JPH10299565A - 車両用電子制御ユニットの自己診断装置 - Google Patents

車両用電子制御ユニットの自己診断装置

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JPH10299565A
JPH10299565A JP9117617A JP11761797A JPH10299565A JP H10299565 A JPH10299565 A JP H10299565A JP 9117617 A JP9117617 A JP 9117617A JP 11761797 A JP11761797 A JP 11761797A JP H10299565 A JPH10299565 A JP H10299565A
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JP
Japan
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data
data group
vehicle
determined
fail
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Application number
JP9117617A
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English (en)
Inventor
Akihiko Yamashita
明彦 山下
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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  • Control Of Transmission Device (AREA)
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ROM等に記憶したデータの状態を複数のデ
ータ群毎に監視し、異常判定時には、異常なデータ群の
使用を停止して適切な対策を行うようにする。 【解決手段】 中央演算処理装置2は、ABS演算部1
1と、ROMチェック処理部12とを有し、ROMチェ
ック処理部12は、ROM10内のエリア10A〜10
D毎にデータの状態を監視する各状態監視部12Aを有
する。そして、エリア10A,10B,10Dのデータ
を異常と判定したときには、フェールセーフ処理部13
によりフェールセーフ処理を行い、フェールセーフ処理
部13を記憶した第3エリア10Cのデータを異常と判
定したときには、ウォッチドッグ回路14によりCPU
2をリセットする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車等の
車両に好適に用いられる車両用電子制御ユニットの自己
診断装置に関し、特に、ROM等の内部に予め記憶した
データが正常な状態であるか否かを自己診断するように
した車両用電子制御ユニットの自己診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等の車両には、例えばエ
ンジン、変速装置、ブレーキ装置等を自動制御するため
に車両用電子制御ユニットが設けられている。そして、
この種の従来技術による車両用電子制御ユニットは、例
えば特開平7−42609号公報等によりエンジン制御
用の電子制御ユニットが知られている。
【0003】ここで、この電子制御ユニットは、エンジ
ン制御用の演算処理のプログラム等をデータとして予め
記憶したROM等の記憶手段と、中央演算処理装置(C
PU)等からなる演算手段とを有し、エンジンの吸入空
気量、エンジン回転数等を外部から読込むことにより、
前記プログラムに基づいて演算処理を行い、エンジンの
燃料噴射量、点火時期等を適切に制御するものである。
【0004】また、電子制御ユニットは、例えば制御系
統の異常を検出すると、この異常に対応してフェールセ
ーフ処理を行うことにより、制御系統を安全な状態に保
持する機能を備えている。このため、ROM内に記憶さ
れた各データには、エンジン制御用の演算処理に関連し
たデータだけでなく、フェールセーフ処理に用いるデー
タが含まれている。
【0005】しかし、これらのデータの値は、例えばR
OMに帯電する静電気等によって破壊されたり、改造等
によって故意に書換えられたりする場合があり、エンジ
ンの制御中に本来の設計仕様とは異なるデータの値が読
出される虞れがあるため、従来技術では、エンジン制御
用の演算の空き時間を利用してROM内部のデータが正
常な状態であるか否かを監視するROMチェック処理を
行い、制御ユニットとしての信頼性を向上させるように
している。
【0006】そして、このROMチェック処理では、R
OM内のデータを先頭アドレスから最終アドレスまで順
次加算し、この加算値を用いてデータが正常である否か
を判定することにより、異常と判定した場合には、エン
ジンの制御を通常の演算からフェールセーフ処理へと切
換える。また、この加算処理を行うときには、ROM内
のデータを所定のバイト数毎のブロックに分割し、エン
ジン制御用の演算の空き時間を利用して各ブロック毎に
加算処理を進めるようにしている。
【0007】さらに、従来技術では、ROMチェック処
理によりエンジン制御用の演算が悪影響を受けるのを避
けるため、例えばエンジン回転数が4000rpm以上
となってエンジン制御用の演算を頻繁に行う必要が生じ
たときには、ROMチェック処理を禁止する構成となっ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、エンジン回転数が4000rpm以上とな
ったときにROMチェック処理を禁止するため、エンジ
ンの高回転時にはROMチェック処理を行うことができ
ず、制御ユニットとしての信頼性が低下するという問題
がある。
【0009】また、前記加算処理は、エンジン制御用の
演算の空き時間を利用して各ブロック毎に行われるた
め、ROM内に記憶した全てのデータを先頭アドレスか
ら最終アドレスまで加算するためにはある程度の時間が
必要となり、この加算処理が終るまではデータに対する
判定を行うことができないという問題がある。
【0010】さらに、ROMチェック処理では、データ
が全体として正常であるか否かを判定しているため、例
えばフェールセーフ処理に用いるデータが正常でない場
合には、この正常でないデータを用いてフェールセーフ
処理を行うことになり、本来のフェールセーフ処理を行
うことができないという問題がある。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は、例えばデータ全体に対する加
算処理が終了する前でも、複数のデータ群毎にデータが
正常であるか否かを判定でき、この判定を演算手段の演
算に悪影響を与えることなく常に安定して実行できると
共に、仮りにフェールセーフ処理用のデータが正常でな
い場合でも、適切な対応処理を行うことができ、信頼性
を確実に向上させることができるようにした車両用電子
制御ユニットの自己診断装置を提供することを目的とし
ている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1の発明は、車両の運転制御に必要な多数
のデータを記憶するときに該各データを予め複数のデー
タ群に分割して記憶する分割記憶手段と、車両の運転状
態に対応した入力信号を外部から読込むことにより、該
分割記憶手段に記憶した各データを用いて車両の運転に
必要な演算を行う演算手段と、該演算手段による演算の
空き時間を利用して前記分割記憶手段による各データ群
毎のデータが正常な状態であるか否かを監視する状態監
視手段と、該状態監視手段によりいずれかのデータ群に
異常があると判定したときに、異常のあるデータ群の使
用を停止する使用停止手段とからなる構成を採用してい
る。
【0013】これにより、分割記憶手段は、車両の運転
制御に必要なデータを複数のデータ群に分類して記憶で
き、状態監視手段では、これらの各データ群毎にデータ
が正常な状態であるか否かを判定できる。そして、使用
停止手段では、状態監視手段によりいずれかのデータ群
に異常があると判定したときに、異常のあるデータ群の
使用を停止できる。
【0014】また、請求項2の発明では、前記状態監視
手段は、前記分割記憶手段による各データ群毎のデータ
を予め定められた順番に従って検索し、この検索時間が
前記演算手段の空き時間を越えるときには、複数回の空
き時間に亘って前記データを順次検索する構成としてい
る。
【0015】これにより、状態監視手段では、各データ
群の先頭アドレスから最終アドレスまで所定の順番に従
ってデータを検索し、この検索結果を用いてそのデータ
群が正常であるか否かを判定できる。そして、この検索
時間が演算手段の空き時間を越えるときには、検索を中
断して演算手段による演算を実行した後に、検索を中断
