JPH10295390A - 植物繊維からのグルコースの製造方法 - Google Patents

植物繊維からのグルコースの製造方法

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JPH10295390A
JPH10295390A JP12488697A JP12488697A JPH10295390A JP H10295390 A JPH10295390 A JP H10295390A JP 12488697 A JP12488697 A JP 12488697A JP 12488697 A JP12488697 A JP 12488697A JP H10295390 A JPH10295390 A JP H10295390A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロースの加水分解の反応速度が速い、グ
ルコース製造方法を提供する。 【解決手段】 植物繊維及びフッ素系高分子材料を少な
くとも含有する水溶液に、セルラーゼを加えることによ
ってグルコースを生成する、またセルラーゼを加える前
段階において、水溶液を加熱殺菌する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物繊維からグル
コースを製造する方法に関し、特に植物繊維の主成分で
あるセルロースからグルコースを高効率に製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】自然界に存在する有機化合物の中で最大
量を占めるセルロースの利用に関しては、従来から多く
の提案がなされている。セルロースは、グルコースがβ
−1,4−グルコシド結合で繋がって形成される天然高
分子であるが、α−1,4−グルコシド結合によりグル
コースが繋がって形成されるデンプン(アミロース、ア
ミロペクチン)のように、加水分解などの化学的処理を
容易に行なうことができない。したがって、利用分野と
しては現在のところ紙や繊維の原料の利用に限られてい
る。
【0003】一方、セルロースをその基本構成単位であ
るグルコースにまで分解できれば、アルコール発酵によ
りエタノールの製造等が可能となりバイオマス利用にも
つながることから、従来、酸法又は酵素法によるグルコ
ースへの加水分解が行なわれていた。酸法は、セルロー
スを塩酸や硫酸に接触させて繊維の塊部分を強力に分解
するものであるが、加水分解条件の設定が困難であった
り、生成するグルコースが強酸性下において更に反応し
てしまい高収率に回収することが困難である等の問題点
があった。したがって、酸法は現在ではほとんど利用さ
れていない。これに対してセルラーゼを用いた酵素法
は、反応選択性が高く、環境保護等の面においても有利
であるため、加水分解法の主流となっている。
【0004】しかしながら、従来の酵素法による加水分
解では高収率が得られず、この点における改善が望まれ
ていた。本発明者らは、従来の加水分解においては注目
されていなかったセルロース繊維そのものの形態に着目
し、セルロース繊維の結晶構造が加水分解の収率に影響
を与えており、加水分解反応の律速段階は結晶領域にあ
る多数のセルロース鎖を分離・分散する段階にあること
を見出した。つまり、セルロースは、通常、単一のセル
ロース鎖として存在することは殆どなく、水素結合力に
よって多数のセルロース鎖が集合した構造を形成してお
り、多数のセルロース鎖が密に集合している結晶領域
と、疎な非晶領域とが存在する。したがって、集合状態
にあるセルロース鎖、特に結晶領域にあるセルロース鎖
を分離・分散させることによって、酵素による分解反応
の促進を図るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、セル
ロースの加水分解の反応速度が速い、グルコース製造方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、加水分解
の反応速度を速くする分離・分散剤としてフッ素系高分
子材料が有効であることを見出し本発明を完成するに至
った。すなわち、上記目的を達成するため本発明の請求
項1に係るグルコースの製造方法は、植物繊維及びフッ
素系高分子材料を少なくとも含有する水溶液に、セルラ
ーゼを加えることによってグルコースを生成するもので
ある。フッ素系高分子材料の使用により、セルロース鎖
間に形成される水素結合に抗してフッ素原子とセルロー
ス鎖との間に強力な水素結合が形成され、植物繊維のセ
ルロース鎖が水溶液中において高効率に分離、分散され
る。
【0007】また請求項2では、フッ素系高分子材料と
して0.1〜100μmの平均粒径を有する粉末を用い
ることにより、フッ素系高分子材料がセルロース繊維間
に十分に入り込むことが可能となり、水溶液中でのセル
ロースの分離・分散効果を更に高めることができ、この
材料を他の成分から分離回収するのも容易となる。さら
