JPH10304644A - ステッピングモータ - Google Patents

ステッピングモータ

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JPH10304644A
JPH10304644A JP10230097A JP10230097A JPH10304644A JP H10304644 A JPH10304644 A JP H10304644A JP 10230097 A JP10230097 A JP 10230097A JP 10230097 A JP10230097 A JP 10230097A JP H10304644 A JPH10304644 A JP H10304644A
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rib
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bracket
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Noritsuna Rokuhara
憲綱 六波羅
Tetsuya Miyagawa
哲也 宮川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】騒音が小さく、かつ同軸度が高いステッピング
モータを提供する。 【解決手段】ステッピングモータ1は、ハイブリッド型
のステッピングモータであり、複数の磁極を有するステ
ータコア8およびステータコア8に施された巻線9を有
するステータ7と、ステータ7の両端に装着されたブラ
ケット5、6と、ブラケット5、6の基部51、61に
固定された軸受け3、4と、軸受け3、4により回転可
能に支持されたロータ14とを有している。ブラケット
5は、金属板を塑性変形させて、基部51の主面に対し
ほぼ直角に屈曲する側壁52を形成してなるものであ
り、側壁52の端部521が、ステータコア8の端面に
当接するように装着されている。このブラケット5の基
部51には、開口511を囲む四角形の第1のリブ54
と、この第1のリブ54と側壁52とを連結する第2の
リブ55とが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステッピングモー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、プリンタやコピー機の紙送りに
は、ハイブリッド型のステッピングモータが用いられて
いる。このステッピングモータは、ステータコアおよび
ステータコアに施された巻線とからなるステータと、ス
テータの両端にそれぞれ配置された一対のブラケット
と、各ブラケットにそれぞれ固定された一対の軸受け
と、各軸受けにより回転可能に支持されたロータとで構
成されている。そして、前記一対のブラケットでステー
タコアを挟み、これらを複数箇所でボルトおよびナット
により固定している。
【0003】この場合、従来では、アルミダイキャスト
製のブラケットが用いられており、同軸度を向上させる
ために、そのアルミダイキャストを切削加工している。
【0004】このため、ブラケットの加工に手間がかか
るともに、製造コストが高いという問題がある。
【0005】そこで、製造が容易な方法として、金属板
にプレス加工を施してブラケットを製造する方法が提案
されているが、この場合には、前記ダイキャストのもの
に比べ、モータから出る騒音が大きいという問題があ
る。
【0006】しかも、前記ダイキャストのものに比べ、
強度が低いので、ネジによりブラケットを固定したと
き、その締め付けによる応力がブラケットの中央部に集
中し、これにより、特にブラケットの中央部が変位(変
形)し、ブラケットの平行度が損われ、軸受が傾いた
り、位置がずれる。その結果、回転軸と、軸受及びステ
ータコアとの同軸度が低下する。このため、ロータを設
置することができないことや、ロータが円滑に回転しな
いことがある。
【0007】なお、金属板の厚さを厚くして、強度を高
めることもできるが、この場合には、加工性が低下し、
その利点が損なわれる。
【0008】また、金属板の厚さは変更せず、ブラケッ
トに補強用のリブを形成することも考えられるが、モー
タからの騒音、振動や、ネジ締めによるブラケットの中
央部の変位と、前記リブの成形パターンとの関係は何ら
解明されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、騒
音、振動が小さく、かつ同軸度が高いステッピングモー
タを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(20)の本発明により達成される。
【0011】(1) ステータと、中央部に開口が形成
され、かつ外周部に複数のネジ止め用の孔部が形成され
た基部と、該基部に対して屈曲する側壁とを有し、前記
ステータの両端にそれぞれ装着された一対のブラケット
と、前記各ブラケットの基部の開口内にそれぞれ固定さ
れた一対の軸受けと、前記ステータの内側に挿入され、
前記両軸受けにより回転可能に支持されたロータとを有
するステッピングモータであって、前記両ブラケットの
うちの少なくとも一方は、その基部に、前記開口を囲む
第1のリブと、該第1のリブと前記側壁とを連結する第
2のリブとを有することを特徴とするステッピングモー
タ。
【0012】(2) ステータと、中央部に開口が形成
され、かつ外周部に複数のネジ止め用の孔部が形成され
た基部と、該基部に対して屈曲する側壁とを有し、前記
ステータの両端にそれぞれ装着された一対のブラケット
と、前記各ブラケットの基部の開口内にそれぞれ固定さ
れた一対の軸受けと、前記ステータの内側に挿入され、
前記両軸受けにより回転可能に支持されたロータとを有
するステッピングモータであって、前記両ブラケット
は、それぞれ、その基部に、前記開口を囲む第1のリブ
と、該第1のリブと前記側壁とを連結する第2のリブと
を有することを特徴とするステッピングモータ。
【0013】(3) 前記両ブラケットのうちの少なく
とも一方は、金属板を塑性変形させて成形したものであ
る上記(1)または(2)に記載のステッピングモー
タ。
【0014】(4) 前記ブラケットは、プレス加工、
深絞り加工または曲げ加工のいずれかの工程を経て製造
されたものである上記(3)に記載のステッピングモー
タ。