したアドレス番号の位置から次なる検索を再開でき、各
データ群のデータに対して先頭アドレスから最終アドレ
スまで行うべき一連の検索を複数回の空き時間に分割し
て行うことができる。
【0016】さらに、請求項3の発明では、前記状態監
視手段は、前記各データ群毎のデータを順次検索するこ
とにより加算し、一のデータ群についての加算値が予め
定められた判定値と一致するか否かによって当該データ
群が正常である否かを判定する構成としている。
【0017】これにより、状態監視手段では、1個のデ
ータ群に対してそのデータ群の先頭アドレスから最終ア
ドレスに亘るデータの加算値(総和)を算出できる。ま
た、この加算値を電子制御ユニットの製作時等に予め算
出し、判定値としてデータと共に分割記憶手段に記憶さ
せておくことにより、状態監視手段では、検索時に算出
した加算値と分割記憶手段から読出した判定値とを比較
できる。そして、これらが互いに異なる場合には、その
データ群のデータのうち少なくとも一部が電子制御ユニ
ットの製作時等に記憶させた値から変化したと判断でき
るので、このデータ群が正常でないと判定できる。
【0018】また、請求項4の発明では、前記状態監視
手段は、前記各データ群毎のデータを順次検索すること
により排他的論理和を算出し、一のデータ群についての
算出値が予め定められた判定値と一致するか否かによっ
て当該データ群が正常であるか否かを判定する構成とし
ている。
【0019】これにより、状態監視手段では、1個のデ
ータ群に対してそのデータ群の先頭アドレスから最終ア
ドレスに亘るデータの排他的論理和を算出でき、この算
出値と電子制御ユニットの製作時等に予め分割記憶手段
に記憶させた判定値とを比較できる。そして、これらが
互いに異なる場合には、そのデータ群が正常でないと判
定できる。
【0020】さらに、請求項5の発明では、前記使用停
止手段は、前記分割記憶手段内のデータ群に記憶したフ
ェールセーフ用データを用いて前記演算手段の演算を停
止させる構成としている。
【0021】これにより、分割記憶手段では、例えば演
算手段に関連した演算用データと、フェールセーフ用デ
ータとをそれぞれ異なるデータ群に分割して記憶でき
る。そして、状態監視手段により演算用データのデータ
群を異常と判定したときには、使用停止手段によりフェ
ールセーフ用データを用いて演算手段の演算を停止させ
ることができる。
【0022】また、請求項6の発明では、前記使用停止
手段は、前記演算手段とは別個に設けたフェールセーフ
手段により構成し、該フェールセーフ手段を用いて前記
演算手段の演算を停止させる構成としている。
【0023】これにより、例えば分割記憶手段に記憶し
たフェールセーフ用のデータ群が状態監視手段により異
常と判定された場合でも、演算手段とは別個に設けたフ
ェールセーフ手段により該演算手段の演算を停止させる
ことができる。
【0024】一方、請求項7の発明は、車両の運転制御
に用いる定数に関連した第1のデータ群と、車両の運転
制御に関連した前記定数以外の第2のデータ群と、前記
第1,第2のデータ群のいずれかが異常であるときに、
フェールセーフ処理を行うためのデータからなる第3の
データ群とからなる分割記憶手段と、車両の運転状態に
対応した入力信号を外部から読込むことにより、該分割
記憶手段の第1のデータ群と第2のデータ群とに記憶し
た各データを用いて車両の運転制御に必要な演算を行う
演算手段と、該演算手段による演算の空き時間を利用し
て前記分割記憶手段による第1ないし第3のデータ群毎
のデータが正常な状態であるか否かを監視する状態監視
手段と、前記状態監視手段により前記第1,第2のデー
タ群のいずれかに異常があると判定したときに、前記第
3のデータ群のデータを用いて前記演算手段の演算を停
止させる第1の使用停止手段と、前記演算手段とは別個
に設けたフェールセーフ手段によって構成され、前記状
態監視手段により前記第3のデータ群に異常があると判
定したときに、前記演算手段の演算を停止させる第2の
使用停止手段とからなる構成を採用している。
【0025】これにより、分割記憶手段は、車両の運転
制御に関連した第1,第2のデータ群と、該第1,第2
のデータ群の異常時にフェールセーフ処理を行うための
第3のデータ群とを構成できる。そして、状態監視手段
では、これらの各データ群毎にデータが正常であるか否
かを判定し、第1,第2のデータ群のいずれかを異常と
判定したときには、第1の使用停止手段により第3のデ
ータ群を用いてフェールセーフ処理を行い、例えば運転
制御用に設けたアクチュエータ等を演算手段の演算と共
に停止させることができる。また、状態監視手段により
第3のデータ群を異常と判定したときには、第2の使用
停止手段となるフェールセーフ手段により、前記アクチ
ュエータ等を演算手段の演算と共に停止させることがで
きる。
【0026】一方、請求項8の発明は、車両の制動時に
車輪がロック傾向となるのを回避するロック回避制御を
行うため、このロック回避制御に必要な多数のデータを
予め複数のデータ群に分割して記憶する分割記憶手段
と、少なくとも車輪速信号とブレーキ操作信号とを入力
信号として外部から読込むことにより、該分割記憶手段
に記憶した各データを用いて前記ロック回避制御用の演
算を行う演算手段と、該演算手段による演算の空き時間
を利用して前記分割記憶手段による各データ群毎のデー
タが正常な状態であるか否かを監視する状態監視手段
と、該状態監視手段によりいずれかのデータ群に異常が
あると判定したときに、異常のあるデータ群の使用を停
止する使用停止手段とからなる構成を採用している。
【0027】これにより、分割記憶手段には、ロック回
避制御用のデータを複数のデータ群に分類して記憶させ
ることができ、状態監視手段では、これらの各データ群
毎にデータが正常な状態であるか否かを判定できる。そ
して、使用停止手段では、状態監視手段によりいずれか
のデータ群に異常があると判定したときに、異常のある
データ群の使用を停止させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0029】ここで、図1ないし図14は本発明による
第1の実施例を示し、本実施例では、自動車等の制動時
に車輪がロック状態となるのを回避するロック回避制御
を行うためのアンチロックブレーキシステム(以下、A
BSという)制御用の電子制御ユニットを例に挙げて述
べる。
【0030】1はABS制御用の電子制御ユニットを示
し、該電子制御ユニット1は、演算処理を行う中央演算
処理装置2(以下、CPU2という)と、該CPU2の
演算処理用のデータ等を記憶する記憶回路3と、CPU
2の演算タイミング等を計時するためのタイマ4等とを
備えている。
【0031】また、記憶回路3内には、後述のROM1
0と共にRAMが設けられ、このRAM内には、後述の
ROMチェック処理で用いるアドレスi、エリア番号
A、加算値S、リセットフラグFR 等が更新可能に記憶
されると共に、後述のデータ群D1 〜D4 に対応してフ
ラグF1 〜F4 、カウンタC1 〜C4 等が更新可能に記
憶されている。
【0032】そして、電子制御ユニット1は、車両のイ
グニッション・スイッチ5を介して電源投入を行うこと
により、バッテリ6から電源レギュレータ7を介して給
電され、この状態で電子制御ユニット1は、後述の車輪
速センサ15,16,17から出力される車輪速信号
と、ブレーキスイッチ18から出力されるブレーキ操作
信号とを入力制御回路8を介して読込むことにより、出
力制御回路9を介して後述のABS駆動ユニット19を
駆動制御し、これによりブレーキ液圧を可変に制御する
ABS制御を行うものである。
【0033】10は記憶回路3に設けられた分割記憶手
段としてのROMで、該ROM10の内部には、図2お
よび図3に示す如く、ABS制御に必要な多数のデータ
D(i) が予め記憶されている。そして、これらのデータ
D(i) は、ROM10内に記憶させるときにそのアドレ
スi(i=0,1,2,…N)を用いて、例えば図3に
示す如く4個のデータ群に分割されている。
【0034】ここで、これらのデータ群は、第1エリア
10Aに記憶されたデータD(0) 〜D(I-1) からなる第
1のデータ群D1 と、第2エリア10Bに記憶されたデ
ータD(I) 〜D(J-1) からなる第2のデータ群D2 と、
第3エリア10Cに記憶されたデータD(J) 〜D(K-1)
からなる第3のデータ群D3 と、第4エリア10Dに記
憶されたデータD(K) 〜D(N) からなる第4のデータ群
D4 とによって構成され、第1のデータ群D1 には、後
述のABS演算部11に用いる定数と共に、CPU2の
初期設定用の定数に関連したデータ等が含まれている。
【0035】また、第2のデータ群D2 には、図4ない
し図8、図10ないし図14に示すABS演算部11の
プログラム等がデータとして記憶されると共に、第3の
データ群D3 には、後述の図9に示すフェールセーフ処
理部13のプログラムが記憶されている。さらに、第4
