JPH1029599A - 宇宙飛行体を目的軌道に乗せるための方法および装置 - Google Patents

宇宙飛行体を目的軌道に乗せるための方法および装置

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JPH1029599A
JPH1029599A JP9086449A JP8644997A JPH1029599A JP H1029599 A JPH1029599 A JP H1029599A JP 9086449 A JP9086449 A JP 9086449A JP 8644997 A JP8644997 A JP 8644997A JP H1029599 A JPH1029599 A JP H1029599A
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thrust
spacecraft
apogee
altitude
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JP9086449A
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Christophe Koppel
クリストフ コペル
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Societe Europeenne de Propulsion SEP SA
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    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
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    • B64G1/002Launch systems
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/22Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles
    • B64G1/24Guiding or controlling apparatus, e.g. for attitude control
    • B64G1/242Orbits and trajectories
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    • B64G1/24Guiding or controlling apparatus, e.g. for attitude control
    • B64G1/242Orbits and trajectories
    • B64G1/2427Transfer orbits
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B64G1/22Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles
    • B64G1/40Arrangements or adaptations of propulsion systems
    • B64G1/405Ion or plasma engines

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高比推力、低推力スラスタを用いて、宇宙飛
行体を軌道に乗せる方法および装置を提供すること。 【解決手段】 前記宇宙飛行体に設けられた高比推力ス
ラスタ装置を連続的に点火する間に、前記宇宙飛行体に
複数の中間軌道から成るスパイラル状の軌道を描かせ、
各周回における前記スパイラル状の軌道制御において、
近地点高度を高め遠地点高度を所定の方向移動させ、前
記複数の中間軌道の各々の軌道と前記目標の傾斜の差を
小さくし、次いで、遠地点高度と、近地点高度と、宇宙
飛行体の中間軌道の軌道傾斜が目標軌道の各々の値に実
質的に一致するまで、近地点高度と遠地点高度を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工衛星などの宇
宙飛行体を軌道に乗せるための方法に関する。この方法
では、宇宙飛行体は、目的軌道とは大きく異なり特に偏
心した楕円の初期軌道から開始して目的軌道、例えば該
宇宙飛行体が通常に作動するための軌道に乗せられる。
【0002】
【従来の技術】多数の人工衛星には、宇宙空間で移動す
るための、特に、人工衛星が乗せられた軌道をが完全で
なかったこと、月および太陽の引力、地球が完全な球体
ではないことの影響、地球に伴う空気力学的、磁気的、
電気的影響、太陽放射の作用などによる軌道の不完全性
を修正するためのスラスタ装置が配設されている。人工
衛星のスラスタ装置により、人工衛星は、また、ステー
ションに連結し、軌道を変更し、宇宙空間において正し
い方向性を確実に保持し、特に、人工衛星に搭載された
慣性ホイールが飽和しないようにすることにより、姿勢
制御装置が機能し続けられるようにする。
【0003】スラスタ装置は、一般的に人工衛星をあら
ゆる方向に移動させることができるが、そのうち1つの
方向へは大きく移動できるようにすることが好ましい。
重量比で見た場合、人工衛星のスラスタ装置は一般的に
主要な要素または最も大きな要素である。
【0004】スラスタ装置の分野では、スラスタ装置の
質量を低減するための技術に関心がある。放出された単
位質量または消費された単位質量当たりの推力である比
推力はスラスタ装置の特性値であり、比推力の大きなス
ラスタ装置が設計、開発、評価されてきた。一例として
「電気抵抗ジェットエンジン」型のスラスタ装置、クロ
ーズド・エレクトロン・ドリフト・プラズマ型スラスタ
装置、FEEPフィールド・エミッション・スラスタ装置、
ヘリオサーマル型スラスタ装置などがある。
【0005】理論的には、基本的に比推力を高めること
はゼロ質量出力、つまり、事実上物質を消費しない生成
物の出力を物質粒子の機械的出力に変換することであ
る。実際上、こうしたゼロ質量出力は、電気的出力、ま
たは、太陽放射もしくは原子力電池から得られた熱出力
である。
【0006】この種の高比推力スラスタから得られた推
力は、供給可能な電気的出力レベルまたは熱的出力レベ
ルに依存している。人工衛星では、こうした出力はその
太陽電池パネルの大きさ、太陽熱エネルギ濃縮装置の大
きさ、または、原子力電池の大きさ、或いは、特にエネ
ルギ貯蔵手段の大きさにより制限される。その結果、高
比推力スラスタ装置による推力は、従来の化学エンジン
から得られる推力、400N(人工衛星のアポジモータ
の典型的な値)と比較して小さく或いは非常に小さい値
となる。
【0007】所定質量の粒子に与えられる機械的出力に
変換される電気的出力または熱的出力が大きければ大き
いほど、その結果得られる比推力が大きくなる。従っ
て、スラスタ装置の比推力が大きければ大きいほど、所
定の電気的出力または熱的出力消費に対する推力が低く
なる。この特性は、概ね全ての形式の高比推力スラスタ
装置にあてはまる。
【0008】この特性は、推進装置に対して以下の効果
がある。すなわち、与えられた全推力(つまり、点火時
間の累計の間に飛行体に与えられた力の累計値または時
間積分値)に対して、高比推力スラスタにより消費され
た物質の質量が著しく低減され、スラスタ装置の作動時
間が増加する。
【0009】高比推力型のスラスタ装置の推力は、人工
衛星が基準軌道にある場合の軌道移行に適している。と
言うのは、必要となる力が小さいか或いは非常に小さい
からであり(比推力の小さな)化学式スラスタ装置に比
較して現実的に有利となる。
【0010】反対に、人工衛星が最初に基準軌道から大
きく外れた軌道に乗せられたときには、人工衛星は、初
期軌道から基準軌道へ移るために、それ自身の推進装置
を作動させなければならない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】こうした状況では、上
記の軌道の修正に要する全時間が長くなる。この時間は
短いほうがよい。軌道移行に要する時間が長ければ長い
ほど、最終的なペイロードが大きくなり、飛行体を軌道
に乗せるための費用(地上基地の非常および地上の追跡
班の費用)が増加する。また、軌道移行に要する時間が
長いと、飛行体がバンアレン帯を通過する際に損傷を受
ける危険が増加する(バンアレン帯の位置は変化する
が、高度1800km、2000km、10000k
m、21000km付近に存在する)。
【0012】特に、バンアレン帯に存在する陽子または
電子から放射される電磁波または放射線から構成要素ま
たは太陽電池を保護するために必要となる構成要素また
は太陽電池の補強を最小限にするために、軌道上で飛行
体がバンアレン帯を通過する回数をなるべく少なくする
ことが望ましい。
【0013】高比推力と低推力を有するスラスタ装置を
用いて人工衛星の軌道を移行させる様々な例がこれまで
提案されている。1995年の第46回国際宇宙会議で
公表されたシュッツトガルト大学(ドイツ国)のエー.
