
り付けられており、蓋体56を取り外すことによりこの
ガラス板61も同時に取り外し可能とされている。
【0030】したがって、この装置50では、駆動モー
タ52が駆動すると回転軸53が回転し、この回転軸5
3の回転により攪拌羽根60を介して、容器51の右端
側に位置する球体55は、仕切り板54の下側を通って
徐々に駆動モータ52側に移動させられ、駆動モータ5
2側に移動させられた球体55は、仕切り板54に形成
された他方の切欠き部54bから上方に移動させられ、
さらに該仕切り板54の左端側から該仕切り板54の上
方を移動して仕切り板54の右端側に移動させられる。
そして、仕切り板54の右端まで移動させられると、該
仕切り板54に形成された一方の切欠き部54aから下
方(回転軸53の一端側)に落下し、再び駆動モータ5
2側に移動させられる。なお、本実施の形態に係る排煙
処理装置50では、容器51の一端側に、排気ガスが流
入する流入ポートとしてのマフラーMの先端側が挿入さ
れており、他端側(駆動モータ52側)に流出ポートと
しての排気管60が固定され、該排気管60の近傍であ
って、仕切り板54に形成された他方の切欠き部54b
のやや上方に本発明を構成する紫外線ランプ57が設け
られている。このために、上述したように循環する多数
の球体55は、仕切り板54の下側を通過する過程で、
該球体55同士が衝突し、表面に付着した黒煙等が剥離
された後に(その後剥離された黒煙等は、容器51の底
部51bに形成された多数の貫通孔51cから回収容器
62内に堆積される。)、紫外線が照射され、仕切り板
54の上方を図6中右方向(マフラーM方向)に通過す
る過程で、再び排気ガスを浴びこれによって黒煙等が付
着される。
【0031】したがって、この第3の実施の形態に係る
排煙処理装置50によれば、前記第1の実施の形態に係
る排煙処理装置1と同じ作用効果を実現することができ
るばかりではなく、黒煙等が付着した球体55と、該黒
煙等が剥離された球体55とが容器51内で混ざり合う
ことがなく、また黒煙等が剥離された球体55に対して
紫外線が照射される構成を採用しているので、より一層
効率良く排煙を処理することができる。
【0032】(第4の実施の形態)次に、本発明の第4
の実施の形態に係る排煙処理装置について、図面を参照
しながら詳細に説明する。この第4の実施の形態に係る
排煙処理装置70は、自動車のみならず例えば焼却炉そ
の他の排煙の排出を伴う機械器具に取り付けられるもの
であって、前記第1乃至第3の実施の形態に係る排煙処
理装置1,20,50のように、略水平な状態又はやや
傾斜した状態で固定されるタイプではなく、図9に示す
ように、縦方向(鉛直方向)に固定されるタイプの排煙
処理装置70である。
【0033】この排煙処理装置70は、図9に示すよう
に、縦方向に長さを有するとともに全体形状が略逆さ円
錐台状に成形された容器71と、この容器71の上方に
形成された開口(符号は省略する。)を閉塞する蓋体7
2と、この蓋体72に上部内側に固定された紫外線ラン
プ73と、容器71の上端と蓋体72の下端とにより挾
持されてなるガラス板74と、上記容器71の底に成形
され多数の貫通孔75aが穿設されてなる底部75(本
発明を構成する網部)と、上記容器71の底部75を下
側から受けている回収容器76と、上記容器71内に充
填されてなる多数の球体77と、この球体77(前記第
1の実施の形態に係る排煙処理装置1を構成する球体3
と同様の構成)を容器71内で攪拌する攪拌装置78
と、を備えている。
【0034】そして、上記容器71及び回収容器76の
下面にはそれぞれ開口(符号は省略する。)が形成さ
れ、これらの開口には、容器71内に処理すべき気体を
流入させる流入ポートとしての導入管80の先端側が挿
通され、この導入管80の先端は容器71内に臨まされ
ている。そして、この導入管80の基端は図示しない自
動車のマフラー又は焼却炉等の排気管等に連結している
ものであり、先端面には、後述する攪拌装置78の構成
要素である回転軸の下端を回転可能に支持する軸受81
が取り付けられており、先端側中途部には、該導入管8
0の内部を通過した気体を容器71内に流入させるため
の網窓82が設けられている。なお、上記導入管80の
外周面であって中途部にはネジ部80aが形成されてな
る一方、前記回収容器76の中央には、この導入管80
が螺着されるネジ(符号は省略する。)が内周面に形成
された筒状部76aが形成されている。また、この容器
71の上端側の側壁には、開口(符号は省略する。)が
形成され、この開口には容器71内で処理された気体を
外部に排気(放出)するための排気管83の基端側が挿
通固定されている。なお、この排気管83の入口には網
体83aが固定されている。また、上記容器71の上端
に形成された開口(符号は省略する。)の外周縁にはフ
