JPH10298232A - エポキシ変性重合体の水性分散液 - Google Patents

エポキシ変性重合体の水性分散液

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JPH10298232A
JPH10298232A JP12291497A JP12291497A JPH10298232A JP H10298232 A JPH10298232 A JP H10298232A JP 12291497 A JP12291497 A JP 12291497A JP 12291497 A JP12291497 A JP 12291497A JP H10298232 A JPH10298232 A JP H10298232A
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JP
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epoxy
polymer
meth
modified polymer
butadiene
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JP12291497A
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English (en)
Inventor
Makoto Mihara
誠 三原
Kouji Shiho
浩司 志保
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Original Assignee
JSR Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度のエポキシ基を含有することができ、
かつエポキシ基が重合体粒子表面に特異的に分布してお
り、分散液としての機械的安定性および塗膜の接着性に
優れたエポキシ変性重合体の水性分散液を提供する。 【解決手段】 共役ジエン化合物を必須構成成分とする
重合体の水性分散液を酸化剤により処理することによっ
て、重合体粒子表面をエポキシ化したエポキシ変性重合
体の水性分散液であって、前記重合体がブタジエンの単
独重合体もしくは共重合体またはイソプレンの共重合体
からなり、エポキシ当量が120〜2000の範囲にあ
ることを特徴とするエポキシ変性重合体の水性分散液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なエポキシ変
性重合体の水性分散液に関し、詳しくは分散液としての
機械的安定性および塗膜の接着性に優れたエポキシ変性
重合体の水性分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、重合体の機械的特性や接着性を改
良するために、重合体に官能基としてエポキシ基を導入
して変性することが行われているが、このようなエポキ
シ変性重合体は、その殆どがグリシジル基を有する単量
体を共重合することにより製造して広く実用に供されて
きた。このようなエポキシ変性重合体を塗料、接着剤等
に使用する場合、揮発性の有機溶剤の溶液として実用に
供されることが多く行われてきたが、公害、有機溶剤中
毒等の問題のため、製品の最終用途に有機溶剤を使用す
るのは好ましくなく、エポキシ変性重合体を水性ラテッ
クス等の水性分散液として使用することが注目されてい
る。従来のエポキシ変性重合体の水性ラテックスは、グ
リシジル基を有する単量体と他の単量体とを水系媒体中
で乳化重合するか、あるいはグリシジル基を有する単量
体の共重合体を水性媒体中に再乳化することにより調製
されてきた。しかしながら、グリシジル基を有する単量
体の乳化重合や、グリシジル基を有する単量体の共重合
体を再乳化する方法では、エポキシ基を共重合体粒子表
面に特異的に分布させることが困難であり、またエポキ
シ基は容易に開環しやすいことから、エポキシ価の高い
共重合体の合成が困難であるとともに、重合安定性が悪
くグリシジル基を有する単量体の使用量も制約されるた
め、所望の物性発現には至っておらず、エポキシ変性重
合体の水性ラテックスにおいて、重合体粒子表面にエポ
キシ基を局在化させることにより、重合体粒子表面に反
応性官能基を有する成分の含有量を多くする技術の開発
が望まれていた。一方、天然ゴムあるいは合成シス−
1,4−ポリイソプレンのラテックスをエポキシ化する
方法が、英国特許第2113692号明細書に開示され
ている。しかしながら、これらのエポキシ変性ポリイソ
プレンラテックスは、機械的安定性および塗膜の接着性
の面で満足できず、また塗膜の機械的強度も不十分であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高濃
度のエポキシ基を含有することができ、かつエポキシ基
が重合体粒子表面に特異的に分布しており、分散液とし
ての機械的安定性および塗膜の接着性に優れたエポキシ
変性重合体の水性分散液を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、共役ジ
エン化合物を必須構成成分とする重合体の水性分散液を
酸化剤により処理することによって、重合体粒子表面を
特異的にエポキシ化したエポキシ変性重合体の水性分散
液であって、前記重合体がブタジエンの単独重合体もし
くは共重合体またはイソプレンの共重合体からなり、エ
ポキシ当量が120〜2000の範囲にあることを特徴
とするエポキシ変性重合体の水性分散液、からなる。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいてエポキシ化される重合体は、ブタジエンの単独重
合体、ブタジエンと他の単量体との共重合体またはイソ
プレンと他の単量体との共重合体からなる。ブタジエン
またはイソプレンと共重合させる他の単量体としては、
例えば、他の共役ジエン、ビニル化合物等を挙げること
ができる。ブタジエンと共重合させる他の共役ジエンと
しては、例えば、イソプレン、1,3−ペンタジエン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、
3−ブチル−1,3−オクタジエン、フェニル−1,3
−ブタジエン等を挙げることができる。これらの他の共
役ジエンは、単独でまたは2種以上を混合して使用する
ことができる。また、イソプレンと共重合させる他の共
