JPH10307109A - 錠剤の外観検査方法と錠剤の外観検査装置 - Google Patents

錠剤の外観検査方法と錠剤の外観検査装置

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JPH10307109A
JPH10307109A JP11678597A JP11678597A JPH10307109A JP H10307109 A JPH10307109 A JP H10307109A JP 11678597 A JP11678597 A JP 11678597A JP 11678597 A JP11678597 A JP 11678597A JP H10307109 A JPH10307109 A JP H10307109A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工場内の製造ラインにおける錠剤の外観検査
に適した2値化基準画像を作成することができる錠剤の
外観検査方法と錠剤の外観検査装置を提供すること。 【解決手段】 検査対象の錠剤の1次元イメージデータ
を予め複数CCDカメラで取得するとともに、グラフィ
クメモリに書き込む(S1〜S3)。そして、各1次元
イメージデータの濃淡値を画素毎に比較して得られた最
大濃淡値を、グラフィクメモリに濃淡画像として記憶す
る(S4)。かかる濃淡画像を背景除去(S5)した後
に膨張(S6)させることによって、2値化基準画像を
作成する。さらに、2値化基準画像を平滑化する(S
7)。かかる2値化基準画像は、検査対象である錠剤の
1次元イメージデータを2値化処理する際に使用される
しきい値の相対的な基準となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、錠剤の外観を検査
する錠剤の外観検査方法と錠剤の外観検査装置に関し、
特に、入力画像を2値化処理する際に使用するしきい値
の、相対的な基準となる2値化基準画像の作成に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ブリスタシートのポケット部に充
填された錠剤の外観検査では、ポケット部に錠剤が充填
されたブリスタシート全体の入力画像を2値化処理した
2値画像に対し種々の画像処理を行うことによって、か
かる錠剤の外観検査を行っていた。従って、照明むらや
撮像装置などの不均一な特性によって、濃淡が均一な対
象を撮像しても入力画像が不均一となるシェーディング
現象が起きている場合には、上述した2値化処理などの
一連の検査手順に悪影響が及ぶので、ブリスタシートの
ポケット部に充填された錠剤の外観を正しく検査するこ
とができない。
【0003】通常、ブリスタシートのポケット部に充填
された錠剤の外観検査では、ポケット部に錠剤が充填さ
れたブリスタシート全体を均一に照明することは困難で
あるから、照明むらなどによるシェーディング現象は避
けることができない。そこで、シェーディング現象を含
んだ入力画像を補正する必要があり、例えば、特開平6
−319042号公報に記載された画像処理装置では、
表面が均質で無彩色の校正板を撮像することによって得
られた濃淡値を基にして、各画素に対応したシェーディ
ング補正値を算出し、かかるシェーディング補正値を入
力画像の濃淡値に乗算することによって、シェーディン
グ現象を含んだ入力画像を画素毎に補正していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た画像処理装置で行っているシェーディングの補正方法
では、検査対象の錠剤とは異なる校正板を別途用意して
撮像装置で撮像しなくてはならず、作業的に手数のかか
るものであった。また、シェーディング補正値を算出す
るために撮像された校正板の表面は平面形状である一
方、検査対象となる錠剤の表面は立体的な曲面形状であ
り、校正板の撮像と錠剤の撮像とでは光学的な環境は実
質的に異なるものであるから、校正板を撮像することに
よって得られた濃淡値を用いても、錠剤の撮像に適した
シェーディング補正値が算出できないおそれがあった。
【0005】そこで、2値化処理などの一連の検査手順
に悪影響を及ぼさないようにするためには、従来技術の
ように、2値化処理などを行う前段階において、シェー
ディング現象を含んだ入力画像をシェーディング補正値
で補正するのではなく、シェーディング現象を含んだ入
力画像を平均処理して得られた2値化基準画像に、バイ
アスを加えたものを各画素のしきい値とする浮動しきい
値処理をもって、シェーディング現象を含んだ入力画像
そのものを2値化処理することが考えられる。
【0006】このような浮動しきい値処理は、校正板を
別途用意して撮像装置で撮像する必要がないので、作業
的に手数のかかるものではない。また、背景の濃淡値が
一定でない入力画像の中の小粒子を検出するのに適して
いるので、シェーディング現象を含んだ入力画像を補正
しなくても正しく2値化処理することができる。
【0007】しかし、上述した浮動しきい値処理は、無
地の紙などの外観検査には適しているものの、工場内の
製造ラインにおける錠剤の外観検査では、例えば、ブリ
スタシートのポケット部内の錠剤はその位置や姿勢など
がばらつき、また、入力画像を1次元カメラで取り込ん
で検査する場合には、検査対象の錠剤とその背景の境界
が順次撮像される入力画像で変化するので、シェーディ
ング現象を含んだ1つの入力画像を単に平均処理した2
値化基準画像では、工場内の製造ラインにおける錠剤の
