JPH10287299A - 人工衛星の姿勢制御装置 - Google Patents

人工衛星の姿勢制御装置

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JPH10287299A
JPH10287299A JP9096883A JP9688397A JPH10287299A JP H10287299 A JPH10287299 A JP H10287299A JP 9096883 A JP9096883 A JP 9096883A JP 9688397 A JP9688397 A JP 9688397A JP H10287299 A JPH10287299 A JP H10287299A
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JP
Japan
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attitude
thruster
wheel
control
optical sensor
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Application number
JP9096883A
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English (en)
Inventor
Norio Yonechi
寛夫 米地
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人工衛星に搭載される姿勢制御装置のホイー
ル制御系にスラスタ制御系を並列に付加することによ
り、推薬の消費を抑えつつ、大きなトルク発生能力を有
する定常姿勢制御装置を得ることを目的とする。 【解決手段】 人工衛星に搭載される姿勢制御装置のホ
イール制御系に並列にスラスタ制御系を付加し、大きな
トルク発生能力が必要となる場合には、ホイール制御系
とスラスタ制御系を同時併用し、制御トルクを発生させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、人工衛星の姿勢
制御装置、特に制御トルク発生装置としてリアクション
ホイールおよび/あるいはモーメンタムホイールならび
にスラスタを搭載した姿勢制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の技術では、スラスタによる姿勢制
御およびホイールによる姿勢制御は各々独立に使用され
ている。姿勢制御トルク発生装置は、従来より一般に外
力アクチュエータであるスラスタと、内力アクチュエー
タであるホイールが使用されている。スラスタは、一般
にホイールよりも大きなトルクを発生させることが可能
であるが、多量の推薬を使用するため、長期間にわたる
精度の良い定常運用には適さない。すなわち、スラスタ
制御系は、精度要求の低い運用、大きな姿勢変更を伴う
運用、あるいは大きな外乱トルクが発生する場合に対
し、短時間の運用に限って使用される。一方、ホイール
制御系は、内力トルク発生装置であることを利用して、
ホイールで外乱トルクを吸収することで姿勢を保持し、
蓄積された角運動量は磁気トルカ、スラスタなどの外力
トルク発生装置で効率的にホイールのアンローディング
を行う。以上のように、スラスタ制御系とホイール制御
系は使用環境に応じ、地上コマンドによりどちらか一方
を選択して使用される。
【0003】図11は、従来の姿勢制御装置実施例を示
すブロック図である。図において1は、姿勢制御装置の
光学センサ、2は、光学センサデータ処理装置、3は、
ホイール制御則演算装置、4は、ホイール駆動回路、5
は、ホイール、6は、レートジャイロ、7は、レートジ
ャイロデータ処理装置、8は、姿勢決定フィルタであ
る。磁気トルカ、あるいはスラスタ等を使用するホイー
ルのアンローディング方式は本発明において従来の姿勢
制御装置と同様に使用することが可能であり、本発明と
は関連しないため、省略している。
【0004】従来の姿勢制御装置において図11(a)
では、光学センサ1により検出した衛星姿勢の指向方向