役ジエンとしては、例えば、ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピ
ペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、フェニ
ル−1,3−ブタジエン等を挙げることができる。これ
らの他の共役ジエンは、単独でまたは2種以上を混合し
て使用することができる。
【0006】さらに、ブタジエンまたはイソプレンと共
重合させるビニル化合物としては、例えば、スチレン、
α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、p−第3級ブチルスチ
レン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、
p−メトキシスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジ
フェニルスチレン等のビニル芳香族化合物;(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロ
ピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、
(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ラ
ウリル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、ケイ皮
酸メチル、ケイ皮酸エチル等の不飽和モノカルボン酸エ
ステル類;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)ア
クリレート、3,3,3,2,2−ペンタフルオロプロ
ピル(メタ)アクリレート、4,4,4,3,3,2,
2−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート等のフ
ルオロアルキル(メタ)アクリレート類;3−(トリメ
チルシロキサニルジメチルシリル)プロピル(メタ)ア
クリレート、3−〔トリス(トリメチルシロキサニル)
シリル〕プロピル(メタ)アクリレート、ジ−〔3−
(メタ)アクリロイルプロピル〕ジメチルシリルエーテ
ル等の(メタ)アクリロイル基含有シロキサニル化合
物;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、
1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール
等のアルキレングリコールのモノ−またはジ−(メタ)
アクリレート類;2−メトキシエチレン(メタ)アクリ
レート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3
−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−エトキ
シプロピル(メタ)アクリレート等のアルコキアルキル
(メタ)アクリレート類;2−シアノエチル(メタ)ア
クリレート、3−シアノプロピル(メタ)アクリレート
等のシアノアルキル(メタ)アクリレート類;グリセリ
ン、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリストー
ル、トリメチロールアルカン(アルカンの炭素数は、例
えば、1〜3)等の3価以上の多価アルコールのジ−、
トリ−またはテトラ(メタ)アクリレート等のオリゴ
(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル、
α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等の
シアノ化ビニル化合物;(メタ)アクリルアミド、N−
メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレ
ンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビ
ス(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート類;クロトン酸2−ヒドロキシエ
チル、クロトン酸2−ヒドロキシプロピル、ケイ皮酸2
−ヒドロキシエチル、ケイ皮酸2−ヒドロキシプロピル
等の不飽和モノカルボン酸のヒドロキシアルキルエステ
ル類;(メタ)アリルアルコール等の不飽和アルコール
類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等の不
飽和モノカルボン酸類;(無水)マレイン酸、フマル
酸、(無水)イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ポリ
カルボン酸(無水物)類;前記不飽和ポリカルボン酸の
モノ−またはジ−エステル類;(メタ)アリルグリシジ
ルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポ
キシ基含有不飽和化合物のほか、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、イソプレンスルホン酸ナトリウム、ジシクロペンタ
ジエン、エチリデンノルボルネン等を挙げることができ
る。これらのビニル化合物は、単独でまたは2種以上を
混合して使用することができる。
【0007】本発明において、ブタジエンの共重合体お
よびイソプレンの共重合体は、ランダム共重合体でも、
ブロック共重合体でもよい。本発明においてエポキシ化
される重合体としては、ブタジエンの単独重合体、ブタ
ジエンとスチレンとのランダム共重合体、ブタジエンと
(メタ)アクリロニトリルとのランダム共重合体、ブタ
ジエンとスチレンとのブロック共重合体、イソプレンと
スチレンとのランダム共重合体、イソプレンと(メタ)
アクリロニトリルとのランダム共重合体、イソプレンと
スチレンとのブロック共重合体のほか、ブタジエンとイ
ソプレンとの共重合体が好ましい。ブタジエンとイソプ
レンとの共重合体は、場合によりスチレン、(メタ)ア
クリロニトリル等のビニル化合物を含有することもでき
る。
【0008】ブタジエンの共重合体におけるブタジエン
の含有率およびイソプレンの共重合体におけるイソプレ
ンの含有率は、通常、0.5〜99.5重量%、好まし
くは1〜95重量%、さらに好ましくは5〜90重量%
である。また、ブタジエンとイソプレンとの共重合体に
おいて、ブタジエンの含有率は、通常、0.5〜99.
