JPH10293776A - 配管仮組シミュレーション装置及び配管製作方法 - Google Patents

配管仮組シミュレーション装置及び配管製作方法

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JPH10293776A
JPH10293776A JP10308197A JP10308197A JPH10293776A JP H10293776 A JPH10293776 A JP H10293776A JP 10308197 A JP10308197 A JP 10308197A JP 10308197 A JP10308197 A JP 10308197A JP H10293776 A JPH10293776 A JP H10293776A
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piping
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Abstract

(57)【要約】 【課題】配管の現場合わせ作業を解消し、配管製作後の
配管取付前に塗装、保温、各種検査を行い、その後、現
場に発送し、即座に配管を取り付けることができるよう
にする配管仮組シミュレーション装置及び配管製作方法
を提供する。 【解決手段】本発明は、現場機器の接続端のフランジの
中心位置、面の傾き及びボルト穴振り角度を3次元計測
することにより、その結果を基に配管製作図の寸法を修
正し、配管を製作する。さらに、製作後の配管ピースの
両端のフランジの中心位置、面の傾き及びボルト穴振り
角度を3次元計測することで、その結果を基に配管ピー
スをコンピュータ上で接続し、最もずれ量が少ない取り
付け順序と、配管ピースの回転量を求め、許容応力値と
の比較によって作成した配管ピースの合否判定を行い、
不合格の場合は修正する配管ピースの決定と修正量を指
示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は配管仮組シミュレー
ション装置及び配管製作方法に係り、特に各種製造プラ
ント設備やビル設備において機器間を接続する配管をシ
ミュレーションにより組み立て、この結果により配管設
計の修正等を行う配管仮組シミュレーション装置及び配
管製作方向に関する。
【0002】
【従来の技術】プラント内に据え付けられた2つ機器間
を配管で接続する場合、配管製作図に従い配管を製作し
現場にて取り付けている。しかし、機器の製作公差や据
え付け公差のため、機器の配管取り合い個所は必ずしも
図面とは一致しない。このため、製作した配管を現場で
取り付けようとしても取り付かない場合があり、この場
合には、現場で配管を切断、溶接し調整する現場合わせ
が行われている。
【0003】また、予め現場合わせする配管個所を決め
ておき、それ以外の配管を製作し現場に取り付け、合わ
せ個所の配管寸法を現場で下げ振りや金尺、トランシッ
トなどを用いて計測した後、合わせ部配管を製作し取り
付けるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記現
場合わせ作業は、高所作業の場合には足場の組立て、解
体などの付属作業が必要となり、危険な作業が伴う。ま
た、配管内を流れる流体によっては塗装、保温、各種法
規に則した検査作業を現場で行うためコスト高となる。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、現場合わせ作業を解消し、配管製作後の配管取
付前に塗装、保温、各種検査を行い、その後、現場に発
送し、即座に配管を取り付けることができるようにする
配管仮組シミュレーション装置及び配管製作方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、現場既設の2箇所の配管接続部の間に配管
される複数の配管ピースをコンピュータ上で接続する配
管仮組シミュレーション装置であって、3次元測定手段
によって予め測定されている前記現場既設の2か所の配
管接続部の3次元測定データ、及び前記各配管ピースの
両端の接続部の3次元測定データを入力する入力手段
と、前記入力手段から入力した3次元測定データに基づ
いてコンピュータ上で前記現場既設の2箇所の配管接続
