JPH10298191A - バナジウムメタロセンの製造方法 - Google Patents

バナジウムメタロセンの製造方法

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JPH10298191A
JPH10298191A JP32846397A JP32846397A JPH10298191A JP H10298191 A JPH10298191 A JP H10298191A JP 32846397 A JP32846397 A JP 32846397A JP 32846397 A JP32846397 A JP 32846397A JP H10298191 A JPH10298191 A JP H10298191A
Authority
JP
Japan
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vanadium
group
cyclopentadienyl
reaction
substituted
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Application number
JP32846397A
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English (en)
Inventor
Shigeru Igai
滋 猪飼
Masato Murakami
村上  真人
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10298191A publication Critical patent/JPH10298191A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バナジウムメタロセン化合物を高純度、高収
率で製造する方法を提供する。 【解決手段】 V(O)X3 で示されるバナジウム化合
物とCpMgX又はCpMgX(L)nで示される有機
マグネシウム化合物との反応からなるCpV(O)X2
で示されるバナジウムメタロセン化合物の製造方法、及
び、V(O)X3で示されるバナジウム化合物とCp2
Mgで示される有機マグネシウム化合物との第1の反
応、及び第1の反応の生成物とSOCl2 との第2の反
応とからなるCpVX3 で示されるバナジウムメタロセ
ン化合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バナジウムメタロ
センの新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでバナジウムメタロセンの製造方
法については、原料として4価又は3価のバナジウム化
合物、とくにバナジウムハロゲン化物を用いる方法が知
られているが、それらは不安定かつ高価であり、また製
造のプロセス、操作が複雑であった。安定で安価な5価
のバナジウム化合物、なかでもバナジウムオキシトリク
ロライド(V(O)Cl3 )を原料として用いて所望の
バナジウムメタロセンを製造する方法の開発が望まれて
いた。Recueil Trav.Chim.1965年、84巻、1418頁には、
バナジウムオキシトリクロライド(V(O)Cl3 )と
ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2 Mg)
との反応によるCpV(O)X2 の製造方法が記載され
ているが、反応混合物を塩化水素と酸素の混合ガスで処
理する必要があるため操作が複雑であり、実用的ではな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】取り扱いが容易でかつ
安価な5価のバナジウム化合物、なかでもV(O)X3
を原料として用いて、バナジウムメタロセンを高純度、
高収率で製造する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題解決のための手段】
【0005】本発明は、V(O)X3 で示されるバナジウム
化合物とCpMgX(L)n で示される有機マグネシウ
ム化合物との反応からなるCpV(O)X2 で示される
バナジウムメタロセン化合物の製造方法に関する。(但
し、Vはバナジウム、Xはシグマ結合性配位子Cpはシ
クロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、
インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基、又
は置換フルオレニル基であり、Lはエーテル配位子を示
