JPH10304661A - スイッチング電源装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機器の２次側負荷短絡事故の検出精度を改善
し、従来より確実な保護動作機能を有した安全性の高い
スイッチング電源装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 機器の各２次側出力の負荷短絡事故を負
荷短絡事故検出素子１５、１６の使用によって、異常電
流として検知し、１次側スイッチ素子駆動制御回路３へ
伝達する伝達回路１０と、過電流保護装置の動作をさせ
る機能を備え、複数の各２次側出力の短絡事故を１つの
過電流保護装置で検出できる回路を備えた構成を有する
ことにより、機器の２次側負荷短絡事故の検出精度を改
善するスイッチング電源装置が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ＶＴＲやファクシ
ミリなどのように動作待機モードを有し、１日２４時間
常時通電状態にあり、無人状態で動作させる機会が多い
一般家庭電化製品に利用して有効なスイッチング電源装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、マイクロコンピューターに制御さ
れる家庭電化製品は数多くあり、本来の動作以外に、あ
る条件のもとで、その動作をさせるような使用法が一般
的になってきている。そのために、動作待機状態として
無人状態でも常に通電状態にしておく必要がある。

【０００３】以下に、従来のスイッチング電源装置につ
いて説明する。図２は、従来のスイッチング電源装置の
回路構成を示すものである。図２において、１はスイッ
チ素子、２はスイッチ素子１をＯＮ／ＯＦＦ駆動するス
イッチ素子駆動回路、３は１次側スイッチ素子駆動制御
回路、４は第１の２次側整流平滑回路、５は第２の２次
側整流平滑回路、６は第３の２次側整流平滑回路、７は
１次側整流平滑回路、８は１次側と２次側を絶縁してお
り電磁結合によって１次側入力電圧を２次側必要電圧に
変換しているトランス、９は検知回路で、複数の２次側
出力電圧Ｖ１、Ｖ２、Ｖ３のうち出力電圧値が１番低い
電圧Ｖ１を基準電圧として制御している。１０は出力検
知回路９の出力信号を１次側スイッチ素子駆動制御回路
３に伝達する伝達回路、１１及び１２は過電流保護素
子、１３は電圧安定回路、１４はノイズ除去素子で、１
７、１８、１９は各出力ラインの負荷である。

【０００４】以上のように構成された従来のスイッチン
グ電源装置について、以下その動作について説明する。

【０００５】まず、機器が通常動作状態の場合、第３の
２次側整流平滑回路６の出力電圧を検知回路９によって
検出し、その検出結果を伝達回路１０を介して１次側ス
イッチ素子駆動制御回路３へ伝達し、１次側スイッチ素
子駆動制御回路３がスイッチ素子駆動回路２を制御す
る。よって、発振周波数が決定され、１次側から２次側
へ必要な負荷が、複数の出力ラインに供給される。そし
て、機器の負荷に事故が生じた場合、その事故の発生し
た負荷のラインに直列に接続されている過電流保護素子
１１又は１２が動作し、この２次側回路を電源回路から
遮断することによって機器の安全を維持している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来構成では、各出力毎に、異なる出力インピーダンスを
有するため、異なる過電流保護素子１１、１２を導入す
る必要性があり、各出力のインピーダンスを決定してい
る素子のバラツキにより、過電流保護素子１１、１２の
動作点が変化し、全ての出力毎に、同じ精度の保護動作
を確保できないという問題点を有していた。

【０００７】本発明は、上記従来の問題点を解決するも
ので、機器の２次側負荷短絡事故の検出精度を改善し、
従来より確実な保護動作機能を有した安全性の高いスイ
ッチング電源装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明のスイッチング電源装置は、機器の各２次側
出力の負荷短絡事故を負荷短絡事故検出素子の使用によ
って、異常電流として検知し、前記１次側スイッチ素子
駆動制御回路へ伝達する伝達回路と、過電流保護装置の
動作をさせる機能を備え、複数の各２次側出力の短絡事
故を１つの過電流保護装置で検出できる回路を備えた構
成を有している。