【0015】(5) 前記第1のリブおよび第2のリブ
は、前記ブラケットの成形時に形成されたものである上
記(3)または(4)に記載のステッピングモータ。
【0016】(6) 前記第1のリブは、角部を有する
上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のステッピン
グモータ。
【0017】(7) 前記第1のリブは、直線状の組み
合わせである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載
のステッピングモータ。
【0018】(8) 前記第1のリブは、該第1のリブ
およびその延長線が前記開口および/または前記孔部と
交わらないよう構成されている上記(1)ないし(7)
のいずれかに記載のステッピングモータ。
【0019】(9) 前記第2のリブは、直線状または
その組み合わせである上記(1)ないし(8)のいずれ
かに記載のステッピングモータ。
【0020】(10) 前記第2のリブは、該第2のリブ
およびその延長線が前記開口および/または前記孔部と
交わらないよう構成されている上記(1)ないし(9)
のいずれかに記載のステッピングモータ。
【0021】(11) 前記第2のリブは、前記側壁の複
数の部位に連結している上記(1)ないし(10)のいず
れかに記載のステッピングモータ。
【0022】(12) 前記孔部は、前記第1のリブおよ
び第2のリブにより区画された2以上の異なる領域に位
置している上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の
ステッピングモータ。
【0023】(13) 前記基部の形状は、ほぼ四角形で
ある上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のステッ
ピングモータ。
【0024】(14) 前記孔部は、前記基部の四隅にそ
れぞれ形成され、該各孔部が、それぞれ、前記第1のリ
ブおよび第2のリブにより区画された異なる領域に位置
している上記(13)に記載のステッピングモータ。
【0025】(15) 前記第1のリブおよび第2のリブ
の前記基部上の形成パターンが格子状である上記(13)
または(14)に記載のステッピングモータ。
【0026】(16) 前記形成パターンにおける格子
が、前記基部の一辺と平行、または、前記基部の対角線
と平行である上記(15)に記載のステッピングモータ。
【0027】(17) 前記第1のリブおよび第2のリブ
の前記基部上の形成パターンは、前記開口の中心に対し
て点対称か、または、該中心を通る前記基部上の直線に
対して線対称である上記(1)ないし(16)のいずれか
に記載のステッピングモータ。
【0028】(18) 前記第1のリブおよび第2のリブ
は、前記ブラケットの内側に突出している上記(1)な
いし(17)のいずれかに記載のステッピングモータ。
【0029】(19) 前記第1のリブおよび第2のリブ
の高さは、前記基部の厚さの10〜300%である上記
(1)ないし(18)のいずれかに記載のステッピングモ
ータ。
【0030】(20) ハイブリッド型またはVR型のス
テッピングモータである上記(1)ないし(19)のいず
れかに記載のステッピングモータ。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明のステッピングモー
タを添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明す
る。
【0032】図1は、本発明のステッピングモータの実
施例を示す分解斜視図、図2は、図1に示すステッピン
グモータの断面図、図3は、図1に示すステッピングモ
ータのブラケットの構成を示す斜視図、図4は、図3に
示すブラケットの平面図、図5は、図4のA−A線での
断面図、図6は、図3に示すブラケットの正面図、図7
は、図3に示すブラケットの背面図、図8は、図3に示
すブラケットの第1のリブおよびその近傍を示す断面
図、図9は、図1に示すステッピングモータのブラケッ
トの構成を示す斜視図、図10は、図1に示すステッピ
ングモータのステータコアの構成を示す平面図である。
【0033】図1および図2に示すように、本実施例の
ステッピングモータ1は、ハイブリッド型のステッピン
グモータであり、ステータ7と、ステータ7の一端に装
着された第1のブラケット(以下、単に「ブラケット」
と言う)5および他端に装着された第2のブラケット
(以下、単に「ブラケット」と言う)6と、ブラケット
5の基部(底部)51に固定された軸受け3およびブラ
ケット6の基部(頂部)61に固定された軸受け4と、
ステータ7の内側に挿入され、両軸受け3、4により回
転可能に支持されたロータ14とを有している。
【0034】前記軸受け3および4は、それぞれ、焼結
体よりなる滑り軸受けで構成されている。
【0035】ロータ14は、回転軸15と、回転軸15
の外周に設置された円盤状(円環板状)の永久磁石16
と、永久磁石16の一端に接合されたロータコア17お
よび他端に接合されたロータコア18とで構成されてい
る。
【0036】この場合、回転軸15と、永久磁石16、
ロータコア17および18とは、永久磁石16、ロータ
コア17および18の内腔に回転軸15を圧入するこ
と、あるいは、前記内腔に回転軸15を挿入(嵌入)
し、これらを溶接または接着剤で接着することにより固
定されている。
【0037】永久磁石16としては、磁気特性に優れた
ものが用いられ、例えば、希土類元素と遷移金属とを基
本成分とする希土類磁石(例:Sm−Co系磁石)、あ
るいは希土類元素と遷移金属とボロンとを基本成分とす
る希土類磁石(例:Nd−Fe−B系磁石)が好適に使
用される。また、永久磁石16の形態(種類)は、例え
ばボンド磁石、焼結磁石、鋳造磁石等、いずれのもので
もよい。
【0038】ロータコア17および18は、それぞれ、
積層された複数枚の鋼板(金属板)で構成されている。
【0039】これらロータコア17および18の外周側
側面には、それぞれ、複数の歯極171および181が
周方向に沿って並設されている。この場合、ロータコア
17および18は、半ピッチ分ずれた状態、すなわち、
隣接する歯極171、171の間に、歯極181が位置
するように配置されている。
【0040】図示しないが、これらのロータコア17、
18、永久磁石16は、歯極171、181の先端部を
残して樹脂でモールドされていてもよい。
