JPH10312798A - 電池用電極およびその製造装置 - Google Patents

電池用電極およびその製造装置

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JPH10312798A
JPH10312798A JP9123652A JP12365297A JPH10312798A JP H10312798 A JPH10312798 A JP H10312798A JP 9123652 A JP9123652 A JP 9123652A JP 12365297 A JP12365297 A JP 12365297A JP H10312798 A JPH10312798 A JP H10312798A
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克博 岡本
Minoru Yamaga
実 山賀
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威夫 高柳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性芯材の空間にペーストを均一な密度で
ばらつきなく充填できる構成を備えた電池用電極および
その電極を高精度に生産性良く製造できる製造装置を提
供する。 【解決手段】 三次元的に連なる空間を有した帯状また
は板状の導電性芯材2に、その一面および他面からそれ
ぞれ空間の容積に対し各々50%未満であって共に同一量
のペーストを全面にわたり均等に充填する。または、導
電性芯材2に、空間の容積に対し100 %未満の量のペー
ストを、互いに異なる量に分配して芯材2の一面および
他面から各々の全面にわたりそれぞれ均等に充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用電極、特に
アルカリ蓄電池用のニッケル電極およびその製造装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電池用電極のタイプには、大別して、ペ
ースト式電極、焼結式電極およびポケット式電極があ
る。これらの電極の製造法のうち最も量産性に優れてい
るのがペースト式で、活物質ペーストを芯材に連続的に
塗着していくので、他の方式に比較してその製造法が容
易である。近年、アルカリ蓄電池用の特にニッケル電極
の製法として、三次元的に連通した空間を有するスポン
ジ状金属多孔体やニッケル繊維の不織布からなる導電性
芯材の空間に、活物質を主体としたぺースト状混練物
(以下、これをペーストという)を充填するペースト式
電極が実用化され、多用されている。
【0003】これらの導電性芯材は、空間部分が導電性
芯材全体に占める比率つまり空孔率が95%程度、空間の
開口つまり孔径が最大数百μmにも及ぶことから、空間
部にペーストあるいは活物質粉末を直接充填することが
可能であり、簡単な工程で電極を製造できる特徴を有し
ている。
【0004】従来、これらの導電性芯材への具体的な活
物質充填方法には、ペーストに振動を与えて空間部に充
填する方法、ドクターナイフでペーストを空間部に擦り
込む方法、導電性芯材の片面にペーストを接触させ、他
面より減圧吸引して空間部に充填する方法、ペーストを
ノズルより噴射して導電性芯材の空間部に吹き付ける方
法およびダイコート方式ノズルを導電性芯材の一面に接
触させてペーストを供給し、導電性芯材の空間部に圧入
する方法などがある。
【0005】これらの活物質充填方法のうち、ペースト
を導電性芯材の空間部に均一に充填するには、吹き付け
充填法(特開昭59-81868号公報参照) と圧入充填法(特
願平7-110442号) が優れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記吹き付け充填法
は、充填に用いる装置の耐久性および簡易性の点で優れ
ている。しかしながら、この吹き付け充填法は、比較的
粘度の低いペーストを用い、導電性芯材の空間の容積を
超える量のペーストをこれに流速を与えて導電性芯材に
吹き付け、空間に充填されずに落下した過剰分のペース
トを回収するようにしているので、ペーストの充填量
は、導電性芯材の空孔率に依存することから導電性芯材
によってばらつきが生じる。さらに、導電性芯材の一面
から空間に入り込んだペーストが他面から吹き付けられ
る別のペーストに弾き飛ばされたり、導電性芯材自体の
一面にペーストが打ち当たって跳ね返されたりする。こ
れにより、ペーストの充填量がさらにばらつくととも
に、その充填量を調整することも困難である。また、ペ
ーストを導電性芯材の容積に対し100 %まで充填するの
で、出来上がった電極が厚くなり、この電極を渦巻き状
に巻回して電池を構成する際に、電極にひびや割れが発
生してペーストの脱落を招き、内部短絡や放電容量の低
下が生じる問題がある。
【0007】一方、圧入充填法は、図15に示すような
構造を有するダイコート方式ノズル50を用いて行われ
る。同図において、(a)は縦断面図、(b)は(a)
のD−D線断面図である。このノズル50は、連続的に
移送される帯状の導電性芯材の幅に相当する幅Lを有
し、図示しない定量吐出ポンプから圧送されてくるペー
ストを、導入路50aから液溜まり部50bに導いて幅
方向に均等に広げたのちに、液溜まり部50bに連通し
て幅方向全体に広がる細いガイド孔50cを通して幅方
向の全体にわたり均一な所定量を通過させて吐出口50
dから導電性芯材に充填するものである。
【0008】上記ダイコート方式ノズルを用いた圧入充
填法は、充填に用いる装置のシンプル性、操作や保守の
簡易性および充填量の制御の容易性から、極めて優れた
ペースト充填法である。しかしながら、この種のノズル
50には、粘度の低いペーストを充填する場合に、図1
5(c)に示す特性のような欠陥がある。すなわち、
(c)は、(b)に対応するノズル50の幅方向におけ
るペーストの吐出量の特性を示したもので、ノズル50
の幅方向の両端近傍箇所でのペーストの吐出量が特に多
くなり、導電性芯材の幅方向のペースト充填量にばらつ
きが生じる欠陥がある。
