JPH10310407A - 安定で溶解性に優れた過炭酸ナトリウム粒子 - Google Patents
安定で溶解性に優れた過炭酸ナトリウム粒子Info
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Abstract
トリウム粒子を得る。 【解決方法】 過炭酸ナトリウムの粒子に、(A)硫酸
アルカリ金属塩6〜20重量%及び(B)硫酸マグネシ
ウム及び塩化マグネシウムから選ばれた少なくとも1の
化合物1.5〜10重量%を被覆する。
Description
た過炭酸ナトリウムに係り、特に漂白剤(漂白剤組成物
も含む)として洗剤等に配合して使用するに適する安定
で、溶解性に優れた過炭酸ナトリウムに関する。
粒体状物であり、漂白剤、洗浄剤、殺菌剤等として、一
般に広く使用されている。漂白剤としての過炭酸ナトリ
ウムは低温での溶解性に優れ、漂白効果が高く、また通
常の保存状態では、安定な化合物である。しかしながら
過炭酸ナトリウムは湿度の高い状態での保存や、潜在と
の配合に於いて不安定である等の欠点がある。家庭用洗
剤に於いては、過炭酸ナトリウムを漂白剤として一定量
配合した製品が特に望ましい。しかしながら、洗剤との
配合に於いてはビルダーとして使用されるゼオライトや
洗剤中に含まれる微量の水分に接触するとその安定性を
失い、漂白効果がなくなるのみならず洗剤の効力をも失
活する恐れがある。漂白剤組成物として配合する場合に
も同様の問題がある。これ等の問題を解決すべく従来よ
り種々提案がなされている。例えば、特公昭63−56
167号に於いては、スルホン酸マグネシウム塩又は硫
酸エステルのマグネシウム塩により被覆せしめる方法、
特公昭63−57362号では、これ等マグネシウム塩
に更にアルカリ又はアルカリ土類金属の硫酸塩又は塩酸
塩により被覆せしめる方法、特開昭60−118606
号では、ホウ酸もしくは部分的に中和されたホウ酸塩及
び撥水剤により被覆せしめる方法、特開昭59−194
000号ではホウ酸塩及びマグネシウム化合物により被
覆せしめる方法、特開平7−69606号では珪酸塩、
硫酸マグネシウム及びアルカリ金属の硫酸塩の3種の化
合物類により被覆せしめる方法が提案されている。これ
等の方法は、いずれも特定の薬剤を被覆することによっ
て、洗剤成分との接触を避け、過炭酸ナトリウムを安定
化する方法であるが、これ等従来の方法では、高湿条件
での保存時や洗剤配合時の安定化効果がいずれも不充分
であり、又被覆前の過炭酸ナトリウムに比べ溶解速度も
著しく遅くなり実用上到底満足し得るものではない。
を解決すべく鋭意研究の結果、過炭酸ナトリウム粒子
に、特定の化合物を組み合わせて被覆することにより、
従来技術に比し顕著に優れた効果が得られることを発見
し、本発明に至った。
(A)硫酸アルカリ金属塩を6〜20重量%及び(B)
硫酸マグネシウム及び塩化マグネシウムから選ばれた少
なくとも1の化合物を1.5〜10重量%被覆してなる
過炭酸ナトリウム粒子である。
自身が又はそれを含有する漂白剤組成物として洗剤に配
合する場合の安定性が従来の過炭酸ナリトウムに比べ著
しく改善され、さらに溶解性にも優れたものである。
は、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リチウム塩
等がある。好ましくはナトリウム塩である。
(B)群の化合物をそれぞれ単独で過炭酸ナトリウム粒
子に被覆せしめても充分な配合安定性は得られないが、
(A)群化合物及び(B)群化合物の所定量を併用する
ことにより、はじめて充分な効果が得られるものであ
る。溶解性は(A)群化合物、(B)群化合物を別々に
順次被覆した場合及び(A)群化合物と(B)群化合物
を混合物で被覆した場合のいずれも優れた結果を示す。
合物を被覆し、次で(B)群化合物を被覆する方法、逆
に(B)群化合物を被覆し、次で(A)群化合物を被覆
する方法のいずれを用いることもできるか、被覆工程を
単純化する目的で、(A)群化合物と(B)群化合物を
混合して被覆する方法が好ましい。
ム粒子に対し、6〜20重量%、好ましくは8〜15重
量%である。(B)群化合物の被覆量は1.5〜10重
量%、好ましくは2〜5重量%である。(A)群化合物
の被覆量が6重量%未満、(B)群化合物の被覆量が
1.5重量%未満では充分な配合安定化効果が得られな
い。(A)群化合物が20重量%以上、(B)群化合物
が10重量%以上の場合は被覆効果は十分に得られる
が、有効酸素の濃度を必要以上に減少せしめることとな
る。
して被覆に供することが好ましい。特に水溶液が好まし
い。この場合の被覆方法は、被覆剤を付着させると共に
溶媒を速やかに除去し得る方法か好ましく、このような
被覆に用い得る装置の具体例としてはパンコーティング