に請求項3では、フッ素系高分子材料としてポリテトラ
フルオロエチレンを用いることにより、セルロース鎖と
の間で強力な水素結合を形成するフッ素原子を十分に供
給可能となる。
【0008】請求項4では、水溶液に増粘剤を含有させ
ることにより液粘度を増加させ、これによりフッ素系高
分子材料を水溶液中に十分に分散できる。
【0009】
【発明の実施の形態】植物繊維中のセルロースの分離・
分散剤として用いるフッ素系高分子材料としては、ポリ
テトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン
共重合体、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化
ビニリデン、ポリフッ化ビニルなどが用いられるが、分
離・分散能力が高く、価格が比較的廉価であり、取扱い
が容易であるなどの点から、ポリテトラフルオロエチレ
ンが最も好ましい。なお、蛍石やフッ化水素などの含フ
ッ素低分子化合物は、極めて反応性が高く安全性に問題
があるため通常は用いられない。フッ素系高分子材料の
形状は、セルロース繊維間の狭い隙間に入り込んで水溶
液中でのセルロース鎖の分離・分散を促進するために、
平均粒径が0.1〜100μm、好ましくは0.1〜2
μmの粉末状が好ましい。平均粒径が0.1μm未満で
は細か過ぎて分離回収等が困難となり、100μmを超
えるとセルロース繊維間の狭い隙間に十分に入り込めな
いためである。
【0010】このようなフッ素系高分子材料は、以下の
ように作用するものと考えられる。植物繊維のセルロー
ス鎖間には既に水素結合が形成されており、この結合力
によってセルロース鎖同士が集合し、セルロース鎖の分
離・分散を妨げる原因となっている。このような系にフ
ッ素系高分子材料を添加すると、フッ素系高分子材料に
含まれるフッ素原子は、植物繊維のセルロース中の水素
原子を介してO−H…Fの水素結合を形成し、既に形成
されている水素結合に抗してセルロース鎖を分離・分散
するように作用する。水素結合においては、水素原子を
介して結合する原子の電気陰性度が大きい程、形成され
る水素結合力も大きくなる。電気陰性度が最も大きなフ
ッ素原子は、シリカにおいて水素結合を形成する水酸基
の酸素原子が示す電気陰性度を上回る。このように、植
物繊維の分離・分散剤としてフッ素系高分子材料がシリ
カ以上に有効であることが理解できる。
【0011】植物繊維としては、新聞紙や段ボールなど
の紙類、木材、藁、バガス、草などセルロースを含有す
るものであれば、いずれも原料として用いることがで
き、これらに限られるものではない。セルロースの分解
酵素であるセルラーゼは、市販品の結晶体に限らず、カ
ビ、細菌などの物質に含まれる状態のものであってもよ
く、例えば、純粋なセルラーゼ結晶に代えて、セルラー
ゼを含むカビ、バクテリア、発芽種子などを用いてもよ
い。
【0012】植物繊維及びフッ素系高分子材料を含有す
る水溶液とは、通常、これらの物質が水に分散した状態
のものをいう。なお、この分散媒としての水は、何も溶
解物を含んでいない例えば蒸留水、イオン交換水などが
排水処理の観点からは好ましい。しかしながら、酵素反
応を阻害するものでなければ、電解質、酸、アルカリ、
有機物などが溶解していてもよい。また、水溶液の液温
は、加水分解反応が生起する範囲であれば特に制限され
ないが、十分な加水分解反応速度を得るには常温から5
0℃程度までが好ましい。
【0013】植物繊維は水に対して5〜20重量%の割
合で添加する。なお、植物繊維は通常、自重の約10倍
の保水能力を有するが、保水能力に応じて水に対する添
加量を決定すればよい。
【0014】一方、フッ素系高分子材料は水に対して1
〜10重量%の割合で添加する。この濃度が1重量%未
満ではセルロース鎖の十分な分離、分散効果が得られ
ず、10重量%を超えるとフッ素系高分子材料の一部が
水面に浮遊してしまう。
【0015】セルラーゼは植物繊維のセルロース成分に
対して、0.001〜1重量%の割合で添加するが、植
物繊維の種類、所望の加水分解の処理時間、他の処理条
件等に基づいてこの範囲で決定すればよい。
【0016】なお、水溶液中に増粘剤を含有させること
により液粘度を増加させ、例えば撹拌によりフッ素系高
分子材料を水溶液中に十分に分散するのが好ましい。こ
のような増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース
(CMC),キサンタンガム,ペクチン、溶解性デンプ
ン(α化デンプン)、寒天、ゼラチンなどが用いられ
る。また、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸などの水
溶性高分子、これらのオリゴマー、あるいはこれらの共
重合体を用いてもよい。増粘剤を添加する際には、まず
水溶液の量を少なくしておいて高粘性状態で攪拌し、系
全体を均一状態としてから水溶液を補充するのが好まし
い。
