JPH10317301A - 骨材構造物、及び骨材構造物の施工方法 - Google Patents

骨材構造物、及び骨材構造物の施工方法

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JPH10317301A
JPH10317301A JP14718297A JP14718297A JPH10317301A JP H10317301 A JPH10317301 A JP H10317301A JP 14718297 A JP14718297 A JP 14718297A JP 14718297 A JP14718297 A JP 14718297A JP H10317301 A JPH10317301 A JP H10317301A
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filler
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Application number
JP14718297A
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English (en)
Inventor
Osamu Murata
修 村田
Etsuo Sekine
悦夫 関根
Yukihiro Kobata
行宏 木幡
Katsumi Muramoto
勝巳 村本
Sumio Yazaki
澄雄 矢崎
Mitsuyoshi Okada
光芳 岡田
Tatsuto Onishi
達人 大西
Kenji Kobayashi
健次 小林
Morihito Sekiguchi
守人 関口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toa Doro Kogyo Co Ltd
Railway Technical Research Institute
Onoda Chemico Co Ltd
Original Assignee
Toa Doro Kogyo Co Ltd
Railway Technical Research Institute
Onoda Chemico Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 沈下を有効に防止することができ、工事費用
が低廉で工期も短い骨材構造物、及びその骨材構造物の
施工方法を提供する。 【解決手段】 路盤4上に骨材10を敷設して形成され
る道床1の下層部には骨材10の移動を拘束する骨材拘
束部材11が配置され、少なくとも下層部の上方に位置
する道床1の上層部の骨材10を填充材により固定し填
充部13を形成するようにしたので、上方から作用する
荷重は、骨材10の間隙に充填され硬化した填充材と骨
材10との複合構造により支持され、硬化した填充材に
より骨材10が固定されるので、骨材10が移動するこ
とはない。また、下層部の骨材拘束部材11内の空間に
骨材10が収容されているので、この部分の骨材10は
水平方向への移動が拘束されており、側方流動による沈
下が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土や岩等の路盤上
に砕石等の骨材を敷設して形成される軌道用道床等の骨
材構造物、及びその施工方法に関し、特に、骨材中に補
強部材等を配置して強化した骨材構造物、及びその施工
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図4に示すように、鉄道における
有道床の軌道200は、土や岩の路盤4上に、かこう
岩、安山岩、硬質砂岩等からなる稜角の多い砕石からな
る骨材10を敷設し、締固めて床状の構造物である道床
1Aを形成し、その上にまくらぎ2を並設し、まくらぎ
上に2本のレール3,3を締結することにより構成され
ていた。上記した軌道200の構成要素のうち、道床1
Aは、 レール3,3上を走行する鉄道車両からレール3,3
とまくらぎ2を経て加えられる荷重を広い面積に拡げて
分布させるとともに列車による衝撃や振動を緩和させて
下方の路盤に伝達させることができること 軌道に弾性を与えるため列車の乗り心地が良好である
こと 路盤構造を変更することなく軌道の整正や変更等が容
易であること 構造が簡素であり建設費が低廉であること等の長所を
有していた。
【0003】その反面、道床1Aは、列車荷重の繰り返
