JPH10311552A - 空気調和機室内ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】空気調和器の室内ユニットの構造に関わり、特
に空気吸い込み口を前面および上面に有する構成であっ
ても、室内ユニットの前面パネル表面の清掃が容易に行
え、且つフィルターの着脱性の向上がはかれる空気調和
器の室内ユニットを提供する事である。 【解決手段】室内の空気の吸い込み口である前面吸い込
み口１３および上面吸い込み口１４を取り外しが可能な
前面パネル３に一体で形成し、該前面パネル３の装着を
容易に行えるようにするため、前ケース４にガイド機構
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は空気調和機の室内ユ
ニットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】空気調和機の室内ユニット１は、一般的
には図１２に示すように後ろケース５へ室内熱交換器
６、貫流ファンと該貫流ファンを回転させるためのモー
タによっ構成される送風装置８、室内熱交換器６によっ
て空気中より集められた水分を排出するための露受け皿
１０、送風装置８よって発生された風を上下にコントロ
ールする横羽根１１、左右にコントロールする縦羽根１
２、フィルター７および前面カバー２によって構成され
ている。

【０００３】送風装置８により、室内の空気が前面カバ
ー２に開けられた空気を取り入れるための前面吸い込み
口１３を通して空気調和機の室内ユニット１内部へ吸い
込まれ、吸い込まれた空気は室内熱交換器６により所定
の温度に熱交換され、縦羽根１２、横羽根１１により所
定の方向へ吹き出し口１５より吹き出される。

【０００４】空気調和機の室内ユニット１へ吸い込まれ
る室内の空気には塵や埃等が含まれており、長時間の使
用に際しこれら塵や埃が室内熱交換器６に付着し熱交換
効率の低下を招いてしまう。そのため、前面カバー２と
室内熱交換器６との間に塵や埃を吸着するためのフィル
ター７が取り付けられ、該フィルター７は、空気調和機
の室内ユニット１より容易に取り外し可能な構造とし、
定期的に掃除をするようメーカー側では指示している。

【０００５】さらに最近はフィルター７の着脱性の向上
や前面カバー２の前面吸い込み口１３周辺に付着してい
る塵や埃を拭き取るだけでなく、丸洗いできるようにす
るため、図１３や図１４に示すように、前面カバー２を
前ケース４と前面パネル３に分割し、該前面パネル３を
開閉できる構造としたり、取り外しできるような構造の
物が主流となってきている。

【０００６】最近の空気調和機の室内ユニット１は、熱
交換面積を増やして性能を向上させる意味合い等から図
１３、図１４に示すように、室内熱交換器６を曲げたり
湾曲させたりしている物が増えてきている。このような
機種の場合、空気の吸い込み口は前面と上面に設ける方
が吸い込み口の面積が広くなる分、通風抵抗が減り効率
が良くなる。しかしユニット上部に上面吸い込み口１４
を設けると前面に比べ塵や埃がさらに付着しやすく、ま
た家庭の壁面に取り付けられた状態では、上面は掃除も
しにくいといった問題が有った。

【０００７】従来技術として、特開平７−２０８７５７
号「空気調和機の室内ユニット」の中に、前面パネルに
正面吸い込み口と上面吸い込み口が一体となり、前面パ
ネルと室内熱交換機との間にフィルターを設けているよ
うな図象が見受けられるが、正面パネルやフィルターの
形状や取り付けに関する具体的な記載がないばかりか考
慮する記載すら示されていない。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】このように従来のよう
な上面に空気の吸い込み口を設けるような構成の機種で
は、家庭の壁面に取り付けられた状態では、上面吸い込
み口の掃除がしにくく、また前面パネルと室内熱交換器
との間に取り付けるフィルターも長くなる分着脱がしに
くく、また、フィルター７の取り外しの際に、該フィル
ター７の網の部分が前ケースの一部に接触、特に上面吸
い込み口に接触し易く、フィルター７に付着した塵や埃
をユニット周辺や室内熱交換器へ落下・飛散してしまう
といった問題があった。

【０００９】本発明は上記のような問題点を解決するた
めのもので、上面吸い込み口に付着した塵や埃を掃除し
やすく、かつフィルターの着脱を前面パネルに擦るよう
なことなく容易に行える空気調和機の室内ユニットを提
供すことを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明では、熱交換器や送風装置等を内蔵するユニット
本体と、これらユニット本体を覆い、かつ前面および上
面にユニット内部へ空気を取り込むための開口部が設け
られた前面カバーによって構成される空気調和機におい
て、上記前面カバーが、ユニット本体を覆うための前ケ
ースと、空気取り込みのために前面および上面に設けら
れる開口部を一体で成形した前面パネルとから構成さ
れ、上記前面パネルは、この前面パネルの上面の奥端部
に、前ケース上面の係合手段との係合部を支点に回転し
開閉可能で、且つ開いた状態で前ケース上面の係合手段
に脱着可能にされた係合片を有するものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて説明する。図１は空気調和機の室内ユニット１の斜
視図を、図２は空気調和機の室内ユニット１の断面図を
示す。図３は空気調和機の室内ユニット１の断面図で前
面パネル３が開放した状態を示す。

