JPH10314716A - 汚水浄化装置及び汚水浄化システム - Google Patents

汚水浄化装置及び汚水浄化システム

Info

Publication number
JPH10314716A
JPH10314716A JP9140983A JP14098397A JPH10314716A JP H10314716 A JPH10314716 A JP H10314716A JP 9140983 A JP9140983 A JP 9140983A JP 14098397 A JP14098397 A JP 14098397A JP H10314716 A JPH10314716 A JP H10314716A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sewage
tank
activated carbon
sewage purification
wastewater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9140983A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiro Matsumoto
克広 松本
Kuniyoshi Suzuki
邦嘉 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HAKUSUI SANGYO KK
Original Assignee
HAKUSUI SANGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HAKUSUI SANGYO KK filed Critical HAKUSUI SANGYO KK
Priority to JP9140983A priority Critical patent/JPH10314716A/ja
Publication of JPH10314716A publication Critical patent/JPH10314716A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易で比較的小型の装置により、家庭及び事
業所等から排出される生活排水を浄化し再利用すること
で、生活用水のトータルな使用量の削減と排水排出量の
削減を図ることができ、ひいては地球環境への負荷軽減
及び水不足解消を可能とする汚水浄化装置及び汚水浄化
システムを提供することを課題とする。 【解決手段】 本汚水浄化装置は、油分除去膜を収容す
る油分除去槽1Aと、活性炭を収容する活性炭槽1B
と、濾布を収容するSS除去槽1Cと、を有し、油分除
去槽及び該ph調整槽1A、活性炭槽1B、SS除去槽
1Cの順に汚水を通過させ、汚水を浄化するものであ
る。そして、その内部は、流通口121を有する隔壁1
2によって複数の区画室13に仕切られており、油分除
去槽1A、pH調整槽1A、活性炭槽1B及びSS除去
槽1Cは、それぞれ区画室内に設けられており、区画室
において、区画室に通じる流通口は区画室の両端に位置
するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭及び事業所等
から排出される生活排水の浄化を行う汚水浄化装置及び
汚水浄化システムに関し、更に詳しくは、家庭及び事業
所等から排出される生活排水の浄化を行い、中水道とし
てこれを再利用することができる汚水浄化装置及び汚水
浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生活用水は、一度使用されるとそ
のまま排水される場合がほとんどであった。しかし、生
活用水が使用後そのまま排水として排出されると、地球
環境に与える影響が大きい。又、生活形態の変化によっ
て水需要が増加しつつある現在、生活用水を一度使用し
ただけでそのまま排水として排出していたのでは、いず
れ恒常的な水不足を招くこととなる。このため、一部
で、河川等の汚染防止の観点から家庭用浄化装置の実用
化が図られており、又、水不足解消の観点から排水再生
処理装置の実用化が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記家庭用浄
化装置及び排水再生処理装置は、装置が複雑で大がかり
なものであり、設置が難しい等、実用上克服すべき点が
多いため、一般に普及していない。本発明は、このよう
な従来例の問題点を解消すべく発明したものであって、
その目的とするところは、簡易で比較的小型の装置によ
り、家庭及び事業所等から排出される生活排水を浄化
し、必要に応じて浄化後の排水を再利用することで、生
活用水のトータル的な使用量の削減と排水排出量の削減
を図ることができ、ひいては地球環境への負荷軽減及び
水不足の解消を可能とする汚水浄化装置及び汚水浄化シ
ステムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
油分除去膜を収容し該油分除去膜により汚水中の油分を
除去する油分除去槽と、活性炭を収容し該活性炭により
汚水中の溶存有機物を除去する活性炭槽と、濾布を収容
し該濾布により汚水中の懸濁物質を除去するSS除去槽
と、を有し、最初に該油分除去槽、次に該活性炭槽、最
後に該SS除去槽の順に汚水を通過させ、該汚水を浄化
する汚水浄化装置であって、該汚水浄化装置内部は、流
通口を有する隔壁によって複数の区画室に仕切られてお
り、該油分除去槽、該活性炭槽及び該SS除去槽は、そ
れぞれ該区画室内に設けられており、該区画室において
該区画室内外を通じる流通口は、該区画室の両端に位置
するものであることを特徴とする汚水浄化装置である。
【0005】ここで、各槽が「区画室内に設けられてい
る」とは、各槽それぞれの全体、例えば、活性炭槽全体
が1区画室内に設けられている場合を含むのはもちろん
のこと、活性炭槽が設けられている区画室が汚水浄化装
置内に複数存在する場合をも含むものである。又、「流
通口は、該区画室の両端に位置する」場合において、区
画室の両端に位置する流通口は、それぞれ複数設けられ
ていてもよい。
【0006】請求項1記載の汚水浄化装置は、上記のよ
うな油分除去槽をそなえるため、汚水中の油分を十分除
去することができる。又、汚水は、最初に油分を除去す
る油分除去槽を通過するため、その後の活性炭等による
浄化工程において効率的に汚水の浄化を行うことができ
る。
【0007】そして、活性炭槽及びSS除去槽において
は、汚水のSS(懸濁物質)、BOD(生物学的酸素要
求量)、COD(化学的酸素要求量)のいずれも十分に
