JPH10317715A - 免震機構 - Google Patents
免震機構Info
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- JPH10317715A JPH10317715A JP13149697A JP13149697A JPH10317715A JP H10317715 A JPH10317715 A JP H10317715A JP 13149697 A JP13149697 A JP 13149697A JP 13149697 A JP13149697 A JP 13149697A JP H10317715 A JPH10317715 A JP H10317715A
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Abstract
免震機能を失うことなく、超高層ビルやアスペクト比の
非常に大きな構造物にも適用することのできる免震機構
を提供することを課題とする。 【解決手段】 構造物1と基礎2との間に上下2段の積
層ゴム6A,6Bを設け、これら積層ゴム6A,6B間
を、構造物1と基礎2との水平方向の相対変位を伝達
し、かつ上下方向の相対変位を許容するシアキー22に
よってジョイントする構成とした。
Description
物、特に超高層ビルや塔状の構造物等において、地震動
の入力を低減するのに好適な免震機構に関するものであ
る。
震発生時の揺れおよびそれによる被害を最小限に抑える
ため、各種免震装置が開発されている。
を上下方向に交互に積層した構造のいわゆる積層ゴムが
多用されている。積層ゴムは、例えば構造物の基礎と、
この基礎上に構築される構造物本体との間に介装され、
地震等によって水平方向の大きな外力が入力されたとき
には、粘弾性体が水平方向に変形することによって前記
外力を減衰し、構造物本体が揺れるのを抑えるようにな
っている。
たような従来の免震装置には、以下のような問題が存在
する。免震装置として多用されている積層ゴムは、これ
を構成する粘弾性体が、上下方向の圧縮力に対する強度
は十分に大きいものの引張力に対する強度が小さい。し
たがって、積層ゴムに上下方向の引張力が過大に作用す
ると、粘弾性体が破断して免震装置としての機能を果た
すことができなくなってしまうという問題がある。上下
方向に大きな引張力が作用するケースとしては、例え
ば、塔状の構造物や超高層ビル等、幅に対する高さの比
(いわゆるアスペクト比、塔状比)が大きなものである
場合、大型の屋根等の強風により浮力が作用するもので
ある場合、これ以外にも積層ゴムが建物の外周部に配置
される場合等がある。
層ゴムに過大な引張力が作用しないよう、例えば構造物
のアスペクト比を3〜3.5程度に抑える等しなければ
ならず、これが免震構造の設計上の大きな制約となって
いた。しかし、周知のように阪神大震災以降、超高層ビ
ルやアスペクト比の非常に大きい建物にも免震性能を付
与したいとの要求が高まっている。
れたもので、上下方向に大きな引張力が作用した場合に
も免震機能を失うことなく、超高層ビルやアスペクト比
の非常に大きな構造物等にも適用することのできる免震
機構を提供することを課題とする。
構造物における水平方向の震動を減衰する免震機構であ
って、該免震機構は、前記構造物とその基礎との間に、
水平方向の震動を減衰する免震装置が設けられてなり、
該免震装置には、前記構造物と前記基礎との水平方向の
相対変位を該免震装置に伝達し、かつ上下方向の相対変
位を許容する伝達部材が備えられていることを特徴とし
ている。
震機構において、前記免震装置が上下複数段に配設さ
れ、かつ互いに上下に位置する前記免震装置どうしの間
に前記伝達部材が設けられていることを特徴としてい
る。
記載の免震機構において、前記免震装置が、粘弾性体と
鋼板とを上下方向に交互に積層してなる積層ゴムである
ことを特徴としている。
施の形態の一例を図1を参照して説明する。
を適用した構造物の基礎部を示すもので、この図におい
て、符号1はビル等の構造物、2は構造物1を支持する
ため地盤中に構築された基礎、3は構造物1の底部と基
礎2との間に設けられた免震機構、をそれぞれ示してい
る。
と基礎2の上面2aには、それぞれ取付プレート4がア
ンカー部材5,5,…と一体に取り付けられている。
の間に、積層ゴム(免震装置)6が上下に複数段、例え
ば2段に設けられた構成となっている。
属等からなる例えば略円盤状の上部プレート7と下部プ
レート8との間に、減衰部材9が挟み込まれた構成とな
っている。減衰部材9は、上部プレート7及び下部プレ
ート8よりも所定寸法小径で、かつ中央部に穴10が形
成されており、上部プレート7,下部プレート8にそれ
ぞれボルト11で固定されたスペーサ12A,12B間
に、鋼板13と粘弾性体14とが上下方向に複数層にわ
たって交互に積層された構成となっている。鋼板13に
は、通常の鉄鋼材の他、例えば制振鋼板等を採用しても
良い。また、粘弾性体14には、例えばゴムアスファル
ト系のゴム,高減衰ゴム,超塑性ゴム(エネルギーを吸
収して熱に変換する塑性的性質と、大変形への追随性を
与えるゴム弾性をともに備えている特殊配合のポリマー
複合材;例えば株式会社ブリヂストン製)等、高い減衰
性能を有したものが用いられている。
7と下部プレート8との水平方向の相対移動を、互いに
