JPH10318302A - ブレーキディスクロータ - Google Patents
ブレーキディスクロータInfo
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- JPH10318302A JPH10318302A JP14863397A JP14863397A JPH10318302A JP H10318302 A JPH10318302 A JP H10318302A JP 14863397 A JP14863397 A JP 14863397A JP 14863397 A JP14863397 A JP 14863397A JP H10318302 A JPH10318302 A JP H10318302A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 内周部から外周部にわたり、温度分布を均一
にすることができるブレーキディスクロータを提供す
る。 【解決手段】 ブレーキディスクロータ1を、インナ側
及びアウタ側摺動板2,3と、両摺動板2,3の間に半
径方向に配置されたフィン4と、両摺動板2,3の間に
おいて半径方向内側および外側に開口した入口開口5及
び出口開口6と、両摺動板2,3及び隣接するフィン4
により包囲されたベンチホール7と、インナ側摺動板2
におけるアウタ側摺動板3側の対向壁面に形成されたテ
ーパ部8と、アウタ側摺動板3におけるのインナ側摺動
板2側の対向壁面に形成されたテーパ部9とからなる。
にすることができるブレーキディスクロータを提供す
る。 【解決手段】 ブレーキディスクロータ1を、インナ側
及びアウタ側摺動板2,3と、両摺動板2,3の間に半
径方向に配置されたフィン4と、両摺動板2,3の間に
おいて半径方向内側および外側に開口した入口開口5及
び出口開口6と、両摺動板2,3及び隣接するフィン4
により包囲されたベンチホール7と、インナ側摺動板2
におけるアウタ側摺動板3側の対向壁面に形成されたテ
ーパ部8と、アウタ側摺動板3におけるのインナ側摺動
板2側の対向壁面に形成されたテーパ部9とからなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両その他で使
用されるディスクブレーキ装置のディスクブレーキロー
タに関する。
用されるディスクブレーキ装置のディスクブレーキロー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のディスクブレーキロータとして
は、図9及び図10に示すようなディスクブレーキロー
タ81(実公平6−47142号公報参照)や、図11
に示すようなディスクブレーキロータ91(特開平8−
74900号公報参照)が知られている。
は、図9及び図10に示すようなディスクブレーキロー
タ81(実公平6−47142号公報参照)や、図11
に示すようなディスクブレーキロータ91(特開平8−
74900号公報参照)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図9に示した従来例の
ブレーキディスクロータ81は、図10に示すように、
ベンチホール82の断面積が半径方向外側に行くに従い
急激に変化する為、冷却性の悪化が懸念される。このた
め、インナ側摺動板83とアウタ側摺動板84との間隙
hを、十分に大きな余裕をもって設定しなければならな
かった。また、前記インナ側摺動板83と前記アウタ側
摺動板84との両者は、半径方向中央部にて厚肉に形成
されており、該中央部において熱容量が大きくなるよう
に設定されている。このため、冷却性を確保した状態に
おいても、両摺動板83,84の半径方向の温度分布を
均一化することができなかった。
ブレーキディスクロータ81は、図10に示すように、
ベンチホール82の断面積が半径方向外側に行くに従い
急激に変化する為、冷却性の悪化が懸念される。このた
め、インナ側摺動板83とアウタ側摺動板84との間隙
hを、十分に大きな余裕をもって設定しなければならな
かった。また、前記インナ側摺動板83と前記アウタ側
摺動板84との両者は、半径方向中央部にて厚肉に形成
されており、該中央部において熱容量が大きくなるよう
