JPH10298986A - 鋼管アンカーの設置方法及び同用爆薬 - Google Patents

鋼管アンカーの設置方法及び同用爆薬

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JPH10298986A
JPH10298986A JP12782497A JP12782497A JPH10298986A JP H10298986 A JPH10298986 A JP H10298986A JP 12782497 A JP12782497 A JP 12782497A JP 12782497 A JP12782497 A JP 12782497A JP H10298986 A JPH10298986 A JP H10298986A
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explosive
steel pipe
ground
anchor
disk
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JP12782497A
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Hideaki Kikuchi
秀昭 菊地
Yasuo Hiruma
靖男 蛭間
Masato Araki
正任 荒木
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Asahi Electric Works Ltd
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STAR SHIP KK
Asahi Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な工法で、索状物の繋留による大きな
引き抜き応力や横方向の応力に抗し得る鋼管アンカーの
設置方法、及びそれに用いる爆薬を得る。 【解決手段】 掘削した孔に挿入した鋼管の略底面
に、円板状爆薬1の周辺にくさび型の窪みを設け、要す
れば金属ライナー2を装着したものを設置し、円板状爆
薬1の中心に設置した起爆用雷管5を起爆して、円板状
爆薬1を中心から周囲に向かって放射状に爆発させ、金
属ジェット2a及び又は爆発圧力を鋼管の長手軸に対し
て直角な方向に指向して投射し、円板状爆薬の設置位置
に正対する位置の鋼管を破断させて地盤または岩盤に木
の根状に広がらせるか、爆薬の設置位置を中心として鋼
管の径を拡大させて地盤または岩盤に密着させ、要すれ
ば鋼管と孔の間の空間及び鋼管の中にコンクリートを流
し込んで充填し、アンカーとする方法及びそれに用いる
円板状爆薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、爆薬の爆発圧力を
利用して、高い耐引き抜き力を有するアンカーを容易に
設置する方法及び同用爆薬に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば送電線鉄塔やロープウェイのロー
プ繋留物のように、構築物そのものにかかる以外の大き
な外力がかかる構築物に於いては、構築物を地盤や岩盤
に固定するための基礎を、単に構築物を地上に静置して
所定の角度に安定させるだけでなく、大きな外力に伴う
引き抜き力などに抗することが可能なように、地中に杭
状物を打ち込んで固定することが行われていた。杭状物
の打ち込み方法としては、小型のものに於いては機械的
な打撃力によって杭状物を打ち込み、大型のものに於い
ては予め杭の外径に相当する孔を掘り、杭を挿入してか
らコンクリートを流し込む等して固定したり、孔中に鉄
筋を挿入してからコンクリートを流し込んで、孔形状に
添った鉄筋コンクリート製の杭とすることが行われてい
た。更に、岩盤等杭の打ち込みが困難であったり、山間
僻地などで重機械類の使用が困難で、孔の掘削が事実上
出来ない場合などは、充分に質量のある重量物を地上に
置いてアンカーとし、ケーブルを直接重量物に繋留する
ことなどが行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法による場
合、次のような問題点がある。 (1)杭を機械的な打撃力によって打ち込む場合及び予
