JPH10291970A - α、β−不飽和アミノ酸誘導体の製法 - Google Patents

α、β−不飽和アミノ酸誘導体の製法

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JPH10291970A
JPH10291970A JP9104081A JP10408197A JPH10291970A JP H10291970 A JPH10291970 A JP H10291970A JP 9104081 A JP9104081 A JP 9104081A JP 10408197 A JP10408197 A JP 10408197A JP H10291970 A JPH10291970 A JP H10291970A
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amino
amino acid
residue
compound
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JP9104081A
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Masaki Yamada
昌樹 山田
Tadatoshi Miyajima
忠利 宮島
Koushi Horikawa
袷志 堀川
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Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生理活性化合物または医薬中間体として有
用なα、β−不飽和アミノ酸誘導体を簡便に合成する方
法を提供するものである。 【解決手段】一般式〔II〕 【化1】 (R1、R2はアミノ酸残基等、R3は水素等、Xは隣接の
硫黄と脱離しうる基)で示される化合物を塩基の存在下
に脱離反応に付することを特徴とする一般式[I] 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α、β−不飽和ア
ミノ酸誘導体の新規製法に関する。
【0002】
【従来の技術】α、β−不飽和アミノ酸(α−デヒドロ
アミノ酸)を重要な構造ブロックあるいは前駆体とした
ペプチドは数多く単離構造決定されており、これらペプ
チドは、そのほとんどが抗菌、抗腫瘍、植物毒素あるい
は酵素阻害作用などの生理活性を有することが知られて
いる。またα、β−不飽和アミノ酸はプロキラルな基質
としてペプチド合成の重要な原料となり得るほか、不斉
還元や不斉付加反応の基質としても有用である。(有機
合成化学、第41巻、第12号、1181頁(198
3)) 現在まで様々なα、β−不飽和アミノ酸誘導体の合成法
が知られているが、システイン誘導体を原料化合物とし
てα、β−不飽和アミノ酸誘導体を合成する方法として
は例えば以下に示すものがある。
【0003】まず、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサ
エティー、ケミカル・コミュニケーション(J.Che
m.Soc.,Chem.Commun.),p.89
7(1974)にはシステイン誘導体を過ヨウ素酸ナト
リウムで酸化し、スルホキシド誘導体にした後、熱分解
させてα、β−不飽和アミノ酸誘導体にする方法が示さ
れている。また、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケ
ミストリー(J.Org.Chem.),vol.4
2,No.24,p.3815(1977)には更にス
ルホキシド誘導体をトリフェニルホスフィンやトリフェ
ニルホスファイトの存在下に熱分解してα、β−不飽和
アミノ酸誘導体を合成する方法が記載されている。
【0004】次に、テトラヘドロン・レターズ(Tet
rahedron Lett.),p.211(197
5)には、S−アルキルシステイン誘導体をフルオロス
ルホン酸メチルでスルホニウム塩とし、ついでトリエチ
ルアミンで処理して、α、β−不飽和アミノ酸誘導体を
合成する方法が示されている。
【0005】しかしながら、これらの方法は、脱離に高
熱を要し、またスルホニウム塩を低温で単離する必要が
あるなど反応条件に制約があるとともに反応操作も煩雑
であった。
【0006】またオーストラリアン・ジャーナル・オブ
・ケミストリー(Aust.J.Chem.),vo
l.46,p.73(1993)には4−メチルチオメ
チルオキサゾリジノン誘導体をスルホン化した後、塩基
で処理して4−メチレンオキサゾリジノン誘導体を合成
する方法が記載されている。
【0007】しかしこの方法に用いられる原料化合物と
しては環構造を有するものだけが記載され、他の一般的
な鎖状の化合物については一切記載されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生理活性化
合物または医薬中間体として有用な、α、β−不飽和ア
ミノ酸誘導体を簡便に合成できる汎用性の高い製法を提
供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式[I
I]
【0010】
【化6】
【0011】(式中、R1はアミノ酸または2つ以上のア
ミノ酸から構成されるペプチドのC端のカルボキシル基
から水酸基を除いた残基(当該残基中の官能基は保護さ
れていても良い)であるか、或いはアミノ基の保護基で
あり、R2はアミノ酸または2つ以上のアミノ酸から構成
されるペプチドのN端のアミノ基から水素原子を除いた
残基(当該残基中の官能基は保護されていても良い)で
あるか、或いはR4O−で示される基であり(R4はカルボ
キシル基の保護基)、R3は水素原子または有機基、X
は隣接した硫黄原子と共にX−S(O)n−として脱離
しうる基、nは1または2を表す。)で示される化合物
を塩基の存在下脱離反応に付することを特徴とする一般
式[I]
【0012】
【化7】
【0013】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示されるα、β−不飽和アミノ酸誘導体の製法
に関する。
【0014】また、本発明は、一般式〔III〕
【0015】
【化8】
【0016】(式中、R11はアミノ酸または2つ以上の
アミノ酸から構成されるペプチドのC端のカルボキシル
基から水酸基を除いた残基(当該残基中の官能基は保護
されていても良い)であるか、或いはアミノ基の保護基
であり、R21はアミノ酸または2つ以上のアミノ酸から
構成されるペプチドのN端のアミノ基から水素原子を除
いた残基(当該残基中の官能基は保護されていてもよ
い)であるか、、或いはR22O−で示される基であり(R
22はカルボキシル基の保護基)、R3は水素原子または
有機基、Xは隣接した硫黄原子と共にX−S(O)n−
として脱離しうる基、nは1または2を表す。)で示さ
れる化合物を酸化した後、要すれば保護基を除去した後
アミノ酸もしくはペプチド(これら化合物中の官能基は
保護されていてもよい)を縮合させ、一般式〔II〕
【0017】
【化9】
【0018】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物を製し、ついで塩基の存在下、
化合物〔II〕を脱離反応に付することを特徴とする一
般式〔I〕
【0019】
【化10】
【0020】(式中記号は前記と同一意味を有する。)
で示されるα、β−不飽和アミノ酸誘導体の製法に関す
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明においてアミノ酸またはペ
プチドを構成するアミノ酸としては、L体、D体及びそ
れらの混合物のいずれも含み、例えば、アラニン、バリ
ン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラ
ニン、トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリ
ン、トレオニン、システイン、グルタミン、アスパラギ
ン、チロシン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アス
パラギン酸及びグルタミン酸等の天然α−アミノ酸;ノ
ルロイシン、α−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、β−ア
ミノイソ酪酸、β−アラニン、ホモセリン、α−メチル
セリン、O−ベンジルセリン、O−カルバモイルセリン
及びδ−ヒドロキシ−γ−オキソノルバリン等のモノア
ミノカルボン酸;α−アミノアジピン酸、テアニン、γ
−メチレングルタミン酸及びγ−メチルグルタミン酸等
