JPH10303853A - スペクトル拡散多重化通信機 - Google Patents

スペクトル拡散多重化通信機

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JPH10303853A
JPH10303853A JP11149797A JP11149797A JPH10303853A JP H10303853 A JPH10303853 A JP H10303853A JP 11149797 A JP11149797 A JP 11149797A JP 11149797 A JP11149797 A JP 11149797A JP H10303853 A JPH10303853 A JP H10303853A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多重化が可能で、タイムサイドローブが低減で
き、かつS/Nを劣化させないスペクトル拡散多重化通
信機を提供する。 【解決手段】スペクトル拡散のためにチャープ信号を用
いたスペクトル拡散通信機であって、2値差動位相デー
タに基づく多重化された入力RFパルスが供給されて時
間間隔が2値差動位相データ1ビットに対応する基準間
隔から差動位相量を決めるための基準周波数をもとにπ
ラジアンの位相ステップで変化する多重化された2値差
動位相変調チャープ信号を送出するSAW−DDL4を
変調器とし、2値差動位相変調チャープ信号を入力とす
る入力電極と入力電極に対応しかつ入力電極によって変
換される弾性表面波の伝播路中に縦続接続された2つの
出力電極対とを2系統備え、各系統を形成する2つの出
力電極の中心位置が基準周波数の弾性表面波の伝播波長
をλ0 としたときλ0 /2ずつ位置をずらして設けたデ
ータ復調用SAWマッチドフィルタ13を復調器とし、
交信のためのチャープ信号を単位時間当たりの周波数変
化量が時間と共に変化するチャープ信号とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスペクトル拡散のた
めにチャープ信号を用いたスペクトル拡散多重化通信機
に関し、さらに詳細には交信のためのチャープ信号の周
波数の時間当たりの変化率を変化させたスペクトル拡散
多重化通信機に関する。
【0002】
【従来の技術】情報を伝送するために必要最低限の周波
数帯域幅より遥かに広い帯域に変調する通信であるスペ
クトル拡散通信、言い換えれば情報変調される被変調信
号の周波数帯域幅が情報の持つ帯域と比べて遥かに広い
通信であるスペクトル拡散通信にチャープ信号を用いる
ことが提案されている。
【0003】スペクトル拡散通信は同一周波数帯域にお
いて複数の利用者が同時に通信可能であり、周波数分割
もしくは時分割されたスロットと通話チャンネルが1対
1に対応する周波数分割多重もしくは時分割多重とは異
なり、通信チャンネルの限界付近において、徐々にその
S/Nを下げるが、急激な飽和をきたさない利点を持っ
ている。また、基本的に同一周波数に重畳された信号を
拡散符号を基に分離できることから情報速度の異なるシ
ステムを同一周波数帯域にて、それぞれ独立に運用で
き、通信システムに対して柔軟な対応が可能であるとい
う利点も持っている。
【0004】そこで、このチャンネル容量およびシステ
ム変化への柔軟性に注目し、移動通信のためのセルラー
・システムにこのスペクトル拡散技術を用いて、既に実
用化されている。ここで、同一周波数帯域幅におけるス
ペクトル拡散通信を利用した符号分割多重方式におい
て、チャンネル容量を最大限確保するため、アダマール
系列等の直交化系列を用いた符号分割多重が行われてい
る。また、受信時のチャンネル重ね合わせが均等に行わ
れる際、送受距離および通信路の環境に依存した受信信
号レベルの均一化のため、送信側にフィードバックして
パワー・コントロールを施す等の対策をしている。
【0005】このようなシステムは、基地局を設置する
場合、その通信路の環境を充分調べ、その状況に応じて
基地局を設置し、またシステム運用時においても基地局
のエリアに属する複数の移動端末に対して充分コントロ
ールが施されない限り、そのシステムの持っている最大
限の性能を発揮させることができない。
【0006】さらに、このようなシステムでは、無線通
信に関する充分な知識を持つ技術者抜きには、その最大
限の性能を維持させることはできない。
【0007】一方、従来のような音声による会話を基調
とした通信に加えて、現在の小型化された計算機の普及
により、国内外を問わない世界規模のグローバルな通信
が必要に応じて常時可能であることが必要となってい
る。
【0008】しかし、遠距離の通信を容易に実現できた
と同時に、近距離における通信においては一層の高品質
な通信が求められるようになった。
【0009】この近距離通信における要求を満足するた
め、社会的な通信設備を必要としない、小規模な、室
内、ビル内、もしくは工場内における頻繁で不規則な通
信が必要となっており、このような通信に対して社会基
盤の整備を必要とするようなシステムを利用しようとす
るのは適切ではなく、より小規模で、かつ融通性にと
み、初期投資の小さなシステムが必要とされていた。
【0010】このような要請に対応して、複雑な構成要
素を必要としない局所的な通信に有効な、無線LAN
(Local Area Netwaork )に用いるための手段として、
同一符号を用いて、相関時刻の差により多重化する手法
が提案されている〔例えば、丸田靖、高山大輔、鎌田武
遠、山崎剛、末次琢三、益一哉、坪内和夫、「2.4G
Hz帯フロントエンドSAWコリレータを用いたカード
サイズSS復調器」電子情報通信学会技術研究報告(信
学技報とも記す)、SST95−74(1995)参照〕。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この種の多重化方法
は、送信側にて変調信号を一般的なデジタル変調に用い
る直交化変調器等により容易に実現できるメリットを持
っている。また、別の送信機からの多重化の場合、キャ
リア周波数の微妙な差により、周波数差に対応するビー
トで伝播状況が周期的に変化する問題を生じる。したが
って複数のキャリア周波数を必要とするマルチキャリア
・システム、もしくは信号合成時に相互の位置関係をラ
ンダムに変移させる等の対応が必要であり、簡易な通信
機により多重化を行うことが難しいという問題点があっ
た。
【0012】一方、周波数が時間と共に連続的に変化す
るチャープ信号は受信時にマッチドフィルタを用いるこ
とにより良好なS/Nが得られ、かつ高い距離分解能が
得られることから、チャープ・レーダとして、測距に広
く利用されている。しかし、チャープ信号をスペクトル
拡散(スペクトル拡散をSSとも記す)変調信号として
利用するチャープSS方式は、R.C.Dixon ,「Spread S
