JPH10306141A - 半導体装置およびエポキシ樹脂組成物 - Google Patents
半導体装置およびエポキシ樹脂組成物Info
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- JPH10306141A JPH10306141A JP4269298A JP4269298A JPH10306141A JP H10306141 A JPH10306141 A JP H10306141A JP 4269298 A JP4269298 A JP 4269298A JP 4269298 A JP4269298 A JP 4269298A JP H10306141 A JPH10306141 A JP H10306141A
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Abstract
く、流動性、硬化性、耐クラック性、保存安定性に優れ
たエポキシ樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 エポキシ樹脂(A)、フェノール系硬化
剤(B)、硬化促進剤(C)としてテトラ置換ホスホニ
ウム・テトラ置換ボレート及び一般式(I)で表される
化合物、無機充填剤(D)を含有するエポキシ樹脂組成
物において、前期フェノール系硬化剤(B)が一般式
(II)で表される化合物を含有し、かつ無機充填剤
(D)がエポキシ樹脂組成物全体の86〜95重量%含
有されることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式Iにおいて、R1およびR2は2価の有機基を示す。) R3-(-CH2-R1-CH2-R2-)n-CH2-R1-CH2-R3 (II) (ただし、式(II)中のR1は2価の芳香族基、R2は水
酸基を有する2価の芳香族基、R3は水酸基を有する1
価の芳香族基、R1〜R3はそれぞれ同一でも異なってい
てもよく、nは0または1以上の整数を示す。)
Description
硬化性に優れ、金型汚れが生じず、かつ半田リフロー時
の耐クラック性、保存安定性に優れるエポキシ樹脂組成
物、および該エポキシ樹脂組成物で封止してなる半導体
装置に関するものである。
性、接着性などに優れており、さらに配合処方により種
々の特性が付与できるため、塗料、接着剤、電気絶縁材
料など工業材料として利用されている。
の封止方法として従来より金属やセラミックスによるハ
ーメチックシールとフェノール樹脂、シリコーン樹脂、
エポキシ樹脂などによる樹脂封止が提案されている。そ
の中でも、経済性、生産性、物性のバランスの点からエ
ポキシ樹脂による樹脂封止が最も盛んに行われている。
パッケージの実装において高密度化、自動化が進められ
ており、従来のリードピンを基板の穴に挿入する“挿入
実装方式”に代り、基板表面にパッケージを半田付けす
る“表面実装方式”が盛んになってきた。
(デュアル・インライン・パッケージ)から、高密度実
装、表面実装に適した薄型のFPP(フラット・プラス
チック・パッケージ)に移行しつつある。
ップの集積度は向上しているがそれ以上に集積数を上げ
るために、パッケージ中のICチップの占有面積が増加
し、さらにパッケージが大型、多ピン化してきている。
脂の流動性を高レベルで保持しなければパッケージの未
充填や、ボイドが発生し、生産不良となる。これらの点
で流動性、保存安定性は今後ますます重要になってく
る。
形状のエポキシ樹脂組成物を使用し、低圧トランスファ
ー成形機を用いて、150℃以上に加熱した金型にエポ
キシ樹脂組成物を流し込み、硬化させることで行われて
いる。成形は通常180秒以内の短時間で行われるた
め、硬化性も重要な物性となっている。
れ、しばしば金型汚れが発生する。この金型汚れは、パ
ッケージに欠陥をもたらすため、発生しないことが重要
な課題となる。
ーによる実装が行われる。この方法では、パッケージを
200℃以上の高温にさらし、半田を溶融させチップと
フレームを接着させる。この際樹脂の吸水性が高いと、
パッケージ中の水分の急激な膨張によりパッケージにク
ラックが入るという現象が起こる。従って半田リフロー
時の耐クラック性は非常に重要となる。
るための硬化剤としては、アミン系、酸無水物系、フェ
ノール系など硬化剤が用いられてきた。また通常、硬化
剤のみでは硬化反応が進みにくいので、硬化促進剤の添
加が行われる。この硬化促進剤としては、三級アミン化
合物、二級アミン化合物、フッ化ホウ素、ピペリジン、
イミダゾール類、三級ホスフィン化合物などが用いられ
てきた。これらの硬化剤、硬化促進剤に加え、エポキシ