のモノアミノジカルボン酸;オルニチン、β−リジン、
α,β−ジアミノプロピオン酸及びα,γ−ジアミノ酪
酸等のジアミノモノカルボン酸;ジアミノピメリン酸等
のジアミノジカルボン酸;システイン酸等の含スルホン
酸アミノ酸;チロニン、キヌレニン及び3,4−ジオキ
シフェニル−アラニン等の芳香族アミノ酸;アジリジン
−2,3−ジカルボン酸、2−アミノ−3−(イソオキ
サゾリン−5−オン−4−イル)プロピオン酸及びアン
チカプシン等の複素環アミノ酸;4−オキサリジン、4
−オキソリジン及び3,6−ジアミノ−5−ヒドロキシ
ヘキサン酸等の塩基性アミノ酸;ピペコリン酸、アゼチ
ジン−2−カルボン酸及び2−アミノシクロペンタン−
1−カルボン酸等の環状アミノ酸;並びにシトルリン、
アラノシン及びアザセリン等の特殊官能基置換アミノ酸
等があげられる。
【0022】このうち好ましいものとしては、例えば、
アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリ
ン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、
グリシン、セリン、トレオニン、システイン、グルタミ
ン、アスパラギン、チロシン、リジン、アルギニン、ヒ
スチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ノルロイシ
ン、、α−アミノ酪酸、ホモセリン、α−メチルセリン
等のα−アミノ酸があげられる。
【0023】また、これらアミノ酸に存在するアミノ
基、水酸基、カルボキシル基等の官能基は慣用の保護基
で適宜保護されていてもよい。
【0024】ペプチドとしては、上記アミノ酸の中から
任意に選択された2つ以上のアミノ酸で構成されたペプ
チドをあげることができ、好ましくは2個以上5個以下
のアミノ酸で構成されたペプチドがあげられる。これら
ペプチド中に存するアミノ基、水酸基、カルボキシル基
等の官能基は慣用の保護基で適宜保護されていてもよ
い。
【0025】R11及びR1において、アミノ酸または2つ
以上のアミノ酸から構成されるペプチドのC端のカルボ
キシル基から水酸基を除いた残基としては、同一または
異なって上記アミノ酸の1つのカルボキシル基から水酸
基を除いた残基または上記ペプチドのC端のカルボキシ
ル基から水酸基を除いた残基をあげることができ、また
R21及びR2において、アミノ酸または2つ以上のアミノ
酸から構成されるペプチドのN端のアミノ基から水素原
子を除いた残基としては同一または異なって上記アミノ
酸の1つのアミノ基から水素原子を除いた残基または上
記ペプチドのN端のアミノ基から水素原子を除いた残基
をあげることができる。
【0026】R11、R21、R1及び/またはR2に用いられる
カルボキシル基の保護基またはアミノ基の保護基として
は酸化反応及び脱離反応に関与せず、常法により容易に
除去できるものであればよく、カルボキシル基もしくは
アミノ基の保護基として通常用いられるものを用いるこ
とができる。そのようなカルボキシル基の保護基として
は、例えば、低級アルキル基、アリール基置換低級アル
キル基、トリ低級アルキルシリル基等があげられ、具体
的にはメチル基、エチル基、ベンジル基、tert−ブ
チル基等があげられる。このうち好ましいものとして
は、低級アルキル基、アリール基置換低級アルキル基等
があげられ、更に好ましいものとしてはメチル基、ベン
ジル基、tert−ブチル基等があげられる。またアミ
ノ基の保護基としては、例えば、置換もしくは非置換低
級アルコキシカルボニル基等があげられ、具体的にはベ
ンジルオキシカルボニル基、4−メトキシベンジルオキ
シカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボ
ニル基、tert−ブトキシカルボニル基及び2,2,
2−トリクロロエチルオキシカルボニル基等があげられ
る。このうち好ましいものとしては、アリール基置換低
級アルコキシカルボニル基、低級アルコキシカルボニル
基等があげられ、更に好ましいものとしてはベンジルオ
キシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等
があげられる。
【0027】R3において有機基としては酸化反応、脱離
反応に影響を与えず、かつ、これらの反応に影響を受け
ない基であればいずれの有機基でも用いることができる
がそのような基としては例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基等の低級アルキル基、フェニル基等のアリー
ル基、ベンジル基等のフェニル低級アルキル基等をあげ
ることができる。
【0028】Xとしては隣接する硫黄原子と共にX−S
(O)n−として脱離することができる基であれば、い
ずれの基も用いることができる。そのような基として
は、メチル基、エチル基等の低級アルキル基、p−ニト
ロベンジル基、ベンジル基等の置換または非置換フェニ
ル低級アルキル基、2、4−ジニトロフェニル基、フェ
ニル基等の置換又は非置換フェニル基、S−カルボメト
キシスルフェニル基(メトキシカルボチオ基)等のスル
フェニル基等を用いることができるほか、固相担体を用
いることもできる。固相担体としては反応に影響を与え
ないもので固相反応に通常用いられるものであればよ
い。このうち、樹脂が最も好適に用いられる。樹脂とし
ては固相によるペプチド合成等に用いることができ、チ
オール基が結合するものであればいずれも好適に用いる
ことができるが、例えば、スチレンとm−ジビニルベン
ゼンを共重合させて得られた樹脂をクロロメチル化した
もの(いわゆるメリフィールド(Merrifiel
d)樹脂)、オキシメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹
脂等を好適にもちいることができる。
【0029】これらの中で好ましい置換基としては、R
1においては、α−アミノ酸のカルボキシル基から水酸
基を除いた残基(当該残基中の官能基は保護されていて
もよい)であるか、或いはアミノ基の保護基があげら
れ、R2においてはα−アミノ酸のアミノ基から水素原
子を除いた残基(当該残基中の官能基は保護されていて
もよい)であるか、或いはR4O−で示される基(R4はカ
ルボキシル基の保護基)があげられる。
【0030】R11においては、R1と同一または異なって
α−アミノ酸のカルボキシル基から水酸基を除いた残基
(当該残基中の官能基は保護されていてもよい)である
か、或いはアミノ基の保護基があげられ、R21において
は、R2と同一または異なってα−アミノ酸のアミノ基
から水素原子を除いた残基(当該残基中の官能基は保護
されていてもよい)であるか、或いはR22O−で示され
る基(R22はカルボキシル基の保護基)があげられる。
3においては水素原子があげられ、Xにおいてはフェ
ニル基で置換されていてもよい低級アルキル基であるか
或いは固相担体があげられる。
【0031】更に好ましくは、α−アミノ酸としては天
然α−アミノ酸が用いられる。
【0032】とりわけ、Xにおいては固相担体が好まし
い。
【0033】化合物〔III〕を酸化して化合物〔I
I〕を得る工程は、適当な溶媒中、酸化剤と反応させる
ことにより実施することができる。
【0034】酸化剤としてはスルフィドを酸化するのに
通常用いられる酸化剤をいずれも用いることができ、例
えばm−クロロ過安息香酸、過安息香酸、過酢酸、過ギ
酸、クロロ過酢酸、トリフルオロ過酢酸等の有機過酸、
過酸化水素、次亜塩素酸の第三級ブチルエステル等の次
亜塩素酸エステル、クロム酸、過ヨウ素酸ナトリウム、
過ヨウ素酸カリウム等の過ヨウ素酸アルカリ金属、過硫
酸またはそのアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム
塩等)、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウ
ム等の過マンガン酸アルカリ金属等の無機過酸もしくは
その塩を好適に用いることができる。とりわけm−クロ
ロ過安息香酸、過ヨウ素酸ナトリウム等が好ましい。
【0035】溶媒としては、反応に関与しない不活性溶
媒であればよく、例えば、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン等のアミド類、ジメチルスル
ホキシド等のスルホキシド類、ジクロロメタン、ジクロ
ロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、酢
酸エチル等のエステル類等があげられ、好ましいものと
しては、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類があ
