JPH10299543A - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

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JPH10299543A
JPH10299543A JP9103532A JP10353297A JPH10299543A JP H10299543 A JPH10299543 A JP H10299543A JP 9103532 A JP9103532 A JP 9103532A JP 10353297 A JP10353297 A JP 10353297A JP H10299543 A JPH10299543 A JP H10299543A
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真一 鞍谷
Mitsuhiro Miyake
光浩 三宅
Mitsuhiko Yanagisawa
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒内噴射型内燃機関に対する複数の燃料噴射
モードを運転状態に応じて選択設定する車両において、
頻繁なブレーキ操作やアクセルペダル操作が想定される
変速機の後進段の設定時における燃料噴射モードの不本
意な切り換えをなくして、安定したドライバビリティを
確保し得る車両の制御装置を提供する。 【解決手段】 変速機の変速段を検出し、その検出結果
に応じて燃料噴射モードの選択条件を変更する制御条件
変更手段を備える。特に変速機の後進段の設定を検出
し、そのときの燃料噴射モードの変更を禁止したり、或
いは燃料噴射モードを吸気行程噴射モードに固定的に設
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載された
筒内噴射型内燃機関に対する複数の燃料噴射モードの選
択条件を、該車両における変速機の変速段に応じて制御
するようにした車両の制御装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】内燃機関の燃焼室に燃料を直接噴
射する筒内噴射型内燃機関は、超希薄燃焼を実現して高
出力化と燃費の低減を両立させ、しかもCO2等の排ガ
ス排出量を低減し得る等の優れた特徴を有している。こ
の種の筒内噴射型内燃機関は、基本的には圧縮行程で燃
料噴射を行う圧縮行程噴射モードと、吸気行程で燃料噴
射を行う吸気行程噴射モードとを備え、運転状態に応じ
て上記燃料噴射モードを切り換えることで安定した希薄
燃焼を実現している。
【0003】尚、高出力が必要な場合には、前記吸気行
程噴射モードにおいて、空燃比をリーン化した吸気リー
ンモードに代えてストイキオ・フィードバック制御モー
ドを設定することで、更には空燃比を濃厚化してオープ
ンループ制御により燃料噴射するエンリッチモードを設
定することが行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さて前記筒内噴射型内
燃機関に対する上述した複数の燃料噴射モードの切り換
えは、車両の運転状態、具体的にはアクセル操作に伴う
スロットル開度や、そのときのエンジン回転数に応じ
て、例えばマップによって示される所定の選択条件の下
で制御される。更にはブレーキ操作等の運転操作に応じ
て、上記燃料噴射モードを切り換えることも行われる。
【0005】ところで車両における変速機が後進段に設
定されるケースは、専ら車庫入れ時や切り返しによる幅
寄せ操作時である。このような運転状況下では、運転者
によっては頻繁にブレーキ操作したり、またアクセル操
作をタップ的に繰り返すこともある。するとこのような
運転操作に伴い、前述した筒内噴射型内燃機関において
には、その燃料噴射モードの切り換えが頻繁に生じる虞
がある。例えばタップ的に繰り返されるアクセル操作に
伴って圧縮行程噴射モード(圧縮リーン制御モード)
と、吸気行程噴射モード(ストイキオ・フィードバック
制御モード)との切り換えが頻繁に生じることが想定さ
れる。
【0006】ちなみに上述した特殊な運転操作に伴って
燃料噴射モードの頻繁な切り換えが生じた場合、例えば
