JPH1030797A - 圧力容器 - Google Patents

圧力容器

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JPH1030797A
JPH1030797A JP8185797A JP18579796A JPH1030797A JP H1030797 A JPH1030797 A JP H1030797A JP 8185797 A JP8185797 A JP 8185797A JP 18579796 A JP18579796 A JP 18579796A JP H1030797 A JPH1030797 A JP H1030797A
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JP
Japan
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winding
inspection
frp
circuit
container
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JP8185797A
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Seigo Yamashita
清吾 山下
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ライナーの外面を繊維強化プラスチック(F
RP)で補強した圧力容器はFRP補強層が損傷すると
耐圧性能が低下し、危険であるので、補強層の損傷を簡
単にチェックできるようにすることである。 【解決手段】 ライナー1の外周に設けるFRP補強層
4に信号線5で形成される検査回路6を一体化させて含
ませる。この回路の信号線5がFRP補強層の損傷に伴
って断線するようにしておくと、回路6による信号伝送
の有無によって補強層4が健全であるか損傷したかを知
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、繊維強化プラス
チックによる補強を行って軽量化を図った圧力容器に関
する。詳しくは、容器の異常検査を短時間で簡単に行え
るようにした圧力容器である。
【0002】
【従来の技術】液化ガスなどの高圧ガスを充填する容器
は、一般に鋼製であり、耐圧容器であることからその肉
厚も厚い。従って、必然的に重量が大きくなり、取扱の
便が悪い。
【0003】この問題に対し、最近ではアルミやポリエ
チレン製の薄い容器状の殻(以下、ライナーと称する)
の外側を繊維強化プラスチック(以下FRPと称す)に
よって補強した軽量圧力容器が開発され、実用に供され
出している。FRPの補強層は、硬化性樹脂を含浸させ
た高強度、高弾性率のガラス繊維やアラミド繊維や炭素
繊維をライナーの表面にフィラメントワインティング技
術によって巻付けた後、樹脂を硬化させて作られる。
【0004】この種の圧力容器については、“強化プラ
スチック”VoL.39,No.9に「FRP圧力容器
開発をめぐる最近の動向」として紹介され、また、製造
方法として例えば、特開平1−105099号による提
案がある。
【0005】このFRP補強の圧力容器は、軍事用途で
多用されているほか、その軽量特性から呼吸器用空気ボ
ンベ、圧縮天然ガスを燃料とするいわゆる天然ガス自動
車用のガスボンベ等として民需用途にも採用され出して
いる。
【0006】この種の圧力容器は軽量で耐圧性能に優れ
ている反面、何らかの外力によってFRPの強化繊維が
切れたり、FRP内部に剥離が生じると、FRP補強層
の耐力が低下して容器の耐圧性能が低下する。従って、
安全確保の観点から、定期検査や破損が疑われる事態が
起きたときの検査が不可欠である。
【0007】FRPの一般的な非破壊検査方法として
は、目視検査、超音波探傷、X線探傷などが知られてい
るが、FRPで補強した圧力容器の損傷状況を簡単に検
