JPH10314018A - 保温釜 - Google Patents

保温釜

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Publication number
JPH10314018A
JPH10314018A JP12955597A JP12955597A JPH10314018A JP H10314018 A JPH10314018 A JP H10314018A JP 12955597 A JP12955597 A JP 12955597A JP 12955597 A JP12955597 A JP 12955597A JP H10314018 A JPH10314018 A JP H10314018A
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JP
Japan
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lid
pot
packing
pan
heat
Prior art date
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Pending
Application number
JP12955597A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Morota
博 諸田
Koji Shimomura
康二 下村
Nobuaki Morimichi
信昭 守道
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Toshiba Corp
Toshiba Home Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Home Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓋体を釜本体から取り外したり、蓋体を分解
することなく、適宜容易に蓋体から蓋パッキングを取り
外して新たな蓋パッキングと交換することができる保温
釜を提供する。 【構成】 鍋5と、この鍋5の上部の開口部を開閉する
蓋体25と、この蓋体25の下面に設けられ、蓋体25
の閉合に応じて鍋5の上部の開口縁部に弾性的に接触す
る環状の蓋パッキング37とを備える保温釜において、
前記蓋体25の下面に環状の装着溝34を設け、この装
着溝34内に蓋体25の下面側から前記蓋パッキング3
7の基部38を挿入して蓋体25に蓋パッキング37を
脱着可能に取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は保温釜に係り、特
にその蓋体に設ける蓋パッキングの装着構造を改良した
保温釜に関する。
【0002】
【従来の技術】保温釜には、炊飯時に発生する蒸気が鍋
と蓋体との間から漏れないように、蓋体の下面の下面部
材にシリコーンゴムなどの弾性部材からなる環状の蓋パ
ッキングを取り付け、この蓋パッキングで蓋体と鍋との
間を密閉するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】蓋パッキングには蒸気
が直接当たるため、その蒸気の影響で劣化が早く、弾性
が早期になくなったり、変色が著しく生じたり、臭いが
付着して取れなくなったりし、したがってこの蓋パッキ
ングは釜本体より寿命が短く、その劣化等に応じて新た
なものと交換する必要がある。
【0004】しかしこの蓋パッキングの交換は殆どの製
品で容易でない。蓋パッキングの交換は、一般的には蓋
体を釜本体から取り外し、次に蓋体の構成部材を分解し
て行う。このため蓋パッキングの一つを交換するにも、
面倒で厄介な手間がかかり、一般ユーザーが交換するこ
とは不可能で、通常はサービスマンが行なっている。し
たがって、蓋パッキングの交換にはサービスマンの工賃
も含まれることになり割高となる。
【0005】またユーザーは蓋パッキングを交換するた