に設定されている。このため、冷却性を確保した状態に
おいても、両摺動板83,84の半径方向の温度分布を
均一化することができなかった。
【0004】同様に、図11に示した従来例のブレーキ
ディスクロータ91にあっても、ベンチホール92を包
囲するインナ側摺動板93及びアウタ側摺動板94にお
いて、該アウタ側摺動板94の板厚が、半径方向外側へ
向かうに従って厚肉に形成されているため、外周部にお
ける熱容量が大きくなり、両摺動板93,94の半径方
向の温度分布を均一化することができなかった。
ディスクロータ91にあっても、ベンチホール92を包
囲するインナ側摺動板93及びアウタ側摺動板94にお
いて、該アウタ側摺動板94の板厚が、半径方向外側へ
向かうに従って厚肉に形成されているため、外周部にお
ける熱容量が大きくなり、両摺動板93,94の半径方
向の温度分布を均一化することができなかった。
【0005】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、内周部から外周部にわたり、温度
分布を均一にすることができるブレーキディスクロータ
を提供することを目的とする。
してなされたもので、内周部から外周部にわたり、温度
分布を均一にすることができるブレーキディスクロータ
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1のブレーキディスクロータにあっては、車軸
方向に離間してインナ側およびアウタ側に対向して併設
されたリング状のインナ側摺動板及びアウタ側摺動板
と、両摺動板間に放射状に配置された複数の隔壁と、各
隔壁間に放射状に形成された複数の通路と、各通路に連
絡して半径方向内方及び外方に開口した複数の入口開口
及び出口開口と、からなるブレーキディスクロータにお
いて、前記アウタ側摺動板に対向する前記インナ側摺動
板の対向壁面に、半径方向外側へ向かうに従って当該イ
ンナ側摺動板の板厚を薄くするインナ側摺動板傾斜部を
形成するとともに、前記インナ側摺動板に対向する前記
アウタ側摺動板の対向壁面に、半径方向外側へ向かうに
従って当該アウタ側摺動板の板厚を厚するアウタ側摺動
板傾斜部を形成した。
に請求項1のブレーキディスクロータにあっては、車軸
方向に離間してインナ側およびアウタ側に対向して併設
されたリング状のインナ側摺動板及びアウタ側摺動板
と、両摺動板間に放射状に配置された複数の隔壁と、各
隔壁間に放射状に形成された複数の通路と、各通路に連
絡して半径方向内方及び外方に開口した複数の入口開口
及び出口開口と、からなるブレーキディスクロータにお
いて、前記アウタ側摺動板に対向する前記インナ側摺動
板の対向壁面に、半径方向外側へ向かうに従って当該イ
ンナ側摺動板の板厚を薄くするインナ側摺動板傾斜部を
形成するとともに、前記インナ側摺動板に対向する前記
アウタ側摺動板の対向壁面に、半径方向外側へ向かうに
従って当該アウタ側摺動板の板厚を厚するアウタ側摺動
板傾斜部を形成した。
【0007】すなわち、前記ブレーキディスクロータ
は、半径方向外側へ向かうに従いインナ側摺動板の重量
は小さく、またアウタ側摺動板の重量は大きくなるの
で、前記アウタ側摺動板と、該アウタ側摺動板の内周側
に設けられるハット部との間の剛性が低下する。また、
インナ側摺動板の内周側の剛性および熱容量が増加され
るので、熱変形が小さくなるとともに、アウタ側摺動板
の内部応力が減少する。そして、アウタ側摺動板の外周
側とインナ側摺動板の内周側の熱容量が増加するので、
僅かに発生した熱変形により制動熱が集中しても、両摺
動板における半径方向の温度分布が均一化されるととも
に、両摺動板に面接するパッドの偏摩耗を減少させるこ
とができる。
は、半径方向外側へ向かうに従いインナ側摺動板の重量
は小さく、またアウタ側摺動板の重量は大きくなるの
で、前記アウタ側摺動板と、該アウタ側摺動板の内周側
に設けられるハット部との間の剛性が低下する。また、
インナ側摺動板の内周側の剛性および熱容量が増加され
るので、熱変形が小さくなるとともに、アウタ側摺動板
の内部応力が減少する。そして、アウタ側摺動板の外周
側とインナ側摺動板の内周側の熱容量が増加するので、
