JPH10300658A - 拡散係数と含有液分量の測定プログラムを記録した媒体及びこの媒体を内蔵した測定装置 - Google Patents

拡散係数と含有液分量の測定プログラムを記録した媒体及びこの媒体を内蔵した測定装置

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JPH10300658A
JPH10300658A JP11148297A JP11148297A JPH10300658A JP H10300658 A JPH10300658 A JP H10300658A JP 11148297 A JP11148297 A JP 11148297A JP 11148297 A JP11148297 A JP 11148297A JP H10300658 A JPH10300658 A JP H10300658A
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water
sample
diffusion coefficient
time
moisture
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JP11148297A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Hiramoto
裕行 平本
Susumu Kinoshita
晋 木下
Satoshi Makishima
聡 槙島
Hironori Sekiya
洋紀 関谷
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、容易にかつ短時間で含有液分量と
拡散係数を同時に測定することを目的とする。 【解決手段】 コンピュータに入力させた水分放出量と
時間の関係を式Y=A+B・exp (−C・t)(但し、
Yは水分量、tは時間、A,B,Cは求める係数)で近
似させ、その近似結果から試料の含有水分量又は拡散係
数の少なくとも何れかを計算するプログラムを記録した
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体試料に対する
水等の拡散係数と含有液分量の測定プログラムを記録し
た媒体及びこの媒体を内蔵した測定装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の固体試料の水分測定装置として
は、例えば図9に示すようなものがある。気化装置11
に水分計12が連通されている。気化装置11には、固
体試料13を加熱して水分を放出させるための加熱用ヒ
ータ14が内蔵されている。乾燥窒素ボンベ15から流
量計16を介して気化装置11に乾燥ガスを送り込み、
その乾燥ガスで放出された水分を水分計12に送り込ん
で放出水分量を測定するようになっている。固体試料1
3の含有水分量を測定するには、固体試料13に含有さ
れている水分を全部放出させることが必要である。しか
し、水分放出速度が非常に遅い固体試料では水分が全部
放出されるのには非常に長時間がかかる。また、固体試
料が厚くても同様に長時間がかかる。このように測定試
料によっては長時間がかかるという問題がある。また、
水分を含んだ固体試料の重量と乾燥後の重量の差から水
分の含有量を求めることができるが、前述のように固体
試料によっては長時間がかかる。固体試料に対する水の
拡散係数を測定するには材料の膜あるいは板を通過する
量から求めることができるが測定には長時間が必要であ
る。また、板に吸収される水分量の時間変化と飽和水分
量から拡散係数を求めることができるが飽和水分量のデ
ータが必要なため試料によっては長時間の測定が必要で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の含有水分量ある
いは拡散係数の測定装置では、水分放出速度が非常に遅
い固体試料や厚い固体試料等、固体試料によっては測定
に非常に長時間がかかる。また、含有水分量と拡散係数
の測定装置は全く別の装置であり、同時に測定すること
ができないので、両者を測定するためにはさらに長時間
がかかる。
【0004】本発明は、かかる問題点を解決するために
なされたもので、容易にかつ短時間で含有液分量と拡散
係数を同時に測定することができる拡散係数と含有液分
量の測定プログラムを記録した媒体及びこの媒体を内蔵
した測定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の拡散係数と含有液分量の測定プログ
ラムを記録した媒体は、試料から放出させた水分量の時
間変化を水分測定手段で測定し、該水分測定手段から水
分量信号をコンピュータに入力させ、この入力させた水