エンジン回転数の急激な変動に伴う切り換えショックや
騒音・振動が発生したり、更にはエンジン回転数の異常
な低下を招く虞があり、ひいてはドライバビリティ悪化
の要因となることが懸念される。即ち、変速機が後退段
に設定されている場合、そのときの運転操作に伴って燃
料噴射モードの切り換えが頻繁に発生してドライバビリ
ティが悪化する虞がある。
【0007】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、筒内噴射型内燃機関を搭載した
車両において変速機の変速状況に応じた最適な燃料噴射
モードを設定することができ、特に変速機が後進段に設
定されているときにおける燃料噴射モードの不本意な切
り換えをなくして、安定したドライバビリティを確保す
ることのできる車両の制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明は、筒内噴射型内燃機関と、この筒内噴射型
内燃機関の動力を選択的に車輪に伝達する変速機とを備
えた車両において、該車両の運転状態に応じて前記筒内
噴射型内燃機関に対する燃料噴射モードを、圧縮行程で
燃料噴射を行う圧縮行程噴射モード、吸気行程で燃料噴
射を行吸気行程噴射モードとに選択的に切り換える燃料
噴射モード制御手段を備えた車両の制御装置であって、
特に前記変速機の変速段を検出する変速位置検出手段
と、この変速位置検出手段による検出結果に応じて前記
燃料噴射モード制御手段による燃料噴射モードの選択条
件を変更する制御条件変更手段とを具備したことを特徴
としている。
【0009】即ち、変速機の変速段を検出し、その検出
結果に応じて筒内噴射型内燃機関に対する複数の燃料噴
射モードの選択条件を変更することで、変速状況(変速
段)に応じた最適な燃料噴射モードを選択するように
し、例えば不本意な燃料噴射モードへの切り換えを禁止
することによってドライバビリティの向上を図ることを
特徴としている。
【0010】特に請求項2に示すように前記変速機が後
進段に設定されているとき、燃料噴射モードの変更を禁
止することで、ブレーキ操作の繰り返しやアクセルペダ
ルのタップ操作が発生し易い状況下での、燃料噴射モー
ドの切り換わりに起因する騒音や振動の発生をなくした
ことを特徴としている。更には請求項3に示すように燃
料噴射モードを固定的に吸気行程噴射モードに設定する
ことで、エンジン回転数の異常低下を防ぎ、ドライバビ
リティの悪化を防ぐようにしたことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係る筒内噴射型内燃機関を搭載した車両の制
御装置について説明する。先ず図1を参照して筒内噴射
内燃機関の全体的なシステム構成について説明する。図
1において1は自動車用の筒内噴射型ガソリンエンジン
(以下、エンジンと略記す)であり、2はその燃料供給
系、3は吸気系、4は排気系であって、5はEGR(排
気ガス再循環)系である。また6は筒内噴射内燃機関の
全体の制御を司る電子制御ユニット(ECU)である。
【0012】この種のエンジン1は一般的なポート噴射
型のエンジンと異なり、そのシリンダヘッドに点火プラ
グ11と共に電磁式の燃料噴射弁12を取り付けたもの
で、該燃料噴射弁12によって燃焼室内に燃料が直接噴
射されるようになっている。またシリンダに上下摺動自
在に保持されたピストンの頂面には、その圧縮行程の後
期に前記燃料噴射弁12から噴射された燃料噴霧が到達
する部位に位置して、例えば半球状のキャビティが形成
されている。
【0013】更に前記シリンダヘッドには吸気側および
排気側の両カムシャフトの間を抜けるようにして略直立
方向に吸気ポート13が形成されている。この吸気ポー
ト13から燃焼室に導入される吸気流は、該燃焼室内で
の希薄燃料の確実な燃焼を促すための逆タンブル流を発
生させる。また排気ポート14は吸気ポート噴射型エン
ジンと同様に略水平方向に形成されているが、この排気
ポート14の斜め下方には大径のEGRポート15が分
岐して設けられている。尚、図中16はエンジン冷却水
温Twを検出する水温センサであり、17はクランク角
信号SGTを出力するベーン型のクランク角センサであ
る。
【0014】一方、吸気ポート13に接続される吸気系