【0009】一方、凝集性の高い高粘度のペーストを充
填する場合には、ガイド孔50cを通って圧送されてく
るペーストが、導電性芯材の一面に接触している吐出口
50dから導電性芯材の空間に圧入される際に、ペース
トに含まれる固形物が吐出口50d付近の内面に付着し
易く、吐出口50dが部分的に狭くなってペーストの吐
出量が均一化しなくなったり、ときには、完全に詰まっ
て吐出口50dに全く吐出されない部分が生じたりする
ことがあり、ペーストの塗着量が導電性芯材の幅方向に
おいてばらつく。また、ペーストには活物質の他に電池
性能を向上させるための添加物が混合されているので、
このペーストがノズル50の特にガイド孔50cの内壁
面に付着し易く、さらに、活物質の密度のばらつきによ
ってもペーストの吐出量にばらつきが生じる。そのた
め、ガイド孔50cまたは吐出孔50dに目詰まりが生
じる結果、導電性芯材にペーストのかすれや充填むらが
生じて電極としては致命的欠陥となる。したがって、ダ
イコート方式ノズルを用いた圧入充填法は、ペーストの
充填量のばらつきを少なくし、電池容量を大きくするこ
とが実用上から要望されている。
【0010】また、従来の別の課題として、電池の高容
量化のためには、ペーストの充填量を多くして高密度に
する必要があるが、ペーストの充填量を単に多くしただ
けでは、この電極を渦巻き状に巻回して電池を構成する
際に、電極に、ひびや割れが発生してペーストの脱落を
招き、内部短絡や放電容量の低下が生じる。そこで、巻
回を円滑に行えることを目的として、導電性芯材に溝部
を予め設けることが既に提案されている(例えば、特開
平5-41211 号公報参照)。しかし、溝部を設けた面から
導電性芯材内にペーストの充填を行った場合、その溝部
にもペーストが入り込んで存在するため、加圧して電極
を形成し、セパレータを介在して渦巻き状に巻回する際
に、溝部から活物質が脱落してしまう問題がある。
【0011】そこで、本発明は、導電性芯材の空間にペ
ーストを均一な密度で充填できる構成を備えた電池用電
極およびその電極を高精度に生産性良く製造できる製造
装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解消するた
めに、本発明は、三次元的に連なる空間を有したシート
状の導電性芯材の前記空間内に活物質を含むペーストを
充填してなる電池用電極において、前記導電性芯材に、
その一面および他面からそれぞれ前記空間の容積に対し
各々50%未満であって共に同一量の前記ペーストを全面
にわたり均等に充填してなる構成になっている。
【0013】この電池用電極では、導電性芯材に対しそ
の一面および他面からそれぞれ充填されるペーストの充
填量の合計が導電性材における空間の容積の100 %未満
であるから、製造に際して、ペーストが導電性芯材に過
剰に充填されることがない。
【0014】すなわち、製造に際して、導電性芯材の一
面側から充填されるペーストが他面側からのペーストの
充填を阻害するよう作用することがないので、導電性芯
材の容積の50%未満である所定量に設定されたペースト
は、それぞれ導電性芯材の一面および他面から空間内に
確実に充填される。
【0015】このため、ペーストの充填量にばらつきが
生じることがないから、電池の設計容量を大きくするこ
とが可能となる。また、ペーストを充填した後の導電性
芯材に、その厚み方向の中間部にペーストの未充填部が
僅かに存在することがあっても、このペーストの未充填
部は、ペースト充填後の導電性芯材が圧延ローラで加圧
されるときに低減され、電池の性能上の支障は生じな
い。しかも、ペーストが導電性芯材に過剰に充填されな
いことから、電極が厚くなり過ぎることがなく、この電
極を渦巻き状に巻回して電池を構成する際に、電極に、
ひびや割れが発生することがなく、ペーストの脱落によ
る内部短絡や放電容量の低下を防止できる。
【0016】また、本発明の他の構成では、三次元的に
連なる空間を有したシート状の導電性芯材の前記空間内
に活物質を含むペーストを充填してなる電池用電極にお
いて、前記導電性芯材に、前記空間の容積に対し100 %
未満の量の前記ペーストを、互いに異なる量に分配して
前記芯材の一面および他面から各々の全面にわたりそれ
ぞれ均等に充填してなる構成になっている。
【0017】この電池用電極においても、導電性芯材に
対しその一面および他面からそれぞれ充填されるペース
トの充填量の合計が導電性材における空間の容積の100
%未満であるから、ペーストの充填量にばらつきが生じ
なく、且つ厚くなり過ぎないよう製造することができる
効果を得られる。それに加えて、渦巻き状に巻回して電
池を構成する際に、少ない量のペーストを充填した面を
内側にして巻回することにより、巻回作業が容易になる
とともに電極に曲げ応力によるひびや割れが発生し難く
なる利点がある。
【0018】本発明のさらに他の構成では、三次元的に
連なる空間を有したシート状の導電性芯材の前記空間内
に活物質を含むペーストを充填し、且つ前記導電性芯材
をその長さ方向に対し直交する幅方向に切断してなる電
池用電極において、前記ペーストを前記導電性芯材に前
記幅方向の一端から他端に向けて充填量を連続的に加減
して充填してなる構成になっている。
【0019】この電池用電極では、シート状の導電性芯
材をその長さ方向に対し直交方向に所定の幅で切断して
電池1セル分とされるが、この電池1セル分の導電性芯
材の幅方向の一端から他端に向けてペーストの充填厚み
が連続的に変化する形状となるから、この導電性芯材を
渦巻き状に巻回して電極を構成する際に、厚みの小さい
端部を巻芯側として巻回することにより、巻回作業を容
易に行えるとともに、渦巻き外周側の電極の厚みが大き
いので、曲げ応力によるひびや割れが発生し難い効果を
得られる。
【0020】上記発明において、導電性芯材を、その幅
方向の一端から他端に向けて厚みが連続的に変化するテ
ーパー状の断面を有する形状とすることができる。
【0021】この電極は、導電性芯材の厚みの薄い側を
巻芯側として巻回することにより、巻回作業を容易に行
える上に、渦巻き外周側の電極の厚みが大きいので、曲
げ応力によるひびや割れが発生し難く、渦巻き型の電池
