JPH10288406A - ヒートポンプ式空気調和機 - Google Patents

ヒートポンプ式空気調和機

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Publication number
JPH10288406A
JPH10288406A JP9193397A JP9193397A JPH10288406A JP H10288406 A JPH10288406 A JP H10288406A JP 9193397 A JP9193397 A JP 9193397A JP 9193397 A JP9193397 A JP 9193397A JP H10288406 A JPH10288406 A JP H10288406A
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JP
Japan
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expansion valve
indoor
degree
compressor
pipe temperature
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Application number
JP9193397A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Machida
和彦 町田
Shigeo Aoyama
繁男 青山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Publication date
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Publication of JPH10288406A publication Critical patent/JPH10288406A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 暖房運転時の室内熱交換器が保有する性能を
最大限引き出す。 【解決手段】 パルス式電動膨張弁EVを全開として圧
縮機1を運転開始し、第1所定時間Δτ1経過した時点
での室内入口配管温度t2と室内出口配管温度t1との
出入口温度差Δtを第1基準温度差Δto1として、そ
の後の圧縮機1の運転中における出入口温度差Δtから
第1基準出入口温度差Δto1を減算した結果を検知過
冷却度SCとする。そして、検知過冷却度SCが第1所
定過冷却度SC1以上までパルス式電動膨張弁EVの開
度を小さくしていき、検知過冷却度SCが第1所定過冷
却度SC1以上になった時点でのパルス式電動膨張弁E
Vの開度pls1に対し第1所定開度Δpls1だけ逆
に大きく設定する。よって、室内熱交換器7出口の冷媒
過冷却度が大きく確保されることがなく、ほぼ過冷却度
SC=0の状態を可能とし、熱交換器の保有性能を最大
限に発揮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気を熱源とする
ヒートポンプ式空気調和機の暖房運転において、室内熱
交換器が保有する性能を最大限引き出すことを図る冷凍
サイクルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒートポンプ式空気調和機については、
既にさまざまな開発がなされており、例えば、特開平4
−165267号公報に示されているようなヒートポン
プ式空気調和機の基本な技術について以下述べる。
【0003】上記従来のヒートポンプ式空気調和機は図
15に示すように、1台の室外ユニットAに対して3台
の室内ユニットB1,B2,B3から構成されている。
【0004】室外ユニットAは、圧縮機1,インバータ
INV,室外熱交換器3,圧力センサPrsとからな
り、そして室内ユニットB1は膨張弁EV1,室内熱交
換器17,第1温度センサTh11,第2温度センサT
h21から構成されており、室内ユニットB2,及び室
内ユニットB3も同様に、各々、膨張弁EV2,室内熱
交換器27,第1温度センサTh12,第2温度センサ
Th22、及び膨張弁EV3,室内熱交換器37,第1
温度センサTh13,第2温度センサTh23から構成
されている。
【0005】そして、室外ユニットA、及び室内ユニッ
トB1,B2,B3は冷媒配管にて連通され、圧縮機
1,室外熱交換器3,膨張弁EV1,室内熱交換器1
7,圧縮機1を冷媒配管にて環状に順次接続し、膨張弁
EV1,及び室内熱交換器17に対して並列に膨張弁E
V2,室内熱交換器27,及び膨張弁EV3,室内熱交
換器37が接続されて冷凍サイクルを形成している。
【0006】また、室外ユニットAの圧縮機1の吐出部
に圧力センサPrsを設け、且つ室内ユニットB1,B
2,B3内の各室内熱交換器17,27,37の出口、
及び入口には第1温度センサTh11,Th12,Th
13、及び第2温度センサTh21,Th22,Th2
3を設けられ、室内ユニットB1,B2,B3近傍には
室温を検知する室温センサ31,32,33を設けてい
る。
【0007】以上のように構成されたヒートポンプ式空
気調和機について、その動作を説明する。
【0008】暖房運転の場合、図中の実線矢印の方向に
冷媒が流れて暖房サイクルが形成され、室内熱交換器1
7,27,37を凝縮器、室外熱交換器3を蒸発器とし
て作用させる。
【0009】上記暖房サイクルにおいて、圧縮機1を出
た高温高圧のガス冷媒は室内ユニットB1,B2,B3
へ分配されて流入し、室内熱交換器17,27,37に
て凝縮して高温高圧の液冷媒となることにより室内空気
に放熱(暖房運転)した後、各膨張弁EV1,EV2,
EV3にて減圧膨張されて二相冷媒となった冷媒は、室
内ユニットB1,B2,B3を出て室外ユニットAに流
入し、室外熱交換器3にて蒸発し、圧縮機1に戻るとい
うサイクルを繰り返す。
【0010】制御装置は各室の室温を室温センサ31,
32,33により検出し、各室の熱負荷に応じて冷媒を
分配する。膨張弁EV1,EV2,EV3の入口の温度
を第1温度センサTh11,Th12,Th13で測定
し、かつ圧力センサPrsより検出した圧縮機吐出圧力
を用いて室内熱交換器17,27,37の飽和蒸気温度
を演算し、室内熱交換器17,27,37毎の過冷却度
を算出する。
【0011】過冷却度の不足する室内機があれば、その
室内機の膨張弁の開度を絞ることにより、冷媒循環量を
調整し、過冷却度を確保し、常に最適な過冷却度での運
転を可能にする。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成は、室内熱交換器17,27,37の飽和蒸気温
度の演算のために、コストの高い圧力センサPrsが必
要でありコストアップとなるだけでなく、長配管設置等
の圧縮機1の吐出部から室内熱交換器17,27,37
の出口部との間の管内圧力損失が大きい場合、圧縮機吐
出圧力の飽和蒸気温度を用いて室内熱交換器17,2
7,37の飽和蒸気温度を表すことにはならず、正確な
室内熱交換器17,27,37の出口過冷却度を算出す
ることはできないという欠点があった。
【0013】更に、上記従来の構成は、暖房サイクルを
安定して制御するために、室内熱交換器出口における冷
媒過冷却度をやや大きめに確保しているが、熱交換器を
凝縮器として用いる場合、熱交換器出口の冷媒過冷却度
が飽和蒸気状態、即ち、ほぼ過冷却度=OKの状態の時
に熱交換器を保有している性能は最大限に発揮され得る
という、理想状態から外れた運転をしているという欠点
があった。
【0014】そこで、本発明は従来の課題を解決するも
ので、コストの高い圧力センサを用いずに、安価で、か
つ精度良く、室内熱交換器出口の過冷却度を算出し、か
つ暖房運転において室内熱交換器が保有する性能を最大
限引き出し得るヒートポンプ式空気調和機を提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、第1の技術的手段として、圧縮機と室外熱
交換器と室外送風機とからなる室外ユニットと、膨張弁
と冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とからなる室
内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前記室内
熱交換器,前記冷媒分流器,前記膨張弁,前記室外熱交
換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続して冷
媒を循環させる暖房サイクルにおいて、暖房モードでの
前記圧縮機の運転開始時は、前記膨張弁を全開にさせ、
その後前記圧縮機の運転開始から第1所定時間経過した
時点での室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入
口温度差に第1所定温度差を加算した結果を第1基準温
度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における室
内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差か
ら前記第1基準温度差を減算した結果を検知過冷却度と
して、前記検知過冷却度が第1所定過冷却度以上になる
まで前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記検知過冷
却度が前記第1所定過冷却度以上になった時点での前記
膨張弁の開度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、
その求められた開度をその後の前記膨張弁の開度にする
よう構成したのである。
【0016】これにより、室内入口配管温度と室内出口
配管温度の2温から室内熱交換器出口の正味の過冷却度
を検知できるので圧力センサを必要とせずコストダウン
が図れ、且つ、凝縮器として機能する室内熱交換器出口
の冷媒過冷却度が大きく確保されることがなく、飽和蒸
気状態、即ち、ほぼ過冷却度=0の状態に近づけること
が可能となるため、熱交換器の保有している性能は最大
限に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実現可
能となる。
【0017】また、第2の技術的手段として、第1の技
術的手段に加えて、圧縮機の運転開始から第1所定時間
よりも大なる第2所定時間経過した時点での室内入口配
管温度と室内出口配管温度との出入口温度差を前記第2
基準温度差とし、検知過冷却度の演算に用いる第1基準
温度差を第2基準温度差に置き換えるよう構成したので
ある。
【0018】これにより、室内入口配管温度と室内出口
配管温度の2温から室内熱交換器出口の正味の過冷却度
を検知できるので圧力センサを必要とせずコストダウン
が図れ、且つ、室内熱交換器入口と室内熱交換器出口と
の間の管内圧力損失に相当する冷媒の飽和温度差に生じ
る差異を補正することが可能になる。
【0019】即ち、圧縮機起動所定時間経過後の飽和温
度差と、その所定時間経過以降に膨張弁開度を小さくし
た時点での飽和温度差との間に生じる差異を、前記第2
基準温度差として更新することにより、室内熱交換器出
口の検知過冷却度を精度良く検出することが可能とな
る。
【0020】また、第3の技術的手段として、第2の技
術的手段に加えて、膨張弁の開度設定後、検知過冷却度
が第1所定過冷却度より小なる第2所定過冷却度以上で
ある場合は前記膨張弁の開度を第2所定開度だけ大きく
設定するようにし、検知過冷却度が0より小さい場合は
前記膨張弁の開度を前記第2所定開度だけ小さく設定す
るように構成したのである。
【0021】これにより、室内入口配管温度と室内出口
配管温度の2温から室内熱交換器出口の正味の過冷却度
を検知できるので圧力センサを必要とせずコストダウン
が図れ、且つ、室内の暖房負荷に応じて変化する室内熱
交換器出口の冷媒過冷却度をほぼ0付近に収めるように
膨張弁の開度を制御できるために、暖房負荷が変動した
場合でも、熱交換器の保有している性能は最大限に発揮
され得るという、理想状態に近い制御を実現可能とな
る。
【0022】また、第4の技術的手段として、圧縮機と
室外熱交換器と室外送風機とからなる室外ユニットと、
膨張弁と冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とから
なる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前
記室内熱交換器,前記冷媒分流器,前記膨張弁,前記室
外熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続
して冷媒を循環させる暖房サイクルにおいて、暖房モー
ドでの前記圧縮機の運転開始時は、前記膨張弁を全開に
させ、その後前記圧縮機の運転開始から第3所定時間経
過した時点から、運転開始から第4所定時間経過するま
で前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記膨張弁の現
在開度での室内入口配管温度と室内出口配管温度との出
入口温度差から、前記膨張弁の前回開度での室内入口配
管温度と室内出口配管温度との前記出入口温度差を減じ
た出入口温度差変化量が第2所定温度差以上になるまで
前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記出入口温度差
変化量が第2所定温度差以上になった時、前記膨張弁の
前回開度での前記出入口温度差を前記第3基準温度差と
し、その後の前記圧縮機の運転継続中における室内入口
配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差から前記
第3基準温度差を減算した結果を検知過冷却度として前
記膨張弁を制御するよう構成したのである。
【0023】これにより、室内入口配管温度と室内出口
配管温度の2温から室内熱交換器出口の正味の過冷却度
を検知できるので圧力センサを必要とせずコストダウン
が図れるだけでなく、検知過冷却度の演算に要する基準
温度差に関して、所定時間後に基準温度差を演算する手
段は、運転状態や所定時間の大きさ次第では適正な基準
温度差となりえず過冷却度を正確に検出できない場合が
あるか、前記出入口温度差変化量を検出することで、確