部及び各配管ピースの両端の接続部の複数の接続箇所の
うちの最終接続箇所を除いた各接続箇所をそれぞれ接続
し、前記最終接続箇所の接続部間において生じるずれ量
を算出するずれ量算出手段と、前記最終接続箇所を接続
した場合に、前記ずれ量によって発生する配管の変位応
力を算出する変位応力算出手段と、を備え、前記変位応
力が所定の許容応力を越える場合には、前記配管を現場
に設置する前に前記配管ピースの寸法修正を可能にした
ことを特徴としている。
【0007】本発明によれば、現場既設の2箇所の配管
接続部の3次元測定データと製作後の配管ピースの両端
の接続部の3次元測定データに基づいて配管ピースをコ
ンピュータ上で接続し、配管の変位応力を算出する。そ
して、この変位応力が所定の許容応力を越えた場合に
は、配管ピースの修正を指示する。これにより、製作し
た配管が取り付け可能か否かを事前に判断でき、塗装、
保温作業及び各種検査を現場発送前に完了でき、配管の
完全プレハブ化が可能となり、現場作業を低減できる。
【0008】また、前記ずれ量算出手段が、前記複数の
接続箇所を順次接続する際に、該接続する配管ピースの
固定端側の接続部と隣接する配管ピースの接続部又は前
記現場既設の配管接続部との中心位置及び傾きを一致さ
せるとともに、前記接続する配管ピースの自由端側の接
続部の中心位置及び傾きが設計データの中心位置及び傾
きと一致するように接続部間を、接続する配管ピースの
固定端側の配管中心軸を回転中心として回転移動させる
ようにしたことにより、各配管ピースの製作誤差を相殺
し、配管経路全体で取り付け可能かどうかの検討が行え
るため、製作した配管の不良等の低減効果が期待でき
る。
【0009】また、本発明は上記目的を達成するため
に、現場既設の2箇所の配管接続部の間に配管される複
数の配管ピースを製作する配管製作方法であって、前記
配管を構成する複数の配管ピースのうち一部の配管ピー
スを製作し、前記現場既設の2か所の配管接続部の3次
元測定データと、前記製作した配管ピースの両端の接続
部の3次元測定データを入力し、前記入力した配管ピー
スをコンピュータ上で接続するシミュレーションを行
い、前記シミュレーションの結果に基づいて前記配管を
構成する残りの配管ピースの設計データを修正し、前記
修正した設計データに基づいて前記配管を構成する残り
の配管ピースを製作することを特徴としている。
【0010】本発明によれば、配管を構成する複数の配
管ピースのうち、所定本数の配管ピースを設計データに
基づいて製作し、これらの配管ピースに関して配管ピー
ス接続のシミュレーションを行い、その結果、残りの配
管ピースの設計データを修正して、これらの配管ピース
を修正した設計データに基づいて製作するようにする。
【0011】これにより、一度製作した配管ピースを修
正することなく、現場既設の配管接続部に確実に接続で
きる配管を容易に製作することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る配管仮組シミュレーション装置及び配管製作方法の好
ましい実施の形態について説明する。図1は、本発明に
係る配管組立シミュレーション装置とその周辺機器を示
した図である。同図に示すように配管組立シミュレーシ
ョン装置は、配管組立シミュレーションプログラムを搭
載した汎用のコンピュータ10である。コンピュータ1
0は、演算装置本体、キーボード等の入力手段及びモニ
タ等の表示手段から構成される。
【0013】周辺機器には、配管製作図を作成するCA
D12や、3次元測定を行う3次元測定装置14が使用
される。また、同図に示すフロッピーディスク16や電
子手帳18はCAD12や3次元測定装置14によって
得られたデータを上記コンピュータ10に入力するため
の情報伝達媒体と使用される。尚、フロッピーディスク
16や電子手帳18の代わりに他の情報伝達方法を使用
することも当然可能である。
【0014】図2は上記CAD12によって設計された
配管製作図の一例を示した図であり、図2に示す配管P
は、現場に設置される機器1と機器2の間の配管経路を
構成するために設計されたものである。同図に示すよう
に配管Pは、複数の配管ピースP1、P2、P3、P4
から構成され、配管ピースP1から順に配管ピースP4
まで接続される。そして、機器M1と配管ピースP1が