に適したものとなる。
【0022】本発明の電池用電極の製造装置は、シート
状の導電性芯材をその長さ方向に走行させる移送機構
と、走行される前記導電性芯材の両面にそれぞれ近接し
て配置され、ペースト供給源から送給される活物質を含
むペーストを吐出して前記導電性芯材の空間に充填する
一対のダイコート方式ノズルとを備え、前記ノズルは、
上面にペースト導入孔を、下面に前記導電性芯材の幅方
向に沿った長孔形状のペースト吐出口がそれぞれ開口さ
れたケーシングと、前記ペースト吐出口に臨ませて前記
ケーシングの内装空間に回転自在に支持され、前記ペー
スト吐出口の長さに対応した長さを有し、且つ長さ方向
に対し直角方向の断面外形が円形となった回転ドラムと
を備えるとともに、前記ペーストを、回転駆動源により
回転される前記回転ドラムと前記内装空間の内面との間
のペースト導出通路を介して前記ペースト吐出口から吐
出するよう構成される。
【0023】この電池用電極の製造装置は、ダイコート
式ノズルの特徴を生かしてペーストを吐出口の全長に向
けてほぼ均等な分布で移送するとともに、このペースト
を、断面外形が円形の回転ドラムの外周面全長にわたり
均一に巻き付くように付着させ、且つ回転ドラムの回転
により強制的に吐出口から導電性芯材に圧入して充填す
る。
【0024】そのため、粘度の低いペーストを充填する
場合、ダイコート方式ノズルにおける吐出口の両端近傍
箇所でのペーストの吐出量が特に多くなる特性を解消し
て、吐出口の全長にわたりペーストをばらつきなく均一
に吐出することができる。一方、凝集性の高い高粘度の
ペーストを充填する場合、回転ドラムの回転によりペー
ストに含まれる固形物や添加物を吐出口の内面などに付
着させることなく吐出口から強制的に押し出すので、ペ
ーストの導出通路への付着による滞留や吐出口の目詰ま
りなどが生じることがなく、ペーストを常に吐出口の全
長にわたり均一に吐出させることができるから、導電性
芯材にペーストのかすれや充填むらが生じることがな
い。
【0025】また、ケーシング内部でのペーストの滞留
や吐出口での目詰まりなどが生じないことから、導電性
芯材に送給されるペースト量を常に一定値に維持するこ
とができ、電極が厚くなり過ぎることがない。
【0026】上記製造装置において、ペースト吐出口に
おける導電性芯材の走行方向側の縁部に、回転ドラムの
外周面に残存付着しているペーストの掻き落とし板を設
けることが好ましい。
【0027】これにより、回転ドラムの外周面に定量分
だけ付着してペースト吐出口に送られてくるペーストの
全てを導電性芯材に供給することができ、吐出口から導
電性芯材へのペーストの供給量を常に所定値に維持する
ことができる。
【0028】上記製造装置において、回転ドラムは、そ
の外周面にローレット、スプラインまたはエンボスなど
の凹凸形状を形成することが好ましい。
【0029】これにより、回転ドラムの外周面は、それ
の凹部にペーストが常に埋め込まれた状態に保持される
から、この回転ドラムの外周面に常時滞留するペ−スト
が、吐出のために搬送するペーストに良好に付着するよ
う作用して、回転ドラムの外周面へのペーストの付着性
が向上する。それにより、回転ドラムは、ペーストに含
まれる固形物や添加物がケーシングの内面などへ付着し
ようとするのを確実に防止しながら、常に一定量のペー
ストを外周面に巻き付くよう付着させて搬送する。ま
た、回転ドラムの外周面に付着しているペーストを掻き
取るための掻き落とし板を設ければ、回転ドラムの外周
面における導電性芯材へペーストを圧入した後の箇所に
は、それの凹部にのみペーストが残留するだけであり、
吐出口からのペーストの吐出量を常に所定値に維持する
ことができる。
【0030】また、上記製造装置において、ノズルは、
回転ドラムの軸芯を傾斜させることにより前記回転ドラ
ムとケーシングの内面との隙間が前記回転ドラムの長さ
方向に沿って連続的に変わるよう前記回転ドラムを変位
可能に支持した構成とすることができる。
【0031】これにより、吐出口からのペーストの吐出
量を、吐出口の一端から他端に向けて連続的に変えるこ
とができる結果、導電性芯材にその幅方向の一端から他
端に向けて充填量を連続的に加減して充填してなる電池
用電極を容易に製作することができる。特に幅方向の一
端から他端に向けて厚みが連続的に変化するテーパー状
の断面形状を有する導電性芯材に、ペーストを導電性芯
材の厚みに比例して充填量を連続的に増大させて充填す
ることができ、幅方向の一端から他端に向けて厚みが連
続的に変化する形状を有して巻回作業の容易な電極を、
生産性良く高精度に生産することができる。
【0032】さらに、上記製造装置において、回転ドラ
ムは、長さ方向に沿って外径が連続的に変化するテーパ
形状の外周面を有している構成とすることもできる。
【0033】これにより、テーパー形状の外周面を有す
る回転ドラムとケーシングの内面との隙間が回転ドラム
の長さ方向に沿って連続的に変わるから、吐出口からの
ペーストの吐出量を、吐出口の一端から他端に向けて連
続的に変えることができる。
【0034】したがって、この製造装置においても、上
記製造装置と同様の作用を得ることができ、特に幅方向
の一端から他端に向けて厚みが連続的に変化するテーパ
ー状の断面形状を有する導電性芯材に、ペーストを導電
性芯材の厚みに比例して充填量を連続的に増大させて充
填することができる。それにより、幅方向の一端から他
端に向けて厚みが連続的に変化する形状を有して巻回作
業の容易な電極を、生産性良く高精度に生産することが
できる。
【0035】さらにまた、上記製造装置において、回転
ドラムに、これとは反対方向に回転駆動される1以上の
補助ドラムを所定の間隙で対設する構成とすることが好
ましい。
【0036】これにより、吐出口全体からのペーストの
吐出量のばらつきをほぼ完全に無くすことができ、導電
性芯材に対し幅方向のペースト充填量を高精度に均一化
することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図2
(a)は本発明の一実施の形態に係る電池用電極1を示
す斜視図で、(b)は(a)のA−A線断面図である。
