JPH10287967A - 真空蒸着装置及びそれを使用した成膜方法 - Google Patents

真空蒸着装置及びそれを使用した成膜方法

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JPH10287967A
JPH10287967A JP11351797A JP11351797A JPH10287967A JP H10287967 A JPH10287967 A JP H10287967A JP 11351797 A JP11351797 A JP 11351797A JP 11351797 A JP11351797 A JP 11351797A JP H10287967 A JPH10287967 A JP H10287967A
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vapor
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Masaru Segawa
勝 瀬川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空蒸着装置において、容器と基材との間に
配設された種々の防着材に蒸着材料の無効蒸気による付
着物が大量に付着し、これらを物理的に削り落とした
り、溶融したりして回収していたが、純度の点で再利用
できず、蒸着材料の利用効率が非常に低くなっていた。 【解決手段】 防着板の少なくとも容器に対向する部
分、及び、長手方向に沿って走行する防着テープを蒸着
材料と同一の材料により形成し、付着物をこれらの防着
板及び防着テープと共に回収し、蒸着材料として再利用
することにより、材料の利用効率が大幅に向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空槽内で蒸着材
料を溶融、蒸発させ基材に付着堆積させる真空蒸着装置
及びこれを使用した成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】基材表面に、これとは別種の材料を付着
させる手段として、蒸着工程が広く使用されている。基
材としては、ガラス板など板状のものを使用する場合も
あるが、例えば、包装材料、磁気記録媒体などの分野で
は、高分子フィルムを基材として蒸着が行われている。
高分子フィルムに蒸着を行う場合、基材となるフィルム
は、数千〜数万mの長さのものがロール状に巻かれたも
のであり、このロールを装置内にセットし、1ロールの
蒸着を連続して行うことが一般的である。
【0003】このようなフィルム基材に蒸着を行う場
合、フィルムの耐熱性が十分でない場合は、蒸着部分に
おいては、フィルム基材を冷却ロールに密着させること
が必要である。そして、この場合、冷却ロールに蒸着材
料が付着しないように、フィルム基材のエッジ部分を覆
うことが一般的である。また、例えば、フィルム基材に
磁性材料を付着させて磁気記録媒体を製造する場合に
は、電磁変換特性上の要求から、フィルム基材に対する
蒸発飛来粒子の入射角を規制しなくてはならず(これ
を、一般に斜方蒸着法という)、さらに、不適切部分へ
の蒸着を避けるために覆いを設けることが必要となる。
これらの覆いを通常マスク、例えば、防着マスク、防着
材(板)あるいは遮蔽材(板)などと称する。ルツボよ
り蒸発した材料は、基材上に付着すると同時に、これら
のマスク上にも不可避的に付着堆積してしまう。
【0004】このような冷却ロール及びマスクを備えた
蒸着装置を使用し、連続して長尺の基材への蒸着を行う
と、マスクへの付着物が大量となり、基材への蒸着が困
難となったり、付着物が落下したりなど、蒸着に支障を
来すため、連続的に蒸着を行うことのできる処理長には
限界がある。一方、磁気記録媒体の製造装置として使用
する場合は、無効蒸気の付着物が、全蒸発材料の85〜
90%をも占め、その結果、有効蒸気すなわち材料利用
効率は僅か10〜15%程度となってしまうという問題
がある。そこで、従来は、蒸着工程において、マスクへ
の付着物量が増加すると、いったん、装置内の真空を解
除し、常圧に戻し、また、ルツボの加熱も中断してから
真空槽を解放して付着物の除去を行っていた。この付着
物の除去を行うためには、各種のマスク表面から付着物
を物理的に削り落としたり、溶融したりすることが一般
的である。除去された付着物は前述したように大量であ
るため、これを回収して再度蒸着材料として使用するこ
とが望ましい。
【0005】しかし、付着物を再利用するためには、そ
の純度が重要であり、上述したように、物理的に削り落
とす又は溶融するなどの手段では、不純物の混入が避け
られないため、結局再利用できずに精錬業者へ非常に低