しにより徐々に沈下していくことから、レール高さを所
定の値に維持するために道床の保守作業が不可欠であ
り、少なからぬ保守コストが必要である、という問題が
あった。したがって、道床1Aの沈下を防止することが
できれば、有道床軌道の場合の鉄道の保守コストを相当
程度低減することが可能となるため、沈下を防止し得る
道床の開発が望まれていた。
【0004】上記した有道床軌道200において列車走
行により道床1Aが沈下するのは、骨材(砕石)が細粒
分の比較的少ない粒度分布(例えば粒径が15〜75m
m程度)となっており、その初期には列車走行に伴う振
動により、骨材どうしの接触や摩耗等が生じ、上方の骨
材が下方の骨材との間に存在する間隙内に徐々に落ち込
む過程(圧密過程)が起こるためであり、その後は列車
振動に伴い、まくらぎ2の下の骨材が、骨材どうしの接
触や摩耗等により側方に移動する過程(側方流動過程)
が起こるためである。したがって、道床1Aの沈下を防
止するための一つの対策としては、骨材が移動しないよ
うに拘束する手段を骨材内に配置することが考えられ
る。
【0005】このため、図5に示すように、路盤4の上
にハニカム状の骨材拘束部材11を配置し、多数形成さ
れた筒状の空間内に骨材10を収容するようにして骨材
10を敷設し締固めた後、その上方にさらに骨材10を
敷設し締固めることにより補強を行った道床1Bを形成
し、その上にまくらぎ2とレール3,3を配設した軌道
300が考案された。この軌道300は、道床1Bの下
層部の骨材10が水平方向に移動することを骨材拘束部
材11により防止し、道床1Bの沈下を抑制しようとし
たものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示すように、上記した従来の補強型道床1Bでは、道床
の下層部の骨材10の水平方向への移動は防止されるも
のの、まくらぎ2と骨材拘束部材11の間の骨材10に
は拘束対策は施されていない。これは、骨材拘束部材1
1の上方に骨材10を敷設し締固めて道床1Bの上層部
を形成する場合には、骨材10に振動を加えることによ
り締固めを行うマルチプルタイタンパー等の締固め機械
が使用されるが、その際に爪状の加振部材をまくらぎ2
と骨材拘束部材11の間の部分に挿入する必要があり、
この部分に骨材拘束部材11を配置しておくと、加振部
材の挿入・加振の障害となるためである。このように、
従来の補強型道床1Bでは、まくらぎ2と骨材拘束部材
11の間の部分には骨材の拘束対策が施されていないた
め、この部分において骨材の圧密や側方流動が生じる可
能性があり、列車走行による道床1Bの沈下を完全には
防止できない、という問題があった。
【0007】上記において、まくらぎ2の下面まで骨材
拘束部材11を配置することは不可能ではないが、その
ような場合には、骨材拘束部材11の配置された部分の
締固めは、バイブレーター等を用い人力により行うより
ほかに方法がなく、道床の工事費が高価になり工期も長
期化する、という問題があった。
【0008】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、沈
下を有効に防止することができ、工事費用が低廉で工期
も短い骨材構造物、及びその骨材構造物の施工方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る骨材構造物は、路盤上に骨材を敷設し
て形成される骨材構造物において、前記骨材構造物の下
層部には、前記骨材の移動を拘束する骨材拘束部材が配
置され、かつ、少なくとも前記下層部の上方に位置する
前記骨材構造物の上層部の骨材は、填充材により固定さ
れることを特徴とする。
【0010】上記の骨材構造物において、好ましくは、
前記骨材拘束部材は、前記骨材構造物の下層の骨材の水
平方向の移動を規制する水平方向規制部と、前記骨材構
造物の下層の骨材の垂直方向の移動を規制する垂直方向
規制部と、拘束する前記骨材の間の水を排水する排水手
段を有し、かつ、前記水平方向規制部は、多数の筒状部
を有し、前記筒状部の開口の方向が前記骨材構造物の垂
直方向と合致するように配置され、前記配置状態におけ
る前記筒状部の2つの開口の間の空間に前記骨材が収容
される。
【0011】また、上記の骨材構造物において、好まし
くは、前記骨材構造物の上層部と下層部との間には、前
記流動状態の填充材の流出を防止するための遮蔽部材が
配置され、前記填充材は、セメント系材料、アスファル
ト系材料、有機高分子系材料のうちのいずれか又はこれ
