JPH1030408A - 高圧ガスからの圧力エネルギー回収設備 - Google Patents

高圧ガスからの圧力エネルギー回収設備

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JPH1030408A
JPH1030408A JP20124396A JP20124396A JPH1030408A JP H1030408 A JPH1030408 A JP H1030408A JP 20124396 A JP20124396 A JP 20124396A JP 20124396 A JP20124396 A JP 20124396A JP H1030408 A JPH1030408 A JP H1030408A
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敏郎 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧ガスを減圧して低圧ガスとして火力発電
所などのガス利用設備に供給する場合に、高圧ガスの圧
力エネルギーの有効利用を図り、かつ低圧ガスの安定的
供給を行うこと。 【解決手段】 主配管路1の高圧ガスを、同期発電機G
が連結された膨脹タービン4で減圧し低圧ガスとしてガ
ス利用設備Uに供給する。主配管路1には膨脹タービン
4をバイパスするバイパス配管路2が設けられている。
主配管路1の膨脹タービン4の入口、出口には夫々圧力
調節弁V1、圧力検出部11が設けられ、圧力検出値に
基づき圧力調節弁V1の開度調整を行って当該出口側の
圧力をPID制御する。この際予め定めた圧力設定値か
ら、弁開度信号に圧力調定率(例えば4%)を乗算した
分だけ差し引き、その結果を圧力設定値とする。バイパ
ス配管路2においても圧力調節弁V2及び圧力検出部2
1を設け、同様に圧力制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス供給基地から
ガス導管にて需要先近傍まで大量に移送される高圧ガス
を減圧して低圧ガスとして需要先のガス利用設備に供給
する際に、低圧ガスを安定的に供給するとともに高圧ガ
スの圧力エネルギーを電力として有効に回収することの
できるエネルギー回収設備に関する。
【0002】
【従来の技術】LNG(液化天然ガス)基地で精製され
る天然ガスや、重質油、石炭などから製造される合成ガ
スは、ガス導管により需要先であるガス利用設備例えば
火力発電所に大量に移送される。その際ガス供給基地か
ら複数の需要先にガスが移送されるが、需要先の中には
例えばコンバインドサイクル用ガスタービンといった3
0kg/cm2 程度もの高圧ガスを必要とする設備が含
まれる場合があり、またこのようなボイラが需要先の中
に含まれていなくても、末端の圧力低下による例えば発
電停止といったトラブルを避けるために予め基地側から
のガス供給圧力を高くしている。こうしたことからガス
供給基地からガスが例えば25〜100kg/cm2
度の圧力で需要先(詳しくは需要先近傍)に移送され
る。
【0003】そして高圧ガスは、一般に減圧弁設備にて
減圧され低圧ガスとして需要先に供給される。この減圧
弁設備では、従来単に減圧するのみで高圧ガスの有する
圧力エネルギーを捨てているのみでなく、断熱膨脹でガ
スを減圧する際の温度が設定値以下にならないように高
温の熱媒体と熱交換して加温しており、さらにエネルギ
ーを消費しているのが実情であった。
【0004】そこで本発明者等らは、高圧ガスの圧力エ
ネルギーを有効に回収するために減圧発電設備を開発し
つつある。この設備は、高圧ガスを膨脹タービンに導入
して減圧に伴う膨脹により当該タービンを駆動し、膨脹
タービンに同軸で連結された同期発電機により発電を行
い、自家消費用あるいは事業用電力としてエネルギーを
回収するものである。
【0005】図5は、このような減圧発電設備を用いた
圧力エネルギー回収設備の検討段階の一例を示し、この