分放出量と時間の関係を式Y=A+B・exp (−C・
t)(但し、Yは水分量、tは時間、A,B,Cは求め
る係数)で近似させ、その近似結果から前記試料の含有
水分量又は拡散係数の少なくとも何れかを計算するプロ
グラムを記録してなることを要旨とする。この構成によ
り、試料からの水分放出量と時間の関係をグラフに表す
と、最初は水分が急激に放出され、時間の経過とともに
次第に指数的に放出される曲線となる。したがって、こ
の曲線において、残存水分量を対数で表すと、時間との
関係は略直線となり、式Y=A+B・exp (−C・t)
で近似できる。式中、Aは初期水分量を示す係数、Bは
初期水分量と最終水分量との差を示す係数、Cは直線の
傾きであり拡散係数によって定まる係数となる。測定し
た水分放出量と時間の関係を上記式に近似させることで
係数A,B,Cが求められる。この結果、係数A,Bか
ら含有水分量を計算し、係数Cと試料の形状、寸法から
拡散係数を計算することが可能となる。
【0006】請求項2記載の拡散係数と含有液分量の測
定プログラムを記録した媒体は、試料から水分を放出さ
せ、その試料の重量減少の時間変化を重量計測手段で測
定し、該重量計測手段から重量信号をコンピュータに入
力させ、この入力させた重量減少の時間変化を水分放出
量の時間変化に対応させ、該水分放出量と時間の関係を
式Y=A+B・exp (−C・t)(但し、Yは水分量、
tは時間、A,B,Cは求める係数)で近似させ、その
近似結果から前記試料の含有水分量又は拡散係数の少な
くとも何れかを計算するプログラムを記録してなること
を要旨とする。この構成により、水分測定手段に代えて
重量計測手段を使用し、試料から水分を放出させたとき
の重量減少の時間変化を測定することによっても、これ
を水分放出量の時間変化に対応させることが可能であ
る。水分放出量の時間変化が求められた後は、上記請求
項1記載の発明と同様の作用により、係数A,B,Cが
求められ、係数A,Bから含有水分量を計算し、係数C
と試料の形状、寸法から拡散係数を計算することが可能
となる。
【0007】請求項3記載の拡散係数と含有液分量の測
定プログラムを記録した媒体は、試料に水分を吸収さ
せ、その試料の重量増加の時間変化を重量計測手段で測
定し、該重量計測手段から重量信号をコンピュータに入
力させ、この入力させた重量増加の時間変化を水分吸収
量の時間変化に対応させ、該水分吸収量と時間の関係を
式Y=A+B・exp (−C・t)(但し、Yは水分量、
tは時間、A,B,Cは求める係数)で近似させ、その
近似結果から前記試料の含有水分量又は拡散係数の少な
くとも何れかを計算するプログラムを記録してなること
を要旨とする。この構成により、重量計測手段を使用し
て試料に水分を吸収させたときの重量増加の時間変化を
測定し、これを水分吸収量の時間変化に対応させる。こ
の後、水分吸収量と時間の関係を式Y=A+B・exp
(−C・t)に近似させることで、係数A,B,Cが求
められ、係数A,Bから含有水分量の飽和値を計算する
ことが可能となり、係数Cと試料の形状、寸法から拡散
係数を計算することが可能となる。
【0008】請求項4記載の拡散係数と含有液分量の測
定プログラムを記録した媒体は、上記請求項1,2又は
3記載の拡散係数と含有液分量の測定プログラムを記録
した媒体において、加熱手段あるいは冷却手段を制御し
て、測定時の前記試料の温度制御及び前記拡散係数の温
度特性を測定するようにしたプログラムを記録してなる
ことを要旨とする。この構成により、水分放出量を用い
て測定する際、測定時の試料温度を高くすることで、試
料からの水分放出を促進させることが可能となる。ま
た、測定時の試料温度を所定温度に制御することで、拡
散係数の温度特性を測定することが可能となる。
【0009】請求項5記載の拡散係数と含有液分量の測
定プログラムを記録した媒体は、上記請求項1,2又は
3記載の拡散係数と含有液分量の測定プログラムを記録
した媒体において、加湿手段あるいは除湿手段を制御し
て、測定時の前記試料雰囲気の湿度制御及び前記拡散係
数の湿度特性を測定するようにしたプログラムを記録し
てなることを要旨とする。この構成により、水分吸収に
よる試料の重量増加の時間変化等を用いて測定する際
は、試料雰囲気を一定湿度に保つことで、含有水分量及
び拡散係数を精度よく求めることが可能となる。また、
拡散係数の湿度特性を測定することが可能となる。
【0010】請求項6記載の拡散係数と含有液分量の測
定プログラムを記録した媒体は、上記請求項1,2,
3,4又は5記載の拡散係数と含有液分量の測定プログ
ラムを記録した媒体において、前記水に代えて、水以外
の液体について前記試料の含有液分量又は拡散係数の少
なくとも何れかを計算するプログラムを記録してなるこ
とを要旨とする。この構成により、水以外の揮発性等の