僅かに発生した熱変形により制動熱が集中しても、両摺
動板における半径方向の温度分布が均一化されるととも
に、両摺動板に面接するパッドの偏摩耗を減少させるこ
とができる。
【0008】また、請求項2のブレーキディスクロータ
においては、前記隔壁の側面に、半径方向外側へ向かう
に従って当該隔壁を厚肉にする隔壁側面傾斜部を形成
し、隣接する隔壁の両隔壁側面傾斜部を略平行にした。
においては、前記隔壁の側面に、半径方向外側へ向かう
に従って当該隔壁を厚肉にする隔壁側面傾斜部を形成
し、隣接する隔壁の両隔壁側面傾斜部を略平行にした。
【0009】これにより、前記通路の断面積が、内周側
より外周側にわたる全域にて、略一定になるので、冷却
効果が向上する。
より外周側にわたる全域にて、略一定になるので、冷却
効果が向上する。
【0010】さらに、請求項3のブレーキディスクロー
タでは、前記隔壁に空隙を形成した。
タでは、前記隔壁に空隙を形成した。
【0011】これにより、軽量化が図られる。
【0012】また、請求項4のブレーキディスクロータ
にあっては、車軸方向に離間してインナ側およびアウタ
側に対向して併設されたリング状のインナ側摺動板及び
アウタ側摺動板と、両摺動板間に放射状に配置された複
数の隔壁と、各隔壁間に放射状に形成された複数の通路
と、各通路に連絡して半径方向内方及び外方に開口した
複数の入口開口及び出口開口と、からなるブレーキディ
スクロータにおいて、前記隔壁の周方向幅を、前記イン
ナ側摺動板側にて、半径方向外側へ向かうに従って狭く
する一方、前記アウタ側摺動板側にて、半径方向外側へ
向かうに従って広くする隔壁側面傾斜部を、当該隔壁に
形成した。
にあっては、車軸方向に離間してインナ側およびアウタ
側に対向して併設されたリング状のインナ側摺動板及び
アウタ側摺動板と、両摺動板間に放射状に配置された複
数の隔壁と、各隔壁間に放射状に形成された複数の通路
と、各通路に連絡して半径方向内方及び外方に開口した
複数の入口開口及び出口開口と、からなるブレーキディ
スクロータにおいて、前記隔壁の周方向幅を、前記イン
ナ側摺動板側にて、半径方向外側へ向かうに従って狭く
する一方、前記アウタ側摺動板側にて、半径方向外側へ
向かうに従って広くする隔壁側面傾斜部を、当該隔壁に
形成した。
【0013】すなわち、前記隔壁の重量分布が、インナ
側摺動板側の内周側が軽く、かつアウタ側摺動板側の外
周側が重くなるので、請求項1と同様の作用が得られ
る。
側摺動板側の内周側が軽く、かつアウタ側摺動板側の外
周側が重くなるので、請求項1と同様の作用が得られ
る。
【0014】さらに、請求項5のブレーキディスクロー
タでは、前記通路の断面積が、半径方向内側から外側に
わたり、略一定となるように前記隔壁側面傾斜部を形成
した。
タでは、前記通路の断面積が、半径方向内側から外側に
わたり、略一定となるように前記隔壁側面傾斜部を形成
した。
【0015】つまり、前記通路の断面が略一定になるの
で、冷却性が向上する。
で、冷却性が向上する。
【0016】
(第1の実施の形態)第1の実施の形態にかかるブレー
キディスクロータ1は、図1に示すように、車軸(図示
せず)の軸方向に離間して併設されたインナ側およびア
ウタ側摺動板2,3と、両摺動板2,3の間に半径方向
に配置された隔壁を構成する複数のフィン4と、両摺動
板2,3の間において半径方向内側および外側に開口し
た複数の入口開口5および出口開口6と、両摺動板2,
3及び隣接するフィン4により包囲された複数のベンチ
ホール7と、前記インナ側摺動板2における前記アウタ
側摺動板3側の対向壁面の全域にわたり形成されたテー
パ部8と、前記アウタ側摺動板3におけるの前記インナ
側摺動板2側の対向壁面の全域にわたり形成されたテー
パ部9とからなる。前記アウタ側摺動板3には、内周縁
に沿って起立したハット部10が一体形成されており、
外ハット部10には、ホイール(図示せず)とハブ(図
示せず)との締結部を構成するボス部11が一体形成さ
れている。
キディスクロータ1は、図1に示すように、車軸(図示
せず)の軸方向に離間して併設されたインナ側およびア
ウタ側摺動板2,3と、両摺動板2,3の間に半径方向
に配置された隔壁を構成する複数のフィン4と、両摺動