ジー.シュバー、ユー.ダブリュ.シュトレ、イー.メ
ッサーシュミットの論説「通信衛星の低推力移行任務へ
の動作衝撃および環境影響」は、アリアン4ロケットの
静止軌道への移行軌道(GTO)である従来の初期軌道
と最終目標軌道である静止軌道(GEO)との間の軌道
移行を示している。軌道移行は「アークジェット」タイ
プのスラスタ装置により作られるGTO軌道の遠地点を
中心とする多数のスラストアークを含んでおり、最終的
な静止軌道GEOに到達するまで人工衛星の軌道が漸次
変化する。
【0014】ヨーロッパ特許公報EP−B−00472
11号は、スラストアークにより軌道を変える方法を開
示している。上記2つの文献に記載された2つの方法で
は、遠地点高度は一定に維持され、或いは、非常に遅く
なっている。説明された軌道移行により要求される時間
は非常に長く、この時間を短縮するためには推力を高く
しなければならない。また、エンジンを軌道しなければ
ならない回数も大きく、このことにより主要な操作が拘
束される。人工衛星は、人工衛星の変化する位置の関数
として一定に変化し、地球の回転の恒星周期と異なる或
いは非常に異なる恒星周期を有した軌道にある間は、ス
ラスタ装置を軌道する必要があっても、所定の地上基地
から常に見えるとは限らない。このことは、人工衛星を
軌道に乗せるためにスラスタ装置を多くの状況で軌道し
なければならない方法は、1つの地上基地のみを利用し
て安全に実施することができないことを意味している。
反対に、それは、人工衛星を軌道に乗せるために必要な
期間にわたって、異なる位置に配置された複数の地上基
地を使用することによって可能となる。地上操作および
地上基地の使用のための費用は無視できない。
【0015】人工衛星を軌道に乗せるための前述し文献
に記載された方法で、軌道移行のための全時間を短縮す
るために、高推力スラスタ装置を備えることが優れてい
る。然しながら、こうした状況の下では、スラスタに与
えられる所定の動力に対して比推力は小さく、そして、
軌道移行の間に消費される質量は大きくなる。これまで
推奨されてきた人工衛星を軌道に乗せるための種々の解
決方法は、従って比較的性能が低くなる。
【0016】軌道を漸次変形させて最終的な目標軌道の
直近にくるように、或いは、目標軌道に達するように、
初期の円形軌道から最終的な円形軌道へ通過させるため
に、局所水平面または軌道速度(地球に対する相対速
度)に方向付けたスラスタ装置を連続的に作動させるこ
とがアービングにより提唱されている。この種の軌道移
行方法は、スパイラル状の軌道を形成し、かつ、スラス
タ装置を1回だけ起動することにより行われる。それに
も拘らず、バンアレン帯内での周回回数を最適化するこ
とができず、これが欠点であり、現在、軌道移行の上記
全てのタイプは、円形の軌道で移行させることのみに適
用され、適当な場合に特定の楕円軌道間に適用される。
【0017】ヨーロッパ特許EP−A−673833号
公報(スピツァの特許)に開示された特定の軌道移行方
法の文脈において、次に続くスパイラルタイプの軌道移
行方法でスラストアークにより軌道移行を組み合わせる
ことが提唱されている。高比推力、低推力のみを使用す
ると、人工衛星を軌道に乗せる技術は、特に時間に関し
て相対的に性能が低い。バンアレン帯を通過する周回回
数は高く、スラスタ装置の起動回数も高く、そして、不
幸にして、スラスタ装置のこの大きな起動回数は、近地
点高度を高くする第1段階で必要であり、恒星周期は、
地球の回転の恒星周期と異なっている。
【0018】エー.スピタイザは、また「ハイブリッ
ド」型の推進、つまり、第1の軌道移行段階で複数のス
ラストアークにわたって作動させる従来の化学エンジン
と、スパイラル状の第2の軌道移行段階で行われる高比
推力スラスタ装置とを組み合わせる推進方法を提唱して
いる。こうした状況の下で、軌道移行にかかる全時間
は、一般的に短縮されバンアレン帯を通過する回数は低
減される。然しながら、軌道移行の間に消費される質量
は比較的大きく、上記2つの異なるタイプの推進装置が
必要となり、従って、ただ1つの推進装置を有するシス
テムと比較してコストが増加し、人工衛星の構造が複雑
になり、特に、種々のタンクに異なる物質を充填するた
め、および、汚染または火災の危険に必要な予備措置の
ために、準備費用と打ち上げ費用とが増加する。
【0019】本発明は、高比推力、低推力スラスタを用
いて、上述した欠点を軽減し、特に、打ち上げ装置によ
り人工衛星または宇宙飛行体を人工衛星が通常作動する
軌道とは異なる軌道に乗せることを可能とすることを目
的としている。
【0020】本発明は、特に、初期軌道から目標軌道へ
の軌道移行の時間を最小限とすることを目的としてい
る。本発明は軌道移行の信頼性を改善することを目的と
している。本発明の他の目的は宇宙飛行体の製造コス
ト、利用コスト、化学物質を用いることに伴う危険性を
低減することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】これらの目的は、人工衛
星などの宇宙飛行体の通常運転用の目標軌道とは実質的
に異なり、かつ、目標軌道よりも偏心した楕円の初期軌
道から前記宇宙飛行体を前記目標軌道へ乗せるための方
法であって、前記方法は、前記宇宙飛行体に設けられた
高比推力スラスタ装置を連続的に点火する間に、前記宇
宙飛行体に複数の中間軌道から成るスパイラル状の軌道
を描かせ、各周回における前記スパイラル状の軌道制御
において、少なくとも軌道移行の第1の段階で、近地点
高度を高め遠地点高度を所定の方向移動させ、前記複数
の中間軌道の各々の軌道と前記目標の傾斜の差を小さく
し、軌道移行の少なくとも第2の段階で、遠地点高度
と、近地点高度と、宇宙飛行体の中間軌道の軌道傾斜が
目標軌道の各々の値に実質的に一致するまで、近地点高
度と遠地点高度を個々に所定方向に一定に制御すること
を特徴とする方法により達成される。
【0022】それが適切な場合には、高比推力スラスタ
集成体は、単一の高比推力スラスタを具備している。こ
うして、目標軌道に人工衛星を乗せるために1つのタイ
プのスラスタ装置のみが必要となる。
【0023】然しながら、高比推力スラスタ装置と同じ
気体、例えばキセノンを使用するガススラスタまたは電
気抵抗ジェットなどの他のタイプの補助スラスタ装置を
含むことはできないわけではない。こうして、既述した
化学式推力の欠点を除きながら短時間でより大きな推力
レベルを得ることが可能となる。
【0024】こうした補助スラスタ装置は、初期段階に
おいて、例えば、太陽電池パネル展開するために寄生ト
ルクを制御するために用いられる。
【0025】軌道移行の第1の段階において宇宙飛行体
の通常運転用の目標軌道とは実質的に異なる楕円軌道上
にある宇宙飛行体を、各周回において先ず前記スラスタ
装置を連続的に点火し、中間軌道の遠地点高度を高め、
近地点高度をより少ない量で高め、軌道移行の第2の段
階において、連続点火の最後まで、中間軌道の遠地点高
度を下げ、近地点高度を高める。
【0026】本発明の第2の方法では、軌道移行の第1
の段階で、前記スラスタ装置を連続的に点火し、各周回
において、中間軌道の遠地点高度を高め、かつ、近地点
高度を高め、軌道移行の第2の段階において連続点火の