例では主配管路1の膨脹タービン10の下流側に設置さ
れた圧力検出部11の圧力検出値に応じて、圧力コント
ローラ12により膨脹タービン10の入口側の圧力調節
弁V1を制御し、需要先のガス利用設備のガス使用量に
見合ったエネルギーを回収しようとしてる。
【0006】一方主配管路1に対してバイパス配管路2
が設けられている。これは、減圧発電設備の定期補修時
あるいは故障時に需要先に支障が起こらないようにする
ためであり、また減圧発電を行っているときでもガス利
用設備のガス使用量の不足分をバイパス配管路2を通じ
て需要先に供給し、安定した供給ができるようにしてい
る。
【0007】バイパス配管路2においても圧力調節弁V
2及び圧力検出部21を設け、圧力検出部21の圧力検
出値に応じて圧力コントローラ22により圧力調節弁V
2を制御している。ただし主配管路1及びバイパス配管
路2における圧力制御は大まかなものであって、最終的
な微調整はガス利用設備側で行われる。なお主配管路1
及びバイパス配管路2には、減圧後のガスの温度を所定
温度に維持するための熱交換器や加温器が設けられるが
図示では省略してある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】圧力コントローラ12
(22)では、圧力設定値と圧力検出部11(21)の
圧力検出値との偏差分をPID演算し、その演算出力を
圧力調節弁V1(V2)の開度信号としてガスの圧力調
節を行う。主配管路1及びバイパス配管路2の夫々の圧
力設定値PS1、PS2は需要先のガス使用量などに応
じて適宜定めることができる。
【0009】主配管路1のガス流量をバイパス配管路2
のガス流量よりも多くするためにPS1をPS2より高
めに設定した場合は、主配管路1を流れるガス圧力がバ
イパス管路2の設定圧力PS2になるまで主配管路1の
みにガスが流れ、PS2以下になってはじめてバイパス
配管路2にガスが流れることになり、バイパス配管路2
の制御弁作動初期時にガス圧力制御が不安定になる欠点
を有するとともに、一方の配管および制御弁のみを利用
することが大部分となるため下流へのガスの供給の変動
が大きい場合には、制御の応答性が十分でなく、装置全
体の均等負荷の観点でも好ましくない。
【0010】また、PS1とPS2とを同じ設定値とし
た場合には、各管路1、2の圧力損失の僅かな差によ
り、圧力検出値11、21に差が生じ、圧力検出値の高
い方の圧力制御弁が閉の方へ動き、圧力検出値の低い方
の圧力制御弁が開の方へ動くこととなり、どちらか一方
の圧力制御弁が全閉、他方が全開となって安定してしま
い、実質的に一方の制御弁のみで制御することになり、
上記と同様に制御の応答性が十分でなく装置全体の負荷
を均等に分担するとの観点から好ましくない。
【0011】このように複数の配管路に各々制御弁を備
えて、下流の需要量の変動に応じて安定的にガスを供給
する場合には、各々の圧力制御弁を独立したPID制御
で実施しても、複数の圧力制御弁を有効に活用すること
ができないこととなる。
【0012】本発明は、このような事情の下になされた
ものでありその目的は、高圧ガスを減圧して低圧ガスと
してガス利用設備に供給する際に、高圧ガスの圧力エネ
ルギーを電力として確実に回収すると共に需要先の需要
量に応じた低圧ガスを安定的に供給することのできるエ
ネルギー回収設備を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明では、同期発電機
に連結された膨脹タ−ビンが介装され、高圧ガスを前記
膨脹タ−ビンに導入して低圧ガスに減圧し、その低圧ガ
スをガス利用設備に供給する主配管路と、この主配管路
から分岐され、前記膨脹タ−ビンをバイパスするバイパ
ス配管路と、を設ける。
【0014】そして前記主配管路には、膨脹タ−ビン入
口のガス圧力を調節する第1の圧力調節弁及び膨脹タ−
ビン出口のガス圧力を検出する第1の圧力検出部を設け