廉な価格で売却していることが現状である。特に、磁気
記録媒体を製造する場合は、蒸着材料として高価なコバ
ルト基の材料を使用するため、このような材料利用効率
の低さが製品の価格に反映し、製品の価格が大幅に上昇
してしまうという問題がある。さらに、上記の付着物の
除去作業をを定期的に行う必要があるため、その都度、
真空及び加熱の停止・再開を繰り返さねばならなかっ
た。これらの作業には多大の手間と時間が掛かり、その
結果、装置の稼働率、生産性の著しい低下を招いてお
り、これらも製品の価格上昇の要因となっている。
【0006】そこで、このような問題を解消するものと
して、最近、マスクの開口周縁部に沿って走行する帯状
の防着材、例えば、防着テープを使用し、付着物が一箇
所に滞留・成長することを防止した蒸着装置が提案され
ており、これにより無効蒸気の大量付着、堆積及び落下
問題が解決され、長時間連続して蒸着を行うことが可能
となり、生産性を向上させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな蒸着装置においても、付着した材料の再利用につい
ての問題は未だ解決されておらず、材料利用効率の向上
が依然として重要な課題となっている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解消し、マスクに付着した無効材料を再利用すべく
種々検討を重ねた結果、マスクを形成する材料として、
蒸発材料と同一の材料を使用すれば、付着した無効材料
ごとマスクを再利用することができるとの着想を得て、
本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、第1の本発明として、蒸着材料
を入れた容器から蒸発した粒子が堆積する基材と、前記
容器と前記基材との間に配設された防着材を備えた真空
蒸着装置の、前記防着材の少なくとも前記容器に対向す
る部分が、前記蒸着材料と同一の材料で構成されたもの
が提供される。さらに、第2の本発明として、長手方向
に沿って走行可能に配設された帯状の防着材が、前記蒸
着材料と同一の材料で構成されたものも提供される。上
記第1又は第2の本発明において、蒸着材料として磁性
材料を使用すると、磁気記録媒体の製造装置としての利
用が可能となる。
【0010】一方、第3の本発明として、蒸着材料を入
れた容器から蒸発した前記蒸着材料の粒子を基材に堆積
させるとともに、前記容器と基材との間に、防着材を備
えた真空蒸着装置を使用した成膜方法において、前記防
着材の少なくとも前記容器に対向する部分を、前記蒸着
材料と同一の材料で構成し、この防着材の前記蒸着材料
と同一の材料よりなる部分に付着堆積した前記蒸着材料
を、この防着材の前記蒸着材料と同一の材料よりなる部
分と共に回収し、蒸着材料として再利用する方法が提供
される。そして、第4の本発明として、蒸着材料を入れ
た容器から蒸発させた前記蒸着材料の粒子を基材に堆積
させるとともに、前記容器と基材との間に、長手方向に
沿って走行可能な防着材を備えた真空蒸着装置を使用し
た成膜方法において、前記帯状の防着材を、前記蒸着材
料と同一の材料で構成し、この防着材に付着堆積した前
記蒸着材料を、前記防着材と一緒に回収し、蒸着材料と
して再利用する方法も提供される。なお、上記第3又は
第4の本発明において、蒸着材料を磁性材料とすると、
磁気記録媒体の製造方法として利用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】上記の第1及び第2の本発明に係
る真空蒸着装置の好ましい実施の形態の構成を図1ない
し図4により説明する。この真空蒸着装置は、例えば、
磁性材料を基材であるフィルムに蒸着することにより磁
気記録媒体を製造するための装置である。図1におい
て、真空槽(図示せず)内に、基材用巻出しロール、基
材用巻取りロール(共に図示せず)、基材用ガイドロー
ル1、2及び冷却ロール3が各々配置され、これらのロ
ール間に基材であるフィルム4が巻回され、図に矢印で
示された方向に走行する。冷却ロール3の下方には蒸着
材料5を収容する容器、ここでは、ルツボ6が配置され
ており、蒸着材料5を図示しない加熱装置により加熱し
て、溶融、蒸発させることにより、フィルム4へ付着さ
せる。そして、ルツボ6の周囲、例えば、四方は蒸発材
料の装置内への飛散を防ぐために、マスクとしての防着
板41〜44(図1及び図2)によって囲まれている。
【0012】冷却ロール3の外周面両端部など、不適切
な領域に蒸着が行われるのを防ぐために、防着板となる
防着マスク(以下、単にマスクという)7が配設されて
いる。図4に示すように、マスク7は、冷却ロール3の
外周面に対向する湾曲面7fと、冷却ロール3の両端面
を覆う平面7g、7hから構成されており、湾曲面7f