査できる方法は、確立したものがまだ無い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】日本では高圧ガス取締
法に基づいて高圧ガス保安協会が「FRP複合容器再検
査基準KHK−S−016」を定め、目視による“すり
傷”“切り傷”“打ち傷”の検査、超音波探傷又は目視
による“層間剥離”の検査を行って耐圧検査を行うこと
になっているが、これは定期検査で行う検査であって、
圧力容器として現に使用している時に発生する損傷の度
合いを検出するものではない。
【0009】また目視検査は例え限度見本が設定されて
いても主観的判断となるため信頼性に疑問が残る。
【0010】この目視検査では、FRP補強層に外部か
ら視認できる構造破壊が生じていれば損傷の度合を知る
ことができるが、FRP補強層の内部が損傷したときに
はそれを確認できないことがある。FRPがガラス繊維
強化プラスチック(以下ガラスFRPと云う)であれ
ば、強い打撃等によってFRPにいわゆる「白化」が生
じるので、それを見て内部損傷を知ることができる。し
かし、アラミド繊維強化プラスチック(以下アラミドF
RPと云う)や炭素繊維強化プラスチック(以下炭素F
RPと云う)であると、「白化」を検出できない。白化
は硬化した樹脂のミクロクラックの集団であり、ガラス
FRPは透明乃至は半透明であるため、ミクロクラック
により光線が乱反射して白く不透明な状態になるが、ア
ラミドFRPは黄色、炭素FRPは黒色で元々不透明な
ため白化を見ることができない。FRPの表面が塗装さ
れているとなおさら白化の確認が難しく、ガラスFRP
でも確認ができないことがある。また、目視検査では見
落しも起こる。
【0011】一方、超音波探傷ではFRP内部の層間剥
離は判るが、繊維切断の検出が難しい。
【0012】また、X線探傷では、炭素FRPの内部欠
陥は判り易いが、ガラスFRPの内部欠陥検出が難し
く、アラミドFRPでも内部欠陥の検出はし難い傾向に
ある。また、X線探傷であるので技術的には探傷できな
いことはないが、構造物を短時間で簡単に検査できる方
法とは云い難い。
【0013】以上述べた従来の検査方法を用いると、
「白化」が生じない程度の軽微な打撃等を受けたとき
(このときにはFRPは損傷していない)にも、内部が
ダメージを受けたのではないかと心配して面倒な超音波
探傷やX線探傷を行うことになりかねない。これは無駄
なことである。
【0014】そこで、この発明は、FRPで補強した圧
力容器の損傷状況、損傷度合を簡単に検出できるように
して、検査に要する手間、時間を削減し、検査の信頼性
も高められるようにすることを課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、ライナーの外面を補強するF
RP補強層にその補強層の損傷に伴なって切断される信
号線を含ませ、この信号線を容器の各域に巡らせて信号
伝送の状態変化で異常を知る容器異常の検査回路を構成
したのである。
【0016】この圧力容器は、FRP補強層に、独立し
た検査回路を層中への埋設深さを変えて複数含ませてお
くと探傷の有無は勿論、損傷の度合も検知することがで
きる。
【0017】また、使用する信号線はエナメル線や光フ
ァイバが好ましい。
【0018】なお、この発明の圧力容器は、天然ガス自
動車用の燃料ボンベ(ガスボンベ)として用いると特に
大きな効果を期待できる。
【0019】FRPで補強した軽量圧力容器を自動車の
燃料ボンベとして使用する場合には、いつでも安全チェ
ックが簡単に正確にできるようにしておくことが望まれ
る。
【0020】この発明の圧力容器で燃料ボンベを形成
し、容器の検査回路を信号源と運転席のフロントパネル
に設ける表示盤とに接続し、前記信号源から検査回路に
流した信号の伝送状態の変化が前記表示盤に表示される
ようにしておくと、上記の要求に応えられる。
【0021】
【作用】圧力容器に衝撃や打撃が加わってライナー外面
のFRP補強層がダメージを受けると、損傷部に配置さ
れた信号線が切れて検査回路による信号伝送が遮断され
る。それによってFRP補強層が損傷したことが判る。
