JPH10301104A - カラー液晶表示装置 - Google Patents

カラー液晶表示装置

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JPH10301104A
JPH10301104A JP9111449A JP11144997A JPH10301104A JP H10301104 A JPH10301104 A JP H10301104A JP 9111449 A JP9111449 A JP 9111449A JP 11144997 A JP11144997 A JP 11144997A JP H10301104 A JPH10301104 A JP H10301104A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal layer
display
color
voltage
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JP9111449A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Suzuki
俊彦 鈴木
Masao Ozeki
正雄 尾関
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な黒表示を得る。 【解決手段】偏光板1、10、位相差板2、9、対向電
極と配向制御層を有する基板、Δn1 ・d1 =1.41
μmを持つ液晶層3、半透過反射板11、光源12があ
り、位相差板のΔn2 ・d2 =0.67μm、Δn3
3 =0.67μmΔn1 ・d1 −S=0.07μm、
角度θ1 =−240°、θ2 =85°、θ3 =53°、
θ4 =−37°、θ5 =85°とされ、マルチプレック
ス駆動され電圧無印加時または非選択波形印加時に光透
過率が0.3%以内または反射率が2.0%以内であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2枚の位相差板お
よび2枚の偏光板を備えた液晶表示素子(以下、LCD
とも呼ぶ。)を用いて、カラーフィルタを用いずに、暗
い無彩色表示を行い、かつ明るい無彩色、および赤色、
青色、緑色の表示が可能なネガ駆動を用いる透過型カラ
ー液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高度情報社会において情報表示媒体への
ニーズはますます高まっている。LCDは軽量・薄型・
低消費電力などのメリットを有しており、かつ半導体技
術との整合性がよいので、ますます普及すると考えられ
る。新しい用途に応じてさらに技術改良が進むなかで、
画面の大容量化・高精細化が求められている。そのため
の大容量化の技術革新が進んでいる。
【0003】一方、LCDの軽量・小型性という優位性
を最大限に生かした用途が提案されている。手軽に持ち
歩ける携帯情報端末機器などへの応用である。そのなか
で、パッシブ駆動のスーパー・ツイスティッド・ネマチ
ック(STN)方式は能動素子(TFT)を備えたアク
ティブマトリックス方式に比べて、製造工程が短く、簡
素な素子構造を持ち、低コストで生産できるので、携帯
情報端末機器の分野において主流になると考えられる。
【0004】このような携帯情報端末機器に求められる
性能仕様は、まず個人を単位とする需要に応えうるよう
に、安定しかつ良好な生産効率で提供できることであ
る。そして、表示装置そのものの基本的な性能、例えば
視認性、低消費電力、高精細化といったことが求められ
る。
【0005】このような用途には、従来技術のなかで
は、反射型または半透過型のLCDが用いられていた。
そして、視認性向上のため様々な改良が模索されてきた
が、白黒ではなくカラー表示を採用することもその一つ
である。カラー表示を行う場合、カラーフィルタなどを
用いるとRGBの3色に応じて、表示画面を実質3分割
することになり開口率が著しく低下する。
【0006】しかし、カラーフィルタを反射型、半透過
型LCDに用いた場合では逆に視認性が悪化する。これ
を解決した新しいLCDとして、スーパー・リフレクテ
ィブ・カラーLCD(以下、SRC−LCDと呼ぶ。)
がある。カラーフィルタを用いない素子構造であって、
開口率を低下せずに、明るいカラー表示を実現できるよ
うになった。
【0007】また、日経マイクロデバイス1994年6
月号34〜39頁に、白色の発色を有する反射型LCD
が市場において期待されていたことが紹介されており、
白−赤−青−緑の発色シーケンスがこの文献の38頁の
図5に記載されている。
【0008】また、特開平8−15691号公報には電
圧オフで無彩色の白の発色ができ、白、赤、青、緑の発
色が可能な例、白、黒、青、黄緑、ピンクの発色が可能
な例が開示されている。このSRC−LCDでは複屈折
板は2枚用いられた。また、駆動については単純マトリ