ランジ部71aが形成され、このフランジ部71aの上
面には、上記ガラス板74が該容器71の開口を閉塞し
た状態で載置され、さらにこのガラス板74の上面外周
側には、蓋体72が載置固定されている。そして、この
蓋体72の下端周縁には上記容器71に形成されたフラ
ンジ部71aに対応したフランジ部72aが形成され、
これらのフランジ部71a,72aにより上記ガラス板
74を挾持した状態で、該蓋体72が容器71に対して
ボルト85,86を介して着脱可能に固定されている。
なお、上記容器71の側壁の内周面には、螺旋状に形成
されたフランジ部71bが設けられている。
【0035】また、上記蓋体72の内側面には、前記紫
外線ランプ73が固定され、中央には後述する回転軸が
挿通される挿通孔(符号は省略する。)が穿設され、同
様に上記ガラス板74の中央にも回転軸が挿通される挿
通孔(符号は省略する。)が形成されている。また、上
記蓋体72の上面には、モータ台87が形成され、該モ
ータ台87の中央にも開口(符号は省略する。)が形成
されている。そして、このモータ台87の上面には、攪
拌装置78を構成する駆動モータ88が固定され、駆動
モータ88の駆動軸88aの先端には、上記モータ台8
7に形成された開口に挿通されてなるとともに、該モー
タ台87内に位置する継手87aを介して回転軸89の
基端が固定されている。すなわち、上記攪拌装置78
は、上記駆動モータ88と、基端がこの駆動モータ88
を構成する駆動軸88aの先端に固定されてなる継手8
7aを介して固定され、先端は前記導入管80の上端に
固定された前記軸受81に回転可能に支持されてなると
ともに中途部は、前記蓋体72とガラス板74とにそれ
ぞれ形成された開口に挿通されてなる回転軸89と、こ
の回転軸89の外周に固定されてなる螺旋状の攪拌羽根
89aとから構成されている。なお、ガラス板74の上
面には、内周に上記回転軸89が挿通された保護用リン
グ74aが固定され、この保護用リング74aの内周面
にはリング状のシール部材74b配設され、排気ガス等
の気体がガラス板74に形成された開口から蓋体72内
に侵入することが防止されている。また、上記螺旋状の
攪拌羽根89aは、上方から下方にかけて徐々に急な螺
旋角度となるように構成されている。
【0036】上述した構成からなる第4の実施の形態の
排煙処理装置70による場合であっても、導入管80か
ら容器71内に流入した気体は、多数の球体77により
黒煙等が捕捉され、該黒煙等が捕捉された球体77は、
上記攪拌装置78により(回転軸89の回転駆動によ
り)容器71内で互いに衝突し、これによって、該球体
77の表面に付着した黒煙等は剥離されて回収容器76
内堆積し、該回収容器76に設けられた栓76aの取り
外しにより回収される。また、各球体77の表面には、
酸化チタンが被覆されてなるとともに、紫外線ランプ7
3により紫外線が照射されることから、この装置70に
おいても排気ガス等に含まれている窒素酸化物等が分解
され、そしてこの処理された気体は、排気管83から外
部に放出される。特に、この第4の実施の形態に係る排
煙処理装置70では、容器71の底方向に位置し最も排
気ガス等の処理すべき気体に接触される球体77は、攪
拌羽根89aの回転により全てが上方に移動させられる
ことはなく比較的下方において循環することとなること
から、表面に付着した黒煙等をより効果的な集塵作用を
実現することができる。
【0037】(第5の実施の形態)次に、本発明の第5
の実施の形態に係る排煙処理装置について、図面を参照
しながら詳細に説明する。この第5の実施の形態に係る
排煙処理装置90は、排気ガスが多量に発生する火力発
電プラントや産業廃棄物等の焼却プラント等に使用され
る装置に本発明を適用したものである。この排煙処理装
置90は、図10に示されるように、水平方向に設置さ
れる容器本体91と、この容器本体91の左端に形成さ
れ処理すべき排煙を容器本体91内に流入させる流入ポ
ートとしての流入管92と、容器本体91の右端に形成
され処理された気体を外部に排出する流出ポートとして
の排気管93と、上記容器本体91内に充填された多数
の球体94と、容器本体91を回転させることにより該
容器本体91内に充填された多数の球体94を攪拌する
攪拌装置95と、を備えてなるものである。
【0038】上記容器本体91は、図10又は図11に
示すように、略円筒状に成形されたアウタードラム96
と、このアウタードラム96の内側に配設され略円筒状
に成形されたインナードラム97と、上記アウタードラ
ム96とインナードラム97との左端を閉塞する円盤状
の閉塞板98とを備えている。そして、上記アウタード
ラム96とインナードラム97の右端側中途部から右端
には、徐々に縮径されてなる縮径部96a,97aが形
成されており、該インナードラム97の右端に形成され