し、nは0以上2以下の実数である。)
【0006】また、本発明は、V(O)X3 で示されるバナ
ジウム化合物とCp2 Mgで示される有機マグネシウム
化合物との第1の反応、及び第1の反応の生成物とSO
Cl2 との第2の反応とからなるCpVX3 で示される
バナジウムメタロセン化合物の製造方法に関する。(但
し、Vはバナジウム、Xはシグマ結合性配位子であり、
Cpはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエ
ニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニ
ル基、置換フルオレニル基を示す。)
【発明の実施の形態】
【0007】本発明のV(O)X3及びCpMgX(L)n
において、Xはシグマ結合性配位子である。例えば、ハ
ロゲン、炭素数1から20の炭化水素基、炭素数1から20
の炭化水素オキシ基、炭素数1から20の炭化水素アミノ
基、炭素数1から20の炭化水素イミド基、炭素数1から
20のカルボキシレート基、炭素数1から20のスルホネー
ト基、炭素数1から20のホスホネート基、βジケトネー
ト基、ピラゾイルボレート基などが挙げられる。
【0008】ハロゲンでは、塩素、臭素などが挙げられる。
炭化水素基では、メチル、エチル、イソプロピル、トリ
メチルシリルメチル、ビス( トリメチルシリル) メチ
ル、ベンジル、ネオペンチルなどが挙げられる。
【0009】炭化水素オキシ基ではメトキシ、エトキシ、イ
ソプロポキシ、ブトキシ、フェノキシなどが挙げられ
る。炭化水素アミノ基ではジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジイソプロピルアミノ、ジオクチルアミノなどが
挙げられる。
【0010】炭化水素イミド基ではメチルイミド、エチルイ
ミド、フェニルイミド、2,6-ジメチルフェニルイミド、
2,6-ジイソプロピルフェニルイミド、3, 5- ジメチルフ
ェニルイミドなどが挙げられる。
【0011】カルボキシレート基ではホルミルカルボキシ、
メチルカルボキシ、エチルカルボキシ、プロピルカルボ
キシ、フェニルカルボキシ、フタロカルボキシなどが挙
げられる。βジケトネート基ではアセチルアセトナート
などが挙げられる。スルホネート基ではメチルスルホネ
ート、フェニルスルホネートなどが挙げられる。上記の
中でも、ハロゲンが好ましく、塩素が特に好ましい。
【0012】本発明のCpMgX(L)n 及びCp2 Mgに
おいて、Cpはシクロペンタジエニル基、置換シクロペ
ンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フ
ルオレニル基、置換フルオレニル基である。
【0013】置換基としてはメチル、エチル、プロピル、is
o-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、t-ブ
チル、ヘキシル、フェニル、ベンジル、及びトリメチル
シリル、トリメチルシリルメチル、ビス(トリメチルシ
リル)メチルなどの珪素原子を含有する炭化水素基など
が挙げられる。
【0014】置換シクロペンタジエニル基の具体例として
は、1,3-ジメチルシクロペンタジエニル、1-メチル-3-
ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペン
タジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、トリ
メチルシリルシクロペンタジエニル、1,3-ビス(トリメ
チルシリル)シクロペンタジエニルなどが挙げられる。
【0015】置換インデニル基の具体例としては、2-メチル
インデニル、2-トリメチルシリルインデニル、2-メチル
4-メチルインデニル、2-エチルインデニル、2-メチル4-
フェニルインデニルなどが挙げられる。置換フルオレニ
ル基の具体例としては、9-メチルフルオレニル、9-エチ
ルフルオレニル、9-メチル1-メチルフルオレニルが挙げ
られる。中でも、シクロペンタジエニルが好ましい。
【0016】本発明のV(O)X3 で示されるバナジウム化
合物の具体例として、バナジウムオキシトリクロライ
ド、バナジウムオキシトリメトキサイド、バナジウムオ
キシトリiso-プロポキサイド、バナジウムオキシトリt-
ブトキサイド、バナジウムオキシトリフェノキサイド、
バナジウムオキシメトキシジクロライド、バナジウムオ
キシiso-プロポキシジクロライド、バナジウムオキシt-
ブトキシジクロライド、バナジウムオキシフェノキシジ
クロライドなどが挙げられる。
【0017】本発明のCpMgXで示される有機マグネシウ