低減され、脱臭・脱色されるものである。このように、
請求項1記載の汚水浄化装置は、目的に応じた複数種類
の浄化材を備えているため、家庭や事業所から排出され
る様々な排水を十分浄化することができる。又、上記活
性炭は、使用後に焼却、埋設等して、生態系に戻すこと
ができるものである。
【0008】更に、油分除去槽、活性炭槽及びSS除去
槽は、それぞれ区画室内に設けられているものであり、
区画室に通じる流通口は、区画室の両端に位置するもの
であるため、汚水は各槽が設けられた区画室内を端から
端までを移動しなければ次の区画室に移動することがで
きない。このため、本汚水浄化装置においては、限られ
た設置空間内において汚水の流路行程を長く確保するこ
とが可能である。よって、各槽において有効に汚水を浄
化することができる。
【0009】請求項2記載の発明は、油分除去膜を収容
し該油分除去膜により汚水中の油分を除去する油分除去
槽と、粉末状pH調整剤を収容し該粉末状pH調整剤に
より酸性又はアルカリ性の汚水を中和するpH調整槽
と、活性炭を収容し該活性炭により汚水中の溶存有機物
を除去する活性炭槽と、濾布を収容し該濾布により汚水
中の懸濁物質を除去するSS除去槽と、を有し、最初に
該油分除去槽及び該pH調整槽、次に該活性炭槽、最後
に該SS除去槽の順に汚水を通過させ、該汚水を浄化す
る汚水浄化装置であって、該汚水浄化装置内部は、流通
口を有する隔壁によって複数の区画室に仕切られてお
り、該油分除去槽、該pH調整槽、該活性炭槽及び該S
S除去槽は、それぞれ該区画室内に設けられており、該
区画室において該区画室内外を通じる流通口は、該区画
室の両端に位置するものであることを特徴とする汚水浄
化装置である。
【0010】ここで、各槽が「区画室内に設けられてい
る」とは、上述の通りである。又、「流通口は、該区画
室の両端に位置する」場合において、区画室の両端に位
置する流通口は、請求項1の汚水浄化装置の場合と同
様、それぞれ複数設けられていてもよい。
【0011】請求項2記載の汚水浄化装置は、請求項1
記載の汚水浄化装置にpH調整槽を設けたものである。
そのため、請求項1記載の汚水浄化装置と同様の効果を
有するほか、以下のような作用、効果を有する。即ち、
請求項2記載の汚水浄化装置は、pH調整槽を備えるた
め、汚水のpHの調整も行うことができる。このpH調
整槽においては、粉末状のpH調整剤を用いているた
め、汚水と接触する表面積を大きくすることができ、有
効にpH調整を行うことができる。しかも、固体である
ため、液体などのように汚水と混ざり合って短期間に流
れ去ってしまうことがない。よって、長期にわたってp
H調整の性能を維持できるものである。
【0012】又、粉末状pH調整剤によるpH調整を、
活性炭槽、SS除去槽の前工程で行っているため、pH
調整槽において粉末状pH調整剤が汚水中に混入した場
合にも、混入した粉末状pH調整剤は活性炭槽、SS除
去槽で回収され、最終的に浄化された汚水(本明細書に
おいて「中水」という。)に粉末状pH調整剤が混入す
ることがない。請求項2記載の汚水浄化装置は、請求項
1記載の汚水浄化装置と同様、目的に応じた複数種類の
浄化材を備えているため、家庭や事業所から排出される
様々な排水を十分浄化することができる。
【0013】更に、pH調整槽もそれぞれ区画室内に設
けられているものであり、区画室に通じる流通口は、区
画室の両端に位置するものであるため、汚水は各槽が設
けられた区画室内を端から端までを移動しなければ次の
区画室に移動することができない。このため、本汚水浄
化装置においては、限られた設置空間内において汚水の
流路行程を長く確保することが可能である。よって、有
効にpH調整を行うことができる。
【0014】請求項3記載の汚水浄化装置は、請求項2
記載の汚水浄化装置であって、上記粉末状pH調整剤を
粉末貝殻としたものである。本汚水浄化装置は、上記の
ような粉末貝殻を利用したpH調整槽をそなえるため、
産業廃棄物である粉末貝殻を有効利用して、汚水のpH
の調整も行うことができる。又、粉末貝殻は、使用後に
焼却、埋設等して、生態系に戻すことができるものであ
る。従って、請求項3記載の汚水浄化装置は、環境に与
える影響がより少ない。
【0015】請求項2又は3に記載の汚水浄化装置は、
例えば、装置全体を収容する筐体及び上記隔壁をアルミ
製とし、上記油分除去槽及び上記SS除去槽において
は、上記油分除去膜及び上記濾布はそれぞれ一体として
設け、上記pH調整槽及び上記活性炭槽においては、上
記粉末状pH調整剤及び上記活性炭は、それぞれ通水性
のある容器に収容されているものとし、該油分除去膜、
該粉末状pH調整剤、該活性炭、該濾布を、それぞれの
槽が設けられている上記区画室から容易に取り出すこと
ができるものとすることもできる。
【0016】この汚水浄化装置においては、油分除去膜
と濾布はそれぞれが一体として設けられているため、油
分除去槽やSS除去槽から容易に取り出すことができ
る。又、粉末状pH調整剤及び活性炭は、それぞれ容器
に収容されているため、これらもpH調整槽及び活性炭
槽から容易に取り出すことができる。よって、性能が低
下した油分除去膜、粉末状pH調整剤、活性炭、濾布
を、容易に取り出して新しいものと交換することがで
き、再び使用することができるものである。又、筐体及
び隔壁はアルミ製であるため、これらが破損して使用に
堪えなくなった場合には、筐体及び隔壁をアルミの原料
として再利用することができる。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
いずれかに記載の汚水浄化装置であって、上記濾布は、
綿で構成されるものである。本汚水浄化装置は、綿製の
濾布を備えるものであるため、当該濾布を使用し、交換
した後にこれを焼却、埋設等して生態系に戻すことがで
きる。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれかに記載の汚水浄化装置と、該汚水浄化装置に接
続される汚水流入管と、該汚水流入管に設けられる汚水
センサと、該汚水浄化装置に接続される中水流出管と、
該中水流出管に設けられ該汚水浄化装置に汚水を流通さ
せる吸引ポンプと、を備え、該吸引ポンプは、該汚水セ
ンサにより汚水が検出された際に作動されることを特徴
とする汚水浄化システムである。
【0019】請求項5記載の汚水浄化システムは、請求
項1乃至4のいずれかに記載の汚水浄化装置を備えるた
め、有効に汚水を浄化することができる。そして、この
汚水浄化システムは、吸引ポンプを備えるものであるた
め、汚水の量の多少に係わらず、一定量の処理速度を保
