JPH10312934A - Cr複合電子部品およびその製造方法 - Google Patents

Cr複合電子部品およびその製造方法

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JPH10312934A
JPH10312934A JP13767097A JP13767097A JPH10312934A JP H10312934 A JPH10312934 A JP H10312934A JP 13767097 A JP13767097 A JP 13767097A JP 13767097 A JP13767097 A JP 13767097A JP H10312934 A JPH10312934 A JP H10312934A
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composite electronic
internal electrode
terminal electrode
terminal
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JP13767097A
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Katsuhiko Igarashi
克彦 五十嵐
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Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別な焼成条件を必要とせず、通常の積層セ
ラミックコンデンサと同一条件での焼成が可能であり、
製造工程も簡単で、生産コストも安く、CRまたは(L
/C)R直列回路が簡単に得られ、抵抗値の制御も容易
なCR複合電子部品およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 誘電体層と内部電極とが交互に積層され
ており、前記内部電極と、CR複合電子部品の端部に形
成された端子電極とが、前記誘電体層の少なくとも一方
の端子電極側に形成された半導体化領域を介して電気的
に接続されており、前記半導体化領域が酸化亜鉛を含有
するCR複合電子部品とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性セラミック
誘電体層を有する積層型のCR複合電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電子機器の電源の多くには、スイ
ッチング電源やDC−DCコンバータが用いられてい
る。これらの電源に使用されるコンデンサとして電源バ
イパス用のコンデンサがある。この電源バイパス用コン
デンサは、その電源容量やスイッチング周波数、併用さ
れる平滑コイル等の回路パラメータに応じて、低容量の
積層セラミックコンデンサと、高容量のアルミあるいは
タンタルといった電解コンデンサが用いられてきた。と
ころで、電解コンデンサは、容易に大容量が得られ、電
源のバイパス用(平滑用)コンデンサとしては優れた面
を有するが、大型で、低温特性に劣り、短絡事故の恐れ
があり、しかも内部インピーダンスが比較的高いため、
等価直列抵抗(ESR)による損失が定常的に発生し、
それに伴う発熱を生じ、しかも平滑性が悪化するといっ
た問題を有している。また、近年、技術革新により、積
層セラミックコンデンサの誘電体や内部電極の薄層化、
積層化技術の進展に伴い、積層セラミックコンデンサの
静電容量が、電解コンデンサの静電容量に近づきつつあ
る。このため、電解コンデンサを積層セラミックコンデ
ンサに置き換えようとする試みも種々なされている。
【0003】しかし、積層セラミックコンデンサを電解
コンデンサに置き換えた場合、積層セラミックコンデン
サの使用周波数帯域におけるインピーダンスが低すぎる
ため、つまり等価直列抵抗(ESR)が低すぎるため、
電源回路を三端子レギュレータに等価的に置換した場
合、この三端子レギュレータが発振してしまい、入力電
圧がステップ状に変動し、出力にもその影響が現れてし
まう。
【0004】このため、積層セラミックコンデンサに抵
抗成分を付加した、いわゆるCR複合電子部品も種々提