中間近くで各周回において中間軌道の遠地点高度を下
げ、近地点高度を高め、次いで、軌道移行の第3の段階
で、宇宙飛行体の中間軌道の離心率が目標軌道の離心率
に実質的に達たのち、かつ、前記連続点火の最後まで、
各周回において、遠地点高度と、近地点高度と、宇宙飛
行体の中間軌道の軌道傾斜が目標軌道の各々の値に実質
的に一致するまで、目標軌道と中間軌道との傾斜の差を
小さくしながら遠地点高度を下げ、近地点高度を下げ
る。
【0027】本発明の第3の方法では、軌道移行の第1
の段階において、スラスタ装置を連続点火し、各周回に
おいて、中間軌道の遠地点高度を下げ、近地点高度を固
め、次いで、軌道移行の第2段階において、連続点火の
最後まで、前記宇宙飛行体の中間軌道の離心率が目標軌
道の離心率に実質的に達した後に、各周回において、中
間軌道の遠地点高度を下げ、近地点高度を下げる。
【0028】本発明は、また、人工衛星などの宇宙飛行
体の通常運転用の目標軌道とは実質的に異なり、かつ、
目標軌道の離心率とは異なる離心率を有する楕円の初期
軌道から前記宇宙飛行体を前記目標軌道へ乗せるための
装置において、前記宇宙飛行体に配設されたプラットフ
ォームと、前記プラットフォームに取り付けられ、前記
宇宙飛行体に全推力を与えるために5000Ns/kg
よりも大きな高比推力と、10Nよりも小さな推力を有
するスラスタ装置と、前記宇宙飛行体がその初期軌道に
乗せられた後に、点火が途切れることなく前記宇宙飛行
体が完結したスパイラル状の移行軌道に到達可能とし、
かつ、遠地点高度と、近地点高度と、宇宙飛行体の中間
軌道の軌道傾斜が目標軌道の各々の値に実質的に一致し
たときに前記スラスタ装置の点火を停止する前記スラス
タ装置を連続運転させる制御装置と、推力制御装置とを
具備する装置が提供される。
【0029】前記推力制御装置は、前記スラスタ装置の
連続点火の間、前記宇宙飛行体の各周回で中間軌道の各
々において、遠地点高度を高め、近地点高度をより少な
い量で高め、かつ、目標軌道に対する中間軌道の傾斜の
差を低減するように、全推力を目標とする第1の制御信
号を発生するよう作動する少なくとも第1の手段と、前
記第2のスラスタ装置の点火の第2の段階の間、前記宇
宙飛行体の各周回で中間軌道の各々において、遠地点高
度を下げ、近地点高度を高め、かつ、目標軌道に対する
中間軌道の傾斜の差を低減するように、全推力を目標と
する第2の制御信号を発生するよう作動する少なくとも
第2の手段とを具備している。
【0030】前記スラスタ装置は、適宜に、プラズマタ
イプのクローズド・エレクトロン・ドリフト・スラス
タ、イオン・スラスタ、または、「アークジェット」タ
イプのスラスタ(つまり、電気アークスラスタ)を有し
ている。
【0031】特定の実施形態では、全推力を目標とする
前記第1と第2の制御信号を発生する前記第1と第2の
手段が、前記宇宙飛行体の姿勢を変化または監視を行
い、かつ、点火が継続するようにスラスタ装置の連続的
な作動を制御する装置が作動する間、作動するセンサを
具備している。
【0032】より詳細には、前記装置の推力目標を制御
するための前記第1の手段は、全推力を局所水平面内で
前記宇宙飛行体の速度の方向に向けるための手段を具備
している。
【0033】その場合において、より詳細には、前記装
置の推力目標を制御するための前記第2の手段が、遠地
点の近傍において、全推力を主として局所水平面内で宇
宙飛行体の速度方向に向ける手段と、近地点近傍におい
て、全推力を主として軌道平面に対して概ね垂直方向の
平面内で宇宙飛行体の速度方向に対して反対方向に向け
る手段とを具備している。
【0034】全推力を方向付けるために前記遠地点近傍
で作動する手段は、前記遠地点を中心とする楕円の半分
に接するように全推力を方向付ける。
【0035】全推力を方向付けるために前記近地点近傍
で作動する手段は、前記近地点を中心とする楕円の半分
に接するように全推力を方向付ける。
【0036】変形実施形態において、前記装置の推力目
標を制御するための前記第1と第2の手段は、推力をあ
る平面内で軌道に対して接する平面を概ね垂直に通過す
る、宇宙空間内の固定された或いは概ね固定された方向
に向ける手段を具備している。
【0037】前記装置は、前記宇宙飛行体の姿勢を制御
するためのシステムの慣性ホイールなどの前記宇宙飛行
体に属する手段により構成される全推力を方向付ける手
段を具備している。調節可能なスラスタ装置を用いるこ
ともできる。
【0038】前記装置は、前記装置が、前記操舵可能な
プラットフォームを個々に方向付けるための手段を含む
全推力を操舵する手段と、前記スラスタ装置からの推力
を所定置にサーボ制御する手段とを具備し、発生し軌道
平面の外側に成分を有する全推力が前記宇宙飛行体の質
量中心を通過できるようになっている。
【0039】本発明の装置は、前記操舵可能なプラット
フォームが、少なくとも1つの軸線を中心として10°
以上操舵可能となっている。
【0040】本発明の有利な実施形態では、高比推力を
有する前記スラスタ装置が人工衛星などの前記宇宙飛行
体の姿勢および軌道を制御する手段を構成している。
【0041】本発明の方法によれば、近地点の連続的な
増加と(高度の低下により制限される)、ある増加から
開始してある低下により終了する遠地点高度の変化を確
実にすることにより、スラスタ装置を連続的に作動させ
ながら、あらゆる楕円形の初期軌道から非常に多数の最
終軌道に達することが可能となる。
【0042】特に、初期軌道と最終的な目標軌道が互い
に接近した遠地点を有する場合には、本発明によれば、
スラスタ装置が点火されている間、遠地点の像か現象に
概ね等しい。この場合、近地点の増加により全軌道移行
は終了する。
【0043】本発明の方法および装置による軌道移行
は、目標軌道に対して任意の楕円の初期軌道に適用可能
であり、本発明は特に初期軌道が適当に偏心し(0.2
より大きな離心率を有する)、目標軌道の恒星周期より
も短い恒星周期を有し(つまり、初期軌道の近地点高度
が、最終的な目標軌道の近地点高度よりも低い)、目標
軌道の遠地点に近接した遠地点を有する楕円であって、
最終軌道が円形または離心率を有していない(離心率が
0.1よりも小さい)場合に特に有利である。こうした
状況は、静止衛星を静止軌道への移行軌道に打ち上げる
とき、或いは、中間高度(例えば20000km)で円
形軌道を周回しなければならない人工衛星をその目標軌
道に打ち上げるときに生じる。点火している間に遠地点
が連続して高くなることにより軌道移行の効率が最良と
なり、そしてそれは、主として近地点高度の増加のため
である。スラスタ装置の点火の終了に向かって、遠地点
高度が連続して下がりスラスタ装置による付加的な消費
が生じるが、こうした付加的な消費は大きくなく、軌道
移行の全時間が非常に短縮される。
【0044】本発明の方法は、たとえ初期軌道の遠地点
高度が目標軌道の遠地点高度とは著しく異なっており、
かつ、最終軌道が円形であっても、初期軌道が楕円で最
終的な目標軌道の恒星周期よりも小さい恒星周期を有し
ている場合に有利に適用することができる。
【0045】本発明の第3の方法は、特にバンアレン帯
内での周回回数を最小限とするために適合している。こ
の方法では、高比推力スラスタ装置は連続的に点火さ