げられる。
【0036】本反応は冷却下乃至は加熱下において、好
ましくは−40℃乃至は150℃、とりわけ−15℃乃
至は25℃に実施するのが好ましい。
【0037】また、保護基の除去とアミノ酸もしくはペ
プチドを縮合させる工程は、常法に従い適宜実施するこ
とができる。
【0038】すなわち、本工程における、試薬、反応
剤、反応条件等は、ペプチド合成の常法、例えば、「ペ
プチド合成」(合成化学シリーズ、丸善株式会社発行、
1975年)及び「ペプチド合成の基礎と実験」(丸善
株式会社発行、1985年)に記載の試薬、条件、方法
またはこれらに準じて適宜実施することができる。
【0039】具体的には保護基の除去は適当な溶媒中、
もしくは無溶媒で保護基の種類に応じ、酸または塩基に
よる加水分解、接触還元などにより実施することができ
る。
【0040】更に、アミノ酸もしくはペプチドの縮合
は、要すればアミノ酸もしくはペプチド中の官能基を保
護した後、例えば、適当な溶媒中、縮合剤の存在下に縮
合させるか、或いは反応性誘導体に変換した後に縮合さ
せることにより実施することができる。
【0041】縮合剤としては通常ペプチド合成に用いら
れる縮合剤を用いることができ、例えば、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)塩酸
塩、ジイソプルピルカルボジイミド(DIC)、カルボ
ニルジイミダゾール(CDI)、ベンゾトリアゾール−
1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニ
ウムヘキサフルオロホスフェイト(BOP試薬)等をあ
げることができる。
【0042】反応性誘導体としてはペプチド結合の生成
に用いられる反応性誘導体を用いることができ、例えば
酸ハロゲン化物、(混合)酸無水物、活性エステル等を
あげることができる。
【0043】溶媒としては反応に影響を及ぼさないもの
であればいずれも用いることができるが、そのようなも
のとしてはN,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレ
ン、クロロホルム等を用いることができる。
【0044】化合物[II]を塩基の存在下に脱離反応
に付する工程は、適当な溶媒中、もしくは無溶媒で、塩
基で処理することにより実施することができる。
【0045】塩基としては1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,4
−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABC
O)、1.5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5
−エン(DBN)、トリエチルアミン、ジイソプロピル
エチルアミン、ピリジン、ピペリジン等のアミン類;カ
リウムt−ブトキシド等のアルカリ金属低級アルコキシ
ド等の有機塩基、或いは水酸化アルカリ金属、炭酸アル
カリ金属等の無機塩基等を用いることができる。とりわ
け1.8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7
−エン、ピペリジン等のアミン類が好ましい。
【0046】溶媒としては反応に関与しない不活性溶媒
であればよく、たとえばN,N−ジメチルホルムアミド
等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド
類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、
四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル等の
エステル類を好適に用いることができる。
【0047】本反応は冷却下乃至は過熱下、好ましくは
−40℃から150℃、とりわけ0℃から50℃に実施
するのが好ましい。
【0048】このようにして得られた化合物[I]はペ
プチドの分離手段、例えば、抽出、分配、再沈殿、結晶
化、再結晶、各種クロマトグラフィー等によって精製す
ることができる。
【0049】本発明の原料化合物[III]は、一般式
[IV]
【0050】
【化11】
【0051】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物のアミノ基及びカルボキシル基
を保護することにより、或いは所望により、化合物[I
V]のアミノ基もしくはカルボキシル基を保護した後に
アミノ酸もしくはペプチド(これらの化合物中の官能基
は保護されていてもよい)を縮合させ、さらに要すれ
ば、生成した化合物の保護基を除去した後にアミノ酸も
しくはペプチドを縮合させる工程を繰り返すことにより
製することができる。
【0052】本反応における、試薬、反応剤、反応条件
等は、ペプチド合成の常法、例えば、「ペプチド合成」
(合成化学シリーズ、丸善株式会社発行、1975年)
及び「ペプチド合成の基礎と実験」(丸善株式会社発
行、1985年)に記載の試薬、条件、方法に準じて適
宜実施することができる。
【0053】原料化合物[IV]のうち、Xが固相担体
であるものは、たとえばジャーナル・オブ・アメリカン
・ケミカル・ソサエティー(J.Am.Chem.So
c.),vol.95,p.3750(1973)、ジ
ャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.O
rg.Chem.),vol.42,p.3556(1
977)、レターズ・イン・ペプチド・サイエンス(L
ett.Pep.Sci.)vol.2,p.325
(1995)等に記載の方法により製することができ
る。その他のものについては、例えばテトラヘドロン・
レターズ(Tetrahedron Letter
s),p.211(1975)等に記載の方法により製
することができる。
【0054】なお、本発明の方法はXとして固相担体を
用いることにより酸化工程及びアミノ酸もしくはペプチ
ドの縮合工程での精製操作が非常に簡便となる。すなわ
ち未反応の酸化剤、縮合剤、アミノ酸、ペプチド等は溶
媒で洗浄することにより容易に除去されうる。
【0055】また本発明の方法は、Xとして固相坦体を
用いることにより、市販の自動合成装置にも適用するこ
とができ、所望のアミノ酸誘導体を、縮合、脱保護、酸
化、脱離の各工程を自動で行うことにより合成すること
ができるため、本発明の方法は工業的により有利な方法
となり得る。
【0056】なお、本明細書中、低級アルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i
−ブチル基、ペンチル基、へキシル基等の炭素数1−6
のアルキル基をあげることができ、好ましくは炭素数1
−4のものをあげることができる。また、低級アルコキ
シ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキ
シ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキ
シ基、t−ブトキシ基、i−ブトキシ基、ペンチルオキ
シ、へキシルオキシ基等の炭素数1−6のアルコキシ基
をあげることができ、好ましくは炭素数1−4のものを
あげることができる。
【0057】
【実施例】本発明を実施例をあげて説明するが、本発明
はこれら実施例に限定されるものではない。また、本実
施例において固相担体とはメリフィールド樹脂を表す。
【0058】実施例1 (1) (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(メチルチオ)プロピオン酸メチルエステル
(499mg)のジクロロメタン溶液(10ml)に、氷冷下、m−ク
ロロ過安息香酸(453mg)を一度に添加した。反応液をそ
のまま氷冷下で1時間攪拌した後、酢酸エチル(50ml)で
希釈し、これを10%亜硫酸ナトリウム水溶液(50ml)、
飽和食塩水(50ml)で順次洗浄した後、硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶媒を溜去後、得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=
40:1)で精製し、無色液体の(R)−2−(t−ブ
トキシカルボニルアミノ)−3−(メチルスルフィニ
ル)プロピオン酸メチルエステル(485mg)を得た。
【0059】収率91%1 H-NMR(200MHz , CDCl3)δ: 1.45 (9H, s), 2.67−2.68
(3H, m), 3.04−3.45(2H, m), 3.80−3.81(3H, m), 4.
