JPH10298075A - 肝障害予防治療剤 - Google Patents
肝障害予防治療剤Info
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- JPH10298075A JPH10298075A JP10873697A JP10873697A JPH10298075A JP H10298075 A JPH10298075 A JP H10298075A JP 10873697 A JP10873697 A JP 10873697A JP 10873697 A JP10873697 A JP 10873697A JP H10298075 A JPH10298075 A JP H10298075A
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- JP
- Japan
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- proline
- liver
- hepatopathy
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】人や動物における肝障害に対する予防治療剤を
提供する。 【解決手段】アミノ酸の一種であるプロリンは、肝障害
予防治療剤として有用である。
提供する。 【解決手段】アミノ酸の一種であるプロリンは、肝障害
予防治療剤として有用である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人、動物における肝
障害の発生を予防し、すでに発症した肝障害による肝機
能低下を改善させるための予防治療剤に関する。さらに
詳しくは、アミノ酸の一種であるプロリンを有効成分と
する肝障害予防治療剤に関する。
障害の発生を予防し、すでに発症した肝障害による肝機
能低下を改善させるための予防治療剤に関する。さらに
詳しくは、アミノ酸の一種であるプロリンを有効成分と
する肝障害予防治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】肝は糖、脂質、蛋白質等の栄養素や不要
物質の代謝、胆汁生合成、血液凝固系関連物質の生成、
ビタミン類の貯蔵など多くの生理機能を有する主要臓器
の一つである。人においては、細菌、ウイルス、アルコ
ール、栄養不良、薬物中毒、胆管閉塞、うっ血性心不全
などの循環器障害等、種々の原因に基づいてその機能が
低下し、肝炎、肝膿瘍、脂肪肝、肝線維症、肝うっ血、
肝腫瘍など様々な疾患が発生し、さらに進行すると肝障
害の終末像ともいえる肝硬変へと移行する場合もある。
ウシ、ブタ、ヒツジ等の家畜やニワトリ、七面鳥等の家
禽でもリステリア、ノカルジア、シゲラ等の細菌、ヘル
ペスウイルスやコロナウイルス等のウイルス、ヒストモ
ナス、トキソプラズマ、肝蛭、エキノコックス等の寄生
虫の感染、代謝異常や濃厚飼料の多給を原因とする肝障
害により、成長が遅れ、死亡率が上昇するなど産業上重
大な被害を生じることがある。伴侶動物では畜主の意識
の向上や獣医学の進歩により動物の寿命が延びる一方
で、上記のような肝障害の他に、脂肪肝、肝線維症、肝
硬変、肝腫瘍などの肝疾患が検出される例が増加してい
る。また、魚類においてもビブリオ、パスツレラ、イリ
ドウイルス、アニサキス等の感染、残餌や排泄物による
漁場の自家汚染、最近主流になりつつある脂質含量の高
いEP飼料の脂質過酸化などによっても肝障害が発生す
るといわれている。従来より、肝障害が発生したときに
は、たとえば肝膿瘍に対しては抗生物質投与、一部の肝
炎に対してはインターフェロンの投与、脂肪肝に対して
は低カロリー食療法、肝硬変に対しては高蛋白、高ビタ
ミン、高カロリー食による保存療法などが行われてき
た。また、薬物や毒物の中毒に対してはグルタチオンを
投与し、フリーラジカルを還元して消滅させたり、グル
タチオン抱合体として毒物を体外へ排泄させるといった
治療が行なわれてきた。
物質の代謝、胆汁生合成、血液凝固系関連物質の生成、
ビタミン類の貯蔵など多くの生理機能を有する主要臓器
の一つである。人においては、細菌、ウイルス、アルコ
ール、栄養不良、薬物中毒、胆管閉塞、うっ血性心不全
などの循環器障害等、種々の原因に基づいてその機能が