装置、転動コーティング装置、流動コーティング装置、
流動転動コーティング装置等がある。特に好ましいのは
流動コーティング装置である。
粒子は結晶のまま又は造粒により顆粒状としたものいず
れも利用可能であり、好ましくは造粒して顆粒状と成し
た粒子である。造粒して顆粒状にするに際し、予め過炭
酸ナトリウムに一般的な添加剤である炭酸ナトリウム、
重炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、キレート剤等の
安定剤及びCMC、ポリアクリル酸ソーダ等の結合剤等
を添加することもできる。過炭酸ナトリウム粒子の平均
粒径は通常200〜2000μmで利用でき、好ましく
は300〜1000μmである。平均粒径が200μm
以下の粒子では被覆効果が悪く好ましくなく、2000
μm以上では被覆は良好であるが、被覆された過炭酸ナ
トリウム粒子が洗剤等と配合する際に、分級する可能性
があり、好ましいものではない。
を更に具体的に説明するが、本発明は実施例によって限
定されるものではない。尚パーセントはいずれも結晶水
等を含まない純分換算での過炭酸ナトリウムに対する重
量表示である。
生成した結晶を遠心濾過によって分離し、得られた湿潤
状態の過炭酸ナトリウムに炭酸ナトリウム3%、結合剤
としてカルボキシメチルセルロース0.5%及び3号珪
酸ナトリウム0.2%添加し、次いで純水にて混合物全
体の含水率11%に調製して混合した。次に穴径0.8
φmmのスクリーンを取りつけたスクリュー横押出式造
粒機にて顆粒と成し、流動乾燥機にて乾燥した。得られ
た顆粒の平均粒径は750μmであった。得られた顆粒
400gを流動式噴霧コーティング装置にて105〜1
10℃の熱風を送風しながら、表1の(A)群化合物の
項で示す物質と(B)群化合物の項で示す物質を混合
し、混合物で20%、40%の水溶液と成し、少量ずつ
所定量を噴霧して被覆せしめた。
れた過炭酸ナトリウム顆粒の有効酸素濃度は11〜12
%であった。この様にして得られた過炭酸ナトリウム顆
粒5gと市販直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩系重質
粉末洗剤(合成ゼオライト10%、水分3%含有)45
gとよく混合し、39mmφ×85mmHのポリエチレ
ンの開放容器に入れ50℃、相対湿度80%の条件下で
45時間放置後、残存有効酸素を測定し、安定度(有効
酸素残存率)を算出した。又溶解率(1分間)の測定は
6cmの攪拌羽根と電導電流測定電極を取り付けた1リ
ットルビーカーに、20℃1リットルの純水を入れ20
0rpmで攪拌羽根を回転させ、直流電圧2Vをかけて
おき、得られた過炭酸ナトリウム顆粒1gを投入し、電
流値を測定して2分間の溶解率を算出した。結果を表1
に示す。
ム酸化還元滴定法で行った。比較のため、被覆前の過炭
酸ナトリウム顆粒、(A)群及び(B)群化合物を単独
で被覆せしめたものについても同様に試験を行い、結果
を比較例1〜6として表4に示した。
粒径750μmの過炭酸ナトリウム顆粒に、(A)群化
合物の20%、40℃の水溶液;次で(B)群化合物の
20%、40℃の水溶液を実施例1〜5と同様にして噴
霧、乾燥して被覆せしめた。得られた過炭酸ナトリウム
顆粒の有効酸素濃度は11〜12%であり、実施例1〜
5と同様にして測定した安定度及び溶解率の結果を表2
に示す。
粒径750μmの過炭酸ナトリウム顆粒に、(B)群化
合物の20%;40℃の水溶液、次で(A)群化合物の
20%、40℃の水溶液を実施例1〜5と同様にして噴
霧、乾燥して被覆せしめた。得られた過炭酸ナトリウム
顆粒の有効酸素濃度は11−12%であり、実施例1〜
5と同様にして測定した安定度及び溶解率の結果を表3
に示す。比較のため、3号珪酸ナトリウムを実施例9〜
11の(B)群化合物と同様にして被覆せしめ、次で硫
酸ナトリウム又は硫酸ナトリウムと硫酸マグネシウムの
混合物で20%、40℃の水溶液を同様に被覆せしめ
て、同様の試験を行い、結果を比較例7〜9として表5
に示した。
Claims (5)
- 【請求項1】 過炭酸ナトリウム粒子に、(A)硫酸ア
ルカリ金属塩を6〜20重量%及び(B)硫酸マグネシ
ウム及び塩化マグネシウムから選ばれた少なくとも1の
化合物を1.5〜10重量%被覆してなる過炭酸ナトリ
ウム粒子。 - 【請求項2】 被覆組成物が珪酸塩を実質上含有してい
ない請求項1記載の過炭酸ナトリウム粒子。 - 【請求項3】 硫酸アルカリ金属塩が硫酸ナトリウム塩
又は硫酸カリウム塩である請求項1又は2記載の過炭酸
ナトリウム粒子。 - 【請求項4】 被覆される過炭酸ナトリウム粒子の平均
粒径が300〜1000μmである請求項1〜3のいず
れか1項記載の過炭酸ナトリウム粒子。 - 【請求項5】 (A)群化合物及び(B)群化合物を溶