【0017】次に、上述の各成分からブドウ糖を生成す
るには、容器に水、植物繊維、フッ素系高分子材料、セ
ルラーゼ及び増粘剤の所定量を仕込んで例えば攪拌しな
がら系全体を均一にし、さらに水を加えて系全体をさら
に攪拌するものである。上述のように、液温は十分な加
水分解反応速度を得るために常温から50℃程度とする
のが好ましい。攪拌速度に関しては、十分な加水分解反
応速度が得られるように適宜選択すればよい。また、反
応時間に関しては、所望の収率が得られるまで、通常は
12〜48時間である。このようにして、セルロースが
加水分解されてブドウ糖又はセロオリゴ糖が生成する。
なお、市販のセルラーゼを用いた場合には、加水分解反
応が進行すると、β−グルコシターゼ(セロビアーゼ)
の活性が低いのでセロビオースの生成割合が多くなる。
したがって、このような場合には、反応時間を延長する
か、セロビアーゼを系に追加すればよい。以上の工程に
おいて、撹拌操作は必ずしも必須ではないが、反応速度
を増加するに行うのが好ましい。また、植物繊維が木屑
のように水溶液中に分離・分散し難いものである場合に
は、植物繊維を分散した水溶液を予め熱処理して木屑が
分離・分散し易いようにした後に、水溶液中にセルラー
ゼを添加するようにしてもよい。
【0018】次に、生成するブドウ糖および酵素が分解
しないように予め水溶液を殺菌するようにした製造方法
について説明する。水、植物繊維、フッ素系高分子材
料、セルラーゼ及び増粘剤とこれらの使用量は、上記の
場合と同様である。この方法では、水中に植物繊維、フ
ッ素系高分子材料及び増粘剤を仕込んだ後に攪拌しなが
ら水溶液を均一にし、さらに水を加えて攪拌する。な
お、植物繊維を分散した水溶液に増粘剤を加え、この水
溶液にフッ素系高分子材料を加えて水溶液を均一にし、
さらに水を加えるようにしてもよい。次いで、これを撹
拌しつつ加熱して系全体を殺菌する。加熱工程では、水
溶液は常温から80℃に加熱される。50℃未満では殺
菌効果が不十分であり、250℃を超えるとセルロース
の熱分解が生じる。所定の加熱温度に到達したらその温
度を保ちつつ30分程度さらに攪拌を続け、その後、セ
ルラーゼを阻害しない温度である40℃以下になるまで
系全体を室温下に放置して冷却する。また、所定の加熱
温度に到達後に直ちに冷却してもよい。このようにして
温度を下げた水溶液にセルラーゼを添加し、攪拌するこ
とによってセルロースを加水分解するものである。上記
の殺菌工程により、生成するブドウ糖および酵素の分解
が防止できる。以上の工程においても、撹拌操作は必須
ではないが反応速度を増加させるためには行うのが好ま
しい。また、植物繊維が木屑のように水溶液中に分離・
分散し難いものである場合には、殺菌工程の前に加熱工
程を設け、木屑が分離・分散し易いように熱処理しても
よい。
【0019】次ぎに、グルコースの生成水溶液からグル
コースの結晶体を精製する方法について説明する。加水
分解したグルコースを含有する反応溶液をケイソウ土や
シリカと接触させることによってによって、酵素、種々
の不純物、未反応物を濾別して取り除き、さらにグルコ
ースを含有する濾液を活性炭等によって脱色する。次い
で、脱色した濾液をイオン交換樹脂と接触させて余分な
金属イオン、塩類等をイオン交換によって除去した後
に、この濾液を濃縮、乾燥することにより精製されたブ
ドウ糖の結晶体を得ることができる。なお、乾燥方法と
しては、風乾法、減圧乾燥法、凍結乾燥法等を用いるこ
とができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。
【0021】実施例1 蒸留水100mlを入れたビーカー中に濾紙(東洋濾紙
製、No.1)50gを浸漬し、これにCMC10gを
加えて練り込むようにして混合した。次いで、ポリテト
ラフルオロエチレン5gを加えて、水溶液の系全体が柔
らかくなって粘度が減少するまで混合した。このように
して得られる水溶液を、室温で一昼夜放置して熟成し
た。次いで、この水溶液に蒸留水400mlを徐々に添
加しながら十分に撹拌した。さらに、この水溶液にセル
ラーゼ0.5gを添加し撹拌しながら40時間酵素反応
を続け黄褐の溶液を得た。この反応溶液をシリカ層を通
して濾過し、得られた濾液を活性炭カラム、イオン交換
樹脂(オルガノ社製、アンバーライト)カラムに順次通
して、無色透明な溶液を得た。最後に、この溶液を減圧
乾燥してブドウ糖主体の還元糖41gを得た。
【0022】実施例2 蒸留水100mlを入れたビーカー中に濾紙(東洋濾紙
製、No.1)50gを浸漬し、これにCMC10gを
加えて練り込むようにして混合した。次いで、ポリテト
ラフルオロエチレン5gを加えて、水溶液の系全体が柔
らかくなって粘度が減少するまで混合した。このように
して得られる水溶液を、室温で一昼夜放置して熟成し
た。次いで、この水溶液に蒸留水400mlを徐々に添
加しながら十分に撹拌した。その後、ビーカーを80℃
の恒温浴槽に移し撹拌しながら水溶液の温度を80℃ま