ム化合物の具体例として、シクロペンタジエニルマグネ
シウムクロライド、(メチルシクロペンタジエニル)マ
グネシウムクロライド、(1,3-ジメチルシクロペンタジ
エニル)マグネシウムクロライド、(1-メチル-3- ブチ
ルシクロペンタジエニル)マグネシウムクロライド、
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)マグネシウムク
ロライド、シクロペンタジエニルマグネシウムブロマイ
ド、(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムブロ
マイド、(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)マグネ
シウムブロマイド、(メチルシクロペンタジエニル)マ
グネシウムアイオダイド、(ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル)マグネシウムブロマイド、インデニルマグネ
シウムクロライド、(2-メチルインデニル)マグネシウ
ムクロライド、フルオレニルマグネシウムクロライドな
どが挙げられる。
【0018】本発明のCpMgX(L)n で示される有機マ
グネシウム化合物は、上記のCpMgXで示される有機
マグネシウム化合物にエーテル配位子Lが配位したもの
である。 エーテル配位子Lとしては、環状エーテル、
非環状エーテルが挙げられる。
【0019】環状エーテルの具体的な化合物としては、テト
ラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、2-メチルテトラ
ヒドロフラン、2,5-ジメチルテトラヒドロフラン、ジオ
キサンなどを用いることができる。中でも、テトラヒド
ロフランが好ましい。
【0020】非環状エーテルの具体的な化合物としては、ジ
エチルエーテル、ジn-プロピルエーテル、ジiso-プロピ
ルエーテル、ジn-ブチルエーテル、ジiso-ブチルエーテ
ル、ジsec-ブチルエーテル、ジフェニルエーテル、メチ
ルブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエチレングリ
コールジメチルエーテルなどを用いることができる。中
でも、ジエチルエーテル、ジn-プロピルエーテル、ジis
o-プロピルエーテル、ジn-ブチルエーテル、ジiso-ブチ
ルエーテル、ジsec-ブチルエーテル等の対称非環状エー
テルなどが好ましい。
【0021】CpMgX(L)nは、シクロペンタジエニル
化合物とマグネシウム化合物(RMgX)との反応で製
造することができる。
【0022】シクロペンタジエニル化合物で示される化合物
の具体例として、シクロペンタジエン、メチルシクロペ
ンタジエン、1,3-ジメチルシクロペンタジエン、1-メチ
ル-3- ブチルシクロペンタジエン、ペンタメチルシクロ
ペンタジエン、インデン、2-メチルインデン、フルオレ
ンなどが挙げられる。中でも、シクロペンタジエンが好
ましい。
【0023】RMgXで示されるマグネシウム化合物の具体
例として、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグ
ネシウムクロライド、プロピルマグネシウムクロライ
ド、i-プロピルマグネシウムクロライド、n-ブチルマグ
ネシウムクロライド、iso-ブチルマグネシウムクロライ
ド、sec-ブチルマグネシウムクロライド、t-ブチルマグ
ネシウムクロライド、ビニルマグネシウムクロライド、
フェニルマグネシウムクロライド、メチルマグネシウム
ブロマイド、エチルマグネシウムブロマイド、プロピル
マグネシウムブロマイド、i-プロピルマグネシウムブロ
マイド、n-ブチルマグネシウムブロマイド、iso-ブチル
マグネシウムブロマイド、sec-ブチルマグネシウムブロ
マイド、t-ブチルマグネシウムブロマイド、ビニルマグ
ネシウムブロマイド、フェニルマグネシウムブロマイ
ド、メチルマグネシウムアイオダイドなどが挙げられ
る。
【0024】シクロペンタジエニル化合物とマグネシウム化
合物(RMgX)との反応は、例えば、以下の方法で行
うことができる。即ち、RMgXの非環状エーテルの溶
液又はスラリーと、シクロペンタジエニル化合物を所望
の温度で混合し、所望の時間攪拌する。
【0025】反応において、各成分の接触は、通常-100〜10
0 ℃、好ましくは-70〜70℃、時間は10分〜120時間行う
ことができる。各成分の使用量は、シクロペンタジエニ
ル化合物/RMgXのモル比で、通常10〜0.1、好まし
くは2〜0.5である。
【0026】RMgXとシクロペンタジエニル化合物との反