案されている。例えば、特開平8−45784号公報に
は、積層セラミックコンデンサの端部を炭化物と還元剤
を用いて半導体化した複合電子部品について記載されて
いる。しかし、その製造方法は、積層セラミックコンデ
ンサ素体に外部電極用ペーストを塗布し、これを一旦還
元性雰囲気中で仮焼し、バインダーを炭化して残留さ
せ、さらに700〜750℃で焼き付けることにより前
記炭化物を還元剤として作用させることにより半導体化
させている。また抵抗値の制御は還元剤の量で行ってい
る。しかし、この方法では半導体化する工程が複雑であ
り、端子電極を形成する工程を含めると、3回もの熱処
理を必要とし、生産性が低下し、エネルギーコストが高
くなる。しかも、抵抗値の制御が還元剤の量で行われて
いるため、所望の値を正確に得ることが困難であり、回
路設計が困難になると共に、製品間のバラツキも多く、
量産化した場合の歩留まりも悪い。
【0005】また、例えば、特開昭59−225509
号公報に記載されているように、積層セラミックコンデ
ンサに、さらに酸化ルテニウム等の抵抗体ペーストを積
層し、これを同時焼成して抵抗体としたものも知られて
いる。しかし、このものは、そのまま端子電極を設けた
場合、等価回路がC/Rまたは(LC)/Rの並列回路
となり、直列回路を得ることができない。また、直列回
路を得るためには端子電極の形状が複雑となり、製造工
程も複雑なものとなってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、特
別な焼成条件を必要とせず、通常の積層セラミックコン
デンサと同一条件での焼成が可能であり、製造工程も簡
単で、生産コストも安く、CRまたは(L/C)R直列
回路が簡単に得られ、抵抗値の制御も容易なCR複合電
子部品およびその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の
(1)〜(10)の構成により達成される。 (1) 誘電体層と内部電極とが交互に積層されてお
り、前記内部電極と、CR複合電子部品の端部に形成さ
れた端子電極とが、前記誘電体層の少なくとも一方の端
子電極側に形成された半導体化領域を介して電気的に接
続されており、前記半導体化領域が酸化亜鉛を含有する
CR複合電子部品。 (2) 前記半導体化領域は、CR複合電子部品の端子
電極が形成される端部に塗布された酸化亜鉛を含有する
抵抗体ペースト材料が、焼成時に誘電体層に拡散して形
成されたものである上記(1)のCR複合電子部品。 (3) 前記抵抗体ペーストは、さらにガラスを含有す
る上記(2)のCR電子複合部品。 (4) 前記内部電極と端子電極との最短離間距離を調
節することにより抵抗値を調節する上記(1)〜(3)
のいずれかのCR複合電子部品。 (5) 等価回路がCRまたは(LC)R直列回路を含
む上記(1)〜(4)のいずれかのCR複合電子部品。 (6) 内部電極がニッケルを含有する上記(1)〜
(5)のいずれかのCR複合電子部品。 (7) 誘電体層と内部電極層とを、内部電極層が少な
くとも一方の端部に形成される端子電極と接触しないよ
うに交互に積層してグリーンチップを形成し、前記グリ
ーンチップの、少なくとも一方の端子電極が形成される
端部に抵抗体ペーストを塗布した後、還元性雰囲気で焼
成を行うCR複合電子部品の製造方法。 (8) 抵抗体ペーストは酸化亜鉛を含有する上記
(7)のCR複合電子部品の製造方法。 (9) 前記内部電極と端部に形成される端子電極との
距離が、所望の抵抗値となるように所定の間隔を置いて
積層する上記(7)または(8)のCR複合電子部品の
製造方法。 (10)前記内部電極層がニッケルを含有する上記
(7)〜(9)のいずれかのCR複合電子部品の製造方
法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のCR複合電子部品は、誘
電体層と内部電極とが交互に積層され、前記内部電極
と、CR複合電子部品の端部に形成された端子電極と
が、前記誘電体層の少なくとも一方の端子電極側に形成
された半導体化領域を介して電気的に接続されており、
かつ前記半導体化領域は酸化亜鉛とガラスとを含有す
る。内部電極と端子電極とを、半導体化領域を介して接
続することにより、簡単な構成でCRまたは(LC)R
直列回路が得られ、また誘電体層を酸化亜鉛により半導