外観検査における錠剤の外観検査に対応することができ
ない。すなわち、このような点が考慮された2値化基準
画像を作成する必要がある。
【0008】そこで、本発明は、上述した問題点を解決
するためになされたものであり、工場内の製造ラインに
おける錠剤の外観検査に適した2値化基準画像を作成す
ることができる錠剤の外観検査方法と錠剤の外観検査装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に成された求項1に係る錠剤の外観検査方法は、2値化
基準画像に基づいて、検査対象の錠剤の入力画像を2値
化処理することにより、錠剤の外観を検査する錠剤の外
観検査方法であって、予め複数取得した検査対象の錠剤
の入力画像から前記2値化基準画像を作成することを特
徴とする。
【0010】また、請求項2に係る錠剤の外観検査方法
は、2値化基準画像に基づいて、検査対象の錠剤の入力
画像を2値化処理することにより、錠剤の外観を検査す
る錠剤の外観検査方法であって、検査対象の錠剤の入力
画像を予め複数取得するとともに、各入力画像の濃淡値
を画素毎に比較して得られた極限濃淡値を濃淡画像記憶
手段に記憶し、前記濃淡画像記憶手段に記憶された濃淡
画像を膨張させることにより、前記2値化基準画像を作
成することを特徴とする。
【0011】また、請求項3に係る錠剤の外観検査方法
は、請求項1又は請求項2に記載する錠剤の外観検査方
法であって、前記2値化基準画像を平滑化することを特
徴とする。また、請求項4に係る錠剤の外観検査方法
は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載する錠
剤の外観検査方法であって、搬送中のブリスタシートの
ポケット部に充填された錠剤の外観をブリスタシート包
装機内で検査することを特徴とする。
【0012】また、請求項5に係る錠剤の外観検査方法
は、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載する錠
剤の外観検査方法であって、搬送中のブリスタシートの
シート部の外観をブリスタシート包装機内で検査するこ
とを特徴とする。また、請求項6に係る錠剤の外観検査
装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載す
る錠剤の外観検査方法を実施することを特徴とする。
【0013】このような構成を有する本発明の錠剤の外
観検査方法と錠剤の外観検査装置では、先ず、検査対象
の錠剤が撮像された複数の入力画像を、シェーディング
補正することなく取得する。そして、各入力画像におい
て対応する画素の濃淡値を比較して極限濃淡値を画素毎
に算出し、かかる極限濃淡値を濃淡画像記憶手段におい
て対応する画素に記憶し、濃淡画像を作成する。ここ
で、極限濃淡値とは最大濃淡値又は最小濃淡値をいう。
【0014】これにより、例えば、極限濃淡値が最大濃
淡値である場合に、淡いほど濃淡値が大きくなる条件の
下では、ある入力画像に撮像された錠剤の白い表面に黒
い異物が万が一付着していて、かかる異物に対応する画
素の濃淡値が小さな値になっていても、他の入力画像で
は錠剤の白い表面が撮像され、かかる異物に対応する画
素の濃淡値は大きな値になっていることから、極限濃淡
値として最大濃淡値を取ることによって、かかる異物は
濃淡画像において無視することができる。また、極限濃
淡値が最小濃淡値である場合に、淡いほど濃淡値が小さ
くなる条件の下でも、極限濃淡値として最小濃淡値を取
ることによって、かかる異物を濃淡画像で無視すること
ができる。
【0015】また、これとは逆に、極限濃淡値が最大濃
淡値である場合に、濃いほど濃淡値が大きくなる条件の
下では、ある入力画像に撮像された錠剤の黒い表面に白
い異物が万が一付着していて、かかる異物に対応する画
素の濃淡値が小さな値になっていても、他の入力画像で
は錠剤の黒い表面が撮像され、かかる異物に対応する画
素の濃淡値は大きな値になっていることから、極限濃淡
値として最大濃淡値を取ることによって、かかる異物は
濃淡画像において無視することができる。また、極限濃
淡値が最小濃淡値である場合に、濃いほど濃淡値が小さ
くなる条件の下でも、極限濃淡値として最小濃淡値を取
ることによって、かかる異物を濃淡画像で無視すること
ができる。
【0016】このように、複数取得した入力画像間の同
一画素から算出した極限濃淡値を持つ濃淡画像は、背景
除去された後に膨張されることによって、2値化基準画
像になる。濃淡画像に対する背景除去は、検査対象であ
る錠剤の背景を取り除くために行われる。これにより、
背景除去された濃淡画像では、特定領域の濃淡値をもっ
て、検査対象である錠剤に対応する各画素が互いに連結
した連結領域が明確に形成される。
【0017】例えば、極限濃淡値が最大濃淡値である場
合に、淡いほど濃淡値が大きくなる条件の下において、
検査対象が白い表面をもつ錠剤であるときは、特定値未
満の濃淡値を除去値にする背景除去によって、検査対象
である錠剤の背景を取り除くことができる。これによ
り、背景除去された濃淡画像では、特定値以上の濃淡値
をもって、検査対象である錠剤に対応する各画素が互い
に連結した連結領域が明確に形成される。また、極限濃
淡値が最小濃淡値である場合に、淡いほど濃淡値が小さ
くなる条件の下においても、特定値以上の濃淡値を除去
値にする背景除去によって、検査対象である錠剤の背景
を取り除くことができる。これにより、背景除去された
濃淡画像では、特定値未満の濃淡値をもって、検査対象