pectrum Systems 」,John Wiley & Son.,New York
(1976)において、既にスペクトル拡散の1ジャンルと
して分類されているものの、通信に利用した例はあまり
ない。
【0013】通信に利用した1例として、J. Burnswei
g,J. Wooldridge ,「Ranging andData Transmission
using Digital Encoded FM−《Chirp 》Surface Acoust
ic Wave Filters 」IEEE Ttrans.Microwave Theory&
Tech.,MTT −21,No.4,pp.272−279 (1973)におい
て示されたデジタルエンコーデッドチャープキャリア装
置がある。このデジタルエンコーデッドチャープキャリ
ア装置の構成を図11に示す。
【0014】図11に示すデジタルエンコーデッドチャ
ープキャリア装置は、クロックパルスに基づいて弾性表
面波(弾性表面波をSAWとも記す)を発生させるため
の高周波(高周波をRFとも記す)パルスをパルスジェ
ネレータ31にて発生させ、スイッチドライバ32によ
ってデジタルメッセージを構成するデータの“0”、
“1”に対応して単極双投(SPDT)のスイッチ33
を切り換えて、RFパルスを分散型遅延線(分散型遅延
線をDDLとも記す)34の2つある入力電極341
342 のいずれか一方から入力し、電極指間の距離が徐
々に変化するチャープ電極343 からチャープ信号を得
て送信している。
【0015】チャープ電極は電極指のピッチが場所によ
って徐々に異なるように形成された電極である。
【0016】ここで、RFパルスがチャープ電極343
の電極指ピッチが広い側より入力され徐々にピッチが狭
くなる場合は時間と共に周波数が増加するアップ・チャ
ープ信号が、逆に電極指ピッチが狭い側から入力され、
徐々にピッチが広くなる場合は周波数が徐々に減少する
ダウン・チャープ信号が出力される。
【0017】ここで、アップ・チャープ、ダウン・チャ
ープにメッセージデータの“1”と“0”を対応させれ
ば、受信側にてアップ・チャープ、ダウン・チャープそ
れぞれのマッチドフィルタ35でメッセージデータの
“0”、“1”を識別することができる。
【0018】図11に示すデジタルエンコーデッドチャ
ープキャリア装置によれば、キャリア周波数のずれ、即
ちドプラー効果等によりキャリア周波数が変化しても相
関特性の劣化が小さい利点を持っており、低軌道衛星と
の通信に利用されている。この装置は周波数帯域幅が充
分あり、比較的低速の通信で、大きなプロセス・ゲイン
〔チャープ信号の場合、BT積(B:周波数帯域幅、
T:チャープ時間)〕の場合、アップ・チャープとダウ
ン・チャープの相互相関が良好となるため、有効であ
る。
【0019】しかし、民生利用の場合、周波数帯域幅が
限られ、加えて利用周波数帯域幅に比較して高速データ
伝送を必要とする場合においては、アップ・チャープと
ダウン・チャープ間の相互相関が劣化してくるため有効
な通信手段とは言い難いという問題点があった。
【0020】他の例として、高井均、浦部嘉夫、山崎英
聡、竜田明浩、「低拡散率において対マルチパス性と対
妨害性を両立維持するSR−chirp PSK方式の提
案」、信学技報SST94−47(1994)に示された送受信
機がある。この送受信機の送信部の構成を図12に、受
信部の構成を図13に示す。図12に示した送信部はチ
ャープ信号をスペクトル拡散信号に利用した送信機であ
る。
【0021】図12に示した送信機によれば、差動・グ
レーエンコーダ61によって符号化されたメッセージデ
ータI、Qをデータ変調器62によって差動位相変調
し、差動位相変調されたメッセージデータ信号を、チャ
ープ信号発生器63によって発生させたチャープ信号を
用いて、乗算器64によって乗算することでスペクトル
拡散変調して送信する。
【0022】図12に示す送信機から送出された信号を
図13に示すように構成された受信機によって受信す
る。図13に示す受信機では、周波数変換器65にて周
波数変換され、スペクトル拡散変調された受信信号の周
波数帯域の一部をサブバンドフィルタ66で切り出し、
その出力信号を遅延検波器67にて遅延検波することに
よりデータ復調する。
【0023】図14は図13に示した受信機の作用の説
明のための波形図であって、図14(a)、(b)、
(c)、(d)は、それぞれ、チャープ信号を用いたス
ペクトル拡散変調信号である受信信号波形、サブバンド
信号のローバンド信号波形、サブバンド信号のミドルバ
ンド信号波形、サブバンド信号のハイバンド信号波形を
示す。
【0024】受信機を図13に示すような構成として、
周波数変換器65を構成する局部発信器の発信周波数を
変更することにより周波数変換された受信信号の周波数
帯域を変更することができて、たとえ、利用周波数帯域
幅の一部に妨害等があっても、その周波数帯域を回避し
た周波数帯域をサブバンドフィルタ66によって抽出す
ることができ、周波数ダイバーシティ効果によりシステ
ムの対妨害特性を改善することができる。
【0025】しかし、このような送受信機によるとき
は、送信された電力の一部のみしか利用していないた
め、送信電力の使用効率が悪いという問題点があった。
また、使用しない周波数帯域にも電波を送信するため、
他のシステムに必要以上の妨害を与えることになるとい
う問題点もあった。
【0026】また、チャープ信号をスペクトル拡散信号
として用いるスペクトル拡散通信方式において周波数の
変化率が一定の場合、使用周波数帯域に対応する周波数
幅で周波数を変化させると、その出力信号は、チャープ
信号の前後で起こる周波数の急激な変化のため、可変周
波数幅以上に周波数変化し、使用周波数帯域以上の帯域
に広がってしまうという問題点がある。
【0027】このため、実際の使用周波数帯域幅以下の
周波数に絞る方法があるが、スペクトル拡散の効果の指
標となるプロセス・ゲインを下げる結果となる。また、
必要帯域以上に広がったスペクルを帯域フィルタにて制
限する方法があるが、この方法にて帯域制限した場合、
チャープ信号の前後にて信号振幅が下がり、信号の包絡
線が大きく変化するという問題点が生ずる。このような
信号は線形増幅器で増幅しない限り、帯域外スプリアス
が増加するという問題点も生ずる。
【0028】本発明は、多重化が可能で、タイムサイド
ローブが低減でき、かつS/Nを劣化させないスペクト
ル拡散多重化通信機を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
スペクトル拡散多重化通信機は、スペクトル拡散のため
にチャープ信号を用いたスペクトル拡散多重化通信機に
おいて、交信のためのチャープ信号を単位時間当たりの
周波数変化量が時間と共に変化するチャープ信号とする
ことを特徴とする。
【0030】本発明の請求項1記載のスペクトル拡散多