板2,3の間において半径方向内側および外側に開口し
た複数の入口開口5および出口開口6と、両摺動板2,
3及び隣接するフィン4により包囲された複数のベンチ
ホール7と、前記インナ側摺動板2における前記アウタ
側摺動板3側の対向壁面の全域にわたり形成されたテー
パ部8と、前記アウタ側摺動板3におけるの前記インナ
側摺動板2側の対向壁面の全域にわたり形成されたテー
パ部9とからなる。前記アウタ側摺動板3には、内周縁
に沿って起立したハット部10が一体形成されており、
外ハット部10には、ホイール(図示せず)とハブ(図
示せず)との締結部を構成するボス部11が一体形成さ
れている。
【0017】以上の構成からなるブレーキディスクロー
タ1において、前記アウタ側摺動板3と前記ハット部1
0との間の剛性を決めるのに支配的な要因である前記ア
ウタ側摺動板3の板厚は、半径方向内側が薄くなるよう
に形成されているので、アウタ側摺動板3とハット部1
0間の剛性が低下する。このため、前記ハット部10の
開きに追従して前記アウタ側摺動板3が倒れにくくな
る。また、アウタ側摺動板3の倒れを抑制する効果の高
い前記インナ側摺動板2の内周側の板厚を厚くしている
ので、両摺動板2,3の熱変形による倒れを防止するこ
とができる。
タ1において、前記アウタ側摺動板3と前記ハット部1
0との間の剛性を決めるのに支配的な要因である前記ア
ウタ側摺動板3の板厚は、半径方向内側が薄くなるよう
に形成されているので、アウタ側摺動板3とハット部1
0間の剛性が低下する。このため、前記ハット部10の
開きに追従して前記アウタ側摺動板3が倒れにくくな
る。また、アウタ側摺動板3の倒れを抑制する効果の高
い前記インナ側摺動板2の内周側の板厚を厚くしている
ので、両摺動板2,3の熱変形による倒れを防止するこ
とができる。
【0018】また、アウタ側摺動板3の外周側とインナ
側摺動板2の内周側の熱容量を増しているので、僅かに
発生した熱変形により制動熱が集中しても、両摺動板
2,3の半径方向の温度分布が均一化され、パッドの偏
摩耗を確実に阻止することができる。
側摺動板2の内周側の熱容量を増しているので、僅かに
発生した熱変形により制動熱が集中しても、両摺動板
2,3の半径方向の温度分布が均一化され、パッドの偏
摩耗を確実に阻止することができる。
【0019】(第2の実施の形態)第2の実施の形態に
かかるブレーキディスクロータは、図2に示すように、
第1の実施の形態のブレーキディスクロータ1のフィン
4を、ベンチホール7が半径方向へ向かうに従い周方向
幅が略一定となるように、フィン4側面に隔壁側面傾斜
部14,15が形成されている。これにより、隣り合う
フィン4,4の対向した隔壁面傾斜部14,15は、略
平行J,Jとなっている。
かかるブレーキディスクロータは、図2に示すように、
第1の実施の形態のブレーキディスクロータ1のフィン
4を、ベンチホール7が半径方向へ向かうに従い周方向
幅が略一定となるように、フィン4側面に隔壁側面傾斜
部14,15が形成されている。これにより、隣り合う
フィン4,4の対向した隔壁面傾斜部14,15は、略
平行J,Jとなっている。
【0020】上記構成からなるブレーキディスクロータ
1は、前記アウタ側摺動板3と前記ハット部10との間
の剛性を決めるのに支配的な要因である前記アウタ側摺
動板3の板厚は、半径方向内側が薄くなるように形成さ
れているので、アウタ側摺動板3とハット部10間の剛
性が低下する。このため、前記ハット部10の開きに追
従して前記アウタ側摺動板3が倒れにくくなる。また、
アウタ側摺動板3の倒れを抑制する効果の高い前記イン
ナ側摺動板2の内周側の板厚を厚くしているので、両摺
動板2,3の熱変形による倒れを防止することができ
る。
1は、前記アウタ側摺動板3と前記ハット部10との間
の剛性を決めるのに支配的な要因である前記アウタ側摺
動板3の板厚は、半径方向内側が薄くなるように形成さ
れているので、アウタ側摺動板3とハット部10間の剛
性が低下する。このため、前記ハット部10の開きに追
従して前記アウタ側摺動板3が倒れにくくなる。また、
アウタ側摺動板3の倒れを抑制する効果の高い前記イン
ナ側摺動板2の内周側の板厚を厚くしているので、両摺