実に、飽和蒸気状態、即ち、ほぼ過冷却度=0の状態を
検出できるため、熱交換器の保有している性能は最大限
に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実現可能
となる。
【0024】また、第5の技術的手段として、第4の技
術的手段の第3基準温度差に代わり、出入口温度差変化
量が第2所定温度差以上になった時、膨張弁の前回開度
での前記出入口温度差に第3所定温度差を加算した結果
を前記第4基準温度差とするよう構成したのである。
【0025】これにより、圧力センサを必要とせずコス
トダウンが図れるだけでなく、基準温度差を大きめにと
ることで冷凍サイクルが安定状態に移行することによる
室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差
の上昇にも対応でき、正確な過冷却度を検出できるた
め、熱交換器の保有している性能は最大限に発揮され得
る。
【0026】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、圧縮機
と室外熱交換器と室外送風機とからなる室外ユニット
と、膨張弁と冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機と
からなる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮
機,前記室内熱交換器,前記冷媒分流器,前記膨張弁,
前記室外熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状
に接続して冷媒を循環させる暖房サイクルにおいて、前
記膨張弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置した
室内出口配管温センサと、前記室内熱交換器の入口集合
配管に設置した室内入口配管温センサと、前記室内出口
配管温センサ、及び前記室内入口配管温センサからの出
力を温度信号に変換する配管温検出手段と、前記暖房サ
イクルの運転モードを検出する運転モード検出手段と、
前記圧縮機の運転開始から所定時間が経過した時に信号
を出力する時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止を
行う圧縮機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う膨
張弁制御手段と、前記配管温検出手段と前記運転モード
検出手段と前記時間検出手段とからの信号をもとに前記
圧縮機制御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第1
制御手段とを備え、前記第1制御手段は、前記運転モー
ド検出手段により暖房モードを検出した時に、前記膨張
弁制御手段により前記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機
制御手段により前記圧縮機の運転を開始させ、その後前
記時間検出手段により前記圧縮機の運転開始から第1所
定時間経過したことを検知した時点での前記配管温検出
手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配管温
度との出入口温度差に第1所定温度差を加算した結果を
第1基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中
における前記配管温検出手段により検出した室内入口配
管温度と室内出口配管温度との出入口温度差から前記第
1基準温度差を減算した結果を検知過冷却度として、前
記検知過冷却度が第1所定過冷却度以上になるまで前記
膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小さくしてい
き、前記検知過冷却度が前記第1所定過冷却度以上にな
った時点での前記膨張弁の開度より第1所定開度だけ大
きい開度を求め、その求められた開度をその後の前記膨
張弁の開度にするよう前記膨張弁制御手段を制御するも
のである。
【0027】上記構成により、室内入口配管温度と室内
出口配管温度の2温から室内熱交換器出口の正味の過冷
却度を検知できるので圧力センサを必要とせずコストダ
ウンが図れ、且つ、凝縮器として機能する室内熱交換器
出口の冷媒過冷却度が大きく確保されることがなく、飽
和蒸気状態、即ち、ほぼ過冷却度=0の状態に近づける
ことが可能となるため、熱交換器の保有している性能は
最大限に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実
現可能となる。
【0028】また、請求項2に記載の発明は、圧縮機と
室外熱交換器と室外送風機とからなる室外ユニットと、
膨張弁と冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とから
なる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前
記室内熱交換器,前記冷媒分流器,前記膨張弁,前記室
外熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続
して冷媒を循環させる暖房サイクルにおいて、前記膨張
弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置した室内出
口配管温センサと、前記室内熱交換器の入口集合配管に
設置した室内入口配管温センサと、前記室内出口配管温
センサ、及び前記室内入口配管温センサからの出力を温
度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房サイクル
の運転モードを検出する運転モード検出手段と、前記圧
縮機の運転開始から所定時間経過した時に信号を出力す
る時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止を行う圧縮
機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う膨張弁制御
手段と、前記配管温検出手段と前記運転モード検出手段
と前記時間検出手段とからの信号をもとに前記圧縮機制
御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第2制御手段
とを備え、前記第2制御手段は、前記運転モード検出手
段により暖房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手
段により前記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段
により前記圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検
出手段により前記圧縮機の運転開始から第1所定時間経
過したことを検知した時点での前記配管温検出手段によ
り検出した室内入口配管温度と室内出口配管温度との出
入口温度差に第1所定温度差を加算した結果を第1基準
温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における
前記配管温検出手段により検出した室内入口配管温度と
室内出口配管温度との出入口温度差から前記第1基準温
度差を減算した結果を検知過冷却度として、前記検知過
冷却度が第1所定過冷却度以上になるまで前記膨張弁制
御手段により前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記
時間検出手段により前記第1所定時間より大なる第2所
定時間経過したことを検知した時点で、前記配管温検出
手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配管温
度との出入口温度差を前記第2基準温度差とし、その後
の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検出手段
により検出した室内入口配管温度と室内出口配管温度と
の出入口温度差から前記第2基準温度差を減算した結果
を検知過冷却度として、前記検知過冷却度が第1所定過
冷却度以上になるまで前記膨張弁制御手段により前記膨
張弁の開度を小さくしていき、前記検知過冷却度が前記
第1所定過冷却度以上になった時点での前記膨張弁の開
度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、その求めら
れた開度をその後の前記膨張弁の開度にするよう前記膨
張弁制御手段を制御することを特徴とするものである。
【0029】上記構成により、室内入口配管温度と室内
出口配管温度の2温から室内熱交換器出口の正味の過冷
却度を検知できるので圧力センサを必要とせずコストダ
ウンが図れ、且つ、室内熱交換器入口と室内熱交換器出
口との間の管内圧力損失に相当する冷媒の飽和温度差に
生じる差異を補正することが可能になる。
【0030】即ち、圧縮機起動所定時間経過後の飽和温
度差と、その所定時間経過以降に膨張弁開度を小さくし
た時点での飽和温度差との間に生じる差異を、前記第2
基準温度差として更新することにより、室内熱交換器出
口の検知過冷却度を精度良く検出することが可能とな
る。
【0031】また、請求項3に記載の発明は、圧縮機と
室外熱交換器と室外送風機とからなる室外ユニットと、
膨張弁と冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とから
なる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前
記室外熱交換器,前記膨張弁,前記冷媒分流器,前記室
内熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続
して冷媒を循環させる暖房サイクルにおいて、前記膨張
弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置した室内出
口配管温センサと、前記室内熱交換器の入口集合配管に
設置した室内入口配管温センサと、前記室内出口配管温
センサ、及び前記室内入口配管温センサからの出力を温
度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房サイクル
の運転モードを検出する運転モード検出手段と、前記圧
縮機の運転開始から所定時間経過した時に信号を出力す
る時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止を行う圧縮
機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う膨張弁制御
手段と、前記配管温検出手段と前記運転モード検出手段
と前記時間検出手段とからの信号をもとに前記圧縮機制
御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第3制御手段
とを備え、前記第3制御手段は、前記運転モード検出手
段により暖房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手
段により前記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段
により前記圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検
出手段により前記圧縮機の運転開始から第1所定時間経
過したことを検知した時点での前記配管温検出手段によ
り検出した室内入口配管温度と室内出口配管温度との出
入口温度差に第1所定温度差を加算した結果を第1基準
温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における
前記配管温検出手段により検出した室内入口配管温度と
室内出口配管温度との出入口温度差から前記第1基準温
度差を減算した結果を検知過冷却度として、前記検知過
冷却度が第1所定過冷却度以上になるまで前記膨張弁制
御手段により前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記
時間検出手段により前記第1所定時間より大なる第2所
定時間経過したことを検知した時点で、前記配管温検出
手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配管温
度との出入口温度差を前記第2基準温度差とし、その後
の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検出手段
により検出した室内入口配管温度と室内出口配管温度と
の出入口温度差から前記第2基準温度差を減算した結果
を検知過冷却度として、前記検知過冷却度が第1所定過
冷却度以上になるまで前記膨張弁制御手段により前記膨
張弁の開度を小さくしていき、前記検知過冷却度が前記
第1所定過冷却度以上になった時点での前記膨張弁の開
度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、その求めら
れた開度をその後の前記膨張弁の開度にし、前記検知過
冷却度が第2所定過冷却度以上である場合は前記膨張弁
の開度を第2所定開度がけ大きく設定するよう前記膨張
弁制御手段を制御し、前記検知過冷却度が0より小さい
場合は前記膨張弁の開度を前記第2所定開度がけ小さく
設定するよう前記膨張弁制御手段を制御し、前記検知過
冷却度が0以上かつ前記第2所定過冷却度未満の場合は
前記膨張弁の開度を維持するように前記膨張弁制御手段
を制御することを特徴とするものである。
【0032】上記構成により、室内入口配管温度と室内
出口配管温度の2温から室内熱交換器出口の正味の過冷
却度を検知できるので圧力センサを必要とせずコストダ
ウンが図れ、且つ、室内の暖房負荷に応じて変化する室
内熱交換器出口の冷媒過冷却度をほぼ0付近に収めるよ
うに膨張弁の開度を制御できるために、暖房負荷が変動
した場合でも、熱交換器の保有している性能は最大限に
発揮され得るという、理想状態に近い制御を実現可能と
なる。
【0033】また、請求項4に記載の発明は、圧縮機と
室外熱交換器と室外送風機とからなる室外ユニットと、
