JPH10316488A - 磁界印加方式の単結晶製造装置 - Google Patents

磁界印加方式の単結晶製造装置

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JPH10316488A
JPH10316488A JP12742197A JP12742197A JPH10316488A JP H10316488 A JPH10316488 A JP H10316488A JP 12742197 A JP12742197 A JP 12742197A JP 12742197 A JP12742197 A JP 12742197A JP H10316488 A JPH10316488 A JP H10316488A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、コイルの位置ずれに起因して発
生する不平衡電磁力を小さくしたカスプ磁界印加方式の
単結晶製造装置を得る。 【解決手段】 真空容器17が単結晶引上装置本体10
0を包囲するように配設されている。超電導コイル3
1、32が上下に対向してこの真空容器17内に収容さ
れている。この超電導コイル31、32は支持部材4
1、42により真空容器17の内壁面に支持され、支持
部材43により互いに連結されている。さらに、磁気シ
ールド40が真空容器17の外周に配設されている。こ
の磁気シールド40の上下のフランジ部40aは、超電
導コイル31、32の中心径と一致した内径に構成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば半導体装
置材料として用いられるシリコン結晶を結晶原料融液か
ら引き上げ製造する単結晶製造装置に関し、特に結晶引
き上げ部の結晶原料融液に磁界を印加する磁界発生部を
備えた磁界印加方式の単結晶製造装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図10は例えば特公平3−61630号
公報に記載されたCZ法(チョクラルスキー法)による
従来の単結晶引上装置を示す構成図である。この従来の
単結晶引上装置においては、単結晶原料融液1(以下、
融液とする)がルツボ2内に充填されている。このルツ
ボ2の外側にはヒータ3が配設されており、ヒータ3の
加熱により、ルツボ2内に収められている単結晶原料が
溶融されて、常に融液状態に保たれている。そして、こ
の融液1中に種結晶4を浸漬させた後、引上駆動機構5
により該種結晶4をある一定の速度にて引き上げてゆく
と、固体−液界面境界層6にて結晶が成長し、単結晶7
が生成される。この時、ヒータ3の加熱によって誘起さ
れる融液1の流体的運動、即ち熱対流8が発生する。
【0003】この熱対流8の発生原因は次のように説明
される。即ち、熱対流8は、一般に流体の熱膨張による
浮力と流体の粘性力との釣り合いが破れた時に生じる。
この浮力と粘性力との釣り合い関係を表す無次元量がグ
ラスホフ数NGrである。 NGr=g・α・ΔT・R3/ν2 ここで、g:重力加速度、α:融液の熱膨張率、ΔT:
ルツボ半径方向温度差、R:ルツボ半径、ν:融液の動
粘性係数である。
【0004】一般に、グラスホフ数NGrが融液1の幾何
学的寸法、熱的境界条件等によって決定される臨海値を
越えると、融液1内に熱対流8が発生する。通常、NGr
>106にて融液1の熱対流8は乱流状態となり、NGr
>109では撹乱状態となる。現在行われている直径3
〜4インチの単結晶引き上げの融液条件においては、N
Gr>109となり(上記NGrの式による)融液1内は撹
乱状態となり、融液1の表面、即ち固体−液界面境界層
6は波立った状態となる。
【0005】このような撹乱状態の熱対流8が存在する
と、融液1内、特に固体−液界面境界層6での温度変動
が激しくなり、固体−液界面境界層6の厚さの位置的及
び時間的変動が激しく、成長中結晶の微視的再溶解が顕
著となり、成長した単結晶7中には転位ループ、積層欠
陥等が発生する。しかも、この欠陥部分は、不規則な固
体−液界面境界層6の変動により単結晶引き上げ方向に
対して非均一に発生する。
【0006】さらに、高温の融液1(例えば、1500
℃)が接するルツボ2内面における融液1とルツボ2と
の化学変化により、ルツボ2内面より融液1中に溶解し
ている不純物9が、この熱対流8に搬送されて、融液1
の内部全体にわたって分散する。この不純物9が核とな
り、単結晶7中に転位ループや欠陥、成長縞等が発生し
て、単結晶7の品質を劣化させている。このため、この
ような単結晶7よりLSI(Large Scale Integratio
n:大規模集積回路)のウエハーを製造すると、欠陥部
分を含んだウエハーは電気的特性が劣化しているため使
用不可能であり、従って歩留まりが悪くなる。
【0007】今後、単結晶7は益々大直径化してゆく
が、上記のグラスホフ数の式からもわかるようにルツボ
2の直径が増大すればする程、グラスホフ数も増大し、
融液1の熱対流8は一層激しさを増して、単結晶7の品
質も劣化の一途をたどることになる。そこで、熱対流8
を抑制し、熱的・化学的に平衡状態に近い成長条件にて
単結晶引き上げを行うために、融液1に直流磁場を印加
する手法が提案されている。
【0008】図11は磁場印加による従来の単結晶引上
装置を示す構成図である。なお、図において、図10の
単結晶引上装置と同一部分には同一符号を付してその説
明は省略する。図11に示された従来の単結晶引上装置
では、磁石10がルツボ2の外周に配置され、図中矢印
11で示される方向、即ち単結晶引き上げ方向と直交す
る方向の一様磁場が融液1中に印加されるようになって
いる。単結晶7の融液1は一般に電気伝導度σを有する
導電体である。このため、電気伝導度を有する流体が熱
