JPH10317090A - 鉄合金焼結体部品とその製法 - Google Patents

鉄合金焼結体部品とその製法

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JPH10317090A
JPH10317090A JP9128179A JP12817997A JPH10317090A JP H10317090 A JPH10317090 A JP H10317090A JP 9128179 A JP9128179 A JP 9128179A JP 12817997 A JP12817997 A JP 12817997A JP H10317090 A JPH10317090 A JP H10317090A
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iron alloy
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JP9128179A
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Takatoshi Takigawa
貴稔 瀧川
由重 ▼高▲ノ
Yoshie Kouno
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経済的に、疲労強度の高い鉄合金焼結体部品
を提供する。 【解決手段】 鉄合金焼結体部品の断面空孔数率が2000
個/mm2以上、最大空孔径が60μm以下で、ビッカ−ス硬
度(HV)が、表面から少なくとも深さ1mm以内が700以上で
深さ1mmを越すと450以上、結晶組織が、体積比で15%以
下の面心立方格子で残部は体心立方格子としたものは、
疲労限が610MPa以上の高い応力を持つ。この焼結体部品
を製造するに際しては、1200〜1350℃の温度で本焼結し
た焼結体を、800℃以上の温度でのガス浸炭、20〜100℃
の温度での油若しくは水焼入れ、及び250℃以下の温度
での焼戻しを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、粉末冶金法により
得られた鉄合金焼結体部品の空孔の分散、空孔の大きさ
を制御することにより、疲労強度の高い焼結体部品に関
する。
【0002】
【従来の技術】粉末冶金法により得られる鉄系焼結体
は、切削等の加工が少なくて済む機械部品(「ニアネッ
トシェイプ」の機械部品と言う)を製造できる利点があ
るため、最近では、鉄鋼原料からの溶製鋼部品に代わっ
て種々の分野で使用範囲が拡大してきた。
【0003】上記焼結体部品の引張り強度、あるいは硬
度のさらに高い値が必要とされる分野には、焼入れおよ
び焼戻し等の熱処理が焼結体部品の製造工程に含まれて
いる。そのような熱処理を施した焼結体部品が、エンジ
ンのオイルポンプやギヤのような自動車部品等の分野に
使用されている。
【0004】近年の自動車や産業機械の軽量化及び高性
能化のニーズを受けて、特に疲労強度(ある物質に、一
定回数の周期的応力をかけたときに、破壊がおこるまで
に抗しうる最大の応力)の高い鉄合金焼結体部品が必要
とされている。通常、焼結体の標準的工程は、「(粉末
材料)圧縮→焼結→(寸法)矯正圧縮→熱処理」であ
リ、合金成分や熱処理方法の改善によって、鉄合金焼結
体部品の静的強度、例えば引張り強度や抗折強度は溶製
鋼部品に比肩し得る迄になったが、空孔率(全体積中で
の空孔の占める比率)で数パーセントの空孔が存在する
ことが主な原因で、鉄合金焼結体部品の疲労強度は劣っ
ている。
【0005】そこで従来は、空孔率を減少させることに
よる疲労強度向上の対策として、以下の3つの加工方法
が開発されてきた。 1)粉末材料を圧縮成形した後、800〜900℃で焼結(以
下、仮焼結と言う)し、さらに仮焼結した焼結体を再度
圧縮した後、1100℃以上の温度で本焼結を行い、その
後、熱処理を行う「2回圧縮2回焼結法」。
【0006】2)粉末材料を圧縮成形した後、800〜130
0℃で焼結し、さらに焼結した焼結体を1000℃以上の熱
間で再圧縮し、その後、熱処理を行う「熱間鍛造法」。 3)粉末材料を圧縮成形した後、800〜1300℃で焼結
し、さらに焼結した焼結体を1000℃以上の熱間で押出し