低下し、肝炎、肝膿瘍、脂肪肝、肝線維症、肝うっ血、
肝腫瘍など様々な疾患が発生し、さらに進行すると肝障
害の終末像ともいえる肝硬変へと移行する場合もある。
ウシ、ブタ、ヒツジ等の家畜やニワトリ、七面鳥等の家
禽でもリステリア、ノカルジア、シゲラ等の細菌、ヘル
ペスウイルスやコロナウイルス等のウイルス、ヒストモ
ナス、トキソプラズマ、肝蛭、エキノコックス等の寄生
虫の感染、代謝異常や濃厚飼料の多給を原因とする肝障
害により、成長が遅れ、死亡率が上昇するなど産業上重
大な被害を生じることがある。伴侶動物では畜主の意識
の向上や獣医学の進歩により動物の寿命が延びる一方
で、上記のような肝障害の他に、脂肪肝、肝線維症、肝
硬変、肝腫瘍などの肝疾患が検出される例が増加してい
る。また、魚類においてもビブリオ、パスツレラ、イリ
ドウイルス、アニサキス等の感染、残餌や排泄物による
漁場の自家汚染、最近主流になりつつある脂質含量の高
いEP飼料の脂質過酸化などによっても肝障害が発生す
るといわれている。従来より、肝障害が発生したときに
は、たとえば肝膿瘍に対しては抗生物質投与、一部の肝
炎に対してはインターフェロンの投与、脂肪肝に対して
は低カロリー食療法、肝硬変に対しては高蛋白、高ビタ
ミン、高カロリー食による保存療法などが行われてき
た。また、薬物や毒物の中毒に対してはグルタチオンを
投与し、フリーラジカルを還元して消滅させたり、グル
タチオン抱合体として毒物を体外へ排泄させるといった
治療が行なわれてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】肝は機能的な予備能力
および細胞の再生能力が非常に大きいため、壊死等の異
常発生が小規模である場合には具体的な症状として現わ
れないことが多い。その一方、黄疸、細胞逸脱酵素の上
昇等何らかの症候が現われた場合には、肝障害は相当に
進行している可能性が高い。したがって肝障害が発生し
た時に投与する治療薬とともに、特に産業動物において
は肝障害に予防的に働く薬剤の開発も重要である。現
在、肝保護作用を狙って投与されているグルタチオン
は、血漿中半減期が短く、その有効性は必ずしも十分で
はないといった欠点がある。また、肝障害全般に対して
有効である薬剤は未だ存在しない。それは、一口に肝障
害、肝疾患といっても、その原因、病状が多岐に渡り、
予防治療法も個体ごと、病態ごとに決定し管理する必要
があるからである。したがって、薬剤としても様々な作
用機序に基づいて治療効果が得られるようにするため、
多くの種類の薬剤の開発が求められている。
および細胞の再生能力が非常に大きいため、壊死等の異
常発生が小規模である場合には具体的な症状として現わ
れないことが多い。その一方、黄疸、細胞逸脱酵素の上
昇等何らかの症候が現われた場合には、肝障害は相当に
進行している可能性が高い。したがって肝障害が発生し
た時に投与する治療薬とともに、特に産業動物において
は肝障害に予防的に働く薬剤の開発も重要である。現
在、肝保護作用を狙って投与されているグルタチオン
は、血漿中半減期が短く、その有効性は必ずしも十分で
はないといった欠点がある。また、肝障害全般に対して
有効である薬剤は未だ存在しない。それは、一口に肝障
害、肝疾患といっても、その原因、病状が多岐に渡り、
予防治療法も個体ごと、病態ごとに決定し管理する必要
があるからである。したがって、薬剤としても様々な作
用機序に基づいて治療効果が得られるようにするため、
多くの種類の薬剤の開発が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況から本発
明者らは、アミノ酸の一種であるプロリンに肝機能を維
持し肝障害を予防する強肝作用、あるいは肝障害により
低下した肝機能を改善させる作用があることを見出し、
本発明を完成させた。即ち本発明はプロリンを有効成分
とする肝障害予防治療剤である。本発明に係る薬剤によ
って、人や伴侶動物においては肝障害の予防治療ととも
にクオリティー・オブ・ライフ(Quality of life)を
向上させることができ、家畜等の産業動物では成長促
進、死亡率の低減など経済効果の向上が期待できる。本
発明におけるプロリンとしてはL体が好ましいが、D
体、DL体も用いることができる。
明者らは、アミノ酸の一種であるプロリンに肝機能を維