体化するため、製造工程も単純になる。
【0009】半導体化領域は、CR複合電子部品の端部
に形成される端子電極と、この端子電極と直接接触しな
いように離間して配置された内部電極との間に存在し、
これらを所定の伝導率で電気的に接続するように形成さ
れる。半導体化領域により得られる抵抗値は半導体化領
域を通過する電流路の距離、つまり、所定の間隔を置い
て配置された内部電極と端子電極との最短離間距離に比
例する。従って、この半導体化領域の距離を調節するこ
とにより、得られる抵抗値を制御することができ、抵抗
値の調整が容易になると共に、高精度に調整することが
できる。この半導体化領域は、端子電極が設けられるい
ずれか一方の側に形成されていればよく、必ずしも双方
に形成する必要はないが、必要な抵抗値等によりいずれ
かの構成を選択すればよい。この場合、両方の端部に同
じ長さの半導体化領域が形成されていれば、抵抗値は2
倍になる。
【0010】内部電極と端子電極の離間距離としては、
特に制限されるものではないが、通常、両端子電極間の
長さの1.6×10-5 〜1.2×10-4 程度、0.0
5μm 〜0.4mm程度である。また、CR複合部品とし
て得られるインピーダンスも特に限定されるものではな
いが、通常1〜1000 mΩ程度である。この範囲のイ
ンピーダンス値を有することで、電源回路の電源バイバ
ス用コンデンサとして、十分な性能を発揮することがで
きる。
【0011】半導体化領域は、誘電体層に酸化亜鉛を含
有させることにより形成される。酸化亜鉛を偏在して含
有させる方法としては、特に限定されるものではない
が、好ましくは積層セラミックコンデンサのグリーンチ
ップに、酸化亜鉛を含有する抵抗体ペーストを塗布等す
ればよい。抵抗体ペーストが設けられたグリーンチップ
を焼成することにより、酸化亜鉛分が誘電体層中に拡散
して行き、半導体化領域が形成される。形成される半導
体化領域は、特に制限されるものではないが、通常端子
電極間の距離の1.6×10-5 〜1.2×10-4
度、0.05μm 〜0.4mm程度である。酸化亜鉛の抵
抗体ペースト中の含有量は酸化亜鉛、ガラス、バインダ
ーおよび溶剤との統計に対して30〜80wt%程度が好
ましい。また、焼結後、半導体化領域を形成した場合、
半導体化領域における含有量は40〜98wt%が好まし
く、その場合の残部はガラスである。酸化亜鉛のペース
ト中の粒径は通常0.01〜1.0μm 程度である。焼
結後、酸化亜鉛は、通常明瞭な粒子としては存在しな
い。
【0012】抵抗体ペーストには、通常前記酸化亜鉛の
他に電気伝導率を調整するためのガラスフリット、有機
バインダーおよび溶剤が含有される。抵抗体ペーストの
酸化亜鉛の含有量は、好ましくは30〜80wt%、より
好ましくは45〜70wt%程度の範囲が好ましい。ガラ
スフリットの組成については、特に限定されるものでは
ないが、例えば、ケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ア
ルミナケイ酸ガラス、好ましくはホウケイ酸ガラス等の
ガラスの1種または2種以上を用い、これに必要に応じ
て、CaO,SrO,BaO,MgO,ZnO,Pb
O,Na2O,K2O等の添加物を所定の組成比となるよ
うに混合したものを用いればよい。これらのうち、Si
2 10〜60wt%、B23 5〜30wt%、Al23
0〜30wt%、B23+Al23 5〜40wt%であっ
て、CaO,BaO,ZnOを総計10〜85wt%含有
するものが好ましい。この場合、抵抗体ペースト中のガ
ラスフリットの含有量は、好ましくは0.15〜50wt
%程度である。
【0013】有機バインダーとしては、特に限定される
ものではなく、セラミックス材のバインダーとして一般
的に使用されているものの中から、適宜選択して使用す
ればよい。このような有機バインダーとしては、エチル
セルロース、アクリル樹脂、ブチラール樹脂等が挙げら
れ、溶剤としてはターピネオール、テルピネオール、ブ
チルカルビトール、ケロシン等が挙げられる。ペースト
中の有機バインダーおよび溶剤の含有量は、特に制限さ
れるものではなく、通常使用されている量、例えば有機
バインダー1〜5wt%、溶剤10〜50wt%程度とすれ
ばよい。
【0014】さらに、抵抗体ペースト中には、必要に応