5重量%、好ましくは1〜95重量%、さらに好ましく
は5〜90重量%であり、イソプレンの含有率は、通
常、0.5〜99.5重量%、好ましくは1〜95重量
%、さらに好ましくは5〜90重量%であり、場合によ
り使用されるビニル化合物の含有率は、通常、0〜99
重量%、好ましくは0〜95重量%、さらに好ましくは
0〜90重量%である。本発明におけるブタジエンの単
独重合体もしくは共重合体およびイソプレンの共重合体
の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜5,00
0,000、特に好ましくは5,000〜500,00
0である。
【0009】本発明においてエポキシ化される重合体の
水性分散液は、例えば、原料単量体の水性媒体中におけ
る通常の乳化重合、懸濁重合、分散重合等により製造す
ることができるが、それ以外に原料単量体の通常の溶液
重合により製造した重合体溶液を水性媒体中に再乳化す
ることによっても製造することができる。これらの方法
のうち、乳化重合法、再乳化法が好ましい。重合方法と
しては、重合媒体の種類に応じて、ラジカル重合、アニ
オン重合、カチオン重合等の適宜の方法を採用すること
ができる。また、エポキシ化される重合体あるいはその
水性分散液が市販されている場合は、それらを使用する
こともできる。
【0010】本発明におけるエポキシ変性重合体は、前
記重合体の水性分散液を水性媒体中でハイドロパーオキ
サイド類、過酸類等のエポキシ化剤と反応させることに
より得ることができる。前記ハイドロパーオキサイド類
としては、例えば、過酸化水素、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等を挙げ
ることができ、また前記過酸類としては、例えば、過ギ
酸、過酢酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸等を挙げ
ることができる。エポキシ化反応に際しては、必要に応
じて触媒を用いることができる。エポキシ化剤と触媒と
の組み合せとしては、例えば、ハイドロパーオキサイド
類の場合、過酸化水素とタングステン酸および苛性ソー
ダの混合物とからなる系、過酸化水素と有機酸とからな
る系、t−ブチルハイドロパーオキサイドとモリブデン
ヘキサカルボニルとからなる系等を挙げることができ、
また過酸類の場合は、炭酸ソーダ等のアルカリや硫酸等
の酸を触媒とする系等を挙げることができる。エポキシ
化剤の最適使用量は、エポキシ化される重合体、エポキ
シ化剤の種類あるいは所望のエポキシ化度等の諸要因に
応じて変わる。エポキシ化反応時の重合体の水性分散液
の固形分含量は、通常、1〜60重量%、好ましくは5
〜50重量%である。また、エポキシ化反応の温度や時
間は、用いるエポキシ化剤の反応性によって変わり、例
えば過酢酸の場合、反応温度は0〜70℃が好ましく、
0℃以下では反応が遅くなり、70℃を越えると過酢酸
の分解が起こるおそれがある。
【0011】エポキシ化反応に際しては、エポキシ化さ
れる重合体やエポキシ変性重合体の分散安定性を高める
ために分散安定剤を使用することが好ましい。このよう
な分散安定剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム
等の高級脂肪酸塩類;ドデシル硫酸ナトリウム等のアル
キル硫酸塩類;ステアリルスルホン酸ナトリウム等のア
ルキルスルホン酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類;スルホ
コハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸エス
テル塩類等のアニオン界面活性剤:ポリオキシエチレン
モノアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンモノアル
キルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンジアルキ
ルエーテル類;ポリオキシエチレンモノ(アルキルカル
ボニルエステル)類;N,N−ジ(アルカノール)アル
カンアミド類;ポリエチレングリコール脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリ
ド、蔗糖脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エス
テル類;脂肪酸多価アルコールポリオキシエチレンエー
テル類の如きノニオン界面活性剤:ドデシルアンモニウ
ムクロライド等の高級アルキルアンモニウム塩類;ドデ
シルピリジニウムクロライド等の第四級N−アルキルピ
リジニウム塩類;ドデシルピコリニウムクロライド等の
第四級N−アルキルピコリニウム塩類;セチルトリメチ
ルアンモニウムブロマイド等の第四級アルキルアンモニ
ウム塩類;第四級アルキルイミダゾリウム塩類;第四級
ポリオキシエチレンアルキルジ(アンモニウム塩)類;
第四級アルコキシプロピルアンモニウム塩類;アルキル
プロピレンジアミンの有機酸塩または無機酸塩類等のカ
チオン界面活性剤:アルキルアミンオキサイド類;アル