上下に位置する鋼板13,13間に挟み込まれた粘弾性
体14が変形して減衰することによってダンパー効果を
発揮するようになっている。
ム6Aの上部プレート7と、下段側の積層ゴム6Bの下
部プレート8が、それぞれその外周縁部において、所定
本数の取付ボルト15によって、取付プレート4とアン
カー部材5、すなわち構造物1の下面1aと基礎2の上
面2aに固定されている。
ート7とスペーサ12A、下段側の積層ゴム6Bの下部
プレート8とスペーサ12Bには、それぞれ、その中央
部に穴10よりも所定寸法大径な凹部17,18が形成
され、これら凹部17,18にはシアキー19が嵌合さ
れている。これにより、構造物1と上段側の積層ゴム6
Aとの間、及び基礎2と下段側の積層ゴム6Bとの間で
は、それぞれシアキー19によって水平方向のせん断力
が伝達されるようになっている。この部分においては、
構造物1と上段側の積層ゴム6A、基礎2と下段側の積
層ゴム6Bは、それぞれ取付ボルト15によって上下方
向にも互いに拘束されている。
よびスペーサ12Bと、下段側の積層ゴム6Bの上部プ
レート7およびスペーサ12Aには、その中央部に穴1
0よりも所定寸法大径な凹部20,21が形成され、こ
れら凹部20,21には、シアキー(伝達部材)22が
嵌合されている。これにより、上段側の積層ゴム6Aと
下段側の積層ゴム6Bとの間では、シアキー22によっ
て水平方向のせん断力が伝達されるようになっている。
なお、これら上段側の積層ゴム6Aと下段側の積層ゴム
6Bとはボルト等によって接合されておらず、これらは
互いに上下方向に拘束されず上下方向の相対移動を許容
する構成となっている。
て水平方向の外力が入力されると、地盤と一体に振動す
る基礎2と、免震機構3を介してこの基礎2上に支持さ
れた構造物1との間で水平方向の相対変位が生じる。す
ると、この構造物1と基礎2との相対変位は、免震機構
3の積層ゴム6A,6Bにシアキー19,19,22を
介して伝達される。すると、上段側の積層ゴム6A,下
段側の積層ゴム6Bそれぞれにおいて、上部プレート7
側と下部プレート8側とで水平方向に相対変位が生じる
ことになり、この相対変位が、各減衰部材9の粘弾性体
14の変形によって減衰されるようになっている。
は、この外力が基礎2と構造物1とが上下方向において
互いに接近する方向のものであれば、免震機構3の積層
ゴム6A,6Bには圧縮力が伝達されるようになってい
る。
が上下方向において互いに離間する方向のものである場
合、上段側の積層ゴム6Aと下段側の積層ゴム6Bと
が、上下方向に互いに拘束されていないため、積層ゴム
6A,6Bには引張力が作用しないようになっている。
基礎2との間に上下2段の積層ゴム6A,6Bが設けら
れ、これら積層ゴム6A,6B間は、構造物1と基礎2
との水平方向の相対変位を伝達し、かつ上下方向の相対
変位を許容するシアキー22によってジョイントされた
構成となっている。これにより、水平方向の振動に対し
ては従来の免震装置と同様に免震効果を発揮することが
できる。そして、免震機構3に大きな引張力が作用した
場合には積層ゴム6A,6Bに引張力が作用せず、粘弾
性体14が破断して免震機能を失うのを防ぐことができ
る。さらに、免震機構3に引張力が作用しない構造とす
ることにより、この免震機構3の位置において引張力と
して作用するような構造物1の変位は、他の位置の免震
機構3に圧縮力として作用することとなるので、これに
よって応力の再分配をすることができ、したがって構造
物1の転倒を確実に防止することができる。このように
して、構造物1が、従来では免震構造とするのが困難で
あった、アスペクト比が大きなものである場合、大型の
屋根等の強風により浮力が作用するものである場合、免
震機構3が構造物1の外周部に配置される場合等におい
ても、免震機構3を適用することによって免震性能を付
与することができ、耐震性を高めるとともに、構造物1
の付加価値を高めることが可能となる。
いては、本発明の主旨を逸脱しない範囲内であれば、そ
の構成を限定するものではない。例えば、シアキー1
9,22の材質や形状、設置位置については、水平方向
のせん断力を伝達し、かつ上下方向の相対変位を許容す
ることができるのであれば何ら問うものではない。特
に、上記実施の形態においては、上下の積層ゴム6A,
6B間にシアキー22を配置する構成としたが、これ
を、例えば積層ゴム6A,6Bの上下いずれか一方ある
いは双方に配置するようにしても同様の効果が得られ
る。
は、高いダンパー効果が得られるのであれば、適宜最適
なものを採用すればよい。また、免震装置としては、積
層ゴム6と同様の免震効果を得ることができるのであれ
ば、他の免震装置を採用しても良い。
構成としたが、上段の積層ゴム6Aと下段の積層ゴム6
Bとで、鋼板13と粘弾性体14の積層段数を違えても
良い。もちろん、このような積層ゴム6を1段のみ、あ
るいは3段以上に配置する構成としても良い。
震壁の下方に設置することによって、耐震壁の剛性をコ
ントロールすることも可能である。
ついては何ら限定するものではなく、いかなるものであ
っても良い。もちろん、上記免震構造は、地震だけでな
く強風に対しても同様の効果を挙げることができる。
機構によれば、構造物と基礎との間に積層ゴム等の免震
装置を設け、この免震装置には、構造物と基礎との水平