つことができる。又、ポンプは汚水処理装置の下流に設
けられるものであるため、吸引する水の中には不純物が
少なく、ポンプの機械的故障が少ない。又、ポンプはセ
ンサにより汚水が検出されたときに作動するものである
ため、消費エネルギーも少なくすることができ、ポンプ
の寿命も長くすることができる。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれかに記載の汚水浄化装置と、該汚水浄化装置に接
続される汚水流入管と、該汚水流入管に設けられ該汚水
浄化装置に汚水を流通させる加圧ポンプと、該汚水流入
管の該加圧ポンプ上流に設けられる汚水センサと、を備
え、該加圧ポンプは、該汚水センサにより汚水が検出さ
れた際に作動されることを特徴とする汚水浄化システム
である。
【0021】請求項6記載の汚水浄化システムは、加圧
ポンプを備えるものであるため、汚水の量の多少に係わ
らず、一定量の処理速度を保つことができる。又、ポン
プは汚水処理装置の上流に設けられるものであるため、
抵抗の大きい汚水処理装置を挟んだ下流から上流の汚水
を吸引する場合に比べて、効率的に汚水を汚水処理装置
に送ることができる。更に、ポンプはセンサにより汚水
が検出されたときに作動するものであるため、消費エネ
ルギーも少なくすることができ、ポンプの寿命も長くす
ることができる。
【0022】請求項7記載の発明は、請求項5又は6記
載の汚水浄化システムであって、下限水位センサ及び上
限水位センサを備える中水貯留槽と、上記中水流出管か
ら流出される中水を該中水貯留槽又は下水溝へ選択的に
流出させる切替えバルブと、を備え、該切替えバルブ
は、該下限水位センサが該中水貯留槽の水位が下限に達
したことを検出すると該中水貯留槽側を選択し、該上限
水位センサが該中水貯留槽の水位が上限に達したことを
検出すると該下水溝側を選択するものである。
【0023】請求項7記載の汚水浄化システムは、中水
貯留槽を備えるため、浄化して貯留した中水を、高い衛
生度が要求されない用途に再使用することができる。
又、中水貯留槽には、上限水位センサを備え、水位が上
限に達したことを検出するとバルブは下水溝側を選択す
るため、中水貯留槽から中水が溢れてしまうことがな
い。そして、下限水位センサを備え、水位が下限に達し
たことを検出するとバルブは中水貯留槽側を選択するた
め、汚水浄化装置に汚水が排出されると浄化された汚
水、即ち中水が中水貯留槽に補給されることとなる。
【0024】請求項8記載の発明は、請求項5乃至7の
いずれかに記載の汚水浄化システムであって、上記汚水
浄化装置は取り外し、交換することが可能なものであ
る。請求項8記載の汚水浄化システムは、汚水浄化装置
が取り外し交換可能であるため、汚水浄化装置が劣化し
使用不能になった場合には、これを交換することがで
き、これにより半永久的に使用することが可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づき説明する。 [実施例1] (1)汚水浄化システムの構成と作用 本実施例の汚水浄化システムは、図1に示すように汚水
浄化装置1と、吸引ポンプ2と、汚水センサ3と、中水
貯留槽4と、切替えバルブ5と、を備える。汚水浄化装
置1は、汚水流入管L1を介して浴室61、洗濯室6
2、洗面室63、台所64等の排水口に接続されてお
り、それらからの排水を受け取る。吸引ポンプ2は、汚
水浄化装置1に接続される中水流出管L2に接続され、
汚水浄化装置1内の浄化済の汚水即ち中水を吸引する。
汚水センサ3は、汚水流入管L1に設置され、汚水流入
管L1内に汚水が存在することを検知すると、これを吸
引ポンプ2に報知し、吸引ポンプ2を作動させる。
【0026】中水流出管L2の端は、図1に示すよう
に、中水貯留用管L3に接続されており、中水貯留用管
L3の他端は中水貯留槽4に接続されている。このた
め、汚水浄化装置1で浄化された中水は中水貯留槽4に
排出される。又、同様に中水流出管L2端部に接続され
た中水廃棄用管L4の他端は、下水溝Wに接続されてお
り、余分の中水を下水溝Wに排出する。切替えバルブ5
は、中水流出管L2と中水貯留用管L3、中水廃棄用管
L4の接続部分に設置され、中水流出管L2を中水貯留
用管L3に接続したり、中水廃棄用管L4に接続したり
する。
【0027】本汚水浄化システムが浄化する汚水を排出
する浴室61、洗濯室62、洗面室63、台所64等
は、通常使用されているものであるが、排水口にステン
レス製金網のフィルタ611,621,631,641
を備えている。毛髪や野菜クズ等の比較的大きなゴミ
は、このフィルタ611,621,631,641によ
り除去されるものである。
【0028】汚水浄化装置1は、図2に示すように、縦
40cm横30cm奥行き40cm程度のアルミニウム
製の筐体11を備え、内部は同じくアルミの隔壁12に
より複数の区画室13に仕切られているものである。こ
の汚水浄化装置1は、ほぼ汚水浄化装置1を隙間無くは
め込むことができる内寸を持つコンクリート製のマンホ
ールに設置され、必要に応じて交換される。そのマンホ
ールには、汚水流入管L1、中水流出管L2が接続され
ており、汚水浄化装置1は、このマンホールに設置され
ると、それら汚水流入管L1、中水流出管L2と接続さ
れるものである。
【0029】汚水浄化装置1のそれぞれの隔壁12は、
図2及び3に示すように、流通口121を備えており、
この流通口121を通じて汚水がそれぞれの区画室13
に出入りするものである。区画室13は、汚水浄化装置
1内において奥行き方向(汚水流入管L1から中水流出
管L2に向かう方向)に前後に並んでいるものであり、
図1及び2においては、汚水浄化装置1は側面から見た
状態を模式的に示されている。
【0030】この流通口121は、図2及び3に示すよ
うに、向かい合う隔壁12の互いに反対側(上下)の端
部に設けられているため、一方の流通口121から入っ
た区画室13内に汚水は、他方の流通口121から出る
までの間に、区画室13内を端から端まで移動しなけれ
ばならない。このため、区画室13内の容積を十分に活
用して汚水の流路を長く確保できるものである。尚、図
2及び3に示す実施形態においては流通口121は、区
画室13の上下両端に設けられているが、左右両端に設
けるものとすることもできる。更に、図4に示すよう
に、区画室13の対向する角の近辺にそれぞれ設けられ
るものとしてもよい。
【0031】又、区画室13は、本実施形態のような奥
行き方向にのみ隔壁12を並べてゆくものではなく、図
5に示すように、本実施形態の区画室13をさらに横方
向に隔壁で区切る態様としてもよい。この場合の各区画