対流8により運動する際、磁場印加方向11と平行でな
い方向に運動している流体は、レンツの法則により磁気
的抵抗力を受ける。このため、熱対流8の運動は阻止さ
れる。一般に、磁場が異なされた時の磁気抵抗力、即ち
磁気粘性係数νcf iは、次式で表される。 νcfi=(μHD)2σ/ρ ここで、μ:融液の透磁率、H:磁場強さ、D:ルツボ
直径、σ:融液の電気伝導度、ρ:融液の密度である。
【0009】そこで、磁場強さが増大すると磁気粘性係
数νcfiが増大し、先に示したグラスホフ数NGrの式中
のνが増大することになり、グラスホフ数は急激に減少
し、ある磁場強さによってグラスホフ数を臨界値より小
さくすることができる。これにより、融液1の熱対流8
は完全に抑制される。このように、磁場を印加すること
により熱対流8が抑制されるので、上述した単結晶7中
の不純物含有、転位ループの発生、欠陥・成長縞等の発
生がなくなり、しかも単結晶引き上げ方向に均一な品質
の単結晶7が得られ、単結晶7の品質および歩留まりを
向上させることができる。
【0010】一方、このような特性を呈する磁場印加に
よる単結晶引上装置としては、近年脚光をあびてきた超
電導磁石を採用したものがある。
【0011】図12および図13はそれぞれ超電導磁石
装置を備えた従来の単結晶引上装置を示す図であり、図
12は正面方向から見た構成図、図13は上面方向から
見た構成図である。なお、各図において、図11の単結
晶引上装置と同一部分には同一符号を付してその説明は
省略する。図12および図13に示された従来の単結晶
引上装置では、融液1に図12中矢印11なる方向の磁
場(以下、横磁場とする)を印加するために、円筒型の
超電導コイル13、14が、引上装置チャンバ12の外
部に、横磁場方向11とコイル中心軸とが一致する図示
位置に設置されている。
【0012】超電導コイル13、14は、極低温(例え
ば、4.2k)液体ヘリウム15で満たされた内槽16
内に収納され、超電導状態に保持されている。超電導コ
イル13、14を極低温状態にしておく保冷容器17
a、17bは、内槽16と外槽18およびこれらの中間
に設置されて外部からの侵入熱量を低減させる輻射シー
ルド板19より構成されている。小型冷凍機50a、5
0b、60a、60bは、それぞれ保冷容器17a、1
7bに直接取り付けられている。
【0013】小型冷凍機50a、50bは、この小型冷
凍機50a、50b内を循環している冷凍冷媒(例えば
ヘリウム)51a、51bを圧縮する圧縮機ユニット5
2a、52bと、これらにより圧縮された冷凍冷媒51
a、51bを断熱膨張させて冷却する膨張機53a、5
3b(53bは図示せず)と、輻射シールド温度(例え
ば、80K)まで冷却された冷凍ステージ54a、54
b(54bは図示せず)と、ヘリウム液化温度(例え
ば、4.2K)まで冷却されたヘリウム再凝縮器55
a、55b(55bは図示せず)とより構成されてい
る。
【0014】小型冷凍機60a、60bは、小型冷凍機
50a、50bと同様な構造を有し、冷凍冷媒61a、
61bと、圧縮機ユニット62a、62bと、膨張機6
3a、63b(63bは図示せず)と、輻射シールド温
度を有する冷凍ステージ64a、64b(64bは図示
せず)と、極低温(例えば、20K)に冷却された冷凍
ステージ65a、65b(65bは図示せず)とにより
構成されている。
【0015】超電導コイル13、14は、常温中(例え
ば、300K)に布設されたパワーリード20により直
列に接続され、電源21より励磁電流が供給される。パ
ワーリード20よりの外部侵入熱は、小型冷凍機60
a、60bの冷凍ステージ64a、64b、65a、6
5bにより除去される。コイル励磁に伴い蒸発した内槽
16内のヘリウムガスは、小型冷凍機50a、50bの
ヘリウム再凝縮器55a、55bにより再凝縮(液化)
される。このようにして、保冷容器17a、17b内に
は、常に液体ヘリウムが満たされ、超電導コイル13、
14は超電導状態を保持し続けることができる。
【0016】この超電導磁石装置を備えた従来の単結晶
引上装置においても、融液1中に横磁場を印加すること
ができるので、融液1中の熱対流8が抑制され、図11
に示された従来の単結晶引上装置と同様に、単結晶7中
の不純物含有、転位ループの発生、欠陥・成長縞等の発
生がなくなり、しかも単結晶引き上げ方向に均一な品質
の単結晶7が得られ、単結晶7の品質および歩留まりを
向上させることができる。
【0017】一般に、単結晶引上装置は、その引き上げ
運転が完了する毎にルツボ2および引上装置チャンバ1
2の内面を清掃する必要がある。超電導磁石装置を備え
た従来の単結晶引上装置では、この清掃を下記に示すよ
うな手順で実施している。まず、超電導磁石装置から発
生する電磁力が作用する保冷容器17a、17bを支え
るために設置してある支え棒22を取り除く。ついで、
各保冷容器17a、17bを保持している架台29a、
29bの下部に敷設された床固定レール23上を、水平
方向24に固定位置(図13中25で示される)まで移
動させて、単結晶引上装置本体と超電導磁石装置とを完
全に分離する。この状態で、ルツボ2およびチャンバ1
2の清掃を行う。
【0018】また、例えば、特公平3−61630号公
報に記載された従来の単結晶引上装置では、図14およ
び図15に示されるように、U字型の配管で接続されて
ルツボ2を取り囲むように配設された超電導マグネット
により、ルツボ2の融液1に磁界を印加するようにして
いる。そして、この超電導マグネットのコイルは直列に
接続され、1つの電源から電流が供給されるようになっ
ている。さらに、この超電導マグネットは、水平方向
(図15中矢印24の方向)に移動できるような構造が
可能である。
【0019】しかしながら、上述した融液1中に横磁場