め孔を掘っておいて杭を埋設したり、コンクリートを流
し込んで杭とする場合共に、杭が大型であったり、地盤
や岩盤が強固で人力では打ち込めない場合、施工地が重
機械類の持込みが困難な山間僻地では、膨大な人力によ
る作業が必要となり、技術的、経済的にも困難を極め
る。
【0004】(2)上記のような場合、当然充分に質量
のある重量物をアンカーとして使用することも考えられ
るが、その場合でも重量物を搬入することに多くの技術
力や労力を要し、従って経済的負担も大となっていた。
本発明は、これらの問題点に鑑み、山間僻地でも繋止力
の高いアンカーを容易に得られることを課題として解決
に当たった。
【0005】
【問題を解決するための手段】発明者等は、上記課題を
解決する手段を理論、実験の両面から検討した結果、以
下の結論に達した。 (1)主として索状物の繋留に使用されるアンカーと
は、具体的には送配電線を架設するための鉄塔や、各種
搭状物や柱状物をケーブルなどの索状物や金属棒等(以
下ケーブル等)によって周囲から繋留支持するためのも
のがある。
【0006】(2)それらの特徴は、送配電線用鉄塔の
場合には、架線や鉄塔の重量が基礎に負荷され、地表か
ら見て下の方にかかる荷重もあるが、強風などによって
鉄塔や架線に空気力が負荷されると、鉄塔に対して側面
方向へ大きな荷重がかかり、アンカーに対しては、地表
に対して斜め方向への荷重成分、ひいてはその分力とし
ての引き抜き力が負荷される。
【0007】(3)更に索状物を直接繋留するためのア
ンカーについては、負荷応力は殆ど地表に対して上方に
かかり、殆どの場合引き抜き力として作用する。
【0008】(4)上記(1)〜(3)により、本発明
を解決する手段としては、如何にして簡便に引き抜き力
に対して有効なアンカーを提供するかに集約できる。
【0009】(5)従来のアンカーは、主として地盤中
或は岩盤中に打ち込まれた、或は設置された杭状物と地
盤或は岩盤との摩擦力に頼って上記引き抜き応力に耐え
ていた。
【0010】(6)地盤或は岩盤に孔を掘削し、コンク
リートを流し込んでアンカーとする場合は、孔内面の凹
凸が摩擦力を著しく高める効果を提供する場合もあった
が、構造的に耐引き抜き力を強化するほどのものではな
かった。
【0011】(7)更に孔中に爆薬を仕掛けて爆発さ
せ、その部分の孔径を大きくして、後にコンクリートを
流し込んだ場合、その部分のコンクリート杭径が大きく
なることから耐引き抜き力を強化できるという効果を期
待した着想もあったが、爆薬は主として孔中に表面の大
きな部分を空気で囲まれた状態で爆発するため、爆発効
果が低く、充分な効果が得られなかった。
【0012】(8)本発明に於いては、孔に鋼管を挿入
し、鋼管中の特定の位置に特定の形状の爆薬を設置して
爆発させることにより、指向性の金属ジェット及び又は
爆発圧力を鋼管の内壁に集中的に作用させ、鋼管が拡張
しつつ破断してあたかも木の根が広がったように地盤或
いは岩盤中に食い込み、或いは爆発圧力によって鋼管が
拡張し孔壁に密着するため、鋼管をアンカーとしてケー
ブル等を接続した際に高い耐引き抜き力が得られる。
【0013】(9)特定の位置とは、まず鋼管の略底部
であり、1箇所のみで爆発させる場合、他の場所に優先
して実施することが必要となる。その理由は、仮に鋼管
の中間部のみで実施した場合、鋼管が破断した場合はそ
の位置から下の部分はアンカーとして全く効果を示さな
いし、破断しないで単に拡張した場合でも、拡張した部
分より下の部分は同じくアンカーとしての効果が期待で
きず、必要以上に深い孔を掘ったことと、長い鋼管を使
用したことが無駄になるからである。
【0014】(10)また、孔底部に設けた膨らみ部、
或いは破断して木の根のように拡張した部分だけでは、
要求される耐引き抜き力が不十分であり、鋼管の抗張力
が引き抜き力に対して十分に耐えられるものであること
が判明している場合、孔の底部だけでなく、中途部に1
個以上の膨らみを設けることも可能である。
【0015】(11)そのような必要がある場合、どの
ような位置にどのようにして膨らみを設けるべきかは、
このような技術に知識のある当業者であれば、本特許明
細書の実施例等を参考にして容易に判断できる。
【0016】(12)本発明の実施に供する特定の形状