3は、サージタンク31を有する吸気マニホールドに接
続されたスロットルボディ32やステップモータ式の第
1のエアバイパスバルブ(#1ABV)33等を備えて
いる。この吸気系3には、上記スロットルボディ32を
迂回して前記吸気マニホールドに吸入気を導入する大径
のエアバイパスパイプ34が設けられており、その管路
にはリニアソレノイド式で大型の第2のエアバイパスバ
ルブ(#2ABV)35が設けられている。上記エアバ
イパスパイプ34は、第2のエアバイパスバルブ35の
全開時に、エンジン1の低中速域で要求される量の吸入
気を適宜流通させる役割を担うものである。
【0015】尚、前記スロットルボディ32には、その
流路を開閉するバタフライ式のスロットルバルブ36
や、該スロットルバルブ36の開度θTHを検出するスロ
ットルセンサ、更にはスロットルバルブ36の全閉状態
を検出するアイドルスイッチが設けられる。またこの吸
気系3からの吸入空気量Qaは、例えばその吸気路に設
けたカルマン渦式エアフローセンサにて検出される。
【0016】また前記排気ポート14には、O2センサ
が取付けられた排気マニホールドを介して、三元触媒4
1や図示しないマフラー等が接続されて排気系4が構成
されている。更に前記EGRポート15には、大径のE
GRパイプが接続され、更にステップモータ式のEGR
バルブ51を介して前記吸気マニホールドの上流に接続
されて前記EGR系5が構成されている。
【0017】一方、燃料供給系2は、燃料タンク21に
貯留された燃料を電動式の低圧燃料ポンプ22により吸
い上げて、低圧フィードパイプ23を介してエンジン1
側に送給する低圧フィード系と、この燃料を高圧燃料ポ
ンプ24にて汲み上げ、その燃圧を高めて高圧フィード
パイプ25,更にはデリバリパイプを介して前記燃料噴
射弁12に送給する高圧フィード系とにより構成され
る。尚、低圧フィードパイプ23内における供給燃料の
圧力(燃圧)は、第1の燃圧レギュレータ24により比
較的低圧(低燃圧)に保たれ、またデリバリパイプ内に
おける燃圧は、第2の燃圧レギュレータ26によって比
較的高圧(高燃圧)に調圧される。
【0018】ところで前記エンジン1の総合的な制御を
司る電子制御ユニット(ECU)6は、図示しない入出
力装置,制御プログラムや制御マップ等を記憶した記憶
装置(ROM,RAM等),中央処理装置(CPU),
タイマカウンタ等を備えて構成される。そしてECU6
は前述した各種のセンサ類からの検出情報を入力し、後
述する燃料噴射モードや燃料噴射量を始めとして、点火
時期やEGRガスの導入量等を決定して燃料噴射弁12
や点火コイル11,EGRバルブ51等をそれぞれ駆動
制御する。またこのECU6には、図示しない多数のス
イッチやその他のセンサ類が接続されると共に、各種警
告灯や機器類等が接続される。
【0019】上述した如く構成される筒内噴射内燃機関
(エンジン)1における基本的なエンジン制御について
簡単に説明すると、その始動時にはエンジン1が冷機状
態にあって燃料の気化率が低く、しかも燃圧も低いの
で、先ずECU6の制御の下で比較的リッチな空燃比と
なるように燃料の噴射制御が行われる。この始動時には
第2のエアバイパスバルブ35が閉鎖しており、燃焼室
への吸入気はスロットルバルブ26の隙間や第1のエア
バイパスバルブ33を介して供給される。
【0020】始動が完了してエンジン1がアイドル運転
を開始すると、高圧燃料ポンプ24が定格の吐出作動を
始めるので、これを受けて燃料噴射弁12に高圧の燃料
を供給する。そしてエンジン冷却水温Twが所定値に上
昇するまで、その始動時と同様に燃料を噴射してリッチ
な空燃比を確保する。その後、所定の燃焼サイクルが経
過してO2センサが活性化された場合、前記ECU6の
制御の下で前記O2センサの出力に応じた空燃比フィー
ドバック制御を開始し、有害排出ガス成分を三元触媒4
1により浄化させる。つまり冷機時においては吸気ポー
ト噴射型エンジンの場合と略同様の燃料噴射制御が行わ
れる。
【0021】さて上述したエンジン1の暖機が終了する
と、ECU6は吸入空気量Qa、またはアクセル開度θ
TH等から得た目標平均有効圧Peとエンジン回転速度Ne
とに基づき、例えば図2に示す燃料噴射制御マップを参