て、第1の圧力制御部により膨脹タ−ビン出口のガス圧
力をPID制御すると共に、前記バイパス配管路に
は、、第2の圧力調節弁及びこの第2の圧力調節弁によ
り減圧されたガス圧力を検出する第2の圧力検出部とを
設けて、第2の圧力制御部により低圧側のガス圧力をP
ID制御する。
【0015】前記第1の圧力制御部は、調整圧力設定値
QS1と第1の圧力検出部にて検出した圧力検出値との
偏差をPID演算して第1の圧力調節弁の弁開度制御信
号を出力すると共に、この弁開度制御信号に予め設定さ
れた圧力調定率を乗算してその乗算値を予め設定された
圧力設定値PS1から差し引いた値を調整圧力設定値Q
S1とするように構成される。また前記第2の圧力制御
部についても同様に、調整圧力設定値QS2と第2の圧
力検出部にて検出した圧力検出値との偏差をPID演算
して第2の圧力調節弁の弁開度制御信号を出力すると共
に、この弁開度制御信号に予め設定された圧力調定率を
乗算してその乗算値を予め設定された圧力設定値PS2
から差し引いた値を調整圧力設定値QS2とするように
構成される。
【0016】前記膨脹タ−ビンは、高圧ガスの圧力、温
度、流量及び出口温度などに応じて、単段または複数段
のいずれにするかが決定される。複数段とした場合、エ
ネルギ−効率の観点から中間圧力のガスを加温すること
が好ましい。
【0017】バイパス配管路の第2の圧力調節弁の上流
側には、ガス利用設備のガス温度に見合うように加温部
が設けられるが、主配管路の加温部で用いる熱媒とバイ
パス配管路の加温部で用いる熱媒とは互いに異なるもの
を使用することが望ましい。これは、仮に共通の熱媒を
用いると、その熱媒が使用できなくなったときに低圧ガ
スの供給が停止してまうので、異なる熱媒を用いること
により、低圧ガスを安定的に供給するためである。
【0018】また主配管路の加温部の熱媒は、ガス利用
設備で用いられる冷媒例えば海水がガス利用設備で熱交
換された後の温海水を用いることが、熱エネルギ−の有
効利用を図る点から望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明を一実施の形態に基づ
いて図面を参照しながら説明する。図中Lは例えばLN
G基地から高圧ガスが各需要先例えば火力発電所に供給
するためのパイプラインである。このパイプラインLか
ら主配管路1が分岐し、この主配管路1の下流側には需
要先の利用設備である発電所のボイラBLが設けられて
いる。
【0020】主配管路1には減圧発電設備3が介設され
ており、この減圧発電設備3は、膨脹タービン4と、こ
の膨脹タービン4に同軸で連結された同期発電機Gとを
備えている。膨脹タービン4の型式については、タービ
ン入口のガス流量、圧力、温度及びタービン出口の温度
によって、単段、多段のいずれかにするか、あるいはガ
ス流を半径流、軸流のいずれかにするかが選定される。
【0021】高圧ガスが断熱膨脹し、圧力エネルギーが
回収されると、ガスの温度が下がるので、エネルギー効
率、設備の観点からタービン翼、軸、ケーシングの材料
を考慮して、本実施の形態では前段側のタービン(以下
高圧タービンという)4A及び後段側のタービン(以下
低圧タービンという)4Bよりなる2段式の膨脹タービ
ン4を用い、高圧ガスが高圧タービン4Aで減圧された
中間圧力ガスを加温する第1の加温器5Aと、中間圧力
のガスが低圧タービン4Bで減圧された低圧ガスを加温
する第2の加温器5Bとが設けられている。
【0022】第1及び第2の加温器5A、5Bの熱媒と
しては、例えば復水器からの発電所の冷媒である冷却用
の海水(温海水)が用いられる。熱媒は常温の海水を用
いてもよいが、温海水を用いれば、発電所から取り出し
た熱エネルギーが減圧されたガスに吸熱されてガスの温
度が高まる一方、温海水が冷却されるので、熱エネルギ
ーが有効に利用される。高圧タービン4Aにて減圧され
た中間圧力ガスを加熱するのは、断熱膨脹により温度が
低下したガスを再熱して一旦エンタルピーを高め、低圧