を印加する単結晶引上装置においては、軸対称的な熱対
流に対して、非軸対称的磁場(横磁場)を生じるため
に、対流の半径方向の流れのうち磁場方向と一致する流
れに対しては効果がなく、熱対流に非軸対称性が生じて
しまい、均一な円形断面を有する単結晶が得られないこ
と、さらには円形断面全体において結晶性の均一性が得
られないという問題があった。そこで、均一な円形断面
を有する単結晶を得るために、さらには円形断面全体に
おいて結晶性が均一な単結晶を得るために、融液1内に
等軸対称、かつ、放射状のカスプ磁場を印加する手法が
提案されている。
【0020】図16は例えば特開昭58−217493
号公報に記載された従来の単結晶引上装置における融液
内の熱対流および磁場を示す図で、図16(a)は縦断
面図、図16の(b)は上部断面図である。この従来の
単結晶引上装置では、ルツボ2の上下に超電導マグネッ
トが配設され、融液1内に、等軸対称かつ放射状のカス
プ磁場11aが形成されるようになっている。そこで、
ルツボ2の融液1部のほぼ中心付近に等軸対称かつ放射
状のカスプ磁界11aが印加され、融液1中の熱対流8
が均一に抑制されて、育成する結晶の性状を改善でき
る。
【0021】また、特開昭61−222984号公報に
記載された図17に示す従来の単結晶引上装置では、コ
イル26によってルツボ2の融液部の表面に等軸対称か
つ放射状のカスプ磁界11aを印加することにより、育
成する結晶の性状が改善できることが示されている。
【0022】さらに、特開昭63−222408号公報
に記載された従来の超電導マグネット110は、図19
に示されるように、サイド側超電導コイル101a、1
01bおよびセンター側超電導コイル102a、102
bの4つに分割されたコイル構成をなし、周りに自己磁
気シールド106が設けられている。そして、これらの
分割されたコイルは、図18に示されるように、サイド
側超電導コイル101aと101b、センター側超電導
コイル102aと102bがそれぞれ直列接続され、こ
れらのコイル対がさらに直列に接続され、コイル保護素
子103e、103fが各コイル対の両端間にそれぞれ
並列に接続されている。さらに、直列接続されたコイル
の両端間には永久電流スイッチ105が接続され、閉回
路を構成するようにされている。そこで、コイルは対称
位置にあるコイル毎に直列に接続されているので、どの
超電導コイルに常電導転位が生じても電流分布は対称で
あるので不平衡電磁力が発生しない構造となっている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁界印加方式の
単結晶引上装置は以上のように構成されているので、下
記に記載されるような課題があった。融液1中に横磁場
を印加する方式においては、軸対称的な熱対流に対し
て、横磁場は非軸対称的磁場であるので、対流の半径方
向の流れのうち磁場方向と一致する流れに対しては効果
が得られない。そこで、熱対流に非軸対称性が生じてし
まい、均一な円形断面を有する単結晶が得られないこ
と、さらには円形断面全体において結晶性の均一性が得
られないという問題があった。また、融液1中にカスプ
磁界を印加する方式においては、ルツボ2の融液1部の
ほぼ中心付近に等軸対称かつ放射状のカスプ磁界11a
が印加されるので、融液1中の熱対流8が均一に抑制さ
れて、横磁場を印加する方式における不具合が解消さ
れ、育成する結晶の性状を改善できる。しかしながら、
図17に示される空心型のコイルでは、装置外部への漏
洩磁界が大きいという問題があった。漏洩磁界を低減す
る手段として、磁気シールドを設けることも考えられる
が、コイルが磁気シールドに対して対称な位置になかっ
たり、対のコイルの通電電流が異なった場合には、磁気
シールドとコイルとの間に大きな不平衡電磁力が働いて
しまう。そこで、極低温に冷却されたコイルの支持構造
が大きくする必要があり、コイル支持が困難となるとい
う問題があった。また、大きな電磁力を支持するために
コイル支持構造が大きくなると、コイル支持構造を介し
ての極低温に冷却されたコイルへの熱侵入量が大きくな
り、コイルの冷却が困難となったり、冷却のための液体
ヘリウムや電力の消費量が大きくなるという問題もあっ
た。
【0024】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、磁気シールドとコイルとの間に
働く不平衡電磁力を小さくし、構造の簡略化を達成でき
る磁界印加方式の単結晶製造装置を得ることを目的とす
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】この発明に係る磁界印加
方式の単結晶製造装置は、ルツボに充填された単結晶原
料融液に種結晶を挿入し、この結晶を引き上げることに
より単結晶を生成する単結晶引上装置本体と、この単結
晶引上装置本体を包囲するように配設された真空容器
と、互いに上下方向に離間して該単結晶引上装置本体を
包囲するように該真空容器内に収容され、該単結晶原料
融液部にカスプ磁界を印加する少なくとも2つの超電導
コイルと、該真空容器の外周に設置された磁気シールド
とを備えた磁界印加方式の単結晶製造装置において、該
少なくとも2つの超電導コイルは直列に接続され、該磁
気シールドは該真空容器の上下端面を覆う上下のフラン
ジ部が該超電導コイルの中心径と等しい内径に形成され
ているものである。
【0026】この発明に係る磁界印加方式の単結晶製造
装置は、ルツボに充填された単結晶原料融液に種結晶を
挿入し、この結晶を引き上げることにより単結晶を生成
する単結晶引上装置本体と、この単結晶引上装置本体を
包囲するように配設された真空容器と、互いに上下方向
に離間して該単結晶引上装置本体を包囲するように該真
