JPH10283622A - ヘッドスライダ及びこれを用いた記録再生装置 - Google Patents

ヘッドスライダ及びこれを用いた記録再生装置

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JPH10283622A
JPH10283622A JP9266522A JP26652297A JPH10283622A JP H10283622 A JPH10283622 A JP H10283622A JP 9266522 A JP9266522 A JP 9266522A JP 26652297 A JP26652297 A JP 26652297A JP H10283622 A JPH10283622 A JP H10283622A
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JP
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disk
dynamic pressure
pressure generating
head slider
slider
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JP9266522A
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Atsushi Ito
淳 伊藤
Keiko Azuma
圭子 東
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ヨー角依存性が少ないヘッドスライダ、及びこ
れを用いて記録密度の向上を図ることが可能な記録再生
装置の提供。 【解決手段】回転可能な記録媒体であるディスク上で情
報の記録再生を行う記録再生ヘッド20を搭載したヘッ
ドスライダ203aにおいて、ヘッドスライダのディス
クと対向する面に形成され動圧を発生させるための動圧
発生部2a,2bと、ヘッドスライダのディスクと対向
する面内でディスクの回転方向に関してヘッドスライダ
の中央部分よりも後方側に設けられ負圧を発生させるた
めの負圧発生部81a,81bとを備えたことを特徴と
するヘッドスライダ及びこれを用いた記録再生装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浮上量のばらつき
や変動もしくは接触力の変動を抑制することが可能なヘ
ッドスライダ、及びこれを用いて記録再生ヘッドの低浮
上化もしくは低荷重かつ安定な接触を実現し、記録密度
の向上を図ることが可能な記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、記録再生装置においては、高記録
密度化に関する技術開発が盛んに行われており、特に磁
気ディスク装置における高記録密度化は、ビット密度
(ディスク周方向の記録密度)の増加、並びにトラック
密度(ディスク半径方向の記録密度)の増加の両面から
進められている。ここで、ビット密度を増加させるため
の技術として、記録再生ヘッド(以下「ヘッド」とい
う)を搭載したヘッドスライダ(以下「スライダ」とい
う)の低浮上化は必須となっている。しかし、従来のス
ライダにあっては、シーク時の浮上量の動的変動によ
り、ヘッドの低浮上化が妨げられている。以下その要因
について詳説する。
【0003】図34は、従来のスライダを採用した磁気
ディスク装置の概要を示したものである。いわゆるテー
パフラットスライダに代表される従来のスライダ101
のほとんどは、記録媒体であるディスク102の内外周
速差による浮上量差をヨー角依存性を利用して抑制して
いる。ここで、ヨー角とはディスク回転方向とスライダ
101の長手方向とのなす角(図中ではθ)である。
【0004】図34に示すように、いわゆるロータリア
クチュエータ103を用いた磁気ディスク装置において
は、スライダ101とディスク102との配置をディス
ク内周側Xでヨー角が小さく、ディスク外周側Yでヨー
角が大きくなるように設定している。
【0005】図35は、従来のテーパフラットスライダ
の概略を示した斜視図である。図に示すようにスライダ
101は、ディスク回転方向Aに沿って伸びる細長い形
状の動力発生部101aを有し、この動力発生部101
aと回転するディスク(図示せず)との間で発生する動
圧を利用して浮上する構成となっている。ディスクの回
転方向Aに沿って伸びる動圧発生部101aは、ヨー角
が生じてディスクの回転方向がAからBに変わると、圧
力発生効率が低下する性質を有する。これは、ヨー角が
小さいときにはスライダ前縁部から流れ込む空気流はス
ライダ全長に沿って比較的長い距離を流れることによっ
て動圧を発生するのに対し、ヨー角が大きくなると、空
気流のうちある部分はスライダ全長に達する以前に側縁
部から流出し、またある部分は側縁部から流入しスライ
ダ後端部から流出するいわゆる空気流の横漏れにより、
効果的に動圧を高めるのに必要な流動距離を確保するこ
とが困難となるためである。従って、従来のテーパフラ
ットスライダ101では、ディスク外周側Yに行くにつ
れてヨー角が大きくなると空気流の横漏れによりスライ
ダ101に作用する動圧発生効率が低下する。このた
め、ディスク外周側Yに行くにつれて周速が増加しても
スライダ101に作用する浮上力は変動せず、ディスク
102内外周における浮上量差を抑制することができ
る。
【0006】ところで、図36に示すように、スライダ
101のシーク時にはディスクの周速成分Vr(5〜1
0m/s)以外に、この周速成分Vrにほぼ直交する方
向のシーク速度成分Vs(最大1m/s程度)が存在す
る。従って、この2つの速度成分の合成ベクトルVは、
スライダ101の長手方向に対して5〜10°程度の角
度をなす。即ち、シーク時には、等価的なヨー角変動
(図中ではθ’)が生じていることになる。従って、上
記したヨー角依存性と同様の原理により、シーク時には
空気流の横漏れにより動圧発生効率が低下するため、過
渡的な浮上量低下が発生する。その量は、通常10nm
を越えることが実験的にも確認されており、シーク時に
おけるディスクとスライダとの衝突を避けるためには、
この浮上量低下をマージンとして見込んだスペーシング
(浮上隙間)を設定しなければならず、スライダの低浮
上化を妨げる大きな要因となっている。
【0007】一方、現在、更なる記録密度の向上を目指
して、ヘッドをディスクに対して接触させ、実質的に浮
上量ゼロで記録再生を行う接触記録技術が検討されてい
る。この接触記録技術における最大の技術課題はヘッド
の摩耗低減である。そのためには、ヘッド−ディスク間
の接触力を低荷重かつ安定に維持することが必要とな
る。しかし、従来のスライダでは、シーク時に上記した
ような等価的なヨー角変動により接触力が変動するた
め、ヘッド−ディスク間に作用する接触力を低荷重かつ
安定に維持することはできない。また、ヘッドの摩耗が
進行した場合に、ディスク内外周で浮上姿勢が変化する
と、接触部が浮上してスペーシングが生じてしまうおそ
れもある。