照して現在の燃料噴射制御領域を検索する。そして該マ
ップによって示される燃料噴射モード、および燃料噴射
量と燃料噴射時期とをそれぞれ決定して燃料噴射弁12
を駆動する。更にはこれに関連して第1および第2のエ
アバイパスバルブ33,35やEGRバルブ51の開閉
制御等を行う。尚、当然のことであるが、燃料噴射量は
燃料噴射弁12の開弁時間幅によって決定される。
【0022】上記燃料噴射モードについて説明すると、
アイドル運転時や低速走行時等の低負荷域においては、
図2の燃料噴射制御マップに示されるように圧縮リーン
域となるため、ECU6は圧縮行程噴射モードを選択す
る。この圧縮行程噴射モード時には第2のエアバイパス
バルブ35を開放し、リーンな平均空燃比(例えば30
〜40程度)となるように燃料を噴射する。この時点に
おいては既に燃料の気化率が上昇している。しかして圧
縮行程において噴射された燃料の噴霧は上死点に移行す
るピストンに衝突し、キャビティの湾曲面に沿って点火
プラグ11の周辺に導かれる。この結果、その点火時点
には点火プラグ11の周囲に理論空燃比近傍の混合気が
層状に形成されることになり、全体としてリーンな空燃
比であっても確実な着火が可能となる。つまり希薄燃焼
が実現される。尚、この制御領域においてはEGRバル
ブ51を開放し、燃焼室内に大量(例えば30%以上)
のEGRガスを導入することによりNOxの大幅な低減
が図られる。
【0023】これに対して定速走行時等の中負荷域で
は、その負荷状態やエンジン回転速度Neに応じて図2
のマップに示す吸気リーン域、或いはストイキオフィー
ドバック域となる。従ってこの場合には、ECU6の制
御の下で吸気行程噴射モードを選択し、所定の空燃比と
なるように燃料を噴射する。即ち、吸気行程噴射モード
の吸気リーン域にあっては、比較的リーンな空燃比(例
えば20〜23程度)となるように第1および第2のエ
アバイパスバルブ33,35の開弁量と燃料噴射量とを
制御する。またストイキオフィードバック域では、第2
のエアバイパスバルブ35とEGRバルブ51とを開閉
制御して、O2センサによる検出結果に応じて空燃比の
フィードバック制御を行う。
【0024】この場合、吸気ポート13から流入した吸
気流が形成する逆タンブル流によって点火プラグ11の
近傍に燃料噴霧が運ばれるので、全体的にリーンな空燃
比でも確実な着火が可能となる。またストイキオフィー
ドバック域では、その有害排ガス成分を三元触媒41に
より浄化すると共に、EGRバルブ51を制御して燃焼
室内に適量のEGRガスを導入し、有害排ガスとして発
生するNOx等の低減が図られる。
【0025】一方、急加速時や高速走行時等の高負荷域
にあっては、図2に示すオープンループ制御域となる。
この場合、ECU6はエンリッチモードを選択して第2
のエアバイパスバルブ35を閉鎖し、アクセル開度θTH
やエンジン回転速度Ne等に応じて比較的リッチな空燃
比となるように燃料を噴射する。尚、中高速走行中の惰
行運転時は図2に示す燃料カット域となる為、ECU6
では燃焼室への燃料噴射を停止する。この燃料カットは
エンジン回転速度Neが復帰回転速度より低下した場合
や、アクセルペダルが踏み込まれた際、即座に中止され
る。
【0026】さて本発明に係る車両の制御装置が特徴と
するところは、上述したように筒内噴射型内燃機関(エ
ンジン)1に対する複数の燃料噴射モードを、車両の運
転状態に応じて選択的に切り換える機能を備えたもの
で、更に該車両に設けられた変速機の変速段(変速位
置)を検出して上記燃料噴射モードの選択条件を変更す
る手段を備えた点にある。
【0027】即ち、図3にその概念を示すように、前記
ECU6が持つ機能の1つとして実現されて、エンジン
1の回転数Neやアクセル開度θTH、更にはブレーキス
イッチの情報から車両の運転状態を検出して複数の燃料
噴射モードを選択的に切り換える上記燃料噴射モード制
御部61に、変速機7の変速段を検出する変速位置検出
機能62、更に変速位置の検出結果に従って前記燃料噴
射モードの選択条件を変更する制御条件変更機能63を
設けたことを特徴としている。尚、EGR制御機能64
は、燃料噴射モードの切り換えに伴う燃焼条件の移行の
円滑化を担うものであり、また噴射モード選択マップメ