【０００９】この構成によって、負荷短絡事故時の保護
回路の動作精度を改善し、確実な保護動作機能を有した
スイッチング電源装置が得られる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、１次巻線と、その１次巻線に電磁結合された１次補
助巻線と、出力電圧を得るための２次巻線とを複数有す
るトランスと、前記トランスの１次補助巻線に接続され
た１次整流平滑回路と、前記トランスの２次巻線に接続
された複数の２次側整流平滑回路と、前記複数の２次側
整流平滑回路より得られる複数の２次側出力のうち出力
電圧値が一番低い出力電圧を基準電圧として制御し検知
する検知回路と、前記トランスの１次巻線に流れる電流
をオン・オフするスイッチ素子と、前記スイッチ素子を
オン・オフさせるスイッチ素子駆動回路と、前記検知回
路からの帰還信号によって、前記スイッチ素子のオン時
間、または、オフ時間、または、オン時間とオフ時間を
制御し複数の２次側出力電圧を安定させる機能を有する
１次側スイッチ素子駆動制御回路と、電子機器の２次側
各負荷短絡事故を負荷短絡事故検出素子によって電圧に
て検出し基準電圧出力の過電流として変換し前記１次側
スイッチ素子駆動制御回路へ異常状態を伝達する伝達回
路と、前記１次側スイッチ素子駆動制御回路に設けてあ
る過電流保護装置によって前記スイッチ素子駆動回路の
スイッチ機能を停止させ、複数の２次側出力電圧の電流
をゼロにする保護装置を備えたものであり、この構成に
よって電子機器の負荷状態が、通常時と比較して負荷短
絡状態になったとき、スイッチング電源の動作を安全な
状態で維持させることができるという作用を有する。

【００１１】以下、本発明の実施の形態について、図１
を用いて説明する。 （実施の形態１）図１は、本実施の形態のスイッチング
電源装置の回路図であり、図１において、１はスイッチ
素子である。２はスイッチ素子駆動回路で、スイッチ素
子１をオン・オフする。３は１次側スイッチ素子駆動制
御回路、４、５、６は各２次側整流平滑回路で、７は１
次側整流平滑回路である。８はトランスで１次側と２次
側を絶縁しており、電磁結合によって１次側入力電圧を
２次側必要電圧に変換している。９は出力検知回路で複
数の２次側出力電圧のうち出力電圧値が、１番低い電圧
を基準として制御している。１０は検知回路９の出力信
号を１次側スイッチ素子駆動制御回路３に伝達する伝達
回路で、１３は負荷へ安定電圧を供給するための電圧安
定回路、１４は負荷への、または、負荷からのノイズを
除去するノイズ除去素子で、１５、１６は出力検知回路
９により制御されている２次側出力電圧ラインより電圧
の高い複数の２次側出力電圧のラインの間に接続されて
いるダイオード、または、トランジスタで構成される負
荷短絡事故検出素子で、負荷の短絡状態を電圧として検
出し、基準電圧出力を過電流として変換するためのもの
である。１７、１８、１９は各出力ラインの負荷であ
る。

【００１２】以上のように構成されたスイッチング電源
装置について図１を用いてその動作を説明する。まず、
機器が通常動作状態の場合、２次側整流平滑回路６の出
力電圧を検知回路９によって検出し、その結果を伝達回
路を介して１次側スイッチ素子駆動制御回路３へ伝達
し、スイッチ素子駆動回路２を制御することによって、
発振周波数が決定され、１次側から２次側へ必要な負荷
が供給される。