を用いて光学センサデータ処理装置2において算出され
た指向誤差からホイール制御則演算装置3によりホイー
ルトルク指令値を算出する。ホイールトルク指令値はホ
イール駆動回路4を通して、ホイール5を駆動させ、制
御トルクを発生する。
【0005】一方従来の他の姿勢制御装置の図11
(b)では、姿勢決定フィルタ8において、レートジャ
イロ7の出力信号からレートジャイロデータ処理装置7
において算出された衛星の角速度をもとに、光学センサ
データ処理装置2において算出された指向誤差を校正に
使用し、姿勢角推定値および姿勢変化率推定値を算出す
る。これらの姿勢角推定値および姿勢変化率推定値よ
り、ホイール制御則演算装置3によりホイールトルク指
令値を算出し、ホイール駆動回路4を通して、ホイール
5を駆動させ、制御トルクを発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年人工衛星は、ミッ
ションの高度化によって制御精度を向上する必要が高ま
っている。この結果姿勢を制御するためには、制御ゲイ
ンを大きくとる必要が生じてくる。この場合、ホイール
制御系は一般に出力可能なトルクが小さいため、例えば
不測の事故等で姿勢が大きく目標から外れ、速やかなる
姿勢変更が必要な場合、姿勢制御に必要なトルクがホイ
ールのトルク発生能力に対して過大になる恐れがある。
このような場合、あるいは例えば軌道制御などにおい
て、大きい外乱トルクが生ずる場合には、ホイールが十
分なトルクを発生することができない。一方、姿勢制御
用スラスタは一般にホイールよりも大きなトルク発生能
力を持つが、スラスタを使用する場合には推薬を消費す
ることから、長期間の運用においてスラスタ制御による
高精度の姿勢制御を常時実施することは人工衛星の重量
を増加する必要を生じ、望ましくない。
【0007】そのため、従来の技術では、軌道制御スラ
スタの噴射等による高外乱や、姿勢の変更など、大きな
姿勢制御トルクを発生する必要があると予想される場合
には、地上から衛星に対して切換え指令を予め送信し、
ホイール制御系からスラスタ制御系への切換えを実施す
る必要がある。この場合、ホイール制御系の運用時には
不測の事故等による姿勢の大きな変動などに対しては即
座に対応できず、十分な制御トルクが発生できない故に
姿勢制御異常に陥るような問題が生じてくる。
【0008】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたものであり、通常運用時においてはホイール
制御系で運用しながら、同時にスラスタ制御トルク演算
を実施し、瞬時的に大きな制御トルクを必要とする場合
にのみ補助的にスラスタへの駆動指令を出す様に適切に
スラスタ制御系の駆動指令しきい値を設定することによ
り、推薬の消費を抑えつつ、必要に応じたトルク発生能
力を持つ定常姿勢制御装置を得ることを目的とする。
【0009】また、この発明は制御則切換ロジックによ
り姿勢角推定値および姿勢変化率推定値に対し判定基準
を設け、ホイール制御系が対応できない姿勢状況とと判
定した場合には瞬時的にスラスタ制御系により制御トル
クを発生することにより、推薬の消費を抑えつつ、必要
に応じたトルク発生能力を持つ定常姿勢制御装置を得る
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明による人工衛
星の姿勢制御装置は、指向誤差角を光学センサにより検
出し、ホイール制御系の出力が不足する姿勢変動に対し
しきい値を持つスラスタ制御系を並列に動作するように
構成したものである。
【0011】また、第2の発明による人工衛星の姿勢制
御装置は、姿勢決定フィルタにより姿勢角推定値および
姿勢角変化率推定値を算出し、ホイール制御系の出力が
不足する姿勢角推定値および姿勢角変化率推定値の組合
せに対ししきい値を持つスラスタ制御系を並列に動作す
るように構成したものである。
【0012】また、第3の発明による人工衛星の姿勢制
御装置は、指向誤差角を光学センサにより検出し、制御
則切換ロジックにより、ホイール制御系の出力が不足す
る指向誤差角を判定しスラスタ制御系に切り換えるよう
に構成したものである。
【0013】また、第4の発明による人工衛星の姿勢制