れ、全推力の方向が決定(操舵)される。例えば、近地
点高度を高め、遠地点高度を下げ、次いで、スラスタ装
置の作動を停止することなく、全推力が遠地点高度連続
的に下げ、同時に近地点高度を連続的に下げ、最終的
に、近地点高度および遠地点高度を最終的な目標軌道の
近地点高度および遠地点高度に一致させるために操舵さ
れる。
【0046】上記特定の方法は、非常に偏心し目標軌道
の恒星周期以上の恒星周期を有する軌道に宇宙飛行体を
打ち上げるために適している。例えば、近地点620k
m、遠地点330000kmで8日の周期を有する軌道
から開始して、1日の周期を有する静止軌道に人工衛星
を打ち上げる場合である。初期質量2950kg、全推
力0.64Nの条件で本発明の高比推力スラスタ装置を
用いてバンアレン帯を2回のみ周回させて軌道に乗せら
れる。このようにバンアレン帯を通過する中間軌道を少
なくすることにより、本発明の方法は、高推力推進装置
を用いた従来の方法と同程度に優れた性能を発揮する。
【0047】本発明の方法および装置の1つの利点は、
スラスタ装置を1回起動させるだけで、人工衛星を従来
の静止軌道への移行軌道から静止軌道へ移行させること
ができる点である。この利点は、起動操作が比較的難し
いので、非常に重要である。起動操作は遷移状態であり
非常に注意を要するので、起動操作を制限することが望
ましい。例えば、電気スラスタ装置の場合、スラスタ装
置を準備し作動させるために数分間必要とする。起動移
行するために複数のスラスタ装置を用いる場合、特に、
個々の推力が宇宙飛行体の質量中心近傍を通過しない場
合には、これらのスラスタ装置を同時に起動させなけれ
ばならない。複数のスラスタ装置が同時に起動しなけれ
ば、宇宙飛行体の姿勢制御装置が姿勢の変化を相殺しな
ければならない。制御装置は飽和するかもしれず、その
場合には起動操作をあきらめ、後に再び起動しな直さな
ければならない。初期軌道と目標軌道との間の移行期間
にわたって、特に少なくとも中間軌道の恒星周期が地球
の回転の恒星周期から非常に異なっている間にスラスタ
装置を一回だけ起動すればよい点は非常に有利である。
従って、複数の地上基地を準備する必要はなく、更に、
上述の1回の起動を行う位置は相対的に重要ではない。
更に、この1回の起動の利点は、本発明の人工衛星を目
標起動へ乗せるための方法が自動制御に非常に適してい
ることを示しており、従って、宇宙飛行体は軌道に乗せ
るまで自動制御され、軌道へ乗せるためのコストが削減
される。
【0048】本発明の他の重要な利点は、1のタイプの
スラスタ装置、つまり、高比推力タイプのスラスタ装置
のみで人工衛星を軌道に乗せる軌道移行が可能な点であ
る。また、補助スラスタ装置を設けてもよいが、この補
助スラスタ装置は、高比推力スラスタ装置と同じ不活性
ガスを使用する。これにより、宇宙飛行体の製造コスト
および運行コストが削減され、化学物質の使用に伴う危
険性や、自然発火の危険性、他の有毒物質の危険性が制
限される。と言うのは、従来主に使用されている高推力
スラスタ装置はキセノンなどの不活性ガスではなく、化
学物質を使用するからである。
【0049】また、本発明の軌道移行方法は不可避的に
スラスタ装置を連続的に作動させなければならないの
で、軌道移行期間中にスラスタ装置により消費される質
量は軌道移行に要する時間に直接比例する。その結果、
本発明の文脈において、軌道移行に要する時間を最小限
とする、すなわち、軌道移行期間中に消費される質量を
最小限とるすために、軌道移行期間中にスラスタ装置の
方向付け、操舵、を最適化する。
【0050】遠地点、近地点パラメータの変化に対して
提言された基準値を満足させながら適切な操舵を決定す
るために種々の最適化方法を用いることができる。特に
軌道移行の開始における操舵のために、推力を局所水平
面に置くことが従来の静止軌道への移行軌道から効果的
である。軌道移行の最終段階に向けて、軌道の遠地点近
傍で水平面に推力を置き、近地点近傍で軌道速度に対し
て反対の接線方向に向ける。軌道移行期間中に操舵を固
定したり或いは慣性も視野にある。
【0051】軌道移行の最後において、積載装置に必要
な調整を行うために、かつ、同時に人工衛星を軌道に乗
せるための軌道移行を完了するために(つまり、スラス
タ装置が作動し続けている間に)、人工衛星が(推力を
局所水平面内に置くための操舵の結果)地球に対面して
いるとが有利である。
【0052】本発明の方法にるスラスタ装置の操舵は、
従来の移行軌道から静止軌道へ移行させる場合に、物質
質量の消費を従来の化学的推進装置を用いた装置と比較
して著しく増加させることなく、軌道移行を短時間で実
行するために特に適していることが明らかとなる。
【0053】一例として、0.64Nの全推力、高比推
力16000Ns/kg、比出力16kW/Nを有する
プラズマスラスタ装置を備えた2950kgの人工衛星
であって、アリアン5発射機による静止軌道への移行軌
道へ(遠地点36000km、近地点620km)最初
に乗せる人工衛星に対して、静止軌道へ乗せるために軌
道移行期間3.7カ月、消費電力10kW、消費質量3
80kgを要する。
【0054】本発明による人工衛星を軌道へ乗せるため
の方法では、全体として、人工衛星を軌道に乗せる軌道
移行を行うための全推力を飛行体の初期質量(Mi i
nkg)で除した比により以下のように定義される軌道
移行の比推力との概念を考えることができる。 Ispmaneuver=F×Δt/Mi
【0055】スラスタ装置は連続的に点火しているの
で、出力された全推力は力(ニュートン)と軌道移行の
時間(Δt秒)との積に等しい。上述の例ではIspmane
uverは2070N.s./kgである。この量はスラス
タ装置の比推力(高比推力とする)には比較的依存して
いない。この軌道移行の比推力との概念により、本発明
の人工衛星を軌道に乗せるための方法の主要な特性およ
び利点を迅速に評価することができる。
【0056】これに対して、同じペイロードを有し従来
の化学推進装置を使用する従来の人工衛星は打ち上げ質
量4100kgを必要とする。つまり、1メートルトン
余分に必要となる。従って、打ち上げコストが増加す
る。或いは、打ち上げコストが一定ならば、ペイロード
を下げなければならず、宇宙飛行体の利益を損なう。
【0057】また、同じペイロードで、16000Ns
/kgの高比推力と上述した例と類似する推力(0.6
4N)を用いる人工衛星であって、軌道の遠地点近傍で
のスラストアークに依存する方法、または、遠地点およ
び近地点でのスラストアークによる方法により軌道移行
が達成される人工衛星は、離陸質量は同じ(例えば28
60kg)であるが、人工衛星を最終軌道へ乗せるため
の移行期間は4.8カ月まで延び、本発明により人工衛
星を軌道へ乗せるために要する期間よりも約30%長く
なっている。
【0058】本発明によりもたらされる利点は非常に重
要である。と言うのは、人工衛星が収益を開始する前
に、人工衛星を建造し打ち上げるための投資による金融
コストを特に低減することに寄与するからである。更
に、軌道移行中の地上基地設備の使用期間も低減され、
そのためのコストも低減される。
【0059】本発明で実施される軌道移行によりもたら
される他の利点は、スラストアークに依存する軌道移行