接続されるとともに、機器M2と配管ピースP4が接続
されて機器M1と機器M2の間に配管Pによる配管経路
が形成される。
【0015】各配管ピースP1、P2、P3、P4の両
端にはフランジF1A、F1B、F2A、F2B、F3
A、F3B、F4A、F4Bが設けられ、これらのフラ
ンジにより各配管ピースP1、P2、P3、P4は、ボ
ルト締結される。尚、配管ピースP3と配管ピースP4
の間には図示しないバルブが配設されるが、以下、この
バルブは配管ピースP4の一部として取り扱い、配管ピ
ースP3のフランジF3Bとボルト締結されるバルブの
フランジをフランジF4Aとする。
【0016】また、機器M1、機器M2の接続端にもフ
ランジ(以下、機器M1及び機器M2の接続端のフラン
ジを機器フランジF0、機器フランジF5とする。)が
設けられ、これらの機器M1及び機器M2の機器フラン
ジF0、F5と配管ピースP1、P4のフランジP1
A、P4Bがボルト締結される。尚、各フランジには、
フランジの面を当接してボルト締結するためのボルト穴
がボルト穴裕度(ボルト穴径とボルト径との差)をもっ
て複数設けられている。
【0017】配管Pの設計においては、まず、機器M1
と機器M2の機器フランジF0、F5の中心位置、面の
傾き及びボルト穴振り角度(ボルト穴の位置を特定する
ためのフランジの回転角度)が設定され、これに基づい
て機器M1と機器M2の間に所望の配管経路を形成する
ための各配管ピースP1、P2、P3、P4の形状が決
められる。そして、それに応じて各配管ピースP1、P
2、P3、P4のフランジF1A、F1B、F2A、F
2B、F3A、F3B、F4A、F4Bの中心位置、面
の傾き及びボルト穴振り角度が決定される。即ち、ボル
ト締結されるフランジ同士の中心位置、面の傾き及びボ
ルト穴の位置が一致するように、各フランジF1A、F
1B、F2A、F2B、F3A、F3B、F4A、F4
Bの中心位置、面の傾き及びボルト穴振り角度が決定さ
れる。
【0018】このように上記CAD12によって作成さ
れた設計データはフロッピーディスク16を介してコン
ピュータ10に入力されるようになっている。また、図
2に示す機器M1及び機器M2が現場に設置されると、
上記3次元測定装置14によってこれらの機器フランジ
F0、F5の中心位置、面の傾き及びボルト穴振り角度
が3次元測定される。また、設計データにしたがって各
配管ピースP1、P2、P3、P4が製作されると各配
管ピースP1、P2、P3、P4のフランジF1A、F
1B、F2A、F2B、F3A、F3B、F4A、F4
Bの中心位置、面の傾き及びボルト穴振り角度が3次元
測定される。
【0019】図3及び図4は、それぞれ現場に設置され
た機器の機器フランジと、製作された配管ピースのフラ
ンジの上記3次元測定状況を説明した模式図である。
尚、同図に示すフランジ30は上記機器M1、M2の機
器フランジF0、F5又は各配管ピースP1、P2、P
3、P4のフランジF1A、F1B、F2A、F2B、
F3A、F3B、F4A、F4Bを示す。
【0020】これらの図3及び図4に示すようにフラン
ジ30の周辺部に複数(3つ)のターゲット32、3
2、32が治具32A、32A、32Aによって装着さ
れる。これらのターゲット32、32、32は、フラン
ジ30の中心位置、面の傾き及びボルト穴の位置と所定
の関係をもって装着されており、3次元測定装置14は
これらのターゲット32、32、32に光(赤外線等)
を照射してその反射光を検出することにより、ターゲッ
ト32、32、32の3次元的位置を測定し、その結果
からフランジ30の中心位置、面の傾き及びボルト穴振
り角度を測定する。
【0021】このように3次元測定装置14によって得
られた実測データは、測定現場において一旦上記電子手
帳18に記録され、その後電子手帳18を介してコンピ
ュータ10に入力されるようになっている。次に上記コ
ンピュータ10を用いた配管製作手順について説明す
る。配管設計者は、まず、上記配管Pの設計データを上
記CAD12からフロッピーディスク16を介して上記
コンピュータ10に入力するとともに、現場に機器M1
及び機器M2が設置された段階で、上述したように3次
元測定装置14によって機器M1及び機器M2の機器フ
ランジF0、F5の上記実測データ(フランジの中心位
