JPH10310282A - シート給送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成が簡易で、各種の調整、制御が容易なシ
ート給送装置を得る。 【構成】 シート進行方向に関し、フィーダボード
（２）の大半の領域をカバーするシート送りテープ部
と、このシート送りテープ部のうち、セパレータ（３）
側の一部の領域をカバーするサクションフィーダ部と、
シート進行方向に関して進退調整可能な１組のみのハケ
／コロ支架体と、を有するシート給送装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、枚葉式印刷機の給紙部
に関し、特に、セパレータによって１枚づつに分離され
たシートを印刷部に順次給送するシート給送装置に関す
る。

【０００２】

【発明の背景】印刷の高速化に従い、紙積台にパイルさ
れたシートを１枚づつに分離して順次印刷機本体に送り
込む給紙部にあっては、確実な給送機能のみならず、調
整作業の容易化、短縮化、そして紙質を選ばない汎用性
が強く要求されている。この給紙部を概観すると、まず
セパレータとしてストリームフィーダが設けられ、この
ストリームフィーダがシートの後端を取り扱い、シート
の一部が重なり合った状態で送り出す。シートは次にフ
ィーダボードと通称される部位に移るが、このフィーダ
ボードによってシートが順次整列され、見当部に正確
に、歪なく、平らな状態で送られる。前当及び横針から
成る見当部では、シートが正確に位置決めされ、最後に
スインググリッパによって印刷機本体に１枚づつ送り込
まれて印刷がなされる。

【０００３】

【従来の技術】シート給送装置に関し、実開昭６２−１
９４６４３号公報及び実開平６−３９４８号公報にあっ
ては、フィーダボードの上面に、シートの進行方向に沿
って設けられたエンドレステープ及び刷毛車、紙押さえ
コロによってシートを押圧しつつ給送する、いわゆるハ
ケ／コロ方式のものが開示されている。一方、特開昭６
０−７１４３８号公報及び特開平６−２１９６０６号公
報にあっては、フィーダボード下面からバキュームの負
圧を作用させつつ、ベルトによってシートを搬送する、
いわゆるサクションフィーダ方式のシート給送装置が開
示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする問題点】両方式のシート給送
装置を、全体的な構造／コストの面から対比すると、ハ
ケ／コロ方式は、構成が単純であるので、安価であるの
に対し、サクションフィーダ方式は、エアー源及び関連
する制御装置が必要となって、高価である。また、多種
多様なシート寸法に伴う紙寸調整の面から検討すると、
ハケ／コロ方式は、紙寸に応じて、シートの進行方向に
関する配置を変更する必要があり、一方、サクションフ
ィーダ方式は、そのような紙寸調整を必要としない利点
を有する。

【０００５】一連の印刷作業で給送される最初のシート
及び最後のシートの送り制御に関し、ハケ／コロ方式は
何等の制御を要しないものの、サクションフィーダ方式
にあっては、最初及び最後のシートの進行に伴い、負圧
のきき加減を制御していくことが必要である。また、不
正給紙等によって、シート送りが中断した場合の後処理
に関し、ハケ／コロ方式にあっては、ハケ／コロを支架
するフレームを持ち上げて、所要の対処を行なうだけ
で、至極簡単であるのに対し、サクションフィーダ方式
は、不正紙のみを取り除くべく、特別なエアー制御を必
要とし、複雑である。更に、様々に異なるシートの紙質
に対応するための調整に関し、ハケ／コロ方式は格別の
調整を必要としない一方、サクションフィーダ方式は別
途の紙質調整を要し、特に、シートが薄紙の場合の調整
が難しいというデメリットがある。

【０００６】本発明は、上記した問題に鑑みてなされ、
進歩したシート給送装置を提供するもので、その目的
は、構成が簡易で、各種の調整、制御が容易な装置とす
ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そしてこのために、本発
明に係るシート給送装置は、シート（１）の進行方向に
関し、フィーダボード（２）の大半の領域をカバーする
シート送りテープ部と、このシート送りテープ部のう
ち、セパレータ（３）側の一部の領域をカバーするサク
ションフィーダ部と、シート進行方向に関して進退調整
可能な１組のみのハケ／コロ支架体と、を有することを
特徴とする。

【０００８】

【作用】サクションフィーダ部は、紙寸や紙質にかかわ
らず、かつ、不正給紙の場合の中断にもかかわらず、常
に吸い続けた状態で済むので、一切の制御が不要とな
る。また、１組のみのハケ／コロ支架体は、紙寸に応じ
て容易に進退調節可能で、かつ、不正紙の取出も、片持
ちのフレームを持ち上げるだけで行なえる。しかも、そ
の時、正常紙はサクションフィーダ部によって吸着固定
されている。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例につ
き詳細に説明する。図１は、本発明に係るシート給送装
置の一実施例を示す平面図、図２は、同じく概略側面図
であって、シートが最小紙寸の場合をしめすもの、図３
は、シートが最大紙寸の場合の概略側面図である。

【００１０】本発明装置は、基本的に、紙積台上にパイ
ルされていたシート（１）（図２以下の右側）をセパレ
ータによって１枚づつに分離し、一部がうろこ状に重な
り合ってフィーダボード（２）上に送り出されたシート
（１）を印刷部（図２以下の左側）に順次に整列供給す
るものであり、図２以下の右側に符号（３）でセパレー
タ部分を大略的に示し、また、符号（４）は見当部を構
成する前当を示し、この前当（４）の左方に印刷部が存
在することは、当業者にとって自明である。