液体についても、水の場合と同様の計算実行で含有液分
量及び拡散係数を求めることが可能となる。
【0011】請求項7記載の拡散係数と含有液分量の測
定プログラムを記録した媒体を内蔵した測定装置は、上
記請求項1乃至6の何れかに記載のプログラムを記録し
た媒体を内蔵したことを要旨とする。この構成により、
ソフトウェアであるプログラムを記録した媒体をハード
ウェアである測定装置に内蔵させることで、含有液分量
及び拡散係数を直ちに求めることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0013】図1乃至図7は、第1の実施の形態を示す
図である。まず、図1を用いて、本実施の形態の媒体に
記録されたプログラムによる拡散係数と含有水分量の測
定手順を説明する。試料の寸法等の試料形状、測定温度
等の測定条件を入力する(ステップ101)。この測定
条件にしたがって測定装置の制御を行う(ステップ10
2)。ただし、この測定装置の制御はプログラムで実施
する必然性はなく、個別に行ってもよい。続いて測定装
置より、試料からの水分放出量、試料の重さ(後述する
第2の実施の形態の場合)、コンピュータ本体から時間
のデータ等、必要なデータを取得する(ステップ10
3)。これらのデータから水分放出量と時間の関係をY
=A+B・exp (−C・t)の式に近似する。式中、A
は初期水分量を示す係数、Bは初期水分量と最終水分量
との差を示す係数、Cは拡散係数によって定まる係数で
ある(ステップ104)。この近似結果、係数A,B,
Cを計算により求め、係数A,Bから含有水分量を計算
し、係数Cと試料の形状、寸法から拡散係数の計算を行
う(ステップ105)。次に水分放出量等のデータの変
化具合、計算結果等から測定を終了するか、続行するか
の判定を行う。測定を終了する判定を下すと(ステップ
106のYes)、含有水分量あるいは拡散係数を表示
する(ステップ107)。
【0014】図2は、上記プログラムを記録した媒体が
内蔵された測定装置の構成例を示している。1は密閉容
器からなる気化装置であり、試料を出し入れできる蓋が
付いており、固体試料3が入れられる。気化装置1には
温度制御のできる加熱手段としての加熱用ヒータ4が内
蔵されている。5はボンベであり、ボンベ5から乾燥し
た窒素あるいは不活性ガスがガス流量計6を介して気化
装置1に流し込まれる。固体試料3から放出された水分
はガスとともに水分測定手段である水分計2に入り、水
分量が測定される。水分計2は測定した水分量の値を直
ちにコンピュータ7に転送するようになっている。上記
の媒体は、このコンピュータ7に内蔵されている。
【0015】コンピュータ7は、転送された水分放出量
の値とともに時間データを記録していく。そして、この
水分放出量と時間の関係をY=A+B・exp (−C・
t)の式に近似していく。最初は初期の放出量の値も全
部含めたデータで計算し、およその最終値Aを計算す
る。それから水分の放出が60%以下のデータを除き再
度計算し、水分の放出が80%以上になった時点で測定
を終了して、含有水分量を計算する。試料形状が平板の
ときは厚さの値から、角棒のときは断面のそれぞれの長
さから拡散係数が求まる。時間の基準はどの時間を0に
しても係数Cの値は同じである。本実施の形態では、試
料の形状は平板と角棒であるが、直方体、円柱、球など
一般的な形状について同様な関係を求めると、これらの
形状の拡散係数を測定することができる。含有水分量を
求めるだけなら本実施の形態の方法そのままでよい。な
お、上記の例では、気化装置1に不活性ガスを流してい
るが、試料の酸化など酸素との反応がなければ、乾燥空
気でもよい。拡散係数を測定するだけなら湿度一定のガ
スでもよい。
【0016】次に、図3乃至図7のシミュレーション結
果を用いて、コンピュータ7で水分放出量の時間変化を
計算して含有水分量と拡散係数を計算する原理をさらに
詳しく説明する。固体試料として無限面積の平板につい
て水分放出量の時間変化のシミュレーションを行った。
拡散係数D0 =1×10-4cm、試料内の水分の分布は一
様であるとして、乾燥させたときの放出水分量の時間変
化を求めた。この結果を図3に示す。図3の○印を破線
aで結んだように最初は水分が急激に放出されるが次第
に指数的に放出される。この曲線において、残存水分量
を対数で表すと図4のように直線で表せる。この直線部
分は数式で表すと Y=A+B・exp (−C・t) …(1) となり、図4では実線bで示し、C=3.5458であ
る。ここでYは水分量、tは時間、A,B,Cは係数
で、Aは初期水分量、Bは初期水分量と最終水分量との
差、Cは拡散係数によって定まる係数である。縦軸の水
分量については初期の水分量を1として表した。これ
