JPH10314556A - ポリアクリロニトリル系膜 - Google Patents

ポリアクリロニトリル系膜

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JPH10314556A
JPH10314556A JP13139197A JP13139197A JPH10314556A JP H10314556 A JPH10314556 A JP H10314556A JP 13139197 A JP13139197 A JP 13139197A JP 13139197 A JP13139197 A JP 13139197A JP H10314556 A JPH10314556 A JP H10314556A
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membrane
pore size
film
weight
hollow fiber
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JP13139197A
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Teruhiko Oishi
輝彦 大石
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度が高く、かつ透水量の高い精密
濾過膜を提供する。 【解決手段】 膜の両表面に円形状あるいは楕円形状の
孔を有し、かつ膜厚方向に孔径分布を有する微孔性膜で
あって、膜の最小孔径層を膜内部のみに有することを特
徴とするポリアクリロニトリル系膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透水性能と耐ファ
ウリング性に優れたポリアクリロニトリル系膜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、膜による分離技術が進展し、優れ
た分離膜の重要性はますます高まっている。従来バクテ
リア、ウイルス、タンパク又はコロイド状物質等の微粒
子物質を分離するために、セルロースアセテート、キュ
プロハン等のセルロース系膜が使用されて来たが、透水
性が低く、また目詰まりを生じ易いという欠点を有して
いた。更に透水性が低い故に、膜と処理液との接触面積
を大きくしなければならず、必然的に装置が大きくなり
操作性も低下して経済的不利益を招くものであった。
【0003】これらセルロース系膜の欠点である透水性
を改良する膜として、アクリロニトリル系重合体をはじ
めとする種々の素材の膜が提案されている。しかし、従
来の膜、特に精密濾過膜の多くは、実質濾過を預かる孔
径の小さな孔を有する面が濾過性能上極めて重要である
にもかかわらず、その点に注目して設計されているもの
は少ない。このため、様々な形状、大きさを持った複数
の溶質を含む溶液を濾過する場合、膜内部で目詰まりを
起こし孔を閉塞してしまう、あるいはシャープな分画特
性が得られないといった問題があった。そのために、膜
両表面の孔の形状を工夫する提案がなされている(特開
平5ー245350号公報)。
【0004】また、ポリアクリロニトリル系膜について
は、膜素材としては優れているものの、シアノ基の電気
陰性が強いため、プラス荷電を有するコロイド状物質を
回収する際にファウリング(目詰まり)をおこしやすい
という問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プラス荷電
を有するコロイド状物質を回収する際にファウリングの
少ないポリアクリロニトリル系膜を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決したものである。すなわちこの発明は、(1)膜の両
表面に円形状あるいは楕円形状の孔を有し、かつ膜厚方
向に孔径分布を有する微孔性膜であって、膜の最小孔径
層を膜内部のみに有することを特徴とするポリアクリロ
ニトリル系膜、(2)膜の二次側表面の孔の平均孔径の
大きさが、1μm以上である上記(1)のポリアクリロ
ニトリル系膜、(3)膜の一次側表面の孔の平均孔径の
大きさが、0.05μm以上である上記(2)のポリア