持し肝障害を予防する強肝作用、あるいは肝障害により
低下した肝機能を改善させる作用があることを見出し、
本発明を完成させた。即ち本発明はプロリンを有効成分
とする肝障害予防治療剤である。本発明に係る薬剤によ
って、人や伴侶動物においては肝障害の予防治療ととも
にクオリティー・オブ・ライフ(Quality of life)を
向上させることができ、家畜等の産業動物では成長促
進、死亡率の低減など経済効果の向上が期待できる。本
発明におけるプロリンとしてはL体が好ましいが、D
体、DL体も用いることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において肝障害とは、細
菌、ウイルス、真菌、寄生虫等の感染、代謝異常、中
毒、循環器障害、老化などに起因する肝機能低下状態、
またはこれらの原因による脂肪肝、肝炎、肝膿瘍、肝線
維症、肝硬変、肝腫瘍等の肝疾患を指す。
菌、ウイルス、真菌、寄生虫等の感染、代謝異常、中
毒、循環器障害、老化などに起因する肝機能低下状態、
またはこれらの原因による脂肪肝、肝炎、肝膿瘍、肝線
維症、肝硬変、肝腫瘍等の肝疾患を指す。
【0006】本発明における動物とは産業動物、伴侶動
物および実験動物である。産業動物とはウシ、ウマ、ブ
タ、ヤギ、ヒツジ等の家畜、ニワトリ、アヒル、ウズ
ラ、七面鳥等の家禽、ブリ、マダイ、マアジ、コイ、ニ
ジマス等の魚類など産業上飼養することが必要とされて
いる動物である。また、伴侶動物とはイヌ、ネコ、小
鳥、金魚などのいわゆる愛玩動物を指し、実験動物とは
ラット、モルモット、ビーグル犬、ミニブタ、アカゲザ
ルなど医学、農学、薬学、生物学等の分野で研究に供用
される動物を示す。
物および実験動物である。産業動物とはウシ、ウマ、ブ
タ、ヤギ、ヒツジ等の家畜、ニワトリ、アヒル、ウズ
ラ、七面鳥等の家禽、ブリ、マダイ、マアジ、コイ、ニ
ジマス等の魚類など産業上飼養することが必要とされて
いる動物である。また、伴侶動物とはイヌ、ネコ、小
鳥、金魚などのいわゆる愛玩動物を指し、実験動物とは
ラット、モルモット、ビーグル犬、ミニブタ、アカゲザ
ルなど医学、農学、薬学、生物学等の分野で研究に供用
される動物を示す。
【0007】本発明品を肝障害が発生していない時また
は治癒後に投与する場合には、予防剤としての使用形態
であり、発症中に使用するときには治療剤としての使用
である。
は治癒後に投与する場合には、予防剤としての使用形態
であり、発症中に使用するときには治療剤としての使用
である。
【0008】投与方法は動物の種、投与目的、疾患の種
類、症状によって異なり特に限定されないが、経口的ま
たは非経口的に投与することができる。経口的に投与す
るときには、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤と
して直接投与したり、飼料や飲水に混じて投与すること
ができる。非経口的に投与するときには、液剤や懸濁剤
として皮内、皮下、筋肉内、点眼、腹腔内、静脈内投与
することができる。
類、症状によって異なり特に限定されないが、経口的ま
たは非経口的に投与することができる。経口的に投与す
るときには、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤と
して直接投与したり、飼料や飲水に混じて投与すること
ができる。非経口的に投与するときには、液剤や懸濁剤
として皮内、皮下、筋肉内、点眼、腹腔内、静脈内投与
することができる。
【0009】投与量は動物の種、投与目的、疾患の種
類、症状によって異なり特に限定されないが、経口投与
する場合は1〜5000mg/kg、好ましくは5〜1000mg/kg、さ
らに好ましくは10〜200mg/kg程度である。また、皮内・
皮下・腹腔内・筋肉内投与する場合は1〜500mg/kg、好
ましくは5〜100mg/kg程度、静脈内投与の場合は0.1〜20
0mg/kg、好ましくは1〜50mg/kg程度である。プロリンは
日常的に摂取されているアミノ酸であり、本発明におい
て使用する量では毒性は知られていない。
類、症状によって異なり特に限定されないが、経口投与
する場合は1〜5000mg/kg、好ましくは5〜1000mg/kg、さ
らに好ましくは10〜200mg/kg程度である。また、皮内・