置、面の傾き及びボルト穴振り角度)を得て、電子手帳
18を介して上記コンピュータ10に入力する。そし
て、この配管Pの設計データと実測データとを比較し、
配管Pの設計データの修正が必要か否かを判定する。即
ち、機器フランジF0、F5間の位置関係、フランジ面
の傾き及びボルト穴振り角度の設計データと実測データ
とのずれを確認し、ずれが大きい場合には、上記CAD
12により再度各配管ピースの寸法等を修正し、そのず
れを解消する。これにより、機器フランジF0、F5の
実際の設置位置に適した配管Pを設計するようにする。
【0022】次に、このように適宜機器フランジF0、
F5の実測データにより修正された配管Pの設計データ
に基づいて各配管ピースP1、P2、P3、P4が製作
される。配管設計者は、上述したように3次元測定装置
14によって各配管ピースP1、P2、P3、P4のフ
ランジの上記実測データ(フランジの中心位置、面の傾
き及びボルト穴振り角度)を得て、電子手帳18を介し
て上記コンピュータ10に入力する。
【0023】上記コンピュータ10は、このように機器
M1、機器M2と各配管ピースP1、P2、P3、P4
のフランジの実測データを入力すると、この実測データ
に基づいて配管仮組シミュレーションを実行する。図5
は、上記コンピュータ10による配管仮組シミュレーシ
ョンの処理手順を示したフローチャートである。まず、
上記コンピュータ10は、入力した機器M1、機器M2
と各配管ピースP1、P2、P3、P4のフランジの実
測データに基づいて各配管ピースP1、P2、P3、P
4のフランジをコンピュータ上で接続して配管経路を生
成する。その際、機器M1から各配管ピースP1、P
2、P3、P4を順に接続して配管経路Aを生成する場
合(ステップS10)と、機器M2から各配管ピースP
4、P3、P2、P1を順に接続して配管経路Bを生成
する場合(ステップS12)とを計算する。
【0024】ここで配管経路を生成する際のフランジ接
続方法の詳細について図6のフローチャートを用いて説
明する。まず、コンピュータ10は、機器、配管ピース
の接続順序を入力する(ステップS30)。ここでは、
上記ステップS10の配管経路Aを計算する場合につい
て配管経路Aの機器、及び配管ピースの接続順序を入力
するものとする。
【0025】次に、ステップS30において入力した接
続順序に従って順次機器と配管ピースを順にコンピュー
タ内で接続していく。そこで、まず配管経路Aの接続元
である機器1に配管ピース1をコンピュータ内で接続す
る。この時、接続するフランジ同士の中心位置、面の傾
き及びボルト穴振り角度を一致させるための配管ピース
の平行・回転移動量を計算する(ステップS32)。具
体的には、まず、機器M1の機器フランジF0と配管ピ
ースP1の固定端フランジF1A(以下において、各配
管ピースの両端のフランジの内、各配管経路で前段のフ
ランジに接続されるフランジを固定端フランジといい、
後段のフランジに接続されるフランジを自由端フランジ
ということにする。)の中心位置を一致させ、フランジ
間にライナを挿入する場合には、挿入するライナ厚みの
設計量だけ配管ピースP1の固定側フランジF1Aの中
心位置を機器フランジF0の面の傾きに垂直な方向に平
行移動させる。また、機器フランジF0の面の傾きに配
管ピースP1の固定端フランジF1Aの面の傾きを一致
させ、機器フランジF0のボルト穴振り角度に配管ピー
スP1の固定端フランジF1Aのボルト穴振り角度を合
わせる。このような条件の基、配管ピースP1の平行・
回転移動量を計算する。
【0026】そして、上記ステップ32によって計算し
た平行・回転移動量に基づいて配管ピースの移動を行
い、この配管ピースの自由端フランジの中心位置、面の
傾き及びボルト穴振り角度を計算する(ステップS3
4)。これにより、上記配管ピースP1の固定端フラン
ジF1Aを機器フランジF0に接続した場合の配管ピー
スP1の自由端フランジF1Bの中心位置、面の傾き及
びボルト穴振り角度が求まる。
【0027】次にこの計算により求まった配管ピースP
1の自由端フランジF1Bの中心位置、面の傾き及びボ
ルト穴振り角度が上記設計データと一致するか否かを判
定する(ステップS36)。一致する場合には、配管ピ
ースが全て接続されたか否かを判定し(ステップS3