の爆薬とは、2種類考えられ、1つは円板状爆薬で円板
の側面に当たる部分にくさび型の窪みを設け、それに密
接してくさび型の窪みに添った金属板を接着したもので
あり、使用する爆薬の性質は、出来るだけ密度が高く、
好ましくは密度が1.0g/cm3 以上であり、同時に
爆発速度が高いもので、好ましくは爆発速度が4,00
0m/秒以上であることが適当である。ただし、本発明
の範囲を限定するものではない。
【0017】(13)また、上記円板状爆薬を爆発させ
る場合は、円板の中心から起爆することが適当である。
【0018】(14)円板状爆薬のくさび型窪みに密接
させる金属板は、軽金属は不適であり、少なくとも密度
が4.0g/cm3 以上の金属を用いることが適切であ
る。ただし、地盤や岩盤中に残存することが好ましくな
い鉛等の有害な重金属は除くが、一般的には鉄や銅を主
成分とする金属を使用することが妥当である。
【0019】(15)上記くさび状窪みの角度は、一般
的には60゜から90゜の間で選べばほぼ良好な結果が
得られるが、これも本発明の範囲を限定するものではな
い。
【0020】(16)金属板の厚みは、爆薬の寸法や形
状及び金属板の材質と密接な関係にあり、一概に規定す
ることは出来ない。ただし、爆薬の使用に知識のある当
業者であれば、本発明明細書の実施例を参考にして、容
易に適当な厚みの金属板を選定できる。
【0021】(17)上記の形状と特性を有する円板状
爆薬を、円の中心から起爆すると、爆発は周辺に向かっ
て放射状に進行し、爆薬側面に密接した金属板に到達す
ると、金属板の向い合った面が衝突し、金属ライナーは
溶融状態となって爆発の進行方向に爆薬の爆発速度に近
い高速で噴出する。その金属ジェット鋼管の内壁に衝突
すると、金属ジェットの後に続く指向性の爆発衝撃と相
俟って、衝突部分の鋼管を破断しつつ径を拡張し、地盤
或いは岩盤を拡張しながらそれらに密着して、鋼管を地
盤或いは岩盤に強固に食い込ませてあたかも木が根を張
ったようにして固定する。
【0022】(18)ただし、鋼管の厚みに較べて、金
属ジェットの強度が弱い場合は、鋼管を破断するには至
らず、内壁を傷付けつつ作用部分の径を拡大するに止ま
るが、特定形状の爆薬を使用することによって、金属ジ
ェットの衝突衝撃と指向性の爆発圧力が作用するため、
通常の球形や円柱形の爆薬が爆発した場合に較べて鋼管
の部分的な径の拡大量は大きく、アンカー効果は大とな
る。
【0023】(19)本発明の実施に供する特定の形状
の爆薬の2番目のものは、上記の円板状爆薬と等しい形
状を有するが、金属ライナーを備えない爆薬である。こ
の爆薬の作用は、上記の円板状爆薬と類似するが、金属
ライナーを備えないため、当然金属ジェットは発生しな
い。従って、通常の球形や円柱形の爆薬が爆発した場合
と異なる点は、爆発圧力がくさび型の窪みの方向に指向
することだけである。しかし、それにより、鋼管の拡大
量は通常の爆薬が爆発した場合より大きくなり、アンカ
ー効果は大となる。
【0024】(20)円板状爆薬の威力を増加し、金属
ジェットや指向性の爆発圧力の効果を高めるには、円板
状爆薬の上面及び下面を金属板や金属粉体を焼結した板
で覆って、爆発速度が減衰しないようにすることが好ま
しいが、円板状爆薬の上側では、金属板が孔から飛び出
して人畜に危害を加える恐れがあることから、爆発衝撃
によって粉砕される焼結金属が好ましい。また、金属板
に替えてセラミック板を使用しても差し支えない。
【0025】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づ
き図面を参照して説明する。図1は本発明に用いる金属
ライナーを側面に備える円板状爆薬の断面図で、1は円
板状爆薬、2は金属ライナー、3は円板状爆薬の上面を
覆う金属板、4は円板状爆薬の下面を覆う金属板、5は
起爆用雷管、6で示される円は、後に図3で同部分まで
爆発が進んだ場合の状況を拡大して示すために位置を特
定するためのものである。
【0026】ここで留意すべき事項として、既に述べた
ように円板状爆薬1は金属ライナー2を高速の金属ジェ
ットにするためには、少なくとも爆発速度が4,000
m/秒以上、好ましくは5,500m/秒以上であるこ
とが望ましい。また、円板状爆薬の上面を覆う金属板3