らの適宜の組合わせを含むとともに流動状態において前
記骨材の間隙に注入され、その後に固化するものであ
り、かつ前記固化までの時間を調節可能である。
【0012】また、本発明に係る骨材構造物の施工方法
は、骨材の移動を拘束する骨材拘束部材を路盤上に配置
する拘束部材配置工程と、次いで、前記骨材拘束部材を
包含するようにして前記骨材を敷設し締固めることによ
り下層部を形成する下層部形成工程と、次いで、前記下
層部の上方に、流動状態の填充材の流出を防止するため
の遮蔽部材を配置する遮蔽部材配置工程と、次いで、前
記遮蔽部材が配置された前記下層部の上方に骨材を敷設
し締固めることにより上層部を形成する上層部形成工程
と、次いで、前記上層部の上方にまくらぎを敷設すると
ともに、前記まくらぎ上にレールを締結して軌道を形成
する軌道形成工程と、次いで、前記レール上に鉄道車両
を走行させ前記骨材構造物の締固めを行う列車走行工程
と、次いで、前記上層部の上方から流動状態の填充材を
流し込み前記骨材の相互間の間隙を填充させる填充工程
と、次いで、前記流動状態の填充材を硬化させ、硬化し
た填充材により前記骨材を固定させて骨材構造物を形成
させる硬化工程とを有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0014】図1及び図2は、本発明の一実施形態であ
る鉄道用軌道の構成を示したものであり、図1はその分
解斜視図を、図2は横断面図を示したものである。ま
た、図3は、図1,2に示す軌道に用いる骨材拘束部材
の構成を示す斜視図である。図に示すように、この軌道
100は、路盤4の上に骨材拘束部材11を配置し、骨
材10を敷設し締固めた後、その上方に骨材10を敷設
し締固めて下層部を形成し、その上方にある上層部の骨
材10に填充材を注入して填充部13を形成することに
より道床1を形成し、その上にまくらぎ2を配設し、レ
ール3,3をまくらぎ2に締結することにより構成され
ている。ここに、道床1は、骨材構造物に相当してい
る。
【0015】路盤4は、締固められた盛土等の土構造
物、又は岩盤等である。また、これらの上に骨材を敷設
し締固めて形成した床状の構造物であってもよい。
【0016】骨材拘束部材11は、図3に示すように、
帯状の合成樹脂製シートやゴム製シート等を千鳥状に接
合することにより形成されたハニカム状又は枠状の部材
である。この骨材拘束部材11には、多数の筒状部14
が形成される。これらの筒状部14には2つの連通する
開口14c,14dを有しており、道床1内に配置され
る場合には、これらの開口14c,14dの方向が道床
1の垂直方向と合致するように配置される。また、この
骨材拘束部材11が道床1内に配置された状態において
は、筒状部14の2つの開口14c,14dの間の空間
に骨材10が収容される。
【0017】上記のような構成により、骨材拘束部材1
1の筒状部14内に収容された道床1の下層部の骨材1
0は、水平方向への移動ができないように拘束される。
したがって、列車を走行させる前に十分に締固め、圧密
過程をあらかじめ生じさせておけば、以後の側方流動過
程を防止することができ、列車走行による道床の沈下を
防止することができる。ここに、骨材拘束部材11の多
数の筒状部14は、水平方向規制部に相当している。
【0018】また、上記の骨材拘束部材11は、骨材1
0の稜角部による破断に抵抗するため、シート表面にひ
も状の部材14a等を接着して補強するようにしてもよ
い。また、骨材拘束部材11に多数の排水孔14bを形
成しておいてもよい。このようにすると、降雨等により
骨材10の間に浸透した水等をすみやかに下方や側方へ
排水することができ、噴泥等を防止することができる。
この場合には、排水孔14bは、排水手段に相当してい
る。
【0019】あるいは、骨材拘束部材11を、シート材
ではなくひも状部材を組み合わせた網状部材により形成
してもよい。この場合には、網の目の寸法を骨材の最小
寸法よりも小さくしておく。このようにすれば、骨材の
拘束機能と排水機能の双方を満足させることができる。
【0020】骨材拘束部材11は、図3に示すハニカム
形状のほか、他の形状に形成してもよい。例えば、一方
の開口を底板等により閉塞させ、上方が開放された箱状
に形成してもよい。このように構成すれば、道床1の下
層の骨材10の垂直方向の移動も規制することができ
る。この場合には、一方の開口を閉塞する底板等は垂直
方向規制部に相当している。
【0021】次に、填充部13について説明する。填充