た開口(符号は省略する。)には、前記この装置90に
より処理された気体を外部に排出する排気管93の基端
側が挿入されており、この排気管93は一部が該インナ
ードラム97内に臨んだ状態でスタフィンボックス99
を介して固定されている。なお、上記インナードラム9
7の右端には、排気管93を囲むように皿状の網部10
0が固定され、インナードラム97内に充填された球体
94がこの排気管93内に入り込むことがないようにさ
れている。一方、上記閉塞板98の中央には開口(符号
は省略する。)が穿設され、この開口には、本装置90
により処理すべき排煙を容器本体91内(インナードラ
ム97内)に流入させる流入管92の先端側が挿入され
ており、この流入管92は一部が該インナードラム97
内に臨んだ状態でスタフィンボックス101を介して固
定されている。なお、上記閉塞板98の内側の中央に
は、上記流入管92を囲むように皿状の網部102が固
定され、インナードラム97内に充填された球体94が
この流入管92内に入り込むことがないようにされてい
る。また、上記閉塞板98の外径寸法は、上記アウター
ドラム96の左端の外径寸法よりも太径となされ、周縁
には短尺の筒状部98aが形成されている。
【0039】また、上記アウタードラム96の左端は、
上記閉塞板98の内側面に固定されており、また、該ア
ウタードラム96の右端側中途部の外周面には、外径寸
法が上記閉塞板98の外径寸法と同じ寸法となされたリ
ング部材103が固定され、このリング部材103の外
縁には、短尺の筒状部103aが形成されている。一
方、このアウタードラム96の内側に配設されてなるイ
ンナードラム97は、左端が上記閉塞板98の内側面に
固定されているとともに、周面には黒煙等が落下する多
数の透孔97bが穿設されている。また、このインナー
ドラム96内は、図10に示すように、第1乃至第3の
仕切り板105,106,107が固定されている。こ
れら第1乃至第3の仕切り板105,106,107
は、何れもリング状に成形されてなるものであって、中
央には円形状の開口105a,106a,107aが形
成されており、インナードラム97内に流入管92を介
して流入された気体は、これらの開口105a,106
a,107aを通過して排気管93から排気される。ま
た、このインナードラム97の内周面には、図11に示
すように、それぞれ断面が三角形状となされた突条10
8が形成され、後述する攪拌装置95によりこのインナ
ードラム97が回転させられた場合に、内部に充填され
た球体94がインナードラム97とスリップして攪拌さ
れないことが防止されている。そして、このインナード
ラム97とアウタードラム96との間には、内周縁がイ
ンナードラム97の外周面に固定され、外周縁にはアウ
タードラム98の内周面に固定されてなる螺旋状のガイ
ド羽根110が形成されている。
【0040】また、上述した容器本体91を回転させイ
ンナードラム97内に充填されている多数の球体94を
攪拌する攪拌装置95は、地上に設置されている駆動モ
ータ111と、この駆動モータ111の図示しない駆動
軸に継手112を介して固定されてなる駆動軸113
(本発明を構成する回転軸)と、図11に示すように、
この駆動軸113と平行に配設されてなる従動軸114
とを有している。そして、駆動軸113及び従動軸11
4の先端側には、該駆動軸113を回転可能に支持する
第1の先端側支持部材115(図11参照)が配設さ
れ、従動軸114の先端側には、該従動軸114を回転
可能に支持する第2の先端側支持部材116が配設され
ている。
【0041】また、上記駆動軸113の基端側にも、図
10に示すように、第1の基端側支持部材117が配設
され、従動軸114の基端側にも図示しない第2の基端
側支持部材が配設されている。そして、上記第1の先端
側支持部材115は、図10に示すように、互いに所定
間隔隔てて対峙する支持部115a,115bと、これ
ら支持部115a,115bの下端が上面に固定されて
なるベース部115cとから構成されている。上記第1
の基端側支持部材117も互いに所定間隔隔てて対峙す
る支持部117a,117bと、これら支持部117
a,117bの下端が上面に固定されてなるベース部1
17cとから構成されている。なお、上記第2の先端側
支持部材116と第2の基端側支持部材も、上記第1の
先端側支持部材117や第1の基端側支持部材117と
同様の構成であることから説明を省略する。そして、例
えば、上記第1の先端側支持部材115を構成する支持
部115aと支持部115bとの間には、正面形状が略
H字状となされた第1の車輪120が駆動軸113に挿
通固定されている。この車輪120は、駆動軸113に
挿通されたパイプ部120aと、このパイプ部120a
の両端に固定されてなるガイドリング部120b,12