に比較して、バンアレン帯を通過する時間が著しく短縮
される点である。中間軌道の遠地点高度が高められるの
で、近地点近傍、特に陽子や電子が存在する帯における
速度を特に高くすることができ、同じスラスタ装置であ
っても遠地点でスラストアークを実施する軌道移行方法
と比較してバンアレン帯を通過するために要する時間が
短縮される。更に、遠地点高度が非常に迅速に高くな
り、バンアレン帯を通過する回数が非常に低減される。
【0060】初期軌道の傾斜を最終的な目標軌道に対し
て大きくすればするほど効率が高くなる点である。遠地
点高度を高くすると、傾斜の違いを効果的に修正するこ
とが可能となり、これは、例えば、超静止軌道に対する
特徴的な利点であり、高度が高くなればなるほど効率が
高くなる。この場合、傾斜を小さくするためには、軌道
平面の外側に推力を置いて、単に、中間軌道の遠地点が
最終的な目標軌道の平面内に実際に存在することを検証
すればよい。遠地点高度、近地点高度および傾斜以外の
軌道パラメータを変更せずに全推力を操舵するときに最
大効率が得られる。人工衛星が初期軌道にあるとき、初
期軌道の遠地点が最終的な目標軌道の平面内にあれば、
その飛行形態は継続され、そして、傾斜の違いの修正は
より効果的に行われる。上記の修正の効率を改善するた
めに、月、太陽および地球の非球状重力ポテンシャルい
わゆる「外乱」を考慮することもできる。
【0061】本発明の他の利点は、スラスタ装置が起動
する前に人工衛星を展開することが可能である点であ
る。これは、高比推力スラスタ装置が上述のように低い
推力を発生するので、太陽電池パネルまたは太陽センサ
若しくは展開可能なアンテナやマストなど脆い構造体を
損傷する大きな応力が生じないためである。
【0062】スラスタ装置がアンテナの活性面を汚染ま
たは腐食するような位置に配設されている場合には、ス
ラスタ装置を停止するまでアンテナを展開できないこと
もある。これに対して、スラスタ装置が点火される前に
太陽電池パネルを展開することにより、高比推力スラス
タ装置が太陽電池パネルからの電力を効果的に使用する
ことが可能となる。本発明の他の特徴、利点は、以下の
実施形態の説明から明らかとなる。
【0063】
【発明の実施の形態】人工衛星を円軌道に乗せるために
従来から3つの方法が提案されている。図1から図3を
参照して、この3つの方法を説明する。図1を参照する
と、ホーマンの軌道移行方法(Hohmann maneuver)によ
る種々の段階が図示されている。打ち上げ段階1で人工
衛星がロケットにより低軌道に乗せるられ、次の移行段
階2で人工衛星が近地点において楕円軌道、すなわち、
遠地点が最終的な所望高度に一致する楕円軌道に高速で
発射され、第2の速度増加3により、人工衛星が最終的
な円軌道4に第2の高速で発射さる。参照番号5、6で
指示される部分はバンアレン帯を示している。
【0064】図2の方法は、非常に小さく連続的な加速
度を与えながらスパイラル状の軌道を用いている。段階
1において低い円軌道に打ち上げられ、移行段階2にお
いてスパイラル軌道を描く。参照番号7は、スパイラル
点火が停止する位置を示している。参照番号3の位置で
人工衛星は最終的な円軌道に発射される。バンアレン帯
は、図1と同様に参照番号5、6にて指示されている。
図1、2に示す軌道移行方法の欠点は既に説明した。
【0065】図3に「スラストアーク」法を示す。打ち
上げ段階1の後、人工衛星は楕円軌道の半分の軌道であ
る第1軌道へ乗せられ、遠地点に向けてスラスタ装置が
点火されて速度増分3Aが与えられる。次いで、人工衛
星は、従前の軌道よりも非常に高い近地点と、従前の軌
道よりも僅かに高い遠地点とおを有する第2の楕円軌道
4Aに乗せられる。新しい遠地点においてスラスタ装置
が再び点火されて速度増分3Bが与えられ、飛行体は新
しい楕円軌道4Bに乗せられる。楕円軌道4Bは、従前
の軌道よりも著しく高い近地点と、従前の軌道よりも僅
かに高い遠地点とを有している。遠地点が最終高度に一
致し飛行体を最終円軌道4に乗せることのできる楕円軌
道に到達するまで上記の操作が繰り返される。図1、2
と同様にバンアレン帯が参照番号5、6で指示されてい
る。連続スラストアークにより軌道に達する方法の欠点
は既に説明した。
【0066】以下、図4から6を参照して、人工衛星な
どの宇宙飛行体を軌道に乗せるための本発明の方法を説
明する。発射装置により地球100から打ち上げる段階
101の後に、人工衛星は楕円軌道102に乗せられ
る。人工衛星を最終軌道へ乗せるための点火は直後に行
っても、或いは、初期軌道102を何回か回った後にユ
ーザの都合のよいときに、例えば、人工衛星が位置10
3に達したときに行ってもよい。
【0067】位置103にある人工衛星の軌道移行を開
始を決定した瞬間、人工衛星の高比推力スラスタ装置が
点火される。スラスタ装置の個数は1に制限されるかも
しれない。
【0068】高比推力スラスタ装置が連続運転され、そ
して、全推力を操舵することにより、人工衛星はスパイ
ラル軌道104A、104B…を周回する。この軌道
は、遠地点高度が近地点高度よりも非常に急速に増加す
る一連の中間軌道を特徴としている。
【0069】中間軌道の遠地点高度が十分に高くなる
と、例えば位置104Gにおいて、スラスタ装置は運転
を継続ながら、全推力の操舵の相対制御のみを修正する
ことにより傾斜が変化する。
【0070】人工衛星がスパイラル軌道の部分104K
上を移動する間スラスタ装置は作動を続け、前記スパイ
ラル軌道が、近地点高度を高めながら、各周回上の遠地
点、すなわち、各中間軌道での遠地点を通過するように
全推力の操舵のみが修正される。
【0071】例えば位置104Nにおいて望ましい傾斜
変化が得られると、スラスタ装置は運転を継続し、推力
が軌道平面に一致し、かつ、遠地点高度が減少して近地
点高度が増加するように全推力の操舵のみが修正され
る。
【0072】そのとき、中間軌道104Nから104P
によりスパイラル軌道は連続している。スラスタ装置
は、例えば、遠地点高度と近地点高度が一致または概ね
一致する位置107において漸次低減される。
【0073】既述の例から理解されるように軌道の傾斜
がスラスタ装置の起動の直度に変化しないので有利であ
る。スラスタ装置を連続的に作動させながら点火を開始
しとき、バンアレン帯を通過する時間が最小限となるよ
うに、近地点高度を急速に増加できるようにすることが
適切である。この時間は傾斜が変化すると長くなる。と
言うのは、近地点高度を高くするための推力成分が必要
となるからである。
【0074】同様に、全性能を最適化するために、最終
的な目標起動に到達する前であっても、傾斜の望ましい
変化は位置104Nにおいて達成される。遠地点高度が
高ければ高いほど、それによる傾斜変化の効果は大き
い。
【0075】スパイラル軌道の間、スラスタ装置の作動
の種々の段階は、飛行体の最終位置を静止軌道またはそ
の近傍の目標位置での制限を考慮することができる。ス
パイラル軌道には、作業への小さなコスト影響で、スラ
スタ装置を作動させることにより静止軌道上の如何なる
位置にも到達することを可能とする緯度が多数存在す
る。
【0076】本発明の方法は、スラスタを一回作動させ
ることにより、初期軌道から最終の目的軌道へ軌道移行