である錠剤に対応する各画素が互いに連結した連結領域
が明確に形成される。
【0018】また、これとは逆に、極限濃淡値が最大濃
淡値である場合に、濃いほど濃淡値が大きくなる条件の
下において、検査対象が黒い表面をもつ錠剤であるとき
は、特定値未満の濃淡値を除去値にする背景除去によっ
て、検査対象である錠剤の背景を取り除くことができ
る。これにより、背景除去された濃淡画像では、特定値
以上の濃淡値をもって、検査対象である錠剤に対応する
各画素が互いに連結した連結領域が明確に形成される。
また、極限濃淡値が最小濃淡値である場合に、濃いほど
濃淡値が小さくなる条件の下においても、特定値以上の
濃淡値を除去値にする背景除去によって、検査対象であ
る錠剤の背景を取り除くことができる。これにより、背
景除去された濃淡画像では、特定値未満の濃淡値をもっ
て、検査対象である錠剤に対応する各画素が互いに連結
した連結領域が明確に形成される。
【0019】また、背景除去された濃淡画像に対する膨
張は、かかる膨張によって得られる2値化基準画像にお
いて、検査対象である錠剤に対応する連結領域を拡大さ
せるために行う。かかる膨張は、例えば、連結領域の濃
淡値の平均値、最大値、最小値などをかかる連結領域の
周囲の画素に記憶させたり、連結領域の各濃淡値を種々
の演算処理して得られた値をかかる連結領域の周囲の画
素に記憶させる等の方法で行われる。
【0020】さらに、上述したように作成された2値化
基準画像は平滑化される。これは、2値化基準画像を作
成するために予め取得された複数の入力画像には、大局
的な性質をもつシェーディング現象以外の何らかの原因
によって、濃淡値のバラツキ(小局的な性質のもの)が
発生しているので、かかる原因の影響を抑制するため
に、行われるものである。
【0021】また、1つの入力画像に複数の検査対象で
ある錠剤が撮像されている場合には、平滑化の各演算に
おいて対象となる画素の範囲を広くとることによって、
複数の検査対象である錠剤に対応する各連結領域を一つ
に連ねるとともに、一つに連なった連結領域で2値化基
準画像の大部分を占めることができる。このとき、背景
除去された画素に対応した除去値を除外して平滑化の演
算を行えば、一つに連なる前の各連結領域の間において
エッジが生じることがない。その結果、入力画像が二次
元であるときは、2値化基準画像の濃淡値によって形成
される面は緩やかな曲面となり、入力画像が一次元であ
るときは、2値化基準画像の濃淡値によって形成される
線は緩やかな曲線となる。これは、いずれの場合におい
ても、大局的な性質をもつシェーディング現象が2値化
基準画像に含まれていることを意味する。
【0022】そして、このように作成された2値化基準
画像を基にして、検査対象である錠剤の入力画像を2値
化処理することにより、検査対象である錠剤の外観を検
査する。このとき、2値化基準画像と入力画像の両者に
は、光学的に同一の環境のシェーディング現象が含まれ
ているので、かかるシェーディング現象は入力画像の2
値化処理によって相殺され、2値化処理などの一連の検
査手順に悪影響が及ぶことはない。
【0023】尚、2値化処理する際に使用するしきい値
は、2値化基準画像から種々の方法で決定することが考
えられるが、例えば、2値化基準画像にバイアスを加え
たものを各画素のしきい値としてもよいし、2値化基準
画像の領域ごとに自動的にしきい値を決定してもよい
し、2値化基準画像の濃淡値の出現頻度を表すヒストグ
ラムからしきい値を一律に決定してもよい。
【0024】すなわち、本発明の錠剤の外観検査方法と
錠剤の外観検査装置では、2値化基準画像を作成する際
に、検査対象である錠剤の背景を取り除くとともに、検
査対象である錠剤に対応する連結領域を拡大させてお
り、検査対象である錠剤の位置などが多少ばらついて
も、かかる2値化基準画像を基にして決定されるしきい
値で、検査対象である錠剤の入力画像を正しく2値化処
理することが可能となるので、もって、錠剤の外観検査
に適した2値化基準画像を作成することができる。
【0025】特に、ブリスタシート包装機内のブリスタ
シートはその幅方向に多少左右しながら搬送されてお
り、ブリスタシートのポケット部に充填された錠剤の位
置や姿勢も多少ばらつくので、ブリスタシート包装機内
で搬送中のブリスタシートのポケット部に充填された錠
剤の外観を検査する場合に大変に有効である。
【0026】また、2値化基準画像を平滑化すれば、大
局的な性質をもつシェーディング現象以外の何らかの原
因による濃淡値のバラツキ(小局的な性質のもの)を、
2値化基準画像において抑制することができる。また、
1つの入力画像に複数の検査対象である錠剤を撮像する
場合には、各平滑化の演算の対象となる画素の範囲を広
くとれば、各検査対象の錠剤に対応する連結領域が一つ
に連結して2値化基準画像の大部分を占めるようになっ
て、検査対象である錠剤の位置などが大胆にばらついて
も、検査対象である錠剤の入力画像を正しく2値化処理
することが可能となるので、もって、工場内の製造ライ
ンにおける錠剤の外観検査に適した2値化基準画像を作
成することができる。
【0027】また、予め取得した各入力画像のうち少な
くとも一つの入力画像に検査対象である錠剤が映し出さ
れていれば、それに対応する2値化基準画像の画素には
特定領域の濃淡値が必ず記憶されるから、入力画像を1
次元カメラで取り込んで検査する場合において、検査対
象である錠剤とその背景の境界が順次撮像される入力画
像で変化しても、2値化基準画像を基にして決定される