モリ65は、前述した運転状態や変速機7の変速段に応
じた噴射モードの切り換え条件を記憶したものである。
【0028】即ち、燃料噴射モード制御機能61は、基
本的にはエンジン1の回転数Neと前記スロットルセン
サによって検出されるアクセル開度θTHとに従って噴射
モード選択マップメモリ65を参照し、該エンジン1に
対する前述した複数の燃料噴射モードを選択的に設定す
る。そして燃料噴射モードを変更する際、適宜前記EG
R制御機能64を作動させて燃焼条件を調整し、燃料噴
射モードの円滑な切り換えを実現する。
【0029】一方、変速位置検出機能62は、前記変速
機7の変速位置(変速段)を検出しており、例えば後退
段の設定が検出されたとき、制御条件変更機能63を作
動させて前記燃料噴射モード制御機能61による燃料噴
射モードの選択条件を変更している。具体的には、変速
機7の特定の変速段(変速位置)が検出されたとき、前
記噴射モード選択マップメモリ65によって示される噴
射モードの切り換え条件(マップ)を変更したり、或い
は現在実行中の燃料噴射モードの変更を禁止したり、更
には燃料噴射モードを固定的にストイキオ・フィードバ
ック制御モードに設定する等のモード選択条件の変更を
行う。
【0030】より具体的に上述した燃料噴射モードの選
択と、変速機7を後退段に設定したときの選択条件の変
更について説明すると、例えば図4に示すようにその制
御が実行される。即ち、運転条件に応じた燃料噴射モー
ドの選択制御は、基本的には図4に示すように、先ずエ
ンジン回転数Neおよびアクセル・ポジショニング・セ
ンサ(APS)の出力からそのアクセル開度θTHを検出
することから開始される[ステップS1]。この際、A
T通信のシフト情報および変速機7から得られるシフト
情報を同時に検出する。尚、上記AT通信のシフト情報
は、そのフェイル時、変速機7の変速位置が前進位置以
外の位置、つまりパーキング,ニュートラルまたは後退
の位置(P,N,R)にあることを示すものである。また
変速機7から得られるシフト情報は、エンジン1の回転
力を車輪に伝達している状態、つまり前進または後退位
置(D,R)にあることを示すものである。
【0031】以上のようにして運転状態を検出したなら
ば、次に変速機7が後退段(後退位置R)に設定されて
いるかを判定するべく、前記変速機7からのシフト情
報、およびAT通信情報の有無をそれぞれ判定する[ス
テップS2,S3]。そして変速機7からのシフト情報
(D,R)が検出されており、且つAT通信のシフト情
報(P,N,R)も検出されているとき、これを前記変速
機7が後退段(R)に設定されていると判定する。
【0032】尚、上記各信号が同時に検出されない場合
には、変速機7が前進段(D)またはニュートラル
(N)或いはパーキング(P)に設定していると判定さ
れる。具体的には変速機7からのシフト情報(D,R)
だけが検出され、AT情報(P,N,R)が出力されてい
ない場合には前進段(D)、また変速機7からのシフト
情報(D,R)がない場合には、ニュートラル(N)ま
たはパーキング(P)であると判定する。そしてこれら
の後退段(R)でない場合には、前述したエンジン回転
数Neやアクセル開度θTHに従い、例えば前述した図2
に示すマップ情報に従って、そのときの運転状態に適し
た燃料噴射モードを選択設定する[ステップS4]。
【0033】ちなみにこの燃料噴射モードの選択設定に
より、軽負荷状態の圧縮行程噴射モードが選択された場
合には、圧縮リーン制御を実行する[ステップS5]。
また中負荷状態での吸気行程噴射モードが設定された場
合には、そのときの運転状態に応じて吸気リーン制御や
ストイキオ・フィードバック制御を実行する[ステップ
S6,S7]。尚、そのときの運転状態によっては、前
述したオープンループ制御の下でのエンリッチモードに
よるエンジン1の運転や、逆に燃料カットモードによる
運転制御を行う場合も勿論あり、その制御は筒内噴射型
内燃機関(エンジン)1に対する通常の燃料噴射モード
の制御として実行される。
【0034】さて前述した判定処理[ステップS2,S
3]において、前記変速機7が後退段(R)に設定され
ていると判定された場合、前述した制御条件変更機能6
3の制御の下で先ずEGR制御機能64が駆動され、残