空容器内に収容され、該単結晶原料融液部にカスプ磁界
を印加する少なくとも2つの超電導コイルと、該真空容
器の外周に設置された磁気シールドとを備えた磁界印加
方式の単結晶製造装置において、該少なくとも2つの超
電導コイルは直列に接続され、該磁気シールドは該真空
容器の上下端面を覆う上下のフランジ部が該超電導コイ
ルの中心径より小径の内径に形成されているものであ
る。
【0027】この発明に係る磁界印加方式の単結晶製造
装置は、ルツボに充填された単結晶原料融液に種結晶を
挿入し、この結晶を引き上げることにより単結晶を生成
する単結晶引上装置本体と、この単結晶引上装置本体を
包囲するように配設された真空容器と、互いに上下方向
に離間して該単結晶引上装置本体を包囲するように該真
空容器内に収容され、該単結晶原料融液部にカスプ磁界
を印加する少なくとも2つの超電導コイルと、該真空容
器の外周に設置された磁気シールドとを備えた磁界印加
方式の単結晶製造装置において、該少なくとも2つの超
電導コイルは直列に接続され、該磁気シールドは該真空
容器の上下端面を覆う上下のフランジ部が定格の磁界に
対して磁気的に飽和する厚みに形成されているものであ
る。
【0028】また、非磁性材料からなる環状の端部材を
磁気シールドの上下のフランジ部に気密的に接合して、
磁気シールドと真空容器とを一体に構成したものであ
る。
【0029】また、磁気シールドと同一材料で、薄板か
らなる環状の端部材を該磁気シールドの上下のフランジ
部に気密的に接合して、磁気シールドと真空容器とを一
体に構成したものである。
【0030】この発明に係る磁界印加方式の単結晶製造
装置は、ルツボに充填された単結晶原料融液に種結晶を
挿入し、この結晶を引き上げることにより単結晶を生成
する単結晶引上装置本体と、この単結晶引上装置本体を
包囲するように配設された真空容器と、互いに上下方向
に離間して該単結晶引上装置本体を包囲するように該真
空容器内に収容され、該単結晶原料融液部にカスプ磁界
を印加する少なくとも2つの超電導コイルと、該真空容
器の外周に設置された磁気シールドとを備えた磁界印加
方式の単結晶製造装置において、該磁気シールドは、中
心水平面に対して対称に配置された上側磁気シールドと
下側磁気シールドとから構成されているものである。
【0031】また、超電導コイルの冷却・通電用ポート
が、上側磁気シールドと下側磁気シールドとの間を通っ
て真空容器に取り付けられているものである。
【0032】また、上側磁気シールドと下側磁気シール
ドとの間隙を調節する磁気シールド移動手段を備えてい
るものである。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係る磁
界印加方式の単結晶製造装置の構成を示す断面図であ
る。図において、図10乃至図19に示された従来の単
結晶引上装置と同一部分には同一符号を付してその説明
は省略する。図において、結晶引上装置本体100は、
融液1が充填されるルツボ2と、このルツボ2の外周に
配設されたヒータ3と、ルツボ2およびヒータ3が収容
される引上装置チャンバ12と、種結晶4を一定速度で
引き上げる引上駆動機構5とから構成されている。そし
て、ルツボ2は引上装置チャンバ12の軸心位置にほぼ
位置するように配設され、引上駆動機構5は種結晶4を
軸心方向に引き上げるようになっている。また、この結
晶引上装置本体100の外周には、融液1にカスプ磁界
11aを印加するための超電導マグネット200が配設
されている。
【0034】ついで、超電導マグネット200の構成に
ついて説明する。真空容器17は、非磁性材料、例えば
ステンレス鋼を用いて矩形断面の中空のリング状に作製
され、結晶引上装置本体100の外周に同軸に配設され
ている。超電導コイル31、32は、同一の超電導素線
を同じターン数リング状に巻回されて同じ寸法に作製さ
れている。そして、超電導コイル31、32は、結晶引
上装置本体100の外周に同軸に、ルツボ2の上下に対
向して真空容器17内に配設され、互いに直列に結線さ
れている。さらに、超電導コイル31、32は、それぞ
れ支持部材42により真空容器17の内壁面に軸心方
向、即ち鉛直方向に支持され、支持部材41により真空
容器17の内壁面に径方向、即ち水平方向に支持されて
いる。さらにまた、支持部材43が超電導コイル31、
32間を鉛直方向に支持している。これらの支持部材4
1、42、43は、周方向に所定間隔毎に複数設けられ
ている。磁気シールド40は、磁性材料、例えば純鉄を
用いてコの字状断面のリング状に作製され、真空容器1
7の外周を包囲するように配設されている。そして、磁
気シールド40は、その上下のフランジ部40aの内径
が超電導コイル31、32の中心径と等しく構成されて
いる。なお、超電導マグネット200には、図示されて
いないが、真空容器17内に配設されてコイル部への熱
侵入を抑制する熱シールド、真空容器17に配設されて
熱シールドやコイルを冷却する小型冷凍機等の冷却機
構、さらにはコイルに通電するための電流リード等が備
わっている。また、ここで言うコイルの中心径とは、コ
イルの内径と外径との中央の径、即ち(コイル内径+コ
イル外径)/2に相当するものである。
【0035】つぎに、このように構成された単結晶製造
装置の動作について説明する。ヒータ3の加熱により、
ルツボ2内に収容されている単結晶原料、例えばシリコ
ンが溶融される。そして、高温のシリコンの融液1が接
するルツボ2の内面から不純物9が融液1中に溶解され
る。また、融液1には、ヒータ3の加熱によって熱対流
8が誘起される。一方、超電導コイル31、32は小型
冷凍機(図示せず)により極低温に冷却され、電流リー
ド(図示せず)を介して電流が流される。そして、融液
1には、等軸対称かつ放射状のカスプ磁界11aが印加