【0008】さらに、最近実用化され、今後主流となる
と考えられる磁気抵抗効果素子を用いたヘッド、いわゆ
るMRヘッドを採用する場合、記録ヘッドと再生ヘッド
を別個に設ける必要があり、通常2つのヘッドをトラッ
ク方向に並べて配置する。このような構成においては、
ディスク内外周でヨー角が大きく変化すると、2つのヘ
ッド間にトラック幅方向のずれ(トラックずれ)が生じ
る。この問題に対しては、リニアアクチュエータを用い
る方法や、アクチュエータアームの長さを最適化してヨ
ー角の変動を小さくする方法(特開平5−298615
号公報参照)等が検討されている。従って、MRヘッド
を採用するスライダについても、ヨー角依存性を利用し
ないでディスク内外周での浮上量差を抑制する手法が必
要になる可能性が高い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来のスライダでは、ヨー角依存性を利用してディスク
内外周での浮上量差を抑制するのに適した形状が採用さ
れているため、シーク時の等価的なヨー角変動により浮
上量の低下もしくは接触力の変動が生じる。従って、ヘ
ッドの低浮上化もしくはヘッド−ディスク間の低荷重か
つ安定な接触を実現することは困難である。
【0010】また、接触記録においてヘッドの摩耗が進
行した場合に、ディスク内外周で浮上姿勢が変化する
と、接触部が浮上してスペーシングが生じてしまうおそ
れもある。
【0011】さらに、MRヘッドを採用するスライダに
おいては、ヨー角依存性を利用しないでディスク内外周
での浮上量差を抑制する手法に対する要請が強い。そこ
で、本発明では、上記課題を解決し、ヨー角依存性を利
用せずにディスク内外周での浮上量差もしくは接触力変
動を抑制できるスライダ形状を提案するとともに、かか
るスライダを用いて、ヘッドの低浮上化もしくはヘッド
−ディスク間の低荷重かつ安定な接触を実現し、記録密
度の向上を図ることが可能な記録再生装置を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、回転可能な記録媒体であるディスク上
で情報の記録再生を行う記録再生ヘッドを搭載したヘッ
ドスライダにおいて、前記ヘッドスライダの前記ディス
クと対向する面に形成され動圧を発生させるための動圧
発生部と、前記ヘッドスライダの前記ディスクと対向す
る面内で前記ディスクの回転方向に関して前記ヘッドス
ライダの中央部分よりも後方側に設けられ負圧を発生さ
せるための負圧発生部とを備えたことを特徴とするヘッ
ドスライダ及びこれを用いた記録再生装置を提供する。
【0013】また上記目的を達成するために、本発明で
は、回転可能な記録媒体であるディスク上で情報の記録
再生を行う記録再生ヘッドを搭載したヘッドスライダに
おいて、前記ヘッドスライダの前記ディスクと対向する
面に設けられ、前記ディスクの回転方向に沿って配列さ
れる少なくとも2つの動圧発生部と、前記ヘッドスライ
ダの前記ディスクと対向する面に設けられ、前記動圧発
生部のうち前記ディスクの回転方向に関して最も前方に
位置する動圧発生部と該回転方向に関して最も後方に位
置する動圧発生部との間に位置し、前記ディスク方向に
最も突出して設けられる接地パッドとを有することを特
徴とするヘッドスライダ及びこれを用いた記録再生装置
を提供する。
【0014】また上記目的を達成するために、本発明で
は、回転可能な記録媒体であるディスク上で情報の記録
再生を行う記録再生ヘッドを搭載したヘッドスライダに
おいて、前記ヘッドスライダの前記ディスクと対向する
面に設けられ、前記ディスクの回転方向に沿って溝を挟
んで配列される少なくとも2つの動圧発生部を有し、前
記動圧発生部のうち前記ディスクの回転方向に関して最
も後方に位置する動圧発生部の前記溝に面した前縁に
は、凹部が形成されていることを特徴とするヘッドスラ
イダ及びこれを用いた記録再生装置を提供する。
【0015】ここで、前記負圧発生部は、前記動圧発生
部に切欠部を形成することにより構成されて成ることを
特徴としている。また前記動圧発生部は、前記ディスク
の回転方向に沿って少なくとも2つ設けられており、前
記負圧発生部は前記動圧発生部のうち前記ディスクの回
転方向に関して最も後方に位置する動圧発生部に設けら
れていることを特徴としている。
【0016】また前記動圧発生部は、前記ディスクの回
転方向に沿った長さよりも該回転方向に略垂直な方向に
沿った長さの方が長い形状を有していることを特徴とし
ている。
【0017】また前記前記動圧発生部のうち前記ディス
クの回転方向に関して最も後方に位置する動圧発生部に
は、負圧を発生させるための負圧発生部が設けられてい
ることを特徴としている。
【0018】また前記負圧発生部は、正圧を発生させる
ための領域と負圧を発生されるための領域とを含んで成
ることを特徴としている。また前記動圧発生部のうち前
記ディスクの回転方向に関して最も後方に位置する動圧
発生部には、該回転方向にほぼ沿った第1の段差及び該
回転方向と略垂直な方向にほぼ沿った第2の段差を形成
する第1の切欠部が設けられていることを特徴としてい
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
面を参照しつつ詳細に説明する。ここでは、記録再生装
置の一例として、磁気ディスク装置について説明する
が、本発明はこの場合に限定されず、ヘッドをスライダ
によって支持する形態を有する他の記録再生装置、例え
ばスライダに光学(対物)レンズを搭載して光学的に記
録再生を行う光ディスク装置や、また光ディスク装置の
中でも次世代の光記録として期待されているエバネッセ
ント光を利用したニア・フィールド光学応用記録に用い
られるソリッド・イマージョン・レンズ(Solid Immers
ion Lens:SIL)、スーパー球状SIL(Super-sphe
rical SIL )、光ファイバ・プローブ等を本発明のスラ
イダに搭載して適用することも可能である。
【0020】まず、本発明の実施形態の説明に先立ち、
磁気ディスク装置の概要について説明する。図1は、ロ
ータリーアクチュエータを用いた磁気ディスク装置の概
略を示したものである。ディスク201は、スピンドル
202に装着され、所定の回転数で回転される。ディス
ク201上を浮上もしくは接触した状態で情報の記録再
生を行う磁極を搭載したスライダ203は、薄板状のサ
スペンション204の先端に取付られている。サスペン
ション204は、図示しない駆動コイルを保持するボビ
ン部等を有するアクチュエータアーム205の一端に接
続されている。一方、アクチュエータアーム205の他
端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ
206が設けられている。ボイスコイルモータ206
は、前記アクチュエータアーム205のボビン部に巻き
上げられた図示しない駆動コイルと、それを挟み込むよ
うに対向して配置された永久磁石及び対向ヨークからな
る磁気回路とから構成される。アクチュエータアーム2
05は、固定軸207の上下2カ所に設けられた図示し