樹脂、無機充填剤などを配合することによりエポキシ封
止樹脂組成物となる。
性、硬化性、半田リフロー時の耐クラック性、保存安定
性などの特性を同時に満足させるような硬化物が得られ
るエポキシ封止樹脂組成物を得ることはできなかった。
てエポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂硬化剤及び
テトラ置換ボレートとの組み合わせにより、硬化性及び
保存安定性の優れたエポキシ封止樹脂組成物が得られる
ことが記載されている。また特公昭56−45491号
公報において、硬化剤としてフェノールノボラック樹
脂、硬化促進剤としてテトラフェニルホスホニウム・テ
トラフェニルボレート、エポキシ樹脂として、クレゾー
ルノボラックエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などを
併用した系について記載されている。しかしながらこれ
らのエポキシ封止樹脂組成物は、半田リフロー時におけ
る耐クラック性が充分ではないという問題があった。
技術における問題点の解決を課題として検討した結果達
成されたものである。
硬化性に優れ、金型汚れが生じず、かつ半田リフロー時
の耐クラック性、耐剥離性、保存安定性に優れるエポキ
シ樹脂組成物、および該エポキシ樹脂組成物で封止して
なる半導体装置を提供することである。
(B)、硬化促進剤(C)としてテトラ置換ホスホニウ
ム・テトラ置換ボレート(c1) 及び一般式(I)で表さ
れる化合物(c2)、ならびに無機充填剤(D)を含有する
エポキシ樹脂組成物であって、前期フェノール系硬化剤
(B)が一般式(II)で表される化合物を含有し、かつ
無機充填剤(D)がエポキシ樹脂組成物全体の86〜9
5重量%含有するものであるエポキシ樹脂組成物。
酸基を有する2価の芳香族基、R3は水酸基を有する1
価の芳香族基、R1〜R3はそれぞれ同一でも異なってい
てもよく、nは0または1以上の整数を示す。)」 2.「テトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート(c
1) がテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボ
レートであることを特徴とする前記のエポキシ樹脂組成
物。」 3.「一般式(I)で表される化合物(c2)の配合割合
が、化合物(c2)とテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換
ボレート(c1)との合計重量の3〜70重量%である前記
いずれかのエポキシ樹脂組成物。」 4.「エポキシ樹脂(A)が一般式(III)であるエポ
キシ樹脂を含有することを特徴とする前記いずれかのエ
ポキシ樹脂組成物。」
はハロゲン原子を示す。) 5.「一般式(II)で表される化合物が、一般式(II)の
R1が2価のフェニル基、R2は水酸基を有する2価のフ
ェニル基、R3が水酸基を有する1価のフェニル基であ
ることを特徴とする前記いずれかのエポキシ樹脂組成
物。」 6.「一般式(II)で表される化合物が、一般式(II)の
R1が2価のビフェニル基、R2は水酸基を有する2価の
フェニル基、R3が水酸基を有する1価のフェニル基で
あることを特徴とする前記いずれかのエポキシ樹脂組成
物。」 7.「無機充填剤(D)がエポキシ樹脂組成物全体の8
8〜93重量%含有するものである前記いずれか記載の
エポキシ樹脂組成物。」 8.「半導体封止用である前記いずれかのエポキシ樹脂
組成物。」 9.「前記のエポキシ樹脂組成物によって半導体素子が
封止された半導体装置。」を提供するものである。
本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
分子中に2個以上のエポキシ基を有するものでとくに限
定されず、これらの具体例としては、例えばクレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、線状脂肪族エポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹
脂、スピロ環含有エポキシ樹脂およびハロゲン化エポキ
シ樹脂などが挙げられる。
独で用いても、2種類以上併用して用いてもかまわな
い。特に好まいエポキシ樹脂としては、ビフェニル骨格
を有するエポキシ樹脂、具体的には下記一般式(III)
で表される骨格を有するビフェニル型エポキシ樹脂を成
分として含有するものである。
基またはハロゲン原子を示す。) 一般式(III)のエポキシ樹脂をエポキシ樹脂の一成分