この電池用電極1は、この実施の形態では三次元的に連
なる空間3を有した繊維状の金属ニッケル4からなる全
体に均一な厚みを有するスポンジ状ニッケル多孔体2を
シート状導電性芯材として用いて、このニッケル多孔体
2の空間3内に、(b)に示すように、ニッケル多孔体
2の一面および他面から前記空間3の容積に対し各々50
%未満であって共に同一量のペースト7を全面にわたり
均等に充填することにより、活物質層5が形成された構
成になっている。
【0038】したがって、ペースト7を充填した後の
(b)に図示の電極1には、ペースト7が未充填の空隙
部8が厚み方向の中間部において小さな一定幅で長さ方
向に沿った配置で存在するが、この空隙部8は、充填し
たペースト7を乾燥したのちにニッケル多孔体2を圧延
ローラで加圧するときに、充填済みのペースト7と共に
圧潰されることにより低減されるから、電池の性能上に
は殆ど支障とならない。なお、図2(c)には、空間3
にペースト7が充填されていない状態のニッケル多孔体
2の断面図を、ペースト7の充填後の状態との比較のた
めに示してある。
【0039】上記電池用電極1は、導電性芯材としての
ニッケル多孔体2に対しその一面および他面からそれぞ
れ充填されるペースト7の充填量の合計がニッケル多孔
体2における空間3の容積の100 %未満であるから、製
造に際して、ニッケル多孔体2の一面側から充填される
ペースト7が他面側からのペースト7の充填を阻害する
よう作用することが殆どない。したがって、ニッケル多
孔体2の一面および他面からは、それぞれ設定した量だ
けのペースト7を確実に充填させることができる。
【0040】それにより、ペースト7の充填量にばらつ
きが生じることがなく、それに伴って電池容量にもばら
つきが生じない。この電池用電極1は、定量吐出源(ペ
ースト供給源)から圧送される所定量のペースト7を、
ニッケル多孔体2の両面の全面に対し均等に充填できる
ように分布させる制御をおこなうだけで、製造すること
ができる。
【0041】しかも、ペースト7は、ニッケル多孔体2
の空間3の容積に対し100 %未満の量を充填するから、
活物質層5が厚くなり過ぎることがない。そのため、こ
の電極1を渦巻き状に巻回して電池を構成する際に、電
極1にひびや割れが発生することがないから、ペースト
7の脱落による内部短絡や放電容量の低下を確実に防止
できる。
【0042】図2の電極1の実施例について説明する。
ニッケル多孔体2としては、幅が150 mm、厚さが1.5
mm、多孔度が96%、空間3の平均孔径が400 μmのも
のを用いた。また、ペースト7は、平均粒径が10μmの
水酸化ニッケル100 重量部に対して、粒径が0.5 μmの
金属粉末10重量部、粒径が0.5 〜3 μmのコバルト酸化
粉末5重量部を加えて粉末混合し、これらに分散媒体と
しての水を、全ペーストに占める比率が25%になるよう
に加えたのちに、練り合わせて調合したものを用いた。
【0043】図3は図2の変形例の電極1を示す一部の
縦断面図である。この電極1は、全体に均一な厚みを有
するニッケル多孔体2に、互いに異なる量のペースト7
を一面および他面から充填して構成され、ペースト7の
充填総量は、前記空間3の容積に対し100 %未満に設定
されている。例えば、一面から空間容積に対し80%の割
合のペースト7を、他面から空間容積に対し15%の割合
のペースト7をそれぞれ充填して構成されており、充填
密度は全体にわたり均等になっている。
【0044】この電池用電極1においても、ニッケル多
孔体2対しその一面および他面からそれぞれ充填される
ペースト7の充填量の合計がニッケル多孔体2における
空間3の容積の100 %未満であるから、ニッケル多孔体
2の両面から設定した量だけのペースト7を空間3内に
確実に充填できる。それにより、ペースト7の充填量の
ばらつきが少なく、且つ厚くなり過ぎないように製造で
きる。さらに、この電極1では、渦巻き状に巻回して電
池を構成する際に、電極1における少ない量のペースト
7を充填した面(図の右面)を内側にして巻回すること
により、巻回作業が容易になるとともに電極1にひびや
割れが発生し難くなる利点がある。また、このような両
面からそれぞれ充填するペースト7の量が異なる構成の
電極1は、性質の異なる2種のペースト7を空間3の容
積に対し任意の割合で配分した量だけ両面からそれぞれ
充填すれば、電池の特性を一層向上させることのできる
電極1を得られる可能性がある。
【0045】つぎに、図2および図3の電極1の製造装
置について説明する。図1は電極1を製造できる製造装
置を示す斜視図であり、帯シート状のニッケル多孔体2
をその長さ方向に走行させる周知の移送機構(図示せ
ず)と、走行されるニッケル多孔体2の両面にそれぞれ
0.1 mm以下の間隙に近接して配置され、定量吐出ポン
プなどの周知の定量吐出源(図示せず)から圧送される
活物質を含むペーストを吐出してニッケル多孔体2の空
間3に充填する一対のダイコート方式ノズル(エクスト
ルージョン型ノズルとも称される。)9,9とにより構
成されている。
【0046】ダイコート方式ノズル9は、その分解斜視
図を示す図4のように、全体としてブロック形状のケー
シング10、回転ドラム11および一対の側板12,1
2により構成されている。ケーシング10には、上面の
開口部がペースト7の定量吐出源に接続されるペースト
導入孔13と、帯シート状のニッケル多孔体2における
走行方向に直交する方向の幅に相当する長さを有する下
部の溝状のペースト吐出口14と、このペースト吐出口
14の上方に連設されて回転ドラム11を回転自在に内
装する内装空間16と、この内装空間16の上方に連通
した液溜まり部17と、この液溜まり部17とぺースト
導入孔13とを連通するほぼ三角形状のペーストガイド
通路18とが形成されている。一方、回転ドラム11
は、ペースト吐出口14の長さに相当する長さ、つまり
帯シート状のニッケル多孔体2の走行方向に直交する方
向の幅に相当する長さを有し、且つ長さ方向に対し直交
方向の断面外形が円形になっている。また、ペースト吐
出口14の一方側には、回転ドラム11の外周面に付着
しているペースト7の掻き落とし板20(図9、図1
1、図12参照)が設けられている。