には、フィルム4への蒸着領域に対応する開口7eが形
成されており、この開口7eの周縁部は、上述したフィ
ルム4の端部と冷却ロール3の端部との間を覆う領域7
a、7b、並びに、蒸発材料5のフィルム4への入射
角、成長角度を規制するための領域7c、7dとでなっ
ている。
【0013】マスク7の開口7eの左右両側縁部7a、
7b(図4)には、これらの面に密着しながら帯状の防
着材、例えば、防着テープ10、11が走行する。具体
的には、巻出しロール12、13(ロール13のみ図
示)から、それぞれ水冷ガイドロール14、15、1
6、17を経て、巻取りロール18、19(ロール19
のみ図示)へ巻回された防着テープ10、11がそれぞ
れ図中上から下へ走行する。そして、防着テープ10、
11が密着するマスク7の左右両側端部7a、7bの裏
面すなわち冷却ロール3に対向する面には、例えば、水
冷パイプ8が配設され、走行時の防着テープ10、11
を冷却する(図3)。この水冷パイプ8は、マスク7の
裏面ではなく、マスク7と防着テープ10、11との間
に配設することも可能であるが、防着テープ10、11
の走行性を考慮すると、裏面に配設した方が好ましい。
最も好ましいのは、水冷パイプを、マスク7の板厚内に
埋め込んだ水冷板マスクとすることである。
【0014】また、マスク7の開口7eの上縁7cに沿
う部分には、水冷ロール20が冷却ロール3の幅方向に
配設され、図1に示すように、防着テープ23が、巻出
しロール21からこの水冷ロール20を経て、巻取りロ
ール22まで走行する。さらに、マスク7の開口7eの
下縁7d近傍には、次第に大径となる4個の水冷ロール
24、25、26、27が互いに近接して配設され、こ
れらの水冷ロールの下方には水冷ガイドロール28、2
9並びにガイドロール30、31、32、巻出しロール
33及び巻取りロール34が配設されており、これらの
ロール間に防着テープ35が巻回され、図に矢印で示し
た方向に走行する。
【0015】そして、これらの4本の防着テープ10、
11、23、35によって囲まれた領域(図2の斜線で
示した領域)は、上述したマスク7の開口7eに略相当
する。すなわち、これらの4本の防着テープにより蒸発
材料5のフィルム4面への入射角度、成長角度が規制さ
れている。ところで、このマスク7の開口下縁7d近傍
は、マスク周縁部のうちでも最も高温に曝される領域で
あるため、防着テープ35と水冷ロール24〜27の接
触面積をできるだけ大きくとることが望ましい。したが
って水冷ロール24〜27の直径が大きいほど効果的で
あるが、防着テープ35には、上述したように蒸着領域
を限定する役割もあるため、開口下縁7dに最も近い水
冷ロール24の直径をあまり大きくすると蒸発材料の回
り込みが生じ、この役割を十分に果たすことができなく
なってしまう。したがって、複数の水冷ロール24〜2
7を配設し、その直径を順次増加させることによって、
防着テープ35との十分な接触面積を確保している。
【0016】なお、上記の構成においては、防着テープ
を冷却する機構の好適な例として、水冷ロールを使用し
た場合について記載したが、これに限定されるものでは
なく、20℃以下の冷媒、例えば、エチレングリコール
や液体窒素などを使用したものであればどのようなもの
でもよい。
【0017】また、このような防着テープ10、11、
23、35の走行速度については、各防着テープの冷却
温度、蒸着工程における基材、すなわちフィルム4の走
行速度、フィルム4へ成膜される蒸着材料の膜厚を決定
するルツボからの材料の蒸発量、各防着テープが許容す
る付着物量、あるいは蒸着装置の構成などにより決定さ
れるものであり、特に限定されるものではない。
【0018】第1の本発明の蒸着装置においては、マス
ク7及び防着板41〜44の少なくともルツボ6に対向
する部分が、蒸着材料5と同一の材料により形成されて
いる。すなわち、磁気記録媒体の製造を例にとると、蒸
着材料が例えばCoである場合には、マスク7及び防着
板41〜44の全体若しくはルツボ6に対向する部分を
Coにより形成する。ルツボ6に対向する部分のみをC
oで形成する手段としては、特に、限定されるものでは
ないが、例えば、他の材料により形成されたマスク7及
び防着板41〜44のルツボ6に対向する面(図示せ
ず)をCo箔で覆うことなどがあげられる。
【0019】第2の本発明の蒸着装置においては、帯状
の防着材すなわち防着テープ10、11、23、35を
蒸着材料5と同一の材料により形成する。すなわち、上
記と同様、蒸発材料がCoである場合には、各防着テー
プをCo箔により形成する。なお、防着テープとして耐
熱性の高いCo箔を使用する場合には、前述した防着テ
ープの冷却機構は必ずしも必要ではない。かかる蒸着装
