JP2866929B2 - 円筒測定セル壁面加熱による物質の熱定数の測定法 - Google Patents

円筒測定セル壁面加熱による物質の熱定数の測定法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として流体物質
の熱定数(熱伝導率、熱拡散率、及びそれらの組み合わ
せで定義される物性値)を簡便に測定する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、流体物質の熱定数の測定法は、定
常法と非定常法に分類され、測定系のモデルとしては、
1次元モデル(平行平板法)、2次元モデル(円筒座標
系モデル)がある。この内、円筒座標系モデルでの非定
常法では、最も有効とされる非定常細線加熱法がある。
これは、円筒と見立てた細線中に発生させた熱エネルギ
ーを、細線に接した測定物質に伝導・拡散させて、細線
の温度上昇を測定するものである。しかしながら、この
方法では、測定開始の基準点(時刻t=0)の初期条件
を抵抗ブリッジの平衡点から求めねばならない。また、
この方法の測定方程式に、時間tに関する対数( ln α
t:αは細線の半径と測定物質の熱拡散率に依存す
る。)を含んでいるので、0≦αt≦1の範囲のデータ
が有効でないことが欠点である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題
は、従来から行われていなかった簡便な手順で、理論的
に正しい測定値が求められる熱定数の計測技術を確立す
ることにある。本発明の他の技術的課題は、電気伝導性
液体や多量に入手困難な生体試料等の熱定数を、簡便
に、効率よく測定する手段を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するた
めの本発明の熱定数の測定法は、熱定数が既知の円筒測
定セル内に測定物質を充填し、熱的な平衡状態にある状
態から円筒測定セルの外壁面を通じて内部の測定物質に
一様に熱エネルギーを投入して、熱平衡を破り、その直
後からの円筒測定セル表面の温度を、熱の伝導・拡散を
無次元化するパラメータであるフーリエ数の広い範囲で
有効な時間の関数として測定し、その温度を熱定数を回
帰係数として含む既知の温度に関する関数に回帰し、そ
の回帰係数から充填された測定物質の熱定数を測定する
ことを特徴とするものである。
【0005】このように、本発明の方法によれば、少量
の測定物質を細い円筒測定セル中に充填し、円筒測定セ
ルの外壁からの加熱により熱エネルギーを流入させ、そ
の壁の温度応答を測定するという、従来から行われてい
なかった簡便な手順により、以下に説明するように理論
的に正しい測定値を得ることができ、また、これにより
電気伝導性液体や多量に入手困難な生体試料等の熱定数
を、簡便に、効率よく測定することが可能になる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の測定法について詳細に説
明すると、まず、その測定原理は、測定物質を充填して
熱的な平衡状態にある円筒測定セルの外壁を通じて、あ
る時点(時刻t=0) から、非定常熱伝導により、その
円筒測定セル内に充填した測定物質に一様に熱エネルギ
ーQ(s) を投入して熱平衡を破り、そのときの円筒測定
セル壁面温度を時間の関数F(t) として測定し、その測
定結果に基づいて、以下に説明するような回帰係数か
ら、測定物質の熱拡散率、熱浸透率(熱伝導率と単位体
積あたりの熱容量の積の平方根)等を測定するものであ
る。
【0007】熱定数が既知の円筒測定セルとしては、例
えば、温度応答の測定時間を数秒位にすることが適当で
あり、そのためには、有効長さが100mm程度、内直
径が1.5mm〜3mm程度で、厚さが0.1mm〜
0.3mm程度の肉薄の石英ガラス細管を選択するのが
好適であり、これにより条件を十分に満足できると理論
的に予測できる。また、熱的な平衡状態にある状態から
この円筒測定セルの外壁面を通じて内部の測定物質に一
様に熱エネルギーを投入する方法として、例えばステッ
プ加熱の場合、電気的に発熱させるには、セル外表壁面
に温度測定素子を兼ねる薄膜抵抗体を密着させることで
実現でき、これを4端子抵抗または2個の2端子抵抗の
形で、ブリッジの辺抵抗として組み込めばよい。また、
フラッシュ加熱の方法を採用する場合には、光フラッシ
ュエネルギーの吸収の促進と放射温度計での測定を容易
にするため、円筒空洞中に設置した測定セル外表面に放
射率の大きい薄膜を形成するのが適切である。
【0008】更に具体的には、図1に示すように、円筒
測定セル内面側から測定物質側を覗いた測定物質の熱定
数をパラメータとして含む熱的インピーダンスZx(s)
[ラプラス変換の形式で表した温度T(s) と、同形式の
熱エネルギー関数Q(s) との比で、このインピーダンス
を定義する。即ち、Z(s) =T(s) /Q(s) である(s
は時間に関する微分を意味する演算子)。]に縦続接続
された形式になっている円筒測定セル自体の熱的性質を
表す四端子等価回路を通して求めることである。即ち、