ないボールベアリングによって保持され、ボイスコイル
モータ206により回転揺動が自在にできるようになっ
ている。
【0021】次に、スライダの浮上姿勢について、図2
を参照しつつ簡単に説明する。スライダ203は、動作
時にその姿勢をディスク201に倣わせるための図示し
ない可撓性部材(ジンバル)を介してサスペンションに
より保持されており、ディスク201の回転に伴って発
生する空気流の動圧によって、その全体もしくは一部が
ディスク201から浮上している。スライダ203の姿
勢は、何らかの製造誤差あるいは動圧の変動などによっ
て微妙に変化する場合があり、その変化はローリング及
びピッチングという形で規定できる。図2に示すよう
に、ローリングとは、スライダ203のディスク回転方
向Aにほぼ沿った方向(長手方向)の軸線208回りの
回転Rをいい、ピッチングとは、スライダ203の長手
方向と直交する方向の軸線209回りの回転Pをいう。
【0022】第1の実施形態 本発明の第1の実施形態について、図3を参照しつつ説
明する。図3は、本発明の第1の実施形態にかかるスラ
イダ形状を示したもので、(a)は斜視図、(b)は平
面図、(c)は側面図である。ここで、(b)は図示し
ないディスク表面と対向する側のスライダ面を示したも
のである。スライダ203aは、ディスク回転方向Aに
向かって後方に位置する端面に磁極21を備えた記録再
生ヘッド20を搭載している。
【0023】前述したように、等価的なヨー角変動によ
り浮上量等が変動するのは、空気流の横漏れによる動圧
発生効率の低下が原因であり、これは、いわゆるテーパ
フラットスライダに代表されるディスク回転方向Aに関
して長い動圧発生部をもつスライダ形状において顕著に
見られる現象である。かかるヨー角依存性を低減するた
めには、図示したように、スライダ203aの動圧発生
部2a,2bをディスクの回転方向Aに沿った長さより
も該回転方向Aに略垂直な方向に沿った長さの方が長い
横長形状とすることが望ましい。しかし、スライダ20
3aの形状全体をかかる横長形状とすると、ピッチング
剛性の低下が問題となる。そこで、本実施形態では、横
長形状の動圧発生部2a,2bをディスク回転方向Aに
関して前後に2つ配列する構成とする。ここで、前後の
動圧発生部2a,2bは、空気流による動圧がほとんど
発生しない深溝3によって隔てられる。深溝3は、機械
加工もしくはエッチングにより形成される。
【0024】一方、単に横長形状の動圧発生部2a,2
bを複数有するスライダとしただけでは、ヨー角依存性
の低減により過渡的な浮上量変動を抑制することは可能
となるが、逆にディスク内外周で浮上量差が生じてしま
う。そこで、本実施形態においては、ヨー角依存性によ
らずにディスク内外周での浮上量差を抑制すべく、前方
の動圧発生部2aの一部にディスク回転方向Aに略垂直
な方向に沿った段差4を設けることにより、ランド部5
を形成することとした。ここで、段差4は、ランド部5
をマスキングし、エッチングにより形成する。段差4の
深さは、前方の動圧発生部2aの後端部の浮上量とほぼ
等しい程度とすることが望ましく、非常に浅く形成すれ
ば良いことから、短時間で形成でき、かつマスキングも
容易である。また、ランド部5と後方の動圧発生部2b
が同一平面をなすように形成すれば(図3(c)参
照)、1回のエッチング工程で動圧発生部2a,2bを
形成することができるため、製作効率が向上し、大量生
産にも適した構造とすることができる。
【0025】次に、本実施形態により、ディスク内外周
での浮上量差を抑制できる理由について説明する。後方
の動圧発生部2bはディスク回転方向Aに関して短く、
該回転方向Aに略垂直な方向に関して長い横長形状の平
面であり、動作時には、前方の動圧発生部2aが浮上す
るのにともなって所定のピッチングを有して浮上する。
【0026】図4は、後方の動圧発生部2bの後端のス
ペーシング(浮上隙間)を一定とした場合において、後
方の動圧発生部2bのピッチングに対する、浮上力をプ
ロットしたものである。図中で、○はスライダ203a
がディスク外周側に位置する場合、△はディスク内周側
に位置する場合の結果をそれぞれ示している。図示した
ように、浮上力はピッチングが一定であれば、ディスク
内外周ではほとんど差がない。即ち、後方の動圧発生部
2bにおける浮上力の変動は、ディスク内外周での周速
差よりも、ピッチングの変動によるところが大きいこと
がわかる。
【0027】従って、ヨー角依存性によらずにディスク
内外周での浮上量差を抑制するためには、後方の動圧発
生部2bのピッチングがディスク内外周でほぼ一定とな
るようにすればよい。即ち、ディスク内外周で後方の動
圧発生部2bのピッチングが変化しないように、前方の
動圧発生部2aの形状を設定することにより磁極21が
設けられる後方の動圧発生部2bの後端におけるスペー
シングを、ディスク内外周における周速差によらず一定
に保つことが可能となる。
【0028】図5は、スライダ203aのピッチング及
び後端のスペーシングを一定とした場合に、図3に示し
たスライダ203aの前方の動圧発生部2aのディスク
回転方向Aに関する全長Lとランド部5の同方向に関す
る長さSとの比率に対する、ディスク内外周での前方の
動圧発生部に作用する浮上力の比をプロットしたもので
ある。ここでは、前方の動圧発生部2aの全長Lや段差
4の深さ等の条件を変化させた4種類の形状に関する解
析結果を示した。4種類の形状の解析条件は、以下の通
りである。
【0029】 全長 L 段差の深さ □ 0.2mm 0.1μm ○ 0.3mm 0.1μm △ 0.4mm 0.2μm ▽ 0.4mm 0.3μm 尚、スライダ203aのスペーシングは50nm、ピッ
チングは100μradとしている。
【0030】この結果によれば、全長Lに対してランド
部5の長さSの比率が50%以上となる第1の領域にお
いては、ディスク内周側における浮上力よりもディスク
外周側における浮上力の方が大きくなっている。一方、
前記比率が10%より大きく50%より小さい第2の領
域においては、ディスク内外周での浮上力変化が比較的
小さい。さらに、前記比率が10%以下となる第3の領
域においては、ディスク内周側における浮上力よりもデ
ィスク外周側における浮上力の方が小さくなっている。
【0031】図6は、上記した3つの領域に属する前方
の動圧発生部を採用した場合において、ディスクの周速
に対するスライダ203aのピッチング及びヘッドが設
けられる後方の動圧発生部2bの後端におけるスペーシ
ングの変化をそれぞれ示したものである。ここで、縦軸
はディスク外周側でのピッチング及びスペーシングを基
準とした比で表示している。
【0032】まず、第1の領域に属する前方の動圧発生
部(前記比率が50%)を採用した場合は、ディスク内
外周において、ディスクの周速が上がるほど(ディスク
外周側へ行くほど)ピッチングが大きくなる(図中の
△)ので、それに伴ってスペーシングも増加し(図中の
黒三角)、ディスク内外周での浮上量一定化は実現でき
ない。
【0033】また、第3の領域に属する前方の動圧発生
部(前記比率が10%)を採用した場合は、ディスク内