【0041】なお、回転軸15の先端部(図1および図
2中上側端部)には、プーリー2が嵌入されている。
【0042】また、軸受け3とロータコア17との間に
は、3枚のワッシャー19が挿入され、同様に、軸受け
4とロータコア18との間には、3枚のワッシャー19
が挿入されている。
【0043】ステータ7は、ステータコア8と、絶縁部
材10および11と、ステータコア8に施された巻線9
とで構成されている。
【0044】前記ステータコア8は、積層された複数枚
の鋼板(金属板)で構成されている。
【0045】図10に示すように、ステータコア8の内
周側側部には、8つの磁極81が形成されている。各磁
極81には、それぞれ、複数の歯極82が周方向に沿っ
て並設されている。各歯極82は、ロータ14の回転中
心(軸線151)から等距離に、すなわち、同心円上に
配置されている。
【0046】軸線方向から見たステータコア8の側面8
6の形状、すなわち、図10におけるステータコア8の
外形は、各角部83に面取り部84を有する四角形をな
している。各面取り部84は、後述するブラケット5の
対応する面取り部53より幅広になっている。
【0047】このように、ステータコア8の各角部83
に面取り部84を設けることにより(ステータコア8の
一部を切欠いた構造にすることにより)、モータ形状
(モータ寸法)を大きくすることなく、モータ特性を向
上させることができる。
【0048】また、ステータコア8の各角部83には、
ネジ21が挿入される貫通孔85が形成されている。
【0049】図1および図2に示すように、ステータコ
ア8には、その一端側から絶縁部材10が挿入され、他
端側から絶縁部材11が挿入されている。そして、ステ
ータコア8には、これら絶縁部材10および11を介し
て、巻線9が施されている。このように、絶縁部材10
および11を介在させることにより、ステータコア8
と、巻線9とを確実に絶縁することができる。
【0050】ロータ14をステータ7の内側に挿入した
状態では、ロータコア17、18の歯極171、181
と、ステータコア8の歯極82とが非接触で対面する。
この場合、ロータコア17、18の歯極171、181
と、ステータコア8の歯極82との間には、例えば、
0.04〜0.08mm程度の間隙(ギャップ)が形成さ
れる。
【0051】このようなステータ7の図1および図2中
下側には、回路基板12が配置されている。この回路基
板12の端子部には、巻線9の両端と、巻線9に電力を
供給するためのリード線121の一端とが、それぞれ、
電気的に接続されている。なお、リード線121の他端
は、ステッピングモータ1の図示しない駆動回路(駆動
制御回路)に電気的に接続されている。
【0052】回路基板12と、ブラケット5との間に
は、回路基板12とブラケット5とを絶縁する絶縁シー
ト13が設けられている。
【0053】図3および図4に示すように、ブラケット
5は、ほぼ正方形(四角形)の基部51と、側壁52と
を有している。側壁52は、基部51の外周部(外側
部)に、軸線151と平行で、かつ、ステータコア8側
に向けて立設されている。後述するように、この側壁5
2は、金属板を塑性変形させて、基部51の主面510
に対しほぼ直角に屈曲させたものである。
【0054】このブラケット5は、側壁52の端部52
1が、ステータコア8の端面に当接するように装着され
ている。この場合、ステータコア8の端面と基部51と
の間には、所定の空間が形成され、その空間に、巻線9
がブラケット5と非接触の状態で収納されている。すな
わち、側壁52は、ステータコア8の端面と基部51と
の間に巻線9の収納空間を形成するためのスペーサーと
して機能する。
【0055】図4に示すように、軸線方向から見たブラ
ケット5の側面の形状、すなわち、図4における側壁5
2の外形は、ステータコア8の外形とほぼ一致し、各角
部に面取り部53を有する四角形をなしている。
【0056】図3に示すように、各面取り部53の図3
中上側には、側壁52の高さを増加する突部523が形
成されている。すなわち、各突部523は、ブラケット
5の四隅に配置されている。
【0057】各突部523は、それぞれ、ステータコア
8の対応する面取り部84(ステータコア8の側面)と
係合する。
【0058】前記4つの突部523により、ステータコ
ア8の側面86の複数箇所(4つの面取り部84)に係
合する係合部が構成される。
【0059】この場合、前記係合部の係合により、すな
わち、各突部523が、それぞれ対応する面取り部84
と係合すると、軸受け3、4と、ステータ7(ステータ
コア8)との中心を同一とする位置合わせがなされる。
従って、前記各突部523と、前記各面取り部84と
で、ステータ7(ステータコア8)に対するブラケット
5の位置決めを行う位置決め手段が構成される。
【0060】ステッピングモータ1は、この位置決め手
段、すなわち、各突部523および各面取り部84を有
しているので、同軸度(中心合わせ精度)が高く、しか
も、容易に、軸受け3、4と、ステータ7との中心を同
一とする位置合わせを行うことができる。従って、極め
て優れた特性のステッピングモータが得られる。
【0061】ここで、図4に示すように、軸線151と
突部523の距離をa、図10に示すように、軸線15
1とステータコア8の側面86の突部523が係合する
箇所との距離、すなわち、軸線151と面取り部84と
の距離をbとしたとき、a≦b(圧入)の関係を満足す
るように設定されている。
【0062】また、図4および図10に示すように、軸
線方向から見て、側壁52の突部523を除く部分の外
面522と、ステータコア8の側面86とがほぼ一致し
ている。これにより、モータの側面に無用な凹凸が生じ
ず、装置への設置上有利となる。
【0063】図3、図4および図6に示すように、側壁
52の中央部には、巻線9への通電用の配線、すなわ
ち、リード線121が挿通される矩形の切欠き524が
形成されている。
【0064】図3、図4、図5および図7に示すよう
に、ブラケット5の基部51の中央部には、円形状の開
口511が形成されている。この開口511に臨む縁部
512に、軸受け3をかしめることによりその軸受け3
が基部51に固定的に設置される。従って、前記開口5
11および縁部512により、軸受け3を支持する軸受
け支持部が構成される。
【0065】また、基部51の各角部(4隅)には、そ
れぞれ、ネジ21が挿入される貫通孔(ネジ止め用の孔