として含有する場合その割合は特に限定しないが、好ま
しくはエポキシ樹脂全体の50〜100重量、より好ま
しくは70〜100重量%、さらに好ましくは90〜1
00重量%含有することである。
の具体例としては、4,4´−ビス(2,3−エポキシ
プロポキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エ
ポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチ
ルビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロ
ポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチル−2−ク
ロロビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプ
ロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチル−2−
ブロモビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシ
プロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラエチルビフ
ェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキ
シ)−3,3´,5,5´−テトラブチルビフェニル、
4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェ
ニル、および4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポ
キシ)−3,3´,5,5´−テトラメチルビフェニル
などが挙げられる。好ましくは4,4´−ビス(2,3
−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラ
メチルビフェニル、 4,4´−ビス(2,3−エポキ
シプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラエチルビ
フェニルである。さらに好ましくは4,4´−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´
−テトラメチルビフェニルである。
または混合系で用いる場合でも十分に効果を発揮する。
また上記エポキシ樹脂がエポキシ基の反応により部分的
に付加した化合物も使用できる。
は特に限定はしないが、成形性(流動性)がすぐれてい
る点で、150℃におけるICI溶融粘度が3ps以下
のエポキシ樹脂が好ましい。
のエポキシ樹脂組成物全体に対する配合量は、通常1〜
12重量%、好ましくは3〜10重量%,さらに好まし
くは3〜8重量%である。エポキシ樹脂(A)の配合量
が少ないと成形性や接着性が不十分であり、また多いと
越えると線膨脹係数が大きくなり、低応力化が困難にな
る傾向がある。
は、一般式(II)で表されるものを含有する。一般式
(II)中のR1は水酸基を有しない2価の芳香族基、R2
は水酸基を有する2価の芳香族基、R3は水酸基を有す
る1価の芳香族基、R1〜R3は同一であっても、異なっ
ていてもよく、nは0または1以上の整数である。 R3-(-CH2-R1-CH2-R2-)n-CH2-R1-CH2-R3 (II) 好ましくは、R1が2価のフェニル基、R2は水酸基を
有する2価のフェニル基、R3が水酸基を有する1価の
フェニル基であるフェノール系硬化剤、R1が2価のビ
フェニル基、R2は水酸基を有する2価のフェニル基、
R3が水酸基を有する1価のフェニル基であるフェノー
ル系硬化剤である。
剤以外にフェノール系硬化剤を併用することができ、そ
の硬化剤は、エポキシ樹脂(A)と反応して硬化するフ
ェノール系の硬化剤であれば特に限定されず、それらの
具体例としては、たとえばフェノ−ルノボラック樹脂、
クレゾ−ルノボラック樹脂、ビスフェノ−ルAやレゾル
シンから合成される各種ノボラック樹脂、トリス(ヒド
ロキシフェニル)メタン、ジヒドロキシビフェニルなど
の多種多価フェノ−ル化合物などがあげられる。一般式
(I)で表されるフェノール系硬化剤以外に硬化剤を併
用する場合、その混合割合は一般式(II)で表されるフ
ェノール系硬化剤の含有量は全フェノール硬化剤量の2
0〜100重量%、50〜100重量%、70〜100
重量%、80〜100重量%の順に好ましい。
(B)の配合量は、エポキシ樹脂組成物全体の通常0.