ックスを用いるとの記載があるのみである。
【0009】SRC−LCDは、偏光板、ネジレネマチ
ック液晶層、位相差板を通過する光の総合的な複屈折効
果を利用して、カラーフィルタを使うことなくカラー表
示を行う。小型・軽量・簡素な構造というLCDの長所
を失うことなく、複数のカラー発色を実現することで、
視認性を著しく向上させた。SRC−LCDの複数の色
表示は、液晶層の複屈折性を対向電極間の印加電圧で制
御し、所望の発色を呈示させる。
【0010】また、特開平8−292434号公報に
は、駆動電圧オフにおいて無彩色(白)表示を行い、か
つ駆動しやすく、高デューティ駆動が可能で、多色表示
が可能な使いやすいSRC−LCDの具体的な素子構成
が提案された。次に、SRCの駆動法について説明す
る。
【0011】上述したように、SRC−LCDの色表示
は3色以上の発色においては中間電圧を印加する必要が
ある。STN−LCDなどの単純マトリクス駆動方式と
してはAPT(Alt−Pleshko Techni
que)、IAPT(Improved APT)の線
順次駆動が一般的である。
【0012】この手法はオン/オフレベルを簡単に発生
できるためマルチプレックス駆動方式としてきわめて有
効である。TFTなどの能動素子を有するアクティブマ
トリックス方式では、振幅変調を用いて中間電圧を比較
的容易に発生できる。しかし、パッシブ駆動方式の場合
では、線順次駆動における中間電圧の発生方法は、単純
に振幅変調を行うと非選択時の電圧が変動するために非
表示部分(または非選択領域)に不正電圧が印加されて
しまい、表示画面全体の評価を行うと必ずしも適切な駆
動方式とはいえない。そのため、これまで様々な中間電
圧を発生させる手段が提案されてきた。
【0013】上記のように、SRC−LCDの色表示は
3色以上の発色においては中間電圧を印加する必要があ
る。STN−LCDなどの単純マトリクス駆動方式とし
てはAPT、IAPTの線順次駆動が一般的である。こ
の手法はオン/オフレベルを簡単に発生できるためマル
チプレックス駆動方式として非常に有効である。
【0014】また、表示において、視認すべくデータ部
に対して、背景部分は面積的に広い部分を通常占めてい
る。その部分に背景色として、暗い白または黒の無彩色
が選ばれることが多い。良好な視認性が得られるからで
ある。
【0015】一般に背景色には無彩色が用いられること
が多く、無彩色は大きな面積を占めることとなる。この
大きな面積を占める色が色むらを起こすと表示としての
美しさが大きく低下する。均一な色を出すには無彩色が
中間電圧で発色されることを回避することが望ましい。
【0016】以上のような課題を考慮すると、電圧が印
加されていないとき、またはマルチプレックス駆動を行
ったときのオフ波形(非選択波形)の際に暗い無彩色の
表示が得られることが好ましい。また、明るいカラー発
色を同時に得ることが求められていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記内容を鑑
みて、その目的とするところは、カラーフィルタを用い
ずに、マルチプレックス駆動が可能で、非選択波形のと
きに暗い無彩色表示が可能で、選択波形または選択波形
と非選択波形の中間の電圧を印加したときに、明るい無
彩色、および赤色、青色、緑色の発色を可能とすること
である。
【0018】言い換えれば、電圧無印加時、または非選
択波形時に、非常に暗い無彩色表示ができ、かつ、選択
波形または選択波形と非選択波形の中間の電圧を印加し
たとき明るい無彩色表示およびカラー表示を実現できる
ネガタイプの透過型カラー液晶表示装置を提供すること
である。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の基本的な構成
は、吸収軸を有する2枚の偏光板の間に、2枚の位相差
板が配置され、さらにその2枚の位相差板の間に、両面
に備えられた配向方向によってねじれ角が設定された1
つの液晶層と、さらに光源が設けられている、光は光源
を出射後、第2の偏光板を通り、第2の位相差板から液
晶層、さらに第1の位相差板、第1の偏光板を通過し、
出射せしめる透過型または反射型のカラー液晶表示装置
である。そして、液晶層に印加される駆動電圧の実効的
な3値以上の電圧値によって、明暗の無彩色を含むカラ
ー表示が得られるように設けられる。
【0020】すなわち、請求項1は吸収軸を有する2枚
の偏光板と、2枚の位相差板と、液晶層と、光源およ
び、液晶層に印加される駆動電圧を供給する駆動回路と
が設けられ、両偏光板間に2枚の位相差板が配置され、
2枚の位相差板間に液晶層が設けられ、光源は偏光板の
外側に配置され、液晶層は、旋光性物質を含有した正の
誘電異方性のネマティック液晶を有し、液晶層の第1の
面側の第1配向方向から第2の面側の第2の配向方向に
対してねじれ角度θ1 が設けられ、液晶層の屈折率異方
性Δn1 と液晶層の厚みd1 との積Δn1 ・d1 が1.