動板2,3の熱変形による倒れを防止することができ
る。
【0021】そして、前記ベンチホール7の断面積が略
一定になっているので、冷却効果も向上する。
一定になっているので、冷却効果も向上する。
【0022】(第3の実施の形態)第3の実施の形態に
かかるブレーキディスクロータは、図3に示すように、
第2の実施の形態のブレーキディスクロータ1のフィン
4の中央部に空隙16が形成されている。
かかるブレーキディスクロータは、図3に示すように、
第2の実施の形態のブレーキディスクロータ1のフィン
4の中央部に空隙16が形成されている。
【0023】上記構成からなるブレーキディスクロータ
1は、第1および第2の実施の形態と同様の効果に加え
て、軽量化を図ることができる。
1は、第1および第2の実施の形態と同様の効果に加え
て、軽量化を図ることができる。
【0024】インナ側摺動板2およびアウタ側摺動板3
の半径方向肉厚配分に対する熱変形感度のシュミレーシ
ョン結果を図4に示す。計算したブレーキディスクロー
タは、外形Φ300mm、内径200mm、厚さ5mm
の隔壁を36枚等間隔に配置している。
の半径方向肉厚配分に対する熱変形感度のシュミレーシ
ョン結果を図4に示す。計算したブレーキディスクロー
タは、外形Φ300mm、内径200mm、厚さ5mm
の隔壁を36枚等間隔に配置している。
【0025】仕様(a)は、インナ側摺動板2及びアウ
タ側摺動板3共に半径方向の板厚を一定とし、インナ側
摺動板2の板厚は10mm、アウタ側摺動板3の板厚は
10mm、隔壁高さを8mmとしている。
タ側摺動板3共に半径方向の板厚を一定とし、インナ側
摺動板2の板厚は10mm、アウタ側摺動板3の板厚は
10mm、隔壁高さを8mmとしている。
【0026】仕様(b)は、隔壁高さ8mmとしてい
る。アウタ側摺動板3の厚は半径方向にいくに従い厚く
なり内周と外周の板厚差は4mm、インナ側摺動板2の
板厚は半径方向にいくに従い薄くなり内周と外周の板厚
差は4mmとしているが、ブレーキディスクロータ1の
重量は仕様(a)と同じになるように厚さを変えてい
る。
る。アウタ側摺動板3の厚は半径方向にいくに従い厚く
なり内周と外周の板厚差は4mm、インナ側摺動板2の
板厚は半径方向にいくに従い薄くなり内周と外周の板厚
差は4mmとしているが、ブレーキディスクロータ1の
重量は仕様(a)と同じになるように厚さを変えてい
る。
【0027】上記形状を約15000接点、10000
要素でモデル化し、一回制動直後の温度分布とその温度
分布を加重としたFEM解析を行い、アウタ側摺動板3
の変量を比較した。
要素でモデル化し、一回制動直後の温度分布とその温度
分布を加重としたFEM解析を行い、アウタ側摺動板3
の変量を比較した。
【0028】結果、(a)の変形量を100%とする
と、(b)は93%の熱変形量となった。これにより、
半径方向に行くに従いアウタ摺動板3は厚くなり、イン
ナ側摺動板2は薄くなる形状が最も熱変形が減少できる
ことが解った。
と、(b)は93%の熱変形量となった。これにより、
半径方向に行くに従いアウタ摺動板3は厚くなり、イン
ナ側摺動板2は薄くなる形状が最も熱変形が減少できる
ことが解った。
【0029】(第4の実施の形態)図5及び図6は、第
4の実施の形態のブレーキディスクロータ1を示す図で
あり、該ブレーキディスクロータ1のフィン4には、そ
の周方向に沿った幅が、インナ側摺動板2側(F−F断
面)にて、半径方向外側へ向かうに従って狭くなるよう
に、また、前記アウタ側摺動板3側(D−D断面)に
て、半径方向外側へ向かうに従って広くなるように、隔
壁側面傾斜部17が形成されている。
4の実施の形態のブレーキディスクロータ1を示す図で
あり、該ブレーキディスクロータ1のフィン4には、そ
の周方向に沿った幅が、インナ側摺動板2側(F−F断
面)にて、半径方向外側へ向かうに従って狭くなるよう
に、また、前記アウタ側摺動板3側(D−D断面)に
て、半径方向外側へ向かうに従って広くなるように、隔
壁側面傾斜部17が形成されている。
【0030】上記構成からなるブレーキディスクロータ
1では、フィン4の重量分布(熱容量分布)が、インナ
側摺動板2側の内周側が軽く、かつ、アウタ側摺動板3