は、重量比2%の材料が10分の1の0.2%になる時
間と重量比0.2%の材料が0.02%になる時間は同
じであり、初期値の水分量に関係なく割合だけを考えれ
ばよいためである。
【0017】同様に、角棒についてもシミュレーション
を行った。断面の長方形の1辺の長さは1cmでもう1辺
の長さを0.5cm〜50cmまで変えて行い、無限長(厚
さ1cmの板と同じこと)について計算した。この場合も
全て図4のように直線で表され、傾き(係数C)が異な
るだけである。d1 cm×d2 cmの角棒(長さは無限大で
1 <d2 )について傾きを表す係数Cと拡散係数の関
係を求めると
【数1】 C0 =3.5458+0.04704×(d1 /d2 ) +3.51866×(d1 /d2 2 とすると
【数2】 C=(C0 /D0 )・(D/d1 2 ) …(2) となる。乾燥時間は拡散係数に反比例し、寸法の2乗に
比例する。例えば、1cm×1cmの大きさで求めた値の時
間を4倍すると2cm×2cmの大きさの乾燥時間に等しく
なる。したがって、求める拡散係数Dは D=D0 ・(C/C0 )・d2 …(3) となる。Dの単位はcm2 /sec である。したがって、拡
散係数の測定においては係数Cを測定値から計算すると
よい。この場合、初期のデータも含めて近似すると図4
のように直線から外れたデータも用いて計算するため、
誤差が大きくなる。このため、最終的に値を求めるとき
には初期の値を除去して計算する。そこで、データの有
効な範囲を求める。図5に図3、図4における試料内の
水分量の分布の時間変化を示す。図6には図5の中央の
水分量を1にして書き替えた図を示す。図5中の数字は
時間を分で示している。1から50分まで数字で示して
いるが、続いて55分から90分までのデータを示して
いる。図6も同じ時間の刻み方で5分まで示した。図6
に示すように時間がたつと(10分から15分)、試料
内の水分量の分布は相似になることがわかる。この相似
になる時間は図4の直線になる時間と同じである。図4
から相似になる時間はおよそ水分の放出が60%以上行
われた時間以降である。したがって、60%以上水分放
出がある時間以降のデータから係数Cを計算し拡散係数
を求めると精度よく拡散係数が求まる。測定を打ち切る
時間はおよそ80%の点位が適当である。80%の時点
で測定を打ち切ると99%になる時間の約1/3であ
る。したがって、80%の時間で測定が終了するため、
測定時間は従来の1/3でよい。実際の測定において
は、最初は初期の値も全部含めたデータで計算し、およ
その最終値Aから60%以下のデータを除き再度計算す
るとよい。以上、試料が平板のときの実際の拡散係数の
測定方法について述べたが角棒の場合も同様である。含
有水分量の測定の場合も拡散係数と同様に60%以上水
分が放出された時点以降の測定データから最終値を計算
して測定を打ち切っても試料の実際の含有水分量を正確
にかつ速く求めることができる。これは平板あるいは角
棒は勿論のこと不安定形な形状の場合でも含有水分量は
同様な方法で求めることができる。例えば、形状の異な
る試料が2個あると、放出水分量の式は1つの試料の係
数をA1 ,B1 、もう一方の試料はA2 ,B2 とすると
全体の式は
【数3】 A1 +B1 ・exp (−C・t)+A2 +B2 ・exp (−C・t) =(A1 +A2 )+(B1 +B2 )・exp (−C・t) …(4) となり、1つの形状のときと同じ式になるため、含有水
分量の計算が可能である。しかし、拡散係数の計算に必
要なd1 ,d2 が求まらないため、拡散係数は求めるこ
とができない。
【0018】立方体において向かい合う2面、4面及び
全面の6面から水分が放出したときの様子を比較した図
が図7である。2面(1次元拡散)での速度に対して4
面(2次元拡散)は2倍の速度に、6面(3次元拡散)
は3倍の速度になる。3次元形状の場合においても相似
な形状では、乾燥時間は拡散係数に反比例し、寸法の2
乗に比例することは同じである。したがって、代表的な
形状についてシミュレーションを行っておけば、相似な
形状の試料において拡散係数を求めることができる。前
記式(1)の近似方法は、例えば次のように最小二乗法
で行う。
【0019】
【数4】 S=Σ(Yi −A−B・exp (−C・t))2 …(5) が最小になるようにA,B,Cを決定する。SをA,
B,Cで偏微分してそれぞれ0とする。
【0020】 δS/δA=0 δS/δB=0 δS/δC=0 この連立方程式を解くことにより係数を求めることがで
きる。式をわかりやすくするため P=ΣYi Q=Σ exp(−C・ti ) R=Σ(exp (−C・ti ))2 S=ΣYi ・exp (−C・ti ) T=Σti ・exp (−C・ti ) U=Σti ・(exp (−C・ti ))2 V=Σti ・Yi ・exp (−C・ti ) とおくと