10〜2.00μmとされ、第1の位相差板のΔn2
2 と第2の位相差板のΔn3 ・d3 の総和Sが1.0
〜1.8μmとされ、Δn1 ・d1 −S≧0.01μm
とされ、第1の位相差板は第1の偏光板と液晶層間に配
置され、液晶層の第1の配向方向から第1の位相差板の
遅相軸に対して角度θ2 が設けられ、第1の位相差板の
遅相軸から第1の偏光板の吸収軸とがなす角度θ3 が設
けられ、第2の位相差板は液晶層と第2の偏光板間に配
置され、第2の偏光板の吸収軸から第2の位相差板の遅
相軸とがなす角度θ4 が設けられ、第2の位相差板の遅
相軸から液晶層の第2の配向方向に対して角度θ5 が設
けられ、角度θ1 、θ2 、θ3 、θ4 、およびθ5 は、
時計回り方向(+)または反時計回り方向(−)とさ
れ、角度θ1 =−160〜−300°に設定され、2値
以上の電圧値が選択されて液晶層に駆動電圧が印加さ
れ、電圧無印加時もしくは非選択波形印加時に光透過率
が0.6%以内、もしくは反射率が4.0%以内である
ことを特徴とするカラー液晶表示装置である。
【0021】好ましい態様としては、Δn1 ・d1 −S
≧0.02μmであり、各色をきれいに発色させるに
は、0.1μm≧Δn1 ・d1 −S≧0.03μmの範
囲が好ましい。このSの値は波長分散に応じて設定すれ
ばよい。
【0022】また、請求項2は数2(nは0または正の
整数)、かつ、Δn1 ・d1 、Δn2 ・d2 、Δn3
3 が式を満足することを特徴とする請求項1の透過型
カラー液晶表示装置である。
【0023】
【数2】{30+180*n=<|θ2 |=<60+1
80*n} {80+180*n=<|θ3 |=<90+180*
n} {80+180*n=<|θ4 |=<90+180*
n} {30+180*n=<|θ5 |=<60+180*
n}
【0024】また、請求項3は表2の構成例A〜Hのい
ずれか1つを満足することを特徴とする請求項1または
2記載の透過型カラー液晶表示装置である。後述する例
1〜4における、印加電圧と透過率、および、XY色度
座標の座標値を表3〜6にそれぞれ示す。また、本発明
の好ましい態様のデータを表7〜表9(構成例1〜70
例)に示す。このなかで、表9に示す構成例は、緑の発
色が良好であり好ましい。なお、上記の本発明の構成の
説明において、角度の表記として、+方向は時計回り
を、−方向は反時計回りを示すこととする。本発明の角
度関係は図1、図3に示し後述する。
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
【表7】
【0031】
【表8】
【0032】
【表9】
【0033】
【発明の実施の形態】本発明は、直視型のカラー液晶表
示装置であって、光の利用形態から、透過型、反射型、
および半透過・半反射の三つのモードで用いることがで
きる。上述したSRC−LCDのものである。まず、透
過型はカラー液晶表示装置の裏側にバックライトを設け
て、その光源光を裏面から液晶層に入射せしめて、表側
に変調された光を出す。電圧オフ時でおよそ0.6%程
度の透過率を示す。上記の構成例A〜Hのものでは、お
よそ0.3%以内、ほぼ0.2%である。
【0034】反射型は、バックライトなしに、外光を利
用して表示を行うものであって、外部の光を表側から液
晶セルに入射せしめられ、液晶層で変調され、反射層で
反射され、再び液晶層で変調され、そして、表面側へ出
射される。総合でおよそ、4%以内の透過率である。好
ましくは、2.0%以内の透過率に設定する。
【0035】半透過半反射のモードは、基本的には透過
型と同様であって、半透過半反射膜を液晶表示素子の裏
面側に位置するバックライトと液晶表示素子との間に設
ける。そして、外光とバックライトの光の両方を用いる
ものである。液晶層において、光はバックライトに由来
する成分と外光に由来する成分の両方が通過するが、透
過型と反射型の二者のちょうど中間の光学特性を示す。
見かけ上、1.2〜3.0%程度、好ましくは0.6〜