される。なお、超電導コイル31、32は同じターン
数、同じ寸法に構成されているので、同一の起磁力が発
生している。ヒータ3の加熱によって誘起される熱対流
8はこのカスプ磁界11aによって生じる磁気的抵抗力
により対流の大きさが抑制される。そこで、ルツボ2の
内面から融液1中に溶解された不純物9は、ルツボ2の
内面側に滞留し、融液1の内部全体への分散が抑制され
る。さらには、熱対流8に起因する固体−液界面境界層
6での温度変動が抑制される。そこで、単結晶の品質を
劣化させる要因が抑えられ、高品質の単結晶を歩留まり
よく製造できる。
【0036】ここで、カスプ磁界11aは結晶の製造に
最適な位置、値がシミュレーションや実験によって選択
されることになる。また、超電導コイル31、32によ
って発生する磁界は融液1にだけ作用すればよく、その
他の領域に対しては極力小さいことが望ましい。この磁
気シールド40は超電導マグネットから外部に漏れる磁
界を抑制するとともに、融液1に対して要求される磁界
に対する必要起磁力を低減する。
【0037】超電導コイル31と磁気シールド40との
間には典型的な例では数千kgfの電磁力(お互いに引合う
吸引力)が働いている。同様に超電導コイル32と磁気
シールド40との間にも同じ値で逆方向の電磁力が働い
ている。超電導コイル31、32は支持部材43で互い
に固定してあるので、コイルが磁気シールド40に対し
て対称の位置にある限りは超電導コイル31、32およ
び支持部材43を合せた構造体に働く力は0となる。超
電導コイル31、32は超電導にするため、低温に冷却
されているので、支持部材43も低温に冷却された状態
になっている。このため、支持部材43は超電導コイル
31、32を室温部分から支持する支持部材41、42
と異なり、十分に強固な支持部材とすることができる。
しかしながら、支持部材41、42は低温に冷却された
超電導コイル31、32を室温部分から支持しているた
め、コイルの冷却性能を損わないように十分に細くて熱
侵入量の小さい支持部材とする必要がある。
【0038】この種超電導マグネットにおいては、先に
説明したように特開昭63−222408号公報で指摘
されているように、コイルの位置ずれに起因して不平衡
電磁力が発生することが知られている。そこで、支持部
材41、42を細く構成するためには、超電導コイル3
1、32、支持部材43等の低温に冷却された部分の質
量を軽量化するとともに、超電導コイル31、32の位
置ずれに起因する不平衡電磁力を小さくすることも必要
となる。
【0039】ここで、超電導コイル31、32に軸心方
向(鉛直方向)の位置ずれを生じさせた超電導マグネッ
トと超電導コイル31、32に半径方向(水平方向)の
位置ずれを生じさせた超電導マグネットとにおいて、磁
気シールド40のフランジ部40aの内径(直径)を変
えて、コイルと磁気シールドとの間に発生する不平衡電
磁力を測定し、その結果を図2に示す。なお、図2にお
いて、横軸はフランジ部40aの内径を表し、縦軸は不
平衡電磁力を表し、曲線Aは軸心方向に位置ずれを生じ
た超電導マグネットにおける不平衡電磁力を示し、曲線
Bは半径方向に位置ずれを生じさせた超電導マグネット
における不平衡電磁力を示している。図2から、不平衡
電磁力が磁気シールド40のフランジ部40aの内径に
影響を受けることが分かる。そして、コイルを軸心方向
に位置ずれさせた場合と半径方向に位置ずれさせた場合
とでは、発生する不平衡電磁力に対するフランジ部40
aの内径の影響が逆に作用することが分かる。そこで、
コイルが軸心方向および半径方向に位置ずれしている場
合には、フランジ部40aの内径をコイルの中心径に一
致させることにより、発生する不平衡電磁力を極小にで
きることが分かる。
【0040】この実施の形態1では、磁気シールド40
のフランジ部40aの内径を超電導コイル31、32の
中心径に一致させているので、コイルの位置ずれに起因
する不平衡電磁力を小さくできる。また、超電導コイル
31、32が直列に接続されているので、コイルを流れ
る電流分布は対称となり、電流分布の変動に伴う不平衡
電磁力の発生が抑えられる。そこで、支持部材41、4
2を細く作製でき、支持部材41、42を介しての熱侵
入が抑制され、冷却特性の高性能な単結晶製造装置が得
られる。
【0041】実施の形態2.図3はこの発明の実施の形
態2に係る磁界印加方式の単結晶製造装置の構成を示す
断面図である。この実施の形態2では、磁気シールド4
0の上下のフランジ部40aの厚さを薄くし、該フラン
ジ部40aの内径を真空容器17の内径に一致させてお
り、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されてい
る。この実施の形態2によれば、上下のフランジ部40
aの厚さが、定格のカスプ磁界11aに対して磁気的に
飽和する厚さに設計されている。そこで、超電導コイル
31、32に位置ずれが生じても、磁気シールド40と
超電導コイル31、32との間に働く不平衡電磁力を最
小にできる。従って、この実施の形態2においても、上
記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0042】実施の形態3.図4はこの発明の実施の形
態3に係る磁界印加方式の単結晶製造装置の構成を示す
断面図である。この実施の形態3では、磁気シールド4
0の上下のフランジ部40aの内径を真空容器17の内
径に一致させて、支持部材41を省略するもので、他の
構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。この
実施の形態3によれば、フランジ部40aの内径が真空
容器17の内径位置まで延びている。図2の曲線Bか
ら、コイルに半径方向に位置ずれを生じると、変位を抑