0cとから構成されており、これらのガイドリング部1
20b,120cの対峙する間隔は、前記リング部材1
03に形成された筒状部103aの幅よりも若干広い間
隔となされている。すなわち、上記回動軸113の先端
側には、この第1の車輪120が固定され、基端側には
第2の車輪121が(図10参照)、また従動軸114
の先端側には、第3の車輪122(図11参照)が、基
端側には図示しない第4の車輪がそれぞれ固定されてい
る(上記第2乃至第4の車輪121,122の構成は、
上記第1の車輪120の構成と同じであることから説明
を省略する。)。そして、上記第1の車輪120と第3
の車輪122上には、前記リング部材103に形成され
た筒状部103aが載置され、第2の車輪121と第4
の車輪上には、閉塞板98に形成された筒状部98aが
載置されている。
【0042】したがって、上記駆動モータ111が回転
駆動すると、上記駆動軸113が回転駆動し、この駆動
軸113の回転により、容器本体91が回転するととも
に、この容器本体91の回転により従動軸114も従動
回転する。したがって、この容器本体91の回転によ
り、インナードラム97内に充填された多数の球体94
が攪拌され、また、これら攪拌されている多数の球体9
4が充填されたインナードラム97内を通過する気体
は、前述した第1乃至第4の実施の形態に係る排煙処理
装置1,20,50,70と同じように、黒煙等が各球
体94の周面に付着することにより、処理される。そし
て、上記攪拌装置95の駆動により球体94同士が互い
に衝突し、この衝突により表面に付着した黒煙等は剥離
され、インナードラム97に形成された各貫通孔97b
からアウタードラム96の内周面に落下する。そして、
このアウタードラム96の内周面に落下した黒煙等は、
容器本体91の回転により、螺旋状に成形されたガイド
羽根110にガイドされながら、徐々に容器本体91の
先端側(右端側)に移動させられ、該容器本体91の右
端側に形成されたアウタードラム96とインナードラム
97との間の開口から外部に落下される。なお、この黒
煙等の落下位置には、回収容器125が設置されてい
る。
【0043】このように、第5の実施の形態に係る排煙
処理装置90による場合であっても、前述した第1乃至
第4の実施の形態に係る排煙処理装置1,20,50,
70と同じように、黒煙等が各球体94の周面に付着す
ることにより処理され、付着された黒煙等は球体94同
士の衝突やインナードラム97の内周面との衝突により
剥離し又は削られることにより自重で下方に移動し、下
方に移動した黒煙等は球体94の自重により押されて風
圧で飛散されない固まりとなり、最終的には、上記回収
容器125内に回収され、一方、黒煙等が除去された気
体は上記排気管93から排気される。したがって、こう
した構成からなる排煙処理装置90によれば、産業廃棄
物の焼却により発生する排煙を、安価に且つ極めて効果
的に処理することができる。
【0044】なお、上述した第5の実施の形態に係る排
煙処理装置90では、紫外線ランプを構成要素としてい
ないが、所定の位置に固定することにより、窒素酸化物
をも分解されるように構成しても良い。また逆に、第1
乃至第4の実施の形態に係る各排煙処理装置1,20,
50,70では、紫外線ランプを構成要素したが、本発
明(請求項1記載の発明)は必ずしも、こうした紫外線
ランプを構成要素とする必要はない。さらに、本発明で
は、紫外線ランプを構成要素とする場合であっても、そ
の数は、1つに限定されるものではなく、複数個の紫外
線ランプを構成要素とするものであっても良い。
【0045】
【発明の効果】上述した各実施の形態に係る排煙処理装
置の説明からも明らかなように、本発明によれば、排煙
等は確実且つ迅速に処理することができ、例えば、従来
使用されているハニカム構造を備えたフィルタ等のよう
に所定期間経過後に交換する等の必要性はなく、長期間
(半永久的に)安定した状態で使用することができる。
特に、この容器内には球体が多数充填されていることか
ら、流入ポートから容器内に流入した気体は、ハニカム
構造のように予め気体の流路が決定されているものでは
ないばかりではなく、直線状の流路となるものではない
ので、排気ガス等の気体内に含まれた黒煙等の微粒子
は、この球体に衝突する回数が極めて多く、これにより
該気体から黒煙等の微粒子を該球体に対して効果的に付
着させることができる。
【0046】特に、第2の発明(請求項2記載の発明)
によれば、球体の表面には酸化チタンが被覆されている
とともに、これらの球体には紫外線が照射されることか
ら、該紫外線により酸化チタンが活性化し、気体内に含
まれている悪臭や窒素酸化物等を有効に捕捉することが
できる。特に、この酸化チタンは多数の球体の表面に被
覆されていることから、全体の表面積は極めて大きく、