は、後に示す図4から明らかなように、爆発に対して破
砕しない材料であると、地表に略垂直に掘った孔から上
方に飛び出して危険であるため、鉄粉や銅粉を焼結した
材料として、爆発によって細かく粉砕され、飛び出して
も危険がない材料とすることが好ましい。ただし、本発
明による円板状爆薬を鋼管の終端近くに設置した後に土
砂で埋める等の安全措置を施した場合はその限りではな
い。
【0027】また、円板状爆薬1の下面を覆う金属板4
は、明らか鋼管の下方に投射され、鋼管から飛び出す可
能性は殆どないため、一般的な金属板、例えば鋼板や銅
板でも差し支えない。可能性としては、アルミニウム板
も使用可能であるが、円板状爆薬の上面とか面を覆う金
属板は、爆薬が爆発する際の威力を維持するためのもの
であるため、出来るだけ密度が高いものであることが好
ましく、その意味では経済的な問題を除けば、タングス
テンやタンタル或いは超硬合金等の高密度金属も使用し
得る。更に、地中に残存することが望ましくないなどの
理由で、金属板の使用が好ましくない場合は、金属板の
代りにセラミックを使用してもよいし、爆薬の性能を多
少犠牲にして、円板状爆薬の上下面を覆う材料を使用し
なくてもよい。
【0028】金属ライナー2の材質についても、円板状
爆薬の上下面を覆う材料と殆ど同じ材料でよく、その厚
さや形状については、後に示す実施例を参考にすれば、
爆薬を使用して各種の作業を行うことに知識のある当業
者であれば、容易に設定することが出来るが、金属ライ
ナーの向い合った面のなす角度は、90゜から30゜の
間で設定することが適当である。
【0029】図2は図1を上方から見た図で、各部品は
図1に示した番号に「’」を振って示してある。図から
明らかなように、起爆用雷管5’は円板状爆薬1’の中
心部に設置してあるため、雷管5’によって起爆される
と、中心から周囲に向かって放射状に同心円の爆轟波に
よって爆発し、最終的には図では隠れて見えない金属ラ
イナーに到達する。
【0030】図3は円板状爆薬1”の爆発が金属ライナ
ー2”に到達した際の金属ライナー2”の変形を示すと
共にそれに伴って発生する金属ジェット2a”が爆発進
行方向と反対側に高速で飛翔する状態を示す断面図であ
る。この金属ジェット2a”によって鋼管が破断し、或
いは鋼管の強度に較べて金属ジェットの強度が不十分な
場合には衝突した部分を中心として、鋼管の径が拡大す
る。各部品の番号は、図2と同様に図1の対応する部品
の番号に「”」を振って示してある。
【0031】図4は、本発明による金属ライナーを備え
た円板状爆薬7を、地表に対して略垂直に地盤または岩
盤8に掘った孔に挿入した鋼管9の終端近くに設置した
状況を示す断面図であり、この状況で円板状爆薬7を爆
発させると、図3で説明したように金属ジェットが発生
して、鋼管の長手軸に対して直角方向に飛翔し、衝突部
分で鋼管が破断し、或いは鋼管の強度に較べて金属ジェ
ットの強度が不十分な場合には衝突した部分を中心とし
て、鋼管の径が拡大する。
【0032】図5は、本発明による円板状爆薬が爆発し
た結果、鋼管9’が破断して破断部の端が拡張した結
果、地盤または岩盤8’中に鋼管が木の根を張ったよう
になった状況を示す断面図である。図5は断面図である
ため、紙面に平行に左右に伸びている状況しか示されて
いないが、図5の鋼管9’の拡大した部分は、鋼管の長
手軸に直角な面では、当然孔を中心として放射状、或い
は同心円状に広がっている。
【0033】図6は、本発明による円板状爆薬が爆発し
た結果、金属ジェットが弱いか、円板状爆薬の側面の窪
みに金属ライナーを備えないため、鋼管9”は破断せず
に金属ジェットの衝突した位置、或いは爆発圧力の指向
した位置を中心に拡張した状況を示す断面図である。拡
張部分は1ヵ所のみ図示してあるが、要すれば図示され
た拡張部分と地表との間の任意の位置に爆薬を設置、爆
発させて拡張部分を2ヵ所以上としても差し支えなく、
1ヵ所とするか2ヵ所以上とするかは単に施工設計の問
題である。
【0034】
【実施例】
〈実施例1〉砂礫質の地盤に、直径約140mm、深さ
約1mの孔を掘った。孔に外径114.3mm、肉厚
4.5mm、長さ1,100mm鋼管を挿入し、底から
100mmの位置に円板状爆薬の厚みの中心が位置する
ようにして、直径95mm、厚さ40mm、密度が1.