応生成物であるCpMgX(L)nは反応溶液から析出
した不溶性の固体としてろ過、分離するか、反応溶液を
蒸発乾固したのち、新たに環状エーテル溶媒に再溶解又
は懸濁させ、溶媒を留去後、乾固することによって得ら
れる。
【0027】本発明のCp2 Mgで示される有機マグネシウ
ム化合物の具体例としては、ビスシクロペンタジエニル
マグネシウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)マ
グネシウム、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニ
ル)マグネシウム、ビス(1-メチル-3- ブチルシクロペ
ンタジエニル)マグネシウム、ビス(ペンタメチルシク
ロペンタジエニル)マグネシウム、ビスインデニルマグ
ネシウム、ビス(2-メチルインデニル)マグネシウム、
ビスフルオレニルマグネシウムなどが挙げられる。
【0028】本発明のV(O)X3 とCpMgX又はCpM
gX(L)n との反応で得られるCpV(O)X2 の具
体例としては、シクロペンタジエニルバナジウムオキシ
ジクロライド、(メチルシクロペンタジエニル)バナジ
ウムオキシジクロライド、(1,3-ジメチルシクロペンタ
ジエニル)バナジウムオキシジクロライド、(1-メチル
-3- ブチルシクロペンタジエニル)バナジウムオキシジ
クロライド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)バ
ナジウムオキシジクロライド、シクロペンタジエニルバ
ナジウムオキシジブロマイド、(1,3-ジメチルシクロペ
ンタジエニル)バナジウムオキシジブロマイド、(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)バナジウムオキシジブ
ロマイド、シクロペンタジエニルバナジウムオキシジメ
トキサイド、インデニルバナジウムオキシジクロライ
ド、フルオレニルバナジウムオキシジクロライドなどが
挙げられる。
【0029】本発明のV(O)X3 とCp2 Mgとの第1の
反応、及び第1の反応の生成物とSOCl2 との第2の
反応とから得られるCpVX3 の具体例としては、シク
ロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、(メチル
シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、
(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリ
クロライド、(1-メチル-3- ブチルシクロペンタジエニ
ル)バナジウムトリクロライド、(ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、シクロペ
ンタジエニルバナジウムトリブロマイド、(メチルシク
ロペンタジエニル)バナジウムトリブロマイド、(1,3-
ジメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリブロマ
イド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)バナジウ
ムトリブロマイド、シクロペンタジエニルバナジウムト
リメトキサイド、インデニルバナジウムトリクロライ
ド、(2-メチルインデニル)バナジウムトリクロライ
ド、フルオレニルバナジウムトリクロライドなどが挙げ
られる。
【0030】本発明のCpV(O)X2 の製造方法における
V(O)X3 とCpMgX又はCpMgX(L)n 、と
の反応は、特に限定されないが以下のような方法で行う
ことができる。
【0031】すなわち、両成分の炭化水素溶媒の溶液または
スラリーを所望の温度で混合、所望の時間攪拌する。
炭化水素溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、シクロヘキサン、ミネラルオイル、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素、エーテ
ル、ニトリル、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲ
ン化有機化合物などを用いることができる。特に好まし
い溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素である。
【0032】反応において、各成分の接触は、通常-100〜10
0 ℃、好ましくは -70〜30℃、時間は10分〜120 時間行
うことができる。各成分の使用量は、バナジウム化合物
/有機マグネシウム化合物のモル比で、通常10〜0.1 、
