JPH1028956A - 有機性廃棄物発酵箱およびそれを用いた発酵方法 - Google Patents

有機性廃棄物発酵箱およびそれを用いた発酵方法

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JPH1028956A
JPH1028956A JP8187344A JP18734496A JPH1028956A JP H1028956 A JPH1028956 A JP H1028956A JP 8187344 A JP8187344 A JP 8187344A JP 18734496 A JP18734496 A JP 18734496A JP H1028956 A JPH1028956 A JP H1028956A
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fermentation
organic waste
box
fermenting
compost
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JP8187344A
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Koichi Shiozu
浩一 塩津
Akimune Sato
明宗 佐藤
Takeshi Sasaki
健 佐々木
Ryuji Kano
隆二 鹿野
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JFE Steel Corp
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R M J CONSULTING KK
Kawasaki Steel Corp
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機性廃棄物のコンポスト化時の発生臭気が
少なく、かつ、強制通気方式または撹拌方式と同程度に
所要発酵期間を短縮させることが可能な、有機性廃棄物
発酵箱およびそれを用いた発酵方法の提供。 【解決手段】 有機性廃棄物を発酵処理する発酵箱であ
って、該発酵箱の少なくとも側面が空気透過性でかつ保
温作用もしくは断熱作用を有する充填物、好ましくは繊
維からなる層、さらに好ましくはフェルトで形成されて
いる有機性廃棄物発酵箱、および、水分調整、混合撹拌
された有機性廃棄物を、前記有機性廃棄物発酵箱中に、
該有機性廃棄物の堆積高さとして30〜60cmの高さに充填
し、発酵させる有機性廃棄物発酵方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭などで発生す
る生ごみ、各種農水産廃棄物、下水汚泥、都市ごみなど
の有機性廃棄物を、短期間に、効率的に発酵処理し、堆
肥として再利用することが可能な有機性廃棄物発酵箱お
よびそれを用いた発酵方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球資源有効利用と地球環境保全
の要請の高まりと共に、生ごみなどの有機性廃棄物を堆
肥化するコンポストリサイクルシステムが注目されてい
る。有機性の廃棄物、例えば厨芥ごみなどの生ごみは、
コンポスト化することにより、ごみを有機質肥料として
再利用する。
【0003】本プロセスは、微生物によるごみの発酵お
よび分解が基本プロセスである。このコンポスト化の技
術は、基本的に、地力保持のための有機物補給の方法と
して古くから行われている技術を利用或いは応用したも
のであり、一般的な発酵方式としてスクープ方式、オー
ガー方式やパドル方式が知られている。これらの方式
は、特開平6−345575号公報などに開示されているよう
に、好気性微生物による有機物分解の働きを促進させる
べく、強制的に通気或いは撹拌させる方式である。
【0004】これらの発酵方式は、強制的に好気性発酵
を促しているので、迅速に発酵できる長所を有する反
面、堆肥化物への強制通気または堆肥化物の撹拌によ