【0047】このダイコート方式ノズル9は、回転ドラ
ム11を、内装空間16に挿入してその下部をペースト
吐出口14に臨ませた状態に位置させ、ケーシング10
の両面側にそれぞれ側板12,12を当てがった状態に
固定し、且つこの両側板12,12により回転ドラム1
1の支軸19を軸受15を介して回転自在に支持した構
成になっており、回転ドラム11と内装空間16の内面
との間にペーストの導出通路が形成される。回転ドラム
11は、図示しないモータなどの回転駆動源により回転
され、上記の導出通路を介してペースト吐出口14から
ペースト7を強制的に吐出するよう機能する。
【0048】この電池用電極1の製造装置では、一対の
ノズル9,9が、既存のダイコート方式ノズルの特徴を
そのまま有している。すなわち、ノズル9は、定量吐出
源から定量的に圧送されてくるペースト7を、ペースト
導入孔13およびペーストガイド通路18を介して液溜
まり部17に導いたのちに、導出通路を介してペースト
吐出口14の全体に向けてほぼ均等な分布で移送する。
それに加えて、このノズル9では、ペースト7を回転ド
ラム11の外周面全長にわたり均一に巻き付くように付
着させるとともに、回転ドラム11の回転に伴って強制
的にペースト吐出口14から吐出させるようになってい
る。なお、帯シート状のニッケル多孔体2は、充填した
ペースト7を乾燥させたのちに、図1に2点鎖線で示し
た切断線のように、長さ方向に対し直交する幅方向に沿
って切断され、電池1セル分の電極1とされる。したが
って、ニッケル多孔体2の切断される幅方向は、電池1
セル分の長方形状の電極1における長手方向となる。
【0049】したがって、上記製造装置では、回転ドラ
ム11の回転によってペースト7を強制的にペースト吐
出口14から吐出させるので、粘度の低いペースト7を
充填する場合、既存のダイコート方式ノズルにおける吐
出口の両端近傍箇所でのペーストの吐出量が特に多くな
る特性を解消して、ペースト吐出口14の全長にわたり
ペースト7をばらつきなく均一に吐出させることができ
る。一方、凝集性の高い高粘度のペーストを充填する場
合、ペースト7に含まれる固形物や添加物をペースト吐
出口14の内面や導出通路の内面などに付着することな
く吐出口から強制的に押し出し、且つペースト吐出口1
4でのペーストの凝集を確実に防止できる。それによ
り、ペースト7の導出通路への付着による滞留やペース
ト吐出口14の目詰まりなどが生じることがなく、ペー
スト7を常にペースト吐出口14の全体にわたり均一に
吐出させることができるから、ニッケル多孔体2に充填
されたペースト7にかすれや充填むらが生じない。ま
た、ペースト7の吐出量は、上述の滞留や目詰まりなど
が生じないことから、定量供給源から送給される一定値
を常に維持することができ、電極1の活物質層5が厚く
なり過ぎない。
【0050】また、上記製造装置のダイコート方式ノズ
ル9は、この種の既存のノズルに回転ドラム11を付設
した構成であるから、従来のダイコート方式ノズルと同
様に、装置のシンプル性、操作や保守の簡易性および充
填の制御の容易性といった特徴をそのまま有している。
【0051】また、上記実施の形態では、回転ドラム1
1の外周面を単なる円形としたが、この回転ドラム11
の外周面には、図5(a)に示すローレット21、
(b)に示すスプライン22、(c)に示すエンボス2
3を形成するのが好ましい。このような回転ドラム11
を用いれば、外周面の凹部にペースト7が常に埋め込ま
れた状態に保持されるから、この回転ドラム11の外周
面に常時滞留するペ−スト7が、吐出のために搬送する
ペースト7に対し良好に付着するよう作用して、回転ド
ラム11の外周面へのペースト7の付着性が向上する。
それにより、回転ドラム11は、ペースト7に含まれる
固形物や添加物がケーシング10の内面の各部に付着し
ようとするのを確実に防止しながら、常に一定量のペー
スト7を外周面全長に均等に巻き付くよう付着させて搬
送するので、ニッケル多孔体2の幅方向へのペースト7
の充填量精度が格段に向上する。
【0052】実測結果によると、鏡面仕上げの外周面を
有する回転ドラム11を用いた場合、ニッケル多孔体2
の幅方向におけるペースト7の充填量のばらつきが±3
%であったが、図5の何れかの加工を外周面に施した回
転ドラム11を用いた場合には、ニッケル多孔体2の幅
方向におけるペースト7の充填量のばらつきが±1.5%
まで低減した。
【0053】また、回転ドラム11の外周面に付着した
ペースト7は、図4に示した掻き落とし板20により掻
き落とされ、回転ドラム11の外周面には、それの凹部
にのみペースト7が残留するだけであるから、ペースト
吐出口14からのペースト7の吐出量は、回転ドラム1
1の外周面に付着した一定値に確実に維持することがで
きる。したがって、回転ドラム11に図5に示すような
種々の凹凸加工を施しても、何ら支障が生じない。
【0054】図6は、他の実施の形態に係る製造装置を
示す概略構成図であり、この製造装置は、特に図2に示
した電極1の製造に適している。この製造装置は、走行
する帯シート状のニッケル多孔体2の一面側に、図4に
示したダイコート方式ノズル9を配置して、ニッケル多
孔体2の空間に一面側から所定量のペースト7を先ず充
填し、そののちに、乾燥室24を通過させる。ニッケル
多孔体2の一面側から充填されたペースト7は、乾燥室
24を通過するときに複数のヒータ27により水分を蒸
発される。つぎに、乾燥室24から出たニッケル多孔体
2の他面側から同様のダイコート方式ノズル9によりペ
ースト7を充填する。
【0055】この製造装置を用いれば、一面側から充填
されて乾燥したペースト7は、他面側から充填されるペ
ースト7と混合することがない。そのため、この製造装
置は、性質の異なる二種のペースト7を、空間3の容積
に対し100 %未満の量を任意の割合で配分した量だけ一
面および他面からそれぞれ充填して図3に示した電極1
を構成するのに適しており、電池特性を一層向上させる
ことのできる電極1の製作が可能となる。
【0056】図7は、図2および図3の電極1のさらに
他の製造装置を示す斜視図である。
【0057】上記の各製造装置では、帯シート状のニッ