室間の汚水の流れを上から見た状態を、活性炭槽12B
を例にして図7に示す。図7において、まず左上の区画
室131に入る汚水は、図5に示すように、区画室13
1上部に設けられた流通口から区画室131に入る。そ
して、図7に示すように、区画室131において下に向
かって流れ、図5に示すように、区画室131下部に設
けられた流通口から隣の区画室132に流れる。区画室
132に流入した汚水は、図6及び7に示すように、上
に向かって流れる。そして、図5及び6に示すように、
区画室132上部に設けられた流通口から隣の区画室1
33に流れる。
【0032】このように、筐体内部を隔壁で格子状に区
切ってより多くの区画室を設けることで、限られた筐体
内の容積をより有効に利用して、流路を確保することが
できる。以上で示したような実施例において、個々の区
画室の隔壁には、図5及び6に示すように、端部の一部
を流通口とすることもできるし、図3に示すように、一
つの辺に沿って流通口を設けることもできる。又、図4
に示すように、区画室13の対向する角の近辺にそれぞ
れ設けられるものとすることもできる。更に、それぞれ
の区画室は、以上に述べたような水平面内に並ぶような
配列だけでなく、上下に並ぶような配列とすることもで
きる。
【0033】汚水浄化装置1において、最も汚水流入管
L1に近い区画室13Fには、図1及び8に示すよう
に、屏風型にジグザグに配した油分除去膜14と、その
間に配置される粉末貝殻15と、が配置されている。こ
れらは、通水性のある籠16に入れられて設置されてお
り、その籠16ごと区画室13Fから取り出して交換す
ることができる。ここで用いられる油分除去膜14に
は、Absorption Corp.(USA) の「Absorbent-GP」を用
いることが好ましい。
【0034】又、籠16は、粉末状貝殻等の濾材が通り
抜けることができない程度の目の大きさを有するもの
で、汚水を通すものであればよい。そして、汚水の流水
抵抗の小さいものが望ましい。更に、この籠16は、粉
末状貝殻等の濾材が通り抜けることができない程度の目
の大きさを有するもので、汚水を通すことができる布等
の素材で構成される袋であってもよい。濾材をこのよう
な袋に入れる態様とした場合には、濾材を収容した場合
にも、その外形をある程度自由にでき、区画室の形状に
あわせて変形させることが可能である。以下の活性炭槽
1B、SS除去槽1Cにおいて用いる籠についても同様
である。
【0035】本実施例における粉末貝殻が、特許請求の
範囲記載の「粉末状pH調整剤」に相当するものであ
り、区画室13Fが特許請求の範囲記載の「油分除去
槽」と「pH調整槽」に相当するものである。この槽を
「油分除去・pH調整槽1A」と呼ぶ。この油分除去・
pH調整槽1Aにおいて、汚水は油分を油分除去膜14
に吸着され、粉末貝殻15によって中和されて、次の槽
(区画室)へ送られる。
【0036】油分除去・pH調整槽1A以降、複数の区
画室13にわたって、内部に活性炭17が設置されてい
る。これらの活性炭17も上記粉末貝殻15と同様に、
通水性のある籠16に入れられて配置されており、その
籠16ごと区画室13から取り出して交換することがで
きる。ここで用いられる活性炭17には、武田薬品工業
株式会社の「しらさぎX7100−3」と二村化学工業
株式会社の「太閤活性炭GL−20」を2:1で混合し
たものを用いる。これら活性炭17を収容している複数
の区画室13が、特許請求の範囲記載の「活性炭槽」に
相当する。この槽を「活性炭槽1B」と呼ぶ。
【0037】この活性炭槽1Bにおいては、活性炭17
の粒子の大きさは、上流の区画室ほど大きく、下流の区
画室ほど小さいものとすることができる。このようにす
れば、上流の区画室においては汚水中の比較的大きなゴ
ミを除去することができ、下流の区画室においては、比
較的大きなゴミが除去された後の汚水の浄化を行うこと
ができる。又、そのようにすることで、上流の区画室の
汚水浄化の負荷が下流の区画室に比べて過大となること
がなくなり、活性炭17の交換サイクルのばらつきを小
さくすることができる。
【0038】この活性炭槽1Bにおいて、汚水はゴミを
除去され、又、溶存有機物を活性炭17に吸着されて、
次の槽(区画室)へ送られる。尚、この活性炭槽1B
は、油分除去・pH調整槽1Aにおいて汚水中にまぎれ
こむ粉末貝殻を除去するという役割も担っている。
【0039】汚水浄化装置1において、最も中水流出管
L2に近い区画室13Lには、図1及び9に示すよう
に、区画室13L内において屏風型にジグザグに配した
濾布18と、その間に配置される活性炭17と、が配置
されている。これらも、上記各槽と同様、通水性のある
籠16に入れられて設置されており、その籠16ごと区
画室13Lから取り出して交換することができる。ここ
で用いる濾布18には、中尾フィルタ株式会社の「パイ
レン25−F」が好ましい。本区画室13Lが特許請求
の範囲記載の「SS除去槽」に相当する。この槽を「S
S除去槽1C」と呼ぶ。
【0040】このSS除去槽1Cにおいて、汚水は懸濁
物質を活性炭17及び濾布18に吸着され、中水として
中水流出管L2から排出される。このSS除去槽1C
は、油分除去・pH調整槽1Aにおいて汚水中にまぎれ
こむ粉末貝殻を除去するという役割も担っている。
【0041】以上に述べたように、汚水浄化装置1の油
分除去・pH調整槽1A、活性炭槽1B、SS除去槽1
Cの各槽の濾材は、いずれも籠16に収容されており、
容易に交換することができるものであるため、これらを
定期的に交換することで、長期にわたって汚水浄化装置
1を使用することができ、使い捨てる部材も少なくする
ことができる。よって、資源の消費が少ない。
【0042】図1に示す中水流出管L2に設置される吸
引ポンプ2は、汚水センサ3によって汚水流入管L1内
に汚水が検知されると、作動し、汚水流入管L1内に汚
水が検知されなくなると、停止する。このように、吸引
ポンプ2は自動的に運転されるので、エネルギーの節約
となる。又、汚水流入管L1内に汚水が検知されなくな
ってすぐに作動を停止するものであるため、常に吸引ポ
ンプ2上流には中水が存在することとなり、吸引ポンプ
2が水のない状態で空転するということがない。
【0043】更に、汚水流入管L1内に汚水が検知され
なくなってから、吸引ポンプ2が停止するまでに適宜の
時間差を設けておけば、汚水浄化装置内に残存する水を
減らすことができる。これは特に、区画室13を上下方
向に並べて設けた場合に有効である。汚水は区画室13
内で重力に引かれて自然に中水流出管L2に向かって流
れることとなり、吸引ポンプ2上流に空転を防ぐのに必