重化通信機によれば、交信のためのチャープ信号を単位
時間当たりの周波数変化量が時間と共に変化するチャー
プ信号としたために、タイムサイドローブが低減でき、
かつS/Nが劣化することもない。
【0031】本発明の請求項2記載のスペクトル拡散多
重化通信機は、スペクトル拡散のためにチャープ信号を
用いたスペクトル拡散多重化通信機であって、入力高周
波パルスの時間間隔をデータ1ビットに対応する基準期
間から差動位相量を決めるための基準周波数をもとに2
π/Nラジアンの位相ステップで変化させることによっ
て発生するチャープ信号間にN値差動位相変調を施す弾
性表面波分散型遅延線の入力電極に、前記入力高周波パ
ルスと共に多重化のチャンネル数をKとしたとき数(K
−1)の高周波パルスを前記入力高周波パルスの各パル
ス間に入力して多重化されたN値差動位相変調チャープ
信号を出力電極から送出する弾性表面波分散型遅延線を
変調器とする送信部と、データ1ビットに対応する基準
間隔から差動位相量を決めるための基準周波数をもとに
2π/Nラジアンの位相ステップで変化するN値差動位
相変調チャープ信号が多重化された多重化チャープ変調
信号を入力とする入力電極と、入力電極に対応しかつ入
力電極によって変換される弾性表面波の伝播路中に縦続
接続された2つの出力電極対とをN系統備え、前記基準
周波数の弾性表面波伝播波長をλ0 としたとき各系統を
形成する2つの出力電極はその中心間位置でλ0 /Nず
つ位置をずらして設けられ、かつ入力電極または出力電
極対の少なくともいずれか一方がチャープ電極である弾
性表面波マッチドフィルタを復調器とする受信部とを含
み、交信のためのチャープ信号を単位時間当たりの周波
数変化量が時間と共に変化するチャープ信号とすること
を特徴とする。
【0032】本発明の請求項2記載のスペクトル拡散多
重化通信機によれば、弾性表面波分散型遅延線に多重化
する数KのN値差動位相データに基づく高周波パルスが
時間的に順次入力されて、弾性表面波分散型遅延線から
多重化されたN値差動位相データに基づいて変調された
多重化変調チャープ信号が送信部から送出される。
【0033】送信部から送出された多重化変調チャープ
信号が弾性表面波マッチドフィルタに入力されて、弾性
表面波マッチドフィルタの入力電極によって弾性表面波
に変換され、該弾性表面波を受けた出力電極対によって
差動位相データの位相偏移に基づく連続2周期の期間に
わたって同相加算、逆相加算がなされて、差動位相デー
タに対応する復調された電気信号が出力されて、データ
復調がなされる。
【0034】この場合に、交信のためのチャープ信号を
単位時間当たりの周波数変化量が時間と共に変化するチ
ャープ信号としたために、タイムサイドローブが低減で
き、かつS/Nが劣化することもない。また、スペクト
ル拡散多重化通信機の構成が簡単になる。
【0035】ここで、チャープ信号を単位時間当たりの
周波数変化量が時間と共に変化するチャープ信号とする
ために、弾性表面波分散型遅延線の入力電極および/ま
たは出力電極の電極指ピッチの変化量を変化させてもよ
く、弾性表面波マッチドフィルタの入力電極および/ま
たは出力電極対の電極指ピッチの変化量を変化させても
よい。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるスペクトル
拡散多重化通信機を実施の一形態によって説明する。
【0037】図1は、本発明の実施の一形態にかかるス
ペクトル拡散多重化通信機の構成を示すブロック図であ
る。
【0038】本発明の実施の一形態にかかるスペクトル
拡散多重化通信機は送信部TXと受信部RXから構成さ
れており、メッセージデータを差動位相化したデータに
基づいて生成したRFパルスを弾性表面波分散型遅延線
(弾性表面波分散型遅延線をSAW−DDLとも記す)
へ供給することによってSAW−DDLにおいてチャー
プ信号を発生させ、かつSAW−DDLを、SAW−D
DLから連続して発生されるチャープ信号間にメッセー
ジデータに基づく差動位相変調をすると共に多重化をす
る変調器とし、SAWマッチドフィルタをデータ復調器
として構成し、かつ、交信のためのチャープ信号を単位
時間当たりの周波数が時間と共に変化する非直線チャー
プ信号としたものである。
【0039】本発明の実施の一形態にかかるスペクトル
拡散多重化通信機では、差動位相変調は2値差動位相変
調の場合であって、かつ3つの情報を多重化する場合、
すなわち多重化チャンネル数Kを3とした場合を例に説
明する。
【0040】まず、本発明の実施の一形態にかかるスペ
クトル拡散多重化通信機を用いた通信機の送信部TXに
ついて説明する。
【0041】差動エンコーダ1に供給されたデジタルメ
ッセージデータは差動エンコーダ1にて差動化されてパ
ルス発生器3へ送出される。ここで、差動エンコーダ1
に時分割でメッセージデータを供給して差動エンコーダ
1から時分割された差動化メッセージデータをパルス発
生器3へ送出するようにしても、差動エンコーダ1に多
重化する数だけ独立して設けて、複数の差動エンコーダ
からの出力を時分割で取り出して、時分割された差動化
メッセージデータをパルス発生器3へ送出するようにし
てもよい。
【0042】一方、例えばSAW形成のために周波数3
00MHzの発振をする発振器2からの発振出力を受け
て、パルス発生器3にてデータ速度に対応し、かつ差動
エンコーダ1へ入力される符号“0”、“1”に基づく
時間間隔で、多重化数である複数(この場合、K=3と
する)重ねたRFパルス系列がパルス発生器3にて生成
される。パルス発生器3によって生成されたRFパルス
系列がSAWを利用した分散型遅延線であるSAW−D
DL4へ送出されて、周波数が時間と共に徐々に変化
し、多重化されたチャープ信号が生成される。
【0043】RFパルスの周波数はチャープ信号の中心
周波数に設定することが好適である。RFパルスのパル
スの幅に基づいてRFパルスの周波数帯域幅が定まる。
RFパルスによって生成される周波数帯域幅はチャープ
信号の周波数帯域幅よりも広くなければならない。この
ためにRFパルスのパルス幅は逆に狭く設定する必要が
ある。
【0044】ここで、SAW−DDL4は周波数により
遅延時間が異なる遅延線で、このSAW−DDL4に多
重化チャンネルのRFパルスを加えるとRFパルスの持
っている周波数成分により遅延時間が異なるため、SA
W−DDL4の出力信号の周波数は時間と共に徐々に変
化する多重化変調チャープ信号がSAW−DDL4によ
り送出される。SAW−DDL4の遅延時間が周波数の
上昇と共に増大する場合は、出力信号は時間と共に周波
数が上昇し、アップ・チャープ信号となり、逆にSAW
−DDL4の遅延時間が周波数と共に減少する場合は、
出力信号は時間と共に周波数が減少するダウン・チャー
プ信号となる。
【0045】図2にSAW−DDL4の構成を示す。S
AW−DDL4は、圧電基板41上にチャープ電極から