タービン4Bにて高い効率で圧力エネルギーを回収する
ためである。なお中間圧力ガスを再熱すれば、こうした
利点に加え、配管その他の機器材料に低温耐性を有する
特殊な材料を使用しなくて済むので設備費用の高騰が抑
えられるという利点もある。また低圧タービン4Bにて
減圧された低圧ガスを加熱するのは、需要先の仕様温度
に見合うようにするためである。
【0023】ここで高圧ガスの圧力は例えば25〜10
0kg/cm2 G、好ましくは30〜60kg/cm2
Gであり、低圧ガスの圧力は例えば1〜8kg/cm2
G好ましくは2〜8kg/cm2 Gである。各部のガス
圧力及びガス温度の一例を挙げると、高圧タービン4A
の入口の高圧ガス温度は例えば22℃であり、高圧ガス
ガービン4Aの出口では、ガス圧力(中間圧力)が例え
ば17〜26kg/cm2 G、ガス温度が例えば−23
℃となる。中間圧力ガスは、第1の加温器5Aにて例え
ば25℃に加温され、低圧タービン4Bの出口側では圧
力が例えば4.7〜7.1kg/cm2 G、温度が例え
ば−30℃となり、第2の加温器5Bにて例えば10℃
に加温される。
【0024】前記主配管路1には、膨脹タービン4の上
流側に第1の圧力調節弁V1が介設されると共に、第2
の加温器5Bの下流側に第1の圧力検出部11が設けら
れている。第1の圧力検出部11の検出信号(圧力検出
値AP1)は第1の圧力制御部である第1の圧力コント
ローラ6に入力され、この圧力コントローラ6は圧力検
出値AP1に基づいて第1の圧力調節弁V1の弁開度を
制御するように構成されている。
【0025】前記主配管路1における第1の圧力調節弁
V1の上流側と第1の圧力検出部11の下流側との間に
は、膨脹タービン4をバイパスするバイパス配管路2が
接続されている。このバイパス配管路2には、加温器2
0、第2の圧力調節弁V2及び第2の圧力検出部21が
上流側からこの順に介設されている。
【0026】前記加温器20は、第2の圧力調節弁V2
で減圧したときの低圧ガスが需要先の仕様温度例えば1
0℃程度となるように、高圧ガスを温水により90℃程
度まで加熱する。なお加温器20は、圧力調節弁V2の
上流側に設けることにより、下流側に設けた場合に比べ
て処理量を少なくできるので設備の規模を小さくできる
利点がある。また加温器20の熱媒としては、減圧発電
設備3の加温器5A、5Bと同様に温海水を利用しても
よいが、このようにすると温海水が使用できない状況が
発生した場合、低圧ガスをガス利用設備に供給できなく
なるので、低圧ガスの安定的供給という観点から主配管
路の温海水とは別途の温水を用いることが好ましい。
【0027】ここで前記第1の圧力コントローラ6に関
して図2を参照しながら述べると、この第1の圧力コン
トローラ6は、前段比較部61、後段比較部62、PI
D(比例要素、積分要素、微分要素)調節部63及び圧
力調定率調整部64を備えている。PID調節部63か
ら出力される弁開度制御信号VCは圧力調定率調整部6
4にて調整率(α%)例えば4%の圧力調定率が乗算さ
れ、その演算値VC×(α%)が前段比較部61に入力
される。
【0028】前段比較部61では予め定めた圧力設定値
PS1から前記演算値VC×(α%)を差し引き、調整
圧力設定値QS1として後段比較部62に入力される。
後段比較部62では調整圧力設定値QS1=[PS1−
VC×(α%)]から圧力検出信号AP1を差し引き、
その偏差分を動作信号としてPID調節部63に入力す
る。PID調節部63は、前記動作信号(偏差分)に基
づきPID演算を行い、その演算結果を前記圧力調定率
調整部64を介してフィードバックすると共に、弁開度
制御信号VCとして出力する。この弁開度信号は図示し
ない弁駆動部に与えられ、この結果第1の圧力調節弁V
1の弁開度が調節され、減圧発電設備3の下流側のガス
圧力がPID制御される。
【0029】またバイパス配管路2側においても第2の
圧力コントローラ7が設けられ、既述の圧力設定値PS