52−4.35 (1H, m), 5.35−5.97 (1H, m) IR(film): 756, 1026, 1169, 1524, 1712, 2978, 3260
cm-1 MS(SIMS) m/z: 266 [ (M+H)+] (2) (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(メチルスルフィニル)プロピオン酸メチル
エステル439mgのジクロロメタン溶液(5ml)に、
氷冷下、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ
カ−7−エン(272μl)を加えた。反応液を氷冷下10
分間攪拌した。反応液を10%硫酸水素カリウム水溶液
で洗浄、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、濃縮し
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラィー (n−ヘキサ
ン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製し、無色油状物と
してN−t−ブトキシカルボニル−デヒドロアラニンメ
チルエステル(=α−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)アクリル酸メチルエステル)227mgを得た。
【0060】収率68% IR(film): 886, 1069, 1159, 1328, 1442, 1512, 1720,
2981, 3424 cm-1 MS(SIMS) m/z: 250 [ (M+H)+] 実施例2 (1) (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(メチルチオ)プロピオン酸メチルエステル
(325mg)のジクロロメタン溶液(5ml)に、氷冷下、m−ク
ロロ過安息香酸(518mg)を一度に添加した。反応液をそ
のまま氷冷下で1時間攪拌した後、反応液を酢酸エチル
(50ml)で希釈し、これを10%亜硫酸ナトリウム水溶液
(50ml)、飽和食塩水(50ml)で順次洗浄した後、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を溜去後、得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢
酸エチル=4:1)で精製し、無色結晶(352mg)の
(R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−
(メチルスルホニル)プロピオン酸メチルエステルを得
た。
【0061】収率98% 融点 77−78℃1 H-NMR(200MHz , CDCl3)δ: 1.46 (9H, s), 2.98 (3H,
s), 3.70 (2H, d, J=4.7Hz, ), 3.83 (3H, s), 4.66 (1
H, dt like, J=5.0 and 7.0Hz), 5.40−5.83 (1H, m) IR(KBr): 510, 1059, 1131, 1297, 1519, 1697, 2982,
3374 cm-1 MS(SIMS) m/z: 282 [ (M+H)+] (2) (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(メチルスルホニル)プロピオン酸メチルエ
ステルを実施例1(2)と同様に処理して、無色油状物
としてN−t−ブトキシカルボニル−デヒドロアラニン
メチルエステルを得た。物性値は実施例1(2)で得ら
れた化合物のそれと同一であった。
【0062】収率56% 実施例3 (1) (R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)−3−(ベンジルチオ)プロピオン酸メチルエステ
ルを用いて実施例1(1)と同様の方法で(R)−2−
(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(ベンジル
スルフィニル)プロピオン酸メチルエステルを合成し
た。
【0063】収率:99% 融点 112−115℃(無色結晶)1 H-NMR(200MHz , CDCl3)δ: 2.85−3.34 (2H, m), 3.74
and 3.35 (3H, s), 3.90−4.15 (2H, m), 4.56−4.87
(1H, m), 5.02−5.35 (2H, m), 5.37−6.24 (1H, m),
7.02−7.54 (10H, m) IR(film): 698, 1028, 1267, 1455, 1536, 1697, 3329
cm-1 MS(SIMS) m/z: 376[ (M+H)+] (2) (R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)−3−(ベンジルスルフィニル)プロピオン酸メチ
ルエステルを用いて実施例1(2)と同様の方法でN−
ベンジルオキシカルボニル−デヒドロアラニンメチルエ
ステル(=α−ベンジルオキシカルボニルアミノアクリ
ル酸メチルエステル) を合成した。
【0064】収率81% IR(film): 698、1069、1325、1442、1522、1718、3354
cm-1 MS(SIMS) m/z: 236[ (M+H)+] 実施例4 (1) (R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)−3−(ベンジルチオ)プロピオン酸メチルエステ
ルを用いて実施例2(1)と同様の方法で(R)−2−
(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(ベンジル
スルホニル)プロピオン酸メチルエステルを合成した。
【0065】IR(KBr): 494, 697, 754, 865, 992, 105
9, 1136, 1301, 1457, 1532, 1693,1738, 2952, 3339 c
m-1 MS(SIMS) m/z:392[ (M+H)+] (2) (R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)−3−(ベンジルスルホニル)プロピオン酸メチル
エステルを用いて実施例1(2)と同様の方法でN−ベ
ンジルオキシカルボニル−デヒドロアラニンメチルエス
テル を得る。
【0066】実施例5 (1) (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(メチルチオ)プロピオン酸ベンジルエステ
ルを用いて実施例1(1)と同様の方法で(R)−2−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(メチルスル
フィニル)プロピオン酸ベンジルエステルを合成した。
【0067】収率96% IR(film): 752, 1052, 1167, 1500, 1715, 2978, 3260
cm-1 MS(SIMS) m/z: 342[ (M+H)+] (2) (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(メチルスルフィニル)プロピオン酸ベンジ
ルエステルを用いて実施例1(2)と同様の方法でN−
t−ブトキシカルボニルミデヒドロアラニンベンジルエ
ステル を得る。
【0068】実施例6 (1) (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(メチルチオ)プロピオン酸ベンジルエステ
ルを用いて実施例2(1)と同様の方法で(R)−2−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(メチルスル
ホニル)プロピオン酸ベンジルエステルを合成した。
【0069】収率83% 融点 118−119℃ IR(KBr): 698、750、1060、1168、1369、1525、1690、1
741、3362 cm-1 MS(SIMS) m/z: 358[ (M+H)+] (2) (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(メチルスルホニル)プロピオン酸ベンジル
エステルを用いて実施例1(2)と同様の方法でN−t
−ブトキシカルボニルミデヒドロアラニンベンジルエス
テル を得る。
【0070】実施例7 (1) (R)−2−[(N−ベンジルオキシカルボニ
ル−L−フェニルアラニル)アミノ]−3−(メチルチ
オ)プロピオン酸ベンジルエステル を用いて実施例1
(1)と同様の方法で(R)−2−[(N−ベンジルオ
キシカルボニル−L−フェニルアラニル)アミノ]−3