膨張弁と冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とから
なる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機、前
記室内熱交換器、前記冷媒分流器、前記膨張弁、前記室
外熱交換器、前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続
して冷媒を循環させる暖房サイクルにおいて、前記膨張
弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置した室内出
口配管温センサと、前記室内熱交換器の入口集合配管に
設置した室内入口配管温センサと、前記室内出口配管温
センサ、及び前記室内入口配管温センサからの出力を温
度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房サイクル
の運転モードを検出する運転モード検出手段と、前記圧
縮機の運転開始から所定時間経過した時に信号を出力す
る時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止を行う圧縮
機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う膨張弁制御
手段と、前記配管温検出手段と前記運転モード検出手段
と前記時間検出手段とからの信号をもとに前記圧縮機制
御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第4制御手段
とを備え、前記第4制御手段は、前記運転モード検出手
段により暖房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手
段により前記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段
により前記圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検
出手段により前記圧縮機の運転開始から第3所定時間経
過したことを検知した時点から、運転開始から第4所定
時間経過するまで前記膨張弁制御手段により前記膨張弁
の開度を小さくしていき、前記膨張弁の現在開度での前
記配管温検出手段により検出した室内入口配管温度と室
内出口配管温度との出入口温度差から、前記膨張弁の前
回開度での前記配管温検出手段により検出した室内入口
配管温度と室内出口配管温度との前記出入口温度差を減
じた出入口温度差変化量が第2所定温度差以上になるま
で前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小さく
していき、前記出入口温度差変化量が第2所定温度差以
上になった時、前記膨張弁の前回開度での前記出入口温
度差を前記第3基準温度差とし、その後の前記圧縮機の
運転継続中における前記配管温検出手段により検出した
室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差
から前記第3基準温度差を減算した結果を検知過冷却度
として、前記検知過冷却度が第2所定過冷却度以上であ
る場合は前記膨張弁の開度を第2所定開度だけ大きく設
定するよう前記膨張弁制御手段を制御し、前記検知過冷
却度が0より小さい場合は前記膨張弁の開度を前記第2
所定開度だけ小さく設定するよう前記膨張弁制御手段を
制御し、前記検知過冷却度が0以上かつ前記第2所定過
冷却度未満の場合は前記膨張弁の開度を維持するように
前記膨張弁制御手段を制御することを特徴とするもので
ある。
【0034】上記構成により、室内入口配管温度と室内
出口配管温度の2温から室内熱交換器出口の正味の過冷
却度を検知できるので圧力センサを必要とせずコストダ
ウンが図れるだけでなく、検知過冷却度の演算に要する
基準温度差に関して、所定時間後に基準温度差を演算す
る手段は、運転状態や所定時間の大きさ次第では適正な
基準温度差となりえず過冷却度を正確に検出できない場
合があるが、前記出入口温度差変化量を検出すること
で、確実に、飽和蒸気状態、即ち、ほぼ過冷却度=0の
状態を検出できるため、熱交換器の保有している性能は
最大限に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実
現可能となる。
【0035】また、請求項5に記載の発明は、圧縮機と
室外熱交換器と室外送風機とからなる室外ユニットと、
膨張弁と冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とから
なる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機、前
記室内熱交換器、前記冷媒分流器、前記膨張弁、前記室
外熱交換器、前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続
して冷媒を循環させる暖房サイクルにおいて、前記膨張
弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置した室内出
口配管温センサと、前記室内熱交換器の入口集合配管に
設置した室内入口配管温センサと、前記室内出口配管温
センサ、及び前記室内入口配管温センサからの出力を温
度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房サイクル
の運転モードを検出する運転モード検出手段と、前記圧
縮機の運転開始から所定時間経過した時に信号を出力す
る時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止を行う圧縮
機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う膨張弁制御
手段と、前記配管温検出手段と前記運転モード検出手段
と前記時間検出手段とからの信号をもとに前記圧縮機制
御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第5制御手段
とを備え、前記第5制御手段は、前記運転モード検出手
段により暖房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手
段により前記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段
により前記圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検
出手段により前記圧縮機の運転開始から第3所定時間経
過したことを検知した時点から、運転開始から第4所定
時間経過するまで前記膨張弁制御手段により前記膨張弁
の開度を小さくしていき、前記膨張弁の現在開度での前
記配管温検出手段により検出した室内入口配管温度と室
内出口配管温度との出入口温度差から、前記膨張弁の前
回開度での前記配管温検出手段により検出した室内入口
配管温度と室内出口配管温度との前記出入口温度差を減
じた出入口温度差変化量が第2所定温度差以上になるま
で前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小さく
していき、前記出入口温度差変化量が第2所定温度差以
上になった時、前記膨張弁の前回開度での前記出入口温
度差を第3所定温度差を加算した結果を前記第4基準温
度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における前
記配管温検出手段により検出した室内入口配管温度と室
内出口配管温度との出入口温度差から前記第4基準温度
差を減算した結果を検知過冷却度として、前記検知過冷
却度が第2所定過冷却度以上である場合は前記膨張弁の
開度を第2所定開度だけ大きく設定するよう前記膨張弁
制御手段を制御し、前記検知過冷却度が0より小さい場
合は前記膨張弁の開度を前記第2所定開度だけ小さく設
定するよう前記膨張弁制御手段を制御し、前記検知過冷
却度が0以上かつ前記第2所定過冷却度未満の場合は前
記膨張弁の開度を維持するように前記膨張弁制御手段を
制御するものである。
【0036】上記構成により、圧力センサを必要とせず
コストダウンが図れるだけでなく、基準温度差を大きめ
にとることで冷凍サイクルが安定状態に移行することに
よる室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温
度差の上昇にも対応でき、正確な過冷却度を検出できる
ため、熱交換器の保有している性能は最大限に発揮され
得る。
【0037】
【実施例】以下、本発明によるヒートポンプ式空気調和
機の実施例について図面を参照しながら説明する。尚、
従来と同一構成については同一符号を付し、その詳細な
説明を省略する。
【0038】(実施例1)図1は、本発明の実施例1に
よるヒートポンプ式空気調和機の暖房運転時の冷凍サイ
クル図及びブロック図を示している。図1中、黒抜き矢
印は通常の暖房運転時の冷媒の流動方向を示す。
【0039】本実施例のヒートポンプ式空気調和機は、
室外ユニットAと、室内ユニットBとから構成されてい
る。
【0040】室外ユニットAは、圧縮機1,室外送風機
4を備えた室外熱交換器3とからなり、室内ユニットB
は、パルス式電動膨張弁EVと、冷媒分流器5と、室内
熱交換器7と、室内送風機8とから構成されており、圧
縮機1,室内熱交換器7,冷媒分流器5,パルス式電動
膨張弁EV,室外熱交換器3,圧縮機1を順次冷媒配管
にて環状に接続して冷媒を循環させる暖房サイクルを形
成している。
【0041】そして、パルス式電動膨張弁EVと冷媒分
流器5との間の冷媒配管に室内出口配管温センサTh1
と、室内熱交換器7の入口配管に室内入口配管温センサ
Th2を設置し、室内出口配管温センサTh1、及び室
内入口配管温センサTh2からの出力を配管温検出手段
Tsensにより温度信号に変換することができる。
【0042】また、所定経過時間に達した時に信号を出
力する時間検出手段TMと、圧縮機1の運転/停止を行
う圧縮機制御手段CMcntと、パルス式電動膨張弁E
Vの開度制御を行う膨張弁制御手段EVcntと、暖房
サイクルの運転モードを検出する運転モード手段Mod
eとを備えている。
【0043】そして、第1制御手段Cnt1は運転モー
ド手段Modeより暖房モードを検出し、パルス式電動
膨張弁EVを全開pls0相当の100%に設定する膨
張弁全開開度比設定手段51と、時間検出手段TMより
経過時間τが第1所定時間Δτ1に達した時の出力信号
を検出した場合に第1基準温度差Δto1を算出する基
準温度差Δto1算出手段52と、基準温度差Δto1
算出手段52、及び配管温検出手段Taensより検知
過冷却度SCを算出する検知過冷却度SC算出手段53
と、第1所定過冷却度SC1を記憶する所定過冷却度S
C1記憶手段54と、検知過冷却度SCと第1所定過冷
却度SC1との大小関係を比較する過冷却度比較手段5
5と、膨張弁下限開度pls1相当の開度比設定を行う
膨張弁下限開度比設定手段56と、最適な膨張弁開度比
を設定する膨張弁開度比設定手段57からなり、圧縮機
1の運転中にパルス式電動膨張弁EVの開度を最適に制
御するべく、圧縮機制御手段CMcnt、及び膨張弁制
御手段EVcntを動作させるものである。
【0044】以上のように構成されたヒートポンプ式空
気調和機について、以下その動作を図2、及び図3を用
いて説明する。まず、図2にて一般的な蒸気圧縮式ヒー
トポンプの冷凍サイクルの特性について説明する。図2
はある一般的なヒートポンプ式空気調和機を用いて筆者
らが行った実験結果のうち、暖房運転時の室内入口配管
温度t2と室内出口配管温度t1との出入口温度差Δ
t、室内熱交換器出口過冷却度(=出口冷媒圧力の飽和
温度−出口冷媒温度)、及び暖房COP比のパルス式電
動膨張弁EVの開度比に対する特性を示すグラフであ
る。
【0045】図2に示すように、配管温検出手段Tse
nsにより検出した室内入口配管温度t2と室内出口配
管温度t1との出入口温度差Δtは、パルス式電動膨張
弁EVの開度比が全開相当から小さくなるに従って、殆
ど変化のない状態から次第に上昇していく傾向になり、
ある開度比より小さくしていくと、急激に上昇する特性
を示す。
【0046】一方、室内熱交換器出口過冷却度SCは、
図2に示すように、パルス式電動膨張弁EVの開度比が
大きい場合においては殆ど変化することなく、ほぼ一定
(SC=0)で推移し、ある開度比より小さくしていく
と、急激に上昇する特性を示す。
【0047】同時に、暖房COPについては、図2に示
すように、室内熱交換器出口過冷却度SCが確保されて
急激に上昇するパルス式電動膨張弁EVの開度比よりや
や大きめの開度比において、凝縮器である室内熱交換器
7の出口において冷媒はほぼ飽和蒸気状態(SC=0)
となって暖房COPが最大となり、即ち冷媒循環量と室
内熱交換器の性能がほぼ最適なバランスする状態にな
り、最大値となる特性を示す。
【0048】次に、上記特性を鑑みた本実施例の暖房運
転時の制御内容について図3のフローチャートに示す。
【0049】まず、step1にて運転モード検出手段
Modeにより暖房運転モードが設定されたことを検出
され、step2にて運転モード検出手段Modeから
膨張弁全開開度比設定手段51へ圧縮機起動信号が出力
され、パルス式電動膨張弁EVの開度比を全開pls0
相当の100%に設定され、step3にて圧縮機制御
手段CMcntへ圧縮機起動信号が出力され、圧縮機1
を起動する。
【0050】その後、step4にて圧縮機1起動後の
経過時間τを時間検出手段TMにより検出し、step
5にて圧縮機1起動後の経過時間τが第1所定時間Δτ
1に達しているかを時間検出手段TMにより比較し、経
過時間τ<第1所定時間Δτ1である場合はstep4
へ戻るルーチンを繰り返し、経過時間τ≧第1所定時間
Δτ1である場合はstep6へ進む。
【0051】Step6では、配管温検出手段Tsen
sから基準温度差Δto1検出手段52へ室内出口配管
温度t1、及び室内入口配管温度t2の信号が出力さ
れ、基準温度差Δto1検出手段52にて温度信号に変
換され、この時点での出入口温度差Δt(=t2−t
1)に第1所定温度差θ1を加算した結果を第1基準温
度差Δto1(=t2−t1+θ1)として算出する。
ここで、第1所定温度差θ1は、圧縮機1の起動直後