側の外周側が重くなっているので、第1の実施の形態と
同様の効果が得られる。
1では、フィン4の重量分布(熱容量分布)が、インナ
側摺動板2側の内周側が軽く、かつ、アウタ側摺動板3
側の外周側が重くなっているので、第1の実施の形態と
同様の効果が得られる。
【0031】(第5の実施の形態)図7及び図8は、第
5の実施の形態のブレーキディスクロータ1を示す図で
あり、該ブレーキディスクロータ1のフィン4には、そ
の周方向に沿った幅が、インナ側摺動板2側(I−I断
面)にて、半径方向外側へ向かうに従って狭くなるよう
に、また、前記アウタ側摺動板3側(G−G断面)に
て、半径方向外側へ向かうに従って広くなるように、隔
壁側面傾斜部17が形成されている。なおかつ、前記ベ
ンチホール7の断面積が、半径方向内側から外側にわた
り、略一定となるように前記隔壁側面傾斜部17が形成
されている。
5の実施の形態のブレーキディスクロータ1を示す図で
あり、該ブレーキディスクロータ1のフィン4には、そ
の周方向に沿った幅が、インナ側摺動板2側(I−I断
面)にて、半径方向外側へ向かうに従って狭くなるよう
に、また、前記アウタ側摺動板3側(G−G断面)に
て、半径方向外側へ向かうに従って広くなるように、隔
壁側面傾斜部17が形成されている。なおかつ、前記ベ
ンチホール7の断面積が、半径方向内側から外側にわた
り、略一定となるように前記隔壁側面傾斜部17が形成
されている。
【0032】上記構成からなるブレーキディスクロータ
1にあっては、第4の実施の形態の効果に加えて、ベン
チホール7の断面が略一定になっているので、冷却性も
向上する。
1にあっては、第4の実施の形態の効果に加えて、ベン
チホール7の断面が略一定になっているので、冷却性も
向上する。
【0033】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
のブレーキディスクロータは、半径方向外側へ向かうに
従い、インナ側摺動板の重量は小さく、またアウタ側摺
動板の重量は大きくなるので、前記アウタ側摺動板と、
該アウタ側摺動板の内周側に設けられるハット部との間
の剛性が低下する。これにより、ハット部の開きに追従
してアウタ側摺動板が倒れにくくなる。また、アウタ側
摺動板の倒れを抑制する効果の高い前記インナ側摺動面
板の板厚は、内周側が肉厚に設定されているので、両摺
動板の熱変形による倒れを減少させることができる。
のブレーキディスクロータは、半径方向外側へ向かうに
従い、インナ側摺動板の重量は小さく、またアウタ側摺
動板の重量は大きくなるので、前記アウタ側摺動板と、
該アウタ側摺動板の内周側に設けられるハット部との間
の剛性が低下する。これにより、ハット部の開きに追従
してアウタ側摺動板が倒れにくくなる。また、アウタ側
摺動板の倒れを抑制する効果の高い前記インナ側摺動面
板の板厚は、内周側が肉厚に設定されているので、両摺
動板の熱変形による倒れを減少させることができる。
【0034】また、インナ側摺動板の内周側の剛性およ
び熱容量が増加されるので、外側へ向けた熱変形が小さ
くなるとともに、アウタ側摺動板の内部応力が減少す
る。そして、アウタ側摺動板の外周側とインナ側摺動板
の内周側の熱容量が増加するので、僅かに発生した熱変
形により制動熱が集中しても、両摺動板における半径方
向の温度分布が均一化されるとともに、両摺動板に面接
するパッドの偏摩耗を減少させることができる。
び熱容量が増加されるので、外側へ向けた熱変形が小さ
くなるとともに、アウタ側摺動板の内部応力が減少す
る。そして、アウタ側摺動板の外周側とインナ側摺動板
の内周側の熱容量が増加するので、僅かに発生した熱変
形により制動熱が集中しても、両摺動板における半径方
向の温度分布が均一化されるとともに、両摺動板に面接
するパッドの偏摩耗を減少させることができる。
【0035】また、請求項2のブレーキディスクロータ
においては、前記両摺動板間に形成される通路の断面積
を、内周側より外周側にわたる全域にて、略一定にする
ことができるので、冷却効果を高めることができる。
においては、前記両摺動板間に形成される通路の断面積
を、内周側より外周側にわたる全域にて、略一定にする