しきい値で、かかる入力画像を正しく2値化処理するこ
とが可能となるので、もって、工場内の製造ラインにお
ける錠剤の外観検査に適した2値化基準画像を作成する
ことができる。
【0028】また、濃淡画像に対する背景除去を、検査
対象である錠剤を取り除くために行えば、検査対象であ
る錠剤の背景の外観を新たな検査対象にすることができ
る。これにより、ブリスタシート包装機内で搬送中のブ
リスタシートのシート部の外観を検査することが可能と
なり、ブリスタシートのポケット部に充填された錠剤の
外観と同時進行的に検査することも可能となる。
【0029】また、従来技術の校正板を用いたシェーデ
ィング補正では、校正板と検査対象である錠剤の色や材
質の違いから生じる影響を回避することができないが、
本発明の錠剤の外観検査方法と錠剤の外観検査装置で
は、検査対象である錠剤の入力画像から2値化基準画像
を作成しており、2値化基準画像と入力画像の両者に
は、光学的に同一の環境のシェーディング現象が含まれ
ているので、かかるシェーディング現象は入力画像の2
値化処理によって相殺されてしまい、錠剤の色や材質の
違いから生じる影響が関与する余地はない。
【0030】また、校正板を別途用意して撮像装置で撮
像する必要がないので、作業的に手数のかかるものでは
ない。また、背景の濃淡値が一定でない入力画像の中の
小粒子を検出するのに適しているので、シェーディング
現象を含んだ入力画像を補正しなくても正しく2値化処
理することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照にして説明する。本実施の形態では、図2に示す
ように、錠剤の外観検査装置である外観検査装置10を
ブリスタシート包装機30に装備することよって、ブリ
スタシート包装機30内で錠剤の外観検査方法を実施し
ている。かかる錠剤の外観検査方法は、検査対象の錠剤
の入力画像である1次元イメージデータを2値化処理す
ることによって行われるが、ここでは、かかる2値化処
理の際に使用されるしきい値の相対的基準となる、2値
化基準画像の作成について説明する。尚、検査対象の錠
剤の表面は白いものとする。
【0032】まず、錠剤の外観検査方法が実施されるブ
リスタシート包装機30について、簡単に説明する。ブ
リスタシート包装機30は、錠剤などをブリスタシート
に自動的に包装するものである。具体的には、まず、P
P、PVCなどの容器フィルム40を、フィルム送りロ
ール33とテンションロール31、32で、加熱板50
と成形板51に送り込み、錠剤などが充填されるポケッ
ト部44(図3参照)を容器フィルム40に成形する。
そして、容器フィルム40にポケット部44(図3参
照)が成形されたもの41が、錠剤投入シャッター52
の下にまで送られてくると、錠剤投入シャッター52が
各ポケット部44(図3参照)に錠剤などを自動的に充
填する 。
【0033】さらに、各ポケット部44(図3参照)に
錠剤1が充填された容器フィルム41の上に、アルミ製
の蓋フィルム42をテンションロール34、35を介し
て送り込み、一対のシールロール36で固着させる。こ
れによって、錠剤1が各ポケット部44に充填された
(図3参照)、フィルム状のブリスタシート43が製造
される。かかるフィルム状のブリスタシート43はシー
ト状に裁断された後に、図示しない不良シート排出機構
やブリスタシート集積機構などへ順に送られる。
【0034】次に、錠剤の外観検査方法を実施する外観
検査装置10について、図4のブロック図を用いて説明
する。外観検査装置10は、A/D変換器13、第1コ
ンパレータ14A、第2コンパレータ14B、第1画像
メモリ16A、第2画像メモリ16B、第1シェーディ
ング補正テーブル18A、第2シェーディング補正テー
ブル18B、CPU20、判定用メモリ22、入出力イ
ンターフェース23、カメラタイミング制御手段26、
グラフィックメモリ27などから構成される。
【0035】A/D変換器13は、CCDカメラ11で
撮像した1次元イメージデータを、アナログ信号からデ
ジタル信号に変換するものである。ここでは、淡いほど
濃淡値が大きくなるように変換される。従って、白い表
面の錠剤を映し出した画素の濃淡値は大きな値となる。
また、CCDカメラ11について説明すると、図3に示
すように、照明12の光13でブリスタシート43を照
らし、ブリスタシート43をその幅方向に1次元撮像す
るものである。したがって、ブリスタシート43のシー
ト部45、その幅方向に1列に成形された複数のポケッ
ト部44及び、各ポケット部44に充填された錠剤1を
同時に撮像することができる。
【0036】このとき、固定ロール37に密着した状態
のブリスタシート43を撮像しているので、フィルム状
のブリスタシート43が揺れて撮像に悪影響が及ぶこと
はない。しかし、照明12の光13でブリスタシート4
3を均一に照らすことは困難であり、また、CCDカメ
ラ11などには多少の不均一な特性が存在するから、C
CDカメラ11で撮像した1次元イメージデータにはシ
ェーディング現象が含まれる。尚、CCDカメラ11と
照明12は、図2と図3では、ブリスタシート包装機3
0内に描かれているが、外観検査装置10を構成するも
のの一つである。
【0037】図4に戻り、第1コンパレータ14Aは、
デジタル信号に置き換えられた1次元イメージデータ
を、特定のしきい値で2値化処理するものである。尚、
1次元イメージデータはCCDカメラ11で撮像された
ものであるから、CCDカメラ11の画素ごとに2値化