なる入力電極42を設け、入力電極42で励振されるS
AWの伝播路上にチャープ電極からなる出力電極43を
配置する。ここで、入力電極42と出力電極43の一方
側もしくは両方においてその電極指ピッチが異なる場
合、すなわち、図2に示すSAW−DDL4の例におい
ては、入力電極42と出力電極43とにおいて入出力電
極相互に近い側の電極指ピッチは長く形成されているた
め低周波側のSAWの送受が行われ、かつ入出力電極相
互に遠い側の電極指ピッチが短く形成されているため高
周波側のSAWの送受が行われる。この結果、SAW−
DDL4では、入力RFパルスの周波数成分のうち、周
波数の低い側の信号がより早く出力され、アップ・チャ
ープ信号が生成される。
【0046】このようなSAW−DDLは、レーダ・シ
ステムにおいて実用化されており、J .W .Arthur,
「Modern SAW-Based Pulse Compression Systems For R
ader Applications 」,Electronics & Communications
Engineering J.,Vol.7 ,No.6,pp.236 −246 (199
5)に示されている。
【0047】なお、SAW−DDL4から出力される交
信のためのチャープ信号を、単位時間当たりの周波数変
化量が時間と共に変化する非直線チャープ信号とするた
めの入出力電極の電極指ピッチについては後記する。
【0048】ここで、パルス発生器3によって時間間隔
δTで生成されるkチャンネルのRFパルス系列はnk
ビット目の差動化されたデータ値D(nk)にしたが
う。時間間隔δTk(n)としたとき、時間間隔δTk
(n)は次の(1)式で表される。
【0049】
【数1】
【0050】ここで、T0 は差動化されたデータ1ビッ
トに対応する基準間隔(以下、基準時間とも記す)であ
り、f0 は基準時間T0 に対応する基準周波数であっ
て、差動位相変調に基づく差動位相量を決めるための基
準となる周波数であり、次の(2)式に示す関係にあ
る。
【0051】
【数2】
【0052】ここで、Nb(Nbは正の実数)は差動化
されたデータ1ビットが基準周波数f0 に基づく周期の
Nb倍であることを意味する。
【0053】基準周波数f0 には一般的に生成されるチ
ャープ信号の中心周波数を当てるが、チャープ信号の下
限の周波数(最小周波数)または上限の周波数(最大周
波数)を当てても、チャープ信号中の他の周波数を当て
ても差し支えない。(1)式におけるφ(nk)はk番
目の多重化データ系列のnビットの値D(nk)に対応
する基準周波数f0 における差動位相量である。
【0054】(1)式および(2)式から時間間隔δT
k(n)は次の(3)式となる。
【0055】
【数3】
【0056】以下、基準周波数f0 はチャープ信号の中
心周波数に設定した場合を例に説明する。
【0057】差動位相量φ(nk)は2π/Nラジアン
であって、2値差動化位相変調の場合、φ(nk)は次
の(4)式により表すことができる。
【0058】
【数4】
【0059】ここで、複号±は次の(5)式がnT0
近くなる符号を取るものとする。
【0060】
【数5】
【0061】(1)式において右辺の第2項は位相項で
あって、(4)式は2値差動化位相変調の場合0か、±
0.5/f0 となるが、複号±は上記したようにnT0
に近くなる方の符号が取られる。
【0062】また、多重化において、k番目のRFパル
ス列のnビット目のRFパルス時間Tk(n)は次の
(6)式のように
【0063】
【数6】
【0064】とする。ここで、Tl(エル)(n)はl
(エル)番目のRFパルス列のnビット目のRFパルス
時間であり、Bは窓関数の周波数帯域、γはパルス圧縮
時に窓関数に依存するパルス幅の広がり率である。例え
ばハミング窓関数の場合γ=2(ヌル点幅)である。一
例としてB=56MHz、T0 =1.5μsecとする
と、理論上K=42の42多重まで可能である。
【0065】上記のような複数重ねられたパルス列をS
AW−DDL4に入力することにより、SAW−DDL
4から各パルス列はT0 =1.5μsec時間幅に広が
るチャープ信号を間断なく発生し、各パルス列により生
成されるチャープ信号の繰り返しは、重ね合わされて出
力される。
【0066】いま、SAW−DDL4の入力電極42の
隣り合う電極指ピッチを直線的に増加させずに、非直線
的に増加させるように生成することによって、チャープ
信号の単位時間当たりの周波数変化量が直線的ではなく
非直線的になるようにしてあり、チャープ信号の単位時
間当たりの周波数変化量は、予め定めた周波数重み付け
値の逆数にほぼ比例するように生成してある。
【0067】換言すれば、重い周波数重み付けをつける
場合ほど電極指ピッチの変化率は小さくなるように入力
電極42が生成されて、チャープ信号の単位時間当たり
の周波数変化量が少なくて緩やかにチャープ信号の周波
数が変化していく。軽い周波数重み付けをつける場合ほ
ど電極指ピッチの変化率は大きくなるように入力電極4
2が生成されて、チャープ信号の単位時間当たりの周波
数変化量が大きくて早くチャープ信号の周波数が変化し
ていく。
【0068】この周波数重み付けは復調出力において、
タイムサイドローブが減少するように設定されて、例え
ば、ハミング窓関数重み付けがなされる。
【0069】なお、上記はSAW−DDL4の入力電極
42側において周波数重み付けを付す場合を例示した
が、出力電極43側において周波数重み付けを付しても
よい。また、入力電極42側と出力電極43側とにおい
て周波数重み付けを付してもよく、この場合には入力電
極42側における周波数重み付けと出力電極43側での
周波数重み付けとの合成された周波数重み付けが復調出
力において、タイムサイドローブが減少するように設定
されることは言うまでもない。
【0070】ここで、時間軸を横軸にとり、チャープ信
号の周波数および振幅を縦軸にとって示すと、図3
(b)に示すように振幅は一定で、図3(a)および
(b)に示すようにチャープ信号の時間に対する周波数
は一定率で変化するのではなく、単位時間当たりの周波
数変化量が時間と共に変化する非直線チャープ信号とな
る。
【0071】同様に、時間軸を横軸にとり、多重化され
たチャープ信号の周波数を縦軸にとって示すと、各チャ
ープ信号の時間に対する周波数は一定率で変化するので
はなく、図4に示すごとく多重化された各チャープ信号
は単位時間当たりの周波数変化量が時間と共に変化する
非直線チャープ信号となる。
【0072】したがって特定の時刻においては周波数分
割多重が行われており、特定の周波数に着目して見れば
時分割多重が行われている多重化変調チャープ信号がS
AW−DDL4から送出される。SAW−DDL4から
送出される多重化変調チャープ信号は多重化変調非直線
チャープ信号であるが、以下、混乱を起こさない限り、
単に多重化変調チャープ信号と記す。