(第1所定時間Δτ1が約10分以内)では出入口温度
差Δtが低いため安定しておらず、安定するまでの温度
差上昇分の補正値である。
【0052】次に、step7にて検知過冷却度SC算
出手段53により、配管温検出手段Tsensにより検
出した室内出口配管温度t1と室内入口配管温度t2と
の出入口温度差Δt(=t2−t1)に、第1基準温度
差Δto1を減算することで、検知過冷却度SCを算出
する。
【0053】前記検知過冷却度SCのパルス式電動膨張
弁EVの開度比に対する特性は図4のグラフに示すよう
に、室内熱交換器出口の冷媒過冷却度の特性と同傾向を
示す。
【0054】従って、step8にて過冷却度比較手段
55により、検知過冷却度SCと、所定過冷却度SC1
記憶手段54に記憶されている第1所定過冷却度SC1
との大小関係を比較し、検知過冷却度SCが第1所定過
冷却度SC1より小さい(SC<SC1)場合は、st
ep9にてパルス式電動膨張弁EVの開度比を、更に所
定開度相当だけ小さくした後、step7へ戻り、再度
検知過冷却度SCを算出する。
【0055】Step8で、検知過冷却度SCが第1所
定過冷却度SC1以上に大きい(SC≧SC1)状態に
なった場合はstep10へ進む。
【0056】更に、step10にて膨張弁下限開度比
設定手段56により、検知過冷却度SCが第1所定過冷
却度SC1以上になった時点でのパルス式電動膨張弁E
Vの開度比を下限開度pls1相当とし、更に、ste
p11にて膨張弁開度比設定手段57により、パルス式
電動膨張弁EVの設定開度比を下限開度pls1相当に
対して第1所定開度Δpls1相当だけ逆に加算(pl
s1+Δpls1)した開度pls2相当の開度比に設
定し、圧縮機1の運転を継続していく。
【0057】従って、その後に室内の暖房負荷が大きく
変動しない限り、室内熱交換器7出口の冷媒過冷却度が
過大に確保されることがなく、飽和蒸気状態、即ち、ほ
ぼ過冷却度=0の状態で運転が継続されることになる。
【0058】以上のように本実施例のヒートポンプ式空
気調和機は、運転モード手段Modeにより冷房モード
を検出し、時間検出手段TMからの時間信号、及び配管
温検出手段Tsensにより検出した室内出口配管温度
t1と室内入口配管温度t2との温度信号を取り込み、
圧縮機1の運転中にパルス式電動膨張弁EVの開度比を
最適に制御するべく、圧縮機制御手段CMcnt、及び
膨張弁制御手段EVcntを制御させる第1制御手段C
nt1を備えているため、以下の効果が発揮される。
【0059】まず、室内出口配管温度t1と室内入口配
管温度t2との温度信号から検知過冷却度SCを検知で
きるので圧力センサを必要とせずコストダウンが図れ、
更に、この検知過冷却度SCの特性を用いることによ
り、凝縮器として機能する室内熱交換器7出口の冷媒過
冷却度が過大に確保されることがなく、飽和蒸気状態、
即ち、ほぼ過冷却度=0の状態に近づけることが可能と
なるため、熱交換器の保有している性能は最大限に発揮
され得るという、理想状態に近い制御を実現可能とな
る。
【0060】(実施例2)次に、本発明の実施例2につ
いて図面を参照しながら説明するが、実施例1と同一構
成部分については同一符号を付して詳細な説明は省略す
る。
【0061】図5は、本発明の実施例2によるヒートポ
ンプ式空気調和機の暖房運転時の冷凍サイクル図及びブ
ロック図を示している。図5中、黒抜き矢印は通常の暖
房運転時の冷媒の流動方向を示す。本実施例のヒートポ
ンプ式空気調和機は、実施例1と同様に室外ユニットA
と、室内ユニットBとから構成されている。但し、本実
施例では実施例1の第1制御手段Cnt1に替わって、
第2制御手段Cnt2を備えている。
【0062】前記第2制御手段Cnt2は運転モード手
段Modeより暖房モードを検出し、パルス式電動膨張
弁EVを全開pls0相当の100%に設定する膨張弁
全開開度比設定手段51と、時間検出手段TMより経過
時間τが第1所定時間Δτ1に達した時の出力信号を検
出した場合に第1基準温度差Δto1を算出する基準温
度差Δto1算出手段52と、時間検出手段TMより経
過時間τが第1所定時間Δτ1より大なる第2所定時間
Δτ2に達した時の出力信号を検出した場合に第2基準
温度差Δto2を算出する基準温度差Δto2算出手段
62と、基準温度差Δto1算出手段52、若しくは基
準温度差Δto2算出手段62、及び配管温検出手段T
sensより検知過冷却度SCを算出する検知過冷却度
SC算出手段53と、第1所定過冷却度SC1を記憶す
る所定過冷却度SC1記憶手段54と、検知過冷却度S
Cと第1所定過冷却度SC1との大小関係を比較する過
冷却度比較手段55と、膨張弁下限開度pls1相当の
開度比設定を行う膨張弁下限開度比設定手段56と、最
適な膨張弁開度比を設定する膨張弁開度比設定手段57
からなる。
【0063】そして第2制御手段Cnt2は、運転モー
ド手段Modeにより暖房モードを検出し、パルス式電
動膨張弁EVを全開として圧縮機1を運転開始し、時間
検出手段TMにより経過時間τが所定時間Δτ1に達し
たことを検知した時に、配管温検出手段Tsensによ
り検出した室内出口配管温度t1と室内入口配管温度t
2との出入口温度差Δtに対して第1所定温度差θ1を
加算した結果を第1基準温度差Δto1として、その後
の圧縮機1の運転継続中における配管温検出手段Tse
nsにより検出した室内出口配管温度t1と室内入口配
管温度t2との出入口温度差Δt(=t2−t1)から
第1基準温度差Δto1を減算した結果を検知過冷却度
SCとし、検知過冷却度SCが第1所定過冷却度SC1
以下になるまでパルス式電動膨張弁EVの開度比を小さ
くしていき、途中、時間検出手段TMにより経過時間τ
が第1所定時間Δτ1より大なる第2所定時間Δτ2に
達したことを検知した時に、配管温検出手段Tsens
により検出した室内出口配管温度t1と室内入口配管温
度t2との出入口温度差Δtを第2基準温度差Δto2
として、その後の圧縮機1の運転継続中における配管温
検出手段Tsensにより検出した室内出口配管温度t
1と室内入口配管温度t2との出入口温度差Δt(=t
2−t1)から第2基準温度差Δto2を減算した結果
を検知過冷却度SCとし、検知過冷却度SCが第1所定
過冷却度SC1以上になった時点でのパルス式電動膨張
弁EVの開度比に対して第1所定開度Δpls1相当だ
け逆に大きく設定するものである。
【0064】以上のように構成されたヒートポンプ式空
気調和機について、以下その動作を図6、及び図7を用
いて説明する。まず、図6にて一般的な蒸気圧縮式ヒー
トポンプの冷凍サイクルの特性について説明する。図6
は暖房運転時の室内入口配管温度t2と室内出口配管温
度t1との出入口温度差Δt、室内熱交換器出口過冷却
度SC、及び暖房COP比のパルス式電動膨張弁EVの
開度比に対する特性を示すグラフである。
【0065】図6に示すように、配管温検出手段Tse
nsにより検出した室内出口配管温度t2と室内入口配
管温度t1との出入口温度差Δtは、パルス式電動膨張
弁EVの開度比が全開相当から小さくなるに従って、殆
ど変化のない状態から次第に上昇していく傾向になり、
ある開度比より小さくしていくと、急激に上昇する特性
を示す。この時、出入口温度差Δtが急激に上昇する直
前の出入口温度差Δtは、パルス式電動膨張弁EVが全
開時に対して、温度差(Δto2−Δto1)だけ上昇
する。
【0066】これはパルス式電動膨張弁EVの開度比を
小さくしていくに従って、冷凍サイクル内の冷媒循環量
が徐々に低下していくことにより、室内熱交換器7入口
と室内熱交換器7出口との間の管内圧力損失に相当する
冷媒飽和温度差も僅かながら、次第に低下していくため
である。
【0067】一方、室内熱交換器出口過冷却度SCは、
図2に示すように、パルス式電動膨張弁EVの開度比が
大きい場合においては殆ど変化することなく、ほぼ一定
(SC=0)で推移し、ある開度比より小さくしていく
と、急激に上昇する特性を示す。
【0068】同時に、暖房COPについては、図2に示
すように、室内熱交換器出口過冷却度SCが確保されて
急激に上昇するパルス式電動膨張弁EVの開度比よりや
や大きめの開度比において、凝縮器である室内熱交換器
7の出口において冷媒はほぼ飽和蒸気状態(SC=0)
となって暖房COPが最大となり、即ち冷媒循環量と室
内熱交換器の性能がほぼ最適なバランスする状態にな
り、最大値となる特性を示す。
【0069】次に、上記特性を鑑みた本実施例の暖房運
転時の制御内容について図7のフローチャートに示す。
【0070】まず、step1にて運転モード検出手段
Modeにより暖房運転モードが設定されたことを検出
され、step2にて運転モード検出手段Modeから
膨張弁全開開度比設定手段51へ圧縮機起動信号が出力
され、パルス式電動膨張弁EVの開度比を全開pls0
相当の100%に設定され、step3にて圧縮機制御
手段CMcntへ圧縮機起動信号が出力され、圧縮機1
を起動する。
【0071】その後、step4にて圧縮機1起動後の
経過時間τを時間検出手段TMにより検出し、step
5にて圧縮機1起動後の経過時間τが第1所定時間Δτ
1に達しているかを時間検出手段TMにより比較し、経
過時間τ<第1所定時間Δτ1である場合はstep4
へ戻るルーチンを繰り返し、経過時間τ≧第1所定時間
Δτ1である場合はstep6へ進む。
【0072】Step6では、配管温検出手段Tsen
sから基準温度差Δto1検出手段52へ室内出口配管
温度t1、及び室内入口配管温度t2の信号が出力さ
れ、基準温度差Δto1検出手段52にて温度信号に変
換され、この時点での出入口温度差Δt(=t2−t
1)に第1所定温度差θ1を加算した結果を第1基準温
度差Δto1(=t2−t1+θ1)として算出する。
ここで、第1所定温度差θ1は、既に実施例1で説明し
た補正値である。
【0073】次にstep7では、圧縮機1起動後の経
過時間τを時間検出手段TMにより検出し、step8
にて圧縮機1起動後の経過時間τが第1所定時間Δτ1
よりも大なる第2所定時間Δτ2に達しているかを時間
検出手段TMにより比較し、経過時間τ<第2所定時間
Δτ2である場合はstep9移行し、経過時間τ≧第
2所定時間Δτ2である場合はstep12へ進む。
【0074】Step9では、検知過冷却度SC算出手
段53により、配管温検出手段Tsensにより検出し
た室内出口配管温度t1と室内入口配管温度t2との出
入口温度差Δt(=t2−t1)に、第1基準温度差Δ
to1を減算することで、検知過冷却度SCを算出す
る。
【0075】Step10では過冷却度比較手段55に
より、検知過冷却度SCと、所定過冷却度SC1記憶手
段54に記憶されている第1所定過冷却度SC1との大
小関係を比較し、検知過冷却度SCが第1所定過冷却度
SC1より小さい(SC<SC1)場合は、step1
1にてパルス式電動膨張弁EVの開度比を、更に所定開
度相当だけ小さくした後、step7へ戻る。
【0076】一方、step12では、配管温検出手段
Tsensから基準温度差Δto2検出手段62へ室内
出口配管温度t1、及び室内入口配管温度t2の信号が
出力され、基準温度差Δto2検出手段62にて温度信
号に変換され、この時点での出入口温度差Δt(=t2
−t1)を第2基準温度差Δto2(=t2−t1)と
して算出する。これにより、室内熱交換器7入口と室内
熱交換器7出口との間の管内圧力損失に相当する冷媒の
飽和温度差に生じる差異を補正することが可能になる。
【0077】従って、step13では、検知過冷却度
SC算出手段53により、配管温検出手段Tsensに
より検出した室内出口配管温度t1と室内入口配管温度
t2との出入口温度差Δt(=t2−t1)に、第2基
準温度差Δto2を減算することで、検知過冷却度SC
を算出し、step10に移行する。
【0078】即ち、圧縮機起動所定時間経過後の飽和温
度差と、その所定時間経過以降に膨張弁開度を小さくし
た時点での飽和温度差との間に生じる差異を、第2基準
温度差Δto2として更新することにより、室内熱交換
器7出口の検知過冷却度SCを精度良く検出することが
可能となる。
【0079】Step10では、検知過冷却度SCが第
1所定過冷却度SC1以上に大きい(SC≧SC1)状
態になった場合はstep14へ進む。
【0080】更に、step14にて膨張弁下限開度比
設定手段56により、検知過冷却度SCが第1所定過冷
却度SC1以上になった時点でのパルス式電動膨張弁E
Vの開度比を下限開度pls1相当とし、更に、ste
p15にて膨張弁開度比設定手段57により、パルス式
電動膨張弁EVの設定開度比を下限開度pls1相当に
対して第1所定開度Δpls1相当だけ逆に加算(pl
s1+Δpls1)した開度pls2相当の開度比に設
定し、圧縮機1の運転を継続していく。
【0081】従って、その後に室内の暖房負荷が大きく
変動しない限り、室内熱交換器7出口の冷媒過冷却度が
過大に確保されることがなく、飽和蒸気状態、即ち、ほ
ぼ過冷却度=0の状態で運転が継続されることになる。
【0082】以上のように本実施例のヒートポンプ式空
気調和機は、運転モード手段Modeにより暖房モード
を検出し、時間検出手段TMからの時間信号、及び配管
温検出手段Tsensにより検出した室内出口配管温度
t1と室内入口配管温度t2との温度信号を取り込み、
圧縮機1の運転中にパルス式電動膨張弁EVの開度比を
最適に制御するべく、圧縮機制御手段CMcnt、及び
膨張弁制御手段EVcntを制御させる第2制御手段C
nt2を備えているため、以下の効果が発揮される。
【0083】室内出口配管温度t1と室内入口配管温度
t2との温度信号から検知過冷却度SCを検知できるの
で圧力センサを必要とせずコストダウンが図れ、更に、
室内熱交換器7入口と室内熱交換器7出口との間の管内
圧力損失に相当する冷媒の飽和温度差に生じる差異を補
正することが可能になる。
【0084】即ち、圧縮機1が起動して所定時間経過後
の飽和温度差と、その所定時間経過以降に膨張弁開度を
小さくした時点での飽和温度差との間に生じる差異を、
前記第2基準温度差として更新することにより、室内熱
交換器7出口の検知過冷却度SCを精度良く検出するこ
とが可能となる。
【0085】(実施例3)次に、本発明の実施例3につ
いて図面を参照しながら説明するが、実施例2と同一構
成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略す