外周において、ディスクの周速が上がるほど(ディスク
外周側へ行くほど)ピッチングが小さくなる(図中の
□)ので、それにともなってスペーシングも減少し(図
中の黒四角)、やはりディスク内外周での浮上量一定化
は実現できない。
【0034】一方、第2の領域に属する前方の動圧発生
部(前記比率が30%)を採用した場合は、ディスク内
外周において、ピッチング(図中の○)及びスペーシン
グ(図中の黒丸)はディスクの周速差によらずにほぼ一
定となるため、ディスク内外周での浮上量一定化が実現
できる。
【0035】従って、前方の動圧発生部2aに形成され
るランド部5のディスク回転方向Aに関する長さを該動
圧発生部2aの同方向Aに関する全長の10%より大き
く50%より小さい範囲とすることにより、ディスク内
外周での浮上量一定化(浮上量の変動が±10%程度は
許容できるものとする)を実現することが可能となる。
さらに、ランド部5の長さが動圧発生部2aの全長のほ
ぼ30%であれば、ディスク内外周での浮上量をほぼ完
全に一定とすることが可能となる。
【0036】なお、ランド部5の長さが動圧発生部2a
の全長のほぼ30%の場合は、段差を設けることにより
ランド部を形成したいわゆるステップ軸受における動圧
発生効率が最も高くなることが一般に知られている。従
って、この場合にはディスク内外周での浮上量一定化の
効果とともに、限られたスライダ面積内で効果的に十分
な動圧を発生させることが可能となる。
【0037】以上述べたように、本発明の第1の実施形
態によれば、ヨー角依存性の低減により過渡的な浮上量
変動を抑制することができるとともに、ディスク内外周
での浮上量一定化を実現することが可能となる。
【0038】ところで、ディスク停止時にスライダとデ
ィスクとの間に水分が凝集するなどの理由により、ディ
スク上にスライダが吸着し、ディスク起動時にスライダ
を円滑に浮上させることが困難になる場合がある。この
問題を回避するために従来はディスク31の表面にテク
スチャと呼ばれる微少な凹凸を設けることにより、停止
中のディスクとスライダとの間に隙間を維持することが
行われている。しかし、このテクスチャは動作時におけ
る浮上量のばらつきに伴って発生するスライダとディス
クとの衝突の危険度を高める原因となり、スライダの低
浮上化に対する妨げとなるおそれがある。
【0039】一方、ディスク起動時には、ディスクは必
ずしも所定の回転方向のみに進むのではなく、前後に揺
動するような動きをしながら回転を始める。その様子を
図7に示す。前後に揺動するディスク201の動きは、
ディスク起動時の励磁タイミングやモータの磁極とコイ
ルの位置関係などに起因する。この時、ディスク201
が所定の回転方向Aと逆方向A’に進行する瞬間には、
図に示すようにジンバル210を介してサスペンション
204に支持されたスライダ203aには、サスペンシ
ョン204からの反力Fが作用し、この反力Fによって
スライダ203aの後端を支点として前方の動圧発生部
2aを引き剥がすようなモーメントMが作用する。その
際、スライダ203aにおいては、前方の動圧発生部2
aのディスク201に対する接地面積の方が後方の動圧
発生部2bのそれよりも小さくなっていることから、ま
ず前方の動圧発生部2aがディスク201から容易に引
き剥がされる。その後、ディスク201が正規の回転方
向Aに進み始めると、空気流の動圧により容易にピッチ
ングが生じスライダ203aの全体がディスク201か
ら容易に引き剥がされる。即ち、本実施形態によれば、
前方の動圧発生部2aにおいてはランド部5のみがディ
スク201上に接地することから、前方の動圧発生部2
aの接地面積を後方の動圧発生部2bの接地面積よりも
小さくすることができ、上記した吸着現象を有効に防止
することが可能となる。
【0040】以上説明した実施形態では、前方の動圧発
生部2aのみに段差4を設けることとしたが、図8に示
すように、前後の動圧発生部2a,2bに段差4,4’
をそれぞれ設ける構成としても、本実施形態と同様の作
用効果が期待できる。かかる構成によれば、後方の動圧
発生部2bも、前方の動圧発生部2aと同様の浮上力を
得ることから、後方の動圧発生部2b全体の面積を低減
することができ、スライダ全体を小型化することが可能
となるとともに、吸着現象をさらに低減することが可能
となる。
【0041】第2の実施形態 本発明の第2の実施形態について、図9を参照しつつ説
明する。図9は、本発明の第2の実施形態にかかるスラ
イダ形状を示したもので、(a)は斜視図、(b)は平
面図、(c)は側面図である。なお、図中で、図2及び
図3に示した部分と同一の部分もしくは同一機能を有す
る部分については、同一の符号を付すことにより重複説
明を省略する(以下の本発明の実施形態全てにおいても
同様とする)。
【0042】本実施形態においては、スライダ203a
の動圧発生部2a,2bをディスク回転方向Aに関して
前後に2つ配列するとともに、前方の動圧発生部2aに
ディスク内外周での浮上量差を抑制するため、段差4を
設けてランド部5を形成するとともに、後方の動圧発生
部2bを図示のごとく略V字形状とする。
【0043】上記した第1の実施形態のごとく横長形状
の動圧発生部2a,2bを有するスライダ203aにお
いては、ディスク外周側でヨー角がつくと、空気流に伴
って発生する動圧の圧力中心がスライダ203aのディ
スク内周側Sinにシフトする。このため、スライダ20
3aは、ディスク内周側Sinが高く、ディスク外周側S
out が低くなるようにローリングした姿勢で飛行するこ
とになる。また、スライダ203aを支持する図示しな
いサスペンションの取付誤差や、ディスク表面の凹凸、
装置外部からの振動等の影響により、スライダ203a
にローリングが生じることもある。かかる場合、スライ
ダ203aの後端のうち浮上量の最も低下するディスク
内外周側の側端部がディスクに衝突するおそれがある。
そこで、後方の動圧発生部2bのディスク内周側及び外
周側の側端部を面取りするとともに、スライダ203a
のローリング剛性を低下させないために、図示したよう
に略V字型の形状としてスライダ側部近傍における後方
の動圧発生部2bの面積を確保することとした。
【0044】本実施形態によれば、上記した第1の実施
形態と同様に、ヨー角依存性の低減により過渡的な浮上
量変動を抑制することができ、かつディスク内外周での
浮上量一定化を実現することが可能となるとともに、ス
タイダ203aにローリングが発生した場合でも、後方
の動圧発生部2bの側端部がディスクに衝突するおそれ
がなくなる。
【0045】なお、後方の動圧発生部2bの形状は上記
した略V字形状に限られず、ローリング剛性が確保でき
れば、図10に示すように、後方の動圧発生部2bのデ
ィスク内周側Sin及び外周側Sout の側端部を面取りし
ただけの形状としても良い。
【0046】また、この面取りは、上記した前方の動圧
発生部2aにおける段差4と同一の深さとし、1回のエ
ッチングにより形成するようにすれば、製作効率を向上
させることができる。