を可能とする利点がある。ユーザの都合により、最終軌
道へ乗せるとの理由以外の理由、例えば、スラスタ装置
または人工衛星のメンテナンスオペレーションのため
や、或いは、オービットマッピング、遠隔測定、または
遠隔操作上の必要性から、何時でも一時的にスラスタ装
置の作動を停止できることは言うまでもない。
【0077】また、特定の適用例では、例えば、人工衛
星をより迅速に静止軌道上の最終位置へ乗せることが望
ましい場合、或いは、傾斜ゼロで静止軌道を通過するこ
とを除去する場合に、スラスタ装置が点火を開始するや
否や、或いは、スラスタ装置が停止するや否や傾斜を変
えることができる。
【0078】周知の通り、遠地点および近地点は一回の
軌道周回中に宇宙飛行体が到達する地球に対する最大お
よび最小距離として定義される。一般的に、たとえスラ
スタ装置の推力が小さくとも、人工衛星が描く軌道は、
高比推力スラスタ装置が作動していても楕円形に閉じた
形状となる。そのために、問題となる遠地点および近地
点は平均軌道に接する楕円の遠地点に近くなる。
【0079】軌道移行操作において軌道位置104Kか
ら104Nに対応する段階の間に期待される効果を得る
ために、遠地点を中心とする楕円の半分の間に、図9に
略示するように局所的水平面内で推力を操舵し、図10
に略示するように、近地点を中心とする楕円の半分の間
に軌道平面に対して垂直で軌道に正接する平面内で推力
を操舵することが可能である。
【0080】図9、10に、遠地点スラストアークの傾
斜αおよび近地点スラストアークの傾斜α′を示す。図
9、10において、 a:長半径 b:短半径 c:楕円の焦点と中心の距離である。 楕円の離心率は比率c/aで与えられる。
【0081】図11に「同様の」方法を用いて軌道に乗
せる方法を示す。この方法には、バンアレン帯を通過す
る時間に関して非常に重要な利点がある。初期軌道は、
近地点620km遠地点71000kmを有する軌道で
ある。遠地点「近傍」である半分の楕円の開始点近傍で
高比推力スラスタ装置の連続点火が開始される。
【0082】全推力が局所水平面内に向けられ、近地点
高度および遠地点高度の両者が増加する。近時点高度が
20000km(この値は、特にバンアレン帯の活性度
の関数であり、例えば、この値は少なくとも8000k
mを考慮しなければなない)を超過すると、推力の方向
は慣性となるように(遠地点での速度に対して接線方向
に)変更される。こうして、近地点高度の増加の効果お
よび遠地点高度の低下の効果が得られ、次いで、軌道の
離心率がゼロとなると、推力の方向は接線方向でかつ速
度に反対方向に変更され、こうして、近地点高度が下が
り、かつ、遠地点高度が下がるとの効果を奏する。その
結果、遠地点高度および近地点高度が最終的に目標軌道
すなわち静止軌道の高度に一致する。バンアレン帯を通
過する軌道の数は図4の実施形態の場合よりも少ない。
【0083】図12を参照して「代替」方法を用いた軌
道に乗せる方法を説明する。この方法は、バンアレン帯
を通過するために要する時間が非常に短いとの利点を有
している。初期軌道は近地点620km、遠地点330
000kmを有している。楕円の半分の開始点つまり遠
地点の「近傍」において高比推力スラスタ装置の連続点
火を開始する。全推力は慣性となるように向けられる
(遠地点での速度の接線方向)。従って、近地点高度が
増加し、遠地点高度が減少する。
【0084】次いで、軌道の離心率がゼロになると、局
所水平面内において速度の反対方向となるように推力の
方向を変えて、近地点高度を下げ、遠地点高度を下げ
る。その結果、近地点高度および遠地点高度が最終的に
目標軌道すなわち静止軌道の高度に一致する。バンアレ
ン帯を通過する軌道の数は図4の場合よりも非常に少な
く、かつ、図11の場合よりも少ない。
【0085】図7、8を参照をすると、本発明を適用す
ることのできる2つの人工衛星11が図示されている。
宇宙飛行体11はプラットフォームまたはベース13に
取り付けられた複数の高比推力スラスタ装置12を具備
している。複数のスラスタ装置の少なくとも幾つかは操
舵可能となっている。スラスタ装置12′は、軌道へ到
達するための軌道移行の間の冗長を提供するように構成
されている。他の補助スラスタ装置14は、スラスタ装
置12、12′と同様に用いられ、人工衛星11の本体
に取り付けられている。人工衛星には太陽電池パネル1
0が配設されており、太陽電池駆動措置9aの一部を形
成する構造体9に取り付けられている。人工衛星は、地
球の方向に軸OZを有している。軸OZは赤外線水平線
センサ8aにより地球の中心に向けられているか、或い
は、高周波検知器8bによりビーコンの方向を指してい
る。水平線センサ15を人工衛星11の本体の他の面に
配設してもよい。
【0086】スラスタ装置12、12′は、軌道に乗せ
る軌道移行の間はもとより、人工衛星が作動し続けてい
る間その軌道および高度を制御する。人工衛星の軌道に
乗せるためのシステムは、人工衛星が初期軌道に乗せら
れた後、最終的な目標軌道に達するまで、連続的に付勢
するようスラスタ装置を作動させるための装置を含んで
いる。このシステムは、また、操舵可能なベースまたは
人工衛星の他の操舵手段(例えば慣性ホイールまたは動
的ホイール)により推力を操舵する装置を含んでいる。
目標軌道の恒星周期よりも小さな恒星周期を有する楕円
の初期軌道から操舵する操舵制御信号発生手段が設けら
れている。軌道移行の開始では各周回でスラスタ装置1
2を作動させて、軌道の遠地点を高め、軌道の近地点を
より小さく高める。軌道移行の最終段階では各周回でス
ラスタ12を作動させて軌道の遠地点を低下させ、軌道
の近地点を高める。
【0087】操舵を制御する手段は、また、例えば、既
述の「代替」方法を実行するよう適合することができ
る。図13に略示するように、操舵制御信号発生手段に
より全推力を操舵するために種々の方法を用いることが
できる。
【0088】推力を局所水平面内で操舵するために、地
球と人工衛星との間の距離を測定可能な赤外線水平線セ
ンサ15a(走査センサまたはCCDマトリックスセン
サ)によりフレームが操舵される。第3の軸線(ヨー
軸)制御は、太陽センサまたは恒星センサ18a、18
bまたは19によりなされる。任務を遂行するために±
2°の精度は十分である。
【0089】その後、軌道速度に対して反対の接線方向
に推力を操舵するために、人工衛星を南北軸線を中心と
して約180°回転させ推力の方向を反転させる。その
ために、両端面(東西面)に補助水平センサ15b、1
5cが必要となる。南北軸に配設された運動ホイールま
たは反動ホイール17により適宜にトルクを発生させる
とにより回転させる。回転の大きさはジャイロ16まて
ゃ太陽センサ18a、18bにより測定される。
【0090】推力を慣性方向に操舵するために、太陽セ
ンサ18a、18bまたは18cにより、恒星に対して
1日当たり概ね1°移動する姿勢基準を与える。オンボ
ードコンピュータ121が太陽と全推力の所望方向との
間の傾斜を演算し、それに従って(姿勢軌道制御装置1
22を介して慣性ホイール17を作動させることによ
り)所望傾斜が得られるまで人工衛星の回転を制御す
る。
【0091】太陽センサが太陽電池パネル10に配設さ