置において、図示しない加熱装置によりルツボ6内の蒸
着材料5が溶融、蒸発して、フィルム4上に成膜される
とともに、水冷ガイドロール14〜17、28、29及
び水冷ロール20、24〜27、並びに水冷パイプ8に
各々冷却水が循環し、各防着テープ10、11、23、
35が冷却されながら、各々所定の速度で走行し、従
来、マスク7の開口7e周縁に付着していた蒸着材料
が、これらの防着テープの表面に付着する。マスク7の
開口周縁での防着テープの滞在時間は限られたものとな
るため、付着物が大きく成長して、その結果、落下する
ことが防止される。
【0020】なお、第1及び第2の本発明の蒸着装置
は、各々単独で実施することもできるが、勿論、同時に
実施することも可能である。すなわち、防着板及び防着
テープを共に、蒸着材料と同一の材料で形成してもよ
く、その場合、材料の利用効率は更に向上するため好ま
しい。
【0021】第3及び第4の本発明は、上記の第1及び
第2の本発明の蒸着装置を使用した成膜方法である。第
3の本発明は、第1の本発明の蒸着装置を使用してフィ
ルム4上に例えばCoを蒸着することにより、磁性膜を
成膜する際、Coにより形成されたマスク7及び防着板
41〜44に所定量の無効蒸気であるCoが堆積した時
点で、この堆積物をマスク7及び防着板41〜44と共
に回収して、Co蒸着材料として再利用するものであ
る。マスク7及び防着板41〜44と付着物とは同一の
材料であるため、不純物が混入することもない。なお、
マスク7及び防着板41〜44をCoで形成するのでは
なく、他の材料よりなる防着板をCo箔で覆って使用す
る場合は、このCo箔に付着したCo堆積物をCo箔と
共に防着板から剥して、再利用すればよい。
【0022】また、第4の本発明は、第2の本発明の蒸
着装置を使用してフィルム4上に、Coを蒸着する成膜
方法であり、Co箔により形成された防着テープ10、
11、23、35に無効蒸気としてのCoが付着した状
態で、順次巻取られていく。そして、この巻取られた防
着テープをそのまま回収して、蒸着材料として再利用す
る。この場合も、同様に、防着テープと付着物とは同一
の材料であるため、不純物の混入などを考慮することな
く使用することができる。なお、ここでは、マスク7の
開口周縁部に沿って4本の防着テープを冷却しながら走
行させる機構を有する蒸着装置について述べたが、本発
明の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、蒸
着材料の種類、装置の構成、蒸着条件などにより、防着
テープの本数や、蒸着材料と同一の材料よりなる防着テ
ープを設置する箇所などを適宜決定すればよい。すなわ
ち、無効蒸気の付着の特に激しい領域のみに、蒸着材料
と同一の材料よりなる防着テープを設置し、付着のそれ
ほど問題にならない領域は通常の材料よりなる防着テー
プを設置することもできる。
【0023】
【実施例】以下に示す実施例により、本発明を具体的に
説明する。図1ないし図4に示した蒸着装置において、
直径1000mm、幅300mmの冷却ロール3、幅2
80mmのフィルム4、幅300mmのルツボ6を用
い、フィルム4への成膜幅を250mmとし、ルツボ6
内の蒸着材料5の溶融、蒸発は出力100kw、90°
偏向のピアス型電子銃を使用し、ルツボ6付近には偏向
用マグネットを設置した。なお、マスク7及び防着板4
1〜44は厚さ5mmのステンレス製とし、防着板41
には、電子ビームの入射に必要な窓を設けた。この装置
を用いて以下の実験を行った。
【0024】<実験1>フィルム4として、厚さ5ミク
ロンのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム
を、蒸着材料として50kgの純Co(コバルト)を用
い、フィルムの走行速度100m/min、成膜厚さ
0.2ミクロンの条件で成膜を行った。この初期条件に
基づいて材料を蒸発させるために、ルツボ直上の材料蒸
気濃度を原子吸光式モニターで監視し、蒸発量を一定に
保持した。また、防着テープとして、厚さ0.2mmの
ステンレスフィルムを使用し、これらの防着テープを冷
却するための水冷ガイドロール若しくは水冷ロール及び
水冷パイプに冷水(0〜20℃)を5〜10[1/mi
n]で循環させた。この条件で、10000mの基材フ
ィルムに連続して成膜を行った。成膜後にルツボ6内に
残ったCoは約14kgであった。また、10000m
成膜されたフィルムと成膜前のフィルムの重量の差か
ら、成膜に使用されたCoは約3.8kgであることが
分かった。したがって、このときの材料利用効率は、
(3.8/36)×100=約11%であった。
【0025】<実験2>防着テープを、厚さ0.2mm
の純Co箔に替え、各防着板41〜44のルツボ6に対