【0047】第3の実施形態 本発明の第3の実施形態について、図11を参照しつつ
説明する。図11は、本発明の第3の実施形態にかかる
スライダ形状を示したもので、(a)は斜視図、(b)
は平面図、(c)は側面図である。
【0048】上記したように、第1の実施形態のごとく
横長形状の動圧発生部2a,2bを有するスライダ20
3aにおいては、ディスク外周側でヨー角がつくと、デ
ィスク内周側Sinが高く、ディスク外周側Sout が低く
なるようにローリングした姿勢で飛行することになる。
そこで、本実施形態においては、スライダ203aの動
圧発生部2a,2bをディスク回転方向Aに沿って前後
2段に配列し、前方の動圧発生部2aにディスク内外周
での浮上量差を抑制するため、段差4を設けてランド部
5を形成するとともに、後方の動圧発生部2bのディス
ク内周側及び外周側の側部に切欠部25a,25bを形
成し、ディスク回転方向Aにほぼ沿った段差6a,6b
を設ける構成とした。
【0049】ディスクの回転方向は、厳密にはディスク
内外周でヨー角の変動分だけ相違する。ここでは、スラ
イダ203aがディスク内周側に位置しているときの該
ディスクの回転方向を矢印Aで示し、スライダ203a
がディスク外周側に位置しているときの該ディスクの回
転方向を図中の矢印Bで示す。この場合、ディスク外周
側の段差6aではスライダ203aをディスクから離反
させる方向の圧力(正圧)が発生するのに対して、ディ
スク内周側の段差6bでは、それと反対方向の圧力(負
圧)が発生する。このため、スライダ203aは、ディ
スク内周側Sinが低く、ディスク外周側Sout が高くな
るようにローリングした姿勢をとろうとする。即ち、デ
ィスク外周側でヨー角がつくことにより、空気流に伴っ
て発生する動圧の圧力中心がディスクの内周側にシフト
するため、スライダ203aのディスク内周側Sinが高
く、ディスク外周側Sout が低くなるようにローリング
した姿勢をとろうとする作用に対して、段差6a,6b
を設けることにより、それとは反対の姿勢をとろうとす
る作用が生じることになる。従って、両作用が相殺され
ることにより、ディスク外周側でのローリングを防止す
ることが可能となる。
【0050】また、かかるローリング防止機能は、スラ
イダ203aのシーク時に等価的なヨー角変動が生じた
場合にも有効である。即ち、スライダ203aのシーク
時に生じる等価的なヨー角変動に伴って過渡的なローリ
ングが生じた場合でも、段差6a,6bの作用によりそ
れを調整することができ、スライダ側端部がディスクに
衝突する危険を回避することが可能となる。
【0051】本実施形態によれば、上記した第1の実施
形態と同様に、ヨー角依存性の低減により過渡的な浮上
量変動を抑制することができ、かつディスク内外周での
浮上量一定化を実現することが可能となるとともに、デ
ィスク外周側でのスタイダ203aのローリング及びシ
ーク時における過渡的なローリング変動を防止できるた
め、後方の動圧発生部2bがディスクに衝突するおそれ
がなくなる。
【0052】なお、ここで、上記した前方の動圧発生部
2aにおける段差4と本実施形態により新たに設けた段
差6a,6bとを同一の深さとし、1回のエッチングに
より形成するようにすれば、製作効率を向上させること
ができる。
【0053】第4の実施形態 本発明の第4の実施形態について、図12を参照しつつ
説明する。図12は、本発明の第4の実施形態にかかる
スライダ形状を示したもので、(a)は斜視図、(b)
は平面図、(c)は側面図である。
【0054】上記した第3の実施形態によれば、ディス
ク外周側でのスタイダ203aのローリングを防止でき
るが、後方の動圧発生部2bの側部に切欠部25a,2
5bを設けることから、その部分の動圧が低下するた
め、スライダ203aのローリング剛性が多少減少す
る。そこで、本実施形態では、後方の動圧発生部2bの
側部にディスク回転方向Aにほぼ沿った段差6a,6b
と同回転方向Aに略垂直な方向に沿った段差7a,7b
を設けるよう切欠部26a,26bを形成している。か
かる構成によれば、上記した第3の実施形態と同様の効
果が生じるとともに、前記段差7a,7bによって、正
圧が発生することから、後方の動圧発生部2bにおける
所定の動圧を確保しつつ、両側部近傍の圧力分布を高め
ることができ、スライダ203aのローリング剛性を高
く維持することが可能となる。
【0055】図13は、後方の動圧発生部2bにおける
ディスクの回転方向と略垂直な方向(スライダ幅方向)
に関する圧力分布を示したものである。図中で、D1は
上記した第1の実施形態に示した単一のフラット面から
なる動圧発生部を有する場合の圧力分布、D2は本実施
形態に係る動圧発生部を有する場合の圧力分布をそれぞ
れ示したものである。
【0056】図示したように、単一のフラット面からな
る動圧発生部を有する場合は、スライダ幅方向の中央部
で最も圧力が高く、両側端に近づくにつれて圧力が大気
圧に漸近するような圧力分布となる。これに対して、本
実施形態にかかる動圧発生部を有する場合は、圧力が段
差7a,7bの近傍で高く、スライダ幅方向の中央付近
では低い圧力分布となる。従って、後方の動圧発生部2
bでの浮上力が仮に同じであっても、本実施形態に係る
動圧発生部の形状の方がより高いローリング剛性を得る
ことができる。
【0057】一方、上記した第1の実施形態において示
したような単一のフラット面に比べて、段差7a,7b
を形成した方がより大きな正圧を発生させることができ
るため、本実施形態にかかる構成によれば、後方の動圧
発生部2bをディスク回転方向に関して短く形成するこ
とができ、スライダ全体を小型化することが可能となる
とともに、ディスク停止時における後方の動圧発生部の
接地面積を削減できることから、スライダの吸着現象を
防止することも可能となる。
【0058】上記した本実施形態によれば、上記した第
3の実施形態と同様に、ヨー角依存性の低減により過渡
的な浮上量変動を抑制することができ、かつディスク内
外周での浮上量一定化を実現することが可能となるとと
もに、ディスク外周側でのスタイダ203aのローリン
グを防止でき、しかもローリング剛性を高く維持するこ
とができるため、後方の動圧発生部2bがディスクに衝
突するおそれがなくなる。
【0059】なお、上記した前方の動圧発生部2aにお
ける段差4と本実施形態により新たに設けた段差6a,
6b,7a,7bとを同一の深さとし、1回のエッチン
グにより形成するようにすれば、製作効率を向上させる
ことができる。
【0060】第5の実施形態 本発明の第5の実施形態について、図14を参照しつつ
説明する。図14は、本発明の第5の実施形態にかかる
スライダ形状を示したもので、(a)は斜視図、(b)
は平面図、(c)は側面図である。
【0061】本実施形態では、上記した第4の実施形態
において、スライダ203aを支持する図示しないサス
ペンションの取付誤差や、ディスク表面の凹凸、装置外
部からの振動等の影響により、スライダ203aにロー
リングが生じた場合に、スライダ203aのうち浮上量
の最も低下する後方の動圧発生部2bのディスク内外周