好ましくは 2〜0.5 である。
【0033】反応生成物であるCpV(O)X2 は反応溶液
から不溶性の固体をろ過、分離し、ろ液を冷却して結晶
物として得られる。ろ液を一度蒸発乾固し、新たに再結
晶化のための溶媒に再溶解して冷却結晶物として得るこ
ともできる。
【0034】さらに、この再結晶化を繰り返し、純度を高め
ることもできる。また、溶媒によっては、はじめの反応
溶液中に無機物が溶解していることがあり、この場合に
は反応溶液をすべて蒸発乾固し、生成物であるCpV
(O)X2 を溶解する溶媒に再溶解して冷却結晶物とし
て得ることもできる。再溶解、再結晶化のための、Cp
V(O)X2 を溶解する溶媒としては、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素あるいは塩化メチレ
ン、クロロホルム等のハロゲン化有機化合物が好まし
い。
【0035】本発明のCpVX3 の製造方法は、V(O)X
3 とCp2 Mgとの第1の反応、及び第1の反応の生成
物とSOCl2 との第2の反応とからなる。
【0036】V(O)X3 とCp2 Mgとの反応は、上記の
V(O)X3 とCpMgXの方法で反応と同様に行うこ
とができる。V(O)X3 とCp2 Mgとの反応溶液か
ら不溶性の固体をろ過、分離し、得られる固体とSOC
2 との第2の反応を行う。この場合、SOCl2 を反
応溶媒として用いてもよい。第2の反応後、反応溶液を
すべて蒸発乾固し、生成物であるCpVX3 を溶解する
溶媒に再溶解して冷却結晶物としてCpVX3 を得るこ
とができる。
【0037】また、第1の反応後、蒸発乾固せずにSOCl
2 を反応溶液に添加し、第2の反応を行い、その後未反
応のSOCl2 を含む反応溶液をすべて蒸発乾固し、生
成物であるCpVX3 を溶解する溶媒に再溶解して冷却
結晶物として得ることもができる。再溶解、再結晶化の
ための、CpVX3 を溶解する溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素あるいは塩
化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化有機化合物が
好ましい。
【0038】SOCl2 との反応は、通常10〜80℃、好まし
くは25〜60℃、時間は1 分〜120 時間行うことができ
る。
【0039】
【発明の効果】本発明の製造方法に従えば、取り扱いが
容易でかつ安価な原料を用いて、重合触媒成分として充
分純度の高いバナジウムメタロセンを高い収率で製造す
ることができる。
【0040】
【実施例】
実施例1 [シクロペンタジエニルマグネシウムクロライドの合
成]シクロペンタジエン20mlをテトラヒドロフラン
100mlに溶解し、−50℃まで冷却した。2mol
/lのn−ブチルマグネシウムクロライドのテトラヒド
ロフラン溶液120mlをこの溶液に20分間かけて滴
下した。得られた溶液を室温まで加温したのち一昼夜撹
拌を続けた。この褐色の溶液を蒸発乾固し、70℃で3
時間真空乾燥することにより、シクロペンタジエニルマ
グネシウムクロライド(テトラヒドロフランを0.6倍
含む)の白色粉末41gを得た。
【0041】実施例2 [シクロペンタジエニルバナジウムオキシジクロライド
の合成]シクロペンタジエニルマグネシウムクロライド
0.9gをトルエン150mlに懸濁させ、−65℃に
冷却した。この懸濁液にオキシ三塩化バナジウム0. 5
mlを加えたのち30分間撹拌した。徐々に室温まで加
温したのち3時間撹拌を続けた。得られた懸濁液を濾過
したのち、残査をトルエン15mlで3回洗浄した。ろ
液と洗浄液をあわせて蒸発乾固し、再結晶することによ
りシクロペンタジエニルバナジウムオキシジクロライド
0.19g(収率17%)を得た。
【0042】実施例3 反応溶媒としてヘキサンを用いたほかは実施例2と同様
の操作を行ったところ、シクロペンタジエニルバナジウ
ムオキシジクロライド0.02g(収率2%)を得た。
【0043】実施例4 反応溶媒としてテトラヒドロフランを用いたほかは実施
例2と同様の操作を行ったところ、シクロペンタジエニ
ルバナジウムオキシジクロライド0.02g(収率2
%)を得た。
【0044】実施例5 オキシ三塩化バナジウム0. 5mlをトルエン75ml
に加え、−65℃に冷却した。この溶液に、シクロペン
タジエニルマグネシウムクロライド0.9gをトルエン
75mlに加えて得られる懸濁液を10分間かけて加え
たのち30分間撹拌した。徐々に室温まで加温したのち
3時間撹拌を続けた。得られた懸濁液を濾過したのち、
残査をトルエン15mlで3回洗浄した。ろ液と洗浄液