クリロニトリル系膜、(4)膜が中空糸状膜である上記
(1)〜(3)のポリアクリロニトリル系膜、に関す
る。
【0007】ここでいう一次側表面とは、平面状膜の場
合流延面であり、中空糸状膜の場合外表面である。同様
に、二次側表面とは、平面状膜の場合支持体側の面であ
り、中空糸状膜の場合内表面である。また、膜内部と
は、膜厚方向において、両表面部位以外の部位を意味す
る。ここでいう表面部位とは、膜の長さ方向に対して垂
直な横断面方向において、表面から1μmまでの部位を
意味する。
【0008】以下、本発明の膜の構造について説明す
る。本発明の膜は、膜の両表面に円形状あるいは楕円形
状の孔を有し、かつ膜厚方向に孔径分布を有する構造で
あり、膜の一方の表面から他方の表面まで一体的に連続
した構造からなる。そして、膜内部のみに膜の最小孔径
層を有している。また、膜の両表面にある円形状あるい
は楕円形状の孔の大きさは、膜の透水性を向上させるた
めに、二次側表面においては平均孔径が1μm以上50
μm以下、好ましくは5μm以上30μm以下であり、
一次側表面においては平均孔径が0.05μm以上10
μm以下、好ましくは0.1μm以上5μm以下が良
い。このように膜内部に最小孔径層を有するため、一次
側表面が、膜の分離機能を司る最小孔径層に対する一種
のプレフィルターとして働くので、この発明の膜はプラ
ス荷電を有するコロイド状物質に対し、耐ファウリング
性を有し、かつ最小孔径層以外の孔は大きいため、高い
透水性を示す。また、膜の形状は問わないが、中空糸状
であることが好ましい。中空糸状膜は、平面状膜と比較
して単位体積当たりの有効膜面積を大きくすることがで
きるので、膜濾過装置を小型化することができるメリッ
トがある。
【0009】本発明の膜の代表的な例について、図面を
用いてさらに詳細に説明する。図1は、中空糸状膜の長
さ方向に対して垂直な断面、すなわち膜厚方向の断面の
一部を示す電子顕微鏡写真であり、図2は、図1の外表
面近傍をさらに拡大した電子顕微鏡写真である。また、
図3は、膜の外表面の様子を示す電子顕微鏡写真であ
り、図4は、膜の内表面の様子を示す電子顕微鏡写真で
ある。図2に示されるように、膜の最小孔径層が膜内部
にあり、膜の両表面に円形状あるいは楕円形状の孔を有
する。
【0010】本発明でいう膜の最小孔径層とは、ミクロ
的に見ると膜厚方向の断面において膜を構成するポリマ
ーの空隙部分すなわち孔が小さく、膜の分画性能に寄与
する層であり、膜の最小孔径層中に存在する孔の平均孔
径(以下、最小孔径層の平均孔径という)は、0.01
μm以上1μm以下である。最小孔径層の平均孔径が
0.01μm未満であると、膜の透水性能が低下する傾
向にあり、1μmより大きいと微粒子の除去性能が低下
する傾向にある。好ましい最小孔径層の平均孔径は、
0.01μm以上0.5μm以下である。また、最小孔
径層の厚みは任意であるが、厚すぎると透水性が低下す
るので、通常30μm以下、好ましくは10μm以下で
ある。
【0011】以下、本発明の膜の製造方法の例を説明す
る。中空糸状膜は、ポリアクリロニトリル系重合体をγ
ーブチロラクトンと他の有機溶剤との混合溶剤に溶解し
た製膜原液を、内部液とともに2重環状ノズルから吐出
させ、エアギャップを通過させた後、凝固浴で凝固させ
ることにより製造される。平面状膜の場合は、上記製膜
原液を、表面の平滑な平板上、またはエンドレスベルト
上、または回転ドラム上にナイフエッジ等を用いて均一
に薄膜状に流延し、凝固浴で凝固させることにより製造
される。
【0012】本発明に用いられるポリアクリロニトリル
系重合体としては、少なくとも70重量%、好ましくは
85重量%〜100重量%のアクリロニトリルと、アク
リロニトリルに対して共重合性を有するビニル化合物の
一種又は二種以上が30重量%以下、好ましくは0重量
%〜15重量%以下のアクリロニトリル単独重合体、も
しくはアクリロニトリル系共重合体である。アクリロニ
トリル系重合体の極限粘度は、0.4以上2.0未満が
好ましい。極限粘度が0.4未満では、膜の強度が弱
く、2.0以上では溶解性が悪い傾向にある。
【0013】上記ビニル化合物としては、アクリロニト
リルに対して共重合性を有する公知の化合物であれば良
く、特に限定されないが、好ましい共重合成分として