部)515が形成されている。
【0066】図3、図4および図5に示すように、この
ようなブラケット5の基部51には、基部51の一方の
対角線(開口511を介して対向する貫通孔515、5
15の中心間を結ぶ直線、以下同じ)と平行な2本の直
線状のリブ56と、基部51の他方の対角線と平行な2
本の直線状のリブ57とが形成されている。すなわち2
本のリブ56と、2本のリブ57とが互いに直交するこ
とにより、格子状のパターンが形成されている。
【0067】これらのリブ56および57により、基部
51が補強され、ブラケット5の機械的強度が向上す
る。
【0068】これにより、ブラケット5の一次固有振動
周波数が高周波数帯域に移行し、よって、ステッピング
モータ1における人間が聞き取れる周波数帯域の振動量
が減少する。すなわち、ステッピングモータ1の駆動時
の騒音が減少する。
【0069】そして、ネジ21でブラケット5を固定し
たときにブラケット5の中央部に集中していた応力が、
リブ56および57の作用により分散されて、ブラケッ
ト5の中央部の変位量(最大変位量)が減少する。これ
により、同軸度(ロータ14の理想的な回転中心と、開
口511の中心とが一致する度合い)が向上し、よって
モータ特性を向上することができる。また、歩留りも向
上する。
【0070】これらのリブ56、57は、それぞれ、ブ
ラケット5の基部51の内側(図3および図5中上側)
に突出している。また、図5、図6および図7に示すよ
うに、基部51の背面(ブラケット5の外側)には、各
リブ56、57と対応する溝58が形成されている。こ
のようにリブ56、57がブラケット5の内側に突出し
ている場合には、例えば、ブラケット5をその背面同士
が接するように重ねたときでも、リブ56、57が邪魔
にならないという利点がある。
【0071】各リブ56、57は、それぞれ、リブおよ
びその延長線が開口511および貫通孔515と交わら
ないように、すなわち、リブがそれと平行な対角線上の
貫通孔515および開口511の近傍を通るように配置
されている。そして、各リブ56、57は、それぞれ、
開口511の中心(軸線151)から等距離の位置に配
置されている。
【0072】また、各リブ56、57の両端は、それぞ
れ、対応する側壁52に連結されている。
【0073】このようなリブ56、57の基部51上の
形成パターン、すなわち格子状のパターンは、開口51
1の中心に対して点対称で、かつ、前記中心を通る基部
51上の直線(例えば、基部51の対角線、開口511
の中心を通る側壁52と平行な直線)に対して線対称で
あるので、バランスが良い。このため、前述した本発明
の効果、すなわち、騒音、振動の低減、同軸度の向上の
効果がより顕著となる。
【0074】ここで、リブ56におけるリブ57とリブ
57の間の部分を中間部561、この中間部561の両
側の部分をそれぞれ端部562、563とし、同様に、
リブ57におけるリブ56とリブ56の間の部分を中間
部571、この中間部571の両側の部分をそれぞれ端
部572、573としたとき、前記リブ56の各中間部
561およびリブ57の各中間部571により、開口5
11を囲む四角形(正方形)の第1のリブ54が構成さ
れる。すなわち、第1のリブ54は、直線状の組み合わ
せからなり、直角の角部541を4つ有している。
【0075】また、前記リブ56の各端部562および
563と、前記リブ57の各端部572および573と
により、第1のリブ54と側壁52とを連結する第2の
リブ55が構成される。すなわち、第2のリブ55は、
直線状の組み合わせからなり、各角部541と、対応す
る側壁52とを連結している。
【0076】なお、各貫通孔515は、それぞれ、前記
第1のリブ54および第2のリブ55により区画された
異なる領域に位置している。これにより、騒音、振動の
低減、同軸度の向上の効果がより顕著となる。
【0077】図8に示すように、基部51の厚さをh1
、第1のリブ54、55の幅をw、高さをh2 とした
とき、第1のリブ54、第2のリブ55の高さh2 は、
基部51の厚さh1 の10〜300%程度が好ましく、
40〜60%程度がより好ましい。
【0078】第1のリブ54、第2のリブ55の高さh
2 が基部51の厚さh1 の300%を超えると、ブラケ
ット5の製造(加工)上困難となり、10%未満では、
基部51の厚さh1 等の諸条件や、第1のリブ54、第
2のリブ55の形成パターン等によっては、騒音、振動
の低減、同軸度の向上の効果が不十分となるおそれがあ
る。
【0079】また、第1のリブ54、第2のリブ55の
幅wは、基部51の厚さh1 の50〜300%程度が好
ましく、130〜180%程度がより好ましい。
【0080】第1のリブ54、第2のリブ55の幅wを
前記範囲内に設定すると、騒音、振動の低減、同軸度の
向上の効果がより顕著となる。
【0081】また、ブラケット5は、その表面に防食処
理がなされているのが好ましい。これにより、ブラケッ
ト5の化学的耐久性が向上し、ステッピングモータ1の
信頼性を向上させることができる。本実施例の場合、材
料として防食メッキ(亜鉛メッキ鋼版)を用いている
が、ブラケット5へ、加工後に、同様のメッキを施す等
の防食処理を施してもよい。
【0082】図1、図2および図9に示すように、ブラ
ケット6の基部61には、第1のリブ54および第2の
リブ55が形成されている。これらの第1のリブ54お
よび第2のリブ55の構成は、それぞれ、前述したブラ
ケット5の第1のリブ54および第2のリブ55と同様
であるので説明を省略する。
【0083】また、ブラケット6の基部61の各角部
(四隅)には、それぞれ、ネジ21と螺合するネジ孔6
3が形成されいる。そして、ブラケット6の側壁62に
は、切欠きが形成されていない。ブラケット6のこの他
の構成は、前述したブラケット5とほぼ同様であるの
で、説明を省略する。
【0084】本実施例では、ブラケット5および6は、
鋼板等の金属板を材料とし、この材料にプレス打ち抜き
加工およびプレス曲げ加工等の多段階の連続プレス加工
と、必要に応じ切削加工とを施して製造される。
【0085】この場合、第1のリブ54および第2のリ
ブ55は、それぞれ、ブラケット5、6の成形時に、す
なわち、例えば前記連続プレス加工の所定の段階で、形
成されるのが好ましい。これにより、ステッピングモー
タ1の製造工数を増加することなく、基部51に第1の
リブ54および第2のリブ55を形成することができ