1.2%程度の透過率を持つ。本発明で、半透過型のも
のは透過型に含めて考えることができる。
【0036】本発明では、光の透過率を低く抑制し、か
つ、色相を調整して、きわめて暗い無彩色、つまり黒を
良好に発生させることができる。そして、低電圧側で黒
を出すいわゆるネガ表示的な動作をさせるものである。
【0037】従来のSRC−LCDと同様に、中間電圧
を印加することで、白、赤、緑を発色できる。図4に液
晶層と2枚の位相差板のリターデーション値の組み合わ
せのマッピングを示す。ほぼ対角方向に位置するハッチ
ングを施した領域で本発明のカラー液晶表示装置を形成
することができる。×マークは比較例であって、赤の色
純度がよくなく、所望のカラー表示には不適である。図
のR領域の上の×マークに対応するデータ点である。本
発明においては、基本的に液晶層のリターデーション値
を位相差板のリターデーション値よりも大きく設定しな
ければならない。両者の差を指数Sとする。
【0038】この図4では、横軸のΔn1 ・d1 として
1.6μmまでしか図示していないが、基本的にΔn1
・d1 と縦軸の(Δn2 ・d2 Δn3 ・d3 )との関係
は線形であり、およそ、Δn1 ・d1 =2.0μm程度
まで、本発明のカラー液晶表示装置を形成できる。
【0039】また、本発明で得られるマルチカラー発色
の色相を図5に示す。図中、BLの領域が黒、Gの領域
が緑、Wの領域が白、Rが赤の領域である。また、黒の
ドットは上記の各例のデータの集合点であって、そのド
ットにおける色を発色することを意味する。さらに、そ
れらのドット点を内包する楕円状の領域において、本発
明における発色が可能である。
【0040】G領域とBL領域とが近接し、さらに一部
の領域が重なっているが、黒の表示場合には、透過率が
0.3〜4.0%というきわめて低い透過率に抑えられ
ている。そのため、色として認識することが難しい。ま
た、緑の場合は明るく見える。したがって、緑と黒とを
人間が良好に識別できることになる。
【0041】また、各領域内を通過する発色のループか
ら、相対的に色の差、および黒との明るさの差を良好に
視認できるような組み合わせを選択して用いればよい。
また、各例における印加電圧に対する光の透過率の変化
と、色度変化を示したグラフを図5〜図13に示す。
【0042】
【実施例】
(例1)図2は、本例を模式的に表した断面図である。
図2において、第一の偏光板1、第一の位相差板2、液
晶セル3、第二の位相差板9、第二の偏光板10、半透
過反射板11、および光源12とが順に設けられてい
る。液晶セル3は、基板4A、電極5A、多層膜6A、
第一の配向制御層7A、液晶層8、第二の配向制御層7
B、多層膜6B、電極5B、基板4Bを有する。
【0043】液晶セルの構成要素として用いられる多層
膜6A、6B、および、絶縁膜、遮光膜、引き出し電極
端子、下地膜、保護膜などは一般のTNやSTN型の液
晶セルに用いるものでよい。また、液晶層の周辺にはシ
ールが施されている。図示を省略した駆動回路から液晶
セルの上下の電極5A、5Bに駆動電圧が印加される。
次に液晶セルの形成について説明する。
【0044】まず、ガラス基板上に設けた透明電極(I
TO)を、ストライプ状にパターニングし、一方の電極
である第一の電極を5Aとし、その上に、TiO2 とS
iO2 薄膜を作製し、絶縁膜6Aを形成し、ポリイミド
の薄膜を形成し、布によりラビングすることにより、第
一の配向制御膜7Aを形成した。
【0045】この基板および、同様に形成したもう一枚
の基板とをストライプ状の電極を交差するように2枚重
ね合わせ、その中に液晶を入れ、端辺をシール材で固定
することにより、液晶セルを形成した図2において、光
源12側を下側と定義する。
【0046】図3において、液晶セルの上側の液晶分子
の配向方向を15、液晶セルの下側の液晶分子の配向方
向を16、上側の第一の位相差板の位相差軸を13、上
側の第一の偏光板の吸収軸を14、下側の第二の位相差
板の位相差軸を18、下側の第二の偏光板の吸収軸を1