1、弁開度制御信号VC及び圧力検出信号AP1が夫々
バイパス配管路2の圧力設定値PS2、第2の圧力調節
弁V2の弁開度制御信号及び第2の圧力検出部21の圧
力検出信号AP2と置き代わる以外は同様の構成であ
り、圧力設定値PS2から、弁開度制御信号に圧力調定
率(β%)例えば4%を乗算した値が差し引かれた調整
圧力設定値QS2が同様に設定信号として用いられる。
第1、第2の圧力コントローラ6、7の圧力調定率α、
β%は同じであってもよいし異なっていてもよいが、1
〜10%が好ましく、3〜6%であればより好ましい。
【0030】次に上述実施の形態の作用について述べ
る。例えば火力発電設備であるガス利用設備Uにてパイ
プラインLのガスを使用する場合、パイプラインLの例
えば60kg/cm2 Gの高圧ガスが主配管路1に抜出
され、第1の圧力調節弁V1を介して減圧発電設備3に
導入されると共に、一部の高圧ガスはバイパス配管路2
を流れる。
【0031】減圧発電設備3において高圧ガスは先ず膨
脹タービン4のうちの高圧タービン4Aにて膨脹し、当
該タービン4Aを回して減圧エネルギーが回収され、次
いで既述のように再熱された後低圧タービン4Bにて膨
脹し、当該タービン4Bを回して減圧エネルギーが回収
される。この結果同期発電機Gの回転子が回転し、所定
の回転数になったところでこの発電機Gを系統に接続す
る。その後同期発電機の回転子は一定の回転数で回転
し、膨脹タービン4の駆動トルクつまり高圧ガスの流量
に対応した発電出力が系統に供給される。こうして高圧
ガスから低圧ガスに減圧されるときの減圧エネルギーが
電力として回収される。
【0032】膨脹タービン4にて減圧された低圧ガス
は、バイパス配管路を通って第2の圧力調節弁Vにて減
圧された低圧ガスと合流してガス利用設備Uに送られ、
ここで図示しない圧力調整バルブ及び流量調整バルブに
より夫々圧力、流量が所定の値に調整されてボイラBL
に送られる。
【0033】そして主配管路1及びバイパス配管路2で
は、低圧側の圧力検出値が圧力設定値になるように圧力
調節弁V1(V2)の弁開度が制御されるが、本発明に
おけるこの調整圧力設定値は、既述のように予め設定し
た圧力設定値PS1(PS2)から弁開度制御信号に圧
力調定率(α%)を乗算した分だけ小さい調整された値
となる。従ってガス利用設備Uでのガス使用量が減少す
ると、圧力検出値が大きくなるので、圧力コントローラ
6(7)の制御ループは、弁開度制御信号を徐々に小さ
くして圧力調節弁V1(V2)を閉じる方向に働く。
【0034】このため弁開度制御信号×圧力調定率の値
が小さくなるので、PID制御に直接係わる調整圧力設
定値が徐々に大きくなり、低圧側の圧力が徐々に上昇す
る。そして圧力調節弁V1(V2)が閉まり過ぎて圧力
検出値が低下し始め、今度は制御ループは圧力調節弁V
1(V2)を開く方向に働き、このような振れが繰り返
されて圧力値及び弁開度が収束する。
【0035】第1の圧力調節弁V1の弁開度制御信号及
び第2の圧力調節弁V2の弁開度制御信号は、第1の圧
力調節弁V1及び第2の圧力調節弁V2の各弁開度にお
けるガス送気流量の合計がガス利用設備Uのガス使用量
に見合うところで、バランスする。
【0036】また逆にガス利用設備Uでのガス使用量が
増加すると、圧力検出値が小さくなるので、上述とは反
対に調整圧力設定値が徐々に小さくなり、圧力値及び弁
開度が高低を操り返しながら収束する。こうして第1の
圧力調節弁V1及び第2の圧力調節弁V2が、互に干渉
することなく制御されるので、全開/全閉の間で不安定
にならずに主配管路1及びバイパス配管路2が送気負荷
を分担することができる。
【0037】また圧力調節弁V1、V2の弁開度が小さ
くなると調整圧力設定値が大きくなるので弁の絞る勢い
が弱められ、逆に弁開度が大きくなると調整圧力設定値
が小さくなるので弁を開く勢いが弱められ、この結果弁
開度が収束するまでの振れが緩やかでありかつ短時間で
収束するため、ガス圧力の制御ひいてはガス流量の制御