をあわせて蒸発乾固し、再結晶することによりシクロペ
ンタジエニルバナジウムオキシジクロライド0.18g
(収率16%)を得た。
【0045】実施例6 オキシ三塩化バナジウム0. 5mlをトルエン40ml
に加え、−65℃に冷却した。この溶液に、シクロペン
タジエニルマグネシウムクロライド0.9gをトルエン
35mlに加えて得られる懸濁液を10分間かけて加え
たのち30分間撹拌した。徐々に室温まで加温したのち
3時間撹拌を続けた。得られた懸濁液を濾過したのち、
残査をトルエン15mlで3回洗浄した。ろ液と洗浄液
をあわせて蒸発乾固し、再結晶することによりシクロペ
ンタジエニルバナジウムオキシジクロライド0.18g
(収率16%)を得た。
【0046】実施例7 冷却温度を−15℃にしたほかは実施例6と同様の操作
を行ったところ、シクロペンタジエニルバナジウムオキ
シジクロライド0.07g(収率6%)を得た。
【0047】実施例8 冷却を行わず室温でオキシ三塩化バナジウムとシクロペ
ンタジエニルマグネシウムクロライドを反応させたほか
は、実施例6と同様の操作を行ったところ、シクロペン
タジエニルバナジウムオキシジクロライド0.06g
(収率6%)を得た。
【0048】実施例9 オキシ三塩化バナジウム1.53mlを用いたほかは実
施例7と同様の操作を行ったところ、シクロペンタジエ
ニルバナジウムオキシジクロライド0.08g(収率7
%)を得た。
【0049】実施例10 シクロペンタジエニルマグネシウムクロライド1.9g
をトルエン79mlに懸濁させ−65℃に冷却した。こ
の懸濁液にオキシ三塩化バナジウム1.1mlを加えた
のち30分間撹拌した。徐々に室温まで加温したのち3
時間撹拌を続けた。得られた懸濁液を濾過したのち、残
査をトルエン15mlで3回洗浄した。ろ液と洗浄液を
あわせて蒸発乾固し、再結晶することによりシクロペン
タジエニルバナジウムオキシジクロライド0.21g
(収率9%)を得た。
【0050】実施例11 オキシ三塩化バナジウム0. 55mlをトルエン150
mlに加え、−65℃に冷却した。この溶液に、シクロ
ペンタジエニルマグネシウムクロライド0.95gをテ
トラヒドロフラン3mlに加えて得られる溶液を10分
間かけて加えたのち30分間撹拌した。徐々に室温まで
加温したのち3時間撹拌を続けた。得られた懸濁液を濾
過したのち、残査をトルエン15mlで3回洗浄した。
ろ液と洗浄液をあわせて蒸発乾固し、再結晶することに
よりシクロペンタジエニルバナジウムオキシジクロライ
ド0.03g(収率2%)を得た。
【0051】実施例12 オキシ三塩化バナジウム0. 54mlをトルエン40m
lに加え、−65℃に冷却した溶液に、シクロペンタジ
エニルマグネシウムクロライド0.95gおよびテトラ
ヒドロフラン0.2mlをトルエン35mlに加えて得
られる懸濁液を10分間かけて加えたのち30分間撹拌
した。徐々に室温まで加温したのち3時間撹拌を続け
た。得られた懸濁液を濾過したのち、残査をトルエン1
5mlで3回洗浄した。ろ液と洗浄液をあわせて蒸発乾
固し、再結晶することによりシクロペンタジエニルバナ
ジウムオキシジクロライド0.12g(収率10%)を
得た。
【0052】実施例13 シクロペンタジエニルマグネシウムクロライドに加える
テトラヒドロフランの量を0.7mlとしたほかは実施
例12と同様の操作を行ったところ、シクロペンタジエ
ニルバナジウムオキシジクロライド0.03g(収率2
%)を得た。
【0053】実施例14 [シクロペンタジエニルマグネシウムクロライドの合
成]1.6mol/lのn−ブチルマグネシウムクロラ
イドのi−プロピルエーテル溶液125mlを−15℃
まで冷却した。この溶液にシクロペンタジエン20ml
を5分間かけて滴下した。得られた溶液を室温まで加温
したのち3時間撹拌を続けた。白色の懸濁液を蒸発乾固
し、70℃で3時間真空乾燥することにより、シクロペ
ンタジエニルマグネシウムクロライド(i−プロピルエ
ーテルを0.6倍含む)の白色粉末38gを得た。
【0054】実施例15 実施例14で得られたシクロペンタジエニルマグネシウ
ムクロライド0.99gを用いたほかは、実施例7と同
様の操作を行ったところ、シクロペンタジエニルバナジ
ウムオキシジクロライド0.02g(収率2%)を得
た。
【0055】実施例16 [シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライドの合
成]窒素雰囲気下、オキシ三塩化バナジウム0. 5ml
をトルエン75mlに溶解し、−70℃に冷却した。こ
の溶液に、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム0.