り、アンモニア臭などかなり発酵臭の発生があり、環境
保全の面から、悪臭防止対策の付帯設備が必要となるた
め、設備全体が複雑となり、その設備投資の費用および
運転費用が割高になる短所がある。
【0005】一方、生ごみなどの有機性廃棄物を発酵処
理し、堆肥として再利用する他の方式として、生ごみを
水分調整および撹拌した後、前記方式とは対照的に縦型
の静置箱に充填して発酵させる方式がある。この方式
は、自然通気により好気性発酵を促進させるもので、堆
肥化物を発酵箱に約80cmの高さまで充填して静置した状
態で発酵を行う方式である。
【0006】本方式は、静置式であることと、箱の上下
部分など、発酵時に堆肥化物が大気と触れる部分は、製
品コンポストあるいはもみがらなどの脱臭剤で覆蓋が可
能であり、覆蓋による効果とコンポスト脱臭あるいはも
みがら脱臭などの脱臭効果により、発生する発酵臭気
が、前記のスクープ方式などに比べかなり少ないという
長所を有している。
【0007】しかし、本方式は、強制撹拌および強制通
気を行わないため、通気不足となりがちで所要発酵期間
が長くなる傾向にある。以上述べたように、静置箱によ
る発酵方式は、前記の通り臭気の少ない発酵方式である
が、従来の自然通気では、強制通気および強制撹拌を行
うスクープ方式などと比べて通気不足となりがちで所要
発酵期間が長くなる傾向にある。
【0008】この場合、発酵期間が長くなれば、有機性
廃棄物の所要貯留面積および処理設備の敷地面積が広く
なり、また建設費用がかさむ欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題を解決し、有機性廃棄物のコンポスト化時の発
生臭気が少なく、かつ、強制通気方式または撹拌方式と
同程度に所要発酵期間を短縮させることが可能な、有機
性廃棄物発酵箱およびそれを用いた発酵方法の提供を目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、有機性廃
棄物を発酵処理する発酵箱であって、該発酵箱の少なく
とも側面が空気透過性でかつ保温作用もしくは断熱作用
を有する充填物からなる層で形成されていることを特徴
とする有機性廃棄物発酵箱である。前記第1の発明にお
いては、好ましくは、前記空気透過性でかつ保温作用も
しくは断熱作用を有する充填物からなる層が、繊維で形
成されていることが好ましい。
【0011】また、前記第1の発明においては、さらに
好ましくは、前記空気透過性でかつ保温作用もしくは断
熱作用を有する充填物からなる層が、フェルトで形成さ
れていることが好ましい。第2の発明は、水分調整およ
び混合撹拌された有機性廃棄物を、前記第1の発明の有
機性廃棄物発酵箱中に、該有機性廃棄物の堆積高さとし
て30〜60cmの高さに充填し、発酵させることを特徴とす
る有機性廃棄物発酵方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。従来の静置式発酵箱を斜視図により図7に示す。
図7において、3は上部開放部、4は静置式発酵箱支
柱、5は有機性廃棄物充填部、6は脱臭剤充填部、7は
ベニヤ板、8はパンチングメタル(多孔金属板)、A,
Bは各々箱高さ方向中央部、箱側面部を示す。
【0013】なお、脱臭剤としては、製品コンポストで
ある返送堆肥、もみがらなどが使用される。図7に示す
ように、従来の静置式発酵箱は、側面(4面)の材質は
ベニヤ板7、下面はパンチングメタル8で形成され、上
部は開放状態で、hrが約1m程度に有機性廃棄物(堆
肥化物)〔約80cm〕および脱臭剤〔箱上部、下部各々約
10cm〕が充填されており、上部方向あるいは下部方向を
主体として自然通気が行われていた。
【0014】このため、従来の静置式発酵箱の場合、箱
高さ方向中央部Aは通気性が悪い状態となっており、発
酵が遅れていた。また、箱側面部Bは、側面がベニヤ板
で構成されており、通気はほとんどなく、また温度も低
下ぎみの傾向にあった。本発明においては、上部方向あ
るいは下部方向のみならず側面からの自然通気が可能な