要な量の水を残して、汚水浄化装置1内の汚水の量を減
らすことができる。
【0044】中水貯留槽4は、中水貯留用管L3からの
中水を貯留する。この中水は、図1に示すように、中水
利用管L5を介して配水ポンプ7によりくみ出され、ト
イレ8の水や庭への散水、洗車等(G)に用いられる。
この中水貯留槽4には、上限水位センサ41と下限水位
センサ42とが設けられており、中水貯留槽4内の水位
が上限に達したときには上限水位センサ41がこれを検
知し、切替えバルブ5にその旨を報知して中水流出管L
2の接続を中水貯留用管L3から中水廃棄用管L4に切
替えさせる。このため、中水貯留槽4から中水が溢れて
しまうことはない。
【0045】又、中水貯留槽4内の水位が下限に達した
ときには下限水位センサ42がこれを検知し、切替えバ
ルブ5にその旨を報知して中水流出管L2の接続を中水
貯留用管L3に切替えさせる。このため、台所64等か
ら汚水が排出されると、汚水浄化装置1を経て中水が中
水貯留槽4に貯留されることとなる。
【0046】(2)汚水浄化システムで用いる活性炭の
選定 本実施形態で用いる活性炭を決めるために行った試験に
ついて説明する。試験活性炭には、表1に示したものを
用いた。
【0047】
【表1】
【0048】まず、中性洗剤薄め液を用いて、中性洗剤
溶液の浄化能力の評価を行った。その結果を表2に示
す。
【0049】
【表2】
【0050】この試験結果から、同程度のろ過時間がか
かった活性炭のうち、浄化性能の劣るものを選定の対象
から外した。尚、ろ過時間が短かった「タケダ X71
00−3」、「二村 CW−48B」については両方と
も引き続き選定の候補とした。
【0051】次に、選定の候補として残した「タケダ
X7100−3」、「二村 GL−20」、「二村 G
L−30A」、「二村 CW−48B」について、ベー
コン、バター、牛脂、中性洗剤の複合液を用いて、浄化
能力の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】又、「タケダ X7100−3」、「二村
GL−20」、「二村 GL−30A」、「二村 C
W−48B」から2種を選んで混合した活性炭、そし
て、「タケダ X7100−3」と「二村 GL−2
0」と「二村 CW−48B」を1:1:1で混合した
もの、更に、「二村 120B」と混合したものについ
ても、ベーコン、バター、牛脂、中性洗剤の複合液を用
いて、浄化能力の評価を行った。その結果を表4に示
す。
【0054】
【表4】
【0055】この試験においては、断面積4.9cm2の
パイプに試験材をつめて、2lの試験用の汚水を通過さ
せることで行った。表3においては、「二村 GL−2
0」が短い距離で良好な結果を示している。また、表4
においては、「タケダ X7100−3」と「二村 G
L−20」の2:1の混合物が、比較的短い距離(1
m)でも長い距離(3m)でもどちらも良好な成績を残
している。
【0056】又、表3及び4において、比較的短い距離
(1m)でも長い距離(3m)でもどちらも良好な成績
を残した、「タケダ X7100−3」と「二村 GL
−20」の2:1の混合物について、性能劣化試験を行
った。その結果を表5に示す。
【0057】
【表5】
【0058】更に、「タケダ X7100−3」と「二
村 GL−20」と「二村 CW−48B」を1:1:
1で混合したものを用いた場合の結果についても表6に
示す。
【0059】
【表6】
【0060】表5から、「タケダ X7100−3」と
「二村 GL−20」の2:1の混合物については、1
回目の浄化から4回目の浄化まで殆ど浄化性能が変化し
ていないことが分かる。このことから、「タケダ X7
100−3」と「二村 GL−20」の2:1の混合物
は、本汚水浄化システムで用いるのに適していることが
わかる。又、表6から、「タケダ X7100−3」と
「二村 GL−20」と「二村CW−48B」を1:
1:1で混合したものについても、短い距離で十分に浄
化を行うことができ、本汚水浄化システムで用いること
ができることがわかる。
【0061】(3)本汚水浄化システムの性能評価 本実施形態の汚水浄化システムの実機試験を行った結果
を示す。まず、実際に、ある食堂に試験機を設置し汚水
浄化性能の評価を行った際の結果についてCOD値で表
すと、180ppmの排水が6ppmにまで浄化され
た。そして、浄化前の排水はひどい悪臭がしていたが、
無臭となるまでに浄化された。
【0062】又、処理水40リットルを処理するのに要
する時間についての試験結果は、1回目で135秒、2
回目で149秒、3回目で128秒であった。このこと
から、1回目から3回目までのいずれも、実用上十分な
処理速度であるといえる。又、繰り返し処理による処理
速度の低下も見られない。更に、繰り返し処理による浄
化性能の劣化について試験を行ったところ、2000k
gの汚水を浄化した後も特に浄化性能の低下は見られな
かった。
【0063】(4)本汚水浄化システムの効果 本実施形態の汚水浄化システムによれば、油分除去膜1
4により汚水中の油分が除去され、粉末貝殻15により
汚水のpHレベルが緩和され、活性炭17及び濾布18
により、SS、BOD、CODのいずれも十分に低減さ
れ、脱臭・脱色されるものであるため、浄化後の汚水は
十分に中水としての再利用に耐えるものとなる。又、p
Hの中和に粉末貝殻15を用いているため、産業廃棄物
の有効利用ともなっている。
【0064】更に、油分除去・pH調整槽1Aにおいて
は、油分除去膜14が屏風型にジグザグに配置され、粉
末貝殻15と油分除去膜14が交互に配置されているた
め、汚水は交互にこれらと接触することなり、効率的に
油分除去とpH調整を行うことができる。又、SS除去
槽1Cにおいても、濾布18が屏風型にジグザグに配置
され、その間に活性炭17が配置されているため、濾布
18と活性炭17が交互に配置されることなり、効率的
にSS除去を行うことができる。そして、各槽において
は、濾材は籠16に収容されており、容易に交換するこ
とができるため、使い捨てる部材を少なくすることがで
きる。
【0065】又、汚水浄化装置1内においては、まず油
分を除去しているため、その後に活性炭17などで効率
的に汚水の浄化を行うことができる。又、粉末貝殻15
によるpH調整を活性炭槽の前で行っているため、汚水
中に紛れ込んだ粉末貝殻がそのまま排出されることがな
い。更に、本汚水浄化システムにおいて、汚水浄化装置
1は交換可能であるため、交換による簡単な設備管理で
半永久的に使用することができる。
【0066】又、本汚水浄化システムは、吸引ポンプ2