る。
【0086】図8は、本発明の実施例3によるヒートポ
ンプ式空気調和機の暖房運転時の冷凍サイクル図及びブ
ロック図を示している。本実施例のヒートポンプ式空気
調和機は、実施例2と同様に室外ユニットAと、室内ユ
ニットBとから構成されている。但し、本実施例では実
施例2の第2制御手段Cnt2に替わって、第3制御手
段Cnt3を備えている。
【0087】前記第3制御手段Cnt3は第2制御手段
Cnt2に加えて、検知過冷却度SC算出手段53より
得られた検知過冷却度SCと、所定過冷却度SC2記憶
手段64に記憶されている第2所定過冷却度SC2との
大小関係を比較する過冷却度第2比較手段66と、検知
過冷却度SCと0との大小関係を比較する過冷却度第3
比較手段76と、過冷却度第2比較手段66、及び過冷
却度第3比較手段76の比較結果によって、pls2+
Δpls2相当、pls2−Δpls2相当、及び現状
開度相当の各開度比設定を行う膨張弁開度比設定手段5
8,59,60とを備えている。
【0088】そして、第3制御手段Cnt3は第2制御
手段Cnt2の動作に加えて、検知過冷却度SCが第1
所定過冷却度SC1以上になった時点でのパルス式電動
膨張弁EVの開度比をpls1相当に対して第1所定開
度Δplsだけ逆に大きくした開度pls2(=pls
1+Δpls1)相当に設定された後に、検知過冷却度
SCが第1所定過冷却度SC1より小なる第2所定過冷
却度SC2より大きい場合はパルス式電動膨張弁EVの
開度比を第2所定開度Δpls2相当だけ大きく設定
し、検知過冷却度SCが0より小さい場合はパルス式電
動膨張弁EVの開度比を第2所定開度Δpls2相当だ
け小さく設定し、検知過冷却度SCが0以上、かつ第2
所定過冷却度SC2以下の場合はパルス式電動膨張弁E
Vの開度比を維持するように膨張弁制御手段EVを動作
させるものである。
【0089】以上のように構成されたヒートポンプ式空
気調和機について、以下その動作を図9を用いて説明す
る。図9は本実施例の冷房運転時の制御内容のフローチ
ャートである。尚、step1からstep15につい
ては、実施例2と同一であるため詳細な説明を省略す
る。
【0090】但し、実施例1のstep14とstep
15については実施例3においても関連があるため、再
度説明を加えるまず、step14にて膨張弁下限開度
比設定手段56により、検知過冷却度SCが第1所定過
冷却度SC1以上になった時点でのパルス式電動膨張弁
EVの開度比を下限開度pls1相当とし、更に、st
ep15にて膨張弁開度比設定手段57により、パルス
式電動膨張弁EVの設定開度比を下限開度pls1相当
に対して第1所定開度Δpls1だけ逆に加算(pls
1+Δpls1)した開度pls2相当の開度比に設定
し、圧縮機1の運転を継続していく。
【0091】次に、step16にて過冷却度第2比較
手段66により、検知過冷却度SCと、所定過冷却度S
C2記憶手段64に記憶されている第1所定過冷却度S
C2との大小関係の比較し、制御の分岐を行う。即ち、
検知過冷却度SCが第1所定過冷却度SC1(例えば、
4K)より小なる第2所定過冷却度SC2(例えば、1
K)以上に大きい場合はstep18へ分岐し、ste
p17にて検知過冷却度SCと0との大小関係の比較
し、検知過冷却度SCが0より小さい場合はstep1
9へ分岐し、検知過冷却度SCが0以上、かつ第2所定
過冷却度SC2未満の場合はstep20へ分岐する。
【0092】即ち、step18にて膨張弁開度比設定
手段58により、検知過冷却度SCが第2所定過冷却度
SC2より以上の場合(SC≧1K)はパルス式電動膨
張弁EVの開度比を第2所定開度Δpls2相当だけ大
きく設定し、step19にて膨張弁開度比設定手段5
9により、検知過冷却度SCが0より小さい場合(SC
<0K)はパルス式電動膨張弁EVの開度比を第2所定
開度Δpls2相当だけ小さく設定し、更にstep2
0にて膨張弁開度比設定手段60により、検知過冷却度
SCが0以上、かつ第2所定過冷却度SC2未満の場合
(0≦SC<1)はパルス式電動膨張弁EVの開度比を
維持するように膨張弁制御手段EVを動作させる。
【0093】これにより、室内の暖房負荷に応じて変化
する室内熱交換器7出口の検知過冷却度SCが0から第
2所定過冷却度SC2の間に収まるようにパルス式電動
膨張弁EVの開度比を制御できるために、暖房負荷が変
動した場合でも、室内熱交換器7の保有している性能は
最大限に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実
現可能となる。
【0094】以上のように本実施例のヒートポンプ式空
気調和機は、実施例2の第2制御手段Cnt2に替わっ
て、第3制御手段Cnt3を設置した構成であるため
に、即ち、第2制御手段Cnt2の動作に加えて、検知
過冷却度SCが第1所定過冷却度SC1以上になった時
点でのパルス式電動膨張弁EVの開度比をpls1相当
に対して第1所定開度Δpls相当だけ逆に大きくした
開度pls2(=pls1+Δpls1)相当に設定さ
れた後に、検知過冷却度SCが第1所定過冷却度SC1
より小なる第2所定過冷却度SC2以上の場合はパルス
式電動膨張弁EVの開度比を第2所定開度Δpls2相
当だけ大きく設定し、検知過冷却度SCが0より小さい
場合はパルス式電動膨張弁EVの開度比を第2所定開度
Δpls2相当だけ小さく設定し、検知過冷却度SCが
0以上、かつ第2所定過冷却度SC2未満の場合はパル
ス式電動膨張弁EVの開度比を維持するように膨張弁制
御手段EVを動作させるため、以下の効果が発揮され
る。
【0095】つまり、実施例2の効果に加えて、室内の
暖房負荷に応じて変化する室内熱交換器7出口の検知過
冷却度SCが0から第2所定過冷却度SC2の間に収ま
るようにパルス式電動膨張弁EVの開度比を制御できる
ために、暖房負荷が変動した場合でも、室内熱交換器7
の保有している性能は最大限に発揮され得るという、理
想状態に近い制御を実現可能となる。
【0096】(実施例4)次に、本発明の実施例4につ
いて図面を参照しながら説明するが、実施例1と同一構
成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略す
る。
【0097】図10は、本発明の実施例4によるヒート
ポンプ式空気調和機の暖房運転時の冷凍サイクル図及び
ブロック図を示している。本実施例のヒートポンプ式空
気調和機は、実施例1と同様に室外ユニットAと、室内
ユニットBとから構成されている。但し、本実施例では
実施例1の第1制御手段Cnt1に替わって、第4制御
手段Cnt4を備えている。
【0098】第4制御手段Cnt4は、運転モード手段
Modeより暖房モードを検出し、パルス式電動膨張弁
EVを全開pls0相当の100%に設定する膨張弁全
開開度比設定手段51と、時間検出手段TMより経過時
間τが第3所定時間Δτ3に達した時の出力信号を検出
した時点から、時間検出手段TMより運転開始から第4
所定時間Δτ4経過するまで、膨張弁制御手段EVCn
tよりパルス式電動膨張弁EVの開度を小さくしていく
膨張弁開度比減少設定手段77と、パルス式電動膨張弁
EVの前回開度での室内入口配管温度t2と室内出口配
管温度t1との出入口温度差Δtsを記憶する出入口温
度差記憶手段78と、パルス式電動膨張弁EVの現在開
度での出入口温度差Δtと前回開度での出入口温度差Δ
tsの差である出入口温度差変化量Δtm(=Δt−Δ
ts)を演算し、出入口温度差変化量Δtmと第2所定
温度差θ2との大小関係を比較する出入口温度差比較手
段79と、出入口温度差変化量Δtmが第2所定温度差
以上であることを検出した場合に前回開度での出入口温
度差Δtsを第3基準温度差Δto3とする基準温度差
Δto3算出手段80と、基準温度差Δto3算出手段
80、及び配管温検出手段Tsensより検知過冷却度
SCを算出する検知過冷却度SC算出手段53と、検知
過冷却度SC算出手段53より得られた検知過冷却度S
Cと、所定過冷却度SC2記憶手段64に記憶されてい
る第2所定過冷却度SC2との大小関係を比較する過冷
却度第2比較手段66と、検知過冷却度SCと0との大
小関係を比較する過冷却度第3比較手段76と、過冷却
度第2比較手段66、及び過冷却度第3比較手段76の
比較結果によって、pls2+Δpls2相当、pls
2−Δpls2相当、及び現状開度相当の各開度比設定
を行う膨張弁開度比設定手段58,59,60からな
り、圧縮機1の運転中にパルス式電動膨張弁EVの開度
を最適に制御するべく、圧縮機制御手段CMcnt、及
び膨張弁制御手段EVcntを動作させるものである。
【0099】以上のように構成されたヒートポンプ式空
気調和機について、以下その動作を図11、及び図12
を用いて説明する。まず、図11にて一般的な蒸気圧縮
式ヒートポンプの冷凍サイクルの特性について説明す
る。図11はある一般的なヒートポンプ式空気調和機を
用いて筆者らが行った実験結果のうち、暖房運転時の室
内入口配管温度t2と室内出口配管温度t1との出入口
温度差Δt、室内熱交換器出口過冷却度(=出口冷媒圧
力の飽和温度−出口冷媒温度)、及び暖房COP比のパ
ルス式電動膨張弁EVの開度比に対する特性を示すグラ
フである。
【0100】図11に示すように、配管温検出手段Ts
ensにより検出した室内入口配管温度t2と室内出口
配管温度t1との出入口温度差Δtは、パルス式電動膨
張弁EVの開度比が全開相当から小さくなるに従って、
殆ど変化のない状態から次第に上昇していく傾向にな
り、ある開度比より小さくしていくと、急激に上昇する
特性を示す。
【0101】一方、室内熱交換器出口過冷却度SCは、
図11に示すように、パルス式電動膨張弁EVの開度比
が大きい場合においては殆ど変化することなく、ほぼ一
定(SC=0)で推移し、ある開度比より小さくしてい
くと、急激に上昇する特性を示す。
【0102】同時に、暖房COPについては、図11に
示すように、室内熱交換器出口過冷却度SCが確保され
て急激に上昇するパルス式電動膨張弁EVの開度比より
やや大きめの開度比において、凝縮器である室内熱交換
器7の出口において冷媒はほぼ飽和蒸気状態(SC=
0)となって暖房COPが最大となり、即ち冷媒循環量
と室内熱交換器の性能がほぼ最適なバランスする状態に
なり、最大値となる特性を示す。
【0103】次に、上記特性を鑑みた本実施例の暖房運
転時の制御内容について図12のフローチャートに示
す。
【0104】まず、step1にて運転モード検出手段
Modeにより暖房運転モードが設定されたことを検出
され、step2にて運転モード検出手段Modeから
膨張弁全開開度比設定手段51へ圧縮機起動信号が出力
され、パルス式電動膨張弁EVの開度比を全開pls0
相当の100%に設定され、step3にて圧縮機制御
手段CMcntへ圧縮機起動信号が出力され、圧縮機1
を起動する。
【0105】その後、step4にて圧縮機1起動後の
経過時間τを時間検出手段TMにより検出し、step
5にて圧縮機1起動後の経過時間τが第3所定時間Δτ
3に達しているかを時間検出手段TMにより比較し、経
過時間τ<第3所定時間Δτ3である場合はstep4
へ戻るルーチンを繰り返し、経過時間τ≧第3所定時間
Δτ3である場合はstep6へ進む。
【0106】Step6では、膨張弁開度比減少設定手
段77により、圧縮機1起動後の経過時間τを時間検出
手段TMにより検出し、step7にて圧縮機1起動後
の経過時間τが第4所定時間Δτ4に達しているかを時
間検出手段TMにより比較し、経過時間τ<第4所定時
間Δτ4である場合は、step8に移行し、経過時間
τ≧第4所定時間Δτ4ならばstep9に移行する。
【0107】Step8では、膨張弁制御手段EVcn
tよりパルス式電動膨張弁EVの開度を小さくしてい
き、step6へ移行し、step7にて圧縮機1起動
後の経過時間τが第4所定時間Δτ4に達するまで、パ
ルス式電動膨張弁EVの開度を小さくしていく。
【0108】Step9では、配管温検出手段Tsen
sにより室内出口配管温度t1と室内入口配管温度t2
との出入口温度差Δt(=t2−t1)検出し、ste
p10へ進む。
【0109】Step10では、出入口温度差比較手段
79により、パルス式電動膨張弁EVの現在開度での出
入口温度差Δtと前回開度での出入口温度差Δtsの差
である出入口温度差変化量Δtm(=Δt−Δts)を
演算し、出入口温度差変化量Δtmが第2所定温度差θ
2以上になるまで、step11へ進む。
【0110】Step11では、出入口温度差記憶手段
78により、パルス式電動膨張弁EVの前回開度での室
内入口配管温度t2と室内出口配管温度t1との出入口
温度差Δtsを記憶し、step12で、膨張弁制御手
段EVcntよりパルス式電動膨張弁EVの開度を小さ
くしていき、step9へ戻る。
【0111】一方、step10で、出入口温度差比較
手段79により、出入口温度差変化量Δtmが第2所定
温度差θ2以上になれば、step13へ進み、この時
点で前回開度での出入口温度差Δtsを第3基準温度差
Δto3として算出し、step14へ進む。ここで、
実施例1で説明した所定時間後に基準温度差を演算する
手段は、運転状態や所定時間の大きさ次第では適正な基
準温度差となりえず過冷却度を正確に検出できない場合
があるが、前記出入口温度差変化量を検出することで、
確実に、飽和蒸気状態、即ち、ほぼ過冷却度=0の状態
を検出できる。
【0112】次に、step14にて検知過冷却度SC
算出手段53により、配管温検出手段Tsensにより
検出した室内出口配管温度t1と室内入口配管温度t2
との出入口温度差Δt(=t2−t1)に、第3基準温
度差Δto3を減算することで、検知過冷却度SCを算
出する。
【0113】前記検知過冷却度SCのパルス式電動膨張
弁EVの開度比に対する特性は図11のグラフに示すよ
うに、室内熱交換器出口の冷媒過冷却度の特性と同傾向
を示す。
【0114】これ以降の制御は、実施例2のstep1
6〜step20と同一であるため詳細な説明を省略す
る。
【0115】以上のように本実施例のヒートポンプ式空
気調和機は、運転モード手段Modeにより冷房モード
を検出し、時間検出手段TMからの時間信号、及び配管
温検出手段Tsensにより検出した室内出口配管温度
t1と室内入口配管温度t2との温度信号を取り込み、
圧縮機1の運転中にパルス式電動膨張弁EVの開度比を
