JPH10295406A - 靴 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 路面凍結時の転倒事故を大幅に抑制できる靴
を提供する。 【解決手段】 靴の靴底３に突出自在に複数のスパイク
５を備える靴であって、この複数のスパイク５を空気圧
によって突出させるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、靴の靴底に突出自
在に複数のスパイクを備える靴に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、積雪の多い地方では降雪時に長靴
を履いて外出するのが一般的になっている。この長靴は
靴底に多数の滑り止め用の凹凸を有するゴム靴でありこ
の凹凸によって歩行時における滑りを防止し転倒を防止
している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記靴
底の凹凸は降雪直後にはある程度の効き目はあっても路
面が凍結した場合には滑り止めの効果は激減する。

【０００４】路面が凍結した場合には例えば車両用では
一般にスパイクタイヤが採用されるが、このスパイクタ
イヤは積雪時以外はスパイクのないタイヤに交換され
る。このスパイクを靴に適用した場合、降雪時にスパイ
ク靴を履いて外出したとして自宅に帰る段階で仮に雪が
降り止んだとすれば別のスパイクのない靴に履き替えな
ければならず常にスパイク有無の二種類の靴を用意する
ことになるなど極めて不便であり、実用的でないという
問題がある。

【０００５】積雪の多い地方では路面凍結時の転倒事故
は日常的な問題でありこの問題を簡便な方法で解消でき
る技術は未だ提案されていない。

【０００６】そこで、本発明の目的は、上述した従来の
技術が有する課題を解消し、路面凍結時の転倒事故を大
幅に抑制できる靴を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１に記載の発明は、靴の靴底に突出自在に複
数のスパイクを備える靴であって、この複数のスパイク
を空気圧によって突出させることを特徴とするものであ
る。

【０００８】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
のものにおいて、前記靴の靴底にスパイクを収納する収
納空間を設けると共に、この収納空間にスパイクを押圧
する押圧袋を設け、この押圧袋に圧縮空気を充填する手
段を設けたことを特徴とするものである。

【０００９】これらの発明によれば、必要に応じてスパ
イクを靴底から簡単に突出させることができるので、路
面凍結時などに滑ることがなく危険な転倒は防止され
る。この靴は極めて実用的であり積雪の多い地方で発生
する路面凍結時の転倒事故などを未然に防止することが
できる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。

【００１１】図１において、参照符号１は靴を示してい
る。この靴１の靴底３は例えばウレタン製、ゴム製など
であり、このゴム製などの靴底３には複数本の金属製の
スパイク５が突出自在に設けられている。複数本のスパ
イク５は二列（計８個）に設けられ、後述するように空
気圧によって突出自在に構成される。

【００１２】詳細に説明すると靴１の靴底３には複数本
のスパイク５を個別に収納する複数の収納空間７が設け
られている。この収納空間７は貫通孔７ａを通して靴底
３の底面に開口すると共に、通路９によって相互に連通
されている。貫通孔７ａにはスリーブ１１が埋め込まれ
る。スパイク５は円板状の頭部５ａと軸部５ｂと先端部
５ｃとからなり、軸部５ｂはスリーブ１１を貫通し、こ
のスリーブ１１と頭部５ａ間にはスパイク５を収納空間
７側に付勢するコイルばね１３が介装される。このコイ
ルばね１３のばね力はスパイク５を収納空間７内に格納
できればよく弱いばね力でよい。複数の収納空間７は前
述したように通路９で相互に連通し、前記のスパイク５
の頭部５ａ上に圧力を伝達するプレート１４を介装した
後この通路９および収納空間７には一体につながる押圧
袋１５が設けられる。

【００１３】この押圧袋１５は耐圧性を有する例えば樹
脂製、ゴム製などの袋である。この押圧袋１５はポンプ
機能を有する空気充填手段１７に接続され、この空気充
填手段１７によって押圧袋１５に圧縮空気が充填される
と、押圧袋１５はプレート１４を介してスパイク５の頭
部５ａを押圧し、スパイク５はコイルばね１３のばね力
に抗して靴底３から突出する。押圧袋１５は抜気手段１
８に接続され、この抜気手段１８によって抜気操作が行
われると押圧袋１５から抜気され、スパイク５はコイル
ばね１３のばね力によって収納空間７内に格納される。
空気充填手段１７および抜気手段１８は靴の分野で一般
に用いられるもので構成される。

【００１４】以上の構成においては、例えば降雪時には
空気充填手段１７を操作して靴底３の押圧袋１５に圧縮
空気を充填しプレート１４を介してスパイク５の頭部５
ａを押圧し、スパイク５を靴底３から突出させこのスパ
イク靴を履いて外出する。自宅に帰る段階で例えば雪が
降り止んだとすれば、抜気手段１８を押動抜気操作して
靴底３の押圧袋１５から圧縮空気を抜気し、スパイク５
を靴底３の収納空間７内に格納しスパイクのない靴にし
て帰宅する。

【００１５】この実施形態では、スパイク５を靴底３か
ら突出させる場合、収納空間７に圧縮空気が充填される
ので、クッション性を向上させることができる。また、
この実施形態では、スパイク有無の二種類の靴を用意す
ることなく、必要に応じてスパイク５を靴底３から簡単
に突出させることができるので、路面凍結時などに滑る
ことがなく、危険な転倒は防止される。要するにこの実
施形態による靴１は極めて実用的であり積雪の多い地方
で発生する路面凍結時の転倒事故などを未然に防止でき
るという効果を奏する。

【００１６】以上、本発明の一実施形態を説明したが、
本発明はこれに限定されるものではない。図１に示す例
では計８個のスパイク５が設けられるがこれに限定され
るものではない。スパイク５の先端部５ｃの面積とプレ
ート１４の面積比、およびスパイク５の個数は空気圧の
大きさに関係するので、これらは靴１の使用目的に応じ
て適宜に設定される。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、必要に応じてスパイク
を靴底から簡単に突出させることができるので、路面凍
結時などに滑ることがなく危険な転倒は防止される。要
するにこの靴は極めて実用的であり積雪の多い地方で発
生する路面凍結時の転倒事故などを未然に防止できると
いう効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態による靴を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 靴 ３ 靴底 ５ スパイク ７ 収納空間 ７ａ 貫通孔 ９ 通路 １１ スリーブ １３ コイルばね １４ プレート １５ 押圧袋 １７ 空気充填手段 １８ 抜気手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 靴の靴底に突出自在に複数のスパイクを
   備える靴であって、この複数のスパイクを空気圧によっ
   て突出させることを特徴とする靴。
2. 【請求項２】 前記靴の靴底にスパイクを収納する収納
   空間を設けると共にこの収納空間にスパイクを押圧する
   押圧袋を設け、この押圧袋に圧縮空気を充填する手段を
   設けたことを特徴とする請求項１に記載の靴。