留EGRに起因する燃焼悪化を回避するべくEGRカッ
トが実行される[ステップS8]。そしてEGRカット
後、所定の時間(所定のエンジンサイクル)を経た後
[ステップS9]、そのときの運転状態に応じてストイ
キオ・フィードバック制御を実行する[ステップS1
0]。即ち、ストイキオ・フィードバック制御モードを
固定的に設定することで、前述した図2に示す制御マッ
プに拘わることなくストイキオ・フィードバック制御を
実行する。
【0035】そしてこの場合には、前述したステップS
1の処理と同様に運転状態を検出しながら[ステップS
11]、前記変速機7からのシフト情報(D,R)が検
出されるか否かを判定する[ステップS12]。そして
上記シフト情報(D,R)が検出されている間は、変速
機7の変速位置が変更されていないことが示されるの
で、前記ステップS10に示されるストイキオ・フィー
ドバック制御を継続的に実行する。また前記シフト情報
(D,R)が消滅したとき、これを変速位置が変更さ
れ、前述したようにニュートラル(N)またはパーキン
グ(P)に設定されたと判定して[ステップS12]、
前述したステップS4に示す運転状態判定処理に復帰す
る。
【0036】即ち、本発明に係る燃料噴射モードの選択
的な設定制御においては、変速機7が特定の変速段、特
に後退段(R)に設定されたとき、前述した図2に示す
制御マップに従うことなしにストイキオ・フィードバッ
ク制御のモードを固定的に設定し、該後退段の設定が解
除されるまでその燃料噴射モードを変更することなしに
上記ストイキオ・フィードバック制御を実行するものと
なっている。
【0037】かくして上述した如く燃料噴射モードを選
択的に設定する燃料噴射モード制御部61において、特
に変速機7の変速位置に応じて燃料噴射モードの選択条
件を変更し、例えば後退段(R)が設定されたときにス
トイキオ・フィードバック制御を固定的に設定する本装
置によれば、ブレーキ操作が頻繁に生じ、またアクセル
操作がタップ的に繰り返されるような後退時にであって
も、その燃料噴射モードが頻繁に変更されることがなく
なる。つまりアクセルペダルのタップ的な踏み込みに伴
って、圧縮リーン制御とストイキオ・フィードバック制
御とが交互に、しかも頻繁に繰り返されることがなくな
る。この結果、燃料噴射モードの切り換え頻度を低減
し、燃料噴射モードの切り換えに伴う振動・騒音の発生
を抑えることが可能となる。更には燃料噴射モードが固
定的に設定されるので、燃料噴射モードの頻繁な切り換
えに伴うエンジン回転数の異常低下を防ぐことができ、
ドライバビリティの悪化を防止することが可能となる。
【0038】また本発明に係る制御をエンジンの運転が
アイドル状態等の低負荷運転時において実施することに
より、特に切り換え時のショックが運転者に伝わり易い
状態での運転モードの頻繁な切り換えを防止することが
でき、ドライバビリティの悪化を防止することができ
る。更にはスロットル弁下流の負圧をブレーキの倍力装
置に利用するものにあっては、頻繁なブレーキ操作に伴
う上記負圧の低下が懸念されるが、前述したように運転
モードをストイキオフィードバック制御に固定すること
により、その吸気負圧を増大させることができる。この
結果、ブレーキ負圧の低下を防止し、ブレーキの確実な
作動を保証することが可能となる。
【0039】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではない。例えば変速機7の後退段を検出するこ
とのみならず、前進段をドライブ(D),1速,2速に分
けて検出し、1速,2速の場合にはストイキオ・フィー
ドバック制御モードやオープン・ループ制御によるエン
リッチモードを固定的に設定するようにしても良い。更
には燃料噴射モードの切り換え条件を示す図2に示す如
きマップを複数種類準備し、変速機7の変速位置に応じ
てこれらのマップを切り換え使用することも可能であ
る。このようにすれば変速位置と運転状態に応じた最適
な燃料噴射モードの選択制御が可能となる。
【0040】更には変速位置としてパーキング(P)や
ニュートラル(N)が検出された場合、燃料噴射モード
を圧縮リーンモードに固定的に定めてアイドル状態を設
定するようにすることも可能である。また実施形態では