向する面を各々同様の純Co箔で覆い、上記の実験1と
同様にして成膜を行った。成膜後に、防着テープ10、
11、23、35、並びに、防着板41〜44のCo箔
に付着した無効蒸気のCoの重さを成膜前のCo箔の重
さとの差から求めたところ、約30.5kgであった。
これらは、高純度であり、再利用可能なものであった。
これを再利用すると、材料の利用効率は、[3.8/
(36−30.5)]×100=約69%となることが
判った。これらの結果から、蒸着材料と同一の材料で形
成された防着板及び防着テープを付着物と共に回収し、
再利用することにより、材料利用効率が従来の約5〜6
倍に上昇するため、製品例えば磁気記録媒体の製造コス
トを大幅に低減することが可能となる。
【0026】
【発明の効果】以上詳細に説明したとおり、本発明によ
れば、真空蒸着装置の蒸着材料を入れた容器と、基材と
の間に配置された防着材の一部若しくは全部、あるい
は、長手方向に走行可能に配設された帯状防着材を、蒸
着材料と同一の材料により形成したので、蒸着材料の無
効蒸気による付着物を、この防着材若しくは帯状の防着
材と共に回収し、再利用することにより、蒸発材料の利
用効率が大幅に向上し、特に磁気記録媒体の製造に応用
すると、製品のコストを著しく低減できるため、極めて
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸着装置を冷却ロールの端面方向から
見た概念的構成図である。
【図2】図1の蒸着装置を冷却ロールの外周面の正面か
ら見た図である。
【図3】図1のマスク開口部の両側縁部における防着テ
ープの水冷機構を示す概念図である。
【図4】図1における冷却ロール及びマスクの斜視図で
ある。
【符号の説明】
1、2、30、31、32 ガイドロール 3 冷却ロール 4 基材(フィルム) 5 蒸着材料 6 ルツボ 7 マスク 7a、7b、7c、7d 開口周縁 7e 開口 8 冷水パイプ 10、11、23、35 帯状の防着材(防着テープ) 12、13、21、33 巻出しロール 14、15、16、17、28、29 水冷ガイドロー
ル 18、19、22、34 巻取りロール 20、24、25、26、27 水冷ロール 41〜44 防着板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸着材料を入れた容器から蒸発した粒子
    が堆積する基材と、前記容器と前記基材との間に配設さ
    れた防着材を備えた真空蒸着装置において、前記防着材
    の少なくとも前記容器に対向する部分が、前記蒸着材料
    と同一の材料で形成されていることを特徴とする真空蒸
    着装置。
  2. 【請求項2】 蒸着材料を入れた容器から蒸発した粒子
    が堆積する基材と、前記容器と前記基材との間に、長手
    方向に沿って走行可能に配設された帯状の防着材を備え
    た真空蒸着装置において、前記帯状の防着材が、前記蒸
    着材料と同一の材料で形成されていることを特徴とする
    真空蒸着装置。
  3. 【請求項3】 前記蒸着材料が磁性材料である、請求項
    1又は2記載の真空蒸着装置。
  4. 【請求項4】 蒸着材料を入れた容器から蒸発した前記
    蒸着材料の粒子を基材に堆積させるとともに、前記容器
    と基材との間に防着材を備えた真空蒸着装置を使用した
    成膜方法において、前記防着材の少なくとも前記容器に
    対向する部分を前記蒸着材料と同一の材料で構成し、こ
    の防着材の前記蒸着材料と同一の材料よりなる部分に付
    着堆積した前記蒸着材料を、この防着材の前記蒸着材料
    と同一の材料よりなる部分と共に回収し、前記蒸着材料
    として再利用することを特徴とする成膜方法。
  5. 【請求項5】 蒸着材料を入れた容器から蒸発した前記
    蒸着材料の粒子を基材に堆積させるとともに、前記容器
    と基材との間に、長手方向に沿って走行可能な防着材を
    備えた真空蒸着装置を使用した成膜方法において、前記
    帯状の防着材を、前記蒸着材料と同一の材料で構成し、
    この防着材に付着堆積した前記蒸着材料を、この防着材
    と共に回収し、前記蒸着材料として再利用することを特
    徴とする成膜方法。
  6. 【請求項6】 前記蒸着材料が磁性材料である、請求項
    4又は5記載の成膜方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100992304B1 (ko) 2008-08-29 2010-11-05 삼성전기주식회사 롤투롤타입의 박막패턴 형성장치
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