た緻密化した棒状体を所望形状に機械加工し、その後、
熱処理を行う「熱間押出し法」。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の対策方法で
は、1)から3)になるに従い、緻密化が進み空孔率が
小さくなる。特に2)、3)は真密度(空孔が存在しな
い場合の理論密度:以下「真密度」と言う)に極めて近
くできるので疲労強度の向上への寄与は顕著である。
【0008】しかし、2)の焼結体を1000℃以上の熱間
で大きく塑性変形をさせて緻密化を図る方法は、型寸法
からの逸脱が大きく、所望形状にするための機械加工等
の後加工の工数が大きい。3)に至っては、丸棒形状が
一般的である。
【0009】したがって、上記2)、3)の方法は、焼
結体の強度を高くすることができるが、後加工に手間が
かかり、経済性が悪く、焼結体部品の大きなメリットで
あるニアネットシェイプを活かすことができない。従っ
て、限られた対象への部品となる。
【0010】そこで1)または、特開平07-138613号公
報で開示されている手法、即ち焼結体をオーステナイト
化温度で再圧縮(サイジング工程に相当)し、その際に
金型内で焼結体を焼入れすることによって、経済的に焼
結体部品の引張り強度や疲労強度を高めて、且つ寸法精
度も良好な方法で製造することが望ましい。
【0011】しかし、これらの方法では、2)ないし
3)のように大きな塑性変形を生じさせないため、真密
度に極めて近い密度を示すような緻密化は困難であり、
空孔率で2〜5%程度の空孔は残存してしまい、飛躍的に
従来より高い疲労強度は望めない。そこで、本発明は、
空孔径、及び単位断面積に存在する空孔の数(以下断面
空孔数率と言う)に着目して、それらを制御することに
より疲労強度の向上を図ることを特徴とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、断面空孔数率を増加させ、併せて、空孔の最大径を
小さくすること、すなわち、本発明の鉄合金焼結体部品
の断面空孔数率が2000個/mm2以上、最大空孔径が60μm
以下とした。そして、ビッカース硬度が、表面から少な
くとも深さ1mm以下が700以上で深さ1mmを越すと450以
上、結晶組織が、体積比で15%以下の面心立方格子で残
部は体心立方格子であることを特徴とする。
【0013】この鉄合金焼結体部品の製法に用いる粉末
材料は、重量%で鉄(Fe)が90%以上であって、合金元素
の重量%がニッケル(Ni)が0.3〜5%、モリブデン(Mo)が
0.3〜5%、クロム(Cr)が0.3〜2%、マンガン(Mn)が0.1〜1
%の範囲で少なくとも一種を含む鉄合金粉末に0.2〜0.8
重量%のカーボン粉末材料を配合したものである。
【0014】この鉄合金焼結体部品の製法においては、
1200〜1350℃の温度で焼結し、その焼結体を、800℃以
上の温度でのガス浸炭、20〜100℃の温度での油若しく
は水焼入れ、及び250℃以下の温度での焼戻しを行うこ
とを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】上記目的を達成するために、本発
明では同じ程度の密度であっても、応力の繰返しによる
焼結体部品の亀裂(以下、疲労亀裂と言う。)が生じに
くくし、結果として疲労強度を高くすることができる焼
結体部品の構造とその製造方法を提供する。具体的には
小径化した空孔を分散させた焼結体部品の構造を形成す
ることにある。
【0016】焼結体部品の製造では、工数が少なく従っ
て経済的な製造法である「(粉末材料)圧縮→焼結→
(寸法)矯正圧縮→熱処理」を維持する方法、または少
なくとも該方法に近い方法で対応する必要がある。そこ
で、疲労強度を高くするために密度を高くする工程を単
純に付加するのではなく、焼結体の微細構造に注目して
製造工程を検討した。
【0017】従来より高い疲労強度を得るために、焼結
体の密度が7.4g/cm3以上の範囲で、断面空孔数率が2000
個/mm2以上で最大空孔径が60μm以下であるような焼結
体の構造を実現することによって、疲労強度を著しく向
上できた。
【0018】ところで、焼結体の空孔は、使用する合金
粉末の成形圧縮時に粒子の間で生じるものを起源として
いる。焼結体の空孔の大きさは使用する合金粉末の粒径
と正の相関関係、すなわち、大きい粒径の合金粉末を使