部13は、上記した道床1の下層部の上方に位置する上
層部の骨材10に填充材が填充され、骨材10と硬化し
た填充材により構成されている。填充部13において
は、骨材10は、硬化した填充材により固定され、移動
が拘束されている。
【0022】填充材としては、当初は流動状態(スラリ
ー状態)となっており、この流動状態において骨材10
の間隙に注入され、その後に固化するタイプの材料が使
用される。例えば、超速硬性セメントに水と添加剤等を
加えたセメントモルタル、加熱により流動化させたアス
ファルト、セメントとアスファルトを含むセメントアス
ファルトモルタル、有機高分子材料に硬化剤等を加えた
注入用薬液等である。あるいは、セメント系材料、アス
ファルト系材料、有機高分子系材料を適宜組合わせたも
のでもよい。また、硬化後の填充部の強度を向上させる
ため、填充材中にあらかじめ繊維や粉末等の補強部材を
混入させてもよい。
【0023】上記した填充材は、当初は流動状態である
ため、骨材10内に注入されても、固化するまでの間に
道床1の下方や側方へ流出する場合がある。このため、
道床1の上層部と下層部との間、例えば骨材拘束部材1
1の上部付近等に、遮蔽部材12が配置される。遮蔽部
材12は、不織布、合成樹脂製シート、又はゴム製シー
ト等の遮液性の材料からなり、側部に低い側壁状部材が
設けられた浅い箱状に形成されている。また、側壁状部
材の高さは、填充部13の高さとほぼ等しくなってい
る。このような構成により、道床1の上方から注入され
た流動状態の填充材は、固化するまでの間、遮蔽部材1
2によって流出することなく保持される。
【0024】上記した遮蔽部材12を使用せずに填充部
13を形成することも可能である。例えば、有機高分子
系材料からなる填充材の場合などでは、硬化剤や遅延剤
等の配合を適宜設定することにより、填充材が固化する
までの時間(ゲルタイム)を調節可能であり、これによ
り、填充材が道床1の上方から流し込まれてから骨材1
0の間隙を流下し骨材拘束部材11の上部付近に到達す
るまでの時間がゲルタイムと一致するように配合を設定
し、填充部13を形成するようにしてもよい。この際、
骨材拘束部材11内の骨材10に砂等を混ぜれば、填充
材の浸透を防止することができ、遮蔽部材と同様の効果
を発揮させることが可能である。また、填充材は、骨材
拘束部材11内まで流下させ骨材拘束部材11内の骨材
10の間隙を填充するようにしてもよい。
【0025】上記した填充部13は、まくらぎ2の下面
と骨材拘束部材11との間の骨材10の間隙を填充する
ようにしてもよいし、図2に示すように、填充部13の
上端位置がまくらぎ2の下面より上方となるようにして
もよい。図2のように構成すれば、まくらぎ2は、填充
部13により側方が拘束されるので、鉄道の曲線線形区
間など、レール3,3に水平方向の力が作用するような
箇所においても、まくらぎ2がずれるようなことがな
く、この点においても軌道保守を省力化することができ
る。また、さらに、填充材が道床の頂面まで填充される
ようにしてもよい。このようにすれば、列車振動や風等
による骨材の飛散等も防止することができる。
【0026】次に、上記した道床1の施工方法について
説明する。まず、路盤4の上に骨材拘束部材11を配置
する(第1工程)。また、すでに使用を行っている線路
を改造する場合には、最初にレールやまくらぎを撤去し
た後、道床の骨材を掘削機械等により路盤4まで掘削し
たうえで第1工程を実施する。
【0027】次に、骨材拘束部材11を包含するように
して骨材10を敷設し、バイブレータ等により締固め、
道床1の下層部を形成する(第2工程)。この場合、骨
材拘束部材11の上から骨材10をまき出すときに骨材
拘束部材11の位置がずれないように、骨材拘束部材1
1を杭等の固定手段で路盤4上に固定しておく。
【0028】次に、道床下層部の上に遮蔽部材12を配
置する(第3工程)。その後、遮蔽部材12の上から骨
材10を敷設し、マルチプルタイタンパー等の締固め機
械等により締固めを行い、道床1の上層部を形成する
(第4工程)。
【0029】次に、上層部の上方にまくらぎ2を敷設
し、まくらぎ2上にレール3,3を締結して軌道を形成
する(第5工程)。その後、レール3,3上に鉄道車両
を所定期間走行させ、道床全体の締固めを行う(第6工
程)。これにより、道床1内の骨材の圧密過程を終了さ
せる。
【0030】次に、道床上層部の上方から流動状態の填
充材を流し込み、骨材10の相互間の間隙を填充させる