御装置は、姿勢決定フィルタにより姿勢角推定値および
姿勢角変化率推定値を算出し、制御則切換ロジックによ
り、ホイール制御系の出力が不足する姿勢角推定値を判
定しスラスタ制御系に切り換えるように構成したもので
ある。
【0014】また、第5の発明による人工衛星の姿勢制
御装置は、姿勢決定フィルタにより姿勢角推定値および
姿勢角変化率推定値を算出し、制御則切換ロジックによ
り、ホイール制御系の出力が不足する姿勢角推定値およ
び姿勢角変化率推定値の組合せを判定しスラスタ制御系
に切り換えるように構成したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は実施の形態1を示すブロッ
ク図、図2は実施の形態2を示すブロック図、図3は実
施の形態3を示すブロック図、図4は実施の形態4を示
すブロック図、図5は実施の形態5を示すブロック図で
ある。上記図1から図5において1から8は、上記従来
装置と全く同一のものである。9は、スラスタ制御則演
算装置、10は、バルブ駆動回路、11は、スラスタ、
12は、制御則切換ロジックである。
【0016】実施の形態1.実施の形態1では、図1の
ように構成された人工衛星の姿勢制御装置において、従
来装置と同様に光学センサデータ処理装置2の出力信号
に応じた制御トルクを算出するホイール制御則演算装置
3を通したあと、ホイール駆動回路4によってホイール
5を駆動し、制御トルクを発生する。同時に光学センサ
データ処理装置2の出力信号である指向誤差角に応じた
スラスタ駆動指令を算出するスラスタ制御則演算装置9
を通したあと、バルブ駆動回路10によってスラスタ1
1を噴射し、制御トルクを発生する。スラスタ制御則演
算装置9にはトルク指令値に対するしきい値を設けてお
り、このしきい値により、ホイール5のトルク発生能力
に比較して、大きな出力トルクが必要な場合のみにスラ
スタ11を噴射させる。
【0017】上記のように構成された人工衛星の姿勢制
御装置の動作について説明する。ホイール制御系では、
光学センサ1により検出された指向誤差角から、制御ト
ルク量を算出し、ホイール5により姿勢制御を実施す
る。スラスタ制御系では、光学センサ1により検出され
た指向誤差角から、制御量を算出する。
【0018】ホイール制御系はほぼ連続的に指令値に比
例したトルクを発生することができるが、そのトルク発
生能力はスラスタ制御系に比較して一般に非常に小さ
い。一方、スラスタ制御系はスラスタ11の出力を連続
的に変化させることが困難であるため、ヒステリシスを
設けることにより指向誤差角に対してしきい値を持た
せ、あるデッドバンドの範囲内に姿勢を保持する制御を
行う。図6はスラスタ制御則演算装置9を示すブロック
図である。13は、制御ゲイン、14は、構造安定化フ
ィルタ、15は、スラスタ駆動パタンを決定するスラス
タ駆動フィルタ、16は、ヒステリシスである。スラス
タ駆動コマンドを出力する姿勢変動のしきい値は、ヒス
テリシスh1に比例し、制御ゲインK1に反比例する。
【0019】実施の形態1は、上記のホイール制御系と
スラスタ制御系の特性の違いを利用し、スラスタ制御系
のゲインおよびヒステリシスを適切な値に設定すること
により、ホイールにより制御可能な微小な姿勢変動に対
してはホイール制御系による制御トルクのみを使用し、
ホイール制御系の出力トルクが不足する場合にスラスタ
による制御トルクを補助的に付加することによりホイー
ルの制御トルク発生能力を自動的かつ瞬時的に補完する
ものである。
【0020】実施の形態2.実施の形態2では、図2の
ように構成された人工衛星の姿勢制御装置において、姿
勢決定フィルタ8の出力信号である姿勢角推定値および
姿勢変化率推定値に応じた制御トルクを算出するホイー
ル制御則演算装置3を通したあと、ホイール駆動回路4
によってホイール5を駆動させ、制御トルクを発生す
る。同時に姿勢決定フィルタ8の出力信号である姿勢角
推定値および姿勢変化率推定値に応じたスラスタ駆動指
令を算出するスラスタ制御則演算装置9を通したあと、
バルブ駆動回路10によってスラスタ11を噴射させ、
制御トルクを発生する。スラスタ制御則演算装置9には
トルク指令値に対するしきい値を設けており、このしき