めに、いちいち販売店等にまで保温釜を持っていく必要
があり、さらに通常はその場ですぐ交換することができ
ないので後日受け取るまで保温釜を使用することができ
ないという不便が生じる。
【0006】蓋パッキングの交換はサービスマンが行な
っても容易ではなく、蓋体を釜本体から外すときや、蓋
体を分解するすときに製品の外面に傷を付けてしまいや
すい。特に蓋体の構成部材はねじを殆ど使用しないで係
合爪のみで止めている場合が多く、これを外す場合には
係合部の隙間に金属の板などを差し込んで多少強引に外
す必要があり、蓋体を非常に傷付けやすい。
【0007】また、蓋体を釜本体から外すとき、蓋体の
内部につながっているヒータ線や温度センサー線のコネ
クタを外す必要があり、蓋パッキングの交換後の組立時
に、これをつなぎ忘れる恐れがある。
【0008】このような問題の解決策として、蓋パッ
キングを環状の剛性部材に取り付けて蓋パッキング組立
体とし、この蓋パッキング組立体を蓋体に脱着可能に取
り付ける方法、蓋体の下面部材のさらに下に付ける脱
着可能な内蓋の外周部に蓋パッキングを取り付ける方
法、蓋体の下面部材を鍋の上部開口縁のフランジに当
て、その隙間を蒸気水分に基づくウォーターシール効果
で密閉して蒸気漏れを防止し、蓋パッキングを使用しな
いようにする方法が考えられる。
【0009】しかし解決策はコストアップが大きい割
りに一般ユーザーにとってはメリットが小さく、解決策
は最近は内蓋がない製品が主流のため実用的ではな
い。そして解決策は製造時の形状のばらつきを考慮す
ると、ウォーターシール効果が確実に得られるどうかと
いう保証問題が残り、実用的でない。
【0010】この発明はこのような点に着目してなされ
たもので、その目的とするところは、蓋体を釜本体から
取り外したり、蓋体を分解することなく、適宜容易に蓋
体から蓋パッキングを取り外して新たな蓋パッキングと
交換することができる保温釜を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明はこのような目
的を達成するために、鍋と、この鍋の上部の開口部を開
閉する蓋体と、この蓋体の下面に設けられ、蓋体の閉合
に応じて鍋の上部の開口縁部に弾性的に接触する環状の
蓋パッキングとを備える保温釜において、前記蓋体の下
面に環状の装着溝を設け、この装着溝内に蓋体の下面側
から前記蓋パッキングの一部を挿入して蓋体に蓋パッキ
ングを脱着可能に取り付けるようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態につ
いて図面を参照して説明する。図1には、保温釜の全体
の構成を概略的に示し、図2にはその要部を拡大して示
してある。
【0013】図に示す1は釜本体で、この釜本体1は外
枠2およびこの外枠2の内側に設けられた有底筒状の内
枠3とからなり、前記内枠3により鍋収容部4が構成さ
れ、この鍋収容部4内に鍋5が挿脱自在に収納されてい
る。
【0014】鍋5は、熱伝導性に優れるアルミニウムを
主体とする材料で形成された鍋本体6と、この鍋本体6
の底面から側面下部に亘る部分の外面に接合されたフェ
ライト系ステンレス等の磁性金属材料からなる発熱層7
とで構成されている。
【0015】発熱層7は例えばプレス加工により成形さ
れ、その成形された発熱層7が溶湯鍛造によりアルミニ
ウムを主体とする鍋本体6に一体的に結合されている。
そして鍋本体6の上部の開口部の周縁には、その外方に
延出するフランジ8が一体に形成され、このフランジ8
の上面が機械加工により平面状に仕上げられている。
【0016】鍋5の肉厚は、上部の開口部の部分で3mm
程度、下部の底部の部分で5mm程度となっている。鍋5
の外面には、断熱効果により鍋5の保温性を高めるため
に、50〜100μm程度のシリコーン樹脂やポリエー
テルサルフォン樹脂を主体とした樹脂材料によるプラス
チックコーティング膜が形成されている。このプラスチ
ックコーティング膜は、その膜厚が厚くなるほど断熱効
果が高くなるから、50μm以上の厚さとすることが好