6g/cm3 、爆発速度が約7,000m/秒の円板状
爆薬で、側面に厚さ3mm、角度が90゜の銅板を密着
して取り付け、爆薬本体の下面には厚さ3.2mmの圧
延鋼板を、上面には100メッシュの篩を通過した鋼粉
をホットプレスで焼結し、中心にφ7mmの孔を設けた
直径φ60mm、厚さ4mmで密度6.2とした板を貼
り付けたものを設置し、孔から爆薬の中心に6号電気雷
管を差し込んで起爆した。
【0035】爆発後に孔を周辺から掘り下げて爆発によ
る効果を確認したところ、鋼管は爆薬の厚さの中心に正
対する位置で破断し、破断部の端は直径約210mm
で、破断部から約300mm上方から破断部に向かって
なだらかに径が広がり、径が広がった部分の孔径より大
きくなった部分では鋼管は地盤に強固に密着していた。
尚、施工をした地盤の性質は、土砂が入り交じった、ス
コップでも掘削可能な土質であった。
【0036】別に同様な円板状爆薬を使い、同様にして
施工した鋼管の上端に厚さ9mm、長さ200mm、幅
100mmでφ40mmの孔を開けた鋼板を対称位置に
2枚溶接し、引き抜き試験用のワイヤ取り付け部とし
た。また、鋼管と地盤に掘った孔の隙間にはコンクリー
トを充填して硬化させ、鋼管のぐらつきによる引き抜き
強度の低下を防止した。
【0037】コンクリートが充分に硬化してから、ワイ
ヤ取り付け部にクレーンのフックにストレインゲージを
備えた計測用機器を介して取り付けたワイヤロープを掛
け、本発明による方法で製作したアンカー用杭の引き抜
き力を測定したところ、1,820kgfの力で抜け
た。
【0038】〈実施例2〉実施例1と同様な実験を行っ
た。ただし、施工をした地盤は、強固な花崗岩からな
り、施工前の孔の掘削と、施工後の調査のための掘り下
げには削岩機を使用した。施工後の調査の結果、鋼管は
爆薬の設置位置を中心として直径約170mmに広がっ
て破断していた。
【0039】実施例1と同様に孔と鋼管の間にコンクリ
ートを流し込み、同様な方法で引き抜き力を測定したと
ころ、2,340kgfであった。尚、何れの実施例に
於いても、爆薬の上方の焼結金属板は細かく破砕して吹
き飛び、人畜に危害を及ぼす兆候は認められなかった。
また、下方の鋼板は、切れ切れの破片となって孔の底に
止まり、これも人畜に危害を及ぼす兆候は認められなか
った。
【0040】〈実施例3〉実施例1と同様な地盤で同様
な実験を行った。ただし、使用した円板状爆薬は実施例
1で使用したものと同様のものから金属ライナーを取り
除いたものとした。施工後の調査の結果、鋼管は爆薬の
設置位置を中心として直径約150mmに広がっていた
が、破断はしていなかった。実施例1と同様に孔と鋼管
の間にコンクリートを流し込み、同様な方法で引き抜き
力を測定したところ、1,280kgfであった。また
実験を繰り返し、孔と鋼管の間及び鋼管内にもコンクリ
ートを流し込んで引き抜き力を測定したところ、1,5
40kgfであった。鋼管内にコンクリートを流し込ん
だために対引き抜き力が向上した理由は、鋼管が変形し
にくくなり、地盤から鋼管が引き抜き力により変形して
引き剥がされることを防止したためと考えられる。
【0041】〈実施例4〉実施例3と同様な実験を行っ
た。ただし、鋼管の底部から100mmの位置に設置し
た金属ライナーを備えない爆薬と同様な爆薬を、鋼管の
下端から500mmの位置に設置し、両方の爆薬を同時
に起爆した。施工後の調査の結果、鋼管は爆薬の下方の
設置位置を中心として直径約150mmに広がり、上方
では爆薬設置位置を中心として直径やく160mmに広
がり、共に破断はしていなかった。実施例1と同様に孔
と鋼管の間にコンクリートを流し込み、同様な方法で引