−(メチルスルフィニル)プロピオン酸ベンジルエステ
ルを合成した。
【0071】収率84% 融点 155−156℃ IR(film): 697, 750, 1026, 1261, 1537, 1656, 3308 c
m-1 MS(SIMS) m/z: 523[ (M+H)+] (2) (R)−2− [(N−ベンジルオキシカルボ
ニル−L−フェニルアラニル)アミノ]−3−(メチル
スルフィニル)プロピオン酸ベンジルエステルを用いて
実施例1(2)と同様の方法でN−ベンジルオキシカル
ボニル−L−フェニルアラニル−デヒドロアラニンベン
ジルエステルを合成した。
【0072】収率98% 融点 94−95℃(無色結晶) IR(KBr): 699, 749, 1035, 1258, 1537, 1666, 3307 cm
-1 MS(SIMS) m/z:459[(M+H)+] 実施例8 (1) (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(メチルスルホニル)プロピオン酸ベンジル
エステルを用いて後記参考例4と同様の方法で(R)−
2−[(N−ベンジルオキシカルボニル−L−フェニル
アラニル)アミノ]−3−(メチルスルホニル)プロピ
オン酸ベンジルエステルを合成した。
【0073】収率77% 融点 170−171℃ IR(KBr): 464, 698, 748, 1032, 1134, 1300, 1456, 1
531, 1660、1731、3035、3298cm-1 MS(SIMS) m/z: 539[ (M+H)+] (2) (R)−2−[(N−ベンジルオキシカルボニ
ル−L−フェニルアラニル)アミノ]−3−(メチルス
ルホニル)プロピオン酸ベンジルエステルを用いて実施
例1(2)と同様の方法でN−ベンジルオキシカルボニ
ル−L−フェニルアラニル−デヒドロアラニンベンジル
エステルを得る。
【0074】実施例9 (1) (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(ベンジルチオ)プロピオン酸メチルエステ
ルを用いて実施例1(1)と同様の方法で(R)−2−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(ベンジルス
ルフィニル)プロピオン酸メチルエステルを合成した。
【0075】収率90% 融点 97−98℃(無色結晶) IR(KBr): 702, 1025, 1163, 1531, 1706, 3224 cm-1 MS(SIMS) m/z:342[(M+H)+] (2) (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(ベンジルスルフィニル)プロピオン酸メチ
ルエステルを実施例1(2)と同様にしてN−t−ブト
キシカルボニル−デヒドロアラニンメチルエステルを得
る。
【0076】実施例10 (1) (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(ベンジルチオ)プロピオン酸メチルエステ
ルを用いて実施例2(1)と同様の方法で(R)−2−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(ベンジルス
ルホニル)プロピオン酸メチルエステルを合成した。
【0077】収率96% 融点 139−141℃(無色結晶) MS(SIMS) m/z:358[(M+H)+] IR(KBr): 508, 701, 1057, 1164, 1326, 1530, 1698, 1
751, 2992, 3363 cm-1 (2) (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(ベンジルスルホニル)プロピオン酸メチル
エステルを実施例1(2)と同様にしてN−t−ブトキ
シカルボニル−デヒドロアラニンメチルエステルを得
る。
【0078】実施例11 (1) (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(ベンジルチオ)プロピオン酸ベンジルエス
テルを用いて実施例1(1)と同様の方法で(R)−2
−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(ベンジル
スルフィニル)プロピオン酸ベンジルエステルを合成し
た。
【0079】収率100% IR(KBr): 698, 1030, 1164, 1455, 1524, 1697, 2979,
3351 cm-1 MS(SIMS) m/z:418[(M+H)+] (2) (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(ベンジルスルフィニル)プロピオン酸ベン
ジルエステル(626mg)の塩化メチレン溶液5mlに、氷
冷下トリフルオロ酢酸5mlを加え1時間撹拌した。反応
液を減圧濃縮後、残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和重曹
水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮し
た。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド10mlに溶解
しN−ベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラニ
ン(476 mg)、1−エチル−3−(ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミド塩酸塩(307 mg)、N−ヒドロキ
シベンゾトリアゾール(216 mg)、トリエチルアミン
(0.223 ml)を加え氷冷下4時間撹拌した。反応液を氷
水150mlにあけ酢酸エチルで抽出した。有機層を10
%クエン酸水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸
マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。残渣をジイソプロ
ピルエーテルから固化させて樹脂状の(R)−2−
[(N−ベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラ
ニル)アミノ]−3−(ベンジルスルフィニル)プロピ
オン酸ベンジルエステル(799 mg)を得た。
【0080】収率:89% IR(KBr): 697, 746, 1042, 1261, 1455, 1537, 1655, 3
310 cm-1 MS(SIMS) m/z:599[(M+H)+] (3) (R)−2−[(N−ベンジルオキシカルボニ
ル−L−フェニルアラニル)アミノ]−3−(ベンジル
スルフィニル)プロピオン酸ベンジルエステルを用いて
実施例1(2)と同様の方法で N−ベンジルオキシカ
ルボニル−L−フェニルアラニル−デヒドロアラニンベ
ンジルエステルを合成した。
【0081】収率98% 融点 94−95℃(無色結晶) IR(KBr): 699, 749, 1035, 1258, 1537, 1666, 3307 cm
-1 MS(SIMS) m/z:459[(M+H)+] 実施例12 (1) 後記参考例7で得た(R)−2−[(N−ベ
ンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラニル)アミ
ノ]−3−(固相担体−チオ)プロピオン酸メチルエス
テル(400 mg)にジクロロメタン20mlを加えて懸濁し
た。室温下、m−クロロ過安息香酸(173 mg)を一度に添
加し、反応液をそのまま4時間攪拌した。反応液を濾過
し、濾取した樹脂をジクロロメタン(5回)、メタノー
ル(5回)で洗浄したあと乾燥し、(R)−2−(ベン
ジルオキシカルボニル)アミノ−3−(固相担体−スル
ホニル)プロピオン酸メチルエステル(400 mg)を得
た。
【0082】(2) (1)で合成した(R)−2−
(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−3−(固相担体
−スルホニル)プロピオン酸メチルエステル(400 mg)
を入れジクロロメタン20mlを加えて懸濁した。室温
下、1、8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−
7−エン(0.06 ml)を加えた。反応液を室温下10分間
攪拌した。反応液を濾過し、濾液を10% 硫酸水素カ
リウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し
た後、濃縮し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラィー
(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製し、
無色油状物としてN−ベンジルオキシカルボニルデヒド
ロアラニンメチルエステル(50 mg)を得た。物性値は実
施例3(2)で得られた化合物のそれと同一であった。
【0083】収率:65% MS(SIMS) m/z:236[(M+H)+] IR(film): 3350, 1740, 1720, 1520, 1440, 1325, 122
0, 1200, 1070 cm-1 実施例13 (1) 後記参考例10で合成した(R)−2−(t−
ブトキシカルボニルアミノ)−3−(固相担体−チオ)
プロピオン酸N−ベンジルアミド(1.85 g)を塩化メチ
レン15mlに懸濁し、m−クロロ過安息香酸(648 mg)を
一度に添加し、反応液をそのまま2時間攪拌した。反応
液を濾過し、濾取した樹脂をジクロロメタン(5回)、
メタノール(5回)で洗浄したあと乾燥し、(R)−2
−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(固相担体
−スルホニル)プロピオン酸N−ベンジルアミド(1.63
g)を得た。
【0084】(2) (1)で合成した(R)−2−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(固相担体−
スルホニル)プロピオン酸N−ベンジルアミド(1.63
g)をジクロロメタン20mlに懸濁した。室温下、1,
8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
(0.45 ml)を加えた。反応液を室温下30分間攪拌し
た。反応液を濾過し、濾液を10% 硫酸水素カリウム
水溶液で洗浄、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、
濃縮し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラィー (n−
ヘキサン:酢酸エチル=3:1)を用いて精製し、酢酸エ
チル:n−ヘキサンから結晶化して無色結晶のN−t−
ブトキシカルボニル−デヒドロアラニン−N−ベンジル
アミド(30 mg)を得る。
【0085】融点:67−68℃ MS(SIMS) m/z:277[(M+H)+] 実施例14 (1) 後記参考例9で合成した(R)−2−[(N−
ベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラニル)ア
ミノ]−3−(固相担体−チオ)プロピオン酸ベンジル
エステル(1.32 g)を塩化メチレン15mlに懸濁し、m
−クロロ過安息香酸(539 mg)を一度に添加し、反応液
をそのまま2時間攪拌した。反応液を濾過し、濾取した
樹脂をジクロロメタン(5回)、メタノール(5回)で
洗浄したあと乾燥し、(R)−2−[(N−ベンジルオ
キシカルボニル−L−フェニルアラニル)アミノ]−3
−(固相担体−スルホニル)プロピオン酸ベンジルエス
テル(1.40 g)を得た。
【0086】(2) (1)で合成した(R)−2−
[(N−ベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラ
ニル)アミノ]−3−(固相担体−スルホニル)プロピ
オン酸ベンジルエステル(1.4 g)にジクロロメタン2
0mlを加えて懸濁した。室温下、1,8−ジアザビシク
ロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.45 ml)を加え
た。反応液を室温下10分間攪拌した。反応液を濾過
し、濾液を10% 硫酸水素カリウム水溶液で洗浄、硫
酸マグネシウムを用いて乾燥した後、濃縮し残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラィー (n−ヘキサン:酢酸エ
チル=4:1)を用いて精製し、酢酸エチル:n−ヘキサ
ンから結晶化して無色結晶のN−ベンジルオキシカルボ
ニル−L−フェニルアラニルミデヒドロアラニンベンジ
ルエステル(349 mg)を得た。
【0087】収率:76% 融点:94−96℃ 実施例15 (1) 後記参考例9で合成した(R)−2−[(N−
ベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラニル)ア
ミノ]−3−(固相担体−チオ)プロピオン酸ベンジル
エステル(1.32 g)を塩化メチレン15mlに懸濁し、m
−クロロ過安息香酸(237 mg)を一度に添加し、反応液
をそのまま2時間攪拌した。反応液を濾過し、濾取した
樹脂をジクロロメタン(5回)、メタノール(5回)で
洗浄しあと乾燥し、(R)−2−[(N−ベンジルオキ
シカルボニル−L−フェニルアラニル)アミノ]−3−
(固相担体−スルフィニル)プロピオン酸ベンジルエス
テル(1.40 g)を得た。
【0088】(2) (1)で合成した(R)−2−
[(N−ベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラ
ニル)アミノ]−3−(固相担体−スルフィニル)プロ
ピオン酸ベンジルエステル(1.35 g)を実施例14
(1)と同様に反応させてN−ベンジルオキシカルボニ
ル−L−フェニルアラニルミデヒドロアラニンベンジル
エステル(356 mg)を得た。物性値は実施例14(2)
で得られた化合物のそれと同一であった。
【0089】収率78% 参考例1 N−t−ブトキシカルボニル−S−メチル−L−システ
イン(=(R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(メチルチオ)プロピオン酸)(2.35g)と炭
酸カリウム(1.52g)のN,N−ジメチルホルムアミド懸濁液
(20ml)に、氷冷下、ヨードメタン(0.69ml)を滴下した。
滴下後、反応液を室温で2時間攪拌した。反応後、200m
lの氷水にあけ、酢酸エチル(100ml×2)で抽出し、有機
層を飽和食塩水(100ml)で洗浄した後、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を溜去後、得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラィー(n−ヘキサン:酢酸エチル
=8:1)を用いて精製し、無色油状物として(R)−
2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(メチル
チオ)プロピオン酸メチルエステル (2.02g)を得た。
【0090】1H-NMR(200MHz , CDCl3)δ: 1.45 (9H,s),
2.12 (3H,s), 2.94 (2H, d like, J=4.5Hz, m), 3.77
(3H, s), 4.43−4.67 (1H ,m), 5.21−5.52 (1H, m) IR(film): 1020, 1168, 1506, 1717, 2979 cm-1 MS(SIMS) m/z: 250[ (M+H)+] 参考例2 N−ベンジルオキシカルボニル−S−ベンジル−L−シ
ステイン(=(R)−2−(ベンジルオキシカルボニル
アミノ)−3−(ベンジルチオ)プロピオン酸)とヨー
ドメタンを用いて参考例1と同様の方法で(R)−2−
(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(ベンジル
チオ)プロピオン酸メチルエステルを合成した。
【0091】融点 58−59℃(無色結晶)1 H-NMR(200MHz , CDCl3)δ: 2.82 (1H, dd, J=5.6, and
13.8 Hz), 2.90 (1H,dd, J=4.9 and 14.0Hz), 3.42−
4.43 (5H, m), 4.35−4.73 (1H, m) , 5.12 (2H, dd, J
=12.4 and 12.4Hz), 5.54 (1H, d), 7.05−7.80 (10H,
m) IR(film): 699, 1055, 1214, 1454, 1514, 1723, 2953,
3342 cm-1 MS(SIMS) m/z: 360 [ (M+H)+] 参考例3 N−t−ブトキシカルボニル−S−メチル−L−システ
インとベンジルブロミドを用いて参考例1と同様の方法
で(R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3
−(メチルチオ)プロピオン酸ベンジルエステルを合成
した。
【0092】融点:40−41℃ IR(film): 698, 753, 1055, 1168, 1499, 1717, 2978,
3370 cm-1 1 H-NMR(200MHz , CDCl3)δ: 1.44 (9H,s),2.06 (3H,s),