【0073】SAW−DDL4から出力される多重化変
調チャープ信号は増幅器5にて増幅され、増幅出力は局
部発振器6とミキサ7とからなる周波数変換器にて周波
数変換され、送信電力増幅器8にて増幅のうえ、送受信
切替器9を介してアンテナ10に供給されてアンテナ1
0から送信される。
【0074】さらに具体的にパルス発生器3およびSA
W−DDL4における変調作用について図5および図6
によって説明する。なお、図5においてパルス波形はR
Fパルスの正側の半周期の波形を示している。
【0075】図5(a)に多重化される最初のチャンネ
ル対する場合(図5(a)においてk=1と記してあ
る)のRFパルスの波形を、図5(b)に多重化される
次のチャンネル対する場合(図5(b)においてk=2
と記してある)のRFパルスの波形を、図5(c)に多
重化されるさらに次のチャンネル対する場合(図5
(c)においてk=3と記してある)のRFパルスの波
形を例示してある。
【0076】メッセージデータの差動化された符号に基
づいて、時間間隔δTk(n)が、k=1の場合を例に
説明する。
【0077】2値差動位相変調の場合であって、例え
ば、1ビット目から3ビット目までにおいては符号(位
相)の反転がなく、4ビット目において3ビット目から
符号が反転し、5ビット目において符号が反転したとす
る。
【0078】第1番目のRFパルスを基準として第2番
目のRFパルスとの間の時間間隔δT1 (1)は1ビッ
ト目のデータ値に基づいて定まり、時間間隔δT
1 (1)は基準間隔T0 と同一である。第2番目のRF
パルスと第3番目のRFパルスとの間の時間間隔δT1
(2)は2ビット目のデータ値に基づいて定まり、基準
間隔T0 と同一である。
【0079】第3番目のRFパルスと第4番目のRFパ
ルスとの間の時間間隔δT1 (3)は3ビット目のデー
タ値に基づいて定まり、破線位置が時間間隔δT
1 (1)と同一であるが、図中、実線で示すように時間
間隔δT1 (1)よりも基準周波数f0 の逆数の1/2
だけ伸張されている。
【0080】第4番目のRFパルスと第5番目のRFパ
ルスとの間の時間間隔δT1 (4)は4ビット目のデー
タ値に基づいて定まり、破線位置からは時間間隔δT1
(1)と同一であるが、第4番目のRFパルスの発生時
刻から基準周波数f0 の逆数の1/2だけ短縮されてい
る。
【0081】これらは、メッセージデータの差動化され
た符号の“0”、“1”に基づいていることは前記のと
おりである。また、図5(b)および(c)の場合も同
様であって、その説明は省略する。
【0082】図5(a)、(b)および(c)に示した
RFパルスが重ねられた図5(d)に示すRFパルスが
SAW−DDL4に入力される。ここで、差動化された
データ1ビット(1シンボルとも記す)を1チャープ信
号によって拡散するものとして、RFパルス系列が入力
されたSAW−DDL4において、k=1のRFパルス
に対応して図6(a)に示す波形のチャープ信号が生成
される。図5(a)において破線で示した時間間隔δT
1 (3)経過したときのRFパルスに基づくチャープ信
号は基準周波数f0 において位相がπだけずれており、
時間間隔δT1(4)経過したときのRFパルスに基づ
くチャープ信号の位相はもとに戻っている。
【0083】図6(b)および(c)に示すチャープ信
号波形は、図5(b)および(c)に示すRFパルスに
基づくチャープ信号波形である。
【0084】したがって、SAW−DDL4が時不変線
形回路であることを利用して、SAW−DDL4からは
図6(a)、(b)および(c)に示したチャープ信号
が重畳された図6(d)に示すチャープ信号が送出され
る。この場合はK=3の場合であり、図6(a)、
(b)および(c)に示したチャープ信号が多重化され
た図6(d)に示すスペクトル拡散変調信号である多重
化変調チャープ信号がSAW−DDL4から出力され
て、送信される。
【0085】次に、本発明の実施の一形態にかかるスペ
クトル拡散多重化通信機の受信部RXについて説明す
る。
【0086】送信されてきたスペクトル拡散変調信号は
アンテナ10および送受信切替器9を介して受信され、
増幅器11によって増幅のうえ、局部発振器6とミキサ
12とからなる周波数変換器によって周波数変換され
て、データの位相偏移に基づいて複数系列の入出力電極
が設けられたデータ復調用SAWマッチドフィルタ13
に供給されて、データ復調される。データ復調出力はそ
れぞれ自乗回路14および15で各別に自乗されて整流
され、自乗出力は減算回路16および加算回路17に供
給して減算および加算が行われて、減算回路16の出力
および加算回路17の出力はデマルチプレクサ18にて
デマルチプレクスされて送出される。
【0087】データ復調用SAWマッチドフィルタ13
は一般的に圧電基板の表面にチャープ電極で構成された
入力電極および出力電極から構成されている。
【0088】図7はデータ復調用SAWマッチドフィル
タ13の構成を示す模式図である。
【0089】本発明の実施の一形態にかかるスペクトル
拡散多重化通信機では2値差動位相変調の例であるた
め、図7は2値差動位相変調された信号を復調するため
のデータ復調用SAWマッチドフィルタ13を示してお
り、位相偏移2種類、すなわち0ラジアン位相偏移とπ
ラジアン位相偏移に対応して、入力電極132、出力電
極133および134の第1の系統m1と、入力電極1
35、出力電極136および137の第2の系統m2と
の2系統が同一圧電基板131上に形成されていて、出
力電極134および137から出力が取り出される。
【0090】入力電極132および135は電極指ピッ
チが入力側から順次短くなるチャープ電極で形成され、
かつ入力電極132と135のそれぞれに周波数変換さ
れた受信信号が供給される。出力電極133、134、
136および137は電極指ピッチがSAWの入力側か
ら出力側にかけて順次長くなるチャープ電極で形成さ
れ、さらに、出力電極133と出力電極134とはその
中心位置において後記の(Nbλ0 )の距離隔てて同一
圧電基板131上に形成され、かつ出力電極133と1
34とは縦続接続されている。出力電極136と137
とはその中心位置において後記の(Nbλ0 +λ0
2)の距離隔てて同一圧電基板131上に形成され、か
つ出力電極136と137とは縦続接続されて、出力電
極134と出力電極137とから出力を取り出すように
してある。
【0091】データ復調用SAWマッチドフィルタ13
に入力された多重化されかつ周波数変換されたチャープ
信号を用いたスペクトル拡散変調信号は、入力電極13
2と135とに供給されて、入力電極132と135と
によって電気信号からSAWに変換される。入力電極1
32と135とによって変換されたSAWは圧電基板1
31上を伝播する。
【0092】ここでは、圧電基板131上を伝播するS