ように、静置式発酵箱の少なくとも側面を、空気透過性
でかつ保温作用もしくは断熱作用を有する充填物からな
る層で形成するように構成した。
【0015】本発明における該充填物としては、繊維、
セラミック多孔材料、中空球体シリカバルーンなどが好
ましく例示され、より好ましくは、その通気性、保温、
断熱性の面から繊維から形成される層が好ましい。ま
た、充填物が繊維から形成される層の場合、静置式発酵
箱の軽量化が可能となり、後記実施例4に示される静置
式発酵箱の発酵槽への移動、積層などのハンドリングが
容易となる利点も有する。
【0016】本発明に係わる有機性廃棄物発酵箱(静置
式発酵箱)の一例を、斜視図により図1(a) に、また図
1(a) のC部の拡大斜視図を図1(b) に示す。図1にお
いて、1は繊維層、2はラス網、6aは発酵箱下部脱臭剤
上面、6bは発酵箱上部脱臭剤下面、hは脱臭剤充填部を
含まない有機性廃棄物の堆積高さを示し、他の符号は図
7と同一の内容を示す。
【0017】本発明における繊維層1の繊維の形態は、
からみ合った繊維で構成されているシート状の繊維層で
あるフェルト、圧縮フェルトなどで例示される、たて糸
・よこ糸の織物組織を有しないシート状の繊維層である
フェルト、短繊維を堆積したチョップド・ストランド・
マット、織物製のマット、合撚織布、合糸織布(ロービ
ングクロス)、またはそれらフェルト、マット、織布の
積層物が好ましく例示され、最も好ましくはからみ合っ
た繊維で構成されているシート状の繊維層であるフェル
トが例示されるが、繊維層1の繊維の形態は制限される
ものではない。
【0018】本発明においては、繊維層1の繊維の形態
は、通気性向上および保温、断熱性の両面から、前記し
たように、フェルトが、より好ましい。この場合、フェ
ルトの形態は、5mm程度の厚さのカーペット状のものを
使用することが好ましい。フェルトは、多分に空気を含
み、このため保温、断熱効果を有するため、通気性の確
保のみならず堆肥化物の温度低下も防ぐことができ、こ
のため、高さ方向中央部の発酵促進のみならず、温度の
低い側面部分の有機性廃棄物の発酵も促進可能となる。
【0019】繊維の種類は、合成繊維、天然繊維いずれ
も使用可能であるが、発水性のある方が通気性を確保で
きるため好ましく、また、堆肥化物に含まれる水分はpH
4〜12程度まで変化するので、そのpHの変化に耐え得る
繊維が好ましい。具体的な繊維の材質としては、好まし
くは、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリウレタンなど
から形成される合成繊維、麻などから形成される天然繊
維が例示されるが、繊維の材質に制限されるものではな
い。
【0020】また、本発明においては、発酵が遅延ぎみ
である高さ方向中央部の有機性廃棄物の発酵も促進可能
とするために、本発明に係わる前記した有機性廃棄物発
酵箱中に、有機性廃棄物を、該有機性廃棄物の堆積高さ
hとして30〜60cmの範囲内の高さに充填し、発酵させる
ことが好ましい。これは、後記の実施例に示すように、
有機性廃棄物の堆積高さは通気性と相関があり、堆積高
さが60cmを超えると通気性が悪く発酵が遅延し、逆に30
cm未満の場合、有機性廃棄物が乾燥してしまい、発酵に
適した含水率の範囲から外れるためである。
【0021】本発明においては、発酵中の悪臭発生防止
のために、大気と触れる有機性廃棄物の上面は、従来通
り、返送堆肥、もみがらなどの脱臭剤で覆蓋することが
好ましい。また、本発明においては、上記と同様の理由
で、有機性廃棄物の下面より下部に返送堆肥、もみがら
などの脱臭剤を充填することが好ましい。
【0022】また、本発明の有機性廃棄物発酵箱におい
ては、充填物支持用の基材を、充填物の外面および内面
に備えることが好ましい。この場合の基材としては、図
1に示すラス網2、図7に示すパンチングメタル8など
が例示されるが、通気性を阻害しない基材であれば、そ
の形態は制限されるものではない。
【0023】なお、該基材は、有機性廃棄物の堆肥化物