2.94 (2H, d, J=4.8Hz),4.56−4.71 (1H ,m), 5.15 (1
H, d, J=12.2Hz), 5.22 (1H, d, J=12.2Hz), 5.38 (1H,
d like, J=7.4Hz), 7.36 (5H, s like) MS(SIMS) m/z: 326[ (M+H)+] 参考例4 (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−
(メチルチオ)プロピオン酸ベンジルエステル(1.30
g)に氷冷下にジオキサン10mlと4N塩酸・ジオキサ
ン溶液30mlを加え1.5時間撹拌した。反応液を濃縮
して無色粉末状物を得た。得られた無色粉末状物をN,
N−ジメチルホルムアミド20mlに溶解し、N−ベンジ
ルオキシ−L−フェニルアラニン(1.32 g)、トリエチ
ルアミン(0.56 ml)、1−エチル−3−(ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.84 g)、N−
ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.59 g)を加えて氷冷
下6時間撹拌した。反応液を氷水200mlにあけ、酢酸
エチルで抽出した。有機層を10%クエン酸水、飽和重
曹水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し
減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラィ
ー (n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1から1:3)を用
いて精製し、無色結晶として(R)−2−[(N−ベン
ジルオキシカルボニル−L−フェニルアラニル)アミ
ノ]−3−(メチルチオ)プロピオン酸ベンジルエステ
ル (1.96 g)を得た。
【0093】融点:125−126℃ IR(KBr): 696, 732, 1043, 1266, 1454, 1537, 1647, 1
692, 1739, 3303 cm-1 1H-NMR(200MHz , CDCl3)δ: 1.96
(3H,s), 2.86 ( 1H, dd, J=5.4, 14.0 Hz),2.97 ( 1H,
dd, J=5.1, 14.0 Hz), 3.08 (2H, d, J=6.7Hz),4.37−
4.60 (1H ,m), 4.77 (1H, ddd like, J=5.4, 5.4, 7.5H
z), 5.07 (2H, s), 5.16 (2H,s), 5.33 (1H, d, J=7.4H
z),6.65 (1H, d, J=7.3Hz), 7.06−7.53 (15H ,m) MS(SIMS) m/z: 507[ (M+H)+] 参考例5 N−t−ブトキシカルボニル−S−ベンジル−L−シス
テイン(=(R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(ベンジルチオ)プロピオン酸)とヨードメ
タンを用いて参考例1と同様の方法で(R)−2−(t
−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(ベンジルチオ)
プロピオン酸メチルエステルを合成した。
【0094】1H-NMR(200MHz , CDCl3)δ: 1.46 (9H,
s), 2.80 (1H, dd, J=5.7 and 13.9Hz), 2.89 (1H, dd,
J=4.9 and 14.0Hz), 3.55−3.83 (5H, m), 4.40−4.65
(1H,m), 5.05−5.55 (1H, m),7.00−7.42 (5H, m) IR(KBr): 704, 1054, 1167, 1367, 1496, 1715, 2978 c
m-1 MS(SIMS) m/z:326[(M+H)+] 参考例6 N−t−ブトキシカルボニル−S−ベンジル−L−シス
テインとベンジルブロミドを用いて参考例1と同様の方
法で(R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−
3−(ベンジルチオ)プロピオン酸ベンジルエステルを
合成した。
【0095】融点 89−90℃(無色結晶)1 H-NMR(200MHz, CDCl3)δ: 1.45 (9H, s), 2.80 (1H, d
d like, J=5.6 , 13.7Hz), 2.89 (1H, dd like, J=5.0
, 13.8Hz), 3.67 (2H, dd, J=13.5 , 13.5Hz),4.54−
4.69 (1H, m), 5.14 (1H, d, J=12.5Hz), 5.20 (1H, d,
J=12.5 Hz), 5.29 (1H, d like, J=7.6 Hz), 7.06−7.
56 (10H, m) IR(film): 580, 705, 732, 1024, 1064, 1186, 1317, 1
352, 1406, 1512, 1687, 1747, 3364 cm-1 MS(SIMS) m/z: 402 [ (M+H)+] 参考例7 L−システインとメリフィールド樹脂とを用い、レター
ズ・イン・ペプチド・サイエンス(Lett.Pep.
Sci.)vol.2,p.325(1995)に記載
の方法で合成したS−固相担体−L−システイン(1.23
g)のN,N−ジメチルホルムアミド懸濁液20mlに2−
(N−ベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラニ
ル)スクシンイミド(500 mg)を加え、氷冷下2時間撹
拌した。反応液を濾過し、濾取した樹脂をN,N−ジメチ
ルホルムアミド(5回)、メタノール(5回)で洗浄し
たあと乾燥した。得られた樹脂をN,N−ジメチルホルム
アミド20mlに懸濁し、炭酸カリウム(276 mg)とヨー
ドメタン(1 ml )を加えた。反応液を室温下5時間攪
拌した濾過し、濾取した樹脂をN,N−ジメチルホルムア
ミド(5回)、水(5回)、メタノール(5回)で洗浄
したあと乾燥し、2−[(N−ベンジルオキシカルボニ
ル−L−フェニルアラニル)アミノ]−3−(固相担体
−チオ)プロピオン酸メチルエステル(1.2 g)を得
た。
【0096】参考例8 S−固相担体−L−システイン(15 g)に、テトラヒド
ロフラン150mlを加えて懸濁した。懸濁液にトリエチ
ルアミン(4.74 ml)、ジ−t−ブトキシカルボネート
(7.42 g)を加え、室温下20時間撹拌した。反応液を
濾過し、濾取した樹脂をテトラヒドロフラン(5回)、
メタノール(5回)で洗浄したあと乾燥し、(R)−2
−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(固相担体
−チオ)プロピオン酸を製した。得られた樹脂をN,N−
ジメチルホルムアミド150mlに懸濁し、炭酸カリウム
(4.7 g)とベンジルブロミド(4.04 ml)を加えた。反
応液を室温下20時間攪拌した濾過し、濾取した樹脂を
N,N−ジメチルホルムアミド(5回)、水(5回)、メ
タノール(5回)で洗浄したあと乾燥し、(R)−2−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(固相担体−
チオ)プロピオン酸ベンジルエステル(17.2 g)を得
た。
【0097】参考例9 参考例8で合成した(R)−2−(t−ブトキシカルボ
ニルアミノ)−3−(固相担体−チオ)プロピオン酸ベ
ンジルエステル(1.3 g)を塩化メチレン10mlに懸濁
し、トリフルオロ酢酸10mlを加えて1時間撹拌した。
反応液を濾過し、濾取した樹脂を塩化メチレン(5
回)、メタノール(1回)、飽和重曹水(2回)、メタ
ノール(5回)で洗浄したあと乾燥して樹脂(1.2 g)
を得た。得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド1
5mlに懸濁し、N−ベンジルオキシカルボニル−L−フ
ェニルアラニン(748 mg)、1−エチル−3−(ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(479 mg)、
N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(338 mg)、トリエ
チルアミン(0.348 ml)を加え室温下3時間撹拌した。
反応液を濾過し、濾取した樹脂をN,N−ジメチルホルム
アミド(5回)、水(5回)、メタノール(5回)で洗
浄したあと乾燥し、(R)−2−[(N−ベンジルオキ
シカルボニル−L−フェニルアラニル)アミノ]−3−
(固相担体−チオ)プロピオン酸ベンジルエステル(1.