は、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリルスルホン酸ソー
ダ、メタリルスルホン酸ソーダ、p(パラ)−スチレン
スルホン酸ソーダ、ヒドロキシエチルメタクリレート、
メタアクリル酸エチルトリエチルアンモニウムクロライ
ド、メタアクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、ビニルピロリドン等を例示することができる。
【0014】アクリロニトリル系重合体を溶解する有機
溶剤としては、プロピレンカーボネート、N,Nージメ
チルホルムアミド、N,Nージメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、γーブチロラクトン、エチレンカ
ーボネート、N−メチルー2ーピロリドン、2ーピロリ
ドン、ヘキサメチレンホスホアミド等を挙げることがで
きる。また、本発明の膜を得るのに重要である、γーブ
チロラクトンと他の有機溶剤との混合溶剤とは、γーブ
チロラクトンと、該溶剤(γーブチロラクトン)以外の
1種類以上の有機溶剤とを混用してなるものである。ま
た、γーブチロラクトンを混用しないと本発明の膜は得
られにくい。
【0015】製膜原液中のアクリロニトリル系重合体濃
度は、製膜可能でかつ得られた膜が膜としての性能を有
するような濃度の範囲であれば特に制限されず、5〜3
5重量%、好ましくは10〜30重量%である。高い透
水性能又は大きな分画分子量を達成するためには、アク
リロニトリル系重合体濃度は低い方が良く、10〜25
重量%が好ましい。また、原液粘度、溶解状態を制御す
る目的で、水、塩類、ポリビニルピロリドン、グリコー
ル類等の非溶剤を複数添加することも可能であり、その
種類、添加量は組み合わせにより随時行えばよい。
【0016】中空糸状膜の製造の際に用いられる内部液
は、中空糸状膜の中空部を形成させるために用いるもの
である。外表面に最小孔径層を形成させる場合は、内部
液としてN,Nージメチルホルムアミド、N,Nージメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γーブチロ
ラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、N−メチルー2ーピロリドン等のアクリロニトリ
ル系重合体を溶解する良溶剤の水溶液が用いられる。内
表面に最小孔径層を形成させる場合は、内部液には後述
する凝固浴に記載したものが採用される。
【0017】良溶剤の水溶液は、良溶剤を50重量%以
上、好ましくは良溶剤を75重量%以上含有する水溶液
が良い。さらに膜内表面層における濾過抵抗を少なくす
るためには、90重量%以上が好ましい。また、内部液
の粘性を制御する目的でテトラエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール等のグリコール類及びグリセリン
等の非溶剤を加えることも可能である。
【0018】中空糸状膜は、公知のチューブインオリフ
ィス型の2重環状ノズルを用いて製膜することができ
る。より具体的には、前述の製膜原液と内部液とをこの
2重環状ノズルから同時に吐出させ、エアギャップを通
過させた後、凝固浴で凝固させることにより本発明の中
空糸状膜を得ることができる。ここでいうエアギャップ
とは、ノズルと凝固浴との間の隙間を意味する。エアギ
ャップを円筒状の筒などで囲み、一定の温度と湿度を有
する気体を一定の流量でこのエアギャップに流すと、よ
り安定した状態で中空糸状膜を製造することができる。
【0019】凝固浴としては、例えば、水;メタノー
ル、エタノール等のアルコール類;エーテル類;n−ヘ
キサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類などポリマ
ーを溶解しない液体が用いられるが、水を用いることが
好ましい。また、凝固浴に前記良溶剤を添加することに
より凝固速度をコントロールすることも可能である。平
面状膜の場合は、凝固浴に触れた側の膜表面側の膜内部
に最小孔径層が形成される。
【0020】凝固浴の温度は、ー30℃〜90℃、好ま
しくは0℃〜90℃、さらに好ましくは0℃〜80℃で
