JPH10283916A - 電子管用ゲッタ装置およびそれを用いた電子管 - Google Patents

電子管用ゲッタ装置およびそれを用いた電子管

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JPH10283916A
JPH10283916A JP9266697A JP9266697A JPH10283916A JP H10283916 A JPH10283916 A JP H10283916A JP 9266697 A JP9266697 A JP 9266697A JP 9266697 A JP9266697 A JP 9266697A JP H10283916 A JPH10283916 A JP H10283916A
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JP
Japan
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getter
electron tube
hydrogen
powder
alloy
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JP9266697A
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Tadaki Okai
忠毅 岡井
Shoji Nakayama
昭二 中山
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Common Detailed Techniques For Electron Tubes Or Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 含浸型陰極を用いた大型電子管やCDT等の
管内雰囲気を、容易にかつ再現性よく適切な還元性雰囲
気とすることができる電子管用ゲッタ装置が求められて
いる。 【解決手段】 金属製のゲッタ容器内2に、Ba−Al
合金粉末とNi粉末とを含むゲッタ材3を充填した電子
管用ゲッタ装置1であり、ゲッタ材3中にZr−Ni系
水素吸蔵合金等の合金型水素放出構体を含有させる。合
金型水素放出構体は、バルクゲッタ特性を有することが
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精細ディスプレ
イ管等に使用される電子管用ゲッタ装置、およびそれを
用いた電子管に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、例えば民生用テレビの分野におい
ては、32インチから37インチ程度の大型テレビが普及し
つつある。このような大型テレビに使用される大型電子
管や、カラーディスプレイ用電子管(CDT)等におい
ては、高品位化を満たすために高精細化・高解像度化が
進められている。そのため、大型電子管やCDTの陰極
には、酸化物陰極に代って電流密度の高い含浸型陰極が
使用されるようになってきている。
【0003】ところで、上述した含浸型陰極はイオン衝
撃に弱く、管内雰囲気中の還元性ガスに対する酸化性ガ
ス比やAr、N2 等の分圧が高いと、電子管を動作させ
た際に含浸型陰極の表面に悪影響を及して、部分的に電
子放出が起きなくなるというような不具合が生じる。こ
のように、高電流密度で高精細なディスプレイ管等にお
いては、管内雰囲気が酸化性ガスの少ない還元性雰囲気
でないと画面の映りや寿命が低下するという問題があ
る。そこで、電子管の動作前に、ゲッタ装置を用いて不
要なガスを十分に除去する必要がある。
【0004】電子管に用いられる一般的なゲッタ装置
は、例えばステンレス等からなる金属製のゲッタ容器内
に、Ba−Al合金粉末とNi粉末との混合粉末からな
るゲッタ材を充填したものであり、通常、排気・封止さ
れた電子管内の所定の位置に配設される。そして、高周
波誘導加熱等の外部から加熱によりBaを気化(ゲッタ
フラッシュ)させ、管内壁にBaゲッタ膜を形成するも