(第7工程)。その後、流動状態の填充材を硬化させ、
硬化した填充材により填充部13内の骨材10を固定さ
せる(第8工程)。
【0031】上記の各工程のうち、遮蔽部材12を配置
する第3工程は、填充材のゲルタイム調整により填充部
13を形成させるような場合には実施する必要はない。
【0032】また、第5,6工程を実施せずに、第4工
程の後に第7工程を実施してもよい。このようにして
も、填充部の骨材10どうしの間隙は填充材が填充し、
列車荷重等も硬化した填充材が分担するので、特に支障
はない。しかし、第5,6工程を行うようにすれば、す
でに営業を開始した線路等において、工事作業時間(間
合い)が確保し難いような場合には、第4工程の終了後
にいったん列車走行を行わせ、夜間等の間合いを利用し
て填充工程を実施することができる、という利点があ
る。
【0033】上記のように構成された本実施形態の道床
1においては、鉄道車両からレール3,3とまくらぎ2
を経て加えられる荷重は、まず填充部13によって支持
される。填充部13は、骨材10の間隙に填充材が填充
された後に硬化しており、硬化した填充材と骨材10に
より複合構造が構成され、道床が強化されているうえ、
硬化した填充材により骨材10が固定されているので、
列車荷重によって骨材10が下方や側方へ移動すること
はない。
【0034】次に、荷重は道床の下層部へ伝達される。
下層部においては、骨材拘束部材11内の空間に骨材1
0が収容されているので、この部分の骨材10は水平方
向への移動が拘束されており、列車振動等に伴う側方流
動による道床沈下は防止される。
【0035】すなわち、本実施形態の道床1において
は、2つの異なる形式の補強手段を道床内に配置するこ
とにより、道床自体を強化し、列車走行に伴う沈下を防
止することができる。また、このように、道床をいわば
「ハイブリッド補強構造」とすることにより、道床沈下
の抑制に加え、以下に説明するような種々の利点も獲得
している。
【0036】付随する第一の利点は、道床全体を一つの
板構造として見た場合の曲げ強度の向上である。従来、
路盤上からまくらぎ下面までの部分の骨材の間隙にモル
タル等を注入して固化させ、この部分の骨材全体を填充
材で固定させた、いわゆる「填充道床」が知られてい
た。しかし、このような構造の場合には、填充部の基礎
となる路盤の性状によって填充部に悪影響が出ることが
あった。すなわち、路盤が軟弱であったり沈下を生じる
ような場合には、填充によりほぼ板状に一体化された道
床の支持点が沈下することに等しく、道床の一部に曲げ
力が作用する。このため、填充材に局所的に引張応力が
作用してヒビ割れ等が発生し、板状構造が破損し、道床
の沈下を引き起こすこともあった。
【0037】しかしながら、上記した本実施形態の道床
1の場合は、骨材拘束部材11とその内部の骨材10と
により複合構造を形成しており、路盤4自体に軟弱性や
沈下等の問題があっても、これらの変位等は吸収又は緩
和される。したがって、骨材拘束部材11とその内部の
骨材10とからなる複合構造が一種の緩衝手段として作
用するので、路盤4の悪影響が填充部13に直接及ぶこ
とがなく、填充部13にヒビ割れ等が生じるようなこと
がない。
【0038】また、付随する第二の利点は、路盤4上に
骨材拘束部材11を配置し骨材10を敷設し締固めて道
床下層部を形成した後、道床上層部の骨材10を敷設
し、マルチプルタイタンパー等の締固め機械や列車走行
等により十分に締固め、下層部及び上層部の圧密過程を
終了させた後に填充材を注入して固化させることができ
るため、填充材の硬化後の道床沈下を最小限に抑えるこ
とができる、という点である。
【0039】また、通常の道床では、骨材と骨材とが稜
角部等によって噛み合い、互いに摩擦したり互いの係合
が外れることにより列車振動等を吸収している。したが
って、道床の骨材は、長期間使用すると稜角が摩耗する
ため、所定の期間後は交換する必要がある。しかし、本
実施形態の場合は、骨材拘束部材11により道床下層部
の水平方向の骨材移動を拘束し、かつ填充材の填充によ
り道床上層部の骨材を固定するため、これらの部分に使
用する骨材は稜角の少ないものであっても使用可能であ
る。したがって、すでに使用している線路において、本
実施形態の道床に改造するような場合には、すでに所定
期間使用済みの骨材も、骨材拘束部材11内に収容する
骨材としてであれば使用することができ、この点におい
て工事費を低減することができる、という点が本実施形