い値により、ホイール5のトルク発生能力に比較して、
大きな出力トルクが必要な場合のみにスラスタ11を噴
射させる。
【0021】上記のように構成された人工衛星の姿勢制
御装置の動作について説明する。ホイール制御系では、
姿勢決定フィルタ8において算出される姿勢角推定値お
よび姿勢変化率推定値から、制御トルク量を算出し、ホ
イール5により姿勢制御を実施する。スラスタ制御系で
は、光学センサ1により検出された指向誤差角、あるい
は姿勢決定フィルタ8において算出される姿勢角推定値
および姿勢変化率推定値から、制御量を算出する。スラ
スタ制御系のゲインおよびヒステリシスを適切な値に設
定することにより、実施の形態1と同様にホイール制御
系とスラスタ制御系の特性の違いを利用して、ホイール
により制御可能な微小な姿勢変動に対してはホイール制
御系による制御トルクのみを使用し、ホイール制御系の
出力トルクが不足する場合にスラスタによる制御トルク
を補助的に付加することによりホイールの制御トルク発
生能力を自動的かつ瞬時的に補完するものである。
【0022】実施の形態3.実施の形態3では、図3の
ように構成された人工衛星の姿勢制御装置において、制
御則切換ロジック12は、指向誤差角に対してしきい値
を設け、ホイール制御系またはスラスタ制御系のいずれ
かを自動的に選択する。指向誤差角がしきい値以内であ
る場合には、ホイール制御系を選択し、従来の装置と同
じ機能になる。指向誤差角がしきい値以上となる場合に
はスラスタ制御系を選択し、スラスタ制御則演算装置9
で算出されるスラスタ駆動指令によって、バルブ駆動回
路10を通してスラスタ11を噴射させ、制御トルクを
発生する。このとき、ホイール制御則演算装置12は、
制御則切換時の蓄積角運動量を保持するように動作し、
ホイール制御トルクは発生しない。図7は制御則切換ロ
ジックの原理を示すブロック図である。17は、切換判
定ゲイン、18は、ヒステリシスを示す。姿勢変動量と
して指向誤差角を設定する。姿勢変動量のしきい値はヒ
ステリシスh2に比例し、切換判定ゲインK2に反比例
する。
【0023】上記のように構成された人工衛星の姿勢制
御装置の動作について説明する。従来のホイール制御系
に対しトルク発生能力のより大きいスラスタ制御系を並
列に配置し、光学センサ1により検出された指向誤差角
から、姿勢変更あるいは姿勢保持に使用すべきアクチュ
エータ(ホイール5又はスラスタ11)を判定し、ホイ
ールで制御可能であるような必要制御トルクが小さい微
小な姿勢変動ではホイール制御系を使用し、ホイールの
出力トルクを超えるような大きな制御トルクが必要とな
る場合にはスラスタ制御系を使用するように自動的かつ
瞬時的に切り換えることにより、制御量に応じた制御ト
ルクを発生するものである。
【0024】実施の形態4.実施の形態4では、図4の
ように構成された人工衛星の姿勢制御装置において、制
御則切換ロジック12は、姿勢角推定値に対してしきい
値を設け、ホイール制御系またはスラスタ制御系のいず
れかを自動的に選択する。姿勢角推定値がしきい値以内
である場合には、ホイール制御系を選択し、従来の装置
と同じ機能になる。姿勢角推定値がしきい値以上となる
場合にはスラスタ制御系を選択し、スラスタ制御則演算
装置9で算出されるスラスタ駆動指令によって、バルブ
駆動回路10を通してスラスタ11を噴射させ、制御ト
ルクを発生する。このとき、ホイール制御則演算装置1
2は、制御則切換時の蓄積角運動量を保持するように動
作し、ホイール制御トルクは発生しない。
【0025】上記のように構成された人工衛星の姿勢制
御装置の動作について説明する。従来のホイール制御系
に対しトルク発生能力のより大きいスラスタ制御系を並
列に配置し、姿勢決定フィルタにおいて算出される姿勢
角推定値から、姿勢変更あるいは姿勢保持に使用すべき
アクチュエータを判定し、ホイールで制御可能であるよ
うな必要制御トルクが小さい微小な姿勢変動ではホイー
ル制御系を使用し、ホイールの出力トルクを超えるよう
な大きな制御トルクが必要となる場合にはスラスタ制御
系を使用するように自動的かつ瞬時的に切り換えること
により、制御量に応じた制御トルクを発生するものであ
る。
【0026】実施の形態5.実施の形態5では、図5の