皮下・腹腔内・筋肉内投与する場合は1〜500mg/kg、好
ましくは5〜100mg/kg程度、静脈内投与の場合は0.1〜20
0mg/kg、好ましくは1〜50mg/kg程度である。プロリンは
日常的に摂取されているアミノ酸であり、本発明におい
て使用する量では毒性は知られていない。
【0010】薬理実験例1マウス各種肝障害モデルにおけるプロリンの肝障害抑制
作用(1) 各群4例のマウス(Slc:ICR、雄、投与開始時5〜6週
齢、体重25〜30g)に、L−プロリン 2g/kgおよび比較
対照薬としてグルクロン酸ナトリウム 0.5、1、2g/kgを
5日間連続経口投与した。5日目にはさらに、肝毒性惹
起物質として、(1)四塩化炭素 0.05ml/mouse(0.5mlの
オリーブオイル懸濁液)の経口投与、(2)1〜4日目ま
でフェノバルビタール 0.05ml/mouse(0.5%の濃度にな
るように生理食塩液に溶解)投与後、四塩化炭素 0.05m
l/mouse(0.5mlのオリーブオイル懸濁液)の経口投与、
(3)α−ナフチルイソシアネート 100mg/kg(0.5mlのオ
リーブオイル懸濁液)の経口投与、(4)D−ガラクトサ
ミン 7g/kg(0.2mlの注射用蒸留水に溶解)の腹腔内投
与を行った。その翌日にペントバルビタール・ナトリウ
ム麻酔下で、ヘパリンを添加した注射器を使用して、腹
大動脈より全採血しマウスを致死させた。血液は遠心分
離し、血漿中のGOTおよびGPTを測定した。表1お
よび表2に測定値を示した。その結果、L−プロリンに
はグルクロン酸ナトリウムと同等以上の肝障害抑制作用
が認められた。特に四塩化炭素モデルでは、L−プロリ
ンにはControl群と比較して有意な肝障害抑制作用がみ
られた。
作用(1) 各群4例のマウス(Slc:ICR、雄、投与開始時5〜6週
齢、体重25〜30g)に、L−プロリン 2g/kgおよび比較
対照薬としてグルクロン酸ナトリウム 0.5、1、2g/kgを
5日間連続経口投与した。5日目にはさらに、肝毒性惹
起物質として、(1)四塩化炭素 0.05ml/mouse(0.5mlの
オリーブオイル懸濁液)の経口投与、(2)1〜4日目ま
でフェノバルビタール 0.05ml/mouse(0.5%の濃度にな
るように生理食塩液に溶解)投与後、四塩化炭素 0.05m
l/mouse(0.5mlのオリーブオイル懸濁液)の経口投与、
(3)α−ナフチルイソシアネート 100mg/kg(0.5mlのオ
リーブオイル懸濁液)の経口投与、(4)D−ガラクトサ
ミン 7g/kg(0.2mlの注射用蒸留水に溶解)の腹腔内投
与を行った。その翌日にペントバルビタール・ナトリウ
ム麻酔下で、ヘパリンを添加した注射器を使用して、腹
大動脈より全採血しマウスを致死させた。血液は遠心分
離し、血漿中のGOTおよびGPTを測定した。表1お
よび表2に測定値を示した。その結果、L−プロリンに
はグルクロン酸ナトリウムと同等以上の肝障害抑制作用
が認められた。特に四塩化炭素モデルでは、L−プロリ
ンにはControl群と比較して有意な肝障害抑制作用がみ
られた。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】薬理実験例2マウス肝障害モデルにおけるプロリンの肝障害抑制作用
(2) 各群4例のマウス(Slc:ICR、雄、投与開始時5〜6週
齢、体重25〜30g)に、L−プロリンおよび比較対照薬
としてグルクロン酸ナトリウムまたはグリチルレチン酸
それぞれ 125、250および500mg/kgを5日間連続経口投
与した。5日目には肝毒性惹起物質として四塩化炭素
0.0125ml/mouse(0.5mlのオリーブオイル懸濁液)を経
口投与した。その翌日にペントバルビタール・ナトリウ
ム麻酔下で、ヘパリンを添加した注射器を使用して、腹
大動脈より全採血しマウスを致死させた。血液は遠心分
離し、血漿中のGOT、GPTおよびALPを測定し
た。測定値は表3に示した。その結果、L−プロリンに
はグルクロン酸ナトリウムおよびグリチルレチン酸より
も強い肝障害抑制作用が認められた。
(2) 各群4例のマウス(Slc:ICR、雄、投与開始時5〜6週
齢、体重25〜30g)に、L−プロリンおよび比較対照薬
としてグルクロン酸ナトリウムまたはグリチルレチン酸