【００１１】高速の枚葉式印刷機にあっては、セパレー
タとしてエアーサッカーを有するストリームフィーダに
よってシートの後端を取り扱い、パイルされていたシー
トの一部が重なり合った状態でフィーダボード（２）上
に連続的に送り出すことが一般的である。このようなス
トリームフィーダは既に十分に知られているので、図面
にはパイルされたシート（１）しか示していない。ま
た、ストリームフィーダと協働する各種の補助具も図示
を省略している。けれども、セパレータから送り出され
たシートが本発明に係るシート給送装置を通って、前当
（４）及び横針から成る見当部に到り、正確に見当合わ
せされた後、印刷部、すなわち印刷機本体に送り込まれ
ることは容易に理解されよう。

【００１２】フィーダボード（２）上には、シート
（１）の進行方向に複数条のエンドレステープ（５）が
走行自在に配設されている。すなわち、セパレータ側の
メインローラ（６）と印刷部側のフロントローラ（７）
にわたってエンドレステープ（５）が巻掛され、印刷機
のモータによって駆動されるメインローラ（６）によっ
て走行駆動されている。このエンドレステープ（５）に
よるシート送りテープ部は、フィーダボード（２）の大
半の領域をカバーしている。なお、符号（８）は、シー
ト（１）を挟圧して送り出す送り出しローラを示す。

【００１３】フィーダボード（２）のうち、セパレータ
側の一部の領域の下面にサクションボックス（９）が配
設されている。このサクションボックス（９）は、図示
しないバキュームポンプと連結された空気室であり、走
行するシート（１）の下面を負圧によって吸引する。ま
た、このサクションボックス（９）を被うようにして、
多数の吸引孔（１０）を有する搬送ベルト（１１）が走
行自在に配設されている。すなわち、セパレータ側のメ
インローラ（６）と、サクションボックス（９）の先方
のサブローラ（１２）との間に、多数の吸引孔（１０）
を有するか、又は多孔質のベルトから成る搬送ベルト
（１１）が巻掛され、サクションフィーダ部を形成し、
負圧により吸着されたシート（１）を進行させるのであ
る。

【００１４】エンドレステープ（５）にシート（１）を
押し当てるため、シート進行方向を横断して１本のみの
支持バー（１３）が横設され、この支持バー（１３）に
ハケ／コロ（１４）がエンドレステープ（５）の配置に
呼応して取り付けられてハケ／コロ支架体を構成してい
る。支持バー（１３）の両端は、スライド部材（１５）
を介してフレーム（１６）に移動調整可能に係合されて
おり、紙寸に応じてハケ／コロ（１４）の位置を一括調
整できる。

【００１５】フレーム（１６）の一端は、印刷部側のフ
ロントローラ（７）の近傍のヒンジピン（１７）を中心
に回動可能となっており、結局フレーム（１６）は、セ
パレータ側の枠部を持ち上げてハケ／コロ（１４）をフ
ィーダボード（２）面から離脱させることのできる片持
式である。

【００１６】本発明装置は、印刷部側に、紙寸調整の容
易なハケ／コロ支架体を用い、一方、セパレータ側に
は、紙寸にかかわらず吸引し続けるサクションフィーダ
部を設け、１組のみのハケ／コロ支架体が図２に示す最
小紙の場合から図３の最大紙の場合まで、進退調整され
るようにしたものである。すなわち、最小紙の場合、シ
ート（１）は、送り出しローラ（８）に挟圧されなが
ら、サクションフィーダ部によって吸着されて前進し、
ハケ／コロ（１４）及びエンドレステープ（５）に移っ
て前当（４）まで進行する。従って、ハケ／コロ（１
４）は１組のみで十分であり、また、シート（１）の前
端が前当（４）に当たる際に、サクションフィーダ方式
におけるような制御を必要としない。一方、図３に示す
最大紙の場合、１組のみのハケ／コロ（１４）は最大限
後退され、送り出しローラ（８）と、ハケ／コロ（１
４）及びエンドレステープ（５）によってシート（１）
が進行され、サクションフィーダ部による送りは補助的
なものとなる。

【００１７】

【発明の効果】本発明に係るシート給送装置にあって
は、サクションフィーダ部を用いるものの、吸引し続け
るのみであるから、制御及び構造は簡単で、コストは安
い。また、ハケ／コロ支架体は１組のみで済むので、紙
寸調整が極めて簡便であるばかりか、装置を簡易にでき
る。更に、シートの前端が前当に当たる際には、ハケ／
コロによってシートが押圧されているので、前当に当接
して後戻りしようとするシートを補正できて、見当精度
が良好である。加えて、不正紙の取出も、片持のフレー
ムを持ち上げるだけで済み、しかもこの際、正常なシー
トはサクションフィーダ部によって吸引固定されている
という有意義な効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るシート給送装置の一実施例を示す
平面図である。

【図２】本発明装置の概略側面図であって、シートが最
小紙寸の場合を示すものである。

【図３】同じく、最大紙寸の場合を示すものである。

【符号の説明】

１ シート ２ フィーダボード ３ セパレータ（部分） ４ 前当 ５ エンドレステープ ６ メインローラ ７ フロントローラ ８ 送り出しローラ ９ サクションボックス １０ 吸引孔 １１ 搬送ベルト １２ サブローラ １３ 支持バー １４ ハケ／コロ １５ スライド部材 １６ フレーム １７ ヒンジピン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 セパレータ（３）により、一部がうろこ
   状に重なり合ってフィーダボード（２）上に送り出され
   たシート（１）を印刷部に順次に整列供給するシート給
   送装置において、シート進行方向に関し、前記フィーダ
   ボード（２）の大半の領域をカバーするシート送りテー
   プ部と、該シート送りテープ部のうち、前記セパレータ
   側の一部の領域をカバーするサクションフィーダ部と、
   シート進行方向に関して進退調整可能な１組のみのハケ
   ／コロ支架体と、を有するシート給送装置。