を備えているため、単位時間の処理量を一定に保つこと
ができ、又、浄化後の水をポンプで吸引するため、ポン
プの機械的故障が少ない。更に、浴室などの排水口にフ
ィルタ611,621,631,641を設けているた
め、汚水流入管L1などにゴミが詰まることが少なく、
メンテナンスの負担を低くすることができ、且つ、汚水
浄化装置1の各槽1A,1B,1Cの濾材の寿命も長く
することができる。
【0067】そして、濾材に粉末貝殻15、活性炭1
7、綿製の濾布18を用いているため、使用後はこれら
の濾材を生態系に戻すことができる。又、汚水浄化装置
1の筐体11及び隔壁12はアルミであるため、破損し
た場合には、アルミ素材として再利用することができ
る。更に、汚水浄化装置1は小型であるため、家庭用の
排水溝に設置することができる。そして、装置の小型化
と処理能力向上の両立を図るため吸引ポンプ2を用いて
いるが、システム全体は簡単な仕組みであるので、初期
投資もランニングコストも低く抑えることができる。
【0068】[実施例2]実施例1に示した汚水浄化シ
ステムの汚水浄化装置の他の態様について説明する。実
施例1の汚水浄化装置が水平方向に汚水を流通させるも
のであったのに対して、本実施例の汚水浄化装置は、上
から下に汚水を流通させるものであり、しかも、上下の
区画室を仕切る隔壁が傾斜しているものである。
【0069】(1)汚水浄化装置の構成と作用 本実施例の汚水浄化装置1bは、図10に示すように、
縦60cm横60cm高さ130cm程度の塩化ビニル
製の筐体11bを備え、内部は同じく塩化ビニル製のの
隔壁12bにより複数の区画室13bに仕切られている
ものである。この区画室13bは、汚水浄化装置1b内
において上下に並んでいるものであり、図10において
は、汚水浄化装置1bは側面から見た状態を模式的に示
されている。
【0070】汚水浄化装置1bのそれぞれの隔壁12b
は、汚水浄化装置1の場合と同様、流通口121bを備
えており、しかも5〜20度(より好ましくは10〜1
5度)の角度で流通口121bに向かって下るように傾
斜している。この流通口121bを通じて汚水がそれぞ
れの区画室13bに出入りするものである。
【0071】この流通口121bは、図10に示すよう
に、向かい合う隔壁12bの互いに反対側の端部に設け
られているため、一方の流通口121bから入った区画
室13b内に汚水は、他方の流通口121bから出るま
での間に、区画室13b内を端から端まで移動しなけれ
ばならない。このため、区画室13b内の容積を十分に
活用して汚水の流路を長く確保できるものである。
【0072】汚水浄化装置1bにおいて、最も汚水流入
管L1に近い区画室13Fbには、活性炭17bと、図
10に示すように隙間を空けずに重ねられた油分除去膜
14bとが配置されている。ここで用いられる油分除去
膜14bも、汚水浄化装置1の場合と同様、Absorption
Corp.(USA)の「Absorbent-GP」を用いることが好まし
い。尚、この油分除去膜14bは所定の間隔をおいて適
宜の枚数を配置するものとしてもよい。
【0073】本実施例における区画室13Fbの隙間を
空けずに重ねられた油分除去膜14bが特許請求の範囲
記載の「油分除去槽」に相当するものである。この槽を
「油分除去槽1Ab」と呼ぶ。この油分除去槽1Abに
おいて、汚水は油分を油分除去膜14bに吸着されて、
下の槽へ送られる。
【0074】油分除去槽1Ab以降、複数の区画室13
bにわたって、内部に活性炭17bが設置されている。
ここで用いられる活性炭17bには、武田薬品工業株式
会社の「しらさぎX7100−3」と二村化学工業株式
会社の「太閤活性炭GL−20」と「CW−48B」を
1:1:1で混合したものを用いることが好ましい。
【0075】これら活性炭17bを収容している上記区
画室13Fbの一部及びそれ以降の複数の区画室13b
が、特許請求の範囲記載の「活性炭槽」に相当する。こ
の槽を「活性炭槽1Bb」と呼ぶ。この活性炭槽1Bb
において、汚水はゴミを除去され、又、溶存有機物を活
性炭17bに吸着されて、次の槽(区画室)へ送られ
る。
【0076】汚水浄化装置1bにおいて、最も中水流出
管L2に近い区画室13Lbには、活性炭17bと、図
10に示すように隙間を空けずに重ねられた濾布18b
とが配置されている。ここで用いる濾布18bも、汚水
浄化装置1と同様、中尾フィルタ株式会社の「パイレン
25−F」が好ましい。この隙間を空けずに重ねられた
濾布18bが特許請求の範囲記載の「SS除去槽」に相
当する。この槽を「SS除去槽1Cb」と呼ぶ。このS
S除去槽1Cbにおいて、汚水は懸濁物質を濾布18b
に吸着され、中水として中水流出管L2から排出され
る。尚、この濾布18bも所定の間隔をおいて適宜の枚
数を配置するものとしてもよい。
【0077】(2)本汚水浄化装置の効果 本実施形態の汚水浄化装置によれば、筐体11b内の区
画室13Fb、区画室13b、区画室13Lbは上下に
配置され、隔壁12bは流通口121bに向かって下方
に傾斜しているため、重力を利用して効果的に汚水を流
通させることができる。そして、各槽の濾材は直接各槽
に配置されているため、籠等に入れた場合のように、籠
内の濾材を通過せずに籠と筐体・隔壁の隙間から汚水が
流れてしまうということがない。
【0078】更に、油分除去槽1Abにおいては、油分
除去膜14bが隙間を空けずに重ねて配置されているた
め、十分にその効果を発揮することができる。又、ジグ
ザグでない単純形状で配置されているため、油分除去膜
14bの加工が容易であり、製造コストも低減すること
ができる。SS除去槽1Cbの濾布18bについても同
様の効果がある。
【0079】又、活性炭17bについては、目が粗くろ
過時間の短いCW−48Bを1/3だけ混入し、「しらさ
ぎX7100−3」と「太閤活性炭GL−20」と「C
W−48B」を1:1:1で混合したものを用いている
ため、実施例1に比べてより短時間で汚水を浄化するこ
とができる。そして、汚水浄化装置1bの筐体11b及
び隔壁12bは塩化ビニルであるため、安価に製造する
ことができ、丈夫であり、しかも燃焼させることができ
る。この筐体11b及び隔壁12bの素材は他の樹脂、
例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン
等でもよいが、特にCl元素を含有しないものとすれば
燃焼させる際にも好ましい。
【0080】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。例え
ば、汚水浄化装置の上流に加圧ポンプを備えるものとす