変速機7からのシフト情報とAT通信情報とを用いて変
速機7の変速位置を検出したが、該変速機7に組み込ん
だスイッチ(センサ)を用いて、その変速位置を直接的
に検出するようにしても良い。その他、本発明はその要
旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができ
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
両の運転状態に応じて筒内噴射型内燃機関に対する燃料
噴射モードを、圧縮行程で燃料噴射を行う圧縮行程噴射
モードと、吸気行程で燃料噴射を行吸気行程噴射モード
とに選択的に切り換える燃料噴射モード制御手段を備え
た車両の制御装置において、該車両における変速機の変
速段を検出し、この検出結果に応じて前記燃料噴射モー
ド制御手段による燃料噴射モードの選択条件を変更する
制御条件変更手段を備えているので、前記変速機の変速
段に応じた適切な燃料噴射モードを設定することがで
き、例えば不本意な燃料噴射モードへの切り換えを禁止
することによってドライバビリティの向上を図ることが
できる。
【0042】特に請求項2に示すように前記変速機が後
進段に設定されているとき、燃料噴射モードの変更を禁
止することで、ブレーキ操作の繰り返しやアクセルペダ
ルのタップ操作が発生し易い状況下での、燃料噴射モー
ドの切り換わりに起因する騒音や振動の発生をなくすこ
とができ、更には請求項3に示すように燃料噴射モード
を固定的に、例えば吸気行程噴射モードに設定すること
で、エンジン回転数の異常低下を防ぎ、ドライバビリテ
ィの悪化を防ぐことができる等の実用上多大なる効果が
奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】筒内噴射型内燃機関の全体的なシステム構成
図。
【図2】筒内噴射型内燃機関における複数燃料噴射モー
ドの制御域の例を示す図。
【図3】本発明の一実施形態に係る内燃機関の燃料制御
装置の概略的な機能構成図。
【図4】本発明の一実施形態における燃料噴射制御モー
ドの切り換え制御の流れを示す図。
【符号の説明】
1 筒内噴射型ガソリンエンジン 2 燃料供給系 3 吸気系 4 排気系 5 EGR系 6 電子制御ユニット(ECU) 7 変速機 61 燃料噴射モード制御部 62 変速位置検出機能 63 制御条件変更機能 64 EGR制御機能 65 噴射モード選択マップメモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 41/34 F02D 41/34 F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒内噴射型内燃機関と、この筒内噴射型
    内燃機関の動力を選択的に車輪に伝達する変速機とを備
    えた車両において、 前記車両の運転状態に応じて前記筒内噴射型内燃機関に
    対する燃料噴射モードを、圧縮行程で燃料噴射を行う圧
    縮行程噴射モード、吸気行程で燃料噴射を行吸気行程噴
    射モードとに選択的に切り換える燃料噴射モード制御手
    段と、前記変速機の変速段を検出する変速位置検出手段
    と、この変速位置検出手段による検出結果に応じて前記
    燃料噴射モード制御手段による燃料噴射モードの選択条
    件を変更する制御条件変更手段とを具備したことを特徴
    とする車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御条件変更手段は、前記変速機が
    後進段に設定されていることが前記変速位置検出手段に
    より検出されたとき、燃料噴射モードの変更を禁止する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御条件変更手段は、前記変速機が
    後進段に設定されていることが前記変速位置検出手段に
    より検出されたとき、燃料噴射モードを吸気行程噴射モ
    ードに変更することを特徴とする請求項1に記載の車両
    の制御装置。
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