充填された円筒測定セルの外側表面から内側を覗いた熱
的インピーダンスZin(s) は、次式で与えられる。
【0009】
【数1】 ここで、Za(s)は円筒測定セルの内側壁面から外側を見
た円筒測定セル壁の熱的影像インピーダンス、Zb(s)は
測定セルの外側壁面から内側を見た測定セル壁の熱的影
像インピーダンスであり、θ(s) は測定セルの壁面の厚
さに依存する熱的影像伝播定数である。
【0010】(1)式を展開し、測定に用いる熱的イン
ピーダンスZin(s) を求めると、
【数2】 と近似式で表せる。
【0011】Zx(s)は理論的に、次式で定義される。
【数3】 但し、qx =(s/κ)1/2 、κ=λ/C、Λ=qx λ
(κは測定物質の熱拡散率、λは測定物質の熱伝導率、
Cは測定物質の単位体積あたりの熱容量、aは測定セル
の内半径、I0,I1 は第一種のそれぞれ第0次と第1次
の変形ベッセル関数)である。
【0012】この熱的インピーダンスZx(s)は、対象と
する系における熱の伝導・拡散の問題を無次元化するパ
ラメータ(無次元化時間:即ちフーリエ数)κt/a2
が1より大であるか小であるかによって、近似展開式が
次のように異なる。
【0013】
【数4】
【0014】(4)及び(5)式において、フーリエ数
の広い範囲で有効な係数Ai ,Biを解析的に求めるこ
とが困難なので、(3)式の分母と分子をそれぞれ別に
計算して、(4)及び(5)式の形式に回帰分析を行
い、許容できる回帰の誤差の範囲で任意の次数まで求め
る。
【0015】(4)及び(5)式を(3)式に代入し
て、熱的インピーダンスZin(s) が求まる。温度応答式
は次式で与えられる。 T(s) =Zin(s) ・Q(s) (6)
【0016】この(6)式の逆ラプラス変換を行い、温
度応答式:F(t) を実時間tの関数として求める。投入
熱エネルギーQ(s) の与え方は任意の時間関数として選
択できる。即ち、その代表例として、 1)ステップ加熱、即ち、ある時間t=0より以降一定
値Q0 とする場合は、 Q(s) =Q0 /s となる。 2)フラッシュ加熱、即ち、ある時間t=0で十分短い
時間幅での加熱とする場合、 Q(s) =QT (QT はフラッシュの全熱エネルギー) となる。
【0017】実際の測定系では、(4)及び(5)式の
どちらが有効となるか、測定装置の寸法、測定時間の範
囲によって異なってくる。一般には、測定時間がフーリ
エ数の1の両側が有効となる測定が行われるので、時間
の関数である温度の応答式:F(t) に関して、(4)式
が有効となる応答式:F1(t)に適用範囲を限定する恣意
的な関数g(t) (即ち、0<t<a2 /κに対し、g
(t) =1;t>a2 /κに対し、g(t) =0;t=a2
/κに対し、g(t) =1/2)を乗じ、同様に、(5)
式が有効となる応答式F2(t)に適応範囲を限定する1−
g(t) を乗じ、それぞれの範囲で有効な二つの式を加え
て、 F(t) =F1(t)+F2(t) を測定方程式として用いる。
【0018】この方法の特長は、上述したように時間t
=0より以降のデータがすべて有効となることである。
この場合、温度応答の初期値がt=0で、F(0) =0で
あるので、測定技術的には、初期温度を測定データのな
かで特定しなくてもよく、上記の測定方程式F(t) に回
帰係数の一つとしてバイアスパラメータを加えておい
て、測定結果を回帰分析した結果から、そのバイアスパ
ラメータがt=0の値になるとして測定値から差し引く
だけで良い。
【0019】
【発明の効果】以上に詳述した本発明の熱定数の測定法
によれば、従来から行われていなかった簡便な手順で、
理論的に正しい測定値を求めることができ、また、電気
伝導性液体や多量に入手困難な生体試料等の熱定数を、
簡便に、効率よく測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱定数を測定する方法についての
説明図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱定数が既知の円筒測定セル内に測定物
    質を充填し、熱的な平衡状態にある状態から円筒測定セ
    ルの外壁面を通じて内部の測定物質に一様に熱エネルギ
    ーを投入して、熱平衡を破り、その直後からの円筒測定
    セル表面の温度を、熱の伝導・拡散を無次元化するパラ
    メータであるフーリエ数の広い範囲で有効な時間の関数
    として測定し、その温度を熱定数を回帰係数として含む
    既知の温度に関する関数に回帰し、その回帰係数から充
    填された測定物質の熱定数を測定することを特徴とする
    円筒測定セル壁面加熱による物質の熱定数の測定法。
JP30405196A 1996-10-30 1996-10-30 円筒測定セル壁面加熱による物質の熱定数の測定法 Expired - Lifetime JP2866929B2 (ja)

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