用した場合は、小さい粒径の合金粉末を使用した場合よ
り、大きい空孔を生じる。
【0019】焼結体の空孔の数は使用する合金粉末の粒
径と逆の相関関係、すなわち、大きい粒径の合金粉末を
使用した場合は、小さい粒径の合金粉末を使用した場合
より、空孔の数は少なくなる。従って、同じ程度の密度
で作製した焼結体では、使用する合金粉末が微粉化する
に従って、小さい空孔径の空孔が、多く存在することに
なる。
【0020】焼結体部品における疲労亀裂の発生点は空
孔径の大きさで決定され、空孔の数で決定されるのでは
ないので、同じ程度の密度なら、より細かい微粉を用い
た焼結体の方が、疲労強度の高いものを得ることができ
る。
【0021】疲労強度に寄与する因子としては上記空孔
径の他に、焼結体部品の硬度、結晶構造が重要である。
【0022】良好な疲労強度を実現するためには、焼結
体部品の表面のビッカース硬度(Hv)が700以上あり、
表面以外の部分の硬度が450以上であることが必要であ
る。そのために1200℃以上1350℃以下の高温で焼結して
緻密化し、800℃以上のガス浸炭焼入れが有効である。
【0023】また、焼入れ後に存在する残留オーステナ
イト相(面心立方格子の結晶体である。)が多く残ると
硬度が低下するので、その体積比は15%以下とすること
が望ましい。焼入れ元素として多用されるNiはオーステ
ナイト安定化元素であり、その適正な含有量に特に留意
する必要がある。
【0024】鉄合金粉末は、重量%で鉄(Fe)が90%以
上、及びニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)若し
くはマンガン(Mn)から選ばれた少なくとも一種を合金元
素とし、それぞれの重量%がニッケル(Ni)で0.3〜5%、
モリブデン(Mo)で0.3〜5%、クロム(Cr)で0.3〜2%、マン
ガン(Mn)で0.1〜1%の範囲であることが望ましい。
【0025】更に発明の具体的な実施例を以下に示す。
【実施例】Fe-0.5%Ni-1%Mo鉄合金粉末(%は、重量
%)の粒径180μm以上を重量%で4%、同150μm以上を
重量%で10%、同106μm以上を重量%で20%、同75μm
以上を重量%で23%、同63μm以上を重量%で12%、同4
5μm以上を重量%で16%、同45μm以下を重量%で15%
の割合で混合した粉末材料Aとして表1に示す。
【0026】また、同じ鉄合金粉末で粒径31μm以下を
重量%で1.7%、同22μm以下を重量%で10.8%、同16μ
m以下を重量%で20.3%、同粒径が11μm以下を重量%で
25.9%、同7.8μm以下を重量%で29.8%、同3.9μm以下
を重量%で9.5%、同2.8μm以下を重量%で2.0%の割合
で混合した粉末材料Bとして表2に示す。なお、鉄合金
粉末は溶湯からの急冷速度を変えたアトマイズ法により
各々作製した。
【0027】また、鉄合金粉末材料に配合するカーボン
粉末材料は、粉末の粒径44μm以上を重量%で4.6%、同
25μm以上を重量%で21.0%、同16μm以上を重量%で2
4.7%、同10μm以上を重量%で20.5%、5μm以上を重量
%で17.7%、同5μm以下を重量%11.5%の割合で混合し
たものを用い、これを表3に示す。なお、表1〜表3の
粒径を示す数字の前に示す+は、それ以上で、同じく−
はそれ未満を示している。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】上記の粉末材料Aと粉末材料Bの両者を表4
に示すように、粉末材料Bが0%で粉末材料Aが100%、粉
末材料Bが32%で粉末材料Aが68%、粉末材料Bが64%で
粉末材料Aが36%、粉末材料Bが100%で粉末材料Aが0%
である4種の重量比で配合した鉄合金粉末材料に、表3
に示す粉末粒径と重量%の関係を有するカーボン粉末材
料及び重量比にして0.5%の固形ワックス潤滑剤とを混
合した後、7t/cm2の圧力で圧粉し、高さ85mm、縦15mm、
横15mmの直方成形体を作製した。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】その直方成形体を600℃水素雰囲気で脱潤
滑剤を行い、続いて820℃、600Torr減圧窒素雰囲気で30
分の仮焼結を行って仮焼結体を作製し、その後7〜9t/cm