8)、NOの場合には接続する配管ピースを1つ進めて
(ステップS40)、次の配管ピース(例えば配管ピー
スP2)に進み、上記ステップS32からステップS3
8までの処理を繰り返す。
【0028】一方、計算により求まった配管ピースP1
の自由端フランジF1Bの中心位置、面の傾き及びボル
ト穴振り角度が上記設計データと一致しない場合には、
ステップS42とステップS44の処理を行う。ステッ
プS42は、フランジ検索の処理であり、既に接続した
フランジの中から今着目している自由端フランジの面と
平行でないフランジを接続順序と逆にたどって見つけ出
す処理である。またステップS44は、ステップS42
において検索したフランジをボルト穴裕度以内でフラン
ジ面と垂直な軸中心で回転移動させ、着目している自由
端フランジが設計データに最も近づくようにする処理で
ある。
【0029】尚、ステップS42において、該当するフ
ランジが複数ある場合には、そのフランジ全てについて
着目している自由端フランジが設計データに最も近づく
ように回転移動を行うようにしてもよいし、又は、接続
順序を逆にたどって見つけ出した最初の所定数のフラン
ジに関してのみ回転移動を行うようにしてもよい。また
該当するフランジが存在しない場合には、そのままステ
ップS38に移る。
【0030】配管ピースP1に関しては、配管ピースP
1の自由端フランジF1Bの面と固定側フランジF1A
の面とが平行(配管ピース1が直管)でない場合に限
り、ボルト穴裕度以内で機器M1の機器F0の面と垂直
な軸中心の回転移動を行い、配管ピースP1の自由端フ
ランジF1Bが設計データに最も近づくようにする。こ
のようにして配管ピースP1を機器M1に接続した後、
ステップS32からの処理を配管ピースP2、P3、P
4に対しても同様に繰り返し、機器M1から配管ピース
P1さらに配管ピースP4までを接続する。そして、配
管ピースP1から配管ピースP4までの自由端フランジ
F1B、F2B、F3B、F4Bの中心位置、面の傾き
及びボルト穴振り角度を記録する。
【0031】また、上記図5のフローチャートのステッ
プS12において配管経路Bを生成する場合についても
同様に上記フランジ接続処理を実行し、機器M2から配
管ピースP4さらに配管ピースP1までの順序で接続し
て配管ピースP4から配管ピースP1までの自由端フラ
ンジF4A、F3A、F2A、F1Aの中心位置と面の
傾き、ボルト穴振り角度を記録する。
【0032】以上のフランジ接続方法により配管経路A
と配管経路Bとを生成した後(ステップS10、ステッ
プS12)、図5のフローチャートに戻り、次にこれら
の配管経路A、Bにおいて接続されるフランジ同士の中
心位置、面の傾き及びボルト穴振り角度の差を計算する
(ステップS14)。即ち、配管ピースP1、P2、P
3、P4の接続順序を変えた場合に、最後に接続される
フランジ同士で生じるずれを算出する。図7に5通りの
接続順序のパターン(接続パターン)を示す。
【0033】同図(1)乃至(5)に示す接続パターン
A、B、C、D、Eは、それぞれ機器M1と配管ピース
P1、配管ピースP1と配管ピースP2、配管ピースP
2と配管ピースP3、配管ピースP3と配管ピースP
4、配管ピースP4と機器M2が最後に接続される場合
を示している。これらの図に示すように配管ピースが全
て設計データと誤差なく製作された場合以外は、最後に
接続されるフランジの部分にずれが生じる。コンピュー
タ10は、これらの接続パターンA、B、C、D、Eに
おけるずれを求める場合に、上記ステップS10とステ
ップS12で求めた配管経路Aと配管経路Bにおける各
フランジの中心位置、面の傾き及びボルト穴振り角度の
計算結果を用いて、以下(1)から(5)に示すフラン
ジ同士の中心位置、面の傾き及びボルト穴振り角度の差
を算出する。
【0034】(1)接続パターンAの場合:機器M1の
機器フランジF0と配管経路Bにおける配管ピースP1
の自由端フランジF1A (2)接続パターンBの場合:配管経路Aにおける配管
ピースP1の自由端フランジF1Bと配管経路Bにおけ
る配管ピースP2の自由端フランジF2A (3)接続パターンCの場合:配管経路Aにおける配管
ピースP2の自由端フランジF2Bと配管経路Bにおけ
る配管ピースP3の自由端フランジF3A (4)接続パターンDの場合:配管経路Aにおける配管