7とする。また、同図において、液晶分子の配向方向を
示す矢印の方向は、基板面(配向制御膜)に対して液晶
分子が傾いている方向を示すものとする。
【0047】さらに、液晶層の上側の液晶分子の配向方
向15から液晶層の下側の液晶分子の配向方向16まで
の液晶ねじれ角を時計回りに、θ1 とする。また液晶セ
ルの上側の液晶分子の配向方向15から第一の位相差板
の位相差軸13までの時計回りの角度をθ2 とし、第一
の位相差板の位相差軸12から第1の偏光板の吸収軸1
4までの時計回りの角度をθ3 とする。また第二の偏光
板の吸収軸17から第二の位相差板の位相差軸18まで
の時計回りの角度をθ4 とし、第二の位相差板の位相差
軸18から液晶セルの下側の液晶分子の配向方向16ま
での時計回りの角度をθ5 とする。
【0048】また、本例では、液晶セルを左螺旋(マイ
ナス方向)としたが、θ1 、θ2 、θ3 、θ4 、θ5
回転方向を、逆にすることにより、上記と同様に容易に
カラー表示が得られる。
【0049】そして、液晶セルの屈折率異方性Δn1
液晶層の厚みd1 を調整し、液晶層のΔn1 ・d1 をほ
ぼ1.41μmとし、第一の位相差板の位相差値Δn2
・d2 を0.67μmとし、第二の位相差板の位相差値
Δn3 ・d3 を0.67μmとした。そして、θ1 =−
240°、θ2 =85°、θ3 =53°、θ4 =−37
°、θ5 =85°に設定した。
【0050】発色状態を示す色度図(CIE 1931
色度図の部分拡大図)に示すように印加される実効電圧
の増大に伴い、暗い黒から、白、赤、緑の表示が得られ
た。後述するパルス状階調電圧を印加することで発色が
得られた。十分に視認できる良好な色純度を有するカラ
ー液晶表示が達成できた。
【0051】階調化された駆動電圧を発生される手法と
しては、フレーム階調、振幅階調、パルス階調など様々
なものが知られている。液晶に印加される実効電圧の大
きさを変化させる手法であれば、どのようなものでもよ
い。現在、一般的に採用されているのはフレーム階調で
あるが、この手法を用いても良好な表示が得られる。ま
た、疑似階調を用いてもよい。
【0052】また、複数の行電極を同時に選択する駆動
法(マルチラインアドレッシング法、MLAと呼ばれ
る。)も採用できた。この場合、本発明においては、Δ
n・dを1.2以上とする必要があるために応答速度が
遅くなってしまう。そのため、液晶組成物の物性値とし
て、Δnを0.19以上とし、粘度を17cSt以下と
することが好ましい。そして、この高速駆動を用いる
と、ちらつきが少なく、高速の表示であって、コントラ
スト比を低下させずに明るいカラー表示が得られた。
【0053】この液晶表示素子をフレーム階調を用い
て、1/240デューティで4階調駆動することによ
り、0/3レベルで黒表示、1/3レベルで白表示、2
/3レベルで赤表示、3/3レベルで緑表示が得られ
た。もちろん、スタティック駆動も可能である。なおこ
の色度の開口率は約80%のドットマトリックス型表示
素子の画素の無い線間の部分のノイズを含んだものであ
って、実際に視認される色にほぼ近いものであった。
【0054】表示画面の大きさとしては320×240
ドットの表示を行った。本実施例の透過カラー液晶表示
装置を用いてテキストの表示を行った。背景色を黒とし
た場合(ネガモード表示)、テキスト部を白表示とし、
特に重要で、注意の喚起を必要とする部分に赤表示でマ
ーキングを行い、表題等に緑表示を行った。
【0055】逆に、背景色を白とした場合(ポジモード
表示)、テキスト部を黒表示とし、特に重要で、注意の
喚起を必要とする部分に赤表示でマーキングを行い、表
題等に緑表示を行った。そのため、両者とも極めて良好
な視認性が得られた。
【0056】グラフ表示を行った場合も、背景色を白と
して、グラフを黒、赤、緑の3色表示とした場合も、背
景色を黒として、グラフを白、赤、緑の3色表示とした
場合も。視認性が極めて向上した。
【0057】また、日程管理表を示す場合に、重要な項