2の範囲の圧力で再圧縮を行った。続いて1300℃、600To
rrの減圧窒素雰囲気中で1時間の本焼結を行った。
【0034】前記4種の焼結体の最終密度は7.5±0.02
(g/cm3)であった(表4)。なお、この4種類の焼結体
部品の密度が7.5±0.02(g/cm3)であることは、この4種
類の焼結体部品の密度が実質的に7.5(g/cm3)に揃ってい
ると考えて十分である。
【0035】次に、前記本焼結した焼結体部品を回転曲
げ疲労試験片の形状に機械加工後、930℃、カーボンポ
テンシャル1.1%雰囲気で3時間、続いて830℃、カーボ
ンポテンシャル0.9%雰囲気で20分ガス浸炭処理した後
に、80℃油冷を行い、200℃、大気中1.5時間の焼戻しを
行った。
【0036】回転曲げ疲労試験片形状は図4に示すよう
に、試験部の直径6mm、長さ30mm、掴み部の直径12mmで
あり、掴み部と試験部との間のショルダー部は24mmの半
径を持つ円弧状の曲線で形成されている。
【0037】そして、この試験片に回転と同時に曲げ応
力を付加するJIS Z 2274による回転曲げ疲れ試験(疲
労試験)を行なった。この試験の回転速度を2500rpmと
し、回転数107での破断応力を測定して疲れ限度(疲労
限)を求めた。
【0038】回転曲げ疲労を行なった試験片の金属組織
観察の結果、表4の4種類はいずれも焼戻しマルテンサ
イト相を示しており、荷重100gでのビッカース硬度(Hv)
は粉末材料Aのみの試験片では表面近傍浸炭部(表面か
ら1mm以内)が860および内部(表面から1mmを越す内
部)は730、粉末材料Bのみの試験片は表面近傍浸炭部は
820および内部は700であった。
【0039】なお、上記2種類以外の配合を用いた2種
類の配合の試験片の硬度は、上記2種類の間にあった。
すなわち、表4の4種類の全ての硬度値は、焼結体の表
面の硬度がHv700以上、表面以外の部分の硬度が450以上
であった。
【0040】表4の4種類は同じ合金成分であるが、粉
末材料B(粉末材料Aより微粉である。)の配合量が多い試
験片ほど、粉末粒径が小さいことを反映して結晶粒が小
さく、結果として焼入れ性が低下すると考えられること
から、硬度が僅かに低くなっている。
【0041】またX線回折の結果、面心立方格子結晶
(残留オーステナイト相)の体積率は、いずれも3〜7%
程度であった。
【0042】空孔の状態を評価するために、光学顕微鏡
で観察可能な大きさに前記回転曲げ疲労を行なった後の
試験片を切断してエポキシ樹脂に埋め込んだ後研磨を行
なった。直径200mmのSiC研磨紙をセットした回転研磨盤
(毎分120回転のモータで駆動)を用いて、研磨紙上に
流水を行いながら研磨した。
【0043】すなわち、粒度番号80、120、400の研磨紙を
順に各5分間用いて研磨することにより、平滑に研磨し
た。更に、水で濡らしたパフシートを同研磨盤にセット
し、その上に、粒度番号800、1500のダイヤ砥粒を順に供
給して、各10分研磨を行った後、空孔の観察を行った。
【0044】少なくとも縦0.5mm、横0.6mmすなわち面積
0.3mm2の視野において、断面空孔数率(個/mm2)、及び
最大空孔径(μm)を評価した。最大空孔径は、光学顕
微鏡で観察した空孔を撮影することにより測定したが、
空孔が異形の場合あるいは複数の空孔が重なって見えて
いる場合にも、例えば図1のLに示すように空孔の最も
長い寸法を最大空孔径として測定した。
【0045】実際の観察例を図2、図3に示す。すなわ
ち、図2は表1の粉末材料Aのみで、図3は表2の粉末
材料Bのみのものである。図で黒く見える部分が空孔で
ある。
【0046】以上のことをまとめて示したものが表4で
ある。(なお、コア部炭素濃度は、浸炭前の炭素濃度を
示し、浸炭部炭素濃度は、前記回転曲げ疲労試験片の直
径6mm試験部の平均炭素濃度を示している。)これから
判るように、断面空孔数率が2000個/mm2以上、最大空孔
径が60μm以下において、疲労限は610MPa以上という非
常に高い値で、良好な疲労強度を示している。
【0047】なお、上記のFe-0.5%Ni-1%Mo鉄合金粉末
(%は、重量%)の代わりに、重量%で鉄(Fe)が90%以
上でニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)若しくは