のデータ群D4 には、その他の付加的な処理機能のプロ
グラム等が記憶され、この付加的な処理機能には、例え
ば電子制御ユニット1の点検修理等を行うときに、メン
テナンス用の機器等とデータ通信を行うための通信機能
等が含まれている。
【0036】一方、ROM10内には、エリア10B〜
10Dの先頭アドレスI,J,Kと、第4エリア10D
の最終アドレスNとが予め記憶されると共に、データ群
D1〜D4 毎に予め算出したデータの加算値(総和)が
後述の判定値S1 ,S2 ,S3 ,S4 として記憶され、
例えばデータ群D1 の判定値S1 は、データD(0) 〜D
(I-1) の加算値と等しくなっている。
【0037】11はABS制御用の演算を行う演算手段
としてのABS演算部で、該ABS演算部11は、図2
に示す如く、車輪速信号とブレーキ操作信号とを外部か
ら読込むことにより、データ群D1 ,D2 のデータ内容
に基づいてABS制御用の演算を行い、ABS駆動ユニ
ット19に駆動信号を出力するものである。
【0038】12はROM10内のデータをチェックす
るROMチェック処理部で、該ROMチェック処理部1
2は、データ群D1 〜D4 に対応する4個の状態監視部
12A,12A,…からなり、該各状態監視部12A
は、データ群D1 〜D4 毎のデータが正常な状態である
か否かをそれぞれ監視(判定)する状態監視手段を構成
している。
【0039】13は第1の使用停止手段としてのフェー
ルセーフ処理部で、該フェールセーフ処理部13は、図
2および図9に示す如く、ROMチェック処理部12の
各状態監視部12Aによりデータ群D1 ,D2 ,D4 の
いずれかが異常であると判定したときに、ABS演算部
11(データ群D1 ,D2 )による演算を停止して後述
のフェールセーフ処理を行い、ABS制御を停止させる
ためにABS駆動ユニット19の作動状態を切換える。
【0040】また、このときフェールセーフ処理部13
は、前記車輪速演算処理、疑似車体速度演算処理、AB
S制御演算処理等により演算された各演算データ等をメ
ンテナンス用の分析データとして電子制御ユニット1の
内部に記憶する。
【0041】14は電子制御ユニット1に設けられた第
2の使用停止手段としてのウォッチドッグ回路で、該ウ
ォッチドッグ回路14は、図1および図2に示す如く、
CPU2に対するフェールセーフ手段としてこれとは別
個に設けられ、該CPU2に接続されている。
【0042】そして、ウォッチドッグ回路14は、電子
制御ユニット1の作動中にCPU2から出力されるプロ
グラム・ラン信号の出力状態を監視し、この信号により
CPU2の作動状態が正常でないと判定したときには、
CPU2にリセット信号を出力してその作動状態をリセ
ットし、CPU2による演算を電源投入時の演算へと強
制的に戻すものである。
【0043】また、CPU2は、ROMチェック処理部
12によりフェールセーフ処理部13用のデータ群D3
が異常であると判定したときに、ウォッチドッグ回路1
4を介して自らの作動状態をリセットし、ABS駆動ユ
ニット19の作動を初期状態に切換える。これにより、
フェールセーフ処理部13(データ群D3 )によるフェ
ールセーフ処理を行うことなくABS制御を停止させ
る。
【0044】15,16,17は左前輪、右前輪および
後輪側に設けられた車輪速センサで、該車輪速センサ1
5,16,17は、車輪の回転に応じて発生するパルス
状の車輪速信号を電子制御ユニット1に出力するもので
ある。
【0045】18はブレーキ操作を検出するためのブレ
ーキスイッチで、該ブレーキスイッチ18は、運転者の
ブレーキ操作を検出してブレーキ操作信号を電子制御ユ
ニット1に出力するものである。
【0046】19は電子制御ユニット1により駆動制御
されるABS駆動ユニット19で、該ABS駆動ユニッ
ト19は、図1に示す如く、後述のアクチュエータリレ
ー20、ソレノイド21および液圧ポンプリレー22等
からなり、ABS制御時にブレーキ液圧系統(図示せ
ず)を切換制御するものである。
【0047】ここで、このブレーキ液圧系統は、ブレー
キ液の供給源となるマスタシリンダと、このマスタシリ
ンダにブレーキ配管等を介して接続され、マスタシリン
ダから供給されるブレーキ液圧により車輪に制動力を付
与する車輪側のホイールシリンダと、ABS制御時にホ
イールシリンダに対してブレーキ液を供給するためのブ
レーキ液圧源と、ABS制御時にホイールシリンダ側の
ブレーキ液を排出するためのリザーバ(いずれも図示せ
ず)とを備えている。
【0048】20は前記ブレーキ液圧源からのブレーキ
液圧をホイールシリンダに供給するためのアクチュエー
タリレーで、該アクチュエータリレー20はABS制御
中に必要に応じて駆動(ON)される。そして、アクチ
ュエータリレー20の駆動時には、前記ブレーキ液圧源
がマスタシリンダに代わってホイールシリンダ側に接続
され、このブレーキ液圧源からのブレーキ液圧がホイー
ルシリンダ側に供給される。
【0049】21は前記ホイールシリンダ側のブレーキ
液圧を制御するためのソレノイドで、該ソレノイド21
は、ABS制御用の電磁弁(図示せず)等を切換制御す
ることにより、ABS制御中にホイールシリンダ側のブ
レーキ液圧をリザーバ内に排出してこれを減圧させた
り、このブレーキ液圧を保持または増圧させるためにホ
イールシリンダをリザーバ側から遮断したりする。
【0050】22は前記リザーバ内に排出されるブレー
キ液をマスタシリンダ側に還流させるための液圧ポンプ
リレーで、該液圧ポンプリレー22は、ABS制御中に
ブレーキ液還流用の液圧ポンプ(図示せず)等を必要に
応じて駆動することにより、前記リザーバ内のブレーキ
液をマスタシリンダ側に還流させ、マスタシリンダ内の
ブレーキ液量を常に十分な状態に保持するためのもので
ある。
【0051】そして、電子制御ユニット1は、ABS制
御の停止時にアクチュエータリレー20、ソレノイド2
1および液圧ポンプリレー22を停止(OFF)し、こ
れにより前記ホイールシリンダは、ABS制御用の前記
ブレーキ液圧源とリザーバとに対して遮断されると共
に、マスタシリンダ側に接続された状態となる。
【0052】23はABS制御系統用の警報ランプで、
該警報ランプ23は、車輪速センサ15〜17、ブレー
キスイッチ18、ABS駆動ユニット19、電子制御ユ
ニット1等が正常でない場合に点灯し、運転者等に異常
を知らせるものである。
【0053】本実施例による電子制御ユニット1の自己
診断装置は上述の如き構成を有するもので、次に図4な
いし図14を参照しつつその演算制御について説明す
る。
【0054】まず、図4に示す演算では、電子制御ユニ
ット1に電源が投入されると、ステップ1でCPU2の
初期設定を行い、ステップ2では前記RAM等を零にク
リアして初期化する。また、このときABS駆動ユニッ
ト19のアクチュエータリレー20、ソレノイド21お
よび液圧ポンプリレー22に対する駆動信号は、OFF
状態(ABS制御の停止状態)に初期設定される。
【0055】次に、ステップ3では、後述のROMチェ
ック処理(図5〜図8参照)とほぼ同様の処理を行い、
ABS制御用の演算を開始する前にROM10内の各デ
ータが正常であるか否かをチェックしておく。
【0056】次に、ステップ4では、後述のタイマ割込
処理により1ms毎に「1」ずつ歩進されるソフトタイ
マtの値が10ms以上となったか否かを判定し、「N
O」と判定したときには、10msが経過するまでその
まま待機する。また、ステップ4で「YES」と判定し
たときには、ステップ5〜ステップ16を行った後にス
テップ4に戻る。
【0057】即ち、ステップ4〜16は、少なくともイ
グニッション・スイッチ5がOFFとなるまで約10m
s程度の周期で繰返され、これらはCPU2が行うバッ
クグラウンド・ジョブ(以下、BGJという)となる。
【0058】そして、BGJ中には、タイマ割込処理
(図11参照)がタイマ4をトリガとして1ms毎に行
われると共に、後述の図12ないし図14に示す外部割
込処理(1)〜(3)が車輪速センサ15〜17から入
力される車輪速信号をトリガとして実行され、これらの
割込処理中にはBGJが一時的に中断される。
【0059】次に、ステップ5では、ソフトタイマtに
より次回のBGJの開始タイミングを計時するため、こ
れを零にクリアする。そして、ステップ6では、CPU
2の作動状態をウォッチドッグ回路14により監視する
ため、後述のプログラム・ラン信号処理(図10参照)
を行い、ウォッチドッグ回路14に対してCPU2の作
動状態を表すプログラム・ラン信号を出力する。
【0060】次に、ステップ7では、ROMチェック処
理でデータ群D1 ,D2 の異常判定回数を数えるカウン
タC1 ,C2 の値が共に零であるか否かを判定する。そ
して、「YES」と判定した場合には、データ群D1 ,
D2 が共に正常であるから、該データ群D1 ,D2 のデ
ータを用いてABS制御用の演算を正常に行うことがで