制する力、即ちコイルを対称位置に戻そうとする力がコ
イルに働くことが分かる。そこで、コイルを水平方向に
支持する支持部材41を省略できることになり、室温部
分からコイル部への熱侵入をさらに抑えることができ
る。
【0043】実施の形態4.図5はこの発明の実施の形
態4に係る磁界印加方式の単結晶製造装置の構成を示す
断面図である。この実施の形態4では、非磁性材料、例
えばステンレス鋼を用いて、コの字状断面で開口を外周
側とするリング状に作製された端部材17aを、磁気シ
ールド40の上下のフランジ部40aの内周縁部に溶接
44により接合一体化するもので、他の構成は上記実施
の形態1と同様に構成されている。この実施の形態4に
よれば、溶接44により接合一体化された磁気シールド
40と端部材17aとが真空容器として機能するので、
上記実施の形態1において必要であった真空容器17の
外周部分を省略することができ、装置の小型軽量化およ
び低コスト化が図られる。なお、この実施の形態4で
は、上記実施の形態1の単結晶製造装置に適用するもの
としているが、上記実施の形態2、3の単結晶製造装置
に適用しても、同様の効果を奏する。
【0044】実施の形態5.上記実施の形態4では、真
空容器を非磁性材料からなる端部材17aと磁性材料か
らなる磁気シールド40とを溶接により接合一体化して
構成するものとしているが、この実施の形態5では、図
6に示すように、端部材17bを厚さを十分薄くした磁
気シールド40と同一の磁性材料で作製し、端部材17
bと磁気シールド40とを溶接により接合一体化して真
空容器を構成するものとしている。この実施の形態5に
よれば、端部材17bに磁性材料が用いられているが、
十分薄く作製されているので、超電導コイル31、32
で発生した磁界が融液1に印加され、熱対流8の大きさ
を抑制するのを阻害することがない。一方、磁気シール
ド40は上記実施の形態4と同様に、十分厚く作製され
ているので、十分なシールド効果が得られる。そこで、
真空容器17の外周部分を省略することができ、装置の
小型軽量化および低コスト化が図られる。
【0045】実施の形態6.図7はこの発明の実施の形
態6に係る磁界印加方式の単結晶製造装置の構成を示す
断面図である。この実施の形態6では、磁性材料、例え
ば純鉄を用いてL字状断面のリング状に作製された上側
および下側磁気シールド40A、40Bが、軸心方向に
所定距離離反させて相対して、即ち中心水平面に対して
対称に真空容器17の外周を包囲するように配設されて
いる。そして、上側および下側磁気シールド40A、4
0Bの各フランジ部40aの内径は、コイルの中心径と
一致している。即ち、上側および下側磁気シールド40
A、40Bは、磁気シールド40の超電導コイル31、
32を包囲する部分に相当する。なお、他の構成は上記
実施の形態1と同様に構成されている。この実施の形態
6では、上側および下側磁気シールド40A、40Bが
軸心方向に所定の距離離反して相対して配設されている
ので、上側および下側磁気シールド40A、40B間に
空隙が生じている。しかしながら、該空隙を通過する磁
力線の量は少なく、磁気シールド効果にはほとんど影響
がない。そこで、分割された上側および下側磁気シール
ド40A、40Bは磁気シールド40に比べて上側およ
び下側磁気シールド40A、40B間の空隙部分を省略
でき、その分超電導マグネット200の軽量化が図られ
る。
【0046】実施の形態7.この実施の形態7では、図
8に示すように、冷却・通電用ポート45が上側および
下側磁気シールド40A、40B間の空隙部分を通って
真空容器17に設けられている。なお、他の構成は上記
実施の形態6と同様に構成されている。この実施の形態
7によれば、超電導コイル31、32の冷却・通電に必
要な配管・配線を取り出す冷却・通電用ポート45が上
側および下側磁気シールド40A、40B間から水平方
向に延出されているので、超電導マグネット200の高
さ寸法の縮小化が図られる。
【0047】実施の形態8.この実施の形態8では、図
9に示すように、磁気シールド移動手段としてのジャッ
キボルト46が一対の上側および下側磁気シールド40
A、40B間に配設されている。なお、他の構成は上記
実施の形態6と同様に構成されている。この実施の形態
8によれば、ジャッキボルト46により上側および下側
磁気シールド40A、40B間の間隙を調整することが
できる。そこで、上側および下側磁気シールド40A、
40B間の間隙を調整することにより、カスプ磁界11
aの分布を微調整でき、熱対流8を効率的に抑制するこ
とができる。なお、磁気シールド移動手段としては、ジ
ャッキボルト46に限らず、油圧駆動機構でもよい。
【0048】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0049】この発明によれば、ルツボに充填された単
結晶原料融液に種結晶を挿入し、この結晶を引き上げる
ことにより単結晶を生成する単結晶引上装置本体と、こ
の単結晶引上装置本体を包囲するように配設された真空
容器と、互いに上下方向に離間して該単結晶引上装置本
体を包囲するように該真空容器内に収容され、該単結晶
原料融液部にカスプ磁界を印加する少なくとも2つの超
電導コイルと、該真空容器の外周に設置された磁気シー
ルドとを備えた磁界印加方式の単結晶製造装置におい
て、該少なくとも2つの超電導コイルは直列に接続さ
れ、該磁気シールドは該真空容器の上下端面を覆う上下
のフランジ部が該超電導コイルの中心径と等しい内径に
形成されているので、超電導コイルの位置ずれに起因し
て発生する不平衡電磁力を小さくでき、超電導コイルの
支持構造の簡略化が図られ、熱侵入量が低減され、冷却
特性の高性能な磁界印加方式の単結晶製造装置を得るこ
とができる。
【0050】この発明によれば、ルツボに充填された単