ましく、またそのコーティング材料にアルミナパウダー
やチタニアパウダー、アルミ粉末、ガラス粉末、中空ガ
ラスビーズ、ガラス繊維、マイカ粉末等の熱伝導性の低
い無機質材料を混ぜることにより、さらにその断熱性を
向上させ、鍋5の熱を蓄熱して保温性を高める効果を引
き出すことが可能である。
【0017】鍋5の外底面のほぼ中央部には、鍋温度セ
ンサー12が弾性的に当接して接触し、この鍋温度セン
サー12により鍋5の温度が逐次検出されるようになっ
ている。
【0018】内枠3はFR−PET樹脂等の樹脂材料に
より鍋5の外形形状とほぼ相似する形状に形成されてい
る。そしてこの内枠3の外面には、加熱手段として、ポ
リウレタン等の樹脂で絶縁された銅線を集合して捩じっ
たリッツ線を螺旋状に巻いてなる加熱コイル13が鍋5
の発熱層7に対応して設けられている。
【0019】この加熱コイル13の外側には、酸化鉄等
を主体とした高透磁率の材料粉末をプラスチック材料に
混ぜた材料で成形されたコイルカバー14が設けられ、
このコイルカバー14により加熱コイル13が内枠3に
固定されている。そしてこのコイルカバー14により磁
束の漏れを防止し、鍋5の発熱層7を効率よく誘導加熱
することができるようになっている。
【0020】釜本体1の内底部には、加熱基板17が設
けられ、この加熱基板17には加熱コイル13に高周波
電流を供給するインバータ回路18等が設けられ、前記
インバータ回路18から加熱コイル13に高周波電流が
供給され、この高周波電流の供給により加熱コイル13
に交番磁界が発生し、その磁界中に配置する鍋5の発熱
層7に渦電流が発生し、この渦電流がジュール熱に変換
して発熱層7が発熱し、この発熱層7の熱が鍋本体6に
伝導して鍋5の全体が加熱されるようになっている。
【0021】また釜本体1内の一側部には電源基板20
が設けられ、この電源基板20にトライアック等を備え
る通断電制御回路21、およびLEDやLCD等の表示
素子22や操作スイッチ23を備える操作パネル24が
設けられ、この操作パネル24が釜本体1の外面に露出
している。
【0022】釜本体1の上部には蓋体25が設けられ、
この蓋体25は、その外殻を形成する外蓋26と、この
外蓋26の内周に取付けられた環状のフレーム部材27
と、このフレーム部材27の内周側の開口部に取付けら
れた放熱板28とで構成されている。
【0023】放熱板28は、蓋体25の下面部材を構成
し、その材料はアルミニウムであり、材厚は2〜3mm程
度で、鋳造により成形され、下面には50〜100μm
程度の膜厚のシリコーン樹脂やポリエーテルサルフォン
樹脂を主体とした樹脂材料によるプラスチックコーティ
ング膜が施されている。
【0024】フレーム部材27の内周部にはその周方向
に沿って連続する起立部30が一体に形成され、また放
熱板28の周縁部には、その周方向に沿って連続する断
面L状の段部31が一体に形成されている。この段部3
1は、ほぼ垂直に起立する起立部32と、この起立部3
2の上端からその外方にほぼ水平に延びる水平部33と
で構成されている。
【0025】フレーム部材27の起立部30と放熱板2
8の起立部32は互いに対向して配置し、その対向間の
隙間で環状をなす装着溝34が構成されている。そして
放熱板28の水平部33はフレーム部材27の起立部3
0の上に重なって配置し、この水平部33からフレーム
部材27の起立部30に亘って複数のねじ35…が螺挿
され、これらねじ35…の締め付けにより放熱板28が
フレーム部材27に固定されている。前記各ねじ35…
は、蓋体25の内部に配置して外部に露出せず、したが
って良好な外観が保たれる。
【0026】前記装着溝34内には、その下部の開放部
34aから蓋パッキング37の基部38が挿入されてい
る。図3には蓋パッキング37の一部の外観を示してあ
り、この蓋パッキング37はシリコーンゴム等の弾性部
材により前記装着溝34に対応する環状に形成されてい
る。そしてこの蓋パッキング37は、厚肉で断面がほぼ