処理する。また、第1コンパレータ14Aで使用するし
きい値は、後述する図1のフローチャートにより作成さ
れる2値化基準画像から決定される。また、第1コンパ
レータ14Aは、ブリスタシート43の各ポケット部4
4に充填された錠剤1の外観を検査するために使用され
る。
【0038】第1画像メモリ16Aは、第1コンパレー
タ14Aで2値化処理された1次元イメージデータを記
憶するものである。ここに記憶された2値画像を画像処
理することによって外観の検査処理が行われる。第1シ
ェーディング補正テーブル18Aは、後述する図1のフ
ローチャートにより作成される2値化基準画像が記憶さ
れるものである。かかる2値化基準画像から第1コンパ
レータ14Aで使用するしきい値が決定される。例え
ば、2値化基準画像にバイアスを加えたものを各画素の
しきい値としてもよいし、2値化基準画像の領域ごとに
自動的にしきい値を決定してもよいし、2値化基準画像
の濃淡値の出現頻度を表すヒストグラムからしきい値を
一律に決定してもよい。尚、このように決定されたしき
い値も、第1シェーディング補正テーブル18Aに記憶
される。
【0039】すなわち、第1コンパレータ14A、第1
画像メモリ16A、第1シェーディング補正テーブル1
8Aは、ブリスタシート43の各ポケット部44に充填
された錠剤1の外観を検査するために使用される。一
方、第2コンパレータ14B、第2画像メモリ16B、
第2シェーディング補正テーブル18Bは、第1コンパ
レータ14A、第1画像メモリ16A、第1シェーディ
ング補正テーブル18Aと同様な機能を有するが、ブリ
スタシート43のシート部45の外観を検査するために
使用される。
【0040】CPU20は、後述する図1のフローチャ
ートなどを実行するものであり、判定用メモリ22、濃
淡画像記憶手段であるグラフィックメモリ27などを使
用して実行する。入出力インターフェース23は、ブリ
スタシート包装機30に制御信号を送信又は受信するた
めのものである。これによって、例えば、ブリスタシー
ト包装機30の不良シート排出機構などを制御すること
ができる。また、モニタ25に表示データを送信するた
めのものでもあり、1次元イメージデータや外観検査結
果などをモニタ25に表示させることができる。尚、モ
ニタ25は、図4では、外観検査装置10外に描かれて
いるが、外観検査装置10を構成するものの一つであ
る。
【0041】カメラタイミング制御手段26は、CCD
カメラ11が撮像する1次元イメージデータを、A/D
変換器13に取り込むタイミングを制御するものであ
る。かかるタイミングは、ブリスタシート包装機30に
設けられたエンコーダ(図示せず)からの信号に基づい
て行われる。
【0042】次に、2値化基準画像の作成手順を、図1
のフローチャート図に基づいて説明する。かかる2値化
基準画像の作成は、錠剤1の外観検査を行う前に実施さ
れる。先ず、ステップ(以下、「S」と略記する)1に
おいて、CCDカメラ11で撮像した1次元イメージデ
ータを取り込み、S2において、かかる1次元イメージ
データをA/D変換器13でアナログ信号からデジタル
信号に変換する。そして、S3において、デジタル信号
に変換された1次元イメージデータを、グラフィックメ
モリ27に記憶する。これによって、ブリスタシート4
3の幅方向に形成されたポケット部44の列を複数にわ
たって撮像し、その結果、ブリスタシート43のポケッ
ト部44に充填された錠剤1の1次元イメージデータを
複数取得する。
【0043】このように、グラフィックメモリ27に順
次記憶される1次元イメージデータに対し、S4では、
複数取得した1次元イメージデータ間の同一画素の濃淡
値を比較して最大濃淡値を画素毎に算出し、かかる最大
濃淡値を記憶した濃淡画像をグラフィックメモリ27に
作成する。ここでは、淡いほど濃淡値が大きくなる条件
であるので、ある1次元イメージデータに撮像された錠
剤1の白い表面に黒い異物が万が一付着していて、かか
る異物に対応する画素の濃淡値が小さな値になっていて
も、他の1次元イメージデータでは錠剤1の白い表面が
撮像され、かかる異物に対応する画素の濃淡値は大きな
値になっていることから、最大濃淡値を取ることによっ
て、かかる異物は濃淡画像において無視することができ
る。
【0044】次に、S5において、濃淡画像を除去値で
クランプする。かかるクランプによる背景除去は、特定
値未満の濃淡値をもつ画素に除去値を対応させることに
よって行われる。ここでは、淡いほど濃淡値が大きくな
る条件であり、検査対象が白い表面をもつ錠剤1である
ので、特定値未満の濃淡値を除去値にする背景除去によ
って、検査対象である錠剤1の背景(ブリスタシート4
3のシート部45)を取り除くことができる。このとき
の濃淡画像の濃淡値を図5に示す。これにより、背景除
去された濃淡画像では、特定値以上の濃淡値をもって、
検査対象である錠剤1に対応する各画素が互いに連結し
た連結領域が明確に形成される。すなわち、図5の各凸
部を形成する画素が、特定値以上の濃淡値をもつ画素が
連結した連結領域に相当する。尚、図5は、図3に示し
たブリスタシート43とは異なり、その幅方向に10個
のポケット部をもつブリスタシートをCCDカメラ11
で撮像したときのものである。
【0045】そして、S6において、濃淡画像の連結領
域を膨張させて2値化基準画像にする。背景除去された
濃淡画像に対する膨張は、かかる膨張によって得られる
2値化基準画像において、検査対象である錠剤1に対応
する連結領域を拡大させるために行う。このときの濃淡