ケル多孔体2を走行させながらペースト7を充填し、ペ
ースト7の充填後に帯シート状のニッケル多孔体2を所
定の寸法に切断して個々の電極1を得るようにしたが、
この実施の形態の製造装置は、予め電極1の寸法に切断
した長方形シート状のニッケル多孔体2にペースト7を
充填するものである。
【0058】同図において、一対のローラ28,28に
巻き架けられたベルトコンベア29はコンベア駆動モー
タ31により回送される。長方形シート状のニッケル多
孔体2は、ベルトコンベア29の一面に整列状態に並べ
られ、且つベルトコンベア29の下面に沿って配設され
た図示しないマグネットによりベルトコンベア29に吸
着されて、ベルトコンベア29の回送に伴って矢印方向
に移送されていく。この移送されるニッケル多孔体2の
上方側の一面には、ドラム駆動モータ30により駆動さ
れる図4と同様のダイコート方式ノズル9によりペース
ト7が充填される。後は、図6の製造装置と同様に、充
填したペースト7を乾燥させたのちに、ニッケル多孔体
2の他面にダイコート方式ノズル9によりペースト7が
充填される。この製造装置を用いれば予め長方形シート
状としたニッケル多孔体2にペースト7を充填して電極
1を生産性良く製造できる。
【0059】図8(a)は、本発明の他の実施の形態に
係る電極1を示す斜視図、(b)は(a)のB−B線断
面図である。この電極1は、導電性芯材としてのニッケ
ル多孔体2が長さ方向に対し直交する幅方向に切断され
た電池1セル分を示してあり、ニッケル多孔体2の幅方
向(電池1セル分の長方形の電極1では長手方向)の一
端から他端に向けて厚みが連続的に変化するテーパー形
状になっている。このニッケル多孔体2の空間3に、そ
の両面からペースト7が全体にわたり同じ充填密度にな
るよう充填され、且つペースト7が未充填の空隙部8
が、ニッケル多孔体2の厚み方向の中央部において小さ
なほぼ一定幅で長さ方向に沿って形成された構成になっ
ている。すなわち、ニッケル多孔体2の一面および他面
からは、それぞれニッケル多孔体2の空間3の厚み方向
の容積に対し各々50%未満における同一割合であって共
に同一量のぺースト7、例えばニッケル多孔体2の幅方
向の全体にわたり空間3の厚み方向の容積の48%の割合
となる量のペースト7が充填され、テーパー形状の活物
質層5が形成されている。したがって、ペースト7は、
ニッケル多孔体2の幅方向に対してその厚みに比例して
増減するよう配分した量を一面および他面からそれぞれ
充填されている。
【0060】この電極1は、ニッケル多孔体2の幅方向
の一端から他端に向けて厚みが連続的に変化する形状を
有するから、渦巻き型の電池に適している。すなわち、
厚みの薄い側(図の左側)を巻芯側として巻回すること
により、巻回作業を容易に行えるとともに、渦巻き外周
側の電極1の厚みが大きいので、曲げ応力によるひびや
割れが発生し難い効果を得られる。その製造方法として
図7に示す装置を用い、電池1セル分に予め切断された
各長方形シート状のニッケル多孔体2を、その長手方向
がベルトコンベア29の幅方向に一致するようにしてベ
ルトコンベア29上に支持し、各ニッケル多孔体2にペ
ースト7を充填して、電極1を製造すると好適である。
あるいは、図2に示す電極1の場合は、帯シート状のニ
ッケル多孔体2の幅方向の厚みを変化させるようにすれ
ばよい。
【0061】図9は、図8の電極1を製造するのに好適
な本発明のさらに他の実施の形態に係る製造装置に用い
るダイコート方式ノズル9を示す縦断面図、(b)は
(a)のC−C線断面図であり、この実施の形態の電極
1の製造装置は、同図のノズル9を図1、図6または図
7のように配置して構成される。このダイコート方式ノ
ズル9は、回転ドラム11の支軸19を軸受33を介し
て回転自在に支持するための側板12が、支軸19を水
平方向に変位可能に支持した構成になっている。
【0062】したがって、回転駆動源から回転ノズル1
1への回転伝達機構は、図示していないが、自在継手ま
たはベルトなどにより構成される。
【0063】図9には、回転ドラム11を、(b)の矢
印で示す水平方向へdの距離だけ変位させた状態を示し
てあり、(a)に示すように、回転ドラム11の軸心C
がその基準設定線Mに対しD°の角度だけ水平面内で傾
斜する。それにより、回転ドラム11と内装空間16の
内面との隙間により形成されるペースト導出通路32
は、その通路幅が回転ドラム11の長さ方向に沿って一
端(図の左端)から他端(図の右端)に向けて連続的に
増大するように変化している。ペースト導出通路32に
は、ダイコート方式ノズル9の特徴として全体にわたり
ペースト7が均一な分布で搬送されるから、ペースト吐
出口14からは、ペースト導出通路32の断面積に比例
した量のペースト7が吐出される。
【0064】したがって、このノズル9を用いてニッケ
ル多孔体2にペースト7を充填すれば、ニッケル多孔体
2には、幅方向の一端から他端に向けて充填量が比例的
に増分するようにペースト7が充填される。ここで、ニ
ッケル多孔体2として、図8に示したような幅方向の一
端から他端に向けて厚みが連続的に変化するテーパー形
状のものを用いれば、図8に示した電極1を製造するこ
とができる。この場合、回転ドラム11の軸心Cと基準
設定線Mとのなす角度D°をニッケル多孔体2のテーパ
ーの傾斜角度に対応して設定するのは言うまでもない。
それにより、ニッケル多孔体2には、これの幅方向に対
してその厚みに比例して増減した量のペースト7がペー
スト吐出口14から充填されることになる。
【0065】また、上記ノズル9は、回転ドラム11の
軸心Cを基準設定線Mに合致させて設定すれば、図2ま
たは図3に示した電極1の製造装置として用いることも
できる。さらに、上記ノズル9を用いて、厚みが均一な
ニッケル多孔体2にペースト7を充填すれば、電極1の
内部に形成されるペースト7が未充填の空隙部8は、ニ
ッケル多孔体2の厚みが大きくなる方向に従って幅が大
きくなるが、図8に示したとほぼ同等の電極1を得るこ
とができる。
【0066】図10は図9の変形例のノズル9を示し、
このノズル9は、回転ドラム11がテーパー形状になっ
ており、図9のノズル9と同様の機能を得ることができ