じて各種分散剤等が含有されていてもよい。これらの総
含有量は、1wt%以下であることが好ましい。抵抗体ペ
ーストを誘電体グリーンチップに設ける方法としては、
特に限定されるものではないが、例えばディップ法、ス
クリーン印刷法、好ましくはディップ法等により容易に
設けることができる。
【0015】<誘電体層>誘電体層を構成する誘電体材
料としては、特に限定されるものではなく、種々の誘電
体材料を用いてよいが、例えば、酸化チタン系、チタン
酸系複合酸化物、あるいはこれらの混合物などが好まし
い、酸化チタン系としては、必要に応じNiO,Cu
O,Mn34,Al23,MgO,SiO2等を総計
0.001〜30wt%程度含むTiO2等が、チタン酸
系複合酸化物としては、チタン酸バリウムBaTiO3
等が挙げられる。Ba/Tiの原子比は、0.95〜
1.20程度がよく、BaTiO3には、Mgo,Ca
O,Mn34,Y23,V25,ZnO,ZrO2,N
25,Cr23,Fe23,P25,SrO,Na2
O,K2O等が総計0.001〜30wt%程度含有され
ていてもよい。また、焼成温度、線膨張率の調整等のた
め、(BaCa)SiO3 ガラス等のガラス等が含有さ
れていてもよい。
【0016】誘電体層の一層あたりの厚さは特に限定さ
れないが、通常5〜20μm 程度である。また、誘電体
層の積層数は、通常、2〜300程度とする。
【0017】<内部電極層>内部電極層に含有される導
電材は特に限定されないが、誘電体層構成材料に耐還元
性を有するものを使用することで、安価な卑金属を用い
ることができ好ましい。導電材として用いる卑金属とし
ては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金として
は、Mn、Cr、Co、Al等から選択される1種以上
の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量
は95重量%以上であることが好ましい。
【0018】なお、NiまたはNi合金中には、P等の
各種微量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよ
い。
【0019】内部電極層の厚さは用途等に応じて適宜決
定すればよいが、通常、0.5〜5μm 、特に0.5〜
2.5μm 程度であることが好ましい。
【0020】<端子電極>端子電極(外部電極)に含有
される導電材は特に限定されないが、好ましくは安価な
Ni、Cuや、これらの合金を用いることが好ましく、
特にCuが好ましい。端子電極の厚さは用途等に応じて
適宜決定すればよいが、通常、10〜100μm 程度で
ある。外部電極形成後、好ましくはNi、Sn、ハンダ
等、特にNi、ハンダ等の金属メッキ層を設ける。金属
メッキ層を設けることにより、半田塗れ性等が改善され
る。金属メッキ層は1層または2層以上設けてもよく、
特に好ましくはNi/ハンダの順に2層に形成したもの
が好ましい。
【0021】次に、本発明のCR複合電子部品の製造方
法について説明する。
【0022】本発明のCR複合電子部品は、ペーストを
用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを
作製し、このチップの少なくとも一端に抵抗体ペースト
を印刷ないし転写して同時焼成することにより製造でき
る。
【0023】<誘電体層用ペースト>誘電体層用ペース
トは、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練して製造され
る。
【0024】誘電体原料には、誘電体層の組成に応じた
粉末を用いる。誘電体原料の製造方法は特に限定され
ず、例えばチタン酸系複合酸化物としてチタン酸バリウ
ムを用いる場合、水熱合成法等により合成したBaTi
3 に、副成分原料を混合する方法を用いることができ
る。また、BaCO3 とTiO2 と副成分原料との混合
物を仮焼して固相反応させる乾式合成法を用いてもよ
く、水熱合成法を用いてもよい。また、共沈法、ゾル・
ゲル法、アルカリ加水分解法、沈殿混合法などにより得
た沈殿物と副成分原料との混合物を仮焼して合成しても
よい。なお、副成分原料には、酸化物や、焼成により酸
化物となる各種化合物、例えば、炭酸塩、シュウ酸塩、
硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等の少なくとも1種
を用いることができる。
【0025】誘電体原料の平均粒子径は、目的とする誘
電体層の平均結晶粒径に応じて決定すればよいが、通
常、平均粒子径0.3〜1.0μm 程度の粉末を用い
る。
【0026】有機ビヒクルは、バインダを有機溶剤中に
溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは
特に限定されず、エチルセルロース等の通常の各種バイ
ンダから適宜選択すればよい。また、用いる有機溶剤も
特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方法
に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセ
トン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよ
い。
【0027】<内部電極層用ペースト>内部電極層用ペ
ーストは、上記の各種導電性金属や合金、あるいは焼成
後に上記した導電材となる各種酸化物、有機金属化合
物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練し
て調製する。
【0028】<端子電極用ペースト>端子電極用ペース
トは、上記した内部電極層用ペーストと同様にして調製
すればよい。
【0029】<有機ビヒクル含有量>上記した各ペース
ト中の有機ビヒクルの含有量に特に制限はなく、通常の
含有量、例えば、バインダは1〜5wt%程度、溶剤は1
0〜50wt%程度とすればよい。また、各ペースト中に
は、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体
等から選択される添加物が含有されていてもよい。これ
らの総含有量は、10重量%以下とすることが好まし
い。
【0030】<グリーンチップ作製>印刷法を用いる場
合、誘電体層用ペーストおよび内部電極層用ペースト
を、PET等の基板上に積層印刷する。このとき内部電
極用ペーストの端部と誘電体層用ペーストの端部との間
に所望の抵抗値が得られるよう一定の距離を設ける。そ
の後、所定形状に切断してチップ化した後、基板から剥
離してグリーンチップとする。
【0031】また、シート法を用いる場合、誘電体層用
ペーストを用いてグリーンシートを形成し、このグリー
ンシート上に内部電極層用ペーストを、上記同様に内部
電極用ペーストの端部と誘電体層用ペーストの端部との
間に一定の距離を設けて印刷したものを積層し、所定形
状に切断して、グリーンチップとする。
【0032】<抵抗体ペースト>抵抗体ペーストは、酸
化亜鉛とガラスフリットと上記と同様のビヒクルから形
成される。
【0033】<抵抗体ペースト塗布工程>得られた抵抗
体ペーストをグリーンチップに塗布する。塗布の方法と
しては特に限定されるものではないが、ディップ法等に
よればよい。抵抗体ペーストの塗布量は特に限定される
ものではなく、必要とする抵抗値や、塗布するグリーン
チップの大きさなどにより適宜調整すればよいが、通常
10〜100μm 程度である。抵抗体ペースト塗布後、
乾燥する。乾燥は60〜150℃程度で、10分〜1時
間程度行うことが好ましい。
【0034】<脱バインダ処理工程>焼成前に行なう脱
バインダ処理の条件は通常のものであってよいが、内部
電極層の導電材にNiやNi合金等の卑金属を用いる場
合、特に下記の条件で行うことが好ましい。 昇温速度:5〜300℃/時間、特に10〜100℃/
時間 保持温度:200〜400℃、特に250〜300℃ 温度保持時間:0.5〜24時間、特に5〜20時間 雰囲気:空気中
【0035】<焼成工程>グリーンチップ焼成時の雰囲
気は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて
適宜決定すればよいが、導電材としてNiやNi合金等
の卑金属を用いる場合、焼成雰囲気はN2 を主成分と
し、H2 1〜10%と、10〜35℃における水蒸気圧
によって得られるH2Oを添加した混合ガスが好まし
い。そして、酸素分圧は、10-8〜10-12 気圧とする