【数5】 (P・Q−S・N)・(Q・U−R・T)−(R・N−Q2 ) ・(S・T−Q・V)=0 …(6) となるようにCを求めるとよい。ここでNはデータ数で
ある。Cが求まるとA,Bは次のように求まる。
【0021】
【数6】 B=(S・N−P・Q)/(R・N−Q2 ) …(7) A=(B・Q+P)/N …(8) 以上の方法で近似できる。これをコンピュータで測定を
行いながら計算する。
【0022】図8には、第2の実施の形態を示す。本実
施の形態は、水分放出量の時間変化の測定に、水分計に
代えて、重量計測手段としてのはかり8を用いたもので
ある。固体試料3から水分を放出させ、その固体試料3
の重量減少の時間変化をはかり8で測定し、これをコン
ピュータ7内で水分放出量の時間変化に対応させる。そ
の後は、前記第1の実施の形態と同様にして含有水分量
と拡散係数を近似計算する。
【0023】以上、第1、第2の実施の形態では、水分
放出時の試料の含有水分量及び拡散係数の測定である
が、水分吸収時の含有水分量の飽和値と拡散係数の値も
測定することができる。この場合は、加湿手段あるいは
除湿手段により試料を一定の湿度に保ちながら試料の重
量変化を測定し、これを水分吸収量の時間変化に対応さ
せ、この水分吸収量の時間変化を前記式(1)に近似
し、近似結果から計算により含有水分量の飽和値と拡散
係数を同時に求めることができる。このとき、試料が乾
燥した物あるいは含有水分量がわかっている物であれ
ば、含有水分量の飽和値を求めることができるが、含有
水分量がわからない試料では含有水分量の飽和値はわか
らない。しかし、拡散係数は何れの場合も求めることが
できる。
【0024】上述した第1、第2の実施の形態は、温度
の高い状態でも拡散係数が求められるように、また、含
有水分量を温度を高くして速く求めるために加熱用ヒー
タ4を付けているが、勿論なくてもかまわないし、低温
での拡散係数を求めるために冷却手段として冷却器を取
り付けてもよい。これと同様に、加湿手段あるいは除湿
手段により試料雰囲気の湿度を制御して拡散係数等の湿
度特性を測定することもできる。また、上述の各実施の
形態では、水分について述べてきたが他の揮発性液体に
ついても、上述と同様な計算で含有液分量及び拡散係数
を求めることができる。揮発性でない液体について求め
るときは試料を液体に漬け、ある時間における重量を測
るため、試料を液体から取り出し液体を試料表面からぬ
ぐい取って重量を測定することが可能である。これを人
手で行ってもデータがコンピュータに自動的に取り込ま
れるようになっているとか、人手でデータ入力を行えれ
ばやはり短時間で液体の吸収量とか拡散係数を求めるこ
とができる。
【0025】上述した各実施の形態によれば、試料の含
有液分量と拡散係数を同時に、従来より約1/3の時間
で測定することができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の拡
散係数と含有液分量の測定プログラムを記録した媒体に
よれば、試料から放出させた水分量の時間変化を水分測
定手段で測定し、該水分測定手段から水分量信号をコン
ピュータに入力させ、この入力させた水分放出量と時間
の関係を式Y=A+B・exp (−C・t)(但し、Yは
水分量、tは時間、A,B,Cは求める係数)で近似さ
せ、その近似結果から前記試料の含有水分量又は拡散係
数の少なくとも何れかを計算するプログラムを記録した
ため、測定した水分放出量と時間の関係を上記式に近似
させることで最終水分量を予測できるので、試料から水
分が全部放出するまで測定しなくても、例えば水分放出
量が80%程度の時点で測定を打ち切っても、精度よく
含有水分量を求めることができて、従来の約1/3の時
間で含有水分量を測定することができる。また、試料の
形状、寸法を用いて、含有水分量と同時に拡散係数も測
定することができる。
【0027】請求項2記載の拡散係数と含有液分量の測
定プログラムを記録した媒体によれば、試料から水分を
放出させ、その試料の重量減少の時間変化を重量計測手
段で測定し、該重量計測手段から重量信号をコンピュー
タに入力させ、この入力させた重量減少の時間変化を水
分放出量の時間変化に対応させ、該水分放出量と時間の
関係を式Y=A+B・exp (−C・t)(但し、Yは水
分量、tは時間、A,B,Cは求める係数)で近似さ
せ、その近似結果から前記試料の含有水分量又は拡散係
数の少なくとも何れかを計算するプログラムを記録した
ため、試料から水分を放出させたときの重量減少の時間
変化を測定し、これを水分放出量の時間変化に対応させ
ることで、より容易に、短時間で含有水分量と拡散係数
を測定することができる。