矩形状をなす基部38と、この基部38の下部からその
下方に延出した薄肉で断面がほぼく字状をなすリップ部
39とで構成されている。
【0027】基部38の外周面におけるほぼ中間部に
は、その周方向に沿って連続する係合凸部40が一体に
形成され、また内周面における上部および下部には、そ
の周方向に沿って連続する圧着凸部41,41が一体に
形成されている。
【0028】前記装着溝34を構成する一方の起立部3
0の壁面下部には、前記蓋パッキング37における係合
凸部40に対応する段部42がその起立部30の周方向
に沿って連続して一体に形成されている。
【0029】蓋パッキング37は、基部38を蓋体25
の下面側から装着溝34内に脱着可能に挿入することに
より蓋体25に取付けられている。蓋パッキング37を
蓋体25に取り付ける際には、基部38を装着溝34の
開放部34aからその奥方側に押し込む。この押し込み
により基部38が弾性的に変形し、係合凸部40が段部
42を乗り越えて通過し、この通過後に係合凸部40が
弾性的な復元力で段部42の上側に配置して段部42と
弾性的に係合し、また基部38の各圧着凸部41,41
が放熱板28における起立部32の壁面に弾性的に圧着
し、これにより基部38が安定して装着溝34内に嵌合
保持され、その離脱が防止される。
【0030】また、この状態から基部38を一定以上の
力で下方に引っ張ると、係合凸部40が弾性的に変形し
て段部42を乗り越えてこの係合凸部40と段部42と
の係合が外れ、したがって基部38を下方に引き出して
蓋パッキング37を装着溝34から取り外すことができ
る。
【0031】蓋パッキング37は、例えばシリコーンゴ
ム等の材料を押出成形機で所定の断面形状をもつ棒状に
成形し、その棒状の成形品の両端面を接合して環状に繋
ぎ合せる方法で製造することが可能である。
【0032】また、蓋パッキング37の基部38を装着
溝34内に挿入する際に、その基部38が容易に屈曲し
てしまうと挿入の作業がしずらくなるから、基部38の
肉厚は容易に屈曲しない程度の充分な厚さとすることが
好ましく、またその屈曲を防止する手段として、基部3
8の内周面や外周面、あるいはその双方に金属や樹脂か
らなる環状の補強板を取り付けるようにしてもよい。
【0033】蓋体25は、その一端部がヒンジピン45
を介して釜本体1の上部に上下方向に回動可能に取り付
けられ、その回動により蓋体25の下面部材である放熱
板28により鍋5の開口部が開閉される。そして蓋体2
5が釜本体1の上面に閉合するときに、蓋パッキング3
7のリップ部39が鍋5の上部の開口縁部に弾性的に接
触して密着し、この密着で鍋5内が密閉されるようにな
っている。
【0034】蓋パッキング37のリップ部39が鍋5の
上部の開口縁部に接触するときには、断面く字状をなす
リップ部39が弾性的に図2に示すように偏平状に変形
し、この変形でリップ部39が鍋5の開口縁部に強く密
着する。
【0035】蓋体25の前記ヒンジピン45の反対側に
おいては、蓋体25を釜本体1に係脱可能に係止して蓋
体25の閉合状態を保持するクランプ46が設けられ、
また前記ヒンジピン45の配設部にはスプリング47が
設けられ、このスプリング47により蓋体25が常時開
方向に弾性的に付勢され、この付勢力で前記クランプ4
6を解除したときに自動的に蓋体25が上方に回動して
開くようになっている。
【0036】蓋体25における放熱板28の中心部には
蒸気通過用の直径が10〜30mm程度の蒸気流出口50
が形成され、この蒸気流出口50の上部周囲側にシリコ
ーンゴム製の蒸気口パッキング51が設けられている。
【0037】放熱板28の上面には、コードヒータから
なる蓋ヒータ52が設けられ、この蓋ヒータ52は両面
粘着テープを介して放熱板28に接着されたアルミ箔5
3で覆われている。
【0038】蓋ヒータ52は、蒸気流出口50を中心と
する同心円上にほぼ均等的に設けられ、蒸気流出口50
および蓋パッキング37の近傍の位置に配置している。
さらに放熱板28の上面には、この放熱板28の下面の