目を赤表示として、注意を促す事ができた。さらに、カ
レンダー表示を行う際には、背景色は白とするポジモー
ド表示では、土曜日や日曜日を赤表示とし、平日を黒表
示とし、今日の曜日を緑表示とした場合も、背景色を黒
とするネガモード表示では、土曜日や日曜日を赤表示と
し、平日を白表示とし、今日の曜日を緑表示とした場合
も良好な見栄えを実現できた。
【0058】また、グラフィック表示においては、ポジ
モード表示では、輪郭部を黒表示したり、白、赤、緑を
併用し、中間電圧を多用することにより、白っぽい赤や
緑等をもちいて、人間の顔を表現したり、景色をカラー
表示することができた。これに対して、ネガモード表示
では、輪郭部を白表示したり、赤、緑を併用し、中間電
圧を多用することにより、白っぽい赤や緑等を用いて、
人間の顔を表現したり、景色をカラー表示することがで
きた。
【0059】さらに、各画素間の幅を10μm程度にす
ることにより、画素の開口率を90%程度まで高め、か
つ、各画素面積を小さくすることにより、高精細な画像
表示が可能となり、白や赤や緑表示時により明るく色純
度の良い発色が実現できた。このように、本実施例にお
いて、単純白黒表示に比較すると、高コントラスト比の
上に明るいカラー表示が可能であるため、視認性が改善
され、作業性の良い環境を提供できた。
【0060】さらに、光源から出射される光を平行化す
る補助光学要素をバックライト中に設けて、平行度の高
い光源光線を液晶層に入射するようにした。また、上部
偏光板のさらに情報に拡散能を所望の値に設定できる拡
散板を設けることで、広い視野角の表示を得た。
【0061】ここで、補助光学要素としては、例えば、
無数のマイクロレンズを第2の偏光板の下方かつ光源の
上方に配置することによって、ランダムに向いていた光
を、所望の方向に変換することによって、平行光を得る
手法や、多くのプリズムを配置することにより、ある平
行能以下の光は全反射して、所望の平行光のみを取り出
す手法を用いた。
【0062】また、拡散能を自由い制御できる拡散板と
しては、拡散板の面方向に屈折率分布を付けることによ
り、その出射方向を制御するものや、拡散板の深さ(厚
み)方向に屈折率分布を設けることにより、その出射方
向を制御するものを採用した。
【0063】(例2)例1とほぼ同様な構成であるが、
半透過反射モードで用いるために各部材の特性を以下の
ように変更した、液晶セルの屈折率異方性Δn1 と液晶
層の厚みd1を調整し、液晶層のΔn1 ・d1 をほぼ、
1.24μmとし、第一の位相差板の位相差値Δn2
2 を0.60μmとし、第二の位相差板の位相差値Δ
3 ・d3 を0.60μmとした。そして、θ1 =−2
40°、θ2 =−81°、θ3=37°、θ4 =−45
°、θ5 =−89°に設定した。
【0064】この液晶表示素子を1/240デューティ
で1フレーム3階調駆動することにより、0/2レベル
で黒表示、1/2レベルで白表示、2/2レベルで赤表
示が得られた。もしくは1 フレーム2階調駆動を用い
て、0/1で黒表示、1/1で赤表示を行い、その0/
1および1/1の合成波形時に、白表示が得られた。
【0065】もちろん、スタティック駆動も可能であ
る。なおこの色度の開口率は約80%のドットマトリッ
クス型表示素子の画素の無い線間の部分のノイズを含ん
だものであって、実際に視認される色にほぼ近いもので
あった。
【0066】ポジモード表示、ネガモード表示共に、テ
キスト表示、画像表示のいかんに関わらず、通常の白黒
表示を行い特に注意の喚起を促したい部分に赤表示を行
った。その結果めりはりのある表示を実現でき、視認性
は極めて向上した。
【0067】(例3)例1とほぼ同様な構成であるが、
各部材の特性を以下のように構成した。液晶セルの屈折
率異方性Δn1 と液晶層の厚みd1 を調整し、液晶層の
Δn1 ・d1をほぼ、1.41μmとし、第一の位相差
板の位相差値Δn2 ・d2 を0.67μmとし、第二の
位相差板の位相差値Δn3 ・d3 を0.67μmとし