る。
【0086】このような製造法では、前述したような形
状、特に、側壁52、突部523、開口511、貫通孔
515、第1のリブ54、第2のリブ55の形状等を容
易に、かつ高い寸法精度で形成することができ、ブラケ
ット5、6の機械的強度も十分に高い。
【0087】なお、本発明におけるブラケット5および
6は、それぞれ、このようにして製造されたものに限ら
ず、例えば、プレス加工、深絞り加工または曲げ加工の
いずれかの工程を経て製造されたものであってもよい。
【0088】また、本発明では、ブラケット5および6
のうちの一方が、金属板を塑性変形させて側壁を形成し
てなるものであってもよい。
【0089】また、本発明では、ブラケット5および6
のうちのいずれか一方にのみ、突部(係合部)523が
設けられていてもよい。また、ブラケット5および6の
いずれも突部523が省略されていてもよい。
【0090】前述したステッピングモータ1では、ステ
ータ7がブラケット5および6により挟持された状態
で、ブラケット6のネジ孔63にネジ21が螺合し、こ
れにより、ステータ7と、ブラケット5と、ブラケット
6とが固定されている。
【0091】そして、ステッピングモータ1の駆動回路
により、リード線121および回路基板12を介して巻
線9にパルス信号を通電すると、巻線9が励磁され、ロ
ータ14を回転駆動するトルクが発生する。そして、ロ
ータ14は、入力されたパルス信号のパルス数に応じ
て、所定のステップ数、すなわち所定の角度回転する。
【0092】以上説明したように、ステッピングモータ
1では、ブラケット5、6の基部51、61に、それぞ
れ、前述した第1のリブ54および第2のリブ55が形
成されているので、ブラケット5、6の機械的強度が向
上し、これによりステッピングモータ1の駆動時の騒
音、振動が減少する。
【0093】そして、ネジ21で、ステータ7と、ブラ
ケット5と、ブラケット6とを固定したときにブラケッ
ト5の中央部に集中していた応力が、第1のリブ54お
よび第2のリブ55の作用により分散されて、ブラケッ
ト5、6の中央部の変位量が減少し、これにより、同軸
度が向上する。
【0094】また、ステッピングモータ1では、主にプ
レス加工により、金属板を塑性変形させて、側壁52、
62を有するブラケット5、6を製造し、これらブラケ
ット5とブラケット6とで、ステータ7を挟持するよう
に構成されているので、モータの製造を容易かつ安価に
行うことができ、また、モータの小型、軽量化および量
産にも有利である。
【0095】例えば、アルミダイキャスト製のブラケッ
トを用いる場合に比べ、ブラケットの製造(加工)が容
易であるとともに、低コスト化に有利である。
【0096】また、ステッピングモータ1は、ハイブリ
ッド型のステッピングモータであるので、PM型のステ
ッピングモータに比べ、分解能が高い、すなわち、ステ
ップ角が小さく、このため、緻密な制御を行う場合に有
利である。
【0097】次に、本発明のステッピングモータの他の
実施例を説明する。この場合、前述したステッピングモ
ータ1との共通点については説明を省略し、主な相違点
を説明する。
【0098】図11は、本発明のステッピングモータの
他の実施例のブラケットの構成を示す平面図、図12
は、図11に示すブラケットの背面図、図13は、本発
明のステッピングモータの他の実施例のブラケットの構
成を示す平面図、図14は、図13に示すブラケットの
背面図、図15は、本発明のステッピングモータの他の
実施例のブラケットの構成を示す平面図、図16は、図
15に示すブラケットの背面図、図17は、本発明のス
テッピングモータの他の実施例のブラケットの構成を示
す平面図、図18は、図17に示すブラケットの背面図
である。
【0099】これらの図に示すように、各ステッピング
モータ1は、前述したステッピングモータ1と、ブラケ
ット5、6の基部51、61に形成されている第1のリ
ブ54および第2のリブ55のパターンが異なるのみで
あり、この他の構成は、ほぼ同様である。
【0100】図11および図12に示すブラケット5の
基部51には、開口512を囲む四角形(正方形)の第
1のリブ54が形成されている。この第1のリブ54
は、基部51の一辺と、第1のリブ54の一辺とが平行
となり、かつ、開口511の中心から第1のリブ54の
各辺までの距離が同一となるように配置されている。
【0101】そして、基部51には、前記第1のリブ5
4の各角部541から、第1のリブ54の辺の延長方向
に延びる第2のリブ55が形成されている。この第2の
リブ55の端部は、それぞれ、対応する側壁62に連結
されている。
【0102】これら第1のリブ54および第2のリブ5
5により、基部51の一辺と平行な格子状のパターンが
形成される。
【0103】なお、ブラケット6の基部61に形成され
ているリブのパターンは、図11に示すブラケット5の
基部51に形成されている第1のリブ54、第2のリブ
55のパターンと同様であるので、図示および説明を省
略する。
【0104】図13および図14に示すブラケット5の
基部51には、開口512を囲む円形の第1のリブ54
が形成されている。この第1のリブ54は、開口512
と同心的に配置されている。
【0105】そして、基部51には、前記第1のリブ5
4から、放射状に8方向に延びる第2のリブ55が形成
されている。この第2のリブ55の端部は、それぞれ、
対応する側壁62に連結されている。また、この第2の
リブ55は、等角度間隔(等間隔)で配置されている。
【0106】なお、ブラケット6の基部61に形成され
ているリブのパターンは、図13に示すブラケット5の
基部51に形成されている第1のリブ54、第2のリブ
55のパターンと同様であるので、図示および説明を省
略する。
【0107】ここで、本発明では、第2のリブ55およ
びその延長線が、開口511と交わらないように、適
宜、第2のリブ55を傾斜または湾曲させてもよい。
【0108】図15および図16に示すブラケット5の
基部51には、開口512を囲む四角形(正方形)の第
1のリブ54が形成されている。この第1のリブ54
は、基部51の対角線と、第1のリブ54の一辺とが平
行となり、かつ、開口511の中心から第1のリブ54
の各辺までの距離が同一となるように配置されている。
【0109】そして、基部51には、前記第1のリブ5
4の各角部541と、側壁52の中央部とを連結する第
2のリブ55が形成されている。この第2のリブ55