AWはメッセージデータに基づいてチャープ信号2スイ
ープ間(2ビット期間)にデータに対応した位相差を有
している。例えば、2スイープ間のチャープ信号の中心
周波数において0ラジアンもしくはπラジアンの位相変
調が施された信号を復調する場合は、差動位相変調され
たチャープ信号が入力電極132および135にて0ラ
ジアンもしくはπラジアンの位相差を有するSAWに変
換されて圧電基板131上を伝播する。
【0093】入力電極132および135によって変換
された2スイープ分のSAWを第1の系統m1の2つの
出力電極133と134および第2の系統m2の2つの
出力電極136と137によってそれぞれ取り出され
る。このときチャープ信号2周期に対して、波形に対応
する位置に2つの縦続接続された出力電極を配置して取
り出すために、第1の系統m1側では出力電極133と
134とは、基準周波数f0 、基準時間T0 から(2)
式により求まるNbを用いて、中心位置においてNbλ
0 離して設け、第2の系統m2側では出力電極136と
137とは中心位置においてNbλ0 にλ0 の1/2を
加えた間隔離して設けてある。ここで、λ 0 は基準周波
数f0 におけるSAWの波長である。
【0094】SAWの速度をvとすると、SAWの波長
λ0 は次の(7)式に示す如くに表される。
【0095】
【数7】
【0096】したがって、第1の系統m1、第2の系統
m2の出力電極間の間隔Lpは次の(8)式に示すよう
になる。ここでpは(9)式に示すごとくである。
【0097】
【数8】
【0098】
【数9】
【0099】出力電極間の間隔LpをSAWの速度vで
割った値の差が出力電極間におけるSAWの遅延時間差
Tpであり、次の(10)式で表すことができる。
【0100】
【数10】
【0101】ここで、RFパルス発生の時間間隔δTk
(n)と比較して、(3)式および(10)式より、第
1の系統m1側の出力電極133、134または第2の
系統m2側の出力電極136、137で、同相もしくは
逆相で加算され、変調位相差φ(nk)が検出できる。
【0102】すなわち、このように配置したことによっ
て2周期のチャープ信号が位相差0ラジアンのとき、す
なわち0ラジアンの位相差を有するSAWが圧電基板1
31上を伝播するときは、出力電極133と134とで
同相加算され、かつ出力電極136と137とで逆相加
算されることになって、第1の系統m1の出力電極13
4のみから差動化された符号に基づく出力が送出され、
2周期のチャープ信号が位相差πラジアンのとき、すな
わちπラジアンの位相差を有するSAWが圧電基板13
1上を伝播するときは、出力電極133と134とで逆
相加算され、出力電極136と137とで同相加算され
ることになって、第2の系統m2の出力電極137のみ
から差動化された符号に基づく出力が送出される。
【0103】データ復調用SAWマッチドフィルタ13
からの出力は、例えば図8に示す如くである。図8
(a)は第1の系統m1からの出力の波形を示し、図8
(b)は第2の系統m2からの出力の波形を示す。
【0104】さらに、データ復調用SAWマッチドフィ
ルタ13の作用を下記の表1によって示す。
【0105】
【表1】
【0106】上記のように出力電極134からの出力と
出力電極137からの出力とは差動データに対応して背
反した出力が取り出されて、データ復調がなされる。こ
こで、SAWマッチドフィルタ13のかかる作用をデー
タの位相偏移に基づいて連続する2周期にまたがる相関
演算を行うともいう。
【0107】データ復調用SAWマッチドフィルタ13
からの出力は自乗回路14および15によって自乗さ
れ、それぞれ図示しないローパスフィルタを通した自乗
回路14の出力から自乗回路15の出力が減算回路16
によって減算されて、減算回路16からは例えば図9
(a)に示す出力が送出される。この出力はメッセージ
データに基づく出力に対応し、例えば正極性側がメッセ
ージデータの“1”に、負極性側がメッセージデータの
“0”に対応している。
【0108】図示しない前記ローパスフィルタを通した
自乗回路14の出力と自乗回路15の出力とは加算回路
17によって加算されて、加算回路17からは例えば図
9(b)に示す出力が送出される。この出力はメッセー
ジデータが出力されているタイミングを示している。
【0109】減算回路16からの出力と加算回路17か
らの出力はデマルチプレクサ18に供給されて、加算回
路17からの出力のタイミングで減算回路16からの出
力がデマルチプレクスされて送出される。
【0110】上記した本発明の実施の一形態にかかるス
ペクトル拡散多重化通信機において、チャープ信号は周
波数が徐々に変化するため、時間シフトして加算した場
合、その加算信号のベクトル加算は常に2πラジアン連
続的に変化しながら回転して加算され、時間を追って観
測すればほぼ平均化された振幅の信号が合成される。し
たがって、拡散符号による同一キャリア周波数によるス
ペクトル拡散信号の時間シフト多重の際に問題となるよ
うな、位相合成した信号のエンベロープが極端な場合零
となったり、加算信号の包絡線に著しい変動が起こると
いう問題が発生しないという効果が得られる。
【0111】このことによってSAW−DDL4から出
力されるチャープ信号を増幅する増幅器5および送信電
力増幅器8が多少の非線形を伴う増幅器であっても、送
信信号に著しい帯域外スプリアスが生ずることもなくな
る。
【0112】また、本発明の実施の一形態にかかるスペ
クトル拡散多重化通信機によれば、データ変調されたチ
ャープ信号を容易に生成できかつ同時に多重化でき、受
信時にデータ復調用SAWマッチドフィルタ13を用い
て相関検出を行うため、簡易な構成で多重化したDPS
K変調チャープ信号を発生し、スペクトル拡散復調でき
る効果も得られる。
【0113】なお、上記した本発明の実施の一形態にか
かるスペクトル拡散多重化通信機では、SAW−DDL
4において、周波数重み付けがハミング窓関数重み付け
の場合を例示したが、ハミング窓関数重み付けに代わっ
て、ドルフ−チェビシェフ窓関数重み付けでも、テイラ
ー窓関数重み付けでも、cos2 窓関数重み付けでも、
cos3 窓関数重み付けでも、cos4 窓関数重み付け
でも、ブラックマン窓関数重み付けでも、カイザー窓関
数重み付けでもよい。
【0114】また、周波数重み付けをSAW−DDL4
に代わって、データ復調用SAWマッチドフィルタ13
の入力電極および/または出力電極対の電極指ピッチに
よって付与するようにしてもよい。またSAW−DDL
4とデータ復調用SAWマッチドフィルタ13とによっ
て付与するようにしてもよい。これらの場合に、データ
復調用SAWマッチドフィルタ13の各系統の出力電極
間の間隔は(Nb×λ 0 )、(Nb×λ0 +λ0 /2)
とすることは維持する必要がある。
【0115】上記のように周波数重み付けは、SAW−
DDL4に全ての重み付けを付与しても、データ復調用