からの水滴と触れる場合があるため、耐腐食性の材質、
例えばステンレス鋼を用いるなど、適切な材質を選定す
ることが好ましい。本発明によれば、悪臭の発生が少な
い静置式発酵方式の利点を活かしたままで、自然通気を
強化することができ、有機性廃棄物の発酵を促進し、発
酵期間が短縮可能となる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 (実施例1)有機性廃棄物として、水分調整および混合
攪拌を行った堆肥化物を、図7に示す従来の発酵箱に充
填し、発酵が最も遅いと推定された箱巾方向中央部にお
ける箱内部高さ別の酸素濃度を測定した結果を図2に示
す。なお、図2(b) において、hA =80cm、hB =50c
m、hC =20cmである。
【0025】図2に示されるように、高さ方向中央部E
の酸素濃度は一日で2%以下となり、それ以降は、殆ど
酸素が欠乏した状態であった。測定した酸素濃度、およ
び、最大比増殖速度に関する下記実験式(1) に基づき求
めた発酵速度(:最大比増殖速度)は、最も発酵に適し
た酸素濃度15%における発酵速度に対して約7〜8割低
下する。
【0026】 最大比増殖速度μ=μm ×Z/(k0 +Z)・・・(1) ここで、μm :仮想の最大比増殖速度、Z:酸素濃度
(%)、k0 :2〜6の範囲の定数で、上記発酵速度は
0 =4として比較した。これに対して、上部Dおよび
下部Fの酸素濃度は、経時的に増減し、上部D、下部F
は、ある程度通気が行われていることが分かる。
【0027】以上述べたことから、高さ方向中央部Eは
好気性発酵が生じ難い環境にあり、代わりに、嫌気性発
酵が生じ、発酵が遅れ気味であると推定された。次に、
図3に、有機性廃棄物の堆積高さhをパラメータにした
有機性廃棄物の熟成度の比較試験結果を示す。なお、こ
の場合、有機性廃棄物としては、水分調整および混合攪
拌を行った堆肥化物を用いた。
【0028】図3の縦軸に示すGPC値は、発酵過程に
ある有機性廃棄物を経時的に採取し、採取した試料を溶
媒により抽出し、得られた抽出液中の紫外スペクトル部
に吸収を有する成分を分子量毎に分画定量し、低分子量
成分の比率を求め、該比率により有機性廃棄物の熟成度
を評価する指標であり、具体的には、下記方法により求
めた。
【0029】〔GPC値の定量方法:〕発酵過程にある
有機性廃棄物を、経時的に500g採取し、十分に均一混合
した後、その内の10gを 300ml三角フラスコに秤量し、
これに蒸留水 200mlを加えて室温で10分間、ロータリー
シェーカー(200rpm)で水溶性成分を振盪抽出した。振
盪後、抽出液を濾過し、高速液体クロマトグラフィーを
用いて、下記分析条件下で分子量分画によるGPC(Ge
l-Permeation Chromatography )による分析を行った。
【0030】(GPC分析条件) 液体クロマトグラフィー:LC−10AD((株)島津製作所
製) 検出器:UV 280nm 移動溶媒:蒸留水 1ml/min キャリアーガス:ヘリウムHe カラム:アサヒパック GS −310 7.6mm×500mm 平均粒子径 9± 0.5μm(合成高分子系) サンプル量:10μl サンプル濾過:0.45μmフィルター(セルロースアセテ
ート製) 得られたGPCクロマトグラムにおいて、検出された全
成分量に対する分子量約1500以下の成分の合計量の比率
を評価指標〔GPC値(%)〕とした。
【0031】なお、上記GPCクロマトグラムにおい
て、リテンションタイム(保持時間)が18分前後に現出
する成分の分子量が約1500に対応する。本評価指標であ
るGPC値は、数値が低いほど熟成度が進んでおり、約
2%が完熟の目安となる。図3に示す本試験結果から、
箱発酵の堆積高さを低くすると発酵が進むことが分かっ
た。
【0032】すなわち、定量的には、従来の箱発酵にお
ける有機性廃棄物の堆積高さhが100cm の場合、発酵開
始後一カ月目のGPC値が未だ約5%であるのに対し
て、有機性廃棄物の堆積高さhを60cmとした場合、約4.