の安定化を図ることができる。
【0038】図3は利用設備のガス使用量(負荷)が低
下したときの膨脹タービン4B出口側圧力、圧力設定値
(調整圧力設定値)及び圧力調節弁V1の弁開度の変化
の様子をシミュレーションした定性的な特性図であり、
出口側圧力及び弁開度の振れが少なく、迅速に収束する
ことが理解される。
【0039】以上のことから、減圧発電設備3において
高圧ガスの圧力エネルギーを予定としている量だけ電力
として確実に回収することができ、またガス利用設備に
おける需要に見合ったガス流量を確保し、供給ガス圧力
を安定化させることができる。しかも複雑な制御機器及
びプログラムが不要であるから、制御系を低価格で製作
できる。
【0040】本発明ではバイパス配管路2の数は1本に
限定されるものではなく、図4に示すように2本のバイ
パス配管路2A、2Bを設けてもよい。この場合バイパ
ス配管路2Bにおいて加温器20’、第3の圧力調節弁
V3、第3の圧力検出部21’、第3の圧力コントロー
ラ7’を設け、各配管路の間で互に独立して上述実施の
形態と同様に低圧側の圧力制御を行うことによって、各
配管路の圧力調節弁が互に干渉することなく、主配管路
1、バイパス配管路2A、2Bが送気負荷を分担する。
図4中AP3は、圧力検出部21’の圧力検出信号であ
る。
【0041】更にまた本発明では主配管路1を2本以上
設け、その各々に減圧発電設備を介設し、同様の圧力制
御を行うようにしてもよい。なお、上述の実施の形態に
おいては圧力エネルギーを電力エネルギーとして回収し
たが、機械エネルギー等の他のエネルギーとして有効利
用することができるのは当然である。
【0042】
【実施例】2段の膨脹タービンが介設された主配管路を
1本、バイパス配管路を備えたエネルギー回収設備を用
い、減圧発電設備の発電機として、定格容量/電圧が1
0200kVA/6900V、定格回転数が1500r
pmの同期発電機を用い、膨脹タービン4に187t/
hrの流量でガスを供給し、発電出力を調べた。膨脹タ
ービンの入口の高圧ガスの圧力及び温度が夫々51kg
/cm2 G及び22℃、中間圧力ガスの圧力及び温度が
夫々22kg/cm2 G及び−23℃、中間圧力ガスの
加温後の温度が25℃、膨脹タービンの出口の低圧ガス
の圧力及び加温後の温度が夫々6kg/cm2 G及び1
0℃であり、主配管路及びバイパス配管路の低圧ガスの
圧力設定値を夫々6.2kg/cm2 G及び6kg/c
2 Gとし、主配管路及びバイパス配管路における圧力
調定率をいずれも4%とした。同期発電機から得られた
発電出力は8550kwであった。従ってこの設備を1
000Mwの火力発電所に適用すれば、約1%の補助発
電を行うことができる。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高圧ガス
を減圧してガス利用設備に供給する場合に、減圧弁で圧
力損失として捨てられていた圧力エネルギーを、タービ
ンを回して仕事をさせることにより電力として回収する
ことができ、しかも系全体を安定して制御することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態にて用いられる圧力コン
トローラを示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態において、ガス利用設備
の使用量を変化させたときのガス圧力及び弁開度の変化
の様子を示す特性図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す構成図である。
【図5】エネルギー回収設備の比較例を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1 主配管路 V1 第1の圧力調節弁 11 第1の圧力検出部 2 バイパス配管路 V2 第2の圧力調節弁 21 第2の圧力検出部 3 減圧発電設備 4 膨脹タービン 4A 高圧タービン 4B 低圧タービン 5A 第1の加温器 5B 第2の加温器 6 第1の圧力コントローラ 7 第2の圧力コントローラ 61 第1の比較部 62 第2の比較部 63 PID調節部 64 圧力調定率調整部