35 g)を得た。
【0098】参考例10 (R)−2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−
(固相担体−チオ)プロピオン酸(1.43 g)をN,N−ジ
メチルホルムアミド15mlに懸濁し、ベンジルアミン
(0.328 ml)、1−エチル−3−(ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミド塩酸塩(575 mg)、N−ヒドロキ
シベンゾトリアゾール(446 mg)、トリエチルアミン
(0.46 ml)を加え室温下20時間撹拌した。反応液を
濾過し、濾取した樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド
(5回)、水(5回)、メタノール(5回)で洗浄した
あと乾燥し、(R)−2−(t−ブトキシカルボニルア
ミノ)−3−(固相担体−チオ)プロピオン酸N−ベン
ジルアミド(1.85 g)を得た。
【0099】
【発明の効果】本発明方法によれば、生理活性化合物ま
たは医薬中間体として有用な、様々なα、β−不飽和ア
ミノ酸誘導体を収率よく、温和な条件で簡便に合成でき
る。また本発明の製法は固相合成においても好適に適用
することができ、かつアミノ基及びカルボキシル基にア
ミノ酸、ペプチド等が随時修飾可能であるため様々なデ
ヒドロアミノ酸誘導体ライブラリーの作成や自動合成化
に非常に有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[II] 【化1】 (式中、R1はアミノ酸または2つ以上のアミノ酸から構
    成されるペプチドのC端のカルボキシル基から水酸基を
    除いた残基(当該残基中の官能基は保護されていても良
    い)であるか、或いはアミノ基の保護基であり、R2はア
    ミノ酸または2つ以上のアミノ酸から構成されるペプチ
    ドのN端のアミノ基から水素原子を除いた残基(当該残
    基中の官能基は保護されていても良い)であるか、或い
    はR4O−で示される基であり(R4はカルボキシル基の保
    護基)、R3は水素原子または有機基、Xは隣接した硫
    黄原子と共にX−S(O)n−として脱離しうる基、n
    は1または2を表す。)で示される化合物を塩基の存在
    下脱離反応に付することを特徴とする一般式[I] 【化2】 (式中、記号は前記と同一意味を有する。)で示される
    α、β−不飽和アミノ酸誘導体の製法。
  2. 【請求項2】 一般式[III] 【化3】 (式中、R11はアミノ酸または2つ以上のアミノ酸から
    構成されるペプチドのC端のカルボキシル基から水酸基
    を除いた残基(当該残基中の官能基は保護されていても
    良い)であるか、或いはアミノ基の保護基であり、R21
    はアミノ酸または2つ以上のアミノ酸から構成されるペ
    プチドのN端のアミノ基から水素原子を除いた残基(当
    該残基中の官能基は保護されていてもよい)であるか、
    或いはR22O−で示される基であり(R22はカルボキシル
    基の保護基)、R3は水素原子または有機基、Xは隣接
    した硫黄原子と共にX−S(O)n−として脱離しうる
    基、nは1または2を表す。)で示される化合物を酸化
    した後、要すれば保護基を除去した後アミノ酸もしくは
    ペプチド(これら化合物中の官能基は保護されていても
    よい)と縮合させ、一般式[II] 【化4】 (式中、R1はアミノ酸 または2つ以上のアミノ酸から
    構成されるペプチドのC端のカルボキシル基から水酸基
    を除いた残基(当該残基中の官能基は保護されていても
    よい)であるか、或いはアミノ基の保護基であり、R2
    アミノ酸または2つ以上のアミノ酸から構成されるペプ
    チドのN端のアミノ基から水素原子を除いた残基(当該
    残基中の官能基は保護されていてもよい)であるか、或
    いはR4O−で示される基であり(R4はカルボキシル基の
    保護基)、他の記号は前記と同一意味を有する。)で示
    される化合物を製し、ついで塩基の存在下に化合物を脱
    離反応に付することを特徴とする一般式[I] 【化5】 (式中、記号は前記と同一意味を有する。)で示される
    α、β−不飽和アミノ酸誘導体の製法。
  3. 【請求項3】 R1がα−アミノ酸のカルボキシル基から
    水酸基を除いた残基(当該残基中の官能基は保護されて
    いてもよい)であるか、或いはアミノ基の保護基であ
    り、R2がα−アミノ酸のアミノ基から水素原子を除いた
    残基(当該残基中の官能基は保護されていてもよい)で
    あるか、或いはR4O−で示される基であり(R4はカルボ
    キシル基の保護基)、R3が水素原子であり、Xがフェ
    ニル基で置換されていてもよい低級アルキル基である
    か、或いは固相担体である請求項1記載の製法。
  4. 【請求項4】 R11及びR1が同一または異なってα−ア
    ミノ酸のカルボキシル基から水酸基を除いた残基(当該
    残基中の官能基は保護されていてもよい)であるか、或
    いはアミノ基の保護基であり、R21及びR2が同一または
    異なってα−アミノ酸のアミノ基から水素原子を除いた
    残基(当該残基中の官能基は保護されていてもよい)で
    あるか、或いはR4O−、R22O−で示される基であり(R
    4、R22はカルボキシル基の保護基)、R3が水素原子で
    あり、Xがフェニル基で置換されていてもよい低級アル
    キル基であるか、或いは固相担体である請求項2記載の
    製法。
  5. 【請求項5】 α−アミノ酸が天然α−アミノ酸である
    請求項3又は4記載の製法。
  6. 【請求項6】 Xが固相担体である請求項1−5のいず
    れかに記載の製法。
JP9104081A 1997-04-22 1997-04-22 α、β−不飽和アミノ酸誘導体の製法 Pending JPH10291970A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113773229A (zh) * 2021-09-03 2021-12-10 西安交通大学 α,β-不饱和氨基酸衍生物及其DL-硒-甲基硒代氨基酸衍生物、合成方法和应用

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