液状で過炭酸ナトリウム粒子上に噴霧し、乾燥して被覆
層を形成せしめてなる請求項1〜4のいずれか1項記載
の過炭酸ナトリウム粒子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11764997A JPH10310407A (ja) | 1997-05-08 | 1997-05-08 | 安定で溶解性に優れた過炭酸ナトリウム粒子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11764997A JPH10310407A (ja) | 1997-05-08 | 1997-05-08 | 安定で溶解性に優れた過炭酸ナトリウム粒子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10310407A true JPH10310407A (ja) | 1998-11-24 |
Family
ID=14716912
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11764997A Pending JPH10310407A (ja) | 1997-05-08 | 1997-05-08 | 安定で溶解性に優れた過炭酸ナトリウム粒子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10310407A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001342012A (ja) * | 2000-05-31 | 2001-12-11 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 安定性・安全性に優れた過炭酸ナトリウム粒子 |
EP1357085A2 (en) * | 2002-03-29 | 2003-10-29 | Asahi Glass Company, Limited | Method for producing sodium hydrogencarbonate crystal particles having a low caking property, and sodium hydrogencarbonate crystal particles |
JP2008519747A (ja) * | 2004-11-11 | 2008-06-12 | エボニック デグサ ゲーエムベーハー | チオ硫酸塩を有するシェル層を備えた過炭酸ナトリウム粒子 |
-
1997
- 1997-05-08 JP JP11764997A patent/JPH10310407A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001342012A (ja) * | 2000-05-31 | 2001-12-11 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 安定性・安全性に優れた過炭酸ナトリウム粒子 |
JP4553080B2 (ja) * | 2000-05-31 | 2010-09-29 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 安定性・安全性に優れた過炭酸ナトリウム粒子 |
EP1357085A2 (en) * | 2002-03-29 | 2003-10-29 | Asahi Glass Company, Limited | Method for producing sodium hydrogencarbonate crystal particles having a low caking property, and sodium hydrogencarbonate crystal particles |
EP1357085A3 (en) * | 2002-03-29 | 2004-01-28 | Asahi Glass Company, Limited | Method for producing sodium hydrogencarbonate crystal particles having a low caking property, and sodium hydrogencarbonate crystal particles |
JP2008519747A (ja) * | 2004-11-11 | 2008-06-12 | エボニック デグサ ゲーエムベーハー | チオ硫酸塩を有するシェル層を備えた過炭酸ナトリウム粒子 |
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