【0028】請求項3記載の拡散係数と含有液分量の測
定プログラムを記録した媒体によれば、試料に水分を吸
収させ、その試料の重量増加の時間変化を重量計測手段
で測定し、該重量計測手段から重量信号をコンピュータ
に入力させ、この入力させた重量増加の時間変化を水分
吸収量の時間変化に対応させ、該水分吸収量と時間の関
係を式Y=A+B・exp (−C・t)(但し、Yは水分
量、tは時間、A,B,Cは求める係数)で近似させ、
その近似結果から前記試料の含有水分量又は拡散係数の
少なくとも何れかを計算するプログラムを記録したた
め、容易に、短時間で含有水分量の飽和値と拡散係数を
測定することができる。
【0029】請求項4記載の拡散係数と含有液分量の測
定プログラムを記録した媒体によれば、加熱手段あるい
は冷却手段を制御して、測定時の前記試料の温度制御及
び前記拡散係数の温度特性を測定するようにしたプログ
ラムを記録したため、水分放出量を用いて測定する際、
測定時の試料温度を高くすることで、試料からの水分放
出が促進されて、一層短時間で含有水分量と拡散係数を
測定することができる。また、拡散係数については温度
特性を測定することができる。
【0030】請求項5記載の拡散係数と含有液分量の測
定プログラムを記録した媒体によれば、加湿手段あるい
は除湿手段を制御して、測定時の前記試料雰囲気の湿度
制御及び前記拡散係数の湿度特性を測定するようにした
プログラムを記録したため、水分吸収による試料の重量
増加の時間変化を用いて測定する際は、試料雰囲気を一
定湿度に保つことで、含有水分量及び拡散係数を精度よ
く求めることができる。また、拡散係数については湿度
特性を測定することができる。
【0031】請求項6記載の拡散係数と含有液分量の測
定プログラムを記録した媒体によれば、前記水に代え
て、水以外の液体について前記試料の含有液分量又は拡
散係数の少なくとも何れかを計算するプログラムを記録
したため、水以外の揮発性等の液体についても、水の場
合と同様に、短時間で含有液分量と拡散係数を測定する
ことができる。
【0032】請求項7記載の拡散係数と含有液分量の測
定プログラムを記録した媒体を内蔵した測定装置によれ
ば、上記請求項1乃至6の何れかに記載のプログラムを
記録した媒体を内蔵したため、ソフトウェアであるプロ
グラムを記録した媒体をハードウェアである測定装置に
内蔵させることで、含有液分量と拡散係数を直ちに短時
間で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る拡散係数と含有液分量の測定プロ
グラムを記録した媒体の第1の実施の形態において媒体
に記録されたプログラムによる測定手順を説明するため
のフローチャートである。
【図2】上記第1の実施の形態の媒体を内蔵した測定装
置の構成例を示すブロック図である。
【図3】上記第1の実施の形態の媒体に記録されたプロ
グラムによる測定原理を説明するための放出水分量の時
間変化をシミュレーションした結果を示す特性図であ
る。
【図4】上記図3の特性において残存水分量を対数で表
した特性図である。
【図5】上記図3の特性において試料内の水分量の分布
の時間変化をシミュレーションした結果を示す特性図で
ある。
【図6】上記図5の特性における中央の水分量を1にし
て水分量比に書き替えた特性図である。
【図7】上記第1の実施の形態の媒体に記録されたプロ
グラムによる測定原理を説明するための立方体の向かい
合う2面、4面及び全面からの放出水分量の時間変化を
それぞれシミュレーションした結果を示す特性図であ
る。
【図8】本発明の第2の実施の形態における測定装置の
構成例を示すブロック図である。
【図9】従来の固体試料の水分測定装置のブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 気化装置 2 水分計(水分測定手段) 3 固体試料 4 加熱用ヒータ(加熱手段) 7 コンピュータ 8 はかり(重量計測手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関谷 洋紀 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料から放出させた水分量の時間変化を
    水分測定手段で測定し、該水分測定手段から水分量信号
    をコンピュータに入力させ、この入力させた水分放出量
    と時間の関係を式Y=A+B・exp (−C・t)(但
    し、Yは水分量、tは時間、A,B,Cは求める係数)
    で近似させ、その近似結果から前記試料の含有水分量又
    は拡散係数の少なくとも何れかを計算するプログラムを
    記録してなることを特徴とする拡散係数と含有液分量の
    測定プログラムを記録した媒体。