のである。
【0005】しかしながら、Baゲッタも万能ではな
く、不活性ガス等吸着しないガスも存在することから、
含浸型陰極を使用した高品位の大型電子管やCDTの製
造工程においては、Baゲッタが通常では吸着しないガ
スをイオン化させ、Baゲッタが吸着しやすい状態にす
る工程や、含浸型陰極表面のガス被毒を改善するための
エージング工程等を実施している。含浸型陰極を使用し
た電子管は、上記したような工程を実施しているため
に、従来の酸化物陰極を用いた電子管に比べて、製造工
数および製造コストが増大するという問題を有してい
る。
【0006】上述したような含浸型陰極を使用した電子
管の製造工数および製造コストの増加を回避するため
に、例えばゲッタ材中にZrH2 、TiH2 等の水素化
合物を添加したり、あるいはゲッタ装置とは別の箇所に
上記した水素化合物を設置することが考えられる。これ
は、水素化合物を含有するゲッタ装置や、ゲッタ装置と
は別の箇所に設置された水素化合物を使用することによ
って、電子管内の雰囲気を水素リッチな雰囲気、すなわ
ち還元性雰囲気とするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たZrH2 、TiH2 等の水素化合物は水素放出温度が
低く、ゲッタ装置や電子管の製造工程の途中で加熱され
た際に水素が放出され、電子管内の雰囲気を十分に還元
性雰囲気とすることができないという問題を有してい
る。
【0008】すなわち、通常のゲッタ装置の製造工程に
おいては、ゲッタ容器内にゲッタ材を充填した後、ゲッ
タ容器等に吸着しているガス成分を除去するために、 6
73〜723K程度の温度で真空熱処理を行っている。この真
空熱処理時にZrH2 、TiH2 等の水素化合物から水
素が放出されてしまう。
【0009】また、最近の電子管においては、パネル側
にゲッタ装置(ゲッタ材とは別設置の水素化合物を含
む)を設置することがある。このような場合には、ゲッ
タ装置はパネルとファンネル部とをフリット接合する際
の723K程度の熱処理過程を経ることになり、この熱処理
過程でZrH2 、TiH2 等の水素化合物から水素が放
出されてしまう。
【0010】上述したように、ゲッタ装置や電子管の製
造過程でZrH2 、TiH2 等の水素化合物から水素が
放出されてしまうと、本来のゲッタフラッシュ時(ゲッ
タ材の高周波誘導加熱時)に水素を電子管内に十分に放
出することができず、水素化合物を使用した利点を十分
に生かすことができない。
【0011】一方、ゲッタ装置や電子管の製造工程途中
における水素化合物からの水素の放出を考慮して、予め
過剰量の水素化合物を使用することも考えられるが、こ
の場合には電子管内の水素量を制御することが極めて困
難となり、電子管内が水素量が過剰に高い雰囲気となっ
て、電子放出量を制御することができなくなるというよ
うな問題が生じる。
【0012】このように、従来のZrH2 、TiH2
の水素化合物を用いて、電子管内の雰囲気を還元性雰囲
気とする手法では、電子管内の水素量を適切に制御する
ことが難しいという問題があった。そして、最近の高品
位化が求められている大型電子管やCDT等において
は、イオン衝撃に弱い含浸型陰極が使用されるようにな
ってきており、また高精細化を達成する上で酸化性ガス
の少ない還元性雰囲気が必要とされていることから、電
子管内の還元性雰囲気を良好かつ容易に制御することが
可能なゲッタ装置が求められている。
【0013】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、例えば含浸型陰極を用いた大型電子
管やCDT等の管内雰囲気を、容易にかつ再現性よく適
切な還元性雰囲気とすることができる電子管用ゲッタ装
置、およびそれを用いた電子管を提供することを目的と
している。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の電子管用ゲッタ
装置は、請求項1に記載したように、金属製のゲッタ容
器と、前記ゲッタ容器内に充填されたゲッタ材とを具備