きると判断してステップ8に移る。
【0061】また、ステップ7で「NO」と判定した場
合には、少なくとも前回のROMチェック処理でデータ
群D1 ,D2 のいずれかを正常でないと判定した場合で
あるから、ABS制御用の演算が正常に行われない虞れ
があると判断し、ステップ8〜14に示すABS制御用
の演算を行わず、ROMチェック処理を行うためにステ
ップ15へと移る。この場合、ABS制御用の演算によ
る演算値等は前回の値に保持される。
【0062】次に、ステップ8では、例えば車輪速セン
サ15〜17、ブレーキスイッチ18、ABS駆動ユニ
ット19等が正常に作動しているか否かを診断する入出
力診断処理を行う。そして、ステップ8では、これらの
いずれかを正常でないと診断した場合に、後述のフェー
ルセーフ処理(図9参照)とほぼ同様の処理を行い、A
BS制御を停止する。
【0063】そして、ステップ9では、ソフトタイマt
の値が2ms以上となるまで待機し、ステップ10で行
う車輪速演算処理がBGJを開始してから約2ms後に
始まるようにその開始タイミングを調整する。
【0064】次に、ステップ10では、後述のステップ
12,14と共にABS演算部11に対応する車輪速演
算処理を行い、外部割込処理(1)〜(3)によりそれ
ぞれ計測された左前輪、右前輪および後輪側の車輪速信
号を用いて、これらの車輪の車輪速をそれぞれ演算す
る。続いて、ステップ11では、ステップ12で行う疑
似車体速演算の開始タイミングを調整するためにソフト
タイマtの値が4ms以上となるまで待機する。
【0065】続いて、ステップ12では、ステップ10
で求めた各車輪速を用いて車体速を算出する。そして、
ステップ13では、ステップ14で行うABS制御演算
処理の開始タイミングを調整するためにソフトタイマt
の値が6ms以上となるまで待機する。
【0066】次に、ステップ14では、ステップ10,
12で求めた各車輪速、車体速等を用いて各車輪のスリ
ップ率を算出し、これらの算出値と、ブレーキスイッチ
18からのブレーキ操作信号等とからABS駆動ユニッ
ト19のアクチュエータリレー20、ソレノイド21お
よび液圧ポンプリレー22に対する駆動信号をそれぞれ
演算する。そして、これらの駆動信号は、タイマ割込処
理中で行うポート出力処理により1ms毎にABS駆動
ユニット19へと出力され、これによりABS制御が行
われる。
【0067】次に、ステップ15では、ソフトタイマt
の値が8ms以上となるまで待機する。続いて、ステッ
プ16では、ROMチェック処理部12に対応するRO
Mチェック処理を、ステップ10〜14等で行うABS
制御用の演算の空き時間(ソフトタイマtの値が10m
s>t≧8msである時間)を利用して行う。そして、
その後にはステップ4に戻ってBGJを繰返す。
【0068】次に、図5ないし図8に示すROMチェッ
ク処理について述べると、このROMチェック処理で
は、データ群D1 〜D4 毎のデータが正常な状態にある
か否かの判定(以下、データ判定という)を、それぞれ
のデータ群を記憶させたROM10内のエリア10A〜
10Dに対して行う。
【0069】そして、まずステップ21〜28では、エ
リア10A〜10Dのうち今回のROMチェック処理に
よってデータ判定を行うべきエリアを判別する。この場
合、ステップ21では、前回のROMチェック処理によ
り第4エリア10Dに対するデータの判定が終了してい
るか否かを判定し、「YES」と判定した場合には、エ
リア10A〜10Dに対して順次行うデータ判定が前回
のROMチェック処理により全て終了していると判断で
きるから、ステップ22に移ってエリア10A〜10D
のデータ判定中にそれぞれセットされるフラグF1 〜F
4 を全て零にクリアした後に、第1エリア10Aのデー
タ判定を新たに開始するためにステップ29へと移る。
【0070】また、ステップ21で「NO」と判定した
場合には、第4エリア10Dのデータ判定が少なくとも
終了していないから、ステップ23でこのエリア10D
のデータ判定が開始されているか否かを判定する。
【0071】そして、ステップ23で「YES」と判定
した場合には、前回のROMチェック処理が第4エリア
10Dのデータ判定を開始した後に、データ判定の途中
でBGJを開始すべきタイミング(ソフトタイマt=1
0ms)に達し、データ判定が途中で中断された場合で
あるから、その途中部分からのデータ判定を続行するた
め、後述のステップ35を実行する。
【0072】一方、ステップ23で「NO」と判定した
場合には、第4エリア10Dのデータ判定がまだ開始さ
れていないから、ステップ24で第3エリア10Cのデ
ータ判定が終了しているか否かを判定する。そして、ス
テップ24で「YES」と判定した場合には、第3エリ
ア10Cまでのデータ判定が終了しているから、第4エ
リア10Dのデータ判定を開始するためにステップ35
に移る。
【0073】また、ステップ24で「NO」と判定した
場合には、第3エリア10Cのデータ判定が少なくとも
終了していないから、ステップ25でこのエリア10C
のデータ判定が開始されているか否かの判定と、ステッ
プ26で第2エリア10Bのデータ判定が終了している
か否かの判定とをそれぞれ行う。
【0074】そして、ステップ25,26のいずれか一
方で「YES」と判定した場合には、第3エリア10C
のデータ判定が開始後に中断されているか、または第2
エリア10Bのデータ判定が終了している場合であるか
ら、第3エリア10Cのデータ判定を続行または開始す
るために後述のステップ33へと移る。
【0075】また、ステップ25,26で共に「NO」
と判定した場合には、第2エリア10Bのデータ判定が
少なくとも終了していないから、ステップ27でこのエ
リア10Bのデータ判定が開始されているか否かの判定
と、ステップ28で第1エリア10Aのデータ判定が終
了しているか否かの判定とをそれぞれ行う。
【0076】そして、ステップ27,28のいずれか一
方で「YES」と判定した場合には、ステップ25,2
6の場合と同様に、第2エリア10Bのデータ判定を続
行または開始するために後述のステップ31へと移る。
【0077】また、ステップ27,28で共に「NO」
と判定した場合には、第1エリア10Aのデータ判定が
開始後に中断されているか、または電源投入後にBGJ
で初めて行うROMチェック処理であると判断できるか
ら、第1エリア10Aのデータ判定を続行または開始す
るためにステップ29へと移る。
【0078】そして、ステップ29では、第1エリア1
0Aのデータ判定を開始または続行するため、このエリ
ア10Aのデータ判定中であることを示すフラグF1 を
「1」にセットし、データ判定の判定対象エリアを示す
エリア番号AをA=1とする。続いて、ステップ30で
は、データ判定に用いる判定用データをCPU2に設け
られた汎用レジスタR1 〜R4 に下記の如く読込む。
【0079】まず、レジスタR1 には、今回のROMチ
ェック処理でデータ判定を開始すべきデータD(i) のア
ドレスiを読込む。ここで、第1エリア10Aのデータ
判定中には、その先頭アドレスから最終アドレスに亘る
データD(0) 〜D(I-1) を順次加算することにより、こ
れらの加算値Sを求めるデータ判定用の加算処理を行う
が、このときアドレスiには、加算値Sに対して次に加
算しようとするデータD(i) のアドレスが更新可能に記
憶される。
【0080】続いて、レジスタR2 には、データ判定用
の加算処理が第1エリア10Aの最終アドレス(I−
1)まで終了したか否かをアドレスiと比較して判定す
るため、第1エリア10Aに続く第2エリア10Bの先
頭アドレスIを読込む。また、レジスタR3 には加算値
Sを読込み、レジスタR4 には、この加算値Sと比較判
定するための判定値S1 を読込む。
【0081】ここで、例えば前回のROMチェック処理
が第1エリア10Aの途中でBGJにより中断されてい
たとすると、アドレスiには、中断した時点で次に加算
しようとしていたデータのアドレスiが記憶され、加算
値Sには、中断するまでに加算されたデータD(0) 〜D
(i-1) の総和が記憶される。
【0082】そして、ステップ30では、レジスタR1
〜R4 に対する読込みを終了した後に、第1エリア10
AのデータD(0) 〜D(I-1) に対してデータ判定用の加
算処理を行うため、図6中に示すステップ37へと移
る。
【0083】一方、ステップ31,32では、第2エリ
ア10Bのデータ判定を開始または続行するため、フラ
グF2 、エリア番号A、レジスタR1 〜R4 に対してス
テップ29,30と同様の処理を行った後にステップ3
7へと移り、第2エリア10BのデータD(I) 〜D(J-
1) に対してデータ判定用の加算処理を行う。
【0084】さらに、ステップ33,34では、第3エ
リア10Cのデータ判定を開始または続行するため、ス
テップ29,30等と同様の処理を行った後にステップ
37へと移り、第3エリア10CのデータD(J) 〜D(K