それぞれ 125、250および500mg/kgを5日間連続経口投
与した。5日目には肝毒性惹起物質として四塩化炭素
0.0125ml/mouse(0.5mlのオリーブオイル懸濁液)を経
口投与した。その翌日にペントバルビタール・ナトリウ
ム麻酔下で、ヘパリンを添加した注射器を使用して、腹
大動脈より全採血しマウスを致死させた。血液は遠心分
離し、血漿中のGOT、GPTおよびALPを測定し
た。測定値は表3に示した。その結果、L−プロリンに
はグルクロン酸ナトリウムおよびグリチルレチン酸より
も強い肝障害抑制作用が認められた。
【0014】
【表3】
【0015】薬理実験例3マウス肝障害モデルにおけるL−プロリンの肝障害抑制
作用(3) 各群4例のマウス(Slc:ICR、雄、投与開始時5〜6週
齢、体重25〜30g)に、L−プロリン 50または100mg/kg
を経口、100mg/kgを筋肉内、比較対照薬としてグルクロ
ン酸ナトリウム 100mg/kgを経口および筋肉内、グリチ
ルレチン酸 100mg/kgを経口でそれぞれ5日間連続投与
した。5日目には肝毒性惹起物質として四塩化炭素 0.0
05ml/mouse(0.5mlのオリーブオイル懸濁液)を経口投
与した。その翌日にペントバルビタール・ナトリウム麻
酔下で、ヘパリンを添加した注射器を使用して、腹大動
脈より全採血してマウスを致死させた。血液は遠心分離
し、血漿中のGOT、GPTおよびALPを測定した。
測定値は表4に示した。その結果、L−プロリンにはグ
ルクロン酸ナトリウムおよびグリチルレチン酸と比較し
て、同等以上の肝障害抑制作用がみられた。また、L−
プロリンを筋肉内投与した場合にも同様の効果が認めら
れた。
作用(3) 各群4例のマウス(Slc:ICR、雄、投与開始時5〜6週
齢、体重25〜30g)に、L−プロリン 50または100mg/kg
を経口、100mg/kgを筋肉内、比較対照薬としてグルクロ
ン酸ナトリウム 100mg/kgを経口および筋肉内、グリチ
ルレチン酸 100mg/kgを経口でそれぞれ5日間連続投与
した。5日目には肝毒性惹起物質として四塩化炭素 0.0
05ml/mouse(0.5mlのオリーブオイル懸濁液)を経口投
与した。その翌日にペントバルビタール・ナトリウム麻
酔下で、ヘパリンを添加した注射器を使用して、腹大動
脈より全採血してマウスを致死させた。血液は遠心分離
し、血漿中のGOT、GPTおよびALPを測定した。
測定値は表4に示した。その結果、L−プロリンにはグ
ルクロン酸ナトリウムおよびグリチルレチン酸と比較し
て、同等以上の肝障害抑制作用がみられた。また、L−
プロリンを筋肉内投与した場合にも同様の効果が認めら
れた。
【0016】
【表4】
【0017】薬理実験例4マウス肝障害モデルにおけるプロリンの肝障害抑制作用
(4) 各群4例のマウス(Slc:ICR、雄、投与開始時5〜6週
齢、体重25〜30g)に、L−プロリン 500mg/kgおよび比
較対照薬としてグルタチオン500mg/kgを経口で、L−プ
ロリン 5、20および100mg/kgを静脈内にそれぞれ5日間
連続投与した。5日目には四塩化炭素 0.005ml/mouse
(0.5ml オリーブオイル懸濁液)を経口投与した。その
翌日にペントバルビタール・ナトリウム麻酔下で、ヘパ
リンを添加した注射器を使用して、腹大動脈より全採血
しマウスを致死させた。血液は遠心分離し、血漿中のG
OTおよびGPTを測定した。測定値は表5に示した。
その結果、経口投与した場合には、L−プロリンにはグ
ルタチオンよりも強力な肝障害抑制作用がみられた。ま
た、静脈内投与でも経口投与と同様に肝障害抑制作用が
認められた。
(4) 各群4例のマウス(Slc:ICR、雄、投与開始時5〜6週
齢、体重25〜30g)に、L−プロリン 500mg/kgおよび比
較対照薬としてグルタチオン500mg/kgを経口で、L−プ
ロリン 5、20および100mg/kgを静脈内にそれぞれ5日間
連続投与した。5日目には四塩化炭素 0.005ml/mouse
(0.5ml オリーブオイル懸濁液)を経口投与した。その
翌日にペントバルビタール・ナトリウム麻酔下で、ヘパ
リンを添加した注射器を使用して、腹大動脈より全採血
しマウスを致死させた。血液は遠心分離し、血漿中のG
OTおよびGPTを測定した。測定値は表5に示した。