ことができるので、冷却効果を高めることができる。
【0036】さらに、請求項3のブレーキディスクロー
タでは、前記隔壁に空隙を形成することにより、軽量化
を図ることができる。
タでは、前記隔壁に空隙を形成することにより、軽量化
を図ることができる。
【0037】また、請求項4のブレーキディスクロータ
にあっては、隔壁の重量分布を、インナ側摺動板側の内
周側を軽く、かつアウタ側摺動板側の外周側を重くする
ことができるので、請求項1と同様の効果を得ることが
できる。
にあっては、隔壁の重量分布を、インナ側摺動板側の内
周側を軽く、かつアウタ側摺動板側の外周側を重くする
ことができるので、請求項1と同様の効果を得ることが
できる。
【0038】さらに、請求項5のブレーキディスクロー
タでは、前記両摺動板間に形成される通路の断面積を、
内周側より外周側にわたる全域にて、略一定にすること
ができるので、冷却効果を高めることができる。
タでは、前記両摺動板間に形成される通路の断面積を、
内周側より外周側にわたる全域にて、略一定にすること
ができるので、冷却効果を高めることができる。
【0039】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す要部の断面図
である。
である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す要部の断面図
である。
である。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示す要部の断面図
である。
である。
【図4】本発明の実験結果を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態を示す要部の断面図
である。
である。
【図6】同実施の形態の要部を示す斜視図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態を示す要部の断面図
である。
である。
【図8】同実施の形態の要部を示す斜視図である。
【図9】従来のブレーキディスクロータを示す要部の断
面図である。
面図である。
【図10】同従来例におけるベンチホールの断面積の変
化を示す図である。
化を示す図である。
【図11】他の従来例を示す要部の断面図である。
1 ブレーキディスクロータ 2 インナ側摺動板 3 アウタ側摺動板 4 フィン 5 入口開口 6 出口開口 7 ベンチホール 8 テーパ部 9 テーパ部 10 ハット部 11 ボス部 14 隔壁側面傾斜部 15 隔壁側面傾斜部 16 空隙
Claims (5)
- 【請求項1】 車軸方向に離間してインナ側およびアウ
タ側に対向して併設されたリング状のインナ側摺動板及
びアウタ側摺動板と、 両摺動板間に放射状に配置された複数の隔壁と、 各隔壁間に放射状に形成された複数の通路と、 各通路に連絡して半径方向内方及び外方に開口した複数
の入口開口及び出口開口と、 からなるブレーキディスクロータにおいて、 前記アウタ側摺動板に対向する前記インナ側摺動板の対
向壁面に、半径方向外側へ向かうに従って当該インナ側
摺動板の板厚を薄くするインナ側摺動板傾斜部を形成す
るとともに、前記インナ側摺動板に対向する前記アウタ
側摺動板の対向壁面に、半径方向外側へ向かうに従って
当該アウタ側摺動板の板厚を厚するアウタ側摺動板傾斜
部を形成したことを特徴とするブレーキディスクロー
タ。 - 【請求項2】 前記隔壁の側面に、半径方向外側へ向か
うに従って当該隔壁を厚肉にする隔壁側面傾斜部を形成
し、隣接する隔壁の両隔壁側面傾斜部を略平行にしたこ
とを特徴とする請求項1記載のブレーキディスクロー
タ。 - 【請求項3】 前記隔壁に空隙を形成したことを特徴と
する請求項2記載のブレーキディスクロータ。 - 【請求項4】 車軸方向に離間してインナ側およびアウ
タ側に対向して併設されたリング状のインナ側摺動板及
びアウタ側摺動板と、 両摺動板間に放射状に配置された複数の隔壁と、 各隔壁間に放射状に形成された複数の通路と、 各通路に連絡して半径方向内方及び外方に開口した複数
の入口開口及び出口開口と、 からなるブレーキディスクロータにおいて、 前記隔壁の周方向幅を、前記インナ側摺動板側にて、半