ように構成された人工衛星の姿勢制御装置において、制
御則切換ロジック12は、姿勢角推定値および姿勢変化
率推定値に基づいてホイール制御系またはスラスタ制御
系のいずれかを自動選択する。ホイール制御系を選択し
た場合は、従来の装置と同じ機能になる。スラスタ制御
系を選択した場合はスラスタ制御則演算装置9で算出さ
れるスラスタ駆動指令によって、バルブ駆動回路10を
通してスラスタ11を噴射させ、制御トルクを発生す
る。このとき、ホイール制御則演算装置12は、制御則
切換時の蓄積角運動量を保持するように動作し、ホイー
ル制御トルクは発生しない。
【0027】上記のように構成された人工衛星の姿勢制
御装置の動作について説明する。従来のホイール制御系
に対しトルク発生能力のより大きいスラスタ制御系を並
列に配置し、姿勢決定フィルタにおいて算出される姿勢
角推定値および姿勢変化率推定値の組合せから、姿勢変
更あるいは姿勢保持に使用すべきアクチュエータを判定
し、ホイールで制御可能であるような必要制御トルクが
小さい微小な姿勢変動ではホイール制御系を使用し、ホ
イールの出力トルクを超えるような大きな制御トルクが
必要となる場合にはスラスタ制御系を使用するように自
動的かつ瞬時的に切り換えることにより、制御量に応じ
た制御トルクを発生するものである。
【0028】図8はこの発明による姿勢制御装置の挙動
の概念図である。図8(a)は姿勢変動が小さい場合の
姿勢制御装置の挙動である。5は、ホイール、11は、
スラスタを示す。衛星姿勢はホイールの回転の加減速に
よる反作用トルクにより制御される。図8(b)は姿勢
変動が大きい場合の姿勢制御装置の挙動である。衛星姿
勢はスラスタの噴射による反作用トルクにより制御され
る。
【0029】この発明の実施の形態1および実施の形態
2によれば、図9に示すように、従来装置におけるホイ
ール制御系に対してスラスタ制御系を同時に作用させる
ことにより制御トルク発生能力を増加し、例えば高外乱
や大きな姿勢誤差からの応答などの、ホイールが十分な
トルクを発生できないような条件下において、スラスタ
のトルク出力によって自動的に補完することができる。
スラスタ制御系は出力トルクにしきい値を持っており、
例えば高外乱の条件下、あるいは姿勢の速やかな変更が
必要な場合などの、大きなトルク出力が必要な場合のみ
に出力を限定し、しきい値以下のトルク出力はホイール
制御系のみで制御する。すなわち、スラスタ制御系の出
力を同時併用することにより、大きなトルク出力を必要
とする姿勢修正あるいは姿勢変更から、ホイール制御系
のみによる精度の良い定常状態の姿勢制御まで連続的に
幅広く対応することが可能であり、かつ、推薬の消費を
極力抑えることが可能である。
【0030】この発明の実施の形態3、実施の形態4お
よび実施の形態5によれば、図10に示すように、従来
装置におけるホイール制御系と、制御トルク発生能力の
より大きいスラスタ制御系との間で、姿勢変動に応じた
アクチュエータの自動選択を行う。すなわち、例えば不
測の大きな姿勢変動、あるいは、姿勢変更に対し、必要
に応じてスラスタ制御系を自動的に選択し、通常の高精
度、低外乱の条件下ではホイール制御系で制御する。す
なわち、スラスタ制御系による、大きなトルク出力が要
求される姿勢修正あるいは姿勢変更から、ホイール制御
系による精度の良い定常状態の姿勢制御まで連続的に幅
広く対応することが可能であり、かつ、推薬の消費を極
力抑えることが可能である。
【0031】
【発明の効果】第1、第2の発明は、通常運用時におい
てはホイール制御系で運用しながら、同時にスラスタ制
御トルク演算を実施し、瞬時的に大きな制御トルクを必
要とする場合にのみ補助的にスラスタへの駆動指令を出
す様に適切にスラスタ制御系の駆動指令しきい値を設定
することにより、推薬の消費を抑えつつ、必要に応じた
トルク発生能力を持つ姿勢制御装置を提供することがで
きる。
【0032】また、第3、第4および第5の発明は、制
御則切換ロジックにより姿勢角推定値および姿勢変化率
推定値に対し判定基準を設け、ホイール制御系が対応で
きない姿勢状況と判定した場合には瞬時的にスラスタ制
御系により制御トルクを発生することにより、推薬の消
費を抑えつつ、必要に応じたトルク発生能力を持つ姿勢