  2. 【請求項2】 試料から水分を放出させ、その試料の重
    量減少の時間変化を重量計測手段で測定し、該重量計測
    手段から重量信号をコンピュータに入力させ、この入力
    させた重量減少の時間変化を水分放出量の時間変化に対
    応させ、該水分放出量と時間の関係を式Y=A+B・ex
    p (−C・t)(但し、Yは水分量、tは時間、A,
    B,Cは求める係数)で近似させ、その近似結果から前
    記試料の含有水分量又は拡散係数の少なくとも何れかを
    計算するプログラムを記録してなることを特徴とする拡
    散係数と含有液分量の測定プログラムを記録した媒体。
  3. 【請求項3】 試料に水分を吸収させ、その試料の重量
    増加の時間変化を重量計測手段で測定し、該重量計測手
    段から重量信号をコンピュータに入力させ、この入力さ
    せた重量増加の時間変化を水分吸収量の時間変化に対応
    させ、該水分吸収量と時間の関係を式Y=A+B・exp
    (−C・t)(但し、Yは水分量、tは時間、A,B,
    Cは求める係数)で近似させ、その近似結果から前記試
    料の含有水分量又は拡散係数の少なくとも何れかを計算
    するプログラムを記録してなることを特徴とする拡散係
    数と含有液分量の測定プログラムを記録した媒体。
  4. 【請求項4】 加熱手段あるいは冷却手段を制御して、
    測定時の前記試料の温度制御及び前記拡散係数の温度特
    性を測定するようにしたプログラムを記録してなること
    を特徴とする請求項1,2又は3記載の拡散係数と含有
    液分量の測定プログラムを記録した媒体。
  5. 【請求項5】 加湿手段あるいは除湿手段を制御して、
    測定時の前記試料雰囲気の湿度制御及び前記拡散係数の
    湿度特性を測定するようにしたプログラムを記録してな
    ることを特徴とする請求項1,2又は3記載の拡散係数
    と含有液分量の測定プログラムを記録した媒体。
  6. 【請求項6】 前記水に代えて、水以外の液体について
    前記試料の含有液分量又は拡散係数の少なくとも何れか
    を計算するプログラムを記録してなることを特徴とする
    請求項1,2,3,4又は5記載の拡散係数と含有液分
    量の測定プログラムを記録した媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れかに記載のプログ
    ラムを記録した媒体を内蔵したことを特徴とする拡散係
    数と含有液分量の測定プログラムを記録した媒体を内蔵
    した測定装置。
JP11148297A 1997-04-28 1997-04-28 拡散係数と含有液分量の測定プログラムを記録した媒体及びこの媒体を内蔵した測定装置 Pending JPH10300658A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009145174A (ja) * 2007-12-13 2009-07-02 Nippon Steel Corp 水分量測定装置及び水分量測定方法
JP2009250819A (ja) * 2008-04-08 2009-10-29 Nippon Steel Corp 水分量測定装置及び水分量測定方法
RU2643174C1 (ru) * 2017-04-21 2018-01-31 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Тамбовский государственный технический университет" (ФГБОУ ВО "ТГТУ") Способ определения коэффициента диффузии растворителей в листовых капиллярно-пористых материалах
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RU2705651C1 (ru) * 2019-03-13 2019-11-11 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Тамбовский государственный технический университет" (ФГБОУ ВО "ТГТУ") Способ определения коэффициента диффузии в листовых ортотропных капиллярно-пористых материалах

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