径方向外側へ向かうに従って狭くする一方、前記アウタ
側摺動板側にて、半径方向外側へ向かうに従って広くす
る隔壁側面傾斜部を、当該隔壁に形成したことを特徴と
するブレーキディスクロータ。 - 【請求項5】 前記通路の断面積が、半径方向内側から
外側にわたり、略一定となるように前記隔壁側面傾斜部
を形成したことを特徴とする請求項4記載のブレーキデ
ィスクロータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14863397A JPH10318302A (ja) | 1997-05-22 | 1997-05-22 | ブレーキディスクロータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14863397A JPH10318302A (ja) | 1997-05-22 | 1997-05-22 | ブレーキディスクロータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10318302A true JPH10318302A (ja) | 1998-12-04 |
Family
ID=15457164
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14863397A Pending JPH10318302A (ja) | 1997-05-22 | 1997-05-22 | ブレーキディスクロータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10318302A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6241053B1 (en) | 1998-04-03 | 2001-06-05 | Kiriu Machine Mfg. Co., Ltd. | Ventilated disc brake rotor |
JP2009168251A (ja) * | 2001-04-10 | 2009-07-30 | Volvo Lastvagnar Ab | 重量トラックおよび車両用のディスクブレーキ |
IT201800020128A1 (it) | 2018-12-18 | 2020-06-18 | Freni Brembo Spa | Fascia di frenatura di un disco per freno a disco di tipo ventilato |
CN114738404A (zh) * | 2022-04-27 | 2022-07-12 | 中国铁道科学研究院集团有限公司 | 轮装制动盘 |
-
1997
- 1997-05-22 JP JP14863397A patent/JPH10318302A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6241053B1 (en) | 1998-04-03 | 2001-06-05 | Kiriu Machine Mfg. Co., Ltd. | Ventilated disc brake rotor |
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IT201800020128A1 (it) | 2018-12-18 | 2020-06-18 | Freni Brembo Spa | Fascia di frenatura di un disco per freno a disco di tipo ventilato |
US11846334B2 (en) | 2018-12-18 | 2023-12-19 | Brembo S.P.A. | Braking band of a disc for disc brake of ventilated type |
CN114738404A (zh) * | 2022-04-27 | 2022-07-12 | 中国铁道科学研究院集团有限公司 | 轮装制动盘 |
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