温度を検出する蓋温度センサー54が設けられている。
【0039】蓋体25の外蓋26には、放熱板28の蒸
気流出口50の上部の周囲を囲むように内径が約70mm
程度のガイド筒57が形成され、このガイド筒57の下
端縁が前記蒸気口パッキング51の周縁に密着してい
る。
【0040】ガイド筒57の内部には、蒸気口カバー5
8およびバケット59がそれぞれ脱着自在に収納されて
いる。蒸気口カバー58の下端縁は、蒸気口パッキング
51に密着し、上部には蒸気放出口60が形成されてい
る。蒸気口カバー58の上部外面には凸部61が部分的
に形成され、この凸部61がガイド筒57の上部の開口
内縁部に係合している。バケット59は有底筒状をな
し、底部には直径が1〜2mm程度のオネバ戻し用の戻孔
62が蒸気流出口50に対向して配置するように形成さ
れ、この戻孔62にシリコーンゴム等の弾性部材からな
る逆止弁63が装着されている。
【0041】ところで、従来の保温釜における鍋の支持
構造は、鍋のフランジの下面に対応して保温釜の本体側
の3〜4カ所程度の部分に耐熱・耐衝撃性を有するポリ
アミド樹脂等で作られた鍋支持台を取り付け、これら鍋
支持台の上に鍋のフランジを載せて支持するのが一般的
である。しかしこれだけでは不十分で、炊飯後にご飯を
ほぐしたとき鍋が回転するので、さらに内枠の側面や底
面等に鍋回り止め用ののゴムを1〜3カ所程度取り付け
る必要がある。
【0042】このため部品点数が多く在庫管理や部品コ
ストの面で問題となっている。また鍋回り止め用のゴム
だけでは十分な回り止め効果が得られないという問題も
抱えている。特に清掃性や外観を向上させるために鍋の
外面にプラスチックコーティング膜を施した場合には、
鍋回り止め用のゴムとの摩擦が小さくなりその効果は減
少する。
【0043】さらに部分的な凸部とした鍋支持台の上に
鍋のフランジを載せるので、フランジの下面側に隙間が
生じ、鍋と内枠の間の空間が外部空間と閉鎖されず、こ
のため鍋の側面上部が冷えやすい。このため保温時に鍋
の側面に露が大量に付き、これが下方に垂れ流れ、鍋の
側面部分のご飯をふやけさせる問題の原因となってい
る。この問題を回避するために、従来は鍋の上部側面に
対向する内枠の外面部分にコードヒータを巻く方法が採
られている。しかしこの方法では、言うまでもなくコス
トアップにつながる。そしてさらに消費電力も多くなる
問題がある。また鍋のフランジと内枠との間に隙間があ
ることで、炊飯直後などに蓋体を開いたときに蓋体から
流れ出す露がこの隙間を通って中に流れ込む可能性があ
る。中に露が流れ込んだ場合、内枠底面に設置されてい
る鍋温度検出センサーの周囲の隙間を通じて釜本体の内
部に浸入するので、釜本体の故障や誤動作といった安全
面での問題となる。
【0044】そのうえ従来の鍋支持台は硬く、鍋を置い
たときの衝撃吸収という点で不十分である。特に最近の
鍋は材厚が厚く、鍋だけで1500g以上というのも数
多くあり、これに米と水を入れたら10カップ炊きの場
合、5kg以上にもなってしまう。ユーザーがこれを釜
本体にセットするとき、仮に3cm上から落としてセッ
トしただけでもかなりの衝撃力となる。このため本体強
度を十分に増す必要がある。特に電磁誘導加熱式の保温
釜では内枠の下部に防磁用のフェライトがあり、その衝
撃によるフェライトの割れや脱落に対策をとる必要があ
る。
【0045】そこで、本実施形態の保温釜においては、
内枠3の上部に鍋支持用のパッキング65を環状に取り
付け、このパッキング65の上に鍋5のフランジ8を載
せて支持するようにしてある。
【0046】鍋支持用のパッキング65はシリコーンゴ
ム等の弾性部材により形成され、上部の断面形状はほぼ
半円状をなし、また下面には係合突起66が一体に突出
形成されている。そして内枠3の上部の水平部には前記
係合突起66に対応する係合孔67が形成され、この係
合孔67内に係合突起66が圧入され、この係合突起6
6と係合孔67との係合でパッキング65が内枠3に固
定されている。
【0047】この鍋支持用のパッキング65は、例えば