制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による人工衛星の姿勢制御装置の実
施の形態1を示すブロック図である。
【図2】 この発明による人工衛星の姿勢制御装置の実
施の形態2を示すブロック図である。
【図3】 この発明による人工衛星の姿勢制御装置の実
施の形態3を示すブロック図である。
【図4】 この発明による人工衛星の姿勢制御装置の実
施の形態4を示すブロック図である。
【図5】 この発明による人工衛星の姿勢制御装置の実
施の形態5を示すブロック図である。
【図6】 スラスタ制御則演算装置を示すブロック図で
ある。
【図7】 この発明の制御則切換ロジックを示すブロッ
ク図である。
【図8】 この発明による姿勢変動量が小さい場合と大
きい場合の姿勢制御装置の挙動を示す概念図である。
【図9】 この発明の実施の形態1および実施の形態2
に対応するスラスタ制御系の出力とホイール制御系の出
力の模式図を示したものである。
【図10】 この発明の実施の形態3、実施の形態4お
よび実施の形態5スラスタ制御系の出力とホイール制御
系の出力の模式図を示したものである。
【図11】 従来の姿勢制御装置を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 光学センサ、2 光学センサデータ処理装置、3
ホイール制御則演算装置、4 ホイール駆動回路、5
ホイール、6 レートジャイロ、7 レートジャイロデ
ータ処理装置、8 姿勢決定フィルタ、9 スラスタ制
御則演算装置、10 バルブ駆動回路、11 スラス
タ、12 制御則切換ロジック、13 制御ゲイン、1
4 安定化フィルタ、15 スラスタ駆動フィルタ、1
6 ヒステリシス、17 切換判定ゲイン、18 ヒス
テリシス。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人工衛星の姿勢制御装置において、衛星
    姿勢の指向方向を検出する光学センサ、上記光学センサ
    の出力信号から指向誤差角を算出する光学センサデータ
    処理装置、上記光学センサデータ処理装置の出力する指
    向誤差角に応じたホイールトルク指令値を算出するホイ
    ール制御則演算装置、ホイール駆動回路、ホイール、上
    記光学センサデータ処理装置の指向誤差角に応じたスラ
    スタ駆動指令値を算出するスラスタ制御則演算装置、ス
    ラスタ駆動回路、スラスタとを具備し、ホイール制御系
    とスラスタ制御系を同時に動作させ、トルク出力要求の
    小さい場合はホイールのみで制御し、大出力が必要な場
    合はスラスタによりトルク出力を自動的に補完すること
    により、姿勢を保持あるいは変更する機能を備えたこと
    を特徴とする人工衛星の姿勢制御装置。
  2. 【請求項2】 人工衛星の姿勢制御装置において、衛星
    姿勢の指向方向を検出する光学センサ、上記光学センサ
    の出力信号から指向誤差角を算出する光学センサデータ
    処理装置、レートジャイロ、上記レートジャイロの出力
    信号から角速度を算出するレートジャイロデータ処理装
    置、上記角速度および指向誤差角から姿勢角推定値およ
    び姿勢変化率推定値を算出する姿勢決定フィルタ、姿勢
    変動量に応じたホイールトルク指令値を算出するホイー
    ル制御則演算装置、ホイール駆動回路、ホイール、上記
    光学センサデータ処理装置の指向誤差角に応じたスラス
    タ駆動指令値を算出するスラスタ制御則演算装置、スラ
    スタ駆動回路、スラスタとを具備し、ホイール制御系と
    のスラスタ制御系を同時に動作させ、トルク出力要求の
    小さい場合はホイールのみで制御し、大出力が必要な場
    合はスラスタによりトルク出力を自動的に補完すること
    により、姿勢を保持あるいは変更する機能を備えたこと
    を特徴とする人工衛星の姿勢制御装置。
  3. 【請求項3】 人工衛星の姿勢制御装置において、衛星
    姿勢の指向方向を検出する光学センサ、上記光学センサ
    の出力信号から指向誤差角を算出する光学センサデータ