マンガン(Mn)から選ばれた少なくとも一種を合金元素と
し、それぞれの重量%がニッケル(Ni)で0.3〜5%、モリ
ブデン(Mo)で0.3〜5%、クロム(Cr)で0.3〜2%、マンガン
(Mn)で0.1〜1%の範囲である鉄合金粉末を使用した場合
にも、本実施例で示したのと同じ結果を得ることが出来
る。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、疲労強度を高くするこ
とを目的とする鉄合金焼結体部品において、多くの後加
工を要する鍛造や押出しのような緻密化を行うことな
く、また、従来の焼結体の部品製造方法を大きく変更す
ることなく、空孔の小径化と同時に分散化を行うことに
よって、鉄合金焼結体の疲労強度の向上を図ることがで
きる。
【0049】したがって、本発明による鉄合金焼結体部
品は、高い疲労強度を達成できるとともに、経済的な製
造が可能で、表面への繰返し応力(繰返し面圧)に耐え
る特性を要求されるギア部品等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】最大空孔径Lを示す模式図である。
【図2】粉末材料Aのみの鉄合金焼結体部品の断面を示
す図である。
【図3】粉末材料Bのみの鉄合金焼結体部品の断面を示
す図である。
【図4】回転曲げ疲労試験のための試料を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C21D 9/00 C21D 9/00 A C22C 38/00 304 C22C 38/00 304

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄(Fe)が90重量%以上である鉄合金粉末
    材料にカーボン粉末材料を配合し、圧縮成形と焼結によ
    り形成される密度7.4g/cm3以上の鉄合金焼結体部品にお
    いて、断面空孔数率(個/mm2)が2000以上、最大空孔径
    (μm)が60以下であることを特徴とする鉄合金焼結体部
    品。
  2. 【請求項2】 前記鉄合金粉末は、鉄(Fe)が90重量%以
    上で、残部がニッケル(Ni)0.3〜5重量%、モリブデン(M
    o)0.3〜5重量%、クロム(Cr)0.3〜2重量%、マンガン(Mn)
    0.1〜1重量%の範囲で少なくとも1種を含み、アトマイ
    ズ法で作製したことを特徴とする請求項1記載の鉄合金
    焼結体部品。
  3. 【請求項3】 体積比で面心立方格子の結晶組織が15%
    以下、体心立方格子の結晶組織が残部であることを特徴
    とする請求項1記載の鉄合金焼結体部品。
  4. 【請求項4】 表面から深さ1mm以内のビッカース硬度
    値(HV)が700以上、深さ1mmを越すビッカース硬度値(HV)
    が450以上であることを特徴とする請求項1記載の焼結
    体部品。
  5. 【請求項5】 1200〜1350℃で焼結した焼結体を、800
    ℃以上でガス浸炭し、20〜100℃で油若しくは水焼入れ
    後、250℃以下の焼戻しの熱処理を行うことを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の鉄合金焼結体部
    品の製法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004502028A (ja) * 2000-06-28 2004-01-22 ホガナス アクチボラゲット 表面を緻密化した粉末金属部品の製造方法
US8220153B2 (en) * 2006-05-26 2012-07-17 Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. Production method for complex bearing
JP2015004098A (ja) * 2013-06-20 2015-01-08 株式会社豊田中央研究所 鉄基焼結材およびその製造方法
WO2015111338A1 (ja) 2014-01-22 2015-07-30 Ntn株式会社 焼結機械部品及びその製造方法

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