その結果、経口投与した場合には、L−プロリンにはグ
ルタチオンよりも強力な肝障害抑制作用がみられた。ま
た、静脈内投与でも経口投与と同様に肝障害抑制作用が
認められた。
【0018】
【表5】
【0019】薬理実験例5マダイ肝障害モデルにおけるL−プロリン、ビフィズス
菌由来ペプチドグリカンおよびウコン抽出物製剤の肝障
害予防効果 各群5尾のマダイ(平均体重:294g)に、L−プロリ
ン、ビフィズス菌由来のペプチドグリカンまたはウコン
抽出物製剤各500mg/kg、および比較対照薬としてグルタ
チオン 500mg/kgを5日間連続経口投与した。5日目に
は肝毒性惹起物質として四塩化炭素 0.2ml/kg(0.3mlの
大豆油に懸濁)を背部筋肉内に投与した。その翌日にヘ
パリンを添加した注射器を使用して尾柄部静脈から採血
後、放血致死させた。血液は遠心分離し、血漿中のGO
T、GPTおよびALPを測定した。測定値はダンカン
の統計処理法(Duncan, D. B., Multiple range and mu
ltiple F tests. Biometrics, 11, 1-41, 1955)によっ
て検定し、その値を表6に示した。その結果、L−プロ
リンおよびウコン抽出物製剤投与群では、四塩化炭素投
与によるGOTおよびGPTの上昇が有意に抑制され
た。
菌由来ペプチドグリカンおよびウコン抽出物製剤の肝障
害予防効果 各群5尾のマダイ(平均体重:294g)に、L−プロリ
ン、ビフィズス菌由来のペプチドグリカンまたはウコン
抽出物製剤各500mg/kg、および比較対照薬としてグルタ
チオン 500mg/kgを5日間連続経口投与した。5日目に
は肝毒性惹起物質として四塩化炭素 0.2ml/kg(0.3mlの
大豆油に懸濁)を背部筋肉内に投与した。その翌日にヘ
パリンを添加した注射器を使用して尾柄部静脈から採血
後、放血致死させた。血液は遠心分離し、血漿中のGO
T、GPTおよびALPを測定した。測定値はダンカン
の統計処理法(Duncan, D. B., Multiple range and mu
ltiple F tests. Biometrics, 11, 1-41, 1955)によっ
て検定し、その値を表6に示した。その結果、L−プロ
リンおよびウコン抽出物製剤投与群では、四塩化炭素投
与によるGOTおよびGPTの上昇が有意に抑制され
た。
【0020】
【表6】
【0021】以上の結果より、プロリンには各種の肝障
害モデルにおいて、明らかな障害発生予防治療効果が認
められ、当該予防治療剤となりうるものとして期待され
る。
害モデルにおいて、明らかな障害発生予防治療効果が認
められ、当該予防治療剤となりうるものとして期待され
る。
【0022】
【実施例】以下に本発明を詳細に説明するために実施例
を掲げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
を掲げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0023】実施例1 乳糖 800g、ヒドロキシプロピルセルロース 50g、コー
ンスターチ 140gにL−プロリン 10gを加え、さらに水
を加えながら混合し、押出し造粒機によって顆粒剤とし
た。
ンスターチ 140gにL−プロリン 10gを加え、さらに水
を加えながら混合し、押出し造粒機によって顆粒剤とし
た。
【0024】実施例2 実施例1と同様に作製した顆粒剤を、L−プロリンとし
て0.01%となるように市販の肉豚肥育用飼料(商品名:
肉豚用ハイL、日本配合飼料(株)製)に混合した。
て0.01%となるように市販の肉豚肥育用飼料(商品名:
肉豚用ハイL、日本配合飼料(株)製)に混合した。
【0025】実施例3 L−プロリンの原末を0.02%の濃度になるように市販の
乳用牛飼育用飼料(商品名:ニューハイライト16、協
同飼料(株)製)に加え、よく混合して使用した。
乳用牛飼育用飼料(商品名:ニューハイライト16、協
同飼料(株)製)に加え、よく混合して使用した。
【0026】実施例4 マイワシ200gを乳鉢ですり潰しミンチにした。これにL
−プロリン 2.0gを加えよく混合し、成魚用のプロリン
添加飼料を作製した。
−プロリン 2.0gを加えよく混合し、成魚用のプロリン
添加飼料を作製した。