する電子管用ゲッタ装置において、前記ゲッタ材はBa
−Al合金粉末およびNi粉末と共に、合金型の水素放
出構体を含むことを特徴としている。
【0015】本発明の電子管用ゲッタ装置においては、
請求項2に記載したように、特に前記水素放出構体はバ
ルクゲッタ特性を有する水素吸蔵合金であることが好ま
しく、さらには請求項3に記載したように、前記水素放
出構体としてはZr−Ni系水素吸蔵合金が好適であ
る。
【0016】また、本発明の電子管は、請求項4に記載
したように、上述した本発明の電子管用ゲッタ装置を具
備することを特徴としている。本発明の電子管は、請求
項5に記載したように、例えば含浸型陰極を有するもの
である。
【0017】本発明の電子管用ゲッタ装置においては、
ゲッタ材中にZr−Ni系水素吸蔵合金のような合金型
の水素放出構体を配合している。合金型の水素放出構体
は、水素放出温度が高い(例えばZr−Ni系水素吸蔵
合金の水素放出温度は約873K以上)ことから、ゲッタ装
置や電子管の製造過程における水素の放出(抜け)を防
止することができる。また、合金型の水素放出構体はゲ
ッタ材中に配合されているため、水素放出温度が多少高
くても高周波誘導加熱等によるゲッタフラッシュ時に、
十分かつ制御された量の水素を放出させることができ
る。従って、電子管内雰囲気を良好に制御された還元性
雰囲気とすることが可能となる。
【0018】また、水素放出構体としてバルクゲッタ特
性を有する水素吸蔵合金を用いれば、過剰な水素が放出
された場合においても、過剰な水素をゲッタ材中のバル
クゲッタで吸着させることができる。従って、電子放出
量が制御可能な適切な水素量、すなわち適切な還元性雰
囲気をより安定して得ることができる。加えて、ガス吸
着能力や吸着ガス種についても、Baゲッタとバルクゲ
ッタの併用により向上し、より良好な管内雰囲気を実現
することが可能となる。
【0019】このように、電子管内を制御された還元性
雰囲気(水素雰囲気)とすると共にゲッタ特性を向上さ
せることによって、含浸型陰極を用いたCDTや大型電
子管等の品質および信頼性を大幅に向上させることがで
きる。さらに、電子放出量の低下もより緩やかとなるた
め、電子管の長寿命化を実現することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0021】図1は、本発明の一実施形態による電子管
用ゲッタ装置の構成を示す断面図である。同図に示すゲ
ッタ装置1は、一端が開口され、環状の内壁を有するゲ
ッタ容器2内にゲッタ材3が充填されて構成されてい
る。ゲッタ容器2は、例えばステンレスのような金属部
材からなり、このようなゲッタ容器2内にゲッタ材3は
プレス装置等で加圧充填されている。
【0022】上記ゲッタ材3の主成分としては、例えば
40〜60重量% のBa−Al合金粉末と60〜40重量% のN
i粉末との混合粉末が用いられ、また必要に応じて 2.0
重量% 以下程度の鉄窒化物粉末のような窒化物粉末や
0.2重量% 以下程度の酸化硼素粉末等を添加してもよ
い。そして、上記したようなBa−Al合金粉末とNi
粉末との混合粉末に、合金型の水素放出構体を添加、混
合したものをゲッタ材3として使用する。
【0023】合金型水素放出構体の添加量は、ゲッタ対
象の電子管によっても異なるが、おおよそBa−Al合
金粉末とNi粉末との混合粉末に対して10〜30重量% 程
度とすることが好ましい。合金型水素放出構体の添加量
が10重量% 未満であると、電子管内を十分な還元性雰囲
気とすることができないおそれがある。一方、30重量%
を超えると合金型水素放出構体がバルクゲッタ特性を有
していたとしても、電子管内の水素量が過剰となるおそ
れがある。
【0024】上記した合金型水素放出構体としては、特
に水素放出温度が723K以上である水素吸蔵合金が好まし
い。合金型水素放出構体の水素放出温度が723K未満であ
ると、ゲッタ装置の製造工程において、ゲッタ容器2等
に吸着しているガス成分を除去するために、例えば 673
〜723K程度の温度で真空熱処理した際や、電子管のパネ