最適に制御するべく、圧縮機制御手段CMcnt、及び
膨張弁制御手段EVcntを制御させる第4制御手段C
nt4を備えているため、以下の効果が発揮される。
【0116】まず、室内入口配管温度と室内出口配管温
度の2温から室内熱交換器出口の正味の過冷却度を検知
できるので圧力センサを必要とせずコストダウンが図れ
るだけでなく、検知過冷却度の演算に要する基準温度差
に関して、所定時間後に基準温度差を演算する手段は、
運転状態や所定時間の大きさ次第では適正な基準温度差
となりえず過冷却度を正確に検出できない場合がある
が、前記出入口温度差変化量を検出することで、確実
に、飽和蒸気状態、即ち、ほぼ過冷却度=0の状態を検
出できるため、熱交換器の保有している性能は最大限に
発揮され得るという、理想状態に近い制御を実現可能と
なる。
【0117】(実施例5)次に、本発明の実施例5につ
いて図面を参照しながら説明するが、実施例4と同一構
成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略す
る。
【0118】図13は、本発明の実施例5によるヒート
ポンプ式空気調和機の暖房運転時の冷凍サイクル図及び
ブロック図を示している。図13中、黒抜き矢印は通常
の暖房運転時の冷媒の流動方向を示す。本実施例のヒー
トポンプ式空気調和機は、実施例1と同様に室外ユニッ
トAと、室内ユニットBとから構成されている。但し、
本実施例では実施例4の第4制御手段Cnt4に替わっ
て、第5制御手段Cnt5を備えている。
【0119】第5制御手段Cnt5は、運転モード手段
Modeより暖房モードを検出し、パルス式電動膨張弁
EVを全開pls0相当の100%に設定する膨張弁全
開開度比設定手段51と、時間検出手段TMより経過時
間τが第3所定時間Δτ3に達した時の出力信号を検出
した時点から、時間検出手段TMより運転開始から第4
所定時間Δτ4経過するまで、膨張弁制御手段EVcn
tよりパルス式電動膨張弁EVの開度を小さくしていく
膨張弁開度比減少設定手段77と、パルス式電動膨張弁
EVの前回開度での室内入口配管温度t2と室内出口配
管温度t1との出入口温度差Δtsを記憶する出入口温
度差記憶手段78と、パルス式電動膨張弁EVの現在開
度での出入口温度差Δtと前回開度での出入口温度差Δ
tsの差である出入口温度差変化量Δtm(=Δt−Δ
ts)を演算し、出入口温度差変化量Δtmと第2所定
温度差θ2との大小関係を比較する出入口温度差比較手
段79と、出入口温度差変化量Δtmが第2所定温度差
θ2以上であることを検出した場合に前回開度での出入
口温度差Δtsに第3所定温度差θ3を加算した結果を
第4基準温度差Δto4とする基準温度差Δto4算出
手段81と、基準温度差Δto4算出手段81、及び配
管温検出手段Tsensより検知過冷却度SCを算出す
る検知過冷却度SC算出手段53と、検知過冷却度SC
算出手段53より得られた検知過冷却度SCと、所定過
冷却度SC2記憶手段64に記憶されている第2所定過
冷却度SC2との大小関係を比較する過冷却度第2比較
手段66と、検知過冷却度SCと0との大小関係を比較
する過冷却度第3比較手段76と、過冷却度第2比較手
段66、及び過冷却度第3比較手段76の比較結果によ
って、pls2+Δpls2相当、pls2−Δpls
2相当、及び現状開度相当の各開度比設定を行う膨張弁
開度比設定手段58,59,60からなり、圧縮機1の
運転中にパルス式電動膨張弁EVの開度を最適に制御す
るべく、圧縮機制御手段CMcnt、及び膨張弁制御手
段EVcntを動作させるものである。
【0120】以上のように構成されたヒートポンプ式空
気調和機について、以下その動作を図14を用いて説明
する。
【0121】図14は本実施例の暖房運転時の制御内容
のフローチャートである。尚、step13を除くst
ep1からstep14については、実施例4と同一で
あるため詳細な説明を省略し、異なるstep13につ
いてのみ説明する。
【0122】Step13では、基準温度差Δto4算
出手段81により、前回開度での出入口温度差Δtsに
第3所定温度差θ3を加算した結果を第4基準温度差Δ
to4として、step14へ進む。
【0123】これにより、第4基準温度差Δto4を実
施例4で説明した第3基準温度差Δto3よりも大きく
することで、冷凍サイクルが安定状態に移行することに
よる室内入口配管温度t2と室内出口配管温度t1との
出入口温度差Δtの上昇にも対応でき、正確な過冷却度
SCを検出できるため、熱交換器の保有している性能は
最大限に発揮され得る。
【0124】以上のように本実施例のヒートポンプ式空
気調和機は、運転モード手段Modeにより冷房モード
を検出し、時間検出手段TMからの時間信号、及び配管
温検出手段Tsensにより検出した室内出口配管温度
t1と室内入口配管温度t2との温度信号を取り込み、
圧縮機1の運転中にパルス式電動膨張弁EVの開度比を
最適に制御するべく、圧縮機制御手段CMcnt、及び
膨張弁制御手段EVcntを制御させる第5制御手段C
nt5を備えているため、以下の効果が発揮される。
【0125】圧力センサを必要とせずコストダウンが図
れるだけでなく、冷凍サイクルが安定状態に移行するこ
とによる室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入
口温度差の上昇にも対応でき、正確な過冷却度を検出で
きるため、熱交換器の保有している性能は最大限に発揮
され得る。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、圧縮機と室外熱交換器と室外送風機とからなる室外
ユニットと、膨張弁と冷媒分流器と室内熱交換器と室内
送風機とからなる室内ユニットとから構成され、かつ前
記圧縮機,前記室内熱交換器,前記冷媒分流器,前記膨
張弁,前記室外熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管に
て環状に接続して冷媒を循環させる暖房サイクルにおい
て、前記膨張弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設
置した室内出口配管温センサと、前記室内熱交換器の入
口集合配管に設置した室内入口配管温センサと、前記室
内出口配管温センサ、及び前記室内入口配管温センサか
らの出力を温度信号に変換する配管温検出手段と、前記
暖房サイクルの運転モードを検出する運転モード検出手
段と、前記圧縮機の運転開始から所定時間が経過した時
に信号を出力する時間検出手段と、前記圧縮機の運転/
停止を行う圧縮機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を
行う膨張弁制御手段と、前記配管温検出手段と前記運転
モード検出手段と前記時間検出手段とからの信号をもと
に前記圧縮機制御手段と前記膨張弁制御手段とを制御す
る第1制御手段とを備え、前記第1制御手段は、前記運
転モード検出手段により暖房モードを検出した時に、前
記膨張弁制御手段により前記膨張弁を全開にさせて前記
圧縮機制御手段により前記圧縮機の運転を開始させ、そ
の後前記時間検出手段により前記圧縮機の運転開始から
第1所定時間経過したことを検知した時点での前記配管
温検出手段により検出した室内入口配管温度と室内出口
配管温度との出入口温度差に第1所定温度差を加算した
結果を第1基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転
継続中における前記配管温検出手段により検出した室内
入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差から
前記第1基準温度差を減算した結果を検知過冷却度とし
て、前記検知過冷却度が第1所定過冷却度以上になるま
で前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小さく
していき、前記検知過冷却度が前記第1所定過冷却度以
上になった時点での前記膨張弁の開度より第1所定開度
だけ大きい開度を求め、その求められた開度をその後の
前記膨張弁の開度にするよう構成したのである。
【0127】これにより、室内入口配管温度と室内出口
配管温度の2温から室内熱交換器出口の正味の過冷却度
を検知できるので圧力センサを必要とせずコストダウン
が図れ、且つ、凝縮器として機能する室内熱交換器出口
の冷媒過冷却度が大きく確保されることがなく、飽和蒸
気状態、即ち、ほぼ過冷却度=0の状態に近づけること
が可能となるため、熱交換器の保有している性能は最大
限に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実現可
能となる。
【0128】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明に加えて、圧縮機の運転開始から第1所定時間
よりも大なる第2所定時間経過した時点での室内入口配
管温度と室内出口配管温度との出入口温度差を前記第2
基準温度差とし、検知過冷却度の演算に用いる第1基準
温度差を第2基準温度差に置き換えるよう構成したので
ある。
【0129】これにより、室内入口配管温度と室内出口
配管温度の2温から室内熱交換器出口の正味の過冷却度
を検知できるので圧力センサを必要とせずコストダウン
が図れ、且つ、室内熱交換器入口と室内熱交換器出口と
の間の管内圧力損失に相当する冷媒の飽和温度差に生じ
る差異を補正することが可能となる。
【0130】即ち、圧縮機起動所定時間経過後の飽和温
度差と、その所定時間経過以降に膨張弁開度を小さくし
た時点での飽和温度差との間に生じる差異を、前記第2
基準温度差として更新することにより、室内熱交換器出
口の検知過冷却度を精度良く検出することが可能とな
る。
【0131】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の発明に加えて、膨張弁の開度設定後、検知過冷却度
が第1所定過冷却度より小なる第2所定過冷却度以上で
ある場合は前記膨張弁の開度を第2所定開度だけ大きく
設定するようにし、検知過冷却度が0より小さい場合は
前記膨張弁の開度を前記第2所定開度だけ小さく設定す
るようにしたものである。
【0132】これにより、室内入口配管温度と室内出口
配管温度の2温から室内熱交換器出口の正味の過冷却度
を検知できるので圧力センサを必要とせずコストダウン
が図れ、且つ、室内の暖房負荷に応じて変化する室内熱
交換器出口の冷媒過冷却度をほぼ0付近に収めるように
膨張弁の開度を制御できるために、暖房負荷が変動した
場合でも、熱交換器の保有している性能は最大限に発揮
され得るという、理想状態に近い制御を実現可能とな
る。
【0133】また、請求項4記載の発明は、圧縮機と室
外熱交換器と室外送風機とからなる室外ユニットと、膨
張弁と冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とからな
る室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前記
室内熱交換器,前記冷媒分流器,前記膨張弁,前記室外
熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続し
て冷媒を循環させる暖房サイクルにおいて、前記膨張弁
と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置した室内出口
配管温センサと、前記室内熱交換器の入口集合配管に設
置した室内入口配管温センサと、前記室内出口配管温セ
ンサ、及び前記室内入口配管温センサからの出力を温度
信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房サイクルの
運転モードを検出する運転モード検出手段と、前記圧縮
機の運転開始から所定時間経過した時に信号を出力する
時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止を行う圧縮機
制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う膨張弁制御手
段と、前記配管温検出手段と前記運転モード検出手段と
前記時間検出手段とからの信号をもとに前記圧縮機制御
手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第4制御手段と
を備え、前記第4制御手段は、前記運転モード検出手段
により暖房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手段
により前記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段に
より前記圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検出
手段により前記圧縮機の運転開始から第3所定時間経過
したことを検知した時点から、運転開始から第4所定時
間経過するまで前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の
開度を小さくしていき、前記膨張弁の現在開度での前記
配管温検出手段により検出した室内入口配管温度と室内
出口配管温度との出入口温度差から、前記膨張弁の前回
開度での前記配管温検出手段により検出した室内入口配
管温度と室内出口配管温度との前記出入口温度差を減じ
た出入口温度差変化量が第2所定温度差以上になるまで
前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小さくし
ていき、前記出入口温度差変化量が第2所定温度差以上
になった時、前記膨張弁の前回開度での前記出入口温度
差を前記第3基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運
転継続中における前記配管温検出手段により検出した室
内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差か
ら前記第3基準温度差を減算した結果を検知過冷却度と
して、前記検知過冷却度が第2所定過冷却度以上である
場合は前記膨張弁の開度を第2所定開度だけ大きく設定
するよう前記膨張弁制御手段を制御し、前記検知過冷却
度が0より小さい場合は前記膨張弁の開度を前記第2所