【0022】また、複数の検査回路をFRP補強層内に
深さ位置を変えて埋設しておくと、信号伝送が途絶えた
回路がいくつあるか、どの位置の回路であるかで損傷の
度合も知ることができる。
【0023】この圧力容器は、電源、光源等の信号源か
ら検査回路に信号を流して回路断線の有無を調べるだけ
で異常の有無や度合が判るので、検査が簡単になり、そ
の検査に要する手間、時間を削減できる。容器の検査は
随時検査、常時検査のどちらで行ってもよい。例えば、
この発明の圧力容器を採用した天然ガス自動車用燃料ボ
ンベ装置は常時検査が行えるもの(必要時にだけ信号を
流して検査することも勿論可能)であって、燃料ボンベ
に異常が生じて検査回路が断線するとフロントパネルの
表示盤に異常表示がなされる。従って、異常に対する対
応を早いうちに行え、危険回避に役立つ。
【0024】なお、検査回路を構成する信号線は、FR
P補強層の損傷に伴って切断されるものでなければなら
ない。また、信号として電流を流す場合には短絡防止の
ために絶縁された線でなければならない。さらに、容器
重量を極力増加させない線が好ましい。これ等を考える
と、電流を流す信号線は巻線(マグネットワイヤ)が適
当である。この巻線には、導体表面にエナメル樹脂を焼
付けたエナメル線とガラス糸やプラスチックテープなど
の絶縁材を横巻きした横巻き線があるが、線径の細いエ
ナメル線が特に適している。
【0025】信号線が光ファイバであるのも好ましい。
エナメル線等の電線は半分切れかかっていても完全に切
れていなければ電流が流れるので単一回路による検査で
は異常の度合までは判らない。これに対し、光ファイバ
なら切れ具合(断面積変化)に応じて伝送光の強度が変
化するので、単一回路による検査で異常の度合もある程
度判る。また、光ファイバについては、障害点の探索、
伝送損失などを能率よく測定できる測定器が市販されて
おり、そのような測定器で検査を行えば、異常発生点も
特定できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の圧力容器の実
施形態を示す。図1は、フープラップ容器への適用例で
ある。フープラップ容器は、図1(a)に示すように、
ライナー1の円筒部1a外周にライナー軸に対してほぼ
90°の角度で強化繊維を巻き付けて(これをフープ巻
きと称している)補強を行うものである。鏡板部1bの
強度はライナーだけで保持する構造であり、フープラッ
プ容器ではライナーは鉄或いはアルミで作られることが
多い。
【0027】フープ巻きは、複数本のロービング(モノ
フィラメントを数百本単位で集束したもの)で繊維束を
形成し、これに樹脂を含浸して巻き付けるフィラメント
ワインディング技術である。
【0028】樹脂含浸繊維束を円筒部1aの端から端ま
で隙間なく巻き付けると一般に云う1層のフープ巻き繊
維層2(図1(c)参照)ができ、フープ巻きを1往復
する(これを1プライと云う)と2層の繊維層が形成さ
れる。巻き付け時の繊維束の幅は使用するロービング本
数で異なるが、一般には幅が3mmから40mmとなる
範囲でロービング本数を決定している。この場合、1層
の厚みは大体0.1mm程度となる。フープ巻きを何層
形成するかはライナーの厚みと全体の耐圧設計によって
決定される。
【0029】図2は、フルラップ容器である。このフル
ラップ容器は図2(a)に示すように、ライナー1に樹
脂含浸繊維束を、ライナー軸に対してある角度を持って
巻き付けていくもので、ヘリカル巻きと言われる。ライ
ナー表面を繊維束が完全にカバーするためには当然何往
復か巻き付けする必要があり、ライナー表面が完全にカ
バーされると1プライの巻き付けが終了したとする。何
往復の巻き付けで1プライとなるかは、巻き付け角度と
繊維束の幅で決まり、最適巻き付け設計では、巻き付け
角度を決定した後、整数回の往復巻き付けで1プライが
形成されるように繊維束幅で調整する。
【0030】ヘリカル巻きでは1プライのヘリカル巻き
繊維層3がフープ巻きの2層に相当し、基本的にはフー