6gをトルエン75mlに溶解した溶液を20分かけて
滴下した。その後、室温まで加温し、一昼夜撹拌を続け
た。得られた黒色の懸濁溶液を濾過したのち固体の残査
を乾燥することにより1. 26gの黒色粉末を得た。こ
の黒色粉末に塩化チオニル24mlを加え室温で3時間
撹拌した。得られた混合物を蒸発乾固させ、ヘキサン5
0mlで洗浄後、トルエン60mlで抽出すると濃紫色
の溶液が得られた。これを蒸発乾固することにより、シ
クロペンタジエニルバナジウムトリクロライドの黒色粉
末0.20g(収率18%)を得た。 実施例17 [シクロペンタジエニルマグネシウムクロライドの合
成]1.6mol/lのn−ブチルマグネシウムクロラ
イドのジイソプロピルエーテル溶液1lに、シクロペン
タジエン146mlを20mlずつ2時間かけて加え
た。発熱するのでシクロペンタジエン60ml加えたと
ころで溶液を水浴で冷却すると白色の粉末が沈澱してく
るが、発生する熱を除去しながらさらにシクロペンタジ
エンを加えていった。得られた懸濁液を室温で一昼夜撹
拌を続けた。溶媒を除去し、テトラヒドロフラン500
mlを加えて得られる懸濁液を室温で一昼夜放置したの
ち70℃で3時間真空乾燥することにより、シクロペン
タジエニルマグネシウムクロライド(テトラヒドロフラ
ンを0.9倍含む)の白色固体305gを得た。
【0056】実施例18 [シクロペンタジエニルバナジウムオキシジクロライド
の合成]実施例17で得られたシクロペンタジエニルマ
グネシウムクロライド1.0gをトルエン75mlに懸
濁させ、−40℃に冷却した。この懸濁液にオキシ三塩
化バナジウム0.5mlを加えたのち30分間撹拌し
た。徐々に室温まで加温したのち3時間撹拌を続けた。
得られた懸濁液を濾過したのち、残査をトルエン15m
lで2回洗浄した。ろ液と洗浄液をあわせて蒸発乾固
し、再結晶することによりシクロペンタジエニルバナジ
ウムオキシジクロライド0.27g(収率25%)を得
た。
【0057】実施例19 冷却温度を−30℃にしたほかは実施例18と同様の操
作を行ったところ、シクロペンタジエニルバナジウムオ
キシジクロライド0.18g(収率16%)を得た。
【0058】実施例20 実施例17で得られたシクロペンタジエニルマグネシウ
ムクロライド297gをトルエン22lに懸濁させ、−
30℃に冷却した。この懸濁液にオキシ三塩化バナジウ
ム150mlを加えたのち30分間撹拌した。徐々に室
温まで加温したのち3時間撹拌を続けた。得られた懸濁
液を濾過したのち、残査をトルエン1lで2回洗浄し
た。ろ液と洗浄液をあわせて蒸発乾固し、再結晶するこ
とによりシクロペンタジエニルバナジウムオキシジクロ
ライド40g(収率12%)を得た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 V(O)X3 で示されるバナジウム化合
    物とCpMgX(L)nで示される有機マグネシウム化
    合物との反応からなるCpV(O)X2 で示されるバナ
    ジウムメタロセン化合物の製造方法。(但し、Vはバナ
    ジウム、Xはシグマ結合性配位子、Cpはシクロペンタ
    ジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル
    基、置換インデニル基、フルオレニル基、又は置換フル
    オレニル基であり、Lはエーテル配位子を示し、nは0
    以上2以下の実数である。)
  2. 【請求項2】 V(O)X3 で示されるバナジウム化合
    物とCp2 Mgで示される有機マグネシウム化合物との
    第1の反応、及び第1の反応の生成物とSOCl 2 との
    第2の反応とからなるCpVX3 で示されるバナジウム
    メタロセン化合物の製造方法。(但し、Vはバナジウ
    ム、Xはシグマ結合性配位子であり、Cpはシクロペン
    タジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニ
    ル基、置換インデニル基、フルオレニル基、置換フルオ
    レニル基を示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1312610A1 (en) * 2001-11-19 2003-05-21 Nichia Corporation Process for preparation of half-vanadocene compound
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