で加熱昇温した。さらに、水溶液を温度80℃で30分
間保持した後、ビーカーを恒温浴槽から取り出しこれに
蓋をして水溶液が外気に接触しないようにして室温下に
放置して冷却した。液温が40℃まで低下したところ
で、セルラーゼ0.5gを添加し撹拌しながら40時間
酵素反応を続け黄褐の溶液を得た。実施例1と同様の精
製工程により、この反応溶液からブドウ糖主体の還元糖
43gを得た。
【0023】実施例3 植物繊維として乾燥古紙50gを用いた以外は実施例2
と同様の手順に従って加水分解反応を行なった。実施例
1と同様の精製工程により、反応溶液からブドウ糖主体
の還元糖28gを得た。
【0024】実施例4 蒸留水100mlを入れたビーカー中に乾燥木屑50g
を浸漬し、これにCMC5gを加えて練り込むようにし
て混合した。次いで、この水溶液を恒温浴槽に移し80
℃までゆっくり昇温しながら水100mlを徐々に添加
し、この温度においてペースト状になるまで十分に攪拌
した。その後、ビーカーを恒温浴槽から取り出し室温ま
で冷却し、ポリテトラフルオロエチレン5gを加えて撹
拌し、ペースト状の水溶液全体が柔らかくなったら蒸留
水200mlを加えさらに撹拌を続けた。その後、ビー
カーを80℃の恒温浴槽に再び移し撹拌しながら水溶液
の温度を80℃まで加熱昇温した。さらに、水溶液を温
度80℃で30分間保持した後、ビーカーを恒温浴槽か
ら取り出しこれに蓋をして水溶液が外気に接触しないよ
うにして室温下に放置して冷却した。液温が40℃まで
低下したところで、セルラーゼ0.25gを添加し撹拌
しながら40時間酵素反応を続け黄褐の溶液を得た。
実施例1と同様の精製工程により、反応溶液からブドウ
糖主体の還元糖21gを得た。以上の実施例に示すよう
に、本発明は種々の植物繊維の利用が可能なので、紙ゴ
ミ処理、間伐材処理、風倒木処理、農業廃棄物処理等へ
の広範囲の利用が期待できる。
【0025】
【発明の効果】本発明の植物繊維からのグルコースの製
造方法は請求項1のように、植物繊維及びフッ素系高分
子材料を少なくとも含有する水溶液に、セルラーゼを加
えることによってグルコースを生成するようにしたもの
である。フッ素系高分子材料の使用により、セルロース
鎖間に形成される水素結合に抗してフッ素原子と植物繊
維との間に水素結合が形成され、これにより植物繊維の
セルロース鎖が水溶液中において高効率に分離、分散さ
れる。その結果、酵素反応にあずかるセルロースの量が
増えるため加水分解速度が速くなる。また、フッ素系高
分子材料のフッ素原子がセルロース鎖との間で強力な水
素結合を形成するため、セルロース鎖の分離・分散に要
するの使用量が少なくて済む。さらに、フッ素系高分子
材料は酵素反応おいて触媒的に作用すると共に水に不溶
性であるため、回収して再使用が可能でありコストも低
く済む利点がある。
【0026】また請求項2のように、フッ素系高分子材
料として0.1〜100μmの平均粒径を有する粉末を
用いた。このような粒径範囲の粉末は、セルロース繊維
間に十分に入り込むことが可能であるために、水溶液中
でのセルロースの分離、分散効果を更に高めることがで
きると共に、この材料を再使用するために他の成分から
分離するのには細か過ぎないため回収が容易であるとい
う利点がある。
【0027】さらに請求項3のように、フッ素系高分子
材料としてポリテトラフルオロエチレンを用いることに
より、強力な水素結合にあずかるフッ素原子を多く供給
できるため、水溶液中でのセルロースの分離、分散効果
を一層高めることができる。
【0028】請求項4では、水溶液に増粘剤を含有させ
ることにより液粘度を増加させるようにした。例えば、
撹拌などによりフッ素系高分子材料を水面に浮遊させる
ことなく水溶液中に十分に分散できる効果がある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物繊維及びフッ素系高分子材料を少な
    くとも含有する水溶液に、セルラーゼを加えることによ
    ってグルコースを生成することを特徴とする植物繊維か
    らのグルコースの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記フッ素系高分子材料が、0.1〜1
    00μmの平均粒径を有する粉末である請求項1に記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記フッ素系高分子材料が、ポリテトラ
    フルオロエチレンである請求項1または請求項2に記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記水溶液が増粘剤をさらに含有する請
    求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の製造方法。
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