【0027】実施例5 ブラウンフィッシュミール 57g、カゼイン 14g、α−ス
ターチ 5g、ミネラル混合物(微量元素強化マッカラム
塩混合物 No.185)4g、塩化コリン 1g、セルロース 2.5
g、タラ肝油 10gおよびL−プロリン 2.5gを乳鉢で混合
し、20gの水を加えてよく練りこんだものを、造粒機で
直径約3mmのペレットにして、さらに水分含量が10%以
内になるように凍結・乾燥させ、魚類用のプロリン添加
飼料を作製した。
ターチ 5g、ミネラル混合物(微量元素強化マッカラム
塩混合物 No.185)4g、塩化コリン 1g、セルロース 2.5
g、タラ肝油 10gおよびL−プロリン 2.5gを乳鉢で混合
し、20gの水を加えてよく練りこんだものを、造粒機で
直径約3mmのペレットにして、さらに水分含量が10%以
内になるように凍結・乾燥させ、魚類用のプロリン添加
飼料を作製した。
Claims (1)
- 【請求項1】プロリンを有効成分とする肝障害予防治療
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10873697A JPH10298075A (ja) | 1997-04-25 | 1997-04-25 | 肝障害予防治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10873697A JPH10298075A (ja) | 1997-04-25 | 1997-04-25 | 肝障害予防治療剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10298075A true JPH10298075A (ja) | 1998-11-10 |
Family
ID=14492232
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10873697A Pending JPH10298075A (ja) | 1997-04-25 | 1997-04-25 | 肝障害予防治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10298075A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004091475A (ja) * | 2002-07-08 | 2004-03-25 | Taisho Pharmaceut Co Ltd | 高遊離脂肪酸血症の予防または改善用組成物 |
JP2004091476A (ja) * | 2002-07-08 | 2004-03-25 | Taisho Pharmaceut Co Ltd | 高トリグリセライド血症の予防または改善用組成物 |
WO2007129725A1 (ja) * | 2006-05-09 | 2007-11-15 | Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. | 肝障害抑制剤 |
-
1997
- 1997-04-25 JP JP10873697A patent/JPH10298075A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004091475A (ja) * | 2002-07-08 | 2004-03-25 | Taisho Pharmaceut Co Ltd | 高遊離脂肪酸血症の予防または改善用組成物 |
JP2004091476A (ja) * | 2002-07-08 | 2004-03-25 | Taisho Pharmaceut Co Ltd | 高トリグリセライド血症の予防または改善用組成物 |
JP4645791B2 (ja) * | 2002-07-08 | 2011-03-09 | 大正製薬株式会社 | 高遊離脂肪酸血症の予防または改善用組成物 |
WO2007129725A1 (ja) * | 2006-05-09 | 2007-11-15 | Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. | 肝障害抑制剤 |
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