側の側端部がディスクに衝突しないよう、後方の動圧発
生部2bのディスク内周側Sin及び外周側Sout の側端
部を面取りすることとした。その際、スライダ203a
の側部に設ける段差6a,6bの効果を低減しないよう
に、図示のごとく段差8a,8bを形成するとともに、
段差7a,7bに対向する段差Ya,Ybを形成するよ
うに切欠部27a,27bを設けることとした。かかる
構成によれば、仮にスライダ203aにローリングが生
じた場合でも、後方の動圧発生部2bの側端部がディス
クに衝突するおそれがなくなる。
【0062】さらに、本実施形態においては、段差等を
形成した後、深溝3を形成する際に、前後の動圧発生部
2a,2bに形成されるランド部5,9の寸法が変動し
たり、エッジにカケ等の欠陥が発生しないように、各動
圧発生部の深溝3の近傍にマージン10を設定してい
る。なお、かかる構成において、前方の動圧発生部2a
のディスク回転方向Aに関する全長には、マージン10
は含まれないものとする。ここで、深溝3を形成する際
に生じる寸法誤差の主な原因は、加工に用いるブレード
の厚み誤差である。一方、前後の動圧発生部2a,2b
のうち、後方の動圧発生部2bについては、寸法誤差に
伴う浮上量変動の影響が小さいことから、後方の動圧発
生部2bの前端とブレード端部とを正確に位置決めすれ
ば、マージン10は前方の動圧発生部2aの後端のみに
設けるようにしてもよい。図15は、そのようにして製
作した場合の本実施形態にかかるスライダ形状を示した
ものである。
【0063】また、スライダ203aは、通常その側面
が連結された状態で複数個同時に形成され、最後に側面
を切断することにより分割される。従って、本実施形態
においては、切断加工を行う際に、ランド部5,9のエ
ッジにカケ等の欠陥が発生しないように、各動圧発生部
の側部近傍にもマージン11を設定している。
【0064】第6の実施形態 本発明の第6の実施形態について、図16を参照しつつ
説明する。図16は、本発明の第6の実施形態にかかる
スライダ形状を示したもので、(a)は斜視図、(b)
は平面図、(c)は側面図である。
【0065】本実施形態は、上記した第5の実施形態に
係るスライダ形状の変形形態を示したものである。本実
施形態においては、切欠部26a,26bによって形成
される段差7a,7bと、切欠部27a,27bにより
段差7a,7bに対向して形成される段差Ya,Ybと
により挟まれたランド部9a,9bが、スライダの側部
に近づくにつれ、ディスク回転方向Aに向かって前方に
位置するように傾けて構成されて、これによって切欠部
26a,26bは略V字形状に形成されている。かかる
構成によれば、ランド部9a,9bの側部をスライダ後
端部から遠ざけることができるため、図示しないサスペ
ンションの取付誤差や、ディスク表面の凹凸、装置外部
からの振動等の影響により、スライダ203aにローリ
ングが生じた場合でも、ランド部9a,9bの側縁部が
ディスクに衝突するのをさらに有効に防止することがで
きる。
【0066】なお、十分な負圧発生領域を確保するため
に負圧発生領域を拡大すると、それに対応して正圧発生
部である段差7a、7bの幅が狭くなるため、スライダ
203aの立ち上がり特性が劣化する(スライダ203
aがディスク上から離陸するタイミングが遅くなる)虞
がある。即ち、スライダ203aのローリング剛性と立
ち上がり特性は、互いにトレードオフの関係にあると言
える。
【0067】本実施形態においては、これら2つの特性
を両立させるための手段として、後方の動圧発生部2b
に設けられる切欠部26a,26bの形状に特徴を持た
せている。上記した第5の実施形態においては、正圧発
生用の段差7a,7bはスライダ203aの側方に開放
された形状となっているために段差7a,7bに衝突し
た空気流の一部がスライダ203aの側方から逃げてし
まい、その分発生する正圧が低下する。これに対して、
本実施形態では段差7a,7bのスライダ側端部を囲う
ように切欠部26a,26bを略V字形とし、この切欠
部26a,26bで正圧発生用のポケット部を形成して
いる。
【0068】かかる構成によれば、後方の動圧発生部2
bにおける正圧発生領域のスライダ側方からの空気の逃
げが抑制できるため、ディスク起動時の低周速領域にお
いても正圧を有効に発生させることができ、立ち上がり
特性を維持できるとともに、ローリング剛性を十分に発
揮させることが可能となる。
【0069】図25では、切欠部26a,26bの形状
を略V字形状としたが、例えばU字形状、J字形状等の
他の形状としても良い。かかる形状によれば段差6a,
6bのディスク回転方向に関する長さを調整することに
より、ローリング防止機能を最適化することが可能とな
る。
【0070】第7の実施形態 本発明の第7の実施形態について、図17を参照しつつ
説明する。図17は、本発明の第7の実施形態にかかる
スライダ形状を示したもので、(a)は斜視図、(b)
は平面図、(c)は側面図である。
【0071】この図17に示した第7実施形態の構成上
の特徴は、後方の動圧発生部2bにおいて、段差6a,
6bとの間に、これらに対向して配置される段差Xa,
Xbを形成するため、切欠部81a,81bを新たに設
けることとしたことである。この切欠部81a,81b
を設けたことにより、後方の動圧発生部2bの前縁に対
向して段差Wa,Wbが形成される。その結果、段差8
a,Wa,Xaで囲まれる領域及び段差8b,Wb,X
bで囲まれる領域で負圧が発生する。
【0072】このように第7の実施形態においては、後
方の動圧発生部2bに負圧を発生させる領域を設けるこ
とにより、この後方側で発生する負圧を利用して以下に
説明する様々な作用・効果を得ることを特徴としてい
る。
【0073】なお、切欠部81a,81bは、例えばエ
ッチングなどの手段で形成される。また、切欠部26
a,26bによって形成される段差7a,7bと、切欠
部27a,27bによって段差7a,7bに対向して形
成される段差Ya,Ybとにより挟まれたランド部9
a,9bが、スライダの側部に近づくにつれ、ディスク
回転方向Aに向かって前方に位置するように傾けて構成
されている。このように傾ける構成によれば、ランド部
9a,9bの側部をスライダ後端部から遠ざけることが
できるため、図示しないサスペンションの取付誤差や、
ディスク表面の凹凸、装置外部からの振動等の影響によ
りスライダ203aにローリングが生じた場合にも、ラ
ンド部9a,9bの側縁部がディスクに衝突するのを有
効に防止することができる。
【0074】(後方側で負圧を発生させた場合の作用・
効果)まず図18乃至図20を参照して、本発明に係る
後方側で負圧発生を発生させるヘッドスライダと、従来
から用いられている前方側で負圧を発生させるヘッドス
ライダとを対比する。
【0075】図18(a)は本実施形態にかかるスライ
ダ(後方負圧スライダ)の浮上姿勢を示したもの、図1
8(b)は従来のスライダ(前方負圧スライダ)の浮上
姿勢を示したもの、図19は本実施形態に係るスライダ
(後方負圧スライダ)のスライダ面の圧力分布を、図2
0は従来のスライダ(前方負圧スライダ)のスライダ面