は、基部51の一辺と平行となるように配置されてい
る。
【0110】また、基部51には、隣接する側壁52同
士を連結する4本の直線状のリブ591が形成されてい
る。各リブ591の両端は、それぞれ、第2のリブ55
の端部に連結されているか、または、その付近に位置し
ている。また、リブ591は、省略されていてもよい。
【0111】なお、ブラケット6の基部61に形成され
ているリブのパターンは、図15に示すブラケット5の
基部51に形成されている第1のリブ54、第2のリブ
55、リブ591のパターンと同様であるので、図示お
よび説明を省略する。
【0112】図17および図18に示すブラケット5の
基部51には、前述した図4に示す第1のリブ54およ
び第2のリブ55と同様のパターンの第1のリブ54お
よび第2のリブ55が形成されている。
【0113】そして、これに加えて、基部51には、第
1のリブ54と同心的かつ相似のリブ592が形成され
ている。リブ592の各角部593は、それぞれ、側壁
52の中央部に連結している。このリブ592は、第1
のリブと第2のリブとを兼ねている。
【0114】なお、ブラケット6の基部61に形成され
ているリブのパターンは、図17に示すブラケット5の
基部51に形成されている第1のリブ54、第2のリブ
55、リブ592のパターンと同様であるので、図示お
よび説明を省略する。
【0115】これら図11〜図18に示すステッピング
モータ1でも、前述した図1〜図10に示すステッピン
グモータ1と同様に、基部51、61に、第1のリブ5
4、第2のリブ55等を設けたことにより、ブラケット
5の機械的強度が向上し、これによりステッピングモー
タ1の駆動時の騒音、振動が減少し、また、ネジ21
で、ステータ7と、ブラケット5と、ブラケット6とを
固定したときのブラケット5、6の中央部の変位量が減
少し、これにより、同軸度が向上する。
【0116】本発明のステッピングモータの用途は、特
に限定されないが、例えば、プリンターのヘッド送り、
プリンターの紙送り、ファクシミリ、スキャナー、コピ
ー機等に用いることができる。
【0117】
【実施例】次に、本発明のステッピングモータの具体的
実施例について説明する。
【0118】(実施例1)図1〜図10に示すステッピ
ングモータを製造した。なお、この実施例1のステッピ
ングモータにおける一対のブラケットのリブのパターン
は、同様であり、各々図4、図9に示す通りである。ま
た、このステッピングモータについての諸条件は、下記
の通りである。
【0119】 回転子の外径:25mm ブラケット材料:SPCE ブラケットの寸法:縦42mm×横42mm×高さ8mm ブラケットの基部の厚さh1 :1.2mm リブの高さh2 :0.6mm(h1 の50%) リブの幅w:2.0mm(h1 の167%) (実施例2)両ブラケットを図11および図12に示す
リブパターンのものに変更した他は、実施例1と同様の
ステッピングモータを製造した。
【0120】(実施例3)両ブラケットを図13および
図14に示すリブパターンのものに変更した他は、実施
例1と同様のステッピングモータを製造した。
【0121】(実施例4)両ブラケットを図15および
図16に示すリブパターンのものに変更した他は、実施
例1と同様のステッピングモータを製造した。
【0122】(実施例5)両ブラケットを図17および
図18に示すリブパターンのものに変更した他は、実施
例1と同様のステッピングモータを製造した。
【0123】(比較例)両ブラケットを図19および図
20に示すリブパターンのもの、すなわち、開口511
を囲むリブ540と側壁52とが連結されていないブラ
ケットに変更した他は、実施例1と同様のステッピング
モータを製造した。なお、このステッピングモータにつ
いての諸条件は、下記の通りである。
【0124】 回転子の外径:実施例1と同じ ブラケット材料:実施例1と同じ ブラケットの寸法:実施例1と同じ ブラケットの基部の厚さh1 :実施例1と同じ リブ540、550の高さh2 :実施例1と同じ リブ540の幅w:実施例1と同じ リブ550の幅w:2.0〜5.0mm(h1 の167〜
417%) 次に、実施例1〜5および比較例の各ステッピングモー
タに対し、以下の条件で、4本のネジで締め付けて組み
立てたときのブラケットの最大変位量と、ブラケットの
一次固有振動周波数と、モータ完成品での振動量と、モ
ータ完成品での騒音とをそれぞれ求めた。その結果を図
21〜図24に示す。
【0125】<ネジ締め時のブラケットの最大変位量>
ネジ1本当たり100kgf の締め付けトルクが加わるよ
うに、両ブラケットを4本のネジで固定して、ブラケッ
トの基部の各部の変位量を測定し、その最大値(最大変
位量)を求めた。
【0126】なお、実施例1〜5のステッピングモータ
のブラケットでは、いずれもブラケットの基部のネジ付
近で最大値を示したのに対し、比較例のステッピングモ
ータのブラケットでは、ブラケットの基部の中央部で最
大値を示した。
【0127】<ブラケットの一次固有振動周波数>一方
のブラケットについて、それ単体での一次固有振動周波
数を測定した。測定方法は、下記の通りである。
【0128】図25に示すように、ブラケットの基部
に、アンプ223の一方の入力端子に接続されている加
速度ピックアップ224を取り付け、そのブラケットを
糸221で吊り下げた。そして、ブラッケトを、アンプ
223の他方の入力端子に接続されているインパルスハ
ンマー222で1回叩き、このときのアンプ223から
の出力をFFTアナライザ225で解析し、振動量が最
大となる周波数(一次固有振動周波数)を求めた。
【0129】<モータ完成品での振動量>ステッピング
モータを回転駆動させて、振動量(振動量の周波数特
性)を測定し、20〜16000Hzの振動量の合計値を
求めた。なお、ステッピングモータの駆動条件は、2相
励磁、4000pps 、電圧35Vとした。
【0130】<モータ完成品での騒音>図26に示すよ
うに、遮音された室内で、高さ75cmの台227上に、
モータの出力軸が図26中紙面奥側に向くように、ステ
ッピングモータ1を配置した。また、マイクロホン22
6を、ステッピングモータ1から図26中左側に100
cmで、かつ床228から図26中上側に150cmの位置
(ステッピングモータ1から125cmの位置)に設置し
た。
【0131】そして、ステッピングモータ1を回転駆動
させて、騒音を測定した。なお、ステッピングモータの