5 週間で約2%となり、短期間で完熟することが分かっ
た。 (実施例2)次に、図1の本発明の有機性廃棄物発酵箱
を用いて、水分調整および混合攪拌を行った堆肥化物で
ある有機性廃棄物の発酵試験を行った。
【0033】なお、本実施例においては、発酵箱の上部
以外の内面はフェルトを用い、発酵箱上部および下部の
返送堆肥を除いた有機性廃棄物の堆積高さhは、50cmと
した。また、フェルトとしては、ポリプロピレン綿から
構成されたフェルト(商品名:ニューステージ〔エコ〕
パンチ、日本フエルト工業(株)社製)を用いた。
【0034】試験結果を、従来の側面がベニヤ板の発酵
箱を用いた試験結果と併せて、図4に示す。図4に示す
ように、本発明の発酵箱の場合、2.3 週間で既にGPC
値が2%に低下し完熟状態に達したのに対し、従来の発
酵箱を用いた場合、堆積高さを40cmと低くしたにもかか
わらず、完熟迄に3.3 週間が必要であった。
【0035】この結果から、本発明の発酵箱および発酵
方法を用いることにより、所要発酵期間が大幅に低減可
能であることが分かった。 (実施例3)有機性廃棄物として、水分調整および混合
攪拌を行った堆肥化物を用い、図1に示す本発明の有機
性廃棄物発酵箱およびスクープ方式の発酵装置を使用
し、両者の発酵方式を比較試験した結果を、図5に示
す。
【0036】なお、本発明の有機性廃棄物発酵箱は、内
面がフェルトである実施例2と同じ発酵箱を使用した。
図5に示されるように、本発明の発酵箱を使用すること
により、自然通気が促進され、スクープ方式などの従来
の強制撹拌方式および強制通気方式と同程度まで発酵を
促進することができた。
【0037】(実施例4)次に、本発明に係わる発生臭
気が少ない有機性廃棄物発酵箱および発酵方法の長所を
さらに活かした発酵設備の配置図を図6に示す。図6に
おいて、20は受入・供給装置、21は受入ホッパ、21a は
蓋、22、51はベルトコンベア、23は破袋機、24は手選別
装置、25、45は有機性廃棄物、26、33、53は選別後の不
適物、30は前処理装置、31は調整剤添加装置、32は調整
装置、40は発酵装置、41は有機性廃棄物発酵箱、42は脱
臭剤供給装置、43は発酵槽、44は熟成槽、46は脱臭剤、
50は後処理装置、52は回転選別機、60は製品貯槽、61は
製品(コンポスト)、Eは排気ガス、Hは排気口、DO−
1 は脱臭装置、DO−2 は脱臭炉、OEは有機性廃棄物25、
45または製品61の流れを示す。
【0038】各家庭などから運搬されてきた有機性廃棄
物25は、受入ホッパ21、ベルトコンベア22、破袋機23、
手選別装置24などから構成される受入・供給装置20にお
いて破袋、選別が行われ、その後、調整剤添加装置31、
調整装置32から構成される前処理装置30において、おが
くず、発酵菌、水分など所要の添加剤が添加され、混合
攪拌される。
【0039】添加剤が添加され事前処理された有機性廃
棄物45は、側面が、フェルトなどの繊維で例示される空
気透過性でかつ保温作用もしくは断熱作用を有する充填
物からなる層で形成される本発明の有機性廃棄物発酵箱
41に充填、堆積される。なお、この場合、脱臭剤供給装
置42により、有機性廃棄物堆積層の下部および上部に返
送堆肥あるいはもみがらなどの脱臭剤46を充填する。
【0040】次に、有機性廃棄物45および脱臭剤46が充
填された有機性廃棄物発酵箱41は、発酵槽43内に積層さ
れ発酵が進行した後、熟成槽44において熟成が行われ
る。上記した発酵槽43、熟成槽44から構成される発酵装
置40において発酵、熟成が完了した製品(コンポスト)
61は、ベルトコンベア51、回転選別機52から構成される
後処理装置50において紙、金属、陶器などの不適物53を
除去した後、製品(コンポスト)61は製品貯槽60に貯蔵
される。
【0041】図6に示す発酵設備は、調整装置32、発酵
槽43、熟成槽44などから発生する排気ガスEを排気口H
から吸引し、吸引した排気ガスを、活性炭方式などの脱
臭装置DO−1 および燃焼脱臭方式の脱臭炉DO−2 を用い
て脱臭し、臭気の発生を極力防止するシステムとなって
いる。以上述べたように、本発明の発酵箱、発酵方法に
よれば、静置発酵方式の悪臭を発生しない利点を活かし
たままで、自然通気を強化することが可能となり、強制
撹拌方式および強制通気方式と同程度に所要発酵期間を
短縮することが可能となった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、臭気の発生を防止し、