定開度だけ小さく設定するよう前記膨張弁制御手段を制
御し、前記検知過冷却度が0以上かつ前記第2所定過冷
却度未満の場合は前記膨張弁の開度を維持するように前
記膨張弁制御手段を制御するよう構成したものである。
【0134】これにより、室内入口配管温度と室内出口
配管温度の2温から室内熱交換器出口の正味の過冷却度
を検知できるので圧力センサを必要とせずコストダウン
が図れるだけでなく、検知過冷却度の演算に要する基準
温度差に関して、所定時間後に基準温度差を演算する手
段は、運転状態や所定時間の大きさ次第では適正な基準
温度差となりえず過冷却度を正確に検出できない場合が
あるが、前記出入口温度差変化量を検出することで、確
実に、飽和蒸気状態、即ち、ほぼ過冷却度=0の状態を
検出できるため、熱交換器の保有している性能は最大限
に発揮され得るこという、理想状態に近い制御を実現可
能となる。
【0135】また、請求項5記載の発明は、圧縮機と室
外熱交換器と室外送風機とからなる室外ユニットと、膨
張弁と冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とからな
る室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前記
室外熱交換器,前記膨張弁,前記冷媒分流器,前記室内
熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続し
て冷媒を循環させる暖房サイクルにおいて、前記膨張弁
と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置した室内出口
配管温センサと、前記室内熱交換器の入口集合配管に設
置した室内入口配管温センサと、前記室内出口配管温セ
ンサ、及び前記室内入口配管温センサからの出力を温度
信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房サイクルの
運転モードを検出する運転モード検出手段と、前記圧縮
機の運転開始から所定時間経過した時に信号を出力する
時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止を行う圧縮機
制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う膨張弁制御手
段と、前記配管温検出手段と前記運転モード検出手段と
前記時間検出手段とからの信号をもとに前記圧縮機制御
手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第5制御手段と
を備え、前記第5制御手段は、前記運転モード検出手段
により暖房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手段
により前記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段に
より前記圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検出
手段により前記圧縮機の運転開始から第3所定時間経過
したことを検知した時点から、運転開始から第4所定時
間経過するまで前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の
開度を小さくしていき、前記膨張弁の現在開度での前記
配管温検出手段により検出した室内入口配管温度と室内
出口配管温度との出入口温度差から、前記膨張弁の前回
開度での前記配管温検出手段により検出した室内入口配
管温度と室内出口配管温度との前記出入口温度差を減じ
た出入口温度差変化量が第2所定温度差以上になるまで
前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小さくし
ていき、前記出入口温度差変化量が第2所定温度差以上
になった時、前記膨張弁の前回開度での前記出入口温度
差に第3所定温度差を加算した結果を前記第4基準温度
差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における前記
配管温検出手段により検出した室内入口配管温度と室内
出口配管温度との出入口温度差から前記第4基準温度差
を減算した結果を検知過冷却度として、前記検知過冷却
度が第2所定過冷却度以上である場合は前記膨張弁の開
度を第2所定開度だけ大きく設定するよう前記膨張弁制
御手段を制御し、前記検知過冷却度が0より小さい場合
は前記膨張弁の開度を前記第2所定開度だけ小さく設定
するよう前記膨張弁制御手段を制御し、前記検知過冷却
度が0以上かつ前記第2所定過冷却度未満の場合は前記
膨張弁の開度を維持する構成したものである。
【0136】これにより、圧力センサを必要とせずコス
トダウンに図れるだけでなく、基準温度差を大きめにと
ることで冷凍サイクルが安定状態に移行することによる
室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差
の上昇にも対応でき、正確な過冷却度を検出できるた
め、熱交換器の保有している性能は最大限に発揮され得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるヒートポンプ式空気調和機の実施
例1の構成図
【図2】一般的な蒸気圧縮式ヒートポンプの冷凍サイク
ルの暖房COP比、室内出口過冷却度、出入口温度差の
膨張弁開度比を示す特性図
【図3】実施例1のヒートポンプ式空気調和機の暖房運
転時の動作を示すフローチャート
【図4】一般的な蒸気圧縮式ヒートポンプの冷凍サイク
ルの検知過冷却度SCの膨張弁開度比を示す特性図
【図5】本発明によるヒートポンプ式空気調和機の実施
例2の構成図
【図6】一般的な蒸気圧縮式ヒートポンプの冷凍サイク
ルの暖房COP比、室内出口過冷却度、出入口温度差の
膨張弁開度比を示す特性図
【図7】実施例2のヒートポンプ式空気調和機の暖房運
転時の動作を示すフローチャート
【図8】本発明によるヒートポンプ式空気調和機の実施
例3の構成図
【図9】実施例3のヒートポンプ式空気調和機の暖房運
転時の動作を示すフローチャート
【図10】本発明によるヒートポンプ式空気調和機の実
施例4の構成図
【図11】一般的な蒸気圧縮式ヒートポンプの冷凍サイ
クルの暖房COP比、室内出口過冷却度、出入口温度差
の膨張弁開度比を示す特性図
【図12】実施例4のヒートポンプ式空気調和機の冷房
運転時の動作を示すフローチャート
【図13】本発明によるヒートポンプ式空気調和機の実
施例5の構成図
【図14】実施例5のヒートポンプ式空気調和機の冷房
運転時の動作を示すフローチャート
【図15】従来例のヒートポンプ式空気調和機の冷凍シ
ステム図
【符号の説明】
1 圧縮機 3 室外熱交換器 4 室外送風機 5 冷媒分流器 7 室内熱交換器 8 室内送風機 A 室外ユニット B 室内ユニット Cnt1 第1制御手段 Cnt2 第2制御手段 Cnt3 第3制御手段 Cnt4 第4制御手段 Cnt5 第5制御手段 CMcnt 圧縮機運転制御手段 EVcnt 膨張弁制御手段 Mode 運転モード検出手段 Th1 室内出口配管温センサ Th2 室内入口配管温センサ TM 時間検出手段 Tsens 配管温検出手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機と室外熱交換器と室外送風機とから
    なる室外ユニットと、膨張弁と冷媒分流器と室内熱交換
    器と室内送風機とからなる室内ユニットとから構成さ
    れ、かつ前記圧縮機,前記室内熱交換器,前記冷媒分流
    器,前記膨張弁,前記室外熱交換器,前記圧縮機を順次
    冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる暖房サイ
    クルにおいて、 前記膨張弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置し
    た室内出口配管温センサと、前記室内熱交換器の入口集
    合配管に設置した室内入口配管温センサと、前記室内出
    口配管温センサ、及び前記室内入口配管温センサからの
    出力を温度信号に変換する配管温検出手段と、前記暖房
    サイクルの運転モードを検出する運転モード検出手段
    と、前記圧縮機の運転開始から所定時間が経過した時に
    信号を出力する時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停
    止を行う圧縮機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行
    う膨張弁制御手段と、前記配管温検出手段と前記運転モ
    ード検出手段と前記時間検出手段とからの信号をもとに
    前記圧縮機制御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する
    第1制御手段とを備え、 前記第1制御手段は、前記運転モード検出手段により暖
    房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手段により前
    記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段により前記
    圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検出手段によ
    り前記圧縮機の運転開始から第1所定時間経過したこと
    を検知した時点での前記配管温検出手段により検出した
    室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差
    に第1所定温度差を加算した結果を第1基準温度差と
    し、その後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管
    温検出手段により検出した室内入口配管温度と室内出口
    配管温度との出入口温度差から前記第1基準温度差を減
    算した結果を検知過冷却度として、前記検知過冷却度が
    第1所定過冷却度以上になるまで前記膨張弁制御手段に
    より前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記検知過冷
    却度が前記第1所定過冷却度以上になった時点での前記
    膨張弁の開度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、
    その求められた開度をその後の前記膨張弁の開度にする
    よう前記膨張弁制御手段を制御することを特徴とするヒ
    ートポンプ式空気調和機。
  2. 【請求項2】圧縮機と室外熱交換器と室外送風機とから
    なる室外ユニットと、膨張弁と冷媒分流器と室内熱交換
    器と室内送風機とからなる室内ユニットとから構成さ
    れ、かつ前記圧縮機,前記室内熱交換器,前記冷媒分流
    器,前記膨張弁,前記室外熱交換器,前記圧縮機を順次
    冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる暖房サイ
    クルにおいて、 前記膨張弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置し
    た室内出口配管温センサと、前記室内熱交換器の入口集
    合配管に設置した室内入口配管温センサと、前記室内出
    口配管温センサ、及び前記室内入口配管温センサからの
    出力を温度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房
    サイクルの運転モードを検出する運転モード検出手段
    と、前記圧縮機の運転開始から所定時間が経過した時に
    信号を出力する時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停
    止を行う圧縮機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行
    う膨張弁制御手段と、前記配管温検出手段と前記運転モ
    ード検出手段と前記時間検出手段とからの信号をもとに
    前記圧縮機制御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する
    第2制御手段とを備え、 前記第2制御手段は、前記運転モード検出手段により暖
    房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手段により前
    記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段により前記
    圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検出手段によ
    り前記圧縮機の運転開始から第1所定時間経過したこと
    を検知した時点での前記配管温検出手段により検出した
    室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差
    に第1所定温度差を加算した結果を第1基準温度差と
    し、その後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管
    温検出手段により検出した室内入口配管温度と室内出口
    配管温度との出入口温度差から前記第1基準温度差を減
    算した結果を検知過冷却度として、前記検知過冷却度が
    第1所定過冷却度以上になるまで前記膨張弁制御手段に
    より前記膨張弁の開度を小さくしていき、 前記時間検出手段により前記第1所定時間より大なる第
    2所定時間経過したことを検知した時点で、前記配管温
    検出手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配
    管温度との出入口温度差を前記第2基準温度差とし、そ
    の後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検出