【００１３】そして機器の負荷短絡事故が起こった場
合、Ｖ２、または、Ｖ３の電位がアース電位となる。従
って、Ｖ２、または、Ｖ３の電圧が、基準電圧出力Ｖ１
より下回ることとなり、基準電圧出力Ｖ１の電流が、ダ
イオード、または、トランジスタで構成される負荷短絡
事故検出素子１５、または、１６を通してアース電位と
なるＶ２、または、Ｖ３に流れ込む。その結果、基準電
圧出力Ｖ１が、負荷短絡事故検出素子１５、または、１
６を通してアース電位に接地されることとなり、Ｖ２、
または、Ｖ３の負荷短絡事故が、基準電圧出力Ｖ１の短
絡状態として転換される。一方、基準電圧出力Ｖ１の安
定化制御は、基準電圧出力Ｖ１を検知回路９にて検知
し、電圧の変化を検知回路９から出力信号として出力
し、伝達回路１０を通して１次側スイッチ素子駆動制御
回路３に伝達し、１次側スイッチ素子駆動制御回路３に
よって、基準電圧出力Ｖ１が基準電圧値になるように、
スイッチ素子駆動回路２の制御を行い、発振周波数を変
化させることを行っている。しかしながら、負荷短絡事
故によって、基準電圧出力Ｖ１の電流が、負荷短絡事故
検出素子１５、または、１６を通してＶ２、または、Ｖ
３に流れ続けるため、２次側基準電圧出力Ｖ１の電圧降
下が発生する。この結果、検知回路９は負荷短絡状態を
検出し、１次側スイッチ素子駆動制御回路３の中に設け
てある過電流保護装置によってスイッチ素子駆動回路２
のスイッチ機能を停止させ、複数の２次側出力電圧の電
流をゼロにしスイッチング電源装置を停止させる。

【００１４】また、２次側負荷１９の負荷短絡事故が起
こった場合、同様に、基準電圧出力Ｖ１が、アース電位
＋Ｖｆ（Ｖｆは、ダイオード、または、トランジスタの
ジャンクション電圧）となり、基準電圧出力Ｖ１の電流
が流れ続ける。これにより２次側基準電圧出力Ｖ１の電
圧降下が発生する。この結果、検知回路９は負荷短絡状
態を検出し、１次側スイッチ素子駆動制御回路３の中に
設けてある過電流保護装置によって、機器のスイッチン
グ電源装置を停止させる。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明は、複数の２次側の
出力電圧の中の一番低い電圧を、検知回路にて基準電圧
として制御している２次側整流平滑回路のラインと他の
複数の２次側整流平滑回路のラインを負荷短絡事故検出
素子で接続することにより、負荷短絡事故を基準電圧出
力ラインの負荷短絡事故として検出し、検知回路の出力
の制御信号によって、スイッチング電源の出力を停止さ
せる過電流保護装置を１次側スイッチ素子駆動制御回路
３の中に設けることにより、機器が故障時、即ち、負荷
短絡事故時の検出精度を改善し、確実な保護動作をさせ
ることができ、また、複数の２次側出力の短絡事故を１
つの過電流保護装置で検出できるという優れた効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１におけるスイッチング電
源装置の構成を示す回路図

【図２】従来のスイッチング電源装置の構成を示す回路
図

【符号の説明】

１ スイッチ素子 ２ スイッチ素子駆動回路 ３ １次側スイッチ素子駆動制御回路 ４、５、６ ２次側整流平滑回路 ７ １次側整流平滑回路 ８ トランス ９ 検知回路 １０ 伝達回路 １５、１６ 負荷短絡事故検出素子

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 １次巻線と、その１次巻線に電磁結合さ
   れた１次補助巻線と、出力電圧を得るための２次巻線と
   を複数有するトランスと、前記トランスの１次補助巻線
   に接続された１次整流平滑回路と、前記トランスの２次
   巻線に接続された複数の２次側整流平滑回路と、前記複
   数の２次側整流平滑回路より得られる複数の２次側出力
   のうち出力電圧値が一番低い出力電圧を基準電圧として
   制御し検知する検知回路と、前記トランスの１次巻線に
   流れる電流をオン・オフするスイッチ素子と、前記スイ
   ッチ素子をオン・オフさせるスイッチ素子駆動回路と、
   前記検知回路からの帰還信号によって、前記スイッチ素
   子のオン時間、または、オフ時間、または、オン時間と
   オフ時間を制御し複数の２次側出力電圧を安定させる機
   能を有する１次側スイッチ素子駆動制御回路と、電子機
   器の２次側各負荷短絡事故を負荷短絡事故検出素子によ
   って電圧にて検出し基準電圧出力の過電流として変換し
   前記１次側スイッチ素子駆動制御回路へ異常状態を伝達
   する伝達回路と、前記１次側スイッチ素子駆動制御回路
   に設けてある過電流保護装置によって前記スイッチ素子
   駆動回路のスイッチ機能を停止させ、複数の２次側出力
   電圧の電流をゼロにする保護装置を備えたことを特徴と
   するスイッチング電源装置。