結晶原料融液に種結晶を挿入し、この結晶を引き上げる
ことにより単結晶を生成する単結晶引上装置本体と、こ
の単結晶引上装置本体を包囲するように配設された真空
容器と、互いに上下方向に離間して該単結晶引上装置本
体を包囲するように該真空容器内に収容され、該単結晶
原料融液部にカスプ磁界を印加する少なくとも2つの超
電導コイルと、該真空容器の外周に設置された磁気シー
ルドとを備えた磁界印加方式の単結晶製造装置におい
て、該少なくとも2つの超電導コイルは直列に接続さ
れ、該磁気シールドは該真空容器の上下端面を覆う上下
のフランジ部が該超電導コイルの中心径より小径の内径
に形成されているので、超電導コイルの水平方向の位置
ずれに起因して発生する不平衡電磁力が超電導コイルを
対称位置に戻すように働き、超電導コイルを水平方向に
支持する支持部材の径小化あるいは省略が可能となり、
構造の簡素化が図れるとともに、熱侵入量が低減され、
冷却性能の高性能な磁界印加方式の単結晶製造装置を得
ることができる。
【0051】この発明によれば、ルツボに充填された単
結晶原料融液に種結晶を挿入し、この結晶を引き上げる
ことにより単結晶を生成する単結晶引上装置本体と、こ
の単結晶引上装置本体を包囲するように配設された真空
容器と、互いに上下方向に離間して該単結晶引上装置本
体を包囲するように該真空容器内に収容され、該単結晶
原料融液部にカスプ磁界を印加する少なくとも2つの超
電導コイルと、該真空容器の外周に設置された磁気シー
ルドとを備えた磁界印加方式の単結晶製造装置におい
て、該少なくとも2つの超電導コイルは直列に接続さ
れ、該磁気シールドは該真空容器の上下端面を覆う上下
のフランジ部が定格の磁界に対して磁気的に飽和する厚
みに形成されているので、超電導コイルの位置ずれに起
因して発生する不平衡電磁力を小さくでき、超電導コイ
ルの支持構造の簡略化が図られ、熱侵入量が低減され、
冷却特性の高性能な、超電導マグネットの高さ寸法の小
さい磁界印加方式の単結晶製造装置を得ることができ
る。
【0052】また、非磁性材料からなる環状の端部材を
磁気シールドの上下のフランジ部に気密的に接合して、
磁気シールドと真空容器とを一体に構成したので、真空
容器の外周部分が省略され、小形軽量化および低コスト
化が図られる。
【0053】また、磁気シールドと同一材料で、薄板か
らなる環状の端部材を該磁気シールドの上下のフランジ
部に気密的に接合して、磁気シールドと真空容器とを一
体に構成したので、真空容器の外周部分を省略すること
ができ、小型軽量化および低コスト化が図られる
【0054】この発明によれば、ルツボに充填された単
結晶原料融液に種結晶を挿入し、この結晶を引き上げる
ことにより単結晶を生成する単結晶引上装置本体と、こ
の単結晶引上装置本体を包囲するように配設された真空
容器と、互いに上下方向に離間して該単結晶引上装置本
体を包囲するように該真空容器内に収容され、該単結晶
原料融液部にカスプ磁界を印加する少なくとも2つの超
電導コイルと、該真空容器の外周に設置された磁気シー
ルドとを備えた磁界印加方式の単結晶製造装置におい
て、該磁気シールドは、中心水平面に対して対称に配置
された上側磁気シールドと下側磁気シールドとから構成
されているので、軽量の磁界印加方式の単結晶製造装置
が得られる。
【0055】また、超電導コイルの冷却・通電用ポート
が、上側磁気シールドと下側磁気シールドとの間を通っ
て真空容器に取り付けられているので、超電導マグネッ
トの高さ寸法を小さくすることができる。
【0056】また、上側磁気シールドと下側磁気シール
ドとの間隙を調節する磁気シールド移動手段を備えてい
るので、磁界分布の微調整が可能であり、熱対流を効果
的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る単結晶製造装
置を示す断面図である。
【図2】 磁気シールドのフランジ部の内径に対する超
電導コイルの位置ずれに起因して発生する不平衡電磁力
の変化を表す図である。
【図3】 この発明の実施の形態2に係る単結晶製造装
置を示す断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態3に係る単結晶製造装
置を示す断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態4に係る単結晶製造装
置を示す断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態5に係る単結晶製造装
置を示す断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態6に係る単結晶製造装
置を示す断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態7に係る単結晶製造装
置を示す断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態8に係る単結晶製造装
置を示す断面図である。
【図10】 従来の単結晶引上装置を示す構成図であ
る。
【図11】 従来の横磁場印加方式の単結晶引上装置を
示す構成図である。
【図12】 従来の超電導磁石装置による横磁場印加方
式の単結晶引上装置を正面方向から見た構成図である。
【図13】 従来の超電導磁石装置による横磁場印加方
式の単結晶引上装置を上面方向から見た構成図である。
【図14】 従来の超電導磁石装置による横磁場印加方
式の単結晶引上装置の他の例を正面方向から見た構成図
である。
【図15】 従来の超電導磁石装置による横磁場印加方
式の単結晶引上装置の他の例を上面方向から見た構成図
である。
【図16】 従来のカスプ磁界印加方式の単結晶引上装
置を説明する図である。