    手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配管温
    度との出入口温度差から前記第2基準温度差を減算した
    結果を検知過冷却度として、前記検知過冷却度が第1所
    定過冷却度以上になるまで前記膨張弁制御手段により前
    記膨張弁の開度を小さくしていき、前記検知過冷却度が
    前記第1所定過冷却度以上になった時点での前記膨張弁
    の開度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、その求
    められた開度をその後の前記膨張弁の開度にするよう前
    記膨張弁制御手段を制御することを特徴とするヒートポ
    ンプ式空気調和機。
  3. 【請求項3】圧縮機と室外熱交換器と室外送風機とから
    なる室外ユニットと、膨張弁と冷媒分流器と室内熱交換
    器と室内送風機とからなる室内ユニットとから構成さ
    れ、かつ前記圧縮機,前記室内熱交換器,前記冷媒分流
    器,前記膨張弁,前記室外熱交換器,前記圧縮機を順次
    冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる暖房サイ
    クルにおいて、 前記膨張弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置し
    た室内出口配管温センサと、前記室内熱交換器の入口集
    合配管に設置した室内入口配管温センサと、前記室内出
    口配管温センサ、及び前記室内入口配管温センサからの
    出力を温度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房
    サイクルの運転モードを検出する運転モード検出手段
    と、前記圧縮機の運転開始から所定時間経過した時に信
    号を出力する時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止
    を行う圧縮機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う
    膨張弁制御手段と、前記配管温検出手段と前記運転モー
    ド検出手段と前記時間検出手段とからの信号をもとに前
    記圧縮機制御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第
    3制御手段とを備え、 前記第3制御手段は、前記運転モード検出手段により暖
    房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手段により前
    記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段により前記
    圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検出手段によ
    り前記圧縮機の運転開始から第1所定時間経過したこと
    を検知した時点での前記配管温検出手段により検出した
    室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差
    に第1所定温度差を加算した結果を第1基準温度差と
    し、その後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管
    温検出手段により検出した室内入口配管温度と室内出口
    配管温度との出入口温度差から前記第1基準温度差を減
    算した結果を検知過冷却度として、前記検知過冷却度が
    第1所定過冷却度以上になるまで前記膨張弁制御手段に
    より前記膨張弁の開度を小さくしていき、 前記時間検出手段により前記第1所定時間より大なる第
    2所定時間経過したことを検知した時点で、前記配管温
    検出手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配
    管温度との出入口温度差を前記第2基準温度差とし、そ
    の後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検出
    手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配管温
    度との出入口温度差から前記第2基準温度差を減算した
    結果を検知過冷却度として、前記検知過冷却度が第1所
    定過冷却度以上になるまで前記膨張弁制御手段により前
    記膨張弁の開度を小さくしていき、前記検知過冷却度が
    前記第1所定過冷却度以上になった時点での前記膨張弁
    の開度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、その求
    められた開度をその後の前記膨張弁の開度にし、 前記検知過冷却度が第2所定過冷却度以上である場合は
    前記膨張弁の開度を第2所定開度がけ大きく設定するよ
    う前記膨張弁制御手段を制御し、前記検知過冷却度が0
    より小さい場合は前記膨張弁の開度を前記第2所定開度
    がけ小さく設定するよう前記膨張弁制御手段を制御し、
    前記検知過冷却度が0以上かつ前記第2所定過冷却度未
    満の場合は前記膨張弁の開度を維持するように前記膨張
    弁制御手段を制御することを特徴とするヒートポンプ式
    空気調和機。
  4. 【請求項4】圧縮機と室外熱交換器と室外送風機とから
    なる室外ユニットと、膨張弁と冷媒分流器と室内熱交換
    器と室内送風機とからなる室内ユニットとから構成さ
    れ、かつ前記圧縮機,前記室内熱交換器,前記冷媒分流
    器,前記膨張弁,前記室外熱交換器,前記圧縮機を順次
    冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる暖房サイ
    クルにおいて、 前記膨張弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置し
    た室内出口配管温センサと、前記室内熱交換器の入口集
    合配管に設置した室内入口配管温センサと、前記室内出
    口配管温センサ、及び前記室内入口配管温センサからの
    出力を温度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房
    サイクルの運転モードを検出する運転モード検出手段
    と、前記圧縮機の運転開始から所定時間経過した時に信
    号を出力する時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止
    を行う圧縮機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う
    膨張弁制御手段と、前記配管温検出手段と前記運転モー
    ド検出手段と前記時間検出手段とからの信号をもとに前
    記圧縮機制御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第
    4制御手段とを備え、 前記第4制御手段は、前記運転モード検出手段により暖
    房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手段により前
    記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段により前記
    圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検出手段によ
    り前記圧縮機の運転開始から第3所定時間経過したこと
    を検知した時点から、運転開始から第4所定時間経過す
    るまで前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小
    さくしていき、 前記膨張弁の現在開度での前記配管温検出手段により検
    出した室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口
    温度差から、前記膨張弁の前回開度での前記配管温検出
    手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配管温
    度との前記出入口温度差を減じた出入口温度差変化量が
    第2所定温度差以上になるまで前記膨張弁制御手段によ
    り前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記出入口温度
    差変化量が第2所定温度差以上になった時、前記膨張弁
    の前回開度での前記出入口温度差を前記第3基準温度差
    とし、 その後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検
    出手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配管
    温度との出入口温度差から前記第3基準温度差を減算し
    た結果を検知過冷却度として、 前記検知過冷却度が第2所定過冷却度以上である場合は
    前記膨張弁の開度を第2所定開度だけ大きく設定するよ
    う前記膨張弁制御手段を制御し、前記検知過冷却度が0
    より小さい場合は前記膨張弁の開度を前記第2所定開度
    だけ小さく設定するよう前記膨張弁制御手段を制御し、
    前記検知過冷却度が0以上かつ前記第2所定過冷却度未
    満の場合は前記膨張弁の開度を維持するように前記膨張
    弁制御手段を制御することを特徴とするヒートポンプ式
    空気調和機。
  5. 【請求項5】圧縮機と室外熱交換器と室外送風機とから
    なる室外ユニットと、膨張弁と冷媒分流器と室内熱交換
    器と室内送風機とからなる室内ユニットとから構成さ
    れ、かつ前記圧縮機,前記室内熱交換器,前記冷媒分流
    器,前記膨張弁,前記室外熱交換器,前記圧縮機を順次
    冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる暖房サイ
    クルにおいて、 前記膨張弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置し
    た室内出口配管温センサと、前記室内熱交換器の入口集
    合配管に設置した室内入口配管温センサと、前記室内出
    口配管温センサ、及び前記室内入口配管温センサからの
    出力を温度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房
    サイクルの運転モードを検出する運転モード検出手段
    と、前記圧縮機の運転開始から所定時間経過した時に信
    号を出力する時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止
    を行う圧縮機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う
    膨張弁制御手段と、前記配管温検出手段と前記運転モー
    ド検出手段と前記時間検出手段とからの信号をもとに前
    記圧縮機制御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第
    5制御手段とを備え、 前記第5制御手段は、前記運転モード検出手段により暖
    房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手段により前
    記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段により前記
    圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検出手段によ
    り前記圧縮機の運転開始から第3所定時間経過したこと
    を検知した時点から、運転開始から第4所定時間経過す
    るまで前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小
    さくしていき、 前記膨張弁の現在開度での前記配管温検出手段により検
    出した室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口
    温度差から、前記膨張弁の前回開度での前記配管温検出
    手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配管温
    度との前記出入口温度差を減じた出入口温度差変化量が
    第2所定温度差以上になるまで前記膨張弁制御手段によ
    り前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記出入口温度
    差変化量が第2所定温度差以上になった時、前記膨張弁
    の前回開度での前記出入口温度差を第3所定温度差を加
    算した結果を前記第4基準温度差とし、 その後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検
    出手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配管
    温度との出入口温度差から前記第4基準温度差を減算し
    た結果を検知過冷却度として、 前記検知過冷却度が第2所定過冷却度以上である場合は
    前記膨張弁の開度を第2所定開度だけ大きく設定するよ
    う前記膨張弁制御手段を制御し、前記検知過冷却度が0
    より小さい場合は前記膨張弁の開度を前記第2所定開度
    だけ小さく設定するよう前記膨張弁制御手段を制御し、
    前記検知過冷却度が0以上かつ前記第2所定過冷却度未
    満の場合は前記膨張弁の開度を維持するように前記膨張
    弁制御手段を制御することを特徴とするヒートポンプ式
    空気調和機。
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