ることができる。この加圧ポンプは、単独で用いるもの
としてもよいし、汚水浄化装置下流の吸引ポンプと併用
するものとしてもよい。そうすることで、一定時間当た
りの汚水処理量をより確実に保つことができる。
【0081】又、浴室等のフィルタ611,621,6
31,641を銅製とすることで、銅の殺菌効果を期待
でき、フィルタへの汚れの付着等を防止することができ
る。更に、人目に触れる露出部分についてはステンレス
を用いその裏面に銅材を用いるものとすれば、銅の殺菌
効果を維持したまま、美観を良好にすることができる。
この銅材は、本発明の汚水浄化システムにおいて汚水が
詰まりやすい適宜の場所に用いることができる。例え
ば、汚水流入管L1等に設けることができ、特に汚水セ
ンサ3の周辺に設けるものとすれば、汚水センサ3の誤
動作を減らすことができ、好ましい。又、必要に応じて
中水流出管L3等に設けてもよい。
【0082】
【発明の効果】本発明の汚水浄化装置及び汚水浄化シス
テムによれば、簡易で比較的小型の装置により、家庭及
び事業所等から排出される生活排水を浄化し、必要に応
じて浄化後の排水を再利用することで、生活用水のトー
タル的な使用量削減と排水排出量削減を図ることがで
き、ひいては地球環境への負荷軽減及び水不足の解消を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】汚水浄化システムの説明図である。
【図2】汚水浄化装置の説明図である。
【図3】汚水浄化装置の区画室と流通口を示す説明図で
ある。
【図4】汚水浄化装置の別態様の区画室とその流通口を
示す説明図である。
【図5】汚水浄化装置の別態様の区画室を示す説明図で
ある。
【図6】汚水浄化装置の別態様の区画室とその流通口を
示す説明図である。
【図7】汚水浄化装置の別態様の区画室間における汚水
の流れを示す説明図である。
【図8】油分除去・pH調整槽における油分除去膜、粉
末貝殻及び籠の関係を示す説明図である。
【図9】活性炭槽における濾布、活性炭及び籠の関係を
示す説明図である。
【図10】他の態様の汚水浄化装置の説明図である。
【符号の説明】
1;汚水浄化装置、1A;油分除去・pH調整槽、1
B;活性炭槽、1C;SS除去槽、11;筐体、12;
隔壁、121;流通口、13,131〜135;区画
室、13F;最も汚水流入管に近い区画室、13L;最
も中水流出管に近い区画室、14;油分除去膜、15;
粉末貝殻、16;籠、17;活性炭、18;濾布、2;
吸引ポンプ、3;汚水センサ、4;中水貯留槽、41;
上限水位センサ、42;下限水位センサ、5;切替えバ
ルブ、61;浴室、62;洗濯室、63;洗面室、6
4;台所、611,621,631,641;フィル
タ、7;配水ポンプ、8;トイレ、L1;汚水流入管、
L2;中水流出管、L3;中水貯留用管、L4;中水廃
棄用管、G;散水用・洗車用蛇口等、W;下水溝。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油分除去膜を収容し該油分除去膜により
    汚水中の油分を除去する油分除去槽と、活性炭を収容し
    該活性炭により汚水中の溶存有機物を除去する活性炭槽
    と、濾布を収容し該濾布により汚水中の懸濁物質を除去
    するSS除去槽と、を有し、最初に該油分除去槽、次に
    該活性炭槽、最後に該SS除去槽の順に汚水を通過さ
    せ、該汚水を浄化する汚水浄化装置であって、 該汚水浄化装置内部は、流通口を有する隔壁によって複
    数の区画室に仕切られており、該油分除去槽、該活性炭
    槽及び該SS除去槽は、それぞれ該区画室内に設けられ
    ており、該区画室において該区画室内外を通じる流通口
    は、該区画室の両端に位置するものであることを特徴と
    する汚水浄化装置。
  2. 【請求項2】 油分除去膜を収容し該油分除去膜により
    汚水中の油分を除去する油分除去槽と、粉末状pH調整
    剤を収容し該粉末状pH調整剤により酸性又はアルカリ
    性の汚水を中和するpH調整槽と、活性炭を収容し該活
    性炭により汚水中の溶存有機物を除去する活性炭槽と、
    濾布を収容し該濾布により汚水中の懸濁物質を除去する
    SS除去槽と、を有し、最初に該油分除去槽及び該pH
    調整槽、次に該活性炭槽、最後に該SS除去槽の順に汚
    水を通過させ、該汚水を浄化する汚水浄化装置であっ
    て、 該汚水浄化装置内部は、流通口を有する隔壁によって複
    数の区画室に仕切られており、該油分除去槽、該pH調
    整槽、該活性炭槽及び該SS除去槽は、それぞれ該区画
    室内に設けられており、該区画室において該区画室内外
    を通じる流通口は、該区画室の両端に位置するものであ
    ることを特徴とする汚水浄化装置。
  3. 【請求項3】 上記粉末状pH調整剤は粉末貝殻である
    請求項2記載の汚水浄化装置。
  4. 【請求項4】 上記濾布は、綿で構成される請求項1乃
    至3のいずれかに記載の汚水浄化装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の汚水
    浄化装置と、該汚水浄化装置に接続される汚水流入管
    と、該汚水流入管に設けられる汚水センサと、該汚水浄
    化装置に接続される中水流出管と、該中水流出管に設け
    られ該汚水浄化装置に汚水を流通させる吸引ポンプと、
    を備え、 該吸引ポンプは、該汚水センサにより汚水が検出された
    際に作動されることを特徴とする汚水浄化システム。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれかに記載の汚水
    浄化装置と、該汚水浄化装置に接続される汚水流入管
    と、該汚水流入管に設けられ該汚水浄化装置に汚水を流
    通させる加圧ポンプと、該汚水流入管の該加圧ポンプ上
    流に設けられる汚水センサと、を備え、 該加圧ポンプは、該汚水センサにより汚水が検出された
    際に作動されることを特徴とする汚水浄化システム。
  7. 【請求項7】 下限水位センサ及び上限水位センサを備
    える中水貯留槽と、上記中水流出管から流出される中水
    を該中水貯留槽又は下水溝へ選択的に流出させる切替え
    バルブと、を備え、 該切替えバルブは、該下限水位センサが該中水貯留槽の
    水位が下限に達したことを検出すると該中水貯留槽側を
    選択し、該上限水位センサが該中水貯留槽の水位が上限
    に達したことを検出すると該下水溝側を選択する請求項
    5又は6記載の汚水浄化システム。