ル側にゲッタ装置1を設置する場合に、パネルとファン
ネル部とをフリット接合する際の723K程度の熱処理過程
によって、水素が予め放出されてしまい、ゲッタフラッ
シュ時に十分な量の水素を放出させることができない。
【0025】水素吸蔵合金のような合金型水素放出構体
は、一般的に水素放出温度が高く、上記した723K以上の
水素放出温度を満足するものである。合金型水素放出構
体の水素放出温度は、上記したような製造過程での熱処
理温度に対して十分な温度マージンがとれるように、特
に773K以上であることがより好ましい。
【0026】そして、上記したような水素放出温度が高
い合金型水素放出構体をゲッタ材3中に混合しておくこ
とによって、ゲッタ装置1や電子管の製造過程における
水素の放出(抜け)を防止することができると共に、高
周波誘導加熱等によるゲッタフラッシュ時に十分かつ制
御された量の水素を放出させることができる。これは、
ゲッタフラッシュ時の高周波誘導加熱等によって、合金
型水素放出構体をその水素放出温度以上の温度まで容易
に加熱することができるためである。
【0027】さらに、合金型水素放出構体としては、バ
ルクゲッタ特性を有する水素吸蔵合金を用いることが好
ましい。水素放出構体がバルクゲッタ特性を有する場合
には、過剰な水素が放出されたとしても、過剰な水素を
ゲッタ材3中のバルクゲッタで吸着させることができる
ため、電子放出量が制御可能な適切な水素量、すなわち
適切な還元性雰囲気をより安定して得ることが可能とな
る。
【0028】加えて、ガス吸着能力や吸着ガス種につい
ても、Baゲッタとバルクゲッタの併用により向上す
る。また、ゲッタフラッシュ時に合金型水素放出構体は
水素を放出すると同時に活性化され、バルクゲッタとし
ての特性が一層向上する。またさらに、バルクゲッタを
単体で使用した場合に比べて、ゲッタフラッシュ(Ba
の気化)によりゲッタ材3がポーラスとなることから表
面積が拡大され、これによってもバルクゲッタとしての
特性がより一層向上する。
【0029】上述したような合金型水素放出構体には、
Zr−Ni系水素吸蔵合金、Zr−Al系水素吸蔵合
金、Ti,Ta,Th−Ni,Al系水素吸蔵合金等が
使用される。これらのうち、Zr−Ni系水素吸蔵合金
としては、例えば60〜70重量%のZrと40〜30重量% の
Niとの合金が挙げられる。このようなZr−Ni系水
素吸蔵合金は、水素放出温度が約873K以上と高く、かつ
バルクゲッタとしての特性を有するものである。また、
Zr−Al系やTi,Ta,Th−Ni,Al系水素吸
蔵合金等もほぼ同様な特性を有するものであるが、特に
水素の放出・吸蔵特性に優れると同時に、それ自体のバ
ルクゲッタ特性に優れるZr−Ni系水素吸蔵合金が好
適である。
【0030】上述したように、バルクゲッタ特性を有す
る合金型水素放出構体を混合したゲッタ材3を用いたゲ
ッタ装置1によれば、ゲッタフラッシュ時の高周波誘導
加熱等によって、含浸型陰極に悪影響を及ぼすことがな
く、かつ電子放出量が制御可能な適切な量の水素を放出
させることができる。すなわち、管内雰囲気を適切な還
元性雰囲気とすることができる。
【0031】さらに、バルクゲッタにより水素過剰雰囲
気となることが防止でき、かつBaゲッタとバルクゲッ
タの併用によって、広範囲のガス種を良好に吸着するこ
とができ、ゲッタ能力自体の向上を図ることができる。
これらによって、電子管内雰囲気を真空度が高く、残留
ガス種が少なく、かつ還元性ガスに対する酸化性ガス比
が小さい還元性雰囲気とすることができる。
【0032】そして、上記したようなゲッタ装置を具備
する電子管、特に含浸型陰極を用いたCDTや大型電子
管においては、真空度が高く、残留ガス種が少なく、か
つ還元性ガスに対する酸化性ガス比が小さい還元性の管
内雰囲気を、安定にかつ再現性よく得ることが可能であ
るため、良好な画像品質および高度な信頼性を達成する
ことができ、さらに電子放出量の低下もより緩やかとな
るため、長寿命化を達成することが可能となる。
【0033】また、このような良好な品質および信頼