ある。凝固浴の温度が90℃を越えたり、又は、ー30
℃未満であると、凝固浴中の膜の表面の状態が安定しに
くい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施例を示す
が、これに限定されるものではない。各測定方法は、下
記のとおりである。なお、測定サンプルとして使用した
中空糸状膜及び平面状膜は、すべて十分に水を含浸させ
た状態のものを用いた。
【0022】中空糸状膜の透水量は、25℃の限外濾過
水を長さ50mmの中空糸状膜のサンプルの内表面から
外表面へ透過させ、その量をリットル/hr・m2 ・a
tmで表した。ただし、有効膜面積は内表面換算した。
平面状膜の透水量は、25℃の限外濾過水を直径25m
mに打ち抜いた平面状膜のサンプルに透過させ、その量
をリットル/hr・m2 ・atmで表した。
【0023】膜強度は、(株)島津製作所製のオ−トグ
ラフAGS−5Dを使用し、サンプル長さ50mm、引
っ張りスピード10mm/分で測定した。破断強度は、
中空糸状膜1本当たりの破断時の荷重を、引っ張る前の
膜断面積当たりの算出(kgf/cm2 )で表し、伸度
(伸び)は、元の長さに対する破断までに伸びた長さ
(%)で表した。
【0024】分画性能(A)は、中空糸状膜の場合、
0.2重量%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液中に、
0.055μmの粒径を有する均一なラテックス粒子
(JSR社製、ポリスチレン系ポリマー、0.055μ
m)が0.02体積%の濃度で懸濁するように調整した
原液を、70mmの中空糸状膜に対して、入り圧と出圧
との平均圧力を0.5kgf/cm2 、流体線速=1m
/秒のクロスフローの条件で外表面から内表面へと濾過
した時の40分後の阻止率を示す。流体線速は、円筒状
の容器の断面積から、中空糸状膜の外径から算出した断
面積を差し引いた面積(図5参照)を用いて算出した。
また、原液濾液中のラテックス粒子の濃度は、紫外可視
分光器により260nmの波長にて測定した。平面状膜
の場合、直径25mmに打ち抜いた平面状膜をフィルタ
ーホルダーに組み込み、上記原液を膜差圧間0.5kg
f/cm2で供給した時の2分後の阻止率を示す。
【0025】分画性能(B)は、0.1重量%デキスト
ランT−2000(Pharmacia Biotec
h社製 Dextran T−2000)の水溶液にし
た以外は、分画性能(A)と同様の操作により行った。
また、濃度の測定は、屈折計により25℃の温度にて測
定した。アクリロニトリル系重合体の極限粘度は、Jo
urnal of polymer Science
(Aー1)第6巻、147〜157(1968)に記載
されている測定法に準じて、N,Nージメチルホルムア
ミドを溶剤とし30℃で測定した。
【0026】膜の両表面の平均孔径については、膜表面
を電子顕微鏡で観察して画像解析することにより平均孔
径を求めた。平均孔径は、下記式で示される。
【0027】
【数1】
【0028】また、膜内部にある最小孔径層について
は、ASTM F316ー86に記載されているエアー
フロー法によりエタノール中にて最小孔径層の平均孔径
を測定した。
【0029】
【実施例1】アクリロニトリル91.5重量%、アクリ
ル酸メチル8.0重量%、メタリルスルホン酸ソーダ
0.5重量%、極限粘度[η]=1.2の共重合体16
重量%及び重量平均分子量9,000のポリビニルピロ
リドン(BASF社製、K17)12重量%を、N−メ
チルー2ーピロリドン54重量%とγーブチロラクトン
18重量%の混合溶媒に溶解して均一な溶液とした。こ
の溶液を60℃に保ち、Nーメチルー2ーピロリドン9
0重量%と水10重量%との混合溶液からなる内部液と
ともに、紡口(2重環状ノズル0.5mm−0.7mm
−1.3mm)から吐出させ、20mmのエアギャップ
を通過させて80℃の水からなる凝固浴に浸漬して、凝
固を完結させた。この時、紡口から凝固浴までを円筒状
の筒で囲み、筒の中のエアギャップの温度を60℃、湿
度を100%に制御した。紡速は、10m/分に固定し
た。得られた中空糸状膜は、膜外表面から4μmの膜内
部に最小孔径層を有し、膜の両表面にある孔が円形状で
ある構造であった。また、最小孔径層の平均孔径は0.