  8. 【請求項8】 上記汚水浄化装置は取り外し、交換する
    ことが可能である請求項5乃至7のいずれかに記載の汚
    水浄化システム。
JP9140983A 1997-05-14 1997-05-14 汚水浄化装置及び汚水浄化システム Pending JPH10314716A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9140983A JPH10314716A (ja) 1997-05-14 1997-05-14 汚水浄化装置及び汚水浄化システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9140983A JPH10314716A (ja) 1997-05-14 1997-05-14 汚水浄化装置及び汚水浄化システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10314716A true JPH10314716A (ja) 1998-12-02

Family

ID=15281409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9140983A Pending JPH10314716A (ja) 1997-05-14 1997-05-14 汚水浄化装置及び汚水浄化システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10314716A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010084334A (ko) * 2000-02-25 2001-09-06 정우진 직립 멀티 캡슐 여과 폐수 처리 장치
JP2001259658A (ja) * 2000-03-22 2001-09-25 Noritz Corp 中和装置及び中和装置を備えた燃焼加熱機器
KR100461903B1 (ko) * 2002-12-13 2004-12-17 한국수자원공사 배리어를 이용한 분말활성탄 접촉조
US6962628B1 (en) 1999-10-07 2005-11-08 Hitachi Chemical Co., Ltd. Method of treating epoxy resin-cured product
JP2009006291A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Kansai Electric Power Co Inc:The 油水分離排水システム
CN107721045A (zh) * 2017-11-25 2018-02-23 泰州市泰港动力机械有限公司 一种生活污水净化装置
KR102481030B1 (ko) * 2022-08-10 2022-12-26 이투플라즈마(주) 색도 저감 저온 플라즈마 발생기를 이용한 연속식 수처리 반응 장치

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6962628B1 (en) 1999-10-07 2005-11-08 Hitachi Chemical Co., Ltd. Method of treating epoxy resin-cured product
KR20010084334A (ko) * 2000-02-25 2001-09-06 정우진 직립 멀티 캡슐 여과 폐수 처리 장치
JP2001259658A (ja) * 2000-03-22 2001-09-25 Noritz Corp 中和装置及び中和装置を備えた燃焼加熱機器
KR100461903B1 (ko) * 2002-12-13 2004-12-17 한국수자원공사 배리어를 이용한 분말활성탄 접촉조
JP2009006291A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Kansai Electric Power Co Inc:The 油水分離排水システム
CN107721045A (zh) * 2017-11-25 2018-02-23 泰州市泰港动力机械有限公司 一种生活污水净化装置
KR102481030B1 (ko) * 2022-08-10 2022-12-26 이투플라즈마(주) 색도 저감 저온 플라즈마 발생기를 이용한 연속식 수처리 반응 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7413656B2 (en) Aerobic sewage system
JPH10314716A (ja) 汚水浄化装置及び汚水浄化システム
KR101056687B1 (ko) 악취 처리 장치
JP3567011B2 (ja) 中水道の循環システム及び貯水槽
RU2367621C1 (ru) Комбинированный саморегулирующийся способ очистки сточных вод и устройство для его осуществления
WO2010134175A1 (ja) 汚水処理装置
JPH1052686A (ja) 戸建て用排水再利用装置
JP2007152166A (ja) フィルタユニット及び液体処理装置
KR100414557B1 (ko) 순환식 무 방류 화장실 분뇨처리장치
JP3734478B2 (ja) 循環式浄化装置
JP2004122080A (ja) 各室が所定の容積比の汚水浄化槽
JP3449849B2 (ja) 循環式浄化装置
JP2002161558A (ja) 戸建て用排水再利用装置
JP7160287B1 (ja) 循環式濾過システム
KR101746832B1 (ko) 그리스 트랩의 오수 정화장치
KR20140007634A (ko) 분리배수를 이용한 친환경 생활하수 정화시스템
JP7345848B2 (ja) グリストラップの排液処理方法及び排液処理装置
RU197273U1 (ru) Компактный усреднитель бытовых сточных вод
KR200293999Y1 (ko) 수 처리시스템
JP3237184B2 (ja) 湯の浄化循環構造
KR20000032771A (ko) 폐수여과장치
JP2004216353A (ja) 排水処理装置
JP5656410B2 (ja) ハイブリット型洗浄水浄化装置
JP2004216353A5 (ja)
KR200328692Y1 (ko) 순환식 무 방류 화장실 분뇨처리장치