プ巻き1プライと同じ厚さ(ほぼ0.2mm)となる
が、フープ巻きのように1層(1/2プライ)のみとす
ることは出来ない。
【0031】圧力容器として、ヘリカル巻きを何プライ
とするかはライナー肉厚と耐圧設計によって異なるが、
一般論として円筒部の耐圧強度を基準としてヘリカル巻
き設計をすると両端の鏡板部分が厚肉となり安全設計に
なりすぎて軽量化効果が出てこないので、ヘリカル巻き
だけの補強圧力容器は殆どない。ヘリカル巻きの代わり
にインプレーン巻きを採ることもあるが、ここではイン
プレーン巻きの詳細説明は省略する。
【0032】図3もやはりフルラップ容器であるが、こ
れは<ヘリカル巻き+フープ巻き>でライナー1を補強
する構造であって、両端の鏡板部1bも含めてライナー
1の全体をヘリカル巻き繊維層3で補強し、次いでライ
ナー円筒部1aをフープ巻き繊維層2で更に補強する。
従って、ライナー1は気密保持のできる層であれば薄い
ものでもよく、材質も問わず、極めて軽量な圧力容器が
得られる構造である。
【0033】以上は、図1〜図3の圧力容器の基本構成
を説明したものであって、周知事項である。即ち、この
発明は、図1〜図3の(b)及び(c)に示すように、
これ等の容器のFRP補強層4に信号線5で構成される
検査回路6を含ませたところにその特徴がある。
【0034】信号線5は、FRP補強層4の樹脂が硬化
した後に配置することも考えられるが、これは信号線5
を補強層4に接着する工程が必要であり、容器製造の効
率が悪くなる。
【0035】圧力容器を塗装する場合に塗装膜上に信号
線を配置する構造も同様である。また、この構造は、塗
膜だけが傷付いたとき(FRPは健在)に信号線が切れ
る恐れもある。
【0036】これに対し、FRP補強層4の樹脂が硬化
する前に信号線5を配置すれば、未硬化樹脂による接着
が行われ、しかもFRPの樹脂中に信号線が埋没するの
で、信号線5を効率良く安定した状態にFRP補強層4
に一体化させることができる。
【0037】この信号線5は、最外周の繊維層を巻くと
き、樹脂含浸繊維束に1本の信号線を縦添えし、これを
樹脂含浸繊維束と一緒に巻くこともできるが、この方法
を採ると信号線を縦添えするときに巻き付け装置を一旦
止める必要があり、生産性に影響する。これに対し、繊
維の巻き付けを最後まで行い、その後、樹脂が硬化する
前に単独でヘリカル巻きで巻き付けると繊維の巻き付け
を途中で止めずに済む。信号線の巻き付けは人手で行う
こともできるが、巻き付け張力、巻き付けパターンの均
一化面では、勿論巻き付け装置を用いた方が好ましい。
【0038】この信号線を用いた検査回路6は、FRP
補強層のどこにダメージが加わるかは予測できないの
で、補強層の全域に巡らせておくのがよい。そのため
に、信号線を密にフープ巻き、或いは密にヘリカル巻き
するのは、容器の軽量化効果を薄れさせ、巻き付け時間
も長くなるので好ましくない。
【0039】適当な間隔をあけてヘリカル巻きを一往復
させて出来る菱形網目パターンの回路が好ましい。この
際の巻き付け角度は約60°、巻き付けピッチは約25
mmが適当であるが、これに限定されるものではない。
【0040】図1乃至図3の(b)図の圧力容器は、い
ずれも、信号線5のヘリカル巻きを一往復させて検査回
路6を構成している。このパターンでは行きのヘリカル
巻き線と戻りのヘリカル巻き線が交差部で接触するの
で、使用する線が導電線なら絶縁された線を用いる。
【0041】なお、信号線5は、少なくとも1組の予備
回路ができるように、数本を一括して巻くのが好まし
い。容器の製造工程で信号線のどれかが断線しても健全
な予備回路があれば、それを使用して異常検査を行える
ので、製品の不良発生率が下がる。
【0042】また、この信号線5は、FRPの損傷に伴
って断線するものでなければならない。加えて容器使用
時のヒートサイクルによる断線は防止されるものでなけ
ればならない。エナメル線や光ファイバであればその要
求を満たせる。
【0043】この信号線の選定に当って以下の実験を行
った。40cm*40cm*長さ1.2m、肉厚5mm