シリコーンゴム等の材料を押出成形機で所定の断面形状
をもつ棒状に成形する方法で製造することが可能であ
る。そしてこのような鍋支持用のパッキング65の複数
を内枠3の上部に環状に配置するように取り付けて鍋5
のフランジ8を均等的に支持するようになっている。
【0048】このような構成においては、鍋5の全重量
がパッキング65に加わるが、鍋5のフランジ8の下面
の全周部分がパッキング65に接触するため、その接触
面積が広くなり、したがってフランジ8の下面を含む鍋
5の外面にプラスチックコーティング膜が施されている
鍋5であっても、その内部のご飯をほぐしたときに鍋5
が回り動くことがほとんどなく、その回り止めが確実に
図られる。
【0049】これを確認するために、鍋5内に10カッ
プ分のご飯を入れ、鍋5のフランジ8をその円周接線方
向に引いたときの鍋5の回り出す力を測定したところ、
従来の鍋支持方式では600gfであるのに対し、本実
施形態では3500gfであった。
【0050】また、本実施形態においては、フランジ8
の全周部分をパッキング65に当てて鍋5を支持する構
造であるから、鍋5を支持したときの位置精度が高くな
る。これにより鍋5の下方に設けられた鍋温度センサー
12と鍋5の外底面との当たりが良くなり温度検出精度
が高くなる利点がある。
【0051】さらにパッキング65は、シリコーンゴム
等の弾性部材で形成されているから、鍋5を載せて置い
たときの衝撃の影響も従来の支持方式に比べて緩和され
る。従来であると、内枠の側面上部に保温時の鍋の側面
を加熱してご飯のふやけを防止する側面ヒータが設けら
れているが、本実施形態ではこれを廃止している。これ
は従来の鍋の支持方式では部分的にしか支持していない
ため鍋のフランジの下面に隙間ができ、鍋と内枠との間
の空間が外部空間と閉鎖されず、このため熱の放出が大
きかった。そのため鍋の上部側面が冷やされるため、側
面ヒータ無しではこの部分の鍋の内面に露が付きやす
く、ご飯に流れ落ち、ご飯がふやけてしまう。
【0052】しかし本実施形態では、鍋5のフランジ8
の全周で鍋5を支持しているため、鍋5と内枠3との間
の空間が外部空間と完全に閉鎖され、この部分からの熱
の放出が少ない。
【0053】さらに本実施形態では、溶湯鍛造で成形し
た鍋5を使用しているため、従来のプレス加工鍋に比べ
て材厚が厚く、かつ熱伝達の良いアルミニウムを使用し
ているため、鍋5の底面しか加熱しなくても鍋5の上部
まで熱が十分伝わる。このために側面ヒータが廃止でき
る。
【0054】この熱の放出量が少なく、断熱性がよいこ
とを確認するために次の試験を行なった。この試験は、
同一条件で鍋を加熱したときの、従来の支持方式と本実
施形態の支持方式との場合の鍋の上部の温度を測定した
もので、その各測定ポイントでの温度差を比較して図4
に示してある。
【0055】図4に示す「測定ポイント」と書かれてい
るところが熱電対で温度を測定した場所である。測定ポ
イントは5カ所で、は鍋内面、は鍋外面、は鍋外
面と内枠内面との間の空間部、は内枠内面、は内枠
外面である。そして横軸に測定ポイントの位置、縦軸に
測定ポイントの温度をとり、その温度変化の比較を折れ
線で示してある。
【0056】この図4から本実施形態では従来の支持方
式に比べて、鍋内面の温度が+1.2℃、鍋外面と内枠内
面との間の空間部の温度が+2.9 ℃高いことがわかる。
鍋内面ではわずか+1.2 ℃の差であるが、12時間ご飯
を保温した後の鍋内側面に付着した露を比較すると、従
来の支持方式では 1.2gであるのに対し、本実施形態で
は 0.4gであり、約 1/3にも減少していることが確認さ
れた。
【0057】また保温してご飯の温度が安定したときの
1時間当たりの消費電力は、従来の支持方式では47w
hであるのに対し、本実施形態では42whであり、1
0%程度も減少していることが確認された。
【0058】また鍋5のフランジ8の下面側に隙間が生
じないから、炊飯直後などに蓋体25を開いたときに蓋
体25から流れ出す露が、内枠3に入っていく心配がな