た。そして、θ1 =−240°、θ2 =85°、θ3
55°、θ4 =−35°、θ5 =85°に設定した。
【0068】発色条件等は例1と同様であるが、黒表示
の透過率を下げることで白黒間のコントラストが向上
し、さらに赤表示、緑表示を実現したため視認性は極め
て向上した。
【0069】(例4)例1とほぼ同様な構成であるが、
各部材の特性を以下のように構成した。液晶セルの屈折
率異方性Δn1 と液晶層の厚みd1 を調整し、液晶層の
Δn1 ・d1をほぼ、1.24μmとし、第一の位相差
板の位相差値Δn2 ・d2 を0.58μmとし、第二の
位相差板の位相差値Δn3 ・d3 を0.58μmとし
た。そして、θ1 =−240°、θ2 =−87°、θ3
=47°、θ4 =−43°、θ5=−87°に設定し
た。
【0070】発色条件等は例2と同様であるが、黒表示
の透過率を下げることで白黒間のコントラストが向上
し、さらに赤表示を実現したため視認性は極めて向上し
た。
【0071】
【発明の効果】本発明のカラー液晶表示素子はパーソナ
ルコンピュータ、ワードプロセッサ、魚群探知機、車載
用のインスツルメンツパネル、公衆電話の表示、公衆表
示装置、行き先案内表示、情報端末機、産業用の情報表
示機器(例えば、コピー機の操作パネル)における動作
状態表示(赤をコピー中、枚数を緑表示、線を青表示、
背景を白表示とする)または、動力機器の運転表示(背
景色を白、運転状態を緑、危険表示を赤とする)など、
各種の民生用のドットマトリックス表示装置(オーディ
オ機器、時計、ゲーム機器、アミューズメント、通信機
器、カーナビゲーション、カメラ、TV電話、電卓の表
示)などの表示機能を担う機能要素として使用できよう
になった。
【0072】特に、本発明のカラー液晶表示装置は低消
費電力で使用できることから、なかでも携帯用の電子機
器、例えば、携帯電話、電子手帳、電子ブック、電子辞
書、PDA(携帯情報端末)、ページャー(ポケットベ
ル)、携帯用パーソナルコンピュータなどに用いた場合
に、その高い視認性、表現力と合わせて高い機能性を発
揮できた。
【0073】また、低電圧側で黒を表示できるので、黒
を背景色として用いる表示形態に用いることが好適であ
った。
【0074】特に、請求項3の発明においては、光透過
率を0.3%以内、反射率を2.0%以内にすることが
でき、より黒の表示を強調できるようになった。そのた
め、見栄えのよい、さらに高品位の表示を提供できるよ
うになった。本発明はその効果を損しない範囲で種々の
応用ができる。例えば、視認性に優れるため、タッチパ
ネルや視認制御を行う液晶装置などにも好ましく採用で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示す模式図。
【図2】本発明の基本構成の断面図。
【図3】第一、第二の偏光板の吸収軸、第一、第二の位
相差板の位相差軸、および液晶セルの配向方向の角度関
係を示した平面図。
【図4】液晶層のΔn1 ・d1 と位相差板の(Δn2
2 、Δn3 ・d3 )総和値との相関関係を示すグラ
フ。
【図5】本発明の発色領域を示す色度図。
【図6】(a)は構成例Aの電圧変化に対する透過率変
化を示すグラフ、(b)は構成例Aの電圧変化に対する
色度変化を示す色度図。
【図7】(a)は構成例Bの電圧変化に対する透過率変
化を示すグラフ、(b)は構成例Bの電圧変化に対する
色度変化を示す色度図。
【図8】(a)は構成例Cの電圧変化に対する透過率変
化を示すグラフ、(b)は構成例Cの電圧変化に対する
色度変化を示す色度図。
【図9】(a)は構成例Dの電圧変化に対する透過率変
化を示すグラフ、(b)は構成例Dの電圧変化に対する
色度変化を示す色度図。
【図10】(a)は構成例Eの電圧変化に対する透過率
変化を示すグラフ、(b)は構成例Eの電圧変化に対す
る色度変化を示す色度図。
【図11】(a)は構成例Fの電圧変化に対する透過率
変化を示すグラフ、(b)は構成例Fの電圧変化に対す
る色度変化を示す色度図。