のガラスFRP製鉛蓄電池用電槽を試作した。この電槽
は、重さ1kgの鋼球を50cmの高さから落下させた
ときには白化が起こらず、70cmの高さから落下させ
たときには白化が生じるものである。この試作電槽に導
体径の異なる約50cm長さのエナメル線を適当な間隔
でテープ止めし、1kgの鋼球を50cmと70cmの
高さから落下させ、汎用テスタで落下後の導通を確認し
た。この結果、導体径が0.30mm以下のエナメル線
であれば、FRPに白化が生じるときに確実に断線する
ことが判明した。なお、この線径はあくまでも参考に過
ぎない。圧力容器の耐圧設計値、ライナー強度、使用す
る線の種類、容器の使用条件等を考慮して、それぞれの
容器に合った適正な線径を選ぶ必要がある。もし、最適
な強度をもつエナメル線や光ファイバがなければ、強
度、耐衝撃性が低目の線を選んでその外周にクッション
性のある保護膜を設け、その膜によって全体の強度、耐
衝撃性を調整するのも一法である。
【0044】以上のように構成した圧力容器は、使用中
にFRP補強層の損傷が疑われる事態が生じたら、検査
回路の端末で信号伝送の有無を検査し、その有無により
FRP補強層が損傷したか否かを判断する。
【0045】ここで、図1〜図3(各図とも(c)を参
照)のように、最外周の繊維層上に検査回路6を設ける
と、その回路の信号伝送遮断によってFRP補強層4が
損傷したことは判るが、損傷の度合までは判らないの
で、損傷発生確認後に超音波探傷やX線探傷を行って容
器の補修が可能かどうかを調べる。
【0046】超音波探傷やX線探傷による精密検査は、
時間と手間がかかるのでなるべく行わずに済むようにし
たい。図4、図5はその要求に応える構造である。
【0047】FRPで補強された軽量圧力容器は使用圧
力に対して2.5倍とか3.0倍の安全率が要求されて
いる。この要求を満たすために設計肉厚(厳密な意味で
例えば、設計肉厚が5mmに対して、フィラメントワイ
ンディングで肉厚を5mmにコントロールすることは出
来ず、5.2mmとか5.3mmとなる。従って規定さ
れる安全率に対して少し大きめの安全率となる)の上に
もう1層安全余裕層を設ける考え方があるが、コスト及
び重量増の点でこの考え方は通常採られていない。従っ
て、最外周層の繊維が一部分にせよ完全に切れると規定
の安全率を満たすことが出来ず、また切断された繊維を
つないで修理することも出来ない為、このような軽量圧
力容器は使用不能となる。
【0048】そこで、図4は、図1のフープラップ容器
において、外側から数えて3番目と2番目のフープ巻き
繊維層2a、2b間、2番目と1番目のフープ巻き繊維
層2b、2c間及び最外周(1番目)のフープ巻き繊維
層2c上にそれぞれ検査回路6-1、6-2、6-3を形成し
ている。
【0049】この構造であれば、回路6-1〜6-3が正常
なときはFRP補強層は健全であると判断できる。ま
た、回路6-3に異常があり、6-1、6-2が正常なら補強
層の損傷はごく表面のみで容器の補修が可能と判断で
き、さらに、回路6-1が異常なら容器は再使用不能のダ
メージを受けていると判る。さらに、回路6-1は正常で
-2と6-3が異常なら最外周のフープ巻き繊維層2cに
ダメージが加わっており、このときには超音波探傷やX
線探傷で詳しい検査を行って最終的な判断を下すことに
なる。
【0050】図5は、図2のフルラップ容器に対して、
最後の1プライのヘリカル巻きを行う前に信号線5をヘ
リカル巻きして検査回路6-4を形成し、その上に最終ヘ
リカル巻き繊維層3nを1プライ巻いてその層3n上に
検査回路6-5を形成している。
【0051】この場合、回路6-4に異常があれば容器は
ダメージが大きくて再使用不能、回路6-5だけが異常な
らダメージは比較的軽く、最終判断を下すための超音波
探傷やX線探傷が必要と判断できる。
【0052】図3の構造のフルラップ容器は、ヘリカル
巻き繊維層上にフープ巻き繊維層を設けるので、図4と
同様の構造にして同様の検査を行うことができる。
【0053】次に、この発明の天然ガス自動車用燃料ボ