性、さらには長寿命を有する含浸型陰極を用いたCDT
や大型電子管を、酸化物陰極を用いて電子管と同様な工
程時間で作製することができる。従って、従来のエージ
ング工程等を実施していた製造工程に比べて、製造工数
や製造コストを大幅に低減することが可能となる。
【0034】このように、本発明の電子管用ゲッタ装置
は、イオン衝撃に弱く、管内雰囲気中の還元性ガスに対
する酸化性ガス比やAr、N2 等の分圧が高いと不良が
発生しやすい、含浸型陰極を用いた高精細ディスプレイ
管や大型電子管に対して、特に有効である。さらに、ゲ
ッタ装置1をパネル側に配設する場合においても、特に
問題となることはない。
【0035】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0036】実施例1 まず、Ba−Al合金粉末37.2重量% 、Ni粉末42.0重
量% 、鉄窒化物粉末0.7重量% 、酸化硼素微粉末 0.1重
量% およびZr−Ni系水素吸蔵合金(70重量% Zr−
30重量% Ni)20重量% を混合し、目的とするゲッタ材
を準備した。上記したゲッタ材1050mgを、外径20mm、内
径 8mm、高さ 3mmの一端が開口され、環状の内壁を有す
る図1に示したステンレス製ゲッタ容器2内に所定密度
で充填した。次いで、このゲッタ材を充填したステンレ
ス製ゲッタ容器を、 1.3×10-3Paの真空雰囲気中にて79
3Kで熱処理して、ゲッタ容器に吸着しているガス成分を
除去した。
【0037】このようにして得たゲッタ装置を、含浸型
陰極を用いた21インチカラーディスプレイ用電子管内に
装着し、酸化物陰極と同じ工程時間で加熱してゲッタフ
ラッシュを行って、カラーディスプレイ用電子管を作製
した。その結果、管内雰囲気は真空度が 3.3×10-4Pa、
2 量が90mol%、N2 量が 7mol%、Ar量が 3mol%と、
良好な還元性雰囲気が得られていることが確認された。
【0038】また、このカラーディスプレイ用電子管の
電子放出試験を実施したところ、含浸型陰極に電子放出
が起らない部分の発生等はなく、良好な画像特性が得ら
れた。さらに、長時間のライフテスト(10000時間)を行
い、その後のゲッタ吸着能力を測定した結果、 160Pa・
L(リットル)と十分なゲッタ能力を有していることが確
認された。
【0039】実施例2 Ba−Al合金粉末32.5重量% 、Ni粉末36.7重量% 、
鉄窒化物粉末 0.7重量% 、酸化硼素微粉末 0.1重量% 、
およびZr−Ni系水素吸蔵合金30重量% を混合し、目
的とするゲッタ材を準備した。
【0040】上記したゲッタ材1050mgを、外径20mm、内
径 8mm、高さ 3mmの一端が開口され、環状の内壁を有す
る図1に示したステンレス製ゲッタ容器2内に所定密度
で充填した。次いで、このゲッタ材を充填したステンレ
ス製ゲッタ容器を、 1.3×10-3Paの真空雰囲気中にて79
3Kで熱処理して、ゲッタ容器に吸着しているガス成分を
除去した。
【0041】このようにして得たゲッタ装置を、含浸型
陰極を用いた21インチカラーディスプレイ用電子管内に
装着し、酸化物陰極と同じ工程時間で加熱してゲッタフ
ラッシュを行って、カラーディスプレイ用電子管を作製
した。その結果、管内雰囲気は真空度が 4.2×10-4Pa、
2 量が95mol%、N2 量が 4mol%、Ar量が 1mol%と良
好な還元性雰囲気が得られていることが確認された。
【0042】また、このカラーディスプレイ用電子管の
電子放出試験を実施したところ、含浸型陰極に電子放出
が起らない部分の発生等はなく、良好な画像特性が得ら
れた。さらに、長時間のライフテスト(10000時間)を行
い、その後のゲッタ吸着能力を測定した結果、 130Pa・
L(リットル)と十分なゲッタ能力を有していることが確
認された。
【0043】比較例1 水素放出構体としてZrH2 (水素放出温度:723K)水素
化合物を用いる以外は、実施例1と同様にして、ゲッタ
装置を作製した。なお、真空熱処理についても同様に実
施した。このゲッタ装置を、含浸型陰極を用いた21イン