態の付随的な第三の利点として挙げられる。
【0040】また、付随する第四の利点としては、道床
1上に配設されるまくらぎとして、既設線路に用いられ
ているすべてのまくらぎを使用することができるほか、
広幅のPCまくらぎ(LPCまくらぎ)や縦まくらぎ等
の特殊なまくらぎであっても支障なく使用可能である点
が挙げられる。したがって、専用まくらぎへの交換等が
不要なため、この点においても工事費を低減することが
できる。
【0041】ただし、本実施形態の道床1においても、
列車走行後の道床沈下は完全に零ではないため、最終的
にレール3,3の高さを嵩上し得る手段が必要である。
このため、レール3,3をまくらぎ2に締結するレール
締結装置の下面に高さ調節用のパッキング板を挿入可能
な構成としておくなどの対策を準備しておく。
【0042】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発
明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に
同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、い
かなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0043】例えば、上記実施形態においては、骨材と
して、かこう岩、安山岩、硬質砂岩等からなる稜角の多
い砕石、あるいは細粒分の比較的少ない粒度分布(例え
ば粒径が15〜75mm程度)の砕石を例に挙げて説明
したが、本発明はこれには限定されず、他の種類の骨
材、例えば他の材質の天然岩石を砕いた砕石、砂利、石
炭ガラ、高炉スラグ、セラミックス等の人工材料による
人工骨材などであってもよく、また粒度分布も他の粒度
であってもよい。また、骨材構造物の下層部の骨材は骨
材拘束部材中に収容され、骨材構造物の上層部の骨材は
填充材によって固定されるので、稜角の少ないもの、あ
るいは稜角のない玉石状の骨材であってもよく、さら
に、砂のような細かい骨材も使用可能である。
【0044】また、上記実施形態においては、骨材構造
物として、鉄道用道床を例に挙げて説明したが、本発明
はこれには限定されず、他の用途に用いる構造物、例え
ばふ頭やその他の港湾構造物における床状部、滑走路や
エプロン等の空港構造物における床状部、埋立地におけ
る床状部、建築物における床状部、又は農業用構造物に
おける床状部などであってもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
路盤上に骨材を敷設して形成される骨材構造物の下層部
には骨材の移動を拘束する骨材拘束部材が配置され、少
なくとも下層部の上方に位置する骨材構造物の上層部の
骨材が填充材により固定されるようにしたので、上方か
ら作用する荷重は、骨材の間隙に充填され硬化した填充
材と骨材との複合構造により支持され、硬化した填充材
により骨材が固定されているので、上載荷重によって骨
材が下方や側方へ移動することはない。また、荷重はさ
らに下層部へ伝達されるが、骨材拘束部材内の空間に骨
材が収容されているので、この部分の骨材は水平方向へ
の移動が拘束されており、側方流動による沈下が防止さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である軌道の構成を示す分
解斜視図である。
【図2】図1に示す軌道の構成を示す横断面図である。
【図3】図1,2に示す軌道に用いる骨材拘束部材の構
成を示す斜視図である。
【図4】従来の軌道の構成を示す横断面図(1)であ
る。
【図5】従来の軌道の構成を示す横断面図(2)であ
る。
【符号の説明】
1,1A,1B 道床 2 まくらぎ 3 レール 4 路盤 10 骨材 11 骨材拘束部材 12 遮蔽部材 13 填充部 14 筒状部 14a ひも材 14b 排水孔 14c,14d 開口 100,200,300 軌道