高い反応効率を実現することができる。したがって、こ
の第2の発明によれば、単に黒煙等を除去することのみ
ならず、有機物の分解をも助けることから、利用分野も
広範なものとすることができる。
【0047】また、第3の発明(請求項3記載の発明)
によれば、駆動モータにより回転する回転軸に攪拌羽根
が形成され、この攪拌羽根により仕切り板を中心に多数
の球体が循環されるものであることから、容器内に充填
された多数の球体の中で特定の球体のみが常に流入ポー
トの近傍に位置される可能性を有効に回避することがで
きる。特に、第2の発明に記載される排煙処理装置に、
こうした構成を採用することにより、紫外線ランプから
の紫外線は、全ての球体に満遍なく且つ繰り返し照射さ
れることから、前記第2の発明に係る排煙処理装置に比
べ、より一層処理能力を向上させることができる。
【0048】さらに、第4の発明(請求項4記載の発
明)によれば、各仕切り板の上方には、1つ又は複数の
紫外線ランプが形成されているので、各球体は前記第3
の発明に係る排煙処理装置よりも一層効率良く該紫外線
ランプにより紫外線が照射される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る排煙
処理装置の構成を模式的に示す正面断面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線断面図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態に係る排煙
処理装置の構成を模式的に示す正面断面図である。
【図4】図4は、図3のB−B線断面図である。
【図5】図5は、第1又は第3の仕切り板を示す左側面
図である。
【図6】図6は、本発明の第3の実施の形態に係る排煙
処理装置の構成を示す正面断面図である。
【図7】図7は、図6のC−C栓断面図である。
【図8】図8は、図6に示す排煙処理装置の平面図であ
る。
【図9】図9は、本発明の第4の実施の形態に係る排煙
処理装置を示す正面断面図である。
【図10】図10は、本発明の第5の実施の形態に係る
排煙処理装置を示す正面断面図である。
【図11】図11は、図10のD−D線断面図である。
【符号の説明】
1,20,50,70,90 排煙処理装置 2 21,51,71,91 容器 3,25,55,77,94 球体 4,26,57,73 紫外線ランプ 5,27,58,78,95 攪拌装置 19,41,53,89,113 回転軸(駆動軸) 22,23,24,105,106,107 第1乃至
第3の仕切り板 22b,23a,24b 通風口 54 仕切り板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 35/02 B01D 53/36 102C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に空間が形成されてなる容器と、こ
    の容器の一端に形成され排煙を含む気体が流入する流入
    ポートと、この容器の他端に形成され処理された気体が
    排出される流出ポートと、上記容器の空間内に充填され
    セラミック材料により球状に成形されてなる多数の球体
    と、上記容器内に充填された多数の球体を攪拌するため
    の攪拌装置と、上記多数の球体の下方に形成され少なく
    とも該球体よりも小径の貫通孔が多数形成されてなる網
    部と、を備えてなることを特徴とする排煙処理装置。
  2. 【請求項2】 前記容器には、紫外線を球体に放射する
    紫外線ランプが設けられており、各球体の表面には酸化
    チタンが被覆されてなることを特徴とする請求項1記載
    の排煙処理装置。
  3. 【請求項3】 前記容器内には、該容器の長さ方向と同
    じ方向に形成された仕切り板と、この仕切り板の下方に
    形成され駆動モータにより回転駆動する回転軸と、この
    回転軸の外周に螺旋状に形成された攪拌羽根と、を備
    え、容器内に充填された多数の球体は、上記回転軸の回
    転駆動により上記仕切り板を中心に容器内を循環するよ
    う構成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載
    の排煙処理装置。
  4. 【請求項4】 前記容器は水平方向に長尺となされ、該
    容器には、気体が流通する流通方向と交差する方向に形
    成された複数の仕切り板と、これらの仕切り板に形成さ
    れた通風孔と、を備えてなることを特徴とする請求項1
    又は2記載の排煙処理装置。