キルグリシン類;アルキルアラニン類;アルキルベタイ
ン類;アルキルイミダゾリン類等の両性イオン界面活性
剤:カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロー
ス誘導体類;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコ
ール;ポリカルボン酸ソーダ;ポリアクリル酸等の界面
活性重合体等を挙げることができる。これらの分散安定
剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することが
できる。分散安定剤の使用量は、エポキシ化される重合
体の水性分散液100重量部あたり、通常、0〜20重
量部、好ましくは0.05〜15重量部、さらに好まし
くは0.1〜10重量部である。分散安定剤の使用量が
20重量部を越えると、エポキシ化反応が阻害されるお
それがある。
【0012】本発明におけるエポキシ変性重合体のエポ
キシ当量は、臭化水素酸で滴定して、次式により算出す
ることができる。 本発明におけるエポキシ変性重合体のエポキシ当量は、
120〜2000であり、好ましくは150〜1800
0である。エポキシ当量が120未満では、エポキシ化
反応時の重合体の分散安定性が低下して、凝集するおそ
れがあり、また2000を越えると、水性分散液として
の機械的安定性や塗膜の接着性が低下する。また、本発
明におけるエポキシ変性重合体のガラス転移温度(T
g)は、好ましくは−100〜+50℃、さらに好まし
くは−95〜+40℃である。Tgが前記範囲内にある
ことにより、塗膜の接着性が特に優れた水性分散液を得
ることができる。本発明のエポキシ変性重合体の水性分
散液は、特に塗料、接着剤として極めて好適に使用する
ことができるほか、紙含浸剤、繊維処理剤、シーラン
ト、紙塗工用バインダー、トナー、樹脂改質剤等として
も有用である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、実施例をあげて本発明の
実施の形態をさらに具体的に説明する。
【実施例】
実施例1 攪拌機を備えた反応容器に、ポリブタジエンラテックス
(固形分含量=57.4重量%)174g、ギ酸5g、
35重量%過酸化水素水71g、および水180gを仕
込んだのち、60℃で9時間攪拌して、エポキシ化反応
を行って、エポキシ変性重合体のラテックスを得た。得
られたエポキシ変性重合体のエポキシ当量は180、T
gは−60℃であった。また、このラテックスの機械的
安定性(常温)および機械的安定性(70℃)をJIS
−K6381に準拠して評価したところ、それぞれ18
00秒以上および1700秒であり、ともに優れてい
た。さらに、このラテックスから形成した塗膜の接着性
を、JIS−K5400に準拠し、試験板としてポリエ
チレンテレフタレートを用い、塗膜に入れる切り傷を6
0度で交わるように変更して評価したところ、10点で
あり良好であった。
【0014】実施例2 攪拌機を備えた反応容器に、ブタジエン−スチレン共重
合体ラテックス(固形分含量=69.2重量%、ブタジ
エン/スチレン=70/30(重量比))145g、酢
酸5g、35重量%過酸化水素水71g、および水20
9gを仕込んだのち、60℃で9時間攪拌して、エポキ
シ化反応を行って、エポキシ変性重合体のラテックスを
得た。得られたエポキシ変性重合体のエポキシ当量は5
00、Tgは−35℃であった。また、このラテックス
の機械的安定性(常温)および機械的安定性(70℃)
を実施例1と同様にして評価したところ、それぞれ18
00秒以上および1600秒であり、ともに優れてい
た。さらに、このラテックスから形成した塗膜の接着性
を実施例1と同様にして評価したところ、10点であり
良好であった。
【0015】実施例3 攪拌機を備えた反応容器に、ブタジエン−アクリロニト
リル共重合体ラテックス(固形分含量=22.0重量
%、ブタジエン/アクリロニトリル=75/25(重量
比))455g、ギ酸5g、35重量%過酸化水素水7
1g、およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2
gを仕込んだのち、60℃で9時間攪拌して、エポキシ
化反応を行って、エポキシ変性重合体のラテックスを得
た。得られたエポキシ変性重合体のエポキシ当量は75
0、Tgは−45℃であった。また、このラテックスの
機械的安定性(常温)および機械的安定性(70℃)を
実施例1と同様にして評価したところ、それぞれ180
0秒以上および1600秒であり、ともに優れていた。
さらに、このラテックスから形成した塗膜の接着性を実
施例1と同様にして評価したところ、10点であり良好
であった。
【0016】実施例4 攪拌機を備えた反応容器内で、スチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体(スチレン/ブタジエン/ス
チレン=15/70/15(重量比))500gを、ト
ルエン2500gと酢酸エチル200gの混合溶媒に溶
解させたのち、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