【図17】 従来のカスプ磁界印加方式の単結晶引上装
置の他の例を説明する図である。
【図18】 従来の超電導マグネット装置における結線
例を示す結線図である。
【図19】 従来の超電導マグネット装置におけるコイ
ル配置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 単結晶原料融液、2 ルツボ、4 種結晶、7 単
結晶、17 真空容器、17a、17b 端部材、3
1、32 超電導コイル、40 磁気シールド、40a
フランジ部、40A 上側磁気シールド、40B 下
側磁気シールド、45 冷却・通電用ポート、46 ジ
ャッキボルト(磁気シールド移動手段)、100 単結
晶引上装置本体。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ルツボに充填された単結晶原料融液に種
    結晶を挿入し、この結晶を引き上げることにより単結晶
    を生成する単結晶引上装置本体と、この単結晶引上装置
    本体を包囲するように配設された真空容器と、互いに上
    下方向に離間して前記単結晶引上装置本体を包囲するよ
    うに前記真空容器内に収容され、前記単結晶原料融液部
    にカスプ磁界を印加する少なくとも2つの超電導コイル
    と、前記真空容器の外周に設置された磁気シールドとを
    備えた磁界印加方式の単結晶製造装置において、前記少
    なくとも2つの超電導コイルは直列に接続され、前記磁
    気シールドは前記真空容器の上下端面を覆う上下のフラ
    ンジ部が前記超電導コイルの中心径と等しい内径に形成
    されていることを特徴とする磁界印加方式の単結晶製造
    装置。
  2. 【請求項2】 ルツボに充填された単結晶原料融液に種
    結晶を挿入し、この結晶を引き上げることにより単結晶
    を生成する単結晶引上装置本体と、この単結晶引上装置
    本体を包囲するように配設された真空容器と、互いに上
    下方向に離間して前記単結晶引上装置本体を包囲するよ
    うに前記真空容器内に収容され、前記単結晶原料融液部
    にカスプ磁界を印加する少なくとも2つの超電導コイル
    と、前記真空容器の外周に設置された磁気シールドとを
    備えた磁界印加方式の単結晶製造装置において、前記少
    なくとも2つの超電導コイルは直列に接続され、前記磁
    気シールドは前記真空容器の上下端面を覆う上下のフラ
    ンジ部が前記超電導コイルの中心径より小径の内径に形
    成されていることを特徴とする磁界印加方式の単結晶製
    造装置。
  3. 【請求項3】 ルツボに充填された単結晶原料融液に種
    結晶を挿入し、この結晶を引き上げることにより単結晶
    を生成する単結晶引上装置本体と、この単結晶引上装置
    本体を包囲するように配設された真空容器と、互いに上
    下方向に離間して前記単結晶引上装置本体を包囲するよ
    うに前記真空容器内に収容され、前記単結晶原料融液部
    にカスプ磁界を印加する少なくとも2つの超電導コイル
    と、前記真空容器の外周に設置された磁気シールドとを
    備えた磁界印加方式の単結晶製造装置において、前記少
    なくとも2つの超電導コイルは直列に接続され、前記磁
    気シールドは前記真空容器の上下端面を覆う上下のフラ
    ンジ部が定格の磁界に対して磁気的に飽和する厚みに形
    成されていることを特徴とする磁界印加方式の単結晶製
    造装置。
  4. 【請求項4】 非磁性材料からなる環状の端部材を磁気
    シールドの上下のフランジ部に気密的に接合して、磁気
    シールドと真空容器とを一体に構成したことを特徴とす
    る請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の磁界印加
    方式の単結晶製造装置。
  5. 【請求項5】 磁気シールドと同一材料で、薄板からな
    る環状の端部材を該磁気シールドの上下のフランジ部に
    気密的に接合して、磁気シールドと真空容器とを一体に
    構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のい
    ずれかに記載の磁界印加方式の単結晶製造装置。
  6. 【請求項6】 ルツボに充填された単結晶原料融液に種
    結晶を挿入し、この結晶を引き上げることにより単結晶
    を生成する単結晶引上装置本体と、この単結晶引上装置
    本体を包囲するように配設された真空容器と、互いに上
    下方向に離間して前記単結晶引上装置本体を包囲するよ
    うに前記真空容器内に収容され、前記単結晶原料融液部
    にカスプ磁界を印加する少なくとも2つの超電導コイル
    と、前記真空容器の外周に設置された磁気シールドとを
    備えた磁界印加方式の単結晶製造装置において、前記磁
    気シールドは、中心水平面に対して対称に配置された上
    側磁気シールドと下側磁気シールドとから構成されてい
    ることを特徴とする磁界印加方式の単結晶製造装置。
  7. 【請求項7】 超電導コイルの冷却・通電用ポートが、
    上側磁気シールドと下側磁気シールドとの間を通って真
    空容器に取り付けられていることを特徴とする請求項6
    記載の磁界印加方式の単結晶製造装置。
  8. 【請求項8】 上側磁気シールドと下側磁気シールドと
    の間隙を調節する磁気シールド移動手段を備えているこ
    とを特徴とする請求項6記載の磁界印加方式の単結晶製
    造装置。
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