画像の濃淡値を図6に示す。かかる膨張は、図5の各連
結領域の濃淡値の最大値を、かかる連結領域の中心から
左右方向へ指定された領域の画素に記憶させる方法で行
われる。
【0046】次のS7では、2値化基準画像を平滑化す
る。これは、2値化基準画像を作成するために予め取得
された複数の1次元イメージデータには、大局的な性質
をもつシェーディング現象以外の何らかの原因によっ
て、濃淡値のバラツキ(小局的な性質のもの)が発生し
ているので、かかる原因の影響を抑制するために、行わ
れるものである。
【0047】また、ここでは、1つの1次元イメージデ
ータに複数の検査対象である錠剤1が撮像されているの
で、平滑化の各演算において対象となる画素の範囲を広
くとることによって、複数の検査対象である錠剤1に対
応する各連結領域を一つに連ねるとともに、一つに連な
った連結領域で2値化基準画像の大部分を占めることが
できる。
【0048】このときの2値化基準画像の濃淡値を図7
に示す。背景除去された画素に記憶された除去値を除外
して、図6の各連結領域を曲線でつなげるように、平滑
化の演算を行っているので、一つに連なる前の各連結領
域の間(図5の各凸部の間)においてエッジが生じるこ
とがない。その結果、図6に示すように、2値化基準画
像の濃淡値によって形成される線は緩やかな曲線とな
る。これは、大局的な性質をもつシェーディング現象が
2値化基準画像に含まれていることを意味する。
【0049】このように平滑化された2値化基準画像
は、S8において、グラフィックメモリ27から送られ
て第1シェーディング補正テーブル18Aに記憶され
る。その後において、かかる2値化基準画像を基にして
しきい値が決定され、検査対象である錠剤1の1次元イ
メージデータをかかるしきい値で2値化処理することに
より、検査対象である錠剤1の外観が検査される。この
とき、2値化基準画像と1次元イメージデータの両者に
は、光学的に同一の環境のシェーディング現象が含まれ
ているので、かかるシェーディング現象は1次元イメー
ジデータの2値化処理によって相殺され、2値化処理な
どの一連の検査手順に悪影響が及ぶことはない。
【0050】以上詳細に説明したように、本実施の形態
の錠剤の外観検査方法と錠剤の外観検査装置では、2値
化基準画像を作成する際に、検査対象である錠剤1の背
景(ブリスタシート43のシート部45)を取り除くと
ともに、検査対象である錠剤1に対応する連結領域を拡
大させており(図6参照)、検査対象である錠剤1の位
置などが多少ばらついても、かかる2値化基準画像を基
にして決定されるしきい値で、検査対象である錠剤1の
1次元イメージデータを正しく2値化処理することが可
能となるので、もって、工場内の製造ラインにおける錠
剤の外観検査に適した2値化基準画像を作成することが
できる。
【0051】特に、ブリスタシート包装機30内のブリ
スタシート43はその幅方向に多少左右しながら搬送さ
れており、ブリスタシート43のポケット部44に充填
された錠剤1の位置や姿勢も多少ばらつくので、ブリス
タシート包装機30内で搬送中のブリスタシート43の
ポケット部44に充填された錠剤1の外観を検査する場
合に大変に有効である。
【0052】また、2値化基準画像を平滑化しているの
で(S7)、大局的な性質をもつシェーディング現象以
外の何らかの原因による濃淡値のバラツキ(小局的な性
質のもの)を、2値化基準画像において抑制することが
できる。また、1つの1次元イメージデータに複数の検
査対象である錠剤1を撮像しており、各平滑化の演算の
対象となる画素の範囲を広くとれば、各検査対象の錠剤
1に対応する連結領域が一つに連結して2値化基準画像
の大部分を占めるようになり(図6参照)、検査対象で
ある錠剤1の位置などが大胆にばらついても、検査対象
である錠剤1の1次元イメージデータを正しく2値化処
理することが可能となるので、もって、工場内の製造ラ
インにおける錠剤の外観検査に適した2値化基準画像を
作成することができる。
【0053】また、予め取得した各1次元イメージデー
タのうち少なくとも一つの1次元イメージデータに検査
対象である錠剤1が映し出されていれば、それに対応す
る2値化基準画像の画素には特定領域である錠剤の濃淡
値が必ず対応されるから(S4〜S8)、1次元イメー
ジデータをCCDカメラ11で取り込んで検査する場合
において、検査対象である錠剤1とその背景(ブリスタ
シート43のシート部45)の境界が順次撮像される1
次元イメージデータで変化しても、2値化基準画像を基
にして決定されるしきい値で、かかる1次元イメージデ
ータを正しく2値化処理することが可能となるので、も
って、工場内の製造ラインにおける錠剤の外観検査に適
した2値化基準画像を作成することができる。
【0054】また、濃淡画像に対する背景除去(S5)
を、検査対象である錠剤1を取り除くために行えば、検
査対象である錠剤1の背景(ブリスタシート43のシー
ト部45)の外観を新たな検査対象にすることができ
る。このとき、作成される2値化基準画像は第2シェー
ディングテーブル18Bに記憶する(S8)。これによ
り、ブリスタシート包装機30内で搬送中のブリスタシ
ート43のシート部45の外観を検査することが可能と
なり、ブリスタシート43のポケット部44に充填され
た錠剤1の外観と同時進行的に検査することも可能とな
る。
【0055】また、従来技術の校正板を用いたシェーデ
ィング補正では、校正板と検査対象である錠剤1の色や
材質の違いから生じる影響を回避することができない