JP9154482A 1997-05-27 1997-05-27 排煙処理装置 Pending JPH10323525A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9154482A JPH10323525A (ja) 1997-05-27 1997-05-27 排煙処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9154482A JPH10323525A (ja) 1997-05-27 1997-05-27 排煙処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10323525A true JPH10323525A (ja) 1998-12-08

Family

ID=15585217

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9154482A Pending JPH10323525A (ja) 1997-05-27 1997-05-27 排煙処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10323525A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007019142A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Chugoku Electric Power Co Inc:The 吸湿呼吸器および吸湿呼吸器用排出調整部材
CN108579265A (zh) * 2018-03-09 2018-09-28 航天凯天环保科技股份有限公司 一种滚筒式漆雾干法过滤装置
CN109107302A (zh) * 2018-09-27 2019-01-01 杨恢磊 一种循环湿式气体净滤系统及其净滤方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007019142A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Chugoku Electric Power Co Inc:The 吸湿呼吸器および吸湿呼吸器用排出調整部材
JP4535947B2 (ja) * 2005-07-06 2010-09-01 中国電力株式会社 吸湿呼吸器および吸湿呼吸器用排出調整部材
CN108579265A (zh) * 2018-03-09 2018-09-28 航天凯天环保科技股份有限公司 一种滚筒式漆雾干法过滤装置
CN108579265B (zh) * 2018-03-09 2020-11-24 航天凯天环保科技股份有限公司 一种滚筒式漆雾干法过滤装置
CN109107302A (zh) * 2018-09-27 2019-01-01 杨恢磊 一种循环湿式气体净滤系统及其净滤方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7163494B2 (ja) 空気清浄機
JP2004512932A (ja) 汚染気体からの悪臭と揮発性有機化合物の除去方法及び除去装置
CN1960769B (zh) 有害物质的分解方法及有害物质分解装置
JP3822093B2 (ja) 光分解による汚染空気の浄化装置及びその方法
KR102169827B1 (ko) 음식물 쓰레기의 악취 제거 장치
JPH10323525A (ja) 排煙処理装置
JP2007231869A (ja) 排気ガス浄化装置
JP2000140546A (ja) 粉塵含有排ガス処理装置及び粉塵含有排ガス処理方法
KR101621007B1 (ko) 음식물 쓰레기 처리장치
CN215742401U (zh) 一种橡胶行业废气净化装置
KR102388987B1 (ko) 오물 처리용 악취 제거 시스템
KR101595211B1 (ko) 충진재 유동식 약액 세정 탈취장치
CN101288794B (zh) 有机卤化合物的有害物质的处理装置
CN217612162U (zh) 一种医废复合处理装置
KR20190063507A (ko) 광촉매필터기반 음식물 처리기기
CN216498504U (zh) 一种用于废气处理的光催化氧化装置
JP2006281043A (ja) 光触媒脱臭装置
JP2005034776A (ja) 浄化装置
CN218709844U (zh) 一种污水预处理区除臭设备
JP2003230806A (ja) ガス処理装置
CN216572369U (zh) 一种基于uv紫外线照射的废气处理装置
KR102499692B1 (ko) 물분자 여과방식을 이용한 소각 연소가스 복합 정화 필터장치
CN217887545U (zh) 一种有机易腐蚀垃圾处理设备用除臭装置
JP3714149B2 (ja) 空気清浄機
JPH08252562A (ja) 生塵の処理装置