いという利点もある。
【0059】このように、本実施形態の支持方式によれ
ば、鍋5のフランジ8を釜本体1に備え付けた環状のパ
ッキング65でその全周を支持するようにしたから、広
い接触面積でかつ滑りにくいシリコーンゴム等の弾性部
材で鍋5を押さて支持できるから、ご飯をほぐしたとき
に鍋5が非常に回りにくい。また環状のパッキング65
一つで鍋5を支持するので、従来のように複数個の鍋支
持台や鍋回り止め用のゴムを必要としないので、在庫管
理や部品コストの面で有利である。さらに、弾性部材で
鍋5を支持しているので、鍋5を置いたときの衝撃吸収
が増し、釜本体1の故障を防ぐことができる。
【0060】鍋5のフランジ8の下面側に隙間が生じな
いから、鍋5上部側面が冷えにくい。これにより保温時
の鍋5の側面に対する露の付着を低減でき、鍋5の側面
部分でのご飯のふやけを抑えることができる。また、溶
湯鍛造等で作られた厚手の鍋5を用いることにより鍋5
上部への熱の伝わりが良くなり、さらに鍋5の側面の冷
えを防止できるので側面ヒータを廃止することができ
る。これらにより保温時の消費電力を抑えることができ
る。
【0061】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
蓋体の下面に環状の装着溝を設け、この装着溝内に蓋体
の下面側から蓋パッキングの一部を挿入して蓋パッキン
グを蓋体に脱着可能に取り付けるようにしたものである
から、蓋パッキングを交換する際には、蓋パッキングを
蓋体の下面側に引き出して取り外し、この取り外した蓋
パッキングに換えて新たな蓋パッキングを蓋体の下面側
から装着溝内に挿入すればよく、したがって蓋体を釜本
体から取り外したり、蓋体の構成部材を分解するような
面倒で手間のかかる作業を一切必要とせず、容易に能率
よくその交換作業を行なうことができる。このため一般
ユーザーであっても、各家庭において、蓋パッキングの
交換を適宜容易に行なえ、またその交換の作業時に蓋体
に傷をつけるようなようなこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る保温釜の概略的な
構成を示す断面図。
【図2】その保温釜の要部の断面図。
【図3】蓋パッキングの一部の斜視図。
【図4】従来の鍋支持方式の場合と、本実施形態におけ
る鍋支持方式の場合とにおける鍋の上部の温度の状況を
示す説明図。
【符号の説明】
1…釜本体 5…鍋 25…蓋体 34…装着溝 37…蓋パッキング 38…基部 39…リップ部 40…係合凸部 41…圧着凸部 42…段部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守道 信昭 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鍋と、この鍋の上部の開口部を開閉する蓋
    体と、この蓋体の下面に設けられ、蓋体の閉合に応じて
    鍋の上部の開口縁部に弾性的に接触する環状の蓋パッキ
    ングとを備える保温釜において、 前記蓋体の下面に環状の装着溝を設け、この装着溝内に
    蓋体の下面側から前記蓋パッキングの一部を挿入して蓋
    体に蓋パッキングを脱着可能に取り付けたことを特徴と
    する保温釜。
JP12955597A 1997-05-20 1997-05-20 保温釜 Pending JPH10314018A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100336231C (zh) * 2003-06-11 2007-09-05 株式会社东芝 高耐压半导体器件

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100336231C (zh) * 2003-06-11 2007-09-05 株式会社东芝 高耐压半导体器件

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