【００１２】空気調和機の室内ユニット１は、後ろケー
ス５へ室内熱交換器６、貫流ファンと該貫流ファンを回
転させるためのモータによっ構成される送風装置８、該
室内熱交換器６のドレン水を受け止める露受け皿１０、
該送風装置８によって発生された風を上下にコントロー
ルする横羽根１１、左右にコントロールする縦羽根１
２、これら室内ユニットの構成部品を覆う前ケース４、
空気中に浮遊している塵や埃を吸着させるフィルター７
および室内の空気をユニット内部へ取り入れるための前
面吸い込み口１３と上面吸い込み口１４とを一体で成形
した前面パネル３によって構成される。

【００１３】同一の外形寸法でより多くの熱交換面積を
稼ごうとすると、室内熱交換器６の形状は、図１２に示
すような平板上の室内熱交換器６ではなく、図１３や図
１４に示すように室内熱交換器６を曲げたり、また湾曲
させて室内ユニット１後方まで室内熱交換器６を配置す
る方が室内熱交換器６の表面積を増やすことが出来、熱
交換性能を向上させるには有利である。

【００１４】この場合、室内ユニット１後方へ配置され
た室内熱交換器６へ空気を十分流すためには、前面カバ
ー２または前面パネル３、前ケース４に開けられる空気
取り入れのための吸い込み口は、前面だけでなく上面に
も設ける方が吸い込み口の面積が広くなる分、通風抵抗
が減り有利である。

【００１５】そこで今回の発明では、前面カバー２を前
ケース４と前面パネル３の２つに分割し、かつ該前面パ
ネル３には、空気取り入れのための前面吸い込み口１３
及び上面吸い込み口１４を一体で成形する事にし、また
該前面パネル３を前ケース４へ設けられたガイド機構に
よって容易に着脱可能な構造とした。これにより、前面
パネル３の前面吸い込み口１３および上面吸い込み口１
４周辺に付着している塵や埃は、拭き取るだけでなく該
前面パネル３を取り外して丸洗いすることも可能とな
り、上面吸い込み口１４がネジなどを外さないと取り外
しが不可能であった前ケース４に設けられている、従来
構造の室内ユニットよりも、掃除がし易くなる。

【００１６】前面吸い込み口１３及び上面吸い込み口１
４を一体で成形した前面パネル３は、該前面パネル３に
設けたアーム１６と前ケース４に設けたガイド機構によ
って、容易に着脱が可能な構造としたばかりでなく、図
３に示すように、アーム１６に先端に有する支持シャフ
ト１７が穴１９に係合してこの係合部を支点にして一定
角度開き、開いた状態でアーム１６とストッパ１８によ
って、固定することが可能な構造とした。上記前ケース
上面のガイド機構と穴１９とで係合手段を構成し、上記
アーム１６と支持シャフト１７とで上記係合手段に脱着
可能にするための係合片を構成している。

【００１７】室内熱交換器６と前面パネル３の間に取り
付けられるフィルター７は、図３示すように前面パネル
３を開いた状態の時あるいは該前面パネル３を取り外し
た状態で着脱を行う。

【００１８】本実施例の場合、前面パネル３は前面吸い
込み口１３及び上面吸い込み口１４を一体で成形した構
造のため、前面パネル３を開いた場合、従来のように上
面吸い込み口１４が開閉または取り外しが困難な前ケー
ス４に形成してある構造に比べると、フィルター７の埃
や塵が付着している網の部分と上面吸い込み口１４を形
成している部材との間隔を広く取ることが出来る。

【００１９】このため、フィルター７の取り外しの際
に、該フィルター７の網の部分が上面吸い込み口１４を
形成している部材の一部に接触して、特に上面吸い込み
口１４に接触してフィルター７に付着した塵や埃をユニ
ット周辺や室内熱交換器へ落下・飛散してしまうという
ことが無くなる。また、フィルター７と上面吸い込み口
１４を形成している部材との間隔も広くなるため、フィ
ルター７の装着も容易に行えるようになる。