05μmであり、外表面の平均孔径は0.6μm、内表
面の平均孔径は10μmであった。この膜の構造と性能
を表1に示す。
【0030】
【実施例2】実施例1で使用した製膜原液をガラス板上
に厚さ350μmに流延し、60℃の温度で湿度100
%の空気中に5秒間放置した後、N−メチルー2ーピロ
リドン90重量%と水10重量%との混合溶液からなる
80℃の溶液中に流延面を浸漬し、凝固させて平面状膜
を得た。得られた膜の透水量は、2600リットル/h
r・m2 ・atm(25℃測定)であり、分画性能
(A)は100%であり、分画性能(B)は2%であっ
た。膜の両表面には、円形状あるいは楕円形状の孔を有
し、膜の最小孔径層は流延面側から6μmの膜内部にあ
った。
【0031】
【比較例1】エアギャップを0mmにして、凝固浴中に
吐出した以外は、実施例1と同様の操作を行い、中空糸
状膜を得た。得られた中空糸状膜の構造及び性能を表1
に示す。
【0032】
【比較例2】実施例1で用いたポリマーを16重量%お
よび同じく実施例1で用いたポリビニルピロリドン12
重量%をN−メチルー2ーピロリドン72重量%に溶解
して均一溶液とした。この製膜原液を用いた以外は、実
施例1と同様の操作を行い、中空糸状膜を得た。得られ
た膜は、外表面に最小孔径層を有し、膜内部に直径20
μm以上の大きさのボイドを複数有する構造であった。
【0033】
【比較例3】実施例1で用いたポリマーを16重量%お
よび同じく実施例1で用いたポリビニルピロリドン12
重量%、および水1重量%と塩化リチウム6重量%をN
−メチルー2ーピロリドン65重量%に溶解して均一溶
液とした。この製膜原液を用いた以外は、実施例1と同
様の操作を行い、中空糸状膜を得た。得られた膜は、外
表面に最小孔径層を有し、膜内部に直径30μm以上の
大きさのボイドを複数有する構造であった。
【0034】
【参考例1】実施例1の本発明膜と比較例1〜3の膜に
ついて濾過テストを行った。プラス荷電を有する平均粒
径0.1μmのコロイド粒子(日本ペイント社製、PT
V−6)を0.01重量%含有する水溶液を差厚0.1
kgf/cm2で濾過を行った結果、比較例の膜はいず
れも300ml/cm2を越えないうちに目詰まりした
のに対し、実施例1の膜は1000ml/cm2 まで濾
過できることが判り、本発明の濾過寿命が大幅に改善さ
れていることが実証された。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】この発明によれば、プラス荷電を有する
コロイド状分子を回収する際にファウリングの少ないポ
リアクリロニトリル系膜が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空糸状濾過膜の一態様の横断面(一
部)を示す電子顕微鏡写真(倍率200倍)である。
【図2】図1に示す中空糸状濾過膜の外表面近傍の横断
面の電子顕微鏡写真(倍率3,000倍)である。
【図3】図1に示す中空糸状濾過膜の外表面の電子顕微
鏡写真(倍率50,000倍)である。
【図4】図1に示す中空糸状濾過膜の内表面の電子顕微
鏡写真(倍率10,000倍)である。
【図5】流体線速を測定する際の、中空糸状膜と容器の
位置付けを示す断面図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜の両表面に円形状あるいは楕円形状の
    孔を有し、かつ膜厚方向に孔径分布を有する微孔性膜で
    あって、膜の最小孔径層を膜内部のみに有することを特
    徴とするポリアクリロニトリル系膜。
JP13139197A 1997-05-21 1997-05-21 ポリアクリロニトリル系膜 Withdrawn JPH10314556A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013137379A1 (ja) * 2012-03-14 2013-09-19 三菱レイヨン株式会社 中空状多孔質膜の製造装置および中空状多孔質膜の製造方法

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