れている場合(センサ18a、18b)には、人工衛星
の姿勢軌道制御装置122(AOCS)がパネルを太陽
に向けながら、太陽電池パネル駆動装置を作動させるこ
とにより、コンピュータ121が太陽電池パネル10と
人工衛星本体11との間の傾斜を変化させる。
【0092】高比推力スラスタ装置12、12′を支持
する操舵可能なベース13をゆっくりと動かすことによ
っても姿勢制御トルクを発生させることができる。
【0093】図13を参照すると、制御回路120の制
御の下で起動した一組の高比推力スラスタ装置12、ス
ラスタ装置12と同様に使用する(キセノン)任意の小
型の補助スラスタ装置14、ジャイロ16、反動ホイー
ル17、北太陽電池パネル駆動装置を制御するための太
陽センサ18b、南太陽電池パネル駆動装置を制御する
ための太陽センサ18c、本体11に固定された太陽セ
ンサ19、高比推力スラスタ装置12を支持するための
プレート13、赤外線水平線センサ15a、オンボード
コンピュータ121、姿勢軌道制御を行うためのインタ
ーフェースアクチュエータ122とが図示されている。
【0094】図13に図示するように、東水平センサ1
5bと西水平センサ15cとを配設してもよい。
【0095】全推力を軌道面から離反するように操舵す
るために(一連の軌道の傾斜を変更することが望ましい
場合に必要に応じて)、例えばヨー軸(図8の軸線O
Z)周りに人工衛星全体を回転させることができる。
【0096】図7、8に示すように、複数の、例えば2
つの高比推力スラスタ装置が配設されている場合には、
軌道平面の外側に成分を残して、操舵可能なベース13
を適切に操舵するとともに、2つのスラスタ装置12の
一方からの推力の強さを調節することにより、軌道面の
外側に成分があるにも拘らず、全推力ベクトルが飛行体
の質量中心を通過するようにして、全推力を操舵するこ
とが可能となる。この特定の可能性を図14に示す。質
量中心20を通過し、かつ、軌道平面の外側にある成分
を有する全推力(ベクトル23)を得るために、北側お
よび南側のスラスタ装置12のための操舵可能なベース
13を個々に操舵する。ベクトル21、22の合計のベ
クトルに等しいベクトル23の全推力が質量中心20を
通過するように北側のスラスタ装置12(ベクトル2
1)からの推力が調節される。
【0097】図15は、本発明の適用において軌道に到
達可能とする推進装置のブロック図である。物質30、
例えばキセノンのための1または複数のタンク31から
マニフォールド32に供給される。マニフォールド32
には、一組の弁およびセンサ(図示せず)が配設されて
いる。標準ライン27および補助ライン37′を介して
マニフォールド32から物質30が流量制御装置32へ
供給され、流量制御装置が高比推力スラスタ装置12、
12′へ供給する。同じ物質30を使用する任意の補助
スラスタ装置14へはライン37、37′から供給され
る。
【0098】スラスタ装置12、12′には、電力調整
装置36から電力分配装置35を介して電力が供給され
る。電力分配装置35は一連のリレーを備えている。電
力調整装置36は、それ自体、宇宙飛行体の電源および
制御監視バスに接続されている。
【0099】2つのスラスタ装置12、12′を支持す
るベース38の各々は、各操舵装置34への指令により
宇宙飛行体に関して操舵可能となっている。本発明の装
置は、GOTのような楕円である初期軌道からGEOの
ような円形の最終的な目標軌道へ移行させるために適用
することができる。然しながら、楕円の初期軌道GTO
から異なる傾斜の他の楕円軌道へ移行させるためにも有
利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の静止軌道へ乗せるための方法の説明図で
ある。
【図2】円形の初期軌道からスパイラル状の中間軌道を
飛行して静止軌道へ乗せるための従来の方法の説明図で
ある。
【図3】スラストアークを用いて静止軌道へ乗せるため
の従来の方法の説明図である。
【図4】本発明による楕円形の初期軌道から高比推力ス
ラスタ装置により静止軌道へ乗せるための方法の説明図
である。
【図5】図4のXOY平面の略図である。
【図6】図4のXOY平面に垂直でZ軸を含む平面の略
図である。
【図7】本発明の適用可能な人工衛星の第1の実施形態
の略示斜視図である。
【図8】本発明の適用可能な人工衛星の第2の実施形態
の略示斜視図である。
【図9】遠地点を中心とする楕円の半分での推力を示す
略図である。
【図10】近地点を中心とする楕円の半分での推力を示
す略図である。
【図11】静止軌道へ乗せるための本発明の方法の図5
と同様の図である。
【図12】静止軌道へ乗せるための本発明の方法の図4
と同様の図である。
【図13】制御システムの略示ブロック図である。
【図14】推力操舵を説明するための人工衛星の側面図
である。
【図15】高比推力スラスタ装置を有する推進システム
の略示ブロック図である。
【符号の説明】
10…太陽電池パネル 11…人工衛星本体 12…スラスタ装置 13…ベース 14…補助スラスタ装置

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人工衛星などの宇宙飛行体の通常運転用
    の目標軌道とは実質的に異なり、かつ、目標軌道よりも
    偏心した楕円の初期軌道から前記宇宙飛行体を前記目標
    軌道へ乗せるための方法において、 前記方法は、前記宇宙飛行体に設けられた高比推力スラ
    スタ装置を連続的に点火する間に、前記宇宙飛行体に複
    数の中間軌道から成るスパイラル状の軌道を描かせ、各
    周回における前記スパイラル状の軌道制御において、少
    なくとも軌道移行の第1の段階で、近地点高度を高め遠
    地点高度を所定の方向移動させ、前記複数の中間軌道の
    各々の軌道と前記目標の傾斜の差を小さくし、軌道移行
    の少なくとも第2の段階で、遠地点高度と、近地点高度
    と、宇宙飛行体の中間軌道の軌道傾斜が目標軌道の各々
    の値に実質的に一致するまで、近地点高度と遠地点高度
    を個々に所定方向に一定に制御することを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 軌道移行の第1の段階において宇宙飛行
    体の通常運転用の目標軌道とは実質的に異なる楕円軌道
    上にある宇宙飛行体を、各周回において先ず前記スラス
    タ装置を連続的に点火し、中間軌道の遠地点高度を高
    め、近地点高度をより少ない量で高め、軌道移行の第2
    の段階において、連続点火の最後まで、中間軌道の遠地
    点高度を下げ、近地点高度を高めることを特徴とする請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 軌道移行の第1の段階で、前記スラスタ
    装置を連続的に点火し、各周回において、中間軌道の遠
    地点高度を高め、かつ、近地点高度を高め、軌道移行の
    第2の段階において連続点火の中間近くで各周回におい
    て中間軌道の遠地点高度を下げ、近地点高度を高め、次
    いで、軌道移行の第3の段階で、宇宙飛行体の中間軌道