ピースP3の自由端フランジF3Bと配管経路Bにおけ
る配管ピースP4の自由端フランジF4A (5)接続パターンEの場合:配管経路Aにおける配管
ピースP4の自由端フランジF4Bと機器M2の機器フ
ランジF5 上記コンピュータ10は、以上の各接続パターンについ
て最後に接続するフランジ同士の中心位置,面の傾き及
びボルト穴振り角度の差を算出したのち、この算出結果
に基づいて次式で定義されるずれ量を算出する。
【0035】ずれ量=(中心位置の差)2 +(フランジ
面の傾きの差)2+(ボルト穴振り角度の差)2 そして、各接続パターンについて算出したずれ量のうち
最も値が小さい接続パターンを最良の接続パターンとし
て決定する(ステップS16)。このようにして最良の
接続パターンを決定すると、次に、この接続パターンに
おいて、そのずれ量を配管取り付け時に配管経路全体の
可撓性により吸収することが可能かどうかの判定を行
う。即ち、最小ずれ量分の変位によって配管経路に生じ
る応力をコンピュータによる応力解析で求め(ステップ
S18)、生じる最大応力が配管の許容応力未満である
かどうかを判定する(ステップS20)。
【0036】生じる最大応力が許容応力未満であれば、
製作した配管ピースは取り付け可能と判断し、その接続
パターンと各配管ピース接続時のボルト穴裕度分の回転
移動量を指示し、これに基づいて配管を取り付ける(ス
テップS22)。一方、生じる最大応力が許容応力以上
であれば、製作した配管ピースは取り付け不可と判断
し、選択した接続パターンの最終接続配管ピースの内、
曲がりが少ない単純な形状のピースを修正することと
し、かつ、ずれ量を修正量として配管の手直しを指示す
る(ステップS24)。
【0037】以上の配管製作手順により、配管設計の修
正を現場合わせ作業を行うことなくコンピュータ上で行
うことが可能となる。尚、上記実施の形態では、全ての
配管ピースを製作してから配管仮組シミュレーションを
行っていた場合であったが、例えば1つの配管ピースを
残して他の配管ピースを製作して配管仮組シミュレーシ
ョンを行い、そのシミュレーションの結果により残り1
つの配管ピースの寸法を決めて製作するようにしてもよ
い。
【0038】
【発明の効果】以上本発明によれば、現場既設の2箇所
の配管接続部の3次元測定データと製作後の配管ピース
の両端の接続部の3次元測定データに基づいて配管ピー
スをコンピュータ上で接続し、配管の変位応力を算出す
る。そして、この変位応力が所定の許容応力を越えた場
合には、配管ピースの修正を指示する。
【0039】これにより、製作した配管が取り付け可能
か否かを事前に判断でき、塗装、保温作業及び各種検査
を現場発送前に完了でき、配管の完全プレハブ化が可能
となり、現場作業を低減できる。また、複数の接続箇所
を順次接続する際に、該接続する配管ピースの固定端側
の接続部と隣接する配管ピースの接続部又は前記現場既
設の配管接続部との中心位置及び傾きを一致させるとと
もに、前記接続する配管ピースの自由端側の接続部の中
心位置及び傾きが設計データの中心位置及び傾きと一致
するように接続部間を、接続する配管ピースの固定端側
の配管中心軸を回転中心として回転移動させるようにし
たことにより、各配管ピースの製作誤差を相殺し、配管
経路全体で取り付け可能かどうかの検討が行えるため、
製作した配管の不良等の低減効果が期待できる。
【0040】また、請求項6に記載の発明によれば、配
管を構成する複数の配管ピースのうち、所定本数の配管
ピースを設計データに基づいて製作し、これらの配管ピ
ースに関して配管ピース接続のシミュレーションを行
い、その結果、残りの配管ピースの設計データを修正し
て、これらの残りの配管ピースを前記修正した設計デー
タに基づいて製作するようにする。
【0041】これにより、一度製作した配管ピースを修
正することなく、現場既設の配管接続部に確実に接続で
きる配管を容易に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る配管仮組シミュレーショ
ン装置とその周辺機器を示した図である。
【図2】図2は、配管経路の一例を示した図である。
【図3】図3は、現場機器のフランジの測定状況を示し
た図である。
【図4】図4は、製作した配管ピースのフランジの計測
状況を示した図である。