方向の相対変位を伝達し、かつ上下方向の相対変位を許
容する伝達部材を備えた構成となっている。また、本発
明の請求項2に係る免震機構によれば、免震装置を上下
複数段に配設し、かつ互いに上下に位置する免震装置ど
うしの間に伝達部材を設けた構成となっている。このよ
うにして、伝達部材によって、構造物と基礎との水平方
向の相対変位を伝達し、上下方向の相対変位を許容する
構成とすることによって、免震装置には、水平方向のせ
ん断力と上下方向の圧縮力のみが作用し、上下方向の引
張力が作用しない構成とすることができる。これによ
り、免震機構において従来と同様に水平方向の振動に対
して免震効果を発揮することができるのはもちろんのこ
と、免震装置に大きな引張方向の力が作用した場合にも
免震機能を失うのを防ぐことができる構造となってい
る。したがって、従来では免震構造とするのが困難であ
った、アスペクト比が大きな構造物や、大型の屋根等の
強風により浮力が作用する構造物、免震装置が構造物の
外周部に配置される場合等、においても免震性能を付与
することができ、耐震性を高めるとともに構造物の付加
価値を高めることが可能となる。さらにこのような免震
機構は、耐震壁の下方に設置することにより、耐震壁の
剛性をコントロールすることも可能である。
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 構造物における水平方向の震動を減衰す
る免震機構であって、該免震機構は、前記構造物とその
基礎との間に、水平方向の震動を減衰する免震装置が設
けられてなり、該免震装置には、前記構造物と前記基礎
との水平方向の相対変位を該免震装置に伝達し、かつ上
下方向の相対変位を許容する伝達部材が備えられている
ことを特徴とする免震機構。 - 【請求項2】 請求項1記載の免震機構において、前記
免震装置が上下複数段に配設され、かつ互いに上下に位
置する前記免震装置どうしの間に前記伝達部材が設けら
れていることを特徴とする免震機構。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の免震機構におい
て、前記免震装置が、粘弾性体と鋼板とを上下方向に交
互に積層してなる積層ゴムであることを特徴とする免震
機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13149697A JP3671317B2 (ja) | 1997-05-21 | 1997-05-21 | 免震機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13149697A JP3671317B2 (ja) | 1997-05-21 | 1997-05-21 | 免震機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10317715A true JPH10317715A (ja) | 1998-12-02 |
JP3671317B2 JP3671317B2 (ja) | 2005-07-13 |
Family
ID=15059373
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13149697A Expired - Fee Related JP3671317B2 (ja) | 1997-05-21 | 1997-05-21 | 免震機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3671317B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20030092844A (ko) * | 2002-05-31 | 2003-12-06 | 광원산업(주) | 축력신축연결완충장치 |
JP2008101771A (ja) * | 2006-09-22 | 2008-05-01 | Bridgestone Corp | 防振構造体 |
KR20120087908A (ko) | 2009-10-05 | 2012-08-07 | 오일레스고교 가부시키가이샤 | 적층 고무체의 부착 구조 및 이 부착 구조를 구비하는 구조체 |
US9097309B2 (en) | 2012-01-10 | 2015-08-04 | Oiles Corporation | Seismic isolation mechanism |
CN115787879A (zh) * | 2022-12-21 | 2023-03-14 | 北京建筑大学 | 竖向提离可调控隔震支座 |
-
1997
- 1997-05-21 JP JP13149697A patent/JP3671317B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US9238919B2 (en) | 2012-01-10 | 2016-01-19 | Oiles Corporation | Seismic isolation mechanism |
CN115787879A (zh) * | 2022-12-21 | 2023-03-14 | 北京建筑大学 | 竖向提离可调控隔震支座 |
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