1〜10重量%、好ましくは0.5〜7重量%さらに好
ましくは1〜6重量%である。さらには、エポキシ樹脂
(A)とフェノール系硬化剤(B)の配合比は、機械的
性質および耐湿信頼性の点から(A)に対する(B)の
化学当量比が0.5〜1.5、特に0.8〜1.2の範
囲にあることが好ましい。
てテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート(c1)及
び上記化学式(I)に示される化合物(c2)を必須成分と
する。
は特に限定はしないが、好ましくはテトラ置換ホスホニ
ウム・テトラ置換ボレ−ト(c1)及び化合物(c2)の合計重
量が、エポキシ樹脂組成物重量の0.05〜1.5%が
好ましい。より好ましくは0.08〜1.0%であり、
さらに好ましくは0.1〜0.5%である。二種類の硬
化促進剤の配合割合は、特に限定はしないが、化合物(c
2)の配合割合は、(c1)および(c2)の合計重量の3〜70
重量%であり、より好ましくは3〜50重量%であり、
さらに好ましくは3〜20重量%である。
−トは、本発明の組成物を構成する他の化合物にそのま
ま添加してもよいが、好ましくは使用する硬化剤または
エポキシ樹脂と加熱混合、必要に応じて加熱溶融混合さ
せた後添加することもできる。溶融混合する方法につい
ては特に限定はしないが、好ましくは硬化剤と溶融混合
させた後添加する。化合物(c2)はそのまま添加してもよ
いが、好ましくは使用する硬化剤またはエポキシ樹脂と
加熱混合させた後添加する。加熱混合する方法について
は特に限定はしないが、好ましくは硬化剤と混合させた
後添加する。またテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換
ボレ−トと化合物(c2)とを同時に硬化剤と加熱混合する
こともできる。
−トの好ましい例としてはテトラブチルホスホニウム・
テトラフェニルボレ−ト、n−ブチルトリフェニルホス
ホニウム・テトラフェニルボレ−ト、テトラフェニルホ
スホニウム・テトラフェニルボレ−ト、トリメチルフェ
ニルホスホニウム・テトラフェニルボレ−ト、ジエチル
メチルフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレ−
ト、ジアリルメチルフェニルホスホニウム・テトラフェ
ニルボレ−ト、(2−ハイドロキシエチル)トリフェニ
ルホスホニウム・テトラフェニルボレ−ト、エチルトリ
ホスホニウム・テトラフェニルボレ−ト、p−キシレン
ビス(トリフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレ
−ト)、テトラフェニルホスホニウム・テトラエチルボ
レ−ト、テトラフェニルホスホニウム・トリエチルフェ
ニルボレ−ト、テトラフェニルホスホニウム・テトラブ
チルボレ−トなどを挙げることができる。より好ましい
例としてはテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニ
ルボレ−トである。このテトラ置換ホスホニウム・テト
ラ置換ボレ−トは2種類以上を同時に添加することもで
きる。
呼ばれるもので、下記式(I)で表される化合物が一般
的である。
成する炭素原子数がそれぞれ2〜8、さらに2〜6、さ
らに3〜5の範囲にあることが好ましい。
ては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセ
ン−7およびその塩、1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7の誘導体およびその塩、1,5
−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5およびその
塩、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5
の誘導体、テトラ有機ボレート化物および塩を挙げるこ
とができる。さらに具体的には、6−ブチルアミノ−
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウン
デセニウムテトラフェニルボレート、8−ベンジル−
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセ
ニウムテトラフェニルボレートおよび1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)ウンデセン−7のオクチル酸塩、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
のパラトルエンスルホン酸塩、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7の蟻酸塩、1,8−ジア
ザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7のオルソフタ
ル酸塩などの1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7の炭酸塩などの1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7の有機酸塩および無機酸
塩などを挙げることができる。
2種類以上を同時に添加することもできる。
は、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アル
ミナ、マグネシア、酸化マグネシウムアルミニウム、ジ
ルコニア、ジルコン、クレー、タルク、ケイ酸カルシウ
ム、酸化チタン、酸化アンチモン、アスベスト、ガラス
繊維などが挙げられるが、好ましくはシリカである。こ
れらの無機充填剤は単独でも用いることができるが、二
種類以上混合して用いることもできる。シリカとしては
球状天然シリカ、破砕天然シリカ、球状合成シリカなど
を挙げることができる。これらのシリカは単独でも用い
ることができるが、二種類以上混合して用いることもで
きる。
キシ樹脂組成物全体に対する割合は、金型汚れに代表さ
れる成形性および低応力性の点から全体の86〜95重