-1) に対してデータ判定用の加算処理を行う。
【0085】また、ステップ35,36では、第4エリ
ア10Dのデータ判定を開始または続行するため、ステ
ップ29,30等と同様の処理を行った後にステップ3
7へと移るが、この場合、レジスタR2 には、第4エリ
ア10Dに続くエリアの先頭アドレスに相当する値とし
て第4エリア10Dの最終アドレスNよりも「1」だけ
大きい値を読込む。
【0086】次に、ステップ37〜ステップ41では、
今回のROMチェック処理でデータ判定を行うべき判定
対象エリアのデータを、そのエリアの先頭アドレスから
最終アドレスまで順次加算し、そのエリアに属する各デ
ータの加算値Sを求める。
【0087】即ち、例えば第1エリア10Aの場合につ
いて述べると、ステップ37では、データD(0) 〜D(R
1-1)の加算値Sと等しい値をもつレジスタR3 に対して
次のデータD(R1)を加算し、このレジスタR3 の値を加
算値Sとして更新可能に記憶させる。続いて、ステップ
38では、データD(R1)に対する加算処理が済んだので
レジスタR1 の値を「1」だけ歩進させ、この値を次に
加算処理を行うべきデータのアドレスiとして記憶させ
る。
【0088】次に、ステップ39では、レジスタR1 ,
R2 の値が互いに等しいか否かを判定する。そして、ス
テップ39で「YES」と判定したときには、次に加算
しようとするデータのアドレスiが第2エリア10Bの
先頭アドレスIと等しくなっている場合であるから、第
1エリア10AのデータD(0) 〜D(I-1) に対する加算
処理が終了したと判断して図7中に示すステップ42に
移る。なお、この場合には、第1エリア10Aに対する
加算処理が終了したのでフラグF1 を零にクリアする。
【0089】また、ステップ39で「NO」と判定した
ときには、第1エリア10Aに対する加算処理が全て終
了する前の状態であるから、ステップ40へと移る。そ
して、ステップ40では、ソフトタイマtの値が10m
s以上か否かを判定し、「NO」と判定したときには、
まだBGJを開始するタイミングでないから、加算処理
を続行するために前記ステップ37以降を続ける。
【0090】また、ステップ40で「YES」と判定し
たときには、BGJを開始するタイミングに達した場合
であるから、BGJを行うために加算処理を中断し、ス
テップ41で図4中のステップ4にリターンする。
【0091】そして、このBGJを終了した後にROM
チェック処理を行うときには、アドレスi、加算値Sが
前記加算処理を中断したときの値を保持しているから、
図5中のステップ30,32,34,36では、これら
の値がレジスタR1 ,R3 にそれぞれ読込まれ、図6中
のステップ37〜41では、前記加算処理が中断時のア
ドレスiから続行される。
【0092】次に、図7中に示すステップ42では、ス
テップ37〜41によりデータ判定用の加算処理を終了
した後に、レジスタR3 ,R4 の値が互いに等しいか否
かを判定する。なお、ステップ42の判定は、エリア1
0A〜10D(データ群D2〜D4 )のデータ判定時に
もそれぞれ行われ、ROMチェック処理部12の各状態
監視部12Aに対応している。
【0093】そして、ステップ42で「YES」と判定
したときには、第1エリア10Aの加算値Sと判定値S
1 とが互いに一致した場合であるから、第1エリア10
Aのデータは正常であると判断し、図8中に示すステッ
プ58に移る。
【0094】また、ステップ42で「NO」と判定した
ときには、第1エリアのデータD(0) 〜D(I-1) のうち
少なくとも一部の値がROM10に対する書込み時の値
から変化したと判断できるので、このエリア10Aのデ
ータ群D1 を正常でないと判定し、ステップ43に移
る。
【0095】次に、ステップ43では、今回の判定対象
エリアを示すエリア番号Aが「1」であるか否かを判定
し、「YES」と判定した場合には、ステップ44に移
ってデータ群D1 の異常判定回数を数えるカウンタC1
の値が予め定められた回数X(例えば3回)以上か否か
を判定する。
【0096】そして、ステップ44で「YES」と判定
したときには、今回のROMチェック処理までにX回連
続してデータ群D1 が正常でないと判定しているから、
このデータ群D1 を用いてABS演算部11により演算
を正常に行うことができない虞れがある。そこで、この
場合には、ステップ45に移り、フェールセーフ処理部
13によりABS制御に対して後述の如くフェールセー
フ処理を行う。続いて、ステップ46では、エリア番号
Aが「4」であるか否かを判定し、「NO」と判定した
場合には、図8中に示すステップ66に移る。
【0097】また、ステップ44で「NO」と判定した
ときには、データを正常でないと連続して判定した回数
がX回に達していないと判断できるから、データ判定の
確実性を高めるために今回はフェールセーフ処理等を行
わず、ステップ47でカウンタC1 を「1」だけ増加さ
せた後にステップ66に移る。
【0098】一方、ステップ43で「NO」と判定した
ときには、ステップ48でエリア番号Aが「2」である
か否かを判定し、「YES」と判定したときには、第1
エリア10Aの場合と同様に、ステップ49でデータ群
D2 用のカウンタC2 の値が回数X以上か否かを判定す
る。
【0099】そして、ステップ49で「YES」と判定
したときには、第2のデータ群D2を用いてABS演算
部11により演算を正常に行うことができない虞れがあ
る。そこで、この場合には、第1エリア10Aの場合と
同様に、ステップ45でフェールセーフ処理を行った後
にステップ66へと移る。また、ステップ49で「N
O」と判定したときには、ステップ50でカウンタC2
を「1」だけ増加させた後にステップ66へと移る。
【0100】さらに、ステップ48で「NO」と判定し
たときには、ステップ51でエリア番号Aが「3」であ
るか否かを判定し、「YES」と判定したときには、ス
テップ52でデータ群D3 用のカウンタC3 の値が回数
X以上か否かを判定する。そして、ステップ52で「N
O」と判定したときには、ステップ53でカウンタC3
を「1」だけ増加させた後にステップ66に移る。
【0101】ここで、ステップ52で「YES」と判定
したときには、フェールセーフ処理部13を構成する第
3のデータ群D3 が正常でないため、このデータ群D3
を用いてフェールセーフ処理を正常に行うことができな
い虞れがある。そこで、この場合には、ステップ54で
ウォッチドッグ回路14用のリセットフラグFR を
「1」にセットしてステップ66に移る。
【0102】これにより、ステップ6のプログラム・ラ
ン信号処理では、ウォッチドッグ回路14に出力される
プログラム・ラン信号が後述の如く正常でない状態とな
るため、CPU2の作動状態はウォッチドッグ回路14
により電源投入時の初期状態にリセットされ、ABS制
御は停止される。
【0103】さらに、ステップ51で「NO」と判定し
たときには、エリア番号Aが「4」の場合であるから、
ステップ55でデータ群D4 用のカウンタC4 の値が回
数X以上か否かを判定する。そして、ステップ55で
「NO」と判定したときには、ステップ56でカウンタ
C4 を「1」だけ増加させ、ステップ57でアドレスi
を零にクリアした後にステップ66へと移る。
【0104】また、ステップ55で「YES」と判定し
たときには、ステップ45で第1エリア10Aの場合と
同様にフェールセーフ処理を行った後に、ステップ46
では、エリア番号Aが「4」であるか否かを判定し、
「YES」と判定した場合には、ステップ57でアドレ
スiを零にクリアしてステップ66に移る。
【0105】なお、第4のデータ群D4 には、付加的な
処理機能のプログラム等を記憶しているから、ステップ
55で「YES」と判定したときには、例えば警報ラン
プ23等を点灯させるだけで、フェールセーフ処理やリ
セットフラグFR のセット等を行わずにステップ66に
移る構成としてもよい。
【0106】次に、図8に示すステップ58〜64で
は、図7中のステップ42で今回の判定対象エリアのデ
ータが正常と判定されたから、カウンタC1 〜C4 のう
ちエリア番号Aに対応するカウンタを零にクリアし、エ
リア番号Aが「4」の場合には、ステップ65でアドレ
スiを零にクリアする。
【0107】次に、ステップ66では、今回の判定対象
エリアのデータ判定が終了したので、次回のROMチェ
ック処理のために加算値Sを零にクリアし、ステップ6
7でリターンする。
【0108】次に、フェールセーフ処理部13で行うフ
ェールセーフ処理について図9を参照して説明すると、
まずステップ71では、ABS駆動ユニット19のアク
チュエータリレー20をOFFにして停止させ、ステッ
プ72では電子制御ユニット1(ROM10)等が正常
でないことを運転者に知らせるために警報ランプ23を
点灯させる。そして、ステップ73ではソレノイド21
を停止し、ステップ74では、例えば一定の時間だけ液