の圧力分布をそれぞれ示したものである。
【0076】なお、図19と図20においては、圧力分
布は大気圧を基準としたゲージ圧で示してあり、大気圧
よりも低い圧力を負圧(マイナス:−)、大気圧よりも
高い圧力を正圧(プラス:+)と定義し、図中の符号
(E)は−0.5 〜−1気圧、(F)は0 〜−0.5 気圧、
(G)は0 〜+1 気圧、(H)は+1 〜+2 気圧、
(I)は+2 〜+3 気圧、(J)は+3 〜+4 気圧、
(K)は+4 気圧以上を示している。
【0077】図20から明らかなように、従来のスライ
ダ203bにあっては、磁極21’を支持するスライダ
203bの後端近傍で比較的大きな正圧が発生し、負圧
のピークはスライダ全長の中央部よりも前方、すなわち
前方の正圧発生部86の後縁付近に位置する設計になっ
ている。
【0078】一方図19に示すように、本実施形態によ
ればスライダの圧力分布は、正圧のピークおよび負圧の
ピークは共にスライダ後方に発生し、スライダ後方側の
空気膜剛性のみを高め、スライダ前方側については適度
な柔軟性を有する構成としている。
【0079】このような従来スライダと本実施形態のス
ライダの構成の相違によって次のことが言える。第1の
特徴点は、スライダ後方側に負圧発生部を備えた本実施
形態に係るスライダがディスクの潤滑剤の巻き上げ現象
に伴う吸着問題を抑制できる点である。つまり、負圧発
生部を備えたスライダでは、シーク動作に伴って負圧に
よりディスク表面に存在する潤滑剤の巻き上げ(スライ
ダの負圧発生部に潤滑剤が吸引されて蓄積される)が発
生する。その結果、スライダのパーキング時にスライダ
に蓄積された潤滑剤が染み出して、スライダがディスク
に対して吸着現象を起こすおそれがある。
【0080】従来のスライダ203bでは、正圧発生部
コの字状の正圧発生部86の内側全体にスライダ中央付
近から後方側まで比較的大面積の負圧発生領域が設けら
れており、この大面積の負圧発生領域により多量の潤滑
剤が巻き上げられる。またスライダのパーキング時には
コの字状の大面積を有する接地面全体に潤滑油が染み出
して上述した吸着現象が顕著となる問題がある。一方、
本実施形態に係るスライダでは、負圧発生領域はスライ
ダ後方側に設けられているので、負圧をスライダ面積で
積分したトータル負圧を、従来のスライダのトータル負
圧よりも小さくすることが可能となり、その結果、潤滑
剤の巻き上げを抑制できる。またパーキング時にも後方
の小面積の接地面のみに潤滑油が染み出すに止まり、吸
着現象が比較的軽度で済む構成とすることができる。
【0081】第2の特徴点は、スライダ後方側に負圧発
生部を備えた本実施形態に係るスライダが浮上姿勢変化
に伴うスペーシング変動の問題を抑制できる点である。
従来の負圧スライダは、図18(b)に示すように浮上
面にコの字型の接地面を設け、その内側を数μm掘下げ
た構造となっている。コの字のディスク回転方向A‘方
向に相当する接地面の後端を基点として、コの字の内側
では負圧が発生し、この負圧と釣り合わせるための大き
な正圧が、主に接地面に発生している。この大きな正圧
は、空気膜剛性を高くする効果を有するため、従来の負
圧スライダは製造誤差による浮上量のばらつきが、負圧
を発生させない従来のスライダと比較して一応少なくで
きる。
【0082】しかし、従来の負圧スライダの場合には、
負圧がスライダ前方側の正圧発生部の後縁近傍で最も大
きいため、スライダ全体の空気膜剛性が高く、サスペン
ション荷重誤差、大気圧変動等に伴って生じるピッチン
グ変動が小さく、スライダ全体が平行に上下動してしま
うような性質を有している。したがって、従来の負圧ス
ライダでは、サスペンションの荷重誤差、大気圧の変動
等の浮上量変動要因に関して浮上量が敏感に変動してし
まうという問題点を有している。
【0083】一方で、本実施形態では、図18(a)に
示すようにスライダ後方の正圧発生部2bが、記録再生
部である磁極21よりも上流側に設けられており、負圧
発生部がスライダの後方側に形成された切欠部81a,
81bに集中していることから、スライダ後方側のみ空
気膜剛性を高くし、逆にスライダ前方側は正圧のみ、ま
たは弱い負圧との組合わせ構造とすることにより、サス
ペンション荷重誤差、大気圧変動等をスライダ前方側の
浮上量変動で吸収し、後方側の磁極21の浮上量変動を
抑制することができる。
【0084】上記について、さらに詳細に説明するため
に、本実施形態にかかるスライダの浮上姿勢を示した図
18(a)と、従来のスライダの浮上姿勢を示した図1
8(b)とを比較して説明する。
【0085】従来のスライダ203bにあっては、磁極
21’を支持するスライダ203bの後端近傍でも比較
的大きな圧力が発生するような設計になっている。この
ため、ピッチングが生じて浮上姿勢が変化した際にスペ
ーシングが変動しない点(焦点)85’は、スライダ2
03bの後端よりも外側に位置することとなる。従っ
て、上記した荷重変動や大気圧変動に伴ってピッチング
が変化すると、磁極21’近傍のスペーシングも変動し
てしまう。
【0086】これに対して、本実施形態によれば、焦点
85を磁極21の近傍に位置させることが可能となる。
その理由は、以下の通りである。磁極21が設けられて
いる後方の動圧発生部2bのランド部のフラット面9c
は、両側部に負圧発生領域となる切欠部81a,81b
が設けられており、また、深溝3まで連続して形成され
ているので正圧を発生させるような段差もなく、また、
動圧発生部2b自体が横長形状であることから、ディス
ク回転方向Aに関して短い構成となっている。このた
め、フラット面9cに生じる正圧に伴うばね剛性は、比
較的弱いものとなる。
【0087】一方、後方の動圧発生部2bにおいて主に
正圧が発生するのは、段差7a,7b近傍であり、かか
る段差7a,7bは磁極21が設けられる位置よりもデ
ィスク回転方向Aに関して前方側に位置している。従っ
て、スライダ203aに作用する圧力は主に前方の動圧
発生部2aと、前記段差7a,7bの近傍で発生するこ
ととなり、図18(a)に示すように、焦点85をちょ
うど磁極21の近傍に位置させることが可能となる。従
って、上記した荷重変動や大気圧変動に伴ってピッチン
グが変化しても、磁極21近傍のスペーシングはほとん
ど変動しない。
【0088】なお、従来の負圧スライダ203bにおい
ては、負圧を発生させる位置が磁極21’よりもディス
ク回転方向A’に関してかなり前方の正圧発生部86の
後縁を起点とするスライダ中心付近であるために、磁極
近傍では高いばね剛性を有する正圧が発生し、本実施形
態にかかる効果を発揮することは困難である。
【0089】第3の特徴点は、スライダ後方側に負圧発
生部を備えた本実施形態に係るスライダが負圧の効果に
よってばね剛性を向上させることができる点である。本
実施形態においては、切欠部81a,81bを設けるこ
とにより、段差8a,Wa,Xaで囲まれる領域及び段
差8b,Wb,Xbで囲まれる領域で負圧が発生する。
後方の動圧発生部2aは浮上量が小さいことから、段差
8a,8bが浅くても有効に負圧を発生させることがで