【００２０】図４、図５、図６、図７、図８、図９を用
い前面パネル３の開閉のための構造と動作について説明
する。前面パネル３の両端にはアーム１６ａ，１６ｂ
が、該アームには前面パネル３の回転中心となる支持シ
ャフト１７ａ，１７ｂが取り付けられている。前ケース
４には、該支持シャフトが挿入される穴１９ａ，１９ｂ
が開けられ、さらに前面パネル３が一定角度開いた状態
を保持することを可能とするストッパ１８ａ，１８ｂが
設けられている。

【００２１】図５、図６に示すように前面パネル３が閉
じている状態では、アーム１６ａ，１６ｂはストッパ１
８ａ，１８ｂの下方に位置している。図３に示すように
前面パネル３を開くと、図７に示すようにアーム１６
ａ，１６ｂは内側にたわみながらストッパ１８ａ，１８
ｂの上を通過し、アーム１６ａ，１６ｂがストッパ１８
ａ，１８ｂの上を通過し、通過し終えると、図８、図９
に示すようアーム１６ａ，１６ｂの下端がストッパ１８
ａ，１８ｂの上面に乗り上げる形で止まり、前面パネル
３を開くための操作力を除いてもその位置が保持され
る。閉じる場合はその逆で、閉じるための操作力を前面
パネル３に加えると、アーム１６ａ，１６ｂが内側に撓
んでストッパ１８ａ，１８ｂを通過し前面パネル３を閉
じることが可能である。

【００２２】図４、図１０、図１１を用い前面パネル３
の構造と動作について説明する。前面吸い込み口１３及
び上面吸い込み口１４を一体で成形した前面パネル３の
場合、従来機種のように上面吸い込み口１４が前面パネ
ル３側ではなく、前ケース４側に設けられている空気調
和機の室内ユニット１と比べ、前面パネル３の回転や固
定のための支持要素であるアーム１６ａ，１６ｂ、支持
シャフト１７ａ，１７ｂ、穴１９ａ，１９ｂは、ユニッ
トの奥（壁面近く）に配置されるため、前面パネル３を
装着するときに、お互いの位置関係を確認しにくく、結
果的に前面パネル３を前ケース４へ装着しにくいという
問題がある。

【００２３】そこで本発明では、図１０に示すように前
ケース４両端の穴１９ａ，１９ｂの近傍へ、前面パネル
３を装着する際の案内となる、底面ガイド２０ａ，２０
ｂ、上面ガイド２１ａ，２１ｂ、側面ガイド２２ａ，２
２ｂ、係合片押圧ガイド２３ａ，２３ｂおよび案内傾斜
２４ａ，２４ｂによって構成されるガイド機構を備える
構造とした。前ケース４両端に設けられた側面ガイド２
２ａ，２２ｂは、前面パネル３へ設けられた支持シャフ
ト１７ａ，１７ｂよりも十分広く形成されており、係合
片押圧ガイド２３ａ，２３ｂは、広く形成された側面ガ
イド２２ａ，２２ｂと穴１９ａ，１９ｂを結ぶよう、徐
々に間隔が狭まるように傾斜が付けられている。

【００２４】次に前面パネル３の着脱手順説明する。ま
ず取り外す場合は、図１１に示すように前面パネル３を
開いた状態とし、該前面パネル３両端のアーム１６ａ，
１６ｂ上に設けられた支持シャフト１７ａ，１７ｂが、
前ケース４に開けられた穴１９ａ，１９ｂより外れるま
で、該アーム１６ａ，１６ｂを内側にたわませる事によ
り、支持シャフト７ａ，７ｂが前ケース３に設けられて
いる穴８ａ，８ｂより外れ、この状態で前面パネル３を
引き出す事により、前ケース４より取り外すことが可能
である。

【００２５】逆に前面パネル３を前ケース４へ取り付け
る際は、前面パネル３を前ケース４の上方より下降させ
ると、まず側面ガイド２２ａ，２２ｂの上面に設けられ
た案内傾斜２４ａ，２４ｂによって、前面パネル３両端
のアーム１６ａ，１６ｂ上に設けられた支持シャフト１
７ａ，１７ｂが容易に側面ガイド２２ａ，２２ｂの間へ
導かれ、底面ガイド２０ａ，２０ｂの上に置かれる。