ことが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると、内
部電極層の導電材が異常焼結を起こし、途切れてしまう
ことがある。また、酸素分圧が前記範囲を超えると、内
部電極層が酸化する傾向にある。
【0036】焼成時の保持温度は、1100〜1400
℃、特に1200〜1300℃とすることが好ましい。
保持温度が前記範囲未満であると緻密化が不十分であ
り、前記範囲を超えると、内部電極が途切れやすくな
る。また、焼成時の温度保持時間は、0.5〜8時間、
特に1〜3時間が好ましい。
【0037】<アニール工程>還元性雰囲気中で焼成し
た場合、CR複合電子部品チップ体にはアニールを施す
ことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するた
めの処理であり、これによりIR加速寿命を著しく長く
することができる。
【0038】アニール雰囲気中の酸素分圧は、10-6
圧以上、特に10-5〜10-8気圧とすることが好まし
い。酸素分圧が前記範囲未満であると誘電体層の再酸化
が困難であり、前記範囲を超えると内部電極層が酸化す
る傾向にある。
【0039】アニールの際の保持温度は、1100℃以
下、特に500〜1000℃とすることが好ましい。保
持温度が前記範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分
となって寿命が短くなる傾向にあり、前記範囲を超える
と内部電極層が酸化し、容量が低下するだけでなく、誘
電体素地と反応してしまい、寿命も短くなる傾向にあ
る。なお、アニール工程は昇温および降温だけから構成
してもよい。この場合、温度保持時間は零であり、保持
温度は最高温度と同義である。また、温度保持時間は、
0〜20時間、特に2〜10時間が好ましい。雰囲気用
ガスには、加湿したN2 ガス等を用いることが好まし
い。
【0040】なお、上記した脱バインダ処理、焼成およ
びアニールの各工程において、N2とH2 や混合ガス等
を加湿するには、例えばウェッター等を使用すればよ
い。この場合、水温は5〜75℃程度が好ましい。
【0041】脱バインダ処理工程、焼成工程およびアニ
ール工程は、連続して行なっても、独立に行なってもよ
い。
【0042】これらを連続して行なう場合、脱バインダ
処理後、冷却せずに雰囲気を変更し、続いて焼成の保持
温度まで昇温して焼成を行ない、次いで冷却し、アニー
ル工程での保持温度に達したときに雰囲気を変更してア
ニールを行なうことが好ましい。
【0043】また、これらを独立して行なう場合は、脱
バインダ処理工程は、所定の保持温度まで昇温し、所定
時間保持した後、室温にまで降温する。その際の脱バイ
ンダ雰囲気は、連続して行う場合と同様なものとする。
さらにアニール工程は、所定の保持温度にまで昇温し、
所定時間保持した後、室温にまで降温する。その際のア
ニール雰囲気は、連続して行う場合と同様なものとす
る。また、脱バインダ工程と、焼成工程とを連続して行
い、アニール工程だけを独立して行うようにしてもよ
く、脱バインダ工程だけを独立して行い、焼成工程とア
ニール工程を連続して行うようにしてもよい。
【0044】<端子電極形成>上記のようにして得られ
たCR複合電子部品チップ体に、端子電極用ペーストを
印刷ないし転写して焼成し、端子(外部)電極を形成す
る。外部電極用ペーストの焼成条件は、例えば、加湿し
たN2 とH2 との混合ガス等の還元性雰囲気中で600
〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ま
しい。
【0045】そして、必要に応じ、外部電極表面に、め
っき等により被覆層を形成する。
【0046】このようにして製造される、本発明のCR
複合電子部品の構成例を図1および図2に示す。図1,
2において、本発明のCR複合電子部品は、誘電体層2
と、内部電極層3と、半導体化領域4と、外部電極5と
を有する。また、半導体化領域4は、内部電極3の端部
から端子電極5までの距離、d1+d2に応じた抵抗値
となる。ここで、図1は半導体化領域をCR複合電子部
品の両端の端子電極5近傍に半導体化領域を形成した場
合、図2は一方の端子電極5近傍にのみ半導体化領域を
形成した場合を示す。従って、図2の場合、内部電極3
の端部から端子電極5までの距離はd2のみとなる。