【図12】(a)は構成例Gの電圧変化に対する透過率
変化を示すグラフ、(b)は構成例Gの電圧変化に対す
る色度変化を示す色度図。
【図13】(a)は構成例Hの電圧変化に対する透過率
変化を示すグラフ、(b)は構成例Hの電圧変化に対す
る色度変化を示す色度図。
【符号の説明】
1:第一の偏光板 2:第一の位相差板 3:液晶セル 9:第二の位相差板 10:第二の偏光板 11:光源

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸収軸を有する2枚の偏光板と、2枚の位
    相差板と、液晶層と、光源および、液晶層に印加される
    駆動電圧を供給する駆動回路とが設けられ、両偏光板間
    に2枚の位相差板が配置され、2枚の位相差板間に液晶
    層が設けられ、光源は偏光板の外側に配置され、液晶層
    は、旋光性物質を含有した正の誘電異方性のネマティッ
    ク液晶を有し、液晶層の第1の面側の第1配向方向から
    第2の面側の第2の配向方向に対してねじれ角度θ1
    設けられ、液晶層の屈折率異方性Δn1 と液晶層の厚み
    1 との積Δn1 ・d1 が1.10〜2.00μmとさ
    れ、第1の位相差板のΔn2 ・d2 と第2の位相差板の
    Δn3 ・d3 の総和Sが1.0〜1.8μmとされ、Δ
    1 ・d1 −S≧0.01μmとされ、第1の位相差板
    は第1の偏光板と液晶層間に配置され、液晶層の第1の
    配向方向から第1の位相差板の遅相軸に対して角度θ2
    が設けられ、第1の位相差板の遅相軸から第1の偏光板
    の吸収軸とがなす角度θ3 が設けられ、第2の位相差板
    は液晶層と第2の偏光板間に配置され、第2の偏光板の
    吸収軸から第2の位相差板の遅相軸とがなす角度θ4
    設けられ、第2の位相差板の遅相軸から液晶層の第2の
    配向方向に対して角度θ5 が設けられ、角度θ1 、θ
    2 、θ3 、θ4 、およびθ5 は、時計回り方向(+)ま
    たは反時計回り方向(−)とされ、角度θ1 =−160
    〜−300°に設定され、2値以上の電圧値が選択され
    て液晶層に駆動電圧が印加され、電圧無印加時もしくは
    非選択波形印加時に光透過率が0.6%以内、もしくは
    反射率が4.0%以内であることを特徴とするカラー液
    晶表示装置。
  2. 【請求項2】数1(nは0または正の整数)を満足する
    ことを特徴とする請求項1記載のカラー液晶表示装置。 【数1】{30+180*n=<|θ2 |=<60+1
    80*n} {80+180*n=<|θ3 |=<90+180*
    n} {80+180*n=<|θ4 |=<90+180*
    n} {30+180*n=<|θ5 |=<60+180*
    n}
  3. 【請求項3】表1の構成例A〜Hのいずれか1つを満足
    することを特徴とする請求項1または2記載のカラー液
    晶表示装置。 【表1】
JP9111449A 1997-04-28 1997-04-28 カラー液晶表示装置 Pending JPH10301104A (ja)

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JP9111449A JPH10301104A (ja) 1997-04-28 1997-04-28 カラー液晶表示装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100394277C (zh) * 2003-04-15 2008-06-11 东芝松下显示技术有限公司 液晶显示器件
JP2017059027A (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 株式会社ユピテル 電子機器及びプログラム

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