【００２６】次にそのまま前面パネル４を室内ユニット
１の正面から据え付け壁面の方へ押し込んでいくと、支
持シャフト１７ａ，１７ｂは側面ガイド２２ａ，２２ｂ
から係合片押圧ガイド２３ａ，２３ｂへ移り、間隔が徐
々に狭まっていく該係合片押圧ガイド２３ａ，２３ｂに
よって支持シャフト１７ａ，１７ｂが内側に押され、ア
ーム１６ａ，１６ｂが内側に撓んでいく。さらに押し込
んでいくと、上面ガイド２１ａ，２１ｂによって上面も
拘束され、結果的に支持シャフト１７ａ，１７ｂが前ケ
ース４の両端に開けられた穴１９ａ，１９ｂの位置に来
たところで、係合片押圧ガイド２３ａ，２３ｂからの拘
束が解かれアーム１６ａ，１６ｂの変形が元に戻って支
持シャフト１７ａ，１７ｂが穴１９ａ，１９ｂに挿入さ
れて、前面パネル４の装着が完了する。

【００２７】上記のとおり、実施例によればユニット表
面の汚れが著しい前面吸い込み口１３および上面吸い込
み口１４の清掃を前面パネルを上方に回転させてフィル
ター７から離した状態でが容易となりまた、フィルター
７の着脱も上面吸い込み口１４で擦られることなく容易
に行えるため、フィルター７の取り外しの際に塵や埃を
ユニット周辺や室内熱交換器へ散らしてしまうというこ
とが無くなる。これにより室内熱交換器への塵や埃の付
着及びこの付着による目詰まりが減少する事によって、
空気との熱交換の阻害及び通風抵抗の増大による熱交換
能力の低下も減少され、また室内ユニットを清潔に保つ
ことが容易になった。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
前ケースより取り外し可能な前面パネルへ、空気取り込
みのために前面および上面に設けられる吸い込み口を一
体で成形しさらに前面パネルを回転させて開いてから取
り外し可能な構造にすることによって、上面吸い込み口
に付着した塵や埃の清掃が行いやすくなった。それに伴
い室内熱交換器への塵や埃の目詰まりが減少する事によ
って熱交換能力の低下も減少され、また空気調和機室内
ユニットを清潔に保つことが容易になった。

【００２９】また、前面パネルを装着する際の基準とな
るガイド機構を設けた場合は、正面開口部と上面吸い込
み口が一体となることによって大きくなってしまう前面
パネルも前ケースへの取り付けが容易に行えるようにな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す空気調和器室内ユニッ
トの斜視図

【図２】本発明の一実施例を示す室内ユニットの断面図

【図３】前面パネルを開閉した状態を示す室内ユニット
の断面図

【図４】同実施例の室内ユニットを分解した平面図

【図５】前面パネルの閉じた状態を示す、部分詳細図

【図６】図５の実施例の部分断面図

【図７】図５の実施例の部分断面図

【図８】前面パネルの開いた状態を示す、部分詳細図

【図９】図８の実施例の部分断面図

【図１０】ガイド機構を示す部分斜視図

【図１１】前面パネルを開閉した状態を示す室内ユニッ
トの側面図

【図１２】従来技術を示す側面断面図

【図１３】従来技術を示す側面断面図

【図１４】従来技術を示す側面断面図

【符号の説明】

１：空気調和機の室内ユニット、２：前面カバー ３：前面パネル、４：前ケース ５：後ケース、６：室内熱交換器、７：フィルター、
８：送風装置、１３：前面吸い込み口、１４：上面吸い
込み口、１５：吹き出し口 １６：アーム、１７：支持シャフト １８：ストッパ、１９：穴 ２０：底面ガイド、２１：上面ガイド ２２：側面ガイド、２３：係合片押圧ガイド ２４：案内傾斜、２５：フィルターガイド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 洋二 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所デザイン研究所内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】熱交換器や送風装置等を内蔵するユニット
   本体と、これらユニット本体を覆い、かつ前面および上
   面にユニット内部へ空気を取り込むための開口部が設け
   られた前面カバーによって構成される空気調和機におい
   て、 上記前面カバーが、ユニット本体を覆うための前ケース
   と、空気取り込みのために前面および上面に設けられる
   開口部を一体で成形した前面パネルとから構成され、上
   記前面パネルは、この前面パネルの上面の奥端部に、前
   ケース上面の係合手段との係合部を支点に回転し開閉可
   能で、且つ開いた状態で前ケース上面の係合手段に脱着
   可能にされた係合片を有することを特徴とする空気調和
   機
2. 【請求項２】請求項１記載の空気調和機において、上記
   係合手段が、前ケースへ前面パネルを装着する際の案内
   となるガイドを有することを特徴とする空気調和機
3. 【請求項３】請求項２記載の空気調和機において、上記
   ガイドが、底面ガイドと、側面ガイドおよび係合片押圧
   ガイドよりなることを特徴とする空気調和機
4. 【請求項４】請求項１記載の空気調和機において、前面
   パネルの内側に吸い込む空気中のゴミなどを取り除くた
   めのフィルターを装着する構造としたことを特徴とする
   空気調和機