SAWマッチドフィルタ13に全ての重み付けを付与し
ても、SAW−DDL4とデータ復調用マッチドフィル
タ13とに振り分けて重み付けを付与してもよいが、そ
れぞれ次のような得失があり、この得失にしたがって何
れかを選択すればよい。
【0116】SAW−DDL4に全ての重み付けを付与
した場合は、一般的に中心周波数付近に重い重み付けが
なされるため、送信信号に著しい帯域外スプリアスが生
ずるようなことない。しかし一方、データ復調用SAW
マッチドフィルタ13の周波数振幅特性は帯域内におい
て平坦となり、送信チャープ信号における重みの軽い周
波数部分において、信号成分が少ないにもかかわらず、
不要な雑音を通過させることになって、復調出力におけ
るS/Nを劣化させることになる。
【0117】データ復調用SAWマッチドフィルタ13
に全ての重み付けを付与した場合は、SAW−DDL4
により生成される送信チャープ信号の周波数成分は帯域
内平坦となり、全帯域を有効に使用するという利点があ
る。一方、重みの軽い送信チャープ信号の周波数成分は
重みの重い送信チャープ信号の周波数成分と同等レベル
で送信されるにもかかわらず、データ復調用SAWマッ
チドフィルタ13における重み付けに対応して、重みの
軽い送信チャープ信号の周波数成分がデータ復調用SA
Wマッチドフィルタ13において捨て去られることにな
り、復調出力におけるS/Nを劣化させる。
【0118】これに対し、SAW−DDL4とデータ復
調用マッチドフィルタ13とに振り分けて重み付けを付
与した場合、重みの振り分けを正確に行うことが難し
く、設計が容易ではないが、データ復調用SAWマッチ
ドフィルタ13において、通過する不要な雑音を減少さ
せると共に、送信チャープ信号において重み付けの軽い
周波数の周波数成分を相応なレベルで送信できるため、
復調出力におけるS/Nの劣化を防止できる。このS/
N劣化量はミスマッチロスと呼ばれている。
【0119】周波数重み付けをハミング窓関数重み付け
とした場合、S/Nの劣化量であるミスマッチロスは
1.34dB改善でき、8次のテイラー窓関数重み付け
とした場合、ミスマッチロスは1.14dB改善でき、
cos3 窓関数重み付けとした場合、ミスマッチロスは
2.38dB改善することができる。
【0120】上記した本発明の実施の一形態にかかるス
ペクトル拡散多重化通信機による場合の多重化チャープ
信号に対するビット誤り率特性例を図10に示す。図1
0において実線は理論値を示し、○は1信号多重化の場
合を、△は2信号多重化の場合を、□は3信号多重化の
場合を、▽は4信号多重化の場合を、◇は7信号多重化
の場合を、×は8信号多重化の場合を、●は9信号多重
化の場合をそれぞれ示している。図10から判るとおり
ほとんど多重化による劣化のない特性が得られる。
【0121】なおまた、上記した本発明の実施の一形態
にかかるスペクトル拡散多重化通信機において、2値差
動位相変調の場合を例示したが、他の多値差動位相変調
の場合であってもよい。例えば3値差動位相変調の場合
は図7に示す場合と同様にマッチドフィルタを3系統用
意して、それぞれの系統の出力電極を構成する2個のチ
ャープ電極の位置をチャープ信号の中心周波数に対して
互いに1/3波長異なるように配置すればよく、入力さ
れたスペクトル拡散変調信号2周期間に0ラジアン、2
π/3ラジアンもしくは4π/3ラジアンの位相差を持
って差動位相変調された信号に対して、同相で加算され
る出力電極は3系統のうちのいずれか1系統のみであっ
て、3値差動位相変調のデータの復調も可能となる。同
様に4値以上の差動位相変調の場合にも対応させること
ができる。
【0122】また上記した本発明の実施の一形態にかか
るスペクトル拡散多重化通信機では、前に基準周波数f
0 をチャープ信号の中心周波数として差動位相変調を施
す場合を例示したが、特にチャープ信号の中心周波数で
2値以上の多値の変調を施す必要はなく、基準周波数f
0 をチャープ信号の最大周波数として差動位相変調を施
しても、同様に基準周波数f0 をチャープ信号の最小周
波数として差動位相変調を施してもよい。
【0123】チャープ信号の最大周波数によって差動位
相変調された信号を復調する場合はデータ復調用SAW
マッチドフィルタ13において各系統を構成する2つの
出力電極間の配置の間に、チャープ信号の最大周波数に
基づく波長λ0 の1/2の差を持たせればよい。チャー
プ信号の最小周波数によって差動位相変調された信号を
復調する場合はデータ復調用SAWマッチドフィルタ1
3において各系統を構成する2つの出力電極間の配置の
間に、チャープ信号の最小周波数に基づく波長の1/2
の差を持たせればよく、他の周波数に設定した場合も同
様である。
【0124】さらに、上記のデータ復調用SAWマッチ
ドフィルタ13がアップ・チャープ信号の場合を例示し
たが、ダウン・チャープ信号の場合も同様に構成するこ
とができる。
【0125】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかるスペ
クトル拡散多重化通信機によれば、スペクトル拡散のた
めにチャープ信号を用いたスペクトル拡散多重化通信機
において、交信のためのチャープ信号を単位時間当たり
の周波数変化量が時間と共に変化するチャープ信号とし
たため、タイムサイドローブが低減され、かつS/Nが
劣化することもないという効果が得られる。さらに、ス
ペクトル拡散多重化通信機の構成が簡単になるという効
果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかるスペクトル拡散
多重化通信機の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の一形態にかかるスペクトル拡散
多重化通信機におけるSAW−DDLの構成を示す模式
斜視図である。
【図3】本発明の実施の一形態にかかるスペクトル拡散
多重化通信機におけるチャープ信号の説明に供する波形
図である。
【図4】本発明の実施の一形態にかかるスペクトル拡散
多重化通信機におけるチャープ信号の説明に供する波形
図である。
【図5】本発明の実施の一形態にかかるスペクトル拡散
多重化通信機におけるSAW−DDLへの入力の説明に
供する波形図である。
【図6】本発明の実施の一形態にかかるスペクトル拡散
多重化通信機におけるSAW−DDLからの出力の説明
に供する波形図である。
【図7】本発明の実施の一形態にかかるスペクトル拡散
多重化通信機におけるSAWマッチドフィルタの構成を
示す模式斜視図である。
【図8】本発明の実施の一形態にかかるスペクトル拡散
多重化通信機におけるSAWマッチドフィルタの作用の
説明に供する波形図である。
【図9】本発明の実施の一形態にかかるスペクトル拡散
多重化通信機におけるデマルチプレクサの入力信号の波
形図である。
【図10】本発明の実施の一形態にかかるスペクトル拡