圧ポンプリレー22を駆動し、前記液圧ポンプを作動さ
せる。
【0109】これにより、前記ブレーキ液圧系統に設け
られたABS制御用のブレーキ液圧源とリザーバとは、
マスタシリンダおよびホイールシリンダに対して遮断さ
れた状態となり、ABS制御は停止される。そして、リ
ザーバ内に残留したブレーキ液は液圧ポンプによりマス
タシリンダ側に還流される。
【0110】次に、ステップ75では、異常の部位、内
容等を記憶する異常判定時データ記憶処理を行い、例え
ば各車輪速、車体速等の各演算値や、異常の内容に対応
するエラーコード等を記憶した後に、ステップ76でリ
ターンする。なお、これらの情報は、ABS制御の制御
系統を点検修理するときに、例えばメンテナンス用の機
器等に対して電子制御ユニット1から前記通信機能のプ
ログラムに基づいて送信される。
【0111】次に、図10に示すプログラム・ラン信号
処理について説明すると、まずステップ81では、RO
Mチェック処理でCPU2のリセット要求時に用いるリ
セットフラグFR が「1」にセットされているか否かを
判定する。
【0112】そして、ステップ81で「NO」と判定し
たときには、CPU2のリセットが要求されていないの
でステップ82に移り、プログラム・ラン信号の信号値
を例えば「0」と「1」との間で一方から他方へと反転
させて出力し、ステップ83でリターンする。
【0113】これにより、プログラム・ラン信号の信号
値は、ステップ6が繰返されることによって約10ms
毎に反転される。そこで、ウォッチドッグ回路14は、
この状態をCPU2がプログラムを正常に実行している
状態として判断し、プログラム・ラン信号の反転が停止
した場合に備えてこれを監視する。
【0114】また、ステップ81で「YES」と判定し
たときには、ROMチェック処理によりフェールセーフ
処理用のデータ群D3 が正常でないと判定された場合で
あるから、ステップ82を行うことなくステップ83で
リターンする。これにより、プログラム・ラン信号は、
その信号値が反転されなくなり、例えばプログラムの暴
走等によりプログラム・ラン信号処理が実行されない場
合と同様の異常な出力状態になるから、ウォッチドッグ
回路14は、CPU2の作動状態をリセットしてそのプ
ログラムを電源投入時に行うステップ1へと強制的に戻
し、ABS制御を停止させる。
【0115】次に、図11に示すタイマ割込処理につい
て説明すると、まずステップ91ではソフトタイマtを
「1」だけ増加させ、ステップ92では、ステップ14
等で演算したABS駆動ユニット19用の各駆動信号を
外部に出力するポート出力処理を行う。そして、ステッ
プ93では、例えばCPU2に付設されたA/D変換器
(図示せず)の変換結果を前記RAM内に取込む等、1
ms毎に行うべき他の定時処理を行い、ステップ94で
リターンする。
【0116】次に、図12ないし図14に示す外部割込
処理(1),(2),(3)では、ステップ101,1
11,121で車輪速信号計測処理を行い、ステップ1
0の車輪速演算処理等で用いる車輪速信号をカウントし
た後に、ステップ102,112,122でリターンす
る。
【0117】かくして、本実施例では、ABS制御に必
要なデータD(i) を予めデータ群D1 〜D4 (エリア1
0A〜10D)に分割してROM10内に記憶し、該デ
ータ群D1 〜D4 毎にデータが正常な状態であるか否か
を判定すると共に、データ群D1 ,D2 ,D4 のいずれ
かを異常と判定したときにはフェールセーフ処理を行
い、データ群D3 を異常と判定したときには、ウォッチ
ドッグ回路14によりABS制御用の演算を初期状態に
リセットする構成としたから、多数のデータD(i) を少
なくとも、ABS制御用の演算に関連したデータ群D1
,D2 と、フェールセーフ処理に用いるデータ群D3
と、付加的な処理機能に関連したデータ群D4 とに分割
することができる。
【0118】そして、ROMチェック処理では、データ
群D1 〜D4 に対してそれぞれデータ判定を行うことよ
り、全てのデータD(0) 〜D(N) に対する加算処理が終
了していなくても、データ群D1 〜D4 毎のデータが正
常であるか否かを確実に判定でき、ABS制御用の演算
に悪影響を与えることなく、その空き時間を利用するだ
けでデータの監視を安定して行うことができ、この監視
を車両の運転中に常時行うことができる。
【0119】さらに、データ群D1 〜D4 のいずれかを
正常でないと判定した場合には、異常のあるデータ群を
用いて行う演算等を確実に停止させることができると共
に、この異常により影響を受ける制御、機能等に対応し
てそれぞれ適切な対策を実行でき、例えばデータ群D1
,D2 ,D4 のいずれかを正常でないと判定したとき
には、ABS駆動ユニット19のアクチュエータリレー
20、ソレノイド21をフェールセーフ処理によりOF
FにしてABS制御を確実に停止させることができる。
【0120】また、このとき液圧ポンプリレー22を作
動させて前記リザーバ内のブレーキ液をマスタシリンダ
側に還流させることができ、マスタシリンダ内のブレー
キ液量を安定して保持できる。さらに、例えば異常の部
位、内容等を記憶する異常判定時データ記憶処理等を行
うことができ、メンテナンス性を向上させることができ
る。
【0121】そして、データ群D3 が正常でないと判定
したときには、このデータ群D3 の内容を用いてフェー
ルセーフ処理を正常に行うのが難しいことを確実に認識
でき、CPU2とは別個のウォッチドッグ回路14を利
用してABS駆動ユニット19の作動状態を初期設定時
の停止状態へと確実に切換えることができるから、制御
ユニットとしての信頼性を大幅に向上させることができ
る。
【0122】また、データ群D4 が正常でないと判定し
たときには、付加的な処理機能等のみが異常であると判
断することができるから、例えば警報ランプ23等を点
灯させるだけでABS制御は続行させるプログラム構成
とすることが可能となり、異常のあるデータ群に応じて
きめ細かい対策を行うことができる。
【0123】さらに、図4中のステップ7に示すよう
に、データ群D1 ,D2 のいずれかを1回でも異常と判
定したときには、ステップ10,12,14等で行うA
BS制御用の演算を行わず、ABS駆動ユニット19に
対する駆動信号を更新演算しないようにしたから、デー
タ群D1 ,D2 の異常に対する対応の応答性を高めるこ
とができる。
【0124】一方、ROMチェック処理(データ判定用
の加算処理)を中断した場合でも、その中断時のアドレ
スiおよび加算値Sを記憶し、ABS制御用の演算後に
は、前記加算処理を中断前のアドレスiおよび加算値S
から続行するようにしたから、データ群D1 〜D4 毎の
加算処理に比較的長い時間が必要な場合でも、この加算
処理を中断後に最初からやり直すことなく続行でき、例
えば車両の高速走行時に車輪速信号による外部割込処理
(1)〜(3)がROMチェック処理に対して頻繁に割
込む場合や、ROM10内に記憶したデータ量が大きい
場合でも、ABS制御用の演算の空き時間を利用してR
OMチェック処理を効率よく行うことができる。
【0125】次に、図15ないし図18は本発明による
第2の実施例を示し、本実施例の特徴は、ROMチェッ
ク処理で各データによる排他的論理和を算出し、この算
出値と判定値とが一致するか否かを判定する構成とした
ことにある。なお、本実施例では、前記第1の実施例と
同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略す
るものとする。
【0126】ここで、ステップ201〜247は本実施
例による車両用電子制御ユニットの自己診断装置で行う
ROMチェック処理を示し、このROMチェック処理
は、前記第1の実施例と同様に、ABS制御用の演算処
理の空き時間を利用してBGJ処理中で繰返されるもの
である。
【0127】そして、まず図15に示すステップ201
〜216では、第1の実施例のステップ21〜36とほ
ぼ同様に、前回のROMチェック処理でデータ判定を行
ったエリアを判別することにより、今回のデータ判定を
行うべき判定対象エリアに対応してフラグF1 〜F4 、
エリア番号A、レジスタR1 〜R4 等の設定を行う。
【0128】しかし、本実施例では、ステップ210,
212,214,216において後述する排他的論理和
の算出値EをレジスタR3 に読込み、この算出値Eに対
応する判定値E1 〜E4 をレジスタR4 に読込む。ここ
で、判定値E1 〜E4 は、エリア10A〜10D毎の各
データによる排他的論理和の値として予め算出され、R
OM10内に記憶されると共に、算出値Eは記憶回路3
のRAM内に更新可能に記憶されている。
【0129】そして、例えば第1エリア10Aの場合に
ついて述べると、判定値E1 は、データD(0) 〜D(I-
1) を用いて下記の如く算出されたものである。
【0130】
【数1】
【0131】次に、図16に示すステップ217〜22