が、本実施の形態の錠剤の外観検査方法と錠剤の外観検
査装置では、検査対象である錠剤1の1次元イメージデ
ータから2値化基準画像を作成しており、2値化基準画
像と1次元イメージデータの両者には、光学的に同一の
環境のシェーディング現象が含まれているので、かかる
シェーディング現象は1次元イメージデータの2値化処
理によって相殺されてしまい、錠剤1の色や材質の違い
から生じる影響が関与する余地はない。
【0056】また、校正板を別途用意してCCDカメラ
11で撮像する必要がないので、作業的に手数のかかる
ものではない。また、背景の濃淡値が一定でない1次元
イメージデータの中の小粒子を検出するのに適している
ので、シェーディング現象を含んだ1次元イメージデー
タを補正しなくても正しく2値化処理することができ
る。
【0057】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が
可能である。例えば、上記実施の形態の1次元イメージ
データは、A/D変換器13で淡いほど濃淡値が大きく
なるように変換されていたが、淡いほど濃淡値が小さく
なるように変換してもよい。ただし、S4において、各
1次元イメージデータにおいて対応する画素の濃淡値を
比較して最小濃淡値を画素毎に算出し、かかる最小濃淡
値を記憶した濃淡画像をグラフィックメモリ27に作成
する。さらに、S5において、特定値以上の濃淡値を除
去値にする背景除去によって、検査対象である錠剤1の
背景(ブリスタシート43のシート部45)を取り除く
必要がある。
【0058】また、上記実施の形態の検査対象である錠
剤1は白い表面を有していたが、錠剤1の表面は白いも
のに限る必要はない。例えば、錠剤1の表面が黒い場合
には、1次元イメージデータをA/D変換器13で濃い
ほど濃淡値が大きくなるように変換すれば、ある1次元
イメージデータに撮像された錠剤1の黒い表面に白い異
物が万が一付着していて、かかる異物に対応する画素の
濃淡値が小さな値になっていても、他の1次元イメージ
データでは錠剤の黒い表面が撮像され、かかる異物に対
応する画素の濃淡値は大きな値になっていることから、
S4において、各1次元イメージデータにおいて対応す
る画素の濃淡値を比較して最大濃淡値を画素毎に算出
し、かかる最大濃淡値を記憶した濃淡画像をグラフィッ
クメモリ27に作成すれば、かかる異物は濃淡画像にお
いて無視することができる。さらに、S5において、特
定値未満の濃淡値を除去値にする背景除去によって、検
査対象である錠剤1の背景(ブリスタシート43のシー
ト部45)を取り除くことができる。
【0059】また、錠剤1の表面が黒い場合において、
1次元イメージデータをA/D変換器13で濃いほど濃
淡値が小さくなるように変換してもよい。ただし、S4
において、各1次元イメージデータにおいて対応する画
素の濃淡値を比較して最小濃淡値を画素毎に算出し、か
かる最小濃淡値を記憶した濃淡画像をグラフィックメモ
リ27に作成する。さらに、S5において、特定値以上
の濃淡値を除去値にする背景除去によって、検査対象で
ある錠剤1の背景(ブリスタシート43のシート部4
5)を取り除く必要がある。
【0060】また、上記実施の形態では、CCDカメラ
11で撮像された1次元イメージデータを入力画像とし
て扱っていたが、2次元イメージデータも同様に入力画
像として扱うことができる。このとき、2値化基準画像
の濃淡値によって形成される面は緩やかな曲面となる。
【0061】
【発明の効果】本発明の錠剤の外観検査方法と錠剤の外
観検査装置では、2値化基準画像において、検査対象で
ある錠剤の背景を取り除くとともに、検査対象である錠
剤に対応する連結領域を拡大させており、検査対象であ
る錠剤の位置などが多少ばらついても、かかる2値化基
準画像を基にして決定されるしきい値で、検査対象であ
る錠剤の入力画像を正しく2値化処理することが可能と
なるので、もって、工場内の製造ラインにおける錠剤の
外観検査に適した2値化基準画像を作成することができ
る。
【0062】特に、ブリスタシート包装機内のブリスタ
シートはその幅方向に多少左右しながら搬送されてお
り、ブリスタシートのポケット部に充填された錠剤の位
置や姿勢も多少ばらつくので、ブリスタシート包装機内
で搬送中のブリスタシートのポケット部に充填された錠
剤の外観を検査する場合に大変に有効である。
【0063】また、2値化基準画像を平滑化すれば、大
局的な性質をもつシェーディング現象以外の何らかの原
因による濃淡値のバラツキ(小局的な性質のもの)を、
2値化基準画像において抑制することができる。また、
1つの入力画像に複数の検査対象である錠剤を撮像する
場合には、各平滑化の演算の対象となる画素の範囲を広
くとれば、各検査対象の錠剤に対応する連結領域が一つ
に連結して2値化基準画像の大部分を占めるようになっ
て、検査対象である錠剤の位置などが大胆にばらついて
も、検査対象である錠剤の入力画像を正しく2値化処理
することが可能となるので、もって、工場内の製造ライ
ンにおける錠剤の外観検査に適した2値化基準画像を作
成することができる。
【0064】また、予め取得した各入力画像のうち少な
くとも一つの入力画像に検査対象である錠剤が映し出さ
れていれば、それに対応する2値化基準画像の画素には
特定領域の濃淡値が必ず記憶されるから、入力画像を1
次元カメラで取り込んで検査する場合において、検査対
象である錠剤とその背景の境界が順次撮像される入力画
像で変化しても、2値化基準画像を基にして決定される