    処理装置、上記指向誤差角によりホイール制御則とスラ
    スタ制御則を自動的に切り換える制御則切換ロジック、
    上記光学センサデータ処理装置の出力する指向誤差角に
    応じたホイールトルク指令値を算出するホイール制御則
    演算装置、ホイール駆動回路、ホイール、上記光学セン
    サデータ処理装置の指向誤差角に応じたスラスタ駆動指
    令値を算出するスラスタ制御則演算装置、スラスタ駆動
    回路、スラスタとを具備し、上記指向誤差角によって制
    御則を自動的に切り換え、指向誤差角が小さい場合には
    ホイール制御系を使用し、指向誤差角が大きい場合には
    スラスタ制御系を使用して姿勢を保持あるいは変更する
    機能を備えたことを特徴とする人工衛星の姿勢制御装
    置。
  4. 【請求項4】 人工衛星の姿勢制御装置において、衛星
    姿勢の指向方向を検出する光学センサ、上記光学センサ
    の出力信号から指向誤差角を算出する光学センサデータ
    処理装置、レートジャイロ、上記レートジャイロの出力
    信号から角速度を算出するレートジャイロデータ処理装
    置、上記角速度および指向誤差角から姿勢角推定値およ
    び姿勢変化率推定値を算出する姿勢決定フィルタ、上記
    姿勢角推定値によりホイール制御則とスラスタ制御則を
    自動的に切り換える制御則切換ロジック、上記姿勢角推
    定値および姿勢変化率推定値に応じたホイールトルク指
    令値を算出するホイール制御則演算装置、ホイール駆動
    回路、上記光学センサデータ処理装置の指向誤差角に応
    じたスラスタ駆動指令を算出するスラスタ制御則演算装
    置、スラスタ駆動回路、スラスタとを具備し、上記姿勢
    角推定値によって制御則を自動的に切り換え、指向誤差
    角が小さい場合にはホイール制御系を使用し、指向誤差
    角が大きい場合にはスラスタ制御系を使用して姿勢を保
    持あるいは変更する機能を備えたことを特徴とする人工
    衛星の姿勢制御装置。
  5. 【請求項5】 人工衛星の姿勢制御装置において、衛星
    姿勢の指向方向を検出する光学センサ、上記光学センサ
    の出力信号から指向誤差角を算出する光学センサデータ
    処理装置、レートジャイロ、上記レートジャイロの出力
    信号から角速度を算出するレートジャイロデータ処理装
    置、上記角速度および指向誤差角から姿勢角推定値およ
    び姿勢変化率推定値を算出する姿勢決定フィルタ、上記
    姿勢角推定値および姿勢変化率推定値に基づきホイール
    制御則とスラスタ制御則を自動的に切り換える制御則切
    換ロジック、上記姿勢角推定値および姿勢変動量に応じ
    たホイールトルク指令値を算出するホイール制御則演算
    装置、ホイール駆動回路、上記光学センサデータ処理装
    置の指向誤差角に応じたスラスタ駆動指令を算出するス
    ラスタ制御則演算装置、スラスタ駆動回路、スラスタと
    を具備し上記姿勢角推定値および姿勢変化率推定値によ
    って制御則を自動的に切り換え、指向誤差角が小さい場
    合にはホイール制御系を使用し、指向誤差角が大きい場
    合にはスラスタ制御系を使用して姿勢を保持あるいは変
    更する機能を備えたことを特徴とする人工衛星の姿勢制
    御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008179194A (ja) * 2007-01-23 2008-08-07 Mitsubishi Electric Corp 人工衛星の姿勢制御装置
JP2013184537A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Mitsubishi Electric Corp アクチュエータ駆動装置
CN113306748A (zh) * 2021-06-21 2021-08-27 中国科学院微小卫星创新研究院 一种用于小型高轨卫星公用平台的推进系统

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