【図5】図5は、配管仮組シミュレーションの処理手順
を示したフローチャートである。
【図6】図6は、フランジ接続方法を示したフローチャ
ートである。
【図7】図7は、配管接続パターンを示した図である。
【符号の説明】
M1、M2…機器 P1、P2、P3、P4…配管ピース F0、F5…機器フランジ F1A、F1B、F2A、F2B、F3A、F3B、F
4A、F4B…フランジ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現場既設の2箇所の配管接続部の間に配
    管される複数の配管ピースをコンピュータ上で接続する
    配管仮組シミュレーション装置であって、 3次元測定手段によって予め測定されている前記現場既
    設の2か所の配管接続部の3次元測定データ、及び前記
    各配管ピースの両端の接続部の3次元測定データを入力
    する入力手段と、 前記入力手段から入力した3次元測定データに基づいて
    コンピュータ上で前記現場既設の2箇所の配管接続部及
    び各配管ピースの両端の接続部の複数の接続箇所のうち
    の最終接続箇所を除いた各接続箇所をそれぞれ接続し、
    前記最終接続箇所の接続部間において生じるずれ量を算
    出するずれ量算出手段と、 前記最終接続箇所を接続した場合に、前記ずれ量によっ
    て発生する配管の変位応力を算出する変位応力算出手段
    と、 を備え、 前記変位応力が所定の許容応力を越える場合には、前記
    配管を現場に設置する前に前記配管ピースの寸法修正を
    可能にしたことを特徴とする配管仮組シミュレーション
    装置。
  2. 【請求項2】 前記ずれ量算出手段は、前記複数の接続
    箇所を順次接続する際に、該接続する配管ピースの固定
    端側の接続部と隣接する配管ピースの接続部又は前記現
    場既設の配管接続部との中心位置及び傾きを一致させる
    とともに、前記接続する配管ピースの自由端側の接続部
    の中心位置及び傾きが設計データの中心位置及び傾きと
    一致するように接続部間を、接続する配管ピースの固定
    端側の配管中心軸を回転中心として回転移動させること
    を特徴とする請求項1の配管シミュレーション装置。
  3. 【請求項3】 前記ずれ量算出手段は、前記複数の接続
    箇所を最適な接続順序で接続し、最小のずれ量を算出す
    ることを特徴とする請求項1又は2の配管仮組シミュレ
    ーション装置。
  4. 【請求項4】 前記最小のずれ量を示す最適な接続順序
    を指示することを特徴とする請求項3の配管仮組シミュ
    レーション装置。
  5. 【請求項5】 前記現場既設の配管接続部及び前記各配
    管ピースの接続部はボルト締結のためのボルト穴を有す
    るフランジであり、前記3次元測定データは、前記フラ
    ンジの中心位置、面の傾き及びボルト穴振り角度を示す
    データであることを特徴とする請求項1、2、3又は4
    の配管仮組シミュレーション装置。
  6. 【請求項6】 現場既設の2箇所の配管接続部の間に配
    管される複数の配管ピースを製作する配管製作方法であ
    って、 前記配管を構成する複数の配管ピースのうち一部の配管
    ピースを製作し、 前記現場既設の2か所の配管接続部の3次元測定データ
    と、前記製作した配管ピースの両端の接続部の3次元測
    定データを入力し、 前記入力した配管ピースをコンピュータ上で接続するシ
    ミュレーションを行い、 前記シミュレーションの結果に基づいて前記配管を構成
    する残りの配管ピースの設計データを修正し、 前記修正した設計データに基づいて前記配管を構成する
    残りの配管ピースを製作することを特徴とする配管製作
    方法。
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US8451267B2 (en) 2008-12-12 2013-05-28 Hitachi Plant Technologies, Ltd. Pipe installation support apparatus

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