ンベ装置について述べる。天然ガス自動車は、200k
g/cm2 に加圧された天然ガスをボンベに充填して走
行している。ボンベは、軽量化のためFRPで補強され
た耐圧容器であり、圧力計、緊急遮断弁、送止弁、安全
弁などが装備されているが、ボンベ自体の異常を検知し
て知らせるシステムは存在しない。
【0054】この発明では、前述の検査回路を設けた圧
力容器を燃料ガス用のボンベとして使用し、この容器の
検査回路を信号源と自動車の運転席のフロントパネルに
設ける表示盤に接続する。表示盤は、信号伝送の有無が
判るだけの簡単なものでよい。このようにしておけば、
不幸にして装置搭載車が事故を起こし、ボンベの損傷が
疑われるとき、ボンベ損傷の有無や度合を表示盤を見て
知ることができる。外観上は異常が無くても、FRP補
強層がダメージを受けて容器が危険な状態になっている
ことは有り得ることであって、それが判らないと非常に
危険である。事故車が走行可能であればそのまま車を走
らせてボンベ爆発による二次災害を引き起こすことにな
りかねない。この発明の燃料ボンベ装置を用いれば、ボ
ンベの損傷が即座に判るので、危険であれば残存ガスを
放出して二次災害を未然に防止でき、安全確保に関して
大きな効果を発揮する。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の圧力容器
は、FRP補強層に信号線で構成される検査回路を含ま
せ、その回路の断線の有無で容器損傷の有無を検知する
ようにしたので、容器の安全チェックを定期検査時は勿
論、それ以外の時にも簡単に迅速に行うことができ、ま
た、これにより時間のかかる超音波探傷、X線探傷等も
必要最小限に回数を減らすことができ、保安面で極めて
有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)フープラップ圧力容器の概念図 (b)同上の容器に検査回路を加えた図 (c)検査回路設置部の拡大断面図
【図2】(a)フルラップ圧力容器の概念図 (b)同上の容器に検査回路を加えた図 (c)検査回路設置部の拡大断面図
【図3】(a)ヘリカル巻きとフープ巻きを併用したフ
ルラップ圧力容器の概念図 (b)同上の容器に検査回路を加えた図 (c)検査回路設置部の拡大断面図
【図4】フープラップ容器に検査回路を埋設深さを変え
て複数設けた状態の拡大断面図
【図5】ヘリカル巻きのフルラップ容器に検査回路を埋
設深さを変えて複数設けた状態の拡大断面図
【符号の説明】
1 ライナー 1a 円筒部 1b 鏡板部 2、2a〜2c フープ巻き繊維層 3、3n ヘリカル巻き繊維層 4 FRP補強層 5 信号線 6、6-1〜6-5 検査回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ライナーの外面を繊維強化プラスチック
    の補強層で補強した圧力容器であって、前記補強層にそ
    の補強層の損傷に伴なって切断される信号線を含ませ、
    この信号線を容器の各域に巡らせて信号伝送の状態変化
    で異常を知る容器異常の検査回路を構成してある圧力容
    器。
  2. 【請求項2】 前記補強層に、独立した検査回路を層中
    への埋設深さを変えて複数含ませてある請求項1記載の
    圧力容器。
  3. 【請求項3】 前記信号線としてエナメル線又は光ファ
    イバを用いた請求項1又は2記載の圧力容器。
  4. 【請求項4】 天然ガス自動車の燃料ボンベを請求項
    1、2又は3記載の圧力容器で形成し、その容器の検査
    回路を信号源と運転席のフロントパネルに設ける表示盤
    とに接続し、前記信号源から検査回路に流した信号の伝
    送状態の変化が前記表示盤に表示されるようにしてある
    天然ガス自動車用燃料ボンベ装置。
JP8185797A 1996-07-16 1996-07-16 圧力容器 Pending JPH1030797A (ja)

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