しきい値をもって、かかる入力画像を正しく2値化処理
することが可能となるで、もって、工場内の製造ライン
における錠剤の外観検査に適した2値化基準画像を作成
することができる。
【0065】また、濃淡画像に対する背景除去を、検査
対象である錠剤を取り除くために行えば、検査対象であ
る錠剤の背景の外観を新たな検査対象にすることができ
る。これにより、ブリスタシート包装機内で搬送中のブ
リスタシートのシート部の外観を検査することが可能と
なり、ブリスタシートのポケット部に充填された錠剤の
外観と同時進行的に検査することも可能となる。
【0066】また、従来技術の校正板を用いたシェーデ
ィング補正では、校正板と検査対象である錠剤の色や材
質の違いから生じる影響を回避することができないが、
本発明の錠剤の外観検査方法と錠剤の外観検査装置で
は、検査対象である錠剤の入力画像から2値化基準画像
を作成しており、2値化基準画像と入力画像の両者に
は、光学的に同一の環境のシェーディング現象が含まれ
ているので、かかるシェーディング現象は入力画像の2
値化処理によって相殺されてしまい、錠剤の色や材質の
違いから生じる影響が関与する余地はない。
【0067】また、校正板を別途用意して撮像装置で撮
像する必要がないので、作業的に手数のかかるものでは
ない。また、背景の濃淡値が一定でない入力画像の中の
小粒子を検出するのに適しているので、シェーディング
現象を含んだ入力画像を補正しなくても正しく2値化処
理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の錠剤の外観検査方法において、2値化
基準画像を作成する手順を示したフローチャート図であ
る。
【図2】本発明の錠剤の外観検査方法の全体構成を示す
ブロック図である。
【図3】ブリスタシート包装機の一部を示した斜視図で
あり、搬送中のブリスタシートのポケット部に充填され
た錠剤の外観を撮像する部分を示す図である。
【図4】本発明の錠剤の外観検査方法の機能構成を示す
ブロック図である。
【図5】特定値で背景除去した濃淡画像(一次元)の濃
淡値を示す図である。
【図6】図5の濃淡画像を膨張させた2値化基準画像
(一次元)の濃淡値を示す図である。
【図7】平滑化させた2値化基準画像(一次元)の濃淡
値を示す図である。
【符号の説明】
1 錠剤 10 錠剤の外観検査装置 27 グラフィクメモリ 30 ブリスタシート包装機 43 ブリスタシート 44 ブリスタシートのポケット部 45 ブリスタシートのシート部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2値化基準画像に基づいて、検査対象の
    錠剤の入力画像を2値化処理することにより、錠剤の外
    観を検査する錠剤の外観検査方法において、 予め複数取得した検査対象の錠剤の入力画像から前記2
    値化基準画像を作成することを特徴とする錠剤の外観検
    査方法。
  2. 【請求項2】 2値化基準画像に基づいて、検査対象の
    錠剤の入力画像を2値化処理することにより、錠剤の外
    観を検査する錠剤の外観検査方法において、 検査対象の錠剤の入力画像を予め複数取得するととも
    に、各入力画像の濃淡値を画素毎に比較して得られた極
    限濃淡値を濃淡画像記憶手段に記憶し、前記濃淡画像記
    憶手段に記憶された濃淡画像を膨張させることにより、
    前記2値化基準画像を作成することを特徴とする錠剤の
    外観検査方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載する錠剤の
    外観検査方法において、 前記2値化基準画像を平滑化することを特徴とする錠剤
    の外観検査方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一つに
    記載する錠剤の外観検査方法において、 搬送中のブリスタシートのポケット部に充填された錠剤
    の外観をブリスタシート包装機内で検査することを特徴
    とする錠剤の外観検査方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一つに
    記載する錠剤の外観検査方法において、 搬送中のブリスタシートのシート部の外観をブリスタシ
    ート包装機内で検査することを特徴とする錠剤の外観検
    査方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに
    記載する錠剤の外観検査方法を実施することを特徴とす
    る錠剤の外観検査装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006208064A (ja) * 2005-01-26 2006-08-10 Ckd Corp 検査装置及びptp包装機
JP2007058354A (ja) * 2005-08-22 2007-03-08 Sumitomo Chemical Co Ltd 画像解析装置、画像解析方法、及び画像解析処理のためのプログラム
JP2015206702A (ja) * 2014-04-22 2015-11-19 キヤノン株式会社 画像検査方法、および画像検査装置
CN118090404A (zh) * 2024-04-26 2024-05-28 成都秦润医药科技有限公司 一种药片检测装置

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