駆動条件は、2相励磁、4000pps 、電圧35Vとし
た。
【0132】<結果の考察>図1のグラフに示すよう
に、実施例1〜5のステッピングモータでは、いずれ
も、リブによりブラケットの機械的強度が向上し、かつ
ブラケットの中央部に集中していた応力がリブの作用に
より分散され、このため、ネジ締め時のブラケットの最
大変位量が小さいことが判る。前述したように、実施例
1〜5のステッピングモータのブラケットの最大変位量
は、ブラケットのネジ付近の値であるので、ブラケット
の中央部の変位量は、さらに小さく、このため、各実施
例の同軸度は高い。これらの実施例のうち、実施例1、
2、3は、特に最大変位量が小さく、同軸度が高い。
【0133】これに対し、比較例のステッピングモータ
では、ネジ締め時のブラケットの最大変位量が大きく、
前述したように、この最大変位量は、ブラケットの中央
部の値であるので、同軸度は低い。
【0134】また、実施例1〜5のステッピングモータ
では、いずれも、図2のグラフに示すように、ブラケッ
ト5の一次固有振動周波数が高く、図3のグラフに示す
ように、モータ完成品での人間が聞き取れる周波数帯域
の振動量(合計値)が小さく、図4のグラフに示すよう
に、モータ完成品での騒音が小さいことが判る。これら
の実施例のうち、実施例1、3は、特に騒音が小さい。
【0135】これに対し、比較例のステッピングモータ
では、図2のグラフに示すように、ブラケット5の一次
固有振動周波数が低く、図3のグラフに示すように、モ
ータ完成品での人間が聞き取れる周波数帯域の振動量
(合計値)が大きく、図4のグラフに示すように、モー
タ完成品での騒音が大きい。
【0136】以上、本発明のステッピングモータを図示
の各実施例に基づいて説明したが、本発明は、これらに
限定されるものではなく、特に、ステッピングモータを
構成する各構成要素は、同様の機能を生じ得る任意のも
のに適宜置換することができる。
【0137】例えば、図示の各実施例では、第1のリブ
および第2のリブはブラケットの内側に突出している
が、本発明では、第1のリブおよび第2のリブがブラケ
ットの外側に突出していてもよい。
【0138】また、本発明では、第1のリブおよび第2
のリブは、いずれか一方のブラッケトのみに形成されて
いてもよい。
【0139】また、本発明では、第1のリブおよび第2
のリブの寸法等の諸条件や、第1のリブおよび第2のリ
ブのパターン等は、図示の各実施例に限定されない。
【0140】また、図示の各実施例では、ハイブリッド
型のステッピングモータについて説明したが、本発明
は、これに限らず、VR型またはPM型のステッピング
モータであってもよい。
【0141】但し、これらの形態のうち、ハイブリッド
型またはVR型のステッピングモータが好ましい。
【0142】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のステッピン
グモータによれば、ブラケットの基部に前述した第1お
よび第2のリブを設けることにより、基部の厚さを厚く
することなく(加工性、生産性を損なうことなく)、ブ
ラケットの機械的強度を向上させることができる。
【0143】これにより、ブラケットの一次固有振動周
波数が高周波数帯域に移行し、よって、ステッピングモ
ータにおける人間が聞き取れる周波数帯域の振動量が減
少する。すなわち、ステッピングモータの駆動時の騒音
が減少する。
【0144】そして、従来、ブラケットをネジで固定し
たときにブラケットの中央部に集中していた応力が、本
発明では、第1および第2のリブの作用により分散され
て、ブラケットの中央部の変位量が減少する。これによ
り、同軸度が向上し、よってモータ特性を向上すること
ができる。また、歩留りも向上する。
【0145】また、第1のリブが角部を有する場合、特
に、第1および第2のリブの基部上の形成パターンが格
子状である場合には、騒音がより減少し、同軸度がより
向上する。
【0146】また、第1のリブおよびその延長線が、基
部に形成された開口および/または孔部と交わらないよ
う構成されている場合や、第2のリブおよびその延長線
が、前記開口および/または孔部と交わらないよう構成
されている場合には、騒音がより減少し、同軸度がより
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステッピングモータの実施例を示す分
解斜視図である。
【図2】図1に示すステッピングモータの断面図であ
る。
【図3】図1に示すステッピングモータのブラケットの
構成を示す斜視図である。
【図4】図3に示すブラケットの平面図である。
【図5】図4のA−A線での断面図である。
【図6】図3に示すブラケットの正面図である。
【図7】図3に示すブラケットの背面図である。
【図8】図3に示すブラケットの第1のリブおよびその
近傍を示す断面図である。
【図9】図1に示すステッピングモータのブラケットの
構成を示す斜視図である。
【図10】図1に示すステッピングモータのステータコ
アの構成を示す平面図である。
【図11】本発明のステッピングモータの他の実施例の
ブラケットの構成を示す平面図である。
【図12】図11に示すブラケットの背面図である。
【図13】本発明のステッピングモータの他の実施例の
ブラケットの構成を示す平面図である。
【図14】図13に示すブラケットの背面図である。
【図15】本発明のステッピングモータの他の実施例の
ブラケットの構成を示す平面図である。
【図16】図15に示すブラケットの背面図である。
【図17】本発明のステッピングモータの他の実施例の
ブラケットの構成を示す平面図である。
【図18】図17に示すブラケットの背面図である。
【図19】比較例のステッピングモータのブラケットを
示す平面図である。
【図20】図19に示すブラケットの背面図である。
【図21】ネジ締め時のブラケットの最大変位量を示す
グラフである。
【図22】ブラケットの一次固有振動周波数を示すグラ
フである。
【図23】モータ完成品での振動量(合計値)を示すグ
ラフである。
【図24】モータ完成品での騒音を示すグラフである。
【図25】ブラケットの一次固有振動周波数の測定方法
を示す図である。