き抜き力を測定したところ、1,640kgfであっ
た。
【0042】〈比較例1〉実施例1と同様な土質の地盤
で、同様な実験を行った。ただし、爆薬は実施例1で使
用した爆薬と同種の爆薬を球形に成形して同量使用し
た。爆薬を爆発させても鋼管は予め掘った孔に密着して
いなかったため、容易に手で引き抜くことが出来た。鋼
管の拡張部の径を測定したところ、約140mmに拡張
していた。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、地盤が
硬かったり、岩盤があるような場合でも、単に孔を掘削
して鋼管を挿入して爆薬による簡略な施工を施し、要す
ればコンクリートを流し込むだけで強固な耐引き抜き力
を有するアンカーが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する円板状爆薬の断面図である。
【図2】本発明に使用する円板状爆薬の平面図である。
【図3】本発明に使用する爆薬の作用状況を説明するた
めの断面図である。
【図4】本発明による鋼管アンカーの変形状況を説明す
る断面図である。
【図5】本発明による鋼管アンカーの変形状況を説明す
る断面図である。
【図6】本発明による鋼管アンカーの変形状況を説明す
る断面図である。
【符号の説明】
1、1’、1”、1”’ 円板状爆薬 2、2” 金属ライナー 2a” 金属ジェット 3、3’ 円板状爆薬の上面を覆う金属
板 4 円板状爆薬の下面を覆う金属
板 5、5’ 起爆用雷管 6 拡大位置説明用の円 7 円板状爆薬 8、8’、8” 地盤または岩盤 9、9’、9” 鋼管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒木 正任 愛知県半田市岩滑西町2丁目31番地31 株 式会社スターシップ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤もしくは岩盤に基礎として要求され
    る角度で孔を穿ち、概孔に挿入可能な外径の鋼管を挿入
    して、終端部附近に円板状爆薬で円板の側面に当たる部
    分にくさび型の窪みを設けて、要すればそれに密接して
    金属板を接着したものを設置して爆発させ、鋼管の長手
    軸に対して略直角方向に金属ジェット及び爆発圧力を指
    向して投射し、金属ジェット及びまたは爆発圧力が指向
    された部分を中心として鋼管を拡張させるか、切断して
    拡張させ、鋼管を地盤若しくは岩盤に食い込ませてアン
    カーとするか、要すれば孔中にコンクリートを流入固化
    してアンカーとする方法。
  2. 【請求項2】 円板状爆薬で円板の側面に当たる部分に
    くさび型の窪みを設けて、それに密接して金属板を接着
    した、地盤、もしくは岩盤に鋼管のアンカーを設置する
    ための爆薬。
  3. 【請求項3】 円板状爆薬で円板の側面に当たる部分に
    くさび型の窪みを設けた、地盤、もしくは岩盤に鋼管の
    アンカーを設置するための爆薬。
JP12782497A 1997-05-02 1997-05-02 鋼管アンカーの設置方法及び同用爆薬 Pending JPH10298986A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20040019716A (ko) * 2002-08-29 2004-03-06 주식회사 동아기술공사 발파효과에 의한 어스앵커 공법
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