チカラーディスプレイ用電子管内に装着し、酸化物陰極
と同じ工程時間で加熱してゲッタフラッシュを行った。
その結果、管内雰囲気は真空度が 3.8×10-4Pa、H2
が57mol%、N2 量が40mol%、Ar量が 3mol%であった。
【0044】このように、管内のH2 量が低かった理由
は、ゲッタ装置の製造工程で実施した真空熱処理時にZ
rH2 から水素が抜けたためである。また、このカラー
ディスプレイ用電子管の電子放出試験を実施したとこ
ろ、含浸型陰極に電子放出が起こらない部分の発生は 2
割程度あり、良好な画像特性が得られなかった。さらに
長時間のライフテスト(10000時間)を行い、その後のゲ
ッタ吸着能力を測定した結果、60Pa・L(リットル)のゲ
ッタ能力しか有していないことが確認された。
【0045】比較例2 上記した比較例1の結果に基いて、Ba−Al合金粉末
18.59重量% 、Ni粉末 20.96重量% 、鉄窒化物粉末0.
40重量% 、酸化硼素微粉末0.05重量% 、およびZrH2
水素化合物60重量% を混合して、ゲッタ材を作製した。
【0046】上記したゲッタ材を用いる以外は、実施例
1と同様にして、ゲッタ装置を作製した。なお、真空熱
処理についても同様に実施した。このゲッタ装置を、含
浸型陰極を用いた21インチカラーディスプレイ用電子管
内に装着し、酸化物陰極と同じ工程時間で加熱してゲッ
タフラッシュを行った。その結果、管内のH2 量は98mo
l%まで増大してしまい、その後の電子放出試験で電子放
出量を制御することはできなかった。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子管用
ゲッタ装置によれば、水素放出温度が高い合金型の水素
放出構体をゲッタ材中に配合しているため、電子管内雰
囲気を容易にかつ再現性よく適切な還元性雰囲気とする
ことができる。従って、このようなゲッタ装置を用いた
電子管によれば、その品質および信頼性を大幅に向上さ
せることが可能となる。また、水素放出構体としてバル
クゲッタ特性を有する水素吸蔵合金を用いることによっ
て、より安定して良好な管内雰囲気が得られると共に、
ゲッタ能力自体の向上、ひいてはそれに伴う電子管の長
寿命化等を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による電子管用ゲッタ装
置の構成を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1……ゲッタ装置 2……ゲッタ容器 3……ゲッタ材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製のゲッタ容器と、前記ゲッタ容器
    内に充填されたゲッタ材とを具備する電子管用ゲッタ装
    置において、 前記ゲッタ材は、Ba−Al合金粉末およびNi粉末と
    共に、合金型の水素放出構体を含むことを特徴とする電
    子管用ゲッタ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子管用ゲッタ装置にお
    いて、 前記水素放出構体は、バルクゲッタ特性を有する水素吸
    蔵合金であることを特徴とする電子管用ゲッタ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電子管用ゲッタ装置にお
    いて、 前記水素放出構体は、Zr−Ni系水素吸蔵合金である
    ことを特徴とする電子管用ゲッタ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    記載の電子管用ゲッタ装置を具備することを特徴とする
    電子管。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電子管において、 含浸型陰極を具備することを特徴とする電子管用ゲッタ
    装置。
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