る。
【0067】すなわち、このノズル9を用いて長さ方向
の一端から他端に向けて厚みが連続的に変化するテーパ
ー形状となったニッケル多孔体2にペースト7を充填す
れば、図8の電極1を製造することができる。ここで、
回転ドラム11は、ニッケル多孔体2のテーパー形状に
対応するテーパー形状に形成するのは言うまでもない。
【0068】但し、このノズル9は、図8に示したよう
な電極1を製造するための専用のものとなる。
【0069】図11ないし図13はそれぞれ変形例のノ
ズル9を示す縦断面図である。ペースト7には付着性の
低いものから高いものまで種々のものが存在するから、
上記の各図に示したノズル9は、それらの種々のペース
ト7に対応して、何れのペースト7をも極めて安定的に
吐出させるように工夫したものである。図11のノズル
9は、回転ドラム11よりも小径の補助ドラム34を回
転ドラム11に近接して配置し、この補助ドラム34を
回転ドラム11とは逆方向に回転させるようになってい
る。また、補助ドラム34には補助掻き落とし板37が
設けられている。このノズル9では、補助ドラム34
が、回転ドラム11の外周面に巻き付くように付着した
ペースト7を全体にわたり一定量になるように削り落と
すように機能するので、ペースト導出通路32を通過す
るペースト7は、ペースト吐出口14の長さ方向の全体
にわたりより一層均一化される。
【0070】また、図12のノズル9は、回転ドラム1
1とほぼ同径であって回転ドラム11に対し逆回転する
補助ドラム38を、回転ドラム11の真上位置で近接さ
せて配置したものである。このノズル9では、ペースト
7を補助ドラム38の全体にわたり予め均等に巻き付く
ように付着させたのちに、この補助ドラム38のペース
ト7を回転ドラム11に転写させるように巻き付け直す
ようになっており、ペースト7の均一度を一層高めるこ
とができる。さらに、図13のノズル9は、互いに連動
する三つの補助ドラム39〜41を回転ドラム11に近
接配置したものである。このノズル9では、各補助ドラ
ム39〜41が、回転ドラム11に巻き付くように付着
するペースト7の付着量を正確に均一化するように作用
するとともに、ペースト導出通路32を、回転ドラム1
1と各補助ドラム39〜41との隙間のみで構成されて
いることにより、ペースト7中の固形物などがケーシン
グ10の内面に付着するのを確実に防止できる。
【0071】図14は、上述の電極1を用いて構成した
渦巻き型の電池42を示す。この電池42は、図2,図
3または図8に示す電極を、正極板43および負極板4
4の何れか一方またはその両方に用いて、これら正極板
43および負極板44を、それらの間にセパレータ47
を介在して巻回し、これを電池ケース48内に収納した
後に、電解液を注入し、電池ケース48の開口部を封口
板49で封口して密閉型に構成されている。
【0072】
【発明の効果】本発明の電池用電極によれば、導電性芯
材に、その一面および他面からそれぞれ空間の容積に対
し各々50%未満であって共に同一量のペーストを全面に
わたり均等に充填した構成としたので、製造に際して、
導電性芯材の一面側から充填されるペーストが他面側か
らのペーストの充填を阻害するよう作用することがない
ので、導電性芯材の空間容積の50%未満である所定量に
設定されたペーストを、それぞれ導電性芯材の一面およ
び他面から空間内に確実に充填できる。
【0073】本発明の他の電池用電極によれば、導電性
芯材に、その空間の容積に対し100%未満の量のペース
トを、互いに異なる量に分配して芯材の一面および他面
から各々の全面にわたりそれぞれ均等に充填する構成と
したので、ペーストの充填量にばらつきが生じなく、且
つ厚くなり過ぎないよう製造することができる効果を得
られるのに加えて、渦巻き状に巻回して電池を構成する
際に、少ない量のペーストを充填した面を内側にして巻
回することにより、巻回作業が容易になるとともに電極
に曲げ応力によるひびや割れが発生し難くなる利点があ
る。
【0074】本発明のさらに他の電池用電極によれば、
導電性芯材に、ペーストを導電性芯材の長さ方向に直交
する幅方向の一端から他端に向けて充填量を連続的に加
減して充填し、且つ導電性芯材を幅方向に切断する構成
としたので、渦巻き状に巻回して電池を構成する際に、
厚みの小さい端部を巻芯側として巻回することにより、
巻回作業を容易に行えるとともに、渦巻き外周側の電極
の厚みが大きいので、曲げ応力によるひびや割れが発生
し難い効果を得られる。
【0075】本発明の電池用電極の製造装置によれば、
ダイコート式ノズルの特徴を生かしてペーストを吐出口
の全長に向けてほぼ均等な分布で移送するとともに、こ
のペーストを、断面外形が円形の回転ドラムの外周面全
体にわたり均一に巻き付くように付着させ、且つ回転ド
ラムの回転により強制的に吐出口から導電性芯材に圧入
して充填できるようにしたので、粘度の低いペーストを
充填する場合に吐出口の全長にわたりペーストをばらつ
きなく均一に吐出することができ、一方、凝集性の高い
高粘度のペーストを充填する場合に、ペーストの導出通
路への付着による滞留や吐出口の目詰まりなどが生じる
ことがなく、ペーストを常に吐出口の全長にわたり均一
に吐出させることができ、導電性芯材にペーストのかす
れや充填むらが生じることがない。また、ペーストの吐
出量を一定値に維持することができるので、電極が厚く
なり過ぎることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電池用電極の製造
装置を示す斜視図。
【図2】(a)は本発明の一実施の形態に係る電池用電
極を示す斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図、
(c)はペーストが未充填の導電性芯材のみのA−A線
断面図。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る電池用電極を示
す一部の縦断面図。
【図4】同上製造装置におけるノズルの分解斜視図。
【図5】(a)〜(c)はいずれも同上ノズルにおける