【0047】本発明のCR複合電子部品は、ハンダ付等
によりプリント基板上などに実装され、電源装置などの
各種電子機器等に使用される。
【0048】
【実施例】次に実施例を示し、本発明をより具体的に説
明する。
【0049】<実施例1>誘電体層の主原料としてBa
CO3(平均粒径:2.0μm )およびTiO2(平均粒
径:2.0μm )を用意した。Ba/Tiの原子比は
1.00である。また、これに加えて、BaTiO3
対し添加物としてMnCO3 を0.2wt%、MgCO3
を0.2wt%、Y23 を2.1wt%、(BaCa)S
iO3 を2.2wt%を用意した。各原料粉末を水中ボー
ルミルで混合し、乾燥した。得られた混合粉を1250
℃で2時間仮焼した。この仮焼分を水中ボールミルで粉
砕し、乾燥した。得られた仮焼粉に、有機バインダーと
してアクリル樹脂と、有機溶剤として塩化メチレンとア
セトンを加えてさらに混合し、誘電体スラリーとした。
得られた誘電体スラリーを、ドクターブレード法を用い
て誘電体グリーンシートとした。
【0050】内部電極材料として、卑金属のNi粉末
(平均粒径:0.8μm )を用意し、これに有機バイン
ダーとしてエチルセルロースと、有機溶剤としてターピ
ネオールを加え、3本ロールを用いて混練し、内部電極
用ペーストとした。また、抵抗体ペースト用原料とし
て、ZnO(平均粒径:0.5μm )を用意し、これに
ガラスフリットとしてSiO2 42wt%、B23 17w
t%、Al23 6wt%、CaO10wt%、ZnO 3wt
%、BaO22wt%と、有機バインダーとしてエチルセ
ルロースと、有機溶剤としてターピネオールを加え、こ
れらを3本ロールを用いて混練し、抵抗体ペーストを得
た。
【0051】所定の厚みを得るためにグリーンシートを
数枚積層し、その上にスクリーン印刷法により内部電極
用ペーストの端部と誘電体層用ペーストの端部との間の
距離が総計10μm となるよう印刷されたグリーンシー
トを所定枚数積層し、最後に内部電極の印刷されていな
いグリーンシートを所定枚数積層し、熱圧着し、チップ
形状が、焼成後に縦×横×厚みが3.2×1.6×1.
0mmとなるように切断し、グーリーンチップを得た。
【0052】得られたグリーンチップに、抵抗体ペース
トを、ディップ法を用いて塗布し、空気中に80℃で3
0分間放置して乾燥した。次いで、加湿したN2 +H2
(H2 3%)還元雰囲気中、1300℃にて3時間保持
して焼成し、さらに、加湿したN2 酸素分圧10-7気圧
の雰囲気にて1000℃に2時間保持し、焼結体を得
た。得られた焼結体の端部にCu端子電極用ペーストを
塗布し、770℃で10分間保持して焼成し、端子電極
を形成した。さらに、Niメッキ、ハンダメッキを施
し、CR複合電子部品を得た。得られたサンプルの静電
容量は1μFであった。
【0053】同様にして、内部電極用ペーストの端部と
誘電体層用ペーストの端部との間の距離が、総計10μ
m 、50μm 、100μm および0μm (直接端子電極
に接続した:図中標準と表示)のサンプルをそれぞれ作
製し、それぞれのサンプルについて周波数−インピーダ
ンス特性を測定した。得られた結果を図3に示す。
【0054】図から明らかなように、内部電極用ペース
トの端部と誘電体層用ペーストの端部との間の距離に比
例してサンプルのインピーダンスが上昇し、半導体化領
域の距離により抵抗値が制御できることがわかる。
【0055】<実施例2>実施例1において、外形を3
225形状とし、内部電極用ペーストの端部と誘電体層
用ペーストの端部との間の距離が、総計20μm とした
他は実施例1と同様にしてCR複合電子部品を作製し
た。得られた、CR複合電子部品の容量を測定したとこ
ろ10μFであった。また、6MHzでのインピーダンス
を測定したところ50 mΩであった。このCR複合電子
部品を、DC−DCコンバータのバイパスコンデンサと
して用い、スイッチング周波数を100kHz〜40MHz
に変化させて動作させたところ、発振等による入力電圧
の電圧変動現象を生じることなく正常に動作することが
確認された。
【0056】<実施例3>実施例1において、誘電体層
に、カルシウムの酸化チタン系誘電体CaTiO3 を用
いた以外は実施例1と同様にしてCR複合電子部品を作