    の離心率が目標軌道の離心率に実質的に達た後に、前記
    連続点火の最後まで、各周回において、遠地点高度と、
    近地点高度と、宇宙飛行体の中間軌道の軌道傾斜が目標
    軌道の各々の値に実質的に一致するまで、目標軌道と中
    間軌道との傾斜の差を小さくしながら遠地点高度を下
    げ、近地点高度を下げることを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 軌道移行の第1の段階において、スラス
    タ装置を連続点火し、各周回において、中間軌道の遠地
    点高度を下げ、近地点高度を固め、次いで、軌道移行の
    第2段階において、連続点火の最後まで、前記宇宙飛行
    体の中間軌道の離心率が目標軌道の離心率に実質的に達
    した後に、各周回において、中間軌道の遠地点高度を下
    げ、近地点高度を下げることを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 人工衛星などの宇宙飛行体の通常運転用
    の目標軌道とは実質的に異なり、かつ、目標軌道の離心
    率とは異なる離心率を有する楕円の初期軌道から前記宇
    宙飛行体を前記目標軌道へ乗せるための装置において、 前記宇宙飛行体(11)に配設されたプラットフォーム
    (13)と、 前記プラットフォーム(13)に取り付けられ、前記宇
    宙飛行体に全推力を与えるために5000Ns/kgよ
    りも大きな高比推力と、10Nよりも小さな推力を有す
    るスラスタ装置(12、12′)と、 前記宇宙飛行体がその初期軌道に乗せられた後に、点火
    が途切れることなく前記宇宙飛行体が完結したスパイラ
    ル状の移行軌道に到達可能とし、かつ、遠地点高度と、
    近地点高度と、宇宙飛行体の中間軌道の軌道傾斜が目標
    軌道の各々の値に実質的に一致したときに前記スラスタ
    装置の点火を停止する前記スラスタ装置を連続運転させ
    る制御装置(120)と、 推力制御装置(121、122、131)とを具備し、 前記推力制御装置が、前記スラスタ装置の連続点火の
    間、前記宇宙飛行体の各周回で中間軌道の各々におい
    て、遠地点高度を高め、近地点高度をより少ない量で高
    め、かつ、目標軌道に対する中間軌道の傾斜の差を低減
    するように、全推力を目標とする第1の制御信号を発生
    するよう作動する少なくとも第1の手段と、前記第2の
    スラスタ装置の点火の第2の段階の間、前記宇宙飛行体
    の各周回で中間軌道の各々において、遠地点高度を下
    げ、近地点高度を高め、かつ、目標軌道に対する中間軌
    道の傾斜の差を低減するように、全推力を目標とする第
    2の制御信号を発生するよう作動する少なくとも第2の
    手段とを具備していることを特徴とする装置。
  6. 【請求項6】 前記スラスタ装置(12、12′)が、
    プラズマタイプのクローズド・エレクトロン・ドリフト
    ・スラスタ、イオン・スラスタ、または、アークジェッ
    トタイプのスラスタを有していることを特徴とする請求
    項5に記載の装置。
  7. 【請求項7】 全推力を目標とする前記第1と第2の制
    御信号を発生する前記第1と第2の手段が、前記宇宙飛
    行体(11)の姿勢を変化または監視を行うセンサ(1
    5、18a、18b、19)を具備していることを特徴
    とする請求項5または6に記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記装置の推力目標を制御するための前
    記第1の手段が、全推力を局所水平面内で前記宇宙飛行
    体の速度の方向に向けるための手段を具備していること
    を特徴とする請求項5から7の何れか1項に記載の装
    置。
  9. 【請求項9】 前記装置の推力目標を制御するための前
    記第2の手段が、遠地点の近傍において、全推力を主と
    して局所水平面内で宇宙飛行体の速度方向に向ける手段
    と、近地点近傍において、全推力を主として軌道平面に
    対して概ね垂直方向の平面内で宇宙飛行体の速度方向に
    対して反対方向に向ける手段とを具備することを特徴と
    する請求項5に記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記装置の推力目標を制御するための
    前記第1と第2の手段が、推力をある平面内で軌道に対
    して接する平面を概ね垂直に通過する、宇宙空間内の固
    定された或いは概ね固定された方向に向ける手段を具備
    することを特徴とする請求項5に記載の装置。
  11. 【請求項11】 全推力を方向付けるために前記遠地点
    近傍で作動する手段が、前記遠地点を中心とする楕円の
    半分に接するように全推力を方向付けることを特徴とす
    る請求項9に記載の装置。
  12. 【請求項12】 全推力を方向付けるために前記近地点
    近傍で作動する手段が、前記近地点を中心とする楕円の
    半分に接するように全推力を方向付けることを特徴とす
    る請求項9に記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記装置が、前記宇宙飛行体の姿勢を
    制御するためのシステムの慣性ホイール(17)などの
    前記宇宙飛行体に属する手段により構成される全推力を
    方向付ける手段を具備することを特徴とする請求項5か
    ら12の何れか1項に記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記スラスタ装置(12、12′)を
    支持するための前記プラットフォームのうち少なくとも
    幾つかにより構成される全推力を方向付ける手段を具備
    し、前記プラットフォーム(13)が操舵可能となって
    いることを特徴とする請求項5から12の何れか1項に
    記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記操舵可能なプラットフォーム(1
    3)が、少なくとも1つの軸線を中心として10°以上
    操舵可能となっていることを特徴とする請求項14に記
    載の装置。
  16. 【請求項16】 前記装置が、前記操舵可能なプラット
    フォーム(13)を個々に方向付けるための手段を含む
    全推力を操舵する手段と、前記スラスタ装置(12、1
    2′)からの推力を所定置にサーボ制御する手段とを具
    備し、発生し軌道平面の外側に成分を有する全推力が前
    記宇宙飛行体の質量中心(20)を通過できるようにし
    たことを特徴とする請求項14に記載の装置。
  17. 【請求項17】 高比推力を有する前記スラスタ装置
    (12、12′)が人工衛星などの前記宇宙飛行体の姿
    勢および軌道を制御する手段を構成することを特徴とす
    る請求項5から16の何れか1項に記載の装置。
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