【図26】モータ完成品での騒音の測定方法を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 ステッピングモータ 2 プーリー 3、4 軸受け 5 第1のブラケット(ブラケット) 51 基部 510 主面 511 開口 512 縁部 515 貫通孔 52 側壁 521 端部 522 外面 523 突部 524 切欠き 53 面取り部 54 第1のリブ 541 角部 55 第2のリブ 56 リブ 561 中間部 562、563 端部 57 リブ 571 中間部 572、573 端部 58 溝 591、592 リブ 593 角部 6 第2のブラケット(ブラケット) 61 基部 62 側壁 63 ネジ孔 7 ステータ 8 ステータコア 81 磁極 82 歯極 83 角部 84 面取り部 85 貫通孔 86 側面 9 巻線 10、11 絶縁部材 12 回路基板 121 リード線 13 絶縁シート 14 ロータ 15 回転軸 151 軸線 16 永久磁石 17、18 ロータコア 171、181 歯極 19 ワッシャー 21 ネジ 221 糸 222 インパルスハンマー 223 アンプ 224 加速度ピックアップ 225 FFTアナライザ 226 マイクロホン 227 台 228 床 540、550 リブ

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステータと、中央部に開口が形成され、
    かつ外周部に複数のネジ止め用の孔部が形成された基部
    と、該基部に対して屈曲する側壁とを有し、前記ステー
    タの両端にそれぞれ装着された一対のブラケットと、 前記各ブラケットの基部の開口内にそれぞれ固定された
    一対の軸受けと、 前記ステータの内側に挿入され、前記両軸受けにより回
    転可能に支持されたロータとを有するステッピングモー
    タであって、 前記両ブラケットのうちの少なくとも一方は、その基部
    に、前記開口を囲む第1のリブと、該第1のリブと前記
    側壁とを連結する第2のリブとを有することを特徴とす
    るステッピングモータ。
  2. 【請求項2】 ステータと、 中央部に開口が形成され、かつ外周部に複数のネジ止め
    用の孔部が形成された基部と、該基部に対して屈曲する
    側壁とを有し、前記ステータの両端にそれぞれ装着され
    た一対のブラケットと、 前記各ブラケットの基部の開口内にそれぞれ固定された
    一対の軸受けと、 前記ステータの内側に挿入され、前記両軸受けにより回
    転可能に支持されたロータとを有するステッピングモー
    タであって、 前記両ブラケットは、それぞれ、その基部に、前記開口
    を囲む第1のリブと、該第1のリブと前記側壁とを連結
    する第2のリブとを有することを特徴とするステッピン
    グモータ。
  3. 【請求項3】 前記両ブラケットのうちの少なくとも一
    方は、金属板を塑性変形させて成形したものである請求
    項1または2に記載のステッピングモータ。
  4. 【請求項4】 前記ブラケットは、プレス加工、深絞り
    加工または曲げ加工のいずれかの工程を経て製造された
    ものである請求項3に記載のステッピングモータ。
  5. 【請求項5】 前記第1のリブおよび第2のリブは、前
    記ブラケットの成形時に形成されたものである請求項3
    または4に記載のステッピングモータ。
  6. 【請求項6】 前記第1のリブは、角部を有する請求項
    1ないし5のいずれかに記載のステッピングモータ。
  7. 【請求項7】 前記第1のリブは、直線状の組み合わせ
    である請求項1ないし6のいずれかに記載のステッピン
    グモータ。
  8. 【請求項8】 前記第1のリブは、該第1のリブおよび
    その延長線が前記開口および/または前記孔部と交わら
    ないよう構成されている請求項1ないし7のいずれかに
    記載のステッピングモータ。
  9. 【請求項9】 前記第2のリブは、直線状またはその組
    み合わせである請求項1ないし8のいずれかに記載のス
    テッピングモータ。
  10. 【請求項10】 前記第2のリブは、該第2のリブおよ
    びその延長線が前記開口および/または前記孔部と交わ
    らないよう構成されている請求項1ないし9のいずれか
    に記載のステッピングモータ。
  11. 【請求項11】 前記第2のリブは、前記側壁の複数の
    部位に連結している請求項1ないし10のいずれかに記
    載のステッピングモータ。
  12. 【請求項12】 前記孔部は、前記第1のリブおよび第
    2のリブにより区画された2以上の異なる領域に位置し
    ている請求項1ないし11のいずれかに記載のステッピ
    ングモータ。
  13. 【請求項13】 前記基部の形状は、ほぼ四角形である
    請求項1ないし11のいずれかに記載のステッピングモ
    ータ。
  14. 【請求項14】 前記孔部は、前記基部の四隅にそれぞ
    れ形成され、該各孔部が、それぞれ、前記第1のリブお
    よび第2のリブにより区画された異なる領域に位置して
    いる請求項13に記載のステッピングモータ。
  15. 【請求項15】 前記第1のリブおよび第2のリブの前
    記基部上の形成パターンが格子状である請求項13また
    は14に記載のステッピングモータ。
  16. 【請求項16】 前記形成パターンにおける格子が、前
    記基部の一辺と平行、または、前記基部の対角線と平行
    である請求項15に記載のステッピングモータ。
  17. 【請求項17】 前記第1のリブおよび第2のリブの前
    記基部上の形成パターンは、前記開口の中心に対して点
    対称か、または、該中心を通る前記基部上の直線に対し
    て線対称である請求項1ないし16のいずれかに記載の
    ステッピングモータ。
  18. 【請求項18】 前記第1のリブおよび第2のリブは、
    前記ブラケットの内側に突出している請求項1ないし1
    7のいずれかに記載のステッピングモータ。
  19. 【請求項19】 前記第1のリブおよび第2のリブの高
    さは、前記基部の厚さの10〜300%である請求項1
    ないし18のいずれかに記載のステッピングモータ。
  20. 【請求項20】 ハイブリッド型またはVR型のステッ
    ピングモータである請求項1ないし19のいずれかに記
    載のステッピングモータ。
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