量%、好ましくは88〜93重量%である。
質も添加することができる。
剤、チタネートカップリング剤などの配合が信頼性向上
の観点から好ましい。さらにカップリング剤無機充填剤
(D)をシランカップリング剤、チタネートカップリン
グ剤などのカップリング剤であらかじめ表面処理するこ
とも効果的である。
ミノシラン、メルカプトシランなど、これら官能基を有
する有機基とアルコキシ基等の加水分解性基とがケイ素
原子に直結したシランカップリング剤が好ましく用いら
れる。好ましくはエポキシシラン、アミノシランであ
る。好ましい添加量としてエポキシ樹脂組成物全体に対
し、1重量%以下である。
することができる。
ブロム化合物を配合できる。また実質的に存在するブロ
ム化合物は、通常半導体封止用エポキシ樹脂組成物に難
燃剤として添加されるもので、特に限定されず、公知の
ものであってよい。 存在するブロム化合物の好ましい
具体例としては、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂な
どのブロム化エポキシ樹脂、ブロム化ポリカーボネート
樹脂、ブロム化ポリスチレン樹脂、ブロム化ポリフェニ
レンオキサイド樹脂、テトラブロモビスフェノールA、
デカブロモジフェニルエーテルなどがあげられ、なかで
も、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム
化フェノールノボラック型エポキシ樹脂などのブロム化
エポキシ樹脂が、成形性の点から特に好ましい。
アンチモン化合物を配合できる。これは通常半導体封止
用エポキシ樹脂組成物に難燃助剤として添加されるもの
で、特に限定されず、公知のものが使用できる。アンチ
モン化合物の好ましい具体例としては、三酸化アンチモ
ン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモンがあげられ
る。
ンブラック、酸化鉄などの着色剤、ハイドロタルサイト
などのイオン捕捉剤、シリコ−ンゴム、オレフィン系共
重合体、変性ニトリルゴム、変性ポリブタジエンゴム、
変性シリコ−ンオイルなどのエラストマ−、ポリエチレ
ンなどの熱可塑性樹脂、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の金属
塩、長鎖脂肪酸のエステル、長鎖脂肪酸のアミド、パラ
フィンワックスなどの離型剤および有機過酸化物などの
架橋剤を任意に添加することができる。
しては、上記化合物を加熱混練、例えば50〜170℃
で混練する方法が好ましく、たとえばバンバリーミキサ
ー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機およ
びコニーダーなどの公知の混練方法を用いて溶融混練、
固化、必要に応じてタブレット化することにより得るこ
とができる。さらに本発明のエポキシ樹脂組成物を加熱
流動化させて、半導体素子を封止成形し、硬化すること
によって半導体装置が得られる。
る。なお、表中の配合組成の値は、重量%を示す。
較例1〜7を示した。
示した組成比でミキサーによりドライブレンドした。こ
れを、ロール表面温度90℃のミキシングロールを用い
て5分間加熱混練後、冷却・粉砕してエポキシ樹脂組成
物を製造した。
〜4に示した。
75℃で成形速度25m/secでスパイラルフローを測定
した。 硬化性:成形温度175℃、成形時間60秒の条件で直
径4インチ、厚さ3mmの円板を成形し、成形直後のバー
コル硬度を求めた。 耐クラック性および耐剥離性:実施例および比較例にお
いて、各10個の160ピンQFP(外形:28×28
×3.3mm、模擬半導体素子:10×10×0.5mm、
フレーム材料:42アロイ、チップ表面:ポリイミド
膜)を成形し、175℃で4時間硬化させたものを用い
85℃、85%RHの条件で168時間加湿後、IRリ
フロー炉を用いて260℃10秒間加熱処理した。その
後外部クラックの有無個数を調べクラックの入ったパッ
ケージを不良パッケージとし、その個数をnとしたとき
(1- n/10)×100の値を耐クラック性を示す数値とした。
値が100%に近いほど耐クラック性に優れことを意味
する。一方IRリフロー炉を用いて260℃10秒間加
熱処理したサンプルを超音波探傷器でリードフレームか
らの剥離を観察し、剥離したパッケージを不良パッケー
ジとし、その個数をnとしたとき(1- n/10)×100の値を
耐クラック性を示す数値とした。値が100%に近いほ
ど耐剥離性に優れることを意味する。
値を基準とし、28℃50%RHで96時間保存した後
に成形し、そのスパイラルフローの値の低下率を表わし
た。値が小さいほど保存安定性に優れることを意味す
る。
秒の条件で、160ピンQFPを20個成形した。パッ
ケージの上面および下面に対応する金型部の汚れた部分
の面積を調べ、その面積をパッケージの上面および下面
に対応する金型部の面積で割りさらに100をかけ、金
型汚れの度合いを%で表示した。
11のエポキシ樹脂組成物は、流動性、硬化性、耐クラ
ック性、耐剥離性、保存安定性、金型汚れなど、すべて
の物性において優れている。
場合の比較例1〜3、本発明で特定される硬化促進剤を
含有しない比較例6,本発明の硬化剤を含有しない比較
例7は、それぞれ耐クラック性および耐剥離性が劣って
いることが分かる。さらに比較例1〜4、6では金型汚
れが生じる。また比較例3、6では保存安定性が劣って
いる。
性、硬化性、耐クラック性、耐剥離性、保存安定性に優
れ、トランスファ成形が主に使用される半導体装置の封
止に好適である。
Claims (9)
- 【請求項1】 エポキシ樹脂(A)、フェノール系硬化
剤(B)、硬化促進剤(C)としてテトラ置換ホスホニ
ウム・テトラ置換ボレート(c1) 及び一般式(I)で表
される化合物(c2)、ならびに無機充填剤(D)を含有す
るエポキシ樹脂組成物であって、前期フェノール系硬化
剤(B)が一般式(II)で表される化合物を含有し、か
つ無機充填剤(D)がエポキシ樹脂組成物全体の86〜