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関根 悦夫 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 木幡 行宏 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 村本 勝巳 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 矢崎 澄雄 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 岡田 光芳 東京都台東区柳橋二丁目17番4号 小野田 ケミコ株式会社内 (72)発明者 大西 達人 東京都台東区柳橋二丁目17番4号 小野田 ケミコ株式会社内 (72)発明者 小林 健次 東京都港区六本木七丁目3番7号 東亜道 路工業株式会社内 (72)発明者 関口 守人 東京都港区六本木七丁目3番7号 東亜道 路工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 路盤上に骨材を敷設して形成される骨材
    構造物において、 前記骨材構造物の下層部には、前記骨材の移動を拘束す
    る骨材拘束部材が配置され、かつ、 少なくとも前記下層部の上方に位置する前記骨材構造物
    の上層部の骨材は、填充材により固定されることを特徴
    とする骨材構造物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の骨材構造物において、 前記骨材拘束部材は、 前記骨材構造物の下層の骨材の水平方向の移動を規制す
    る水平方向規制部と、 前記骨材構造物の下層の骨材の垂直方向の移動を規制す
    る垂直方向規制部と、 拘束する前記骨材の間の水を排水する排水手段を有し、
    かつ、 前記水平方向規制部は、多数の筒状部を有し、前記筒状
    部の開口の方向が前記骨材構造物の垂直方向と合致する
    ように配置され、前記配置状態における前記筒状部の2
    つの開口の間の空間に前記骨材が収容されることを特徴
    とする骨材構造物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の骨材構造
    物において、 前記骨材構造物の上層部と下層部との間には、前記流動
    状態の填充材の流出を防止するための遮蔽部材が配置さ
    れ、 前記填充材は、セメント系材料、アスファルト系材料、
    有機高分子系材料のうちのいずれか又はこれらの適宜の
    組合わせを含むとともに流動状態において前記骨材の間
    隙に注入され、その後に固化するものであり、かつ前記
    固化までの時間を調節可能であることを特徴とする骨材
    構造物。
  4. 【請求項4】 骨材の移動を拘束する骨材拘束部材を路
    盤上に配置する拘束部材配置工程と、 次いで、前記骨材拘束部材を包含するようにして前記骨
    材を敷設し締固めることにより下層部を形成する下層部
    形成工程と、 次いで、前記下層部の上方に、流動状態の填充材の流出
    を防止するための遮蔽部材を配置する遮蔽部材配置工程
    と、 次いで、前記遮蔽部材が配置された前記下層部の上方に
    骨材を敷設し締固めることにより上層部を形成する上層
    部形成工程と、 次いで、前記上層部の上方にまくらぎを敷設するととも
    に、前記まくらぎ上にレールを締結して軌道を形成する
    軌道形成工程と、 次いで、前記レール上に鉄道車両を走行させ前記骨材構
    造物の締固めを行う列車走行工程と、 次いで、前記上層部の上方から流動状態の填充材を流し
    込み前記骨材の相互間の間隙を填充させる填充工程と、 次いで、前記流動状態の填充材を硬化させ、硬化した填
    充材により前記骨材を固定させて骨材構造物を形成させ
    る硬化工程とを有することを特徴とする骨材構造物の施
    工方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016041891A (ja) * 2014-08-19 2016-03-31 Jfeスチール株式会社 レール沈下防止構造
CN110055827A (zh) * 2019-04-28 2019-07-26 中铁二院工程集团有限责任公司 一种路堑大坡度齿轨铁路结构及构筑方法
CN110055825A (zh) * 2019-04-28 2019-07-26 中铁二院工程集团有限责任公司 一种路堤齿轨铁路增强型道床结构及构筑方法

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CN110055827B (zh) * 2019-04-28 2023-09-22 中铁二院工程集团有限责任公司 一种路堑大坡度齿轨铁路结构的构筑方法

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