かつ、短期間に有機性廃棄物のコンポスト化が達成可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる有機性廃棄物発酵箱(静置式発
酵箱)の一例を示す斜視図(a)および要部拡大斜視図(b)
である。
【図2】従来の発酵箱における箱内部高さ別の酸素濃度
の経時的変化を示すグラフである。
【図3】堆積高さをパラメータにした有機性廃棄物の熟
成度の比較試験結果を示すグラフである。
【図4】本発明の有機性廃棄物発酵箱および従来の発酵
箱を用いた場合の有機性廃棄物熟成度の経時変化を示す
グラフである。
【図5】本発明の有機性廃棄物発酵箱およびスクープ方
式の発酵装置を使用した場合の有機性廃棄物熟成度の経
時変化を示すグラフである。
【図6】本発明に係わる発酵設備の配置図である。
【図7】従来の静置式発酵箱を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 繊維層 2 ラス網 3 上部開放部 4 静置式発酵箱支柱 5 有機性廃棄物充填部 6 脱臭剤充填部 6a 発酵箱下部脱臭剤上面 6b 発酵箱上部脱臭剤下面 7 ベニヤ板 20 受入・供給装置 23 破袋機 24 手選別設備 25、45 有機性廃棄物 30 前処理装置 31 調整剤添加装置 32 調整装置 40 発酵装置 41 有機性廃棄物発酵箱 42 脱臭剤供給装置 43 発酵槽 44 熟成槽 46 脱臭剤 50 後処理装置 52 回転選別機 60 製品貯槽 61 製品(コンポスト) E 排気ガス DO−1 脱臭装置 DO−2 脱臭炉 OE 有機性廃棄物または製品の流れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 明宗 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 (72)発明者 佐々木 健 埼玉県川越市鯨井新田6−1 株式会社日 本リサイクルマネジメント内 (72)発明者 鹿野 隆二 埼玉県川越市鯨井新田6−1 株式会社日 本リサイクルマネジメント内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性廃棄物を発酵処理する発酵箱であ
    って、該発酵箱の少なくとも側面が空気透過性でかつ保
    温作用もしくは断熱作用を有する充填物からなる層で形
    成されていることを特徴とする有機性廃棄物発酵箱。
  2. 【請求項2】 前記空気透過性でかつ保温作用もしくは
    断熱作用を有する充填物からなる層が、繊維で形成され
    ている請求項1記載の有機性廃棄物発酵箱。
  3. 【請求項3】 前記空気透過性でかつ保温作用もしくは
    断熱作用を有する充填物からなる層が、フェルトで形成
    されている請求項1記載の有機性廃棄物発酵箱。
  4. 【請求項4】 水分調整および混合撹拌された有機性廃
    棄物を、請求項1〜3いずれかに記載の有機性廃棄物発
    酵箱中に、該有機性廃棄物の堆積高さとして30〜60cmの
    高さに充填し、発酵させることを特徴とする有機性廃棄
    物発酵方法。
JP8187344A 1996-07-17 1996-07-17 有機性廃棄物発酵箱およびそれを用いた発酵方法 Pending JPH1028956A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007096966A1 (ja) * 2006-02-23 2007-08-30 Taiheiyo Cement Corporation 蒸気発生用燃料製造設備及び蒸気発生設備並びに廃棄物の蒸気発生用燃料化方法
CN103864488A (zh) * 2013-09-24 2014-06-18 吾邦土智慧生活股份有限公司 有机废弃物成肥设备的快速加热装置
CN107805093A (zh) * 2017-12-20 2018-03-16 江苏兴农基质科技有限公司 一种带有夹层和气囱及活动底门的基质发酵装置及应用
CN108017422A (zh) * 2017-12-20 2018-05-11 江苏兴农基质科技有限公司 一种带有夹层和气囱及活动底门的基质发酵装置

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