95重量%含有するものであるエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式Iにおいて、R1およびR2は2価の有機基を示す。) R3-(-CH2-R1-CH2-R2-)n-CH2-R1-CH2-R3 (II) (ただし、式(II)中のR1は2価の芳香族基、R2は水
酸基を有する2価の芳香族基、R3は水酸基を有する1
価の芳香族基、R1〜R3はそれぞれ同一でも異なってい
てもよく、nは0または1以上の整数を示す。) - 【請求項2】テトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレ
ート(c1) がテトラフェニルホスホニウム・テトラフェ
ニルボレートであることを特徴とする請求項1記載のエ
ポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】一般式(I)で表される化合物(c2)の配合
割合が、化合物(c2)とテトラ置換ホスホニウム・テトラ
置換ボレート(c1)との合計重量の3〜70重量%である
請求項1〜2いずれか記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】エポキシ樹脂(A)が一般式(III)であ
るエポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜
3いずれかのエポキシ樹脂組成物。 【化2】 (ただし式中のR1〜R8は水素原子、1価の有機基また
はハロゲン原子を示す。) - 【請求項5】一般式(II)で表される化合物が、一般式
(II)のR1が2価のフェニル基、R2は水酸基を有する2
価のフェニル基、R3が水酸基を有する1価のフェニル
基であることを特徴とする請求項1〜4いずれかのエポ
キシ樹脂組成物。 - 【請求項6】一般式(II)で表される化合物が、一般式
(II)のR1が2価のビフェニル基、R2は水酸基を有する
2価のフェニル基、R3が水酸基を有する1価のフェニ
ル基であることを特徴とする請求項1〜4いずれかのエ
ポキシ樹脂組成物。 - 【請求項7】無機充填剤(D)がエポキシ樹脂組成物全
体の88〜93重量%含有するものである請求項1〜6
いずれか記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項8】半導体封止用である請求項1〜7いずれか
のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項9】請求項8記載のエポキシ樹脂組成物によっ
て半導体素子が封止された半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4269298A JPH10306141A (ja) | 1997-03-06 | 1998-02-24 | 半導体装置およびエポキシ樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-52135 | 1997-03-06 | ||
JP5213597 | 1997-03-06 | ||
JP4269298A JPH10306141A (ja) | 1997-03-06 | 1998-02-24 | 半導体装置およびエポキシ樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10306141A true JPH10306141A (ja) | 1998-11-17 |
Family
ID=26382418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4269298A Pending JPH10306141A (ja) | 1997-03-06 | 1998-02-24 | 半導体装置およびエポキシ樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10306141A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100543091B1 (ko) * | 2002-09-18 | 2006-01-20 | 제일모직주식회사 | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 |
JP2009084325A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-23 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
US7538104B2 (en) | 2001-10-17 | 2009-05-26 | Ciba Specialty Chemicals Corporation | Photoactivable nitrogen bases |
-
1998
- 1998-02-24 JP JP4269298A patent/JPH10306141A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7538104B2 (en) | 2001-10-17 | 2009-05-26 | Ciba Specialty Chemicals Corporation | Photoactivable nitrogen bases |
US8252784B2 (en) | 2001-10-17 | 2012-08-28 | Basf Se | Photoactivable nitrogen bases |
KR100543091B1 (ko) * | 2002-09-18 | 2006-01-20 | 제일모직주식회사 | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 |
JP2009084325A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-23 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
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