1では、第1の実施例とほぼ同様の繰返し処理を行うこ
とにより、第1エリア10AのデータD(0) 〜D(I-1)
による排他的論理和を算出値Eとして算出する。即ち、
ステップ217では、データD(0) 〜D(R1-1)による排
他的論理和の算出値Eを読込んだレジスタR3 と、次に
演算すべきデータD(R1)とから排他的論理和を演算し、
この演算値をレジスタR3 に書込むと共に、レジスタR
3 を算出値Eとして記憶させる。
【0132】次に、図17および図18に示すステップ
222〜247では、第1エリア10Aの算出値E(レ
ジスタR3 )と判定値E1 (レジスタR4 )とが一致す
るか否かを判定し、これらが一致した場合には第1のデ
ータ群D1 を正常と判定し、一致しない場合には異常と
判定する。そして、これらのデータ判定は、エリア10
B〜10D(データ群D2 〜D4 )に対しても同様に行
われる。
【0133】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得られ
るが、特に本実施例では、異常判定用の演算として排他
的論理和を用いたので、第1の実施例で用いた加算処理
とは異なるパターンのデータ異常を確実に検出すること
ができる。
【0134】即ち、例えばROM13内に記憶した3個
のデータが0,1,2の値をもつとして、これらの値が
1,1,1に変化する異常が生じたとすると、この異常
の前,後で各データの加算値は共に3となる。これに対
し、各データによる排他的論理和の演算値は異常の前,
後で3から1へと変化するから、この演算値の変化によ
りデータの異常を判定することができる。
【0135】次に、図19ないし図22は本発明による
第3の実施例を示し、本実施例の特徴は、各データの加
算値と排他的論理和とをデータ判定に併用する構成とし
たことにある。なお、本実施例では、前記第1および第
2の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その
説明を省略するものとする。
【0136】ここで、ステップ301〜347は本実施
例による車両用電子制御ユニットの自己診断装置で行う
ROMチェック処理を示し、まず図19に示すステップ
301〜316では、第1の実施例とほぼ同様に、前回
のROMチェック処理でデータ判定を行ったエリアを判
別することにより、今回のデータ判定を行うべき判定対
象エリアに対応してフラグF1 〜F4 、エリア番号A等
の設定を行う。
【0137】しかし、本実施例では、レジスタR1 〜R
6 をCPU2に予め用意し、ステップ310,312,
314,316では、エリア10A〜10Dのうち今回
の判定対象エリアに属する各データの加算値Sをレジス
タR3 に読込み、これらのデータによる排他的論理和の
算出値EをレジスタR5 に読込むと共に、判定値S1〜
S4 のうち加算値Sに対応する判定値をレジスタR4
に、判定値E1 〜E4 のうち算出値Eに対応する判定値
をレジスタR6 にそれぞれ読込む。
【0138】そして、図20ないし22に示すステップ
317〜347では、例えば第1エリア10Aの場合に
ついて述べると、ステップ317で加算値Sと排他的論
理和の算出値Eとを算出し、ステップ322では、加算
値Sと判定値S1 とが一致し、かつ算出値Eと判定値E
1 とが一致した場合だけにデータ群D1 を正常と判定
し、それ以外の場合にはデータ群D1 を異常と判定す
る。
【0139】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1および第2の実施例とほぼ同様の作用効
果を得られるが、特に本実施例では、データ判定用の演
算として加算と排他的論理和とを併用することにより、
各データが変化した場合には、より多くの変化パターン
をデータの異常として判定でき、データ判定の信頼性を
確実に向上させることができる。
【0140】なお、前記各実施例では、データ群D1 ,
D2 ,D4 のいずれかを正常でないと判定した場合に、
フェールセーフ処理部13によるフェールセーフ処理を
行う構成としたが、本発明はこれに限らず、データ群D
1 ,D2 ,D4 の異常に対応してそれぞれ異なる対策を
行う構成としてもよい。
【0141】また、前記各実施例では、ROM10内の
各データを4個のデータ群D1 〜D4 に分類する構成と
したが、本発明はこれに限らず、ROM10内の各デー
タを3個以下または5個以上のデータ群に分割する構成
としてもよい。
【0142】さらに、前記各実施例では、電子制御ユニ
ット1をABS制御(ロック回避制御)に適用した場合
を例に挙げて述べたが、本発明はこれに限らず、電子制
御ユニット1をエンジンの制御ユニットに適用してもよ
く、また自動変速装置やサスペンションの切換制御、各
車輪に対する駆動力の分配制御等を行う制御ユニットに
適用してもよい。
【0143】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、各データを複数のデータ群に分割して記憶
する分割記憶手段と、該各データ群のデータが正常であ
るか否かを監視する状態監視手段と、該状態監視手段に
より異常があると判定したデータ群の使用を停止する使
用停止手段とを設ける構成としたから、分割記憶手段で
は、車両の運転制御に必要なデータをそれぞれ異なる処
理機能に関連した複数のデータ群に分割して記憶するこ
とができる。そして、状態監視手段では、データ全体に
対して異常判定用の処理が終了していなくても、各デー
タ群毎にデータが正常であるか否かを確実に判定でき、
演算手段の演算に悪影響を与えることなく、その空き時
間を利用するだけでデータの監視を円滑に行うことがで
きる。これにより、例えば車両の運転状態に対応して演
算手段で入力信号を頻繁に処理すべき場合でも、この処
理の合間に状態監視手段によるデータの監視を常に安定
して行うことができる。そして、使用停止手段手段で
は、状態監視手段により異常と判定したデータ群の使用
を確実に停止できると共に、例えば異常のあるデータ群
の処理機能に応じて適切な対策を行うことが可能とな
り、制御ユニットとしての信頼性を大幅に向上させるこ
とができる。
【0144】また、請求項2に記載の発明によれば、状
態監視手段では、各データ群に対する異常判定用の検索
が演算手段の演算を行うために中断された場合でも、こ
の検索を前記演算の実行後に中断時のアドレス番号から
円滑に再開でき、この検索が車両の運転状態等に応じて
比較的長い時間に亘る場合でも、一連の検索を演算手段
による複数回の空き時間に分割して効率よく行うことが
できる。
【0145】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
状態監視手段によりデータ群毎に加算値を算出でき、こ
れらの加算値を各データ群毎の判定値と比較することに
より、データに生じた異常の有無を確実に判定すること
ができる。
【0146】また、請求項4に記載の発明によれば、状
態監視手段によりデータ群毎の排他的論理和を算出で
き、これらの算出値を各データ群毎の判定値と比較する
ことにより、データに生じた異常の有無を確実に判定で
きる。そして、例えば排他的論理和の算出値と前記加算
値とをそれぞれ判定値と比較することにより、データの
異常に対する判定精度を向上させることができる。
【0147】さらに、請求項5に記載の発明によれば、
使用停止手段は、分割記憶手段内のデータ群に記憶した
フェールセーフ用データを用いて演算手段の演算を停止
させる構成としたから、分割記憶手段では、例えば演算
手段に関連した演算用データと、フェールセーフ用デー
タとをそれぞれ異なるデータ群に分割して記憶でき、状
態監視手段により演算用データのデータ群を異常と判定
したときには、使用停止手段によりフェールセーフ用デ
ータを用いて演算手段の演算を確実に停止させることが
できる。
【0148】また、請求項6に記載の発明によれば、使
用停止手段は、演算手段とは別個に設けたフェールセー
フ手段により演算手段の演算を停止させる構成としたか
ら、例えば分割記憶手段に記憶したフェールセーフ用の
データ群が状態監視手段により異常と判定された場合で
も、フェールセーフ手段により演算手段の演算を確実に
停止でき、制御ユニットとしての信頼性を大幅に向上さ
せることができる。
【0149】一方、請求項7に記載の発明によれば、各
データを、演算手段の演算に関連した第1,第2のデー
タ群と、フェールセーフ処理を行うための第3のデータ
群とに分割して記憶する分割記憶手段と、第1,第2の
データ群のいずれかを異常と判定したときに第3のデー
タ群を用いてフェールセーフ処理を行う第1の使用停止
手段と、第3のデータ群を異常と判定したときに演算手
段とは別個に設けたフェールセーフ手段により該演算手
段の演算を停止させる第2の使用停止手段とを設ける構
成としたので、第1,第2のデータ群の異常判定時に
は、第1の使用停止手段により第3のデータ群を用いて
車両の制御系統を安全な状態に保持できる。また、第3