回転ドラムの他例を示す斜視図。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る電池用電極の製
造装置を示す概略説明図。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態に係る電池用電
極の製造装置を示す斜視図。
【図8】(a)は本発明の他の実施の形態に係る電池用
電極を示す斜視図、(b)は(a)のB−B線断面図。
【図9】(a)は本発明のさらに他の実施の形態に係る
製造装置におけるノズルを示す縦断面図、(b)は
(a)のC−C線断面図。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態に係る製造装
置におけるノズルを示す縦断面図。
【図11】本発明のさらに他の実施の形態に係る製造装
置におけるノズルを示す縦断面図。
【図12】本発明のさらに他の実施の形態に係る製造装
置におけるノズルを示す縦断面図。
【図13】本発明のさらに他の実施の形態に係る製造装
置におけるノズルを示す縦断面図。
【図14】本発明の電池用電極の適用対象の電池を示す
部分分解斜視図。
【図15】(a)は従来の電池用電極の製造装置に用い
られるダイコート方式ノズルの縦断面図、(b)は
(a)のD−D線断面図、(c)は(b)に対応して示
したペーストの吐出量の特性図。
【符号の説明】
1 電極 2 ニッケル多孔体(導電性芯材) 3 空間 7 ペースト 9 ノズル 10 ケーシング 11 回転ドラム 13 ペースト導入孔 14 ペースト吐出口 16 内装空間 17 液溜まり部 21 ローレット 22 スプライン 23 エンボス 30 ドラム駆動モータ(回転駆動源) 32 ペースト導出通路 34,39〜41 補助ドラム

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三次元的に連なる空間を有したシート状
    の導電性芯材の前記空間内に活物質を含むペーストを充
    填してなる電池用電極において、 前記導電性芯材に、その一面および他面からそれぞれ前
    記空間の容積に対し各々50%未満であって共に同一量の
    前記ペーストを全面にわたり均等に充填してなることを
    特徴とする電池用電極。
  2. 【請求項2】 三次元的に連なる空間を有したシート状
    の導電性芯材の前記空間内に活物質を含むペーストを充
    填してなる電池用電極において、 前記導電性芯材に、前記空間の容積に対し100 %未満の
    量の前記ペーストを、互いに異なる量に分配して前記芯
    材の一面および他面から各々の全面にわたりそれぞれ均
    等に充填してなることを特徴とする電池用電極。
  3. 【請求項3】 三次元的に連なる空間を有したシート状
    の導電性芯材の前記空間内に活物質を含むペーストを充
    填し、且つ前記導電性芯材をその長さ方向に対し直交す
    る幅方向に切断してなる電池用電極において、 前記ペーストを前記導電性芯材に前記幅方向の一端から
    他端に向けて充填量を連続的に加減して充填してなるこ
    とを特徴とする電池用電極。
  4. 【請求項4】 導電性芯材は、その幅方向の一端から他
    端に向けて厚みが連続的に変化するテーパー状の断面形
    状を有する請求項3に記載の電池用電極。
  5. 【請求項5】 シート状の導電性芯材をその長さ方向に
    走行させる移送機構と、走行される前記導電性芯材の両
    面にそれぞれ近接して配置され、ペースト供給源から送
    給される活物質を含むペーストを吐出して前記導電性芯
    材の空間に充填する一対のダイコート方式ノズルとを備
    え、 前記ノズルは、 一端面にペースト導入孔が、他端面に前記導電性芯材の
    幅方向に沿った長孔形状のペースト吐出口がそれぞれ開
    口されたケーシングと、 前記ペースト吐出口に臨ませて前記ケーシングの内装空
    間に回転自在に支持され、前記ペースト吐出口の長さに
    対応した長さを有し、且つ長さ方向に対し直交方向の断
    面外形が円形となった回転ドラムとを備えるとともに、 前記ペーストを、回転駆動源により回転される前記回転
    ドラムと前記内装空間の内面との間のペースト導出通路
    を介して前記ペースト吐出口から吐出するよう構成され
    ていることを特徴とする電池用電極の製造装置。
  6. 【請求項6】 ペースト吐出口における導電性芯材の走
    行方向側の縁部に、回転ドラムの外周面に残存付着して
    いるペーストの掻き落とし板が設けられている請求項5
    に記載の電池用電極の製造装置。
  7. 【請求項7】 回転ドラムは、その外周面にローレッ
    ト、スプラインまたはエンボスなどの凹凸形状が形成さ
    れている請求項5または請求項6に記載の電池用電極の
    製造装置。
  8. 【請求項8】 ノズルは、回転ドラムの軸芯を傾斜させ
    ることにより前記回転ドラムとケーシングの内面との隙
    間が前記回転ドラムの長さ方向に沿って連続的に変わる
    よう前記回転ドラムを変位可能に支持した構成になって
    いる請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の電池用
    電極の製造装置。
  9. 【請求項9】 回転ドラムは、長さ方向に沿って外径が
    連続的に変化するテーパー形状の外周面を有している請
    求項5ないし請求項7のいずれかに記載の電池用電極の
    製造装置。
  10. 【請求項10】 回転ドラムに、これとは反対方向に回
    転駆動される1以上の補助ドラムが所定の間隙で対設さ
    れている請求項5ないし請求項9のいずれかに記載の電
    池用電極の製造装置。
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JP2017103004A (ja) * 2015-11-30 2017-06-08 株式会社豊田自動織機 電極製造装置及び電極の製造方法

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