フロントページの続き (72)発明者 佐々木 敏郎 東京都千代田区内幸町1丁目1番地3号 東京電力株式会社内 (72)発明者 加藤 弘幸 神奈川県川崎市川崎区東扇島3番地 東京 電力株式会社東扇島火力発電所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧ガスを低圧ガスに減圧し、その低圧
    ガスをガス利用設備に供給すると共に、減圧の際に高圧
    ガスの圧力エネルギ−を他のエネルギーとして回収する
    設備において、 同期発電機に連結された膨脹タ−ビンが介装され、高圧
    ガスを前記膨脹タ−ビンに導入して低圧ガスに減圧し、
    その低圧ガスをガス利用設備に供給する主配管路と、 この主配管路から分岐され、前記膨脹タ−ビンをバイパ
    スするバイパス配管路と、 前記主配管路に設けられた、膨脹タ−ビン入口のガス圧
    力を調節する第1の圧力調節弁及び膨脹タ−ビン出口の
    ガス圧力を検出する第1の圧力検出部と、 調整圧力設定値QS1と第1の圧力検出部にて検出した
    圧力検出値との偏差をPID演算して第1の圧力調節弁
    の弁開度制御信号を出力すると共に、調整圧力設定値Q
    S1は、この弁開度制御信号に予め設定された圧力調定
    率を乗算してその乗算値を予め設定された圧力設定値P
    S1から差し引いた値である第1の圧力制御部と、 前記バイパス配管路に設けられた、第2の圧力調節弁及
    びこの第2の圧力調節弁により減圧されたガス圧力を検
    出する第2の圧力検出部と、 調整圧力設定値QS2と第2の圧力検出部にて検出した
    圧力検出値との偏差をPID演算して第2の圧力調節弁
    の弁開度制御信号を出力すると共に、調整圧力設定値Q
    S2は、この弁開度制御信号に予め設定された圧力調定
    率を乗算してその乗算値を予め設定された圧力設定値P
    S2から差し引いた値である第2の圧力制御部と、 を備えたことを特徴とする高圧ガスからの圧力エネルギ
    −回収設備。
  2. 【請求項2】 主配管路には、膨脹タ−ビンで減圧され
    たガスを加温するための加温部が設けられると共に、バ
    イパス配管路の第2の圧力調節弁の上流側には高圧ガス
    を加温するための加温部が設けられることを特徴とする
    請求項1記載の高圧ガスからの圧力エネルギ−回収設
    備。
  3. 【請求項3】 膨脹タ−ビンは、ガスが各段のタ−ビン
    にて順次に減圧されるように複数段のタ−ビンにより構
    成され、各段のタ−ビンの出口側には、減圧されたガス
    を加温するための加温部が設けられることを特徴とする
    請求項1または2記載の高圧ガスからの圧力エネルギ−
    回収設備。
  4. 【請求項4】 主配管路の加温部で用いる熱媒とバイパ
    ス配管路の加温部で用いる熱媒とは互いに異なるものが
    使用されることを特徴とする請求項1、2または3記載
    の高圧ガスからの圧力エネルギ−回収設備。
  5. 【請求項5】 主配管路の加温部の熱媒は、ガス利用設
    備で熱交換により加温された冷媒が用いられることを特
    徴とする請求項2、3または4記載の高圧ガスからの圧
    力エネルギ−回収設備。
  6. 【請求項6】 ガス利用設備で用いられる冷媒は海水で
    あり、この海水がガス利用設備で熱交換された後の温海
    水が主配管路の加温部の熱媒として用いられることを特
    徴とする請求項5記載の高圧ガスからの圧力エネルギ−
    回収設備。
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