散多重化通信機における多重化チャープ信号に対するビ
ット誤り率の特性図である。
【図11】従来のデジタルエンコーデッドチャープキャ
リア装置の構成を示すブロック図である。
【図12】チャープ信号をスペクトル拡散に利用した従
来の送信機の構成を示すブロック図である。
【図13】チャープ信号をスペクトル拡散に利用した従
来の受信機の構成を示すブロック図である。
【図14】図13に示した受信機の作用の説明に供する
波形図である。
【符号の説明】
1 差動エンコーダ 3 パルス発生器 4 SAW−DDL 9 送受信切替器 13 データ復調用SAWマッチドフィルタ 14および15 自乗回路 16 減算回路 17 加算回路 18 デマルチプレクサ 41および131 圧電基板 42、132および135 入力電極 43、133、134、136および137 出力電極 m1およびm2 第1および第2の系統

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スペクトル拡散のためにチャープ信号を用
    いたスペクトル拡散多重化通信機において、交信のため
    のチャープ信号を単位時間当たりの周波数変化量が時間
    と共に変化するチャープ信号とすることを特徴とするス
    ペクトル拡散多重化通信機。
  2. 【請求項2】スペクトル拡散のためにチャープ信号を用
    いたスペクトル拡散多重化通信機であって、入力高周波
    パルスの時間間隔をデータ1ビットに対応する基準期間
    から差動位相量を決めるための基準周波数をもとに2π
    /Nラジアンの位相ステップで変化させることによって
    発生するチャープ信号間にN値差動位相変調を施す弾性
    表面波分散型遅延線の入力電極に、前記入力高周波パル
    スと共に多重化のチャンネル数をKとしたとき数(K−
    1)の高周波パルスを前記入力高周波パルスの各パルス
    間に入力して多重化されたN値差動位相変調チャープ信
    号を出力電極から送出する弾性表面波分散型遅延線を変
    調器とする送信部と、データ1ビットに対応する基準間
    隔から差動位相量を決めるための基準周波数をもとに2
    π/Nラジアンの位相ステップで変化するN値差動位相
    変調チャープ信号が多重化された多重化チャープ変調信
    号を入力とする入力電極と、入力電極に対応しかつ入力
    電極によって変換される弾性表面波の伝播路中に縦続接
    続された2つの出力電極対とをN系統備え、前記基準周
    波数の弾性表面波伝播波長をλ0 としたとき各系統を形
    成する2つの出力電極はその中心間位置でλ0 /Nずつ
    位置をずらして設けられ、かつ入力電極または出力電極
    対の少なくともいずれか一方がチャープ電極である弾性
    表面波マッチドフィルタを復調器とする受信部とを含
    み、交信のためのチャープ信号を単位時間当たりの周波
    数変化量が時間と共に変化するチャープ信号とすること
    を特徴とするスペクトル拡散多重化通信機。
  3. 【請求項3】請求項2記載のスペクトル拡散多重化通信
    機において、チャープ信号の単位時間当たりの周波数の
    変化量の変化は、弾性表面波分散型遅延線の入力電極ま
    たは出力電極の少なくともいずれか一方の電極を構成す
    る電極の電極指ピッチの変化量を変化させることによっ
    て付与することを特徴とするスペクトル拡散多重化通信
    機。
  4. 【請求項4】請求項2記載のスペクトル拡散多重化通信
    機において、チャープ信号の単位時間当たりの周波数の
    変化量の変化は、弾性表面波分散型遅延線の入力電極ま
    たは出力電極の少なくともいずれか一方の電極を構成す
    る電極の電極指ピッチの変化量を変化させることと弾性
    表面波マッチドフィルタの入力電極または出力電極の少
    なくともいずれか一方の電極を構成する電極の電極指ピ
    ッチの変化量を変化させることによって付与することを
    特徴とするスペクトル拡散多重化通信機。
  5. 【請求項5】請求項2記載のスペクトル拡散多重化通信
    機において、チャープ信号の単位時間当たりの周波数の
    変化量の変化は、予め定めた周波数重み付けに基づくこ
    とを特徴とするスペクトル拡散多重化通信機。
  6. 【請求項6】請求項2記載のスペクトル拡散多重化通信
    機において、チャープ信号の単位時間当たりの周波数の
    変化量の変化は、その周波数に対する周波数重み付け値
    の逆数にほぼ比例することを特徴とするスペクトル拡散
    多重化通信機。
  7. 【請求項7】請求項5記載のスペクトル拡散多重化通信
    機において、周波数重み付けは、復調出力においてタイ
    ム・サイドローブの小さな周波数重み付けであることを
    特徴とするスペクトル拡散多重化通信機。
  8. 【請求項8】請求項5記載のスペクトル拡散多重化通信
    機において、周波数重み付けは、ハミング窓関数重み付
    けであることを特徴とするスペクトル拡散多重化通信
    機。
  9. 【請求項9】請求項5記載のスペクトル拡散多重化通信
    機において、周波数重み付けは、ドルフ−チェビシェフ
    窓関数重み付けであることを特徴とするスペクトル拡散
    多重化通信機。
  10. 【請求項10】請求項5記載のスペクトル拡散多重化通
    信機において、周波数重み付けは、テイラー窓関数重み
    付けであることを特徴とするスペクトル拡散多重化通信
    機。
  11. 【請求項11】請求項5記載のスペクトル拡散多重化通
    信機において、周波数重み付けは、cos2 窓関数重み
    付けであることを特徴とするスペクトル拡散多重化通信
    機。
  12. 【請求項12】請求項5記載のスペクトル拡散多重化通
    信機において、周波数重み付けは、cos3 窓関数重み
    付けであることを特徴とするスペクトル拡散多重化通信
    機。
  13. 【請求項13】請求項5記載のスペクトル拡散多重化通
    信機において、周波数重み付けは、cos4 窓関数重み
    付けであることを特徴とするスペクトル拡散多重化通信
    機。
  14. 【請求項14】請求項5記載のスペクトル拡散多重化通
    信機において、周波数重み付けは、ブラックマン窓関数
    重み付けであることを特徴とするスペクトル拡散多重化
    通信機。
  15. 【請求項15】請求項5記載のスペクトル拡散多重化通
    信機において、周波数重み付けは、カイザー窓関数重み
    付けであることを特徴とするスペクトル拡散多重化通信
    機。
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