製したところ、ほぼ同様の結果を得た。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、特別な焼
成条件を必要とせず、通常の積層セラミックコンデンサ
と同一条件での焼成が可能であり、製造工程も簡単で、
生産コストも安く、CRまたは(L/C)R直列回路が
簡単に得られ、抵抗値の制御も容易なCR複合電子部品
およびその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCR複合電子部品の基本構成を示す断
面概略図で、両方の端子電極近傍に半導体化領域を形成
した例である。
【図2】本発明のCR複合電子部品の基本構成を示す断
面概略図で、一方の端子電極近傍に半導体化領域を形成
した例である。
【図3】内部電極用ペーストの端部と誘電体層用ペース
トの端部との間の距離が、総計10μm 、50μm 、1
00μm および0μm のサンプルの周波数−インピーダ
ンス特性を示したグラフである。
【符号の説明】
2 誘電体層 3 内部電極 4 半導体化領域 5 端子電極

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体層と内部電極とが交互に積層され
    ており、 前記内部電極と、CR複合電子部品の端部に形成された
    端子電極とが、 前記誘電体層の少なくとも一方の端子電極側に形成され
    た半導体化領域を介して電気的に接続されており、 前記半導体化領域が酸化亜鉛を含有するCR複合電子部
    品。
  2. 【請求項2】 前記半導体化領域は、CR複合電子部品
    の端子電極が形成される端部に塗布された酸化亜鉛を含
    有する抵抗体ペースト材料が、焼成時に誘電体層に拡散
    して形成されたものである請求項1のCR複合電子部
    品。
  3. 【請求項3】 前記抵抗体ペーストは、さらにガラスを
    含有する請求項2のCR電子複合部品。
  4. 【請求項4】 前記内部電極と端子電極との最短離間距
    離を調節することにより抵抗値を調節する請求項1〜3
    のいずれかのCR複合電子部品。
  5. 【請求項5】 等価回路がCRまたは(LC)R直列回
    路を含む請求項1〜4のいずれかのCR複合電子部品。
  6. 【請求項6】 内部電極がニッケルを含有する請求項1
    〜5のいずれかのCR複合電子部品。
  7. 【請求項7】 誘電体層と内部電極層とを、内部電極層
    が少なくとも一方の端部に形成される端子電極と接触し
    ないように交互に積層してグリーンチップを形成し、 前記グリーンチップの、少なくとも一方の端子電極が形
    成される端部に抵抗体ペーストを塗布した後、 還元性雰囲気で焼成を行うCR複合電子部品の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 抵抗体ペーストは酸化亜鉛を含有する請
    求項7のCR複合電子部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記内部電極と端部に形成される端子電
    極との距離が、 所望の抵抗値となるように所定の間隔を置いて積層する
    請求項7または8のCR複合電子部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記内部電極層がニッケルを含有する
    請求項7〜9のいずれかのCR複合電子部品の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999018588A1 (fr) * 1997-10-06 1999-04-15 Tdk Corporation Dispositif electronique et son procede de production
US6485672B1 (en) 1999-02-26 2002-11-26 Tdk Corporation Method of manufacturing dielectric ceramic composition and electronic device containing dielectric layer

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