のデータ群の異常判定時には、第2の使用停止手段によ
り車両の制御系統を停止状態に確実に切換えることがで
き、制御ユニットとしての信頼性を大幅に向上させるこ
とができる。
【0150】また、請求項8に記載の発明によれば、ロ
ック回避制御用の各データを複数のデータ群に分割して
記憶する分割記憶手段と、該各データ群毎にデータの状
態を監視する状態監視手段と、該状態監視手段で異常と
判定したデータ群の使用を停止する使用停止手段とを設
ける構成としたから、状態監視手段では、演算手段によ
る演算の空き時間を利用するだけで各データ群毎にデー
タの状態を確実に監視でき、例えば車輪速信号の読込み
処理を演算手段で頻繁に行う場合でも、この読込み処理
と並行して各データ群の監視を常に安定的に行うことが
できる。また、使用停止手段では、異常のあるデータ群
の使用を確実に停止できると共に、例えば異常のあるデ
ータ群の処理機能に応じて適切な対策を行うことが可能
となり、信頼性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例による車両用電子制御ユニットの
自己診断装置等を示す全体構成図である。
【図2】図1中の電子制御ユニット内の回路構成等を示
す制御ブロック図である。
【図3】図1中のROM内に記憶された各データを示す
説明図である。
【図4】図1中の電子制御ユニットよるABS制御用の
BGJ処理等を示す流れ図である。
【図5】図4中のROMチェック処理を示す流れ図であ
る。
【図6】図5に続くROMチェック処理を示す流れ図で
ある。
【図7】図6に続くROMチェック処理を示す流れ図で
ある。
【図8】図7に続くROMチェック処理を示す流れ図で
ある。
【図9】図7中のフェールセーフ処理を示す流れ図であ
る。
【図10】図4中のプログラム・ラン信号処理を示す流
れ図である。
【図11】BGJ処理に対するタイマ割込処理を示す流
れ図である。
【図12】左車輪の車輪速を求めるための外部割り込み
処理を示す流れ図である。
【図13】右車輪の車輪速を求めるための外部割り込み
処理を示す流れ図である。
【図14】後輪側の車輪速を求めるための外部割り込み
処理を示す流れ図である。
【図15】第2の実施例による車両用電子制御ユニット
の自己診断装置が行うROMチェック処理を示す流れ図
である。
【図16】図15に続くROMチェック処理を示す流れ
図である。
【図17】図16に続くROMチェック処理を示す流れ
図である。
【図18】図17に続くROMチェック処理を示す流れ
図である。
【図19】第3の実施例による車両用電子制御ユニット
の自己診断装置が行うROMチェック処理を示す流れ図
である。
【図20】図19に続くROMチェック処理を示す流れ
図である。
【図21】図20に続くROMチェック処理を示す流れ
図である。
【図22】図21に続くROMチェック処理を示す流れ
図である。
【符号の説明】
1 電子制御ユニット 2 CPU 10 ROM(分割記憶手段) 11 ABS演算部(演算手段) 12 ROMチェック処理部 12A 状態監視部(状態監視手段) 13 フェールセーフ処理部(第1の使用停止手段) 14 ウォッチドッグ回路(第2の使用停止手段) 15,16,17 車輪速センサ 18 ブレーキスイッチ 19 ABS駆動ユニット D(i) データ D1 ,D2 ,D3 ,D4 データ群

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の運転制御に必要な多数のデータを
    記憶するときに該各データを予め複数のデータ群に分割
    して記憶する分割記憶手段と、 車両の運転状態に対応した入力信号を外部から読込むこ
    とにより、該分割記憶手段に記憶した各データを用いて
    車両の運転に必要な演算を行う演算手段と、 該演算手段による演算の空き時間を利用して前記分割記
    憶手段による各データ群毎のデータが正常な状態である
    か否かを監視する状態監視手段と、 該状態監視手段によりいずれかのデータ群に異常がある
    と判定したときに、異常のあるデータ群の使用を停止す
    る使用停止手段とから構成してなる車両用電子制御ユニ
    ットの自己診断装置。
  2. 【請求項2】 前記状態監視手段は、前記分割記憶手段
    による各データ群毎のデータを予め定められた順番に従
    って検索し、この検索時間が前記演算手段の空き時間を
    越えるときには、複数回の空き時間に亘って前記データ
    を順次検索する構成としてなる請求項1に記載の車両用
    電子制御ユニットの自己診断装置。
  3. 【請求項3】 前記状態監視手段は、前記各データ群毎
    のデータを順次検索することにより加算し、一のデータ
    群についての加算値が予め定められた判定値と一致する
    か否かによって当該データ群が正常である否かを判定す
    る構成としてなる請求項1または2に記載の車両用電子
    制御ユニットの自己診断装置。
  4. 【請求項4】 前記状態監視手段は、前記各データ群毎
    のデータを順次検索することにより排他的論理和を算出
    し、一のデータ群についての算出値が予め定められた判
    定値と一致するか否かによって当該データ群が正常であ
    るか否かを判定する構成としてなる請求項1,2または
    3に記載の車両用電子制御ユニットの自己診断装置。
  5. 【請求項5】 前記使用停止手段は、前記分割記憶手段
    内のデータ群に記憶したフェールセーフ用データを用い
    て前記演算手段の演算を停止させる構成としてなる請求
    項1,2,3または4に記載の車両用電子制御ユニット
    の自己診断装置。
  6. 【請求項6】 前記使用停止手段は、前記演算手段とは
    別個に設けたフェールセーフ手段により構成し、該フェ
    ールセーフ手段を用いて前記演算手段の演算を停止させ
    る構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の車
    両用電子制御ユニットの自己診断装置。
  7. 【請求項7】 車両の運転制御に用いる定数に関連した
    第1のデータ群と、車両の運転制御に関連した前記定数
    以外の第2のデータ群と、前記第1,第2のデータ群の
    いずれかが異常であるときに、フェールセーフ処理を行
    うためのデータからなる第3のデータ群とからなる分割
    記憶手段と、 車両の運転状態に対応した入力信号を外部から読込むこ
    とにより、該分割記憶手段の第1のデータ群と第2のデ
    ータ群とに記憶した各データを用いて車両の運転制御に
    必要な演算を行う演算手段と、 該演算手段による演算の空き時間を利用して前記分割記
    憶手段による第1ないし第3のデータ群毎のデータが正
    常な状態であるか否かを監視する状態監視手段と、 前記状態監視手段により前記第1,第2のデータ群のい
    ずれかに異常があると判定したときに、前記第3のデー
    タ群のデータを用いて前記演算手段の演算を停止させる
    第1の使用停止手段と、 前記演算手段とは別個に設けたフェールセーフ手段によ
    って構成され、前記状態監視手段により前記第3のデー
    タ群に異常があると判定したときに、前記演算手段の演
    算を停止させる第2の使用停止手段とから構成してなる
    車両用電子制御ユニットの自己診断装置。
  8. 【請求項8】 車両の制動時に車輪がロック傾向となる
    のを回避するロック回避制御を行うため、このロック回
    避制御に必要な多数のデータを予め複数のデータ群に分
    割して記憶する分割記憶手段と、 少なくとも車輪速信号とブレーキ操作信号とを入力信号
    として外部から読込むことにより、該分割記憶手段に記
    憶した各データを用いて前記ロック回避制御用の演算を
    行う演算手段と、 該演算手段による演算の空き時間を利用して前記分割記
    憶手段による各データ群毎のデータが正常な状態である
    か否かを監視する状態監視手段と、 該状態監視手段によりいずれかのデータ群に異常がある
    と判定したときに、異常のあるデータ群の使用を停止す
    る使用停止手段とから構成してなる車両用電子制御ユニ
    ットの自己診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007255413A (ja) * 2006-02-21 2007-10-04 Aisan Ind Co Ltd 負荷駆動系の異常診断システムおよび燃料ポンプ制御システム
US8352814B2 (en) 2009-01-09 2013-01-08 Denso Corporation Electronic control apparatus
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