3g、およびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ルリン酸エステルナトリウム塩(ポリオキシエチレンの
平均重合度10)2.5gを添加して溶解させた。その
後、得られた溶液と水を重量比で2:1の割合で混合
し、この混合液をデイスパーミルに移して再乳化させた
のち、トルエンと酢酸エチルを蒸発除去して、固形分含
量50.2重量%のブロック共重合体のラテックスを得
た。次いで、攪拌機を備えた反応容器に、前記ラテック
ス200g、酢酸5g、35重量%過酸化水素水71
g、および水154gを仕込んだのち、60℃で9時間
攪拌して、エポキシ化反応を行って、エポキシ変性重合
体のラテックスを得た。得られたエポキシ変性重合体の
エポキシ当量は500、Tgは−40℃であった。ま
た、このラテックスの機械的安定性(常温)および機械
的安定性(70℃)を実施例1と同様にして評価したと
ころ、それぞれ1800秒以上および1600秒であ
り、ともに優れていた。さらに、このラテックスから形
成した塗膜の接着性を実施例1と同様にして評価したと
ころ、10点であり良好であった。
【0017】実施例5 スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体に代
えて、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(スチレン/イソプレン/スチレン=15/70/1
5(重量比))を用いた以外は、実施例4と同様にし
て、エポキシ変性重合体のラテックスを得た。得られた
エポキシ変性重合体のエポキシ当量は500、Tgは−
15℃であった。また、このラテックスの機械的安定性
(常温)および機械的安定性(70℃)を実施例1と同
様にして評価したところ、それぞれ1800秒以上およ
び1600秒であり、ともに優れていた。さらに、この
ラテックスから形成した塗膜の接着性を実施例1と同様
にして評価したところ、10点であり良好であった。
【0018】比較例1 攪拌機を備えた反応容器に、スチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体(スチレン/ブタジエン/スチ
レン=15/75/15(重量比))500g、および
トルエン2000gを仕込んで溶解させた。その後、過
酢酸の30重量%酢酸エチル溶液280gを連続滴下し
つつ、40℃で3時間攪拌して、エポキシ化反応を行っ
たのち、反応溶液を常温に冷却し、水洗して、酸価を1
以下にした。次いで、前記反応溶液に、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム3g、およびポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテルリン酸エステルナトリウム塩
(ポリオキシエチレンの平均重合度10)2.5gを添
加して溶解させた。その後、得られた溶液と水を重量比
で2:1の割合で混合し、この混合液をデイスパーミル
に移して再乳化させたのち、トルエンと酢酸エチルを蒸
発除去して、固形分含量50.2重量%のエポキシ変性
重合体のラテックスを得た。得られたエポキシ変性重合
体のエポキシ当量は500、Tgは−40℃であった。
また、このラテックスの機械的安定性(常温)および機
械的安定性(70℃)を実施例1と同様にして評価した
ところ、それぞれ300秒および100秒であった。さ
らに、このラテックスから形成した塗膜の接着性を実施
例1と同様にして評価したところ、4点であった。
【0019】比較例2 ポリブタジエンラテックスに代えて天然ゴムラテックス
を用た以外は、実施例1と同様にして、エポキシ変性重
合体のラテックスを得た。得られたエポキシ変性重合体
のエポキシ当量は350、Tgは−50℃であった。ま
た、このラテックスの機械的安定性(常温)および機械
的安定性(70℃)を実施例1と同様にして評価したと
ころ、それぞれ250秒および90秒であった。さら
に、このラテックスから形成した塗膜の接着性を実施例
1と同様にして評価したところ、3点であった。
【0020】
【発明の効果】本発明のエポキシ変性重合体の水性分散
液は、高濃度のエポキシ基を含有することができ、かつ
エポキシ基が重合体粒子表面に特異的に分布しており、
分散液としての機械的安定性および塗膜の接着性に優れ
ている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン化合物を必須構成成分とする
    重合体の水性分散液を酸化剤により処理することによっ
    て、重合体粒子表面を特異的にエポキシ化したエポキシ
    変性重合体の水性分散液であって、前記重合体がブタジ
    エンの単独重合体もしくは共重合体またはイソプレンの
    共重合体からなり、エポキシ当量が120〜2000の
    範囲にあることを特徴とするエポキシ変性重合体の水性
    分散液。
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