きる。
【0090】かかる負圧の作用により以下のような効果
が生じる。まず、磁極21近傍のスペーシングを変化さ
せることなく、段差7a,7bにより発生させる正圧を
さらに高める構成とすることができ、ローリング剛性を
向上させることが可能となる。
【0091】また、上記したように正圧を高めることが
できれば、必然的にばね剛性(ディスクに垂直な方向に
関してスライダを支える剛性)を向上させることが可能
となる。このように、磁極21が設けられている後方の
動圧発生部2bにおけるばね剛性が高められれば、次の
ような点で有利である。まず、サスペンションの製造誤
差等によりサスペンションからスライダ203aに加え
られる荷重にばらつきが生じると、スライダ203aの
浮上量が変動するが、ばね剛性が高ければこの浮上量変
動を小さく抑えることができる。また、使用環境の変化
等により大気圧が変動するのに伴い、やはりスライダ2
03aの浮上量が変動するが、ばね剛性が高ければその
浮上量変動を小さく抑えることができる。
【0092】第4の特徴点は、スライダ後方側に負圧発
生部を備えた本実施形態に係るスライダが、ヨー角がつ
いたときのローリング防止機能の調整を行える点であ
る。上記した第4乃至第6の実施形態に係るスライダ形
状において、ヘッドとディスクとの間の所望のスペーシ
ングもしくは接触力を実現するための一方策として、後
方の動圧発生部2bの両側部近傍に設けられる正圧発生
用の段差7a,7bの幅(ディスク回転方向とほぼ垂直
な方向の長さ)を調整する方法がある。即ち、段差7
a,7bの幅を小さくすれば、スペーシングは小さくな
り、また、接触力は大きくなる。一方、段差7a,7b
の幅を大きくすれば、スペーシングは大きくなり、ま
た、接触力は小さくなる。
【0093】ところが、段差7a,7bの幅を調整する
と、必然的にスライダ長手方向の中心軸(スライダ中心
軸)からディスク回転方向Aにほぼ沿った段差6a,6
bが設けられる位置までの距離が変動し、かかる段差6
a,6bの有するローリング防止機能(上記第3及び第
4の実施形態の説明参照)に変化が生じる。従って、所
定のスペーシングや接触力を得るために段差7a,7b
の幅を設定した場合、そのローリング防止効果が顕著に
なりすぎて、ヨー角が大きくなるディスク外周側におい
て、スライダ203aのディスク内周側Sinがディスク
に接近し、ディスク外周側Sout がディスクから離反す
るようにローリングしてしまう場合がある。
【0094】そこで、本実施形態では、このような場合
の解決策として、前述したように後方の動圧発生部2b
において、段差6a,6bとの間に、これらに対向して
配置される段差Xa,Xbを形成するため、切欠部81
a,81bを新たに設けている。
【0095】上記したように、ディスク外周側でヨー角
がついた時には、空気流によって段差6aにおいては正
圧が、段差6bにおいては負圧がそれぞれ発生する。こ
れらの圧力とスライダ中心軸から段差6a,6bが設け
られる位置までの距離との積で決まるローリングモーメ
ントによって、スライダ203aのディスク外周側Sou
t がディスクから離反し、ディスク内周側Sinがディス
クに接近するようにローリングが生じる。
【0096】一方、段差Xa,Xbは、これとは逆の効
果を有する。即ち、段差Xaにおいては負圧が、段差X
bにおいては正圧がそれぞれ発生し、スライダ203a
のディスク外周側Sout がディスクに接近し、ディスク
内周側Sinがディスクから離反するようにローリングが
生じる。
【0097】従って、スライダ中心軸から段差Xa,X
bが設けられる位置までの距離を適宜選べば、適度なロ
ーリングモーメントを発生させることが可能となること
から、上記したローリング防止機能を調整することが可
能となる。
【0098】第5の特徴点は、スライダ後方側に負圧発
生部を備えた本実施形態に係るスライダが、ピッチング
依存性低減の効果を備えている点である。この点につい
て図17を参照して説明する。本実施形態に係るスライ
ダ形状におては、後方の動圧発生部2bの前縁から連続
的に形成されているランド部の面(フラット面)9cが
先に説明した他の実施形態と比較して小さくなる。フラ
ット面9cは、周速依存性(スライダに作用する浮上力
がディスク内外周における周速差に依存する性質)は小
さいが、ピッチング依存性(スライダに作用する浮上力
がピッチングの差に依存する性質)は大きい(図4参
照)。
【0099】したがって、フラット面9cの面積が大き
い場合は、スライダ203aをディスクに押付ける荷重
が変動したり(荷重変動)、使用環境の変化により大気
圧が変動した(大気圧変動)場合等に、前方の動圧発生
部2aの浮上量が低下し、スライダ203a全体のピッ
チングが変化することにより、磁極21近傍の浮上量も
しくは接触力が変動し易くなる。
【0100】これに対して、本実施形態に係るスライダ
形状では、後方の動圧発生部2bに切欠部81a,81
bを形成することによりフラット面9cの面積が削減さ
れているため、上記問題点が軽減され、磁極21近傍の
浮上量もしくは接触力が、上記した荷重変動や大気圧変
動に対してより安定となる。
【0101】以上説明した本実施形態によれば、上記し
た第4の実施形態と同様に、ヨー角依存性の低減により
過渡的な浮上量変動を抑制することができ、かつディス
ク内外周での浮上量一定化を実現することが可能となる
とともに、潤滑剤の巻き上げを抑制して吸着現象が防止
でき、ディスク外周側でのスタイダ203aのローリン
グをより有効に防止でき、しかもローリング剛性を高く
維持することができるとともに、スライダ−ディスク間
のスペーシングもしくは接触力の安定化を実現すること
が可能となる。
【0102】また、段差Xa,Xbを段差6a,6b,
7a,7b,8a,8bと同じ深さに設定すれば、1回
の工程で切欠部26a,26b等と同時に切欠部81
a,81bを形成することができ、製作効率を向上させ
ることが可能となる。
【0103】なお、図21に図17に示した第7の実施
形態の変形例を示すように、切欠部26a,26bによ
って形成される段差7a,7bと、切欠部27a,27
bによって段差7a,7bに対向して形成される段差Y
a,Ybとにより挟まれたランド部9a,9bを、ディ
スク回転方向Aとほぼ直交する方向へほぼ真っ直ぐに延
びるように形成して良い。
【0104】このように図21に示した変形例では、上
記した第7の実施形態のようにランド部9a,9bをス
ライダの側部に近づくにつれ、ディスク回転方向Aに向
かって前方に位置するように傾けては構成していない。
しかしかかる構成によっても、ランド部9a,9bの側
部をスライダ後端部から遠ざけることができるため、図
示しないサスペンションの取付誤差や、ディスク表面の
凹凸、装置外部からの振動等の影響によりスライダ20
3aにローリングが生じた場合にも、ランド部9a,9
bの側縁部がディスクに衝突するのを有効に防止するこ
とができる。したがって、このような図21に示す構成
を採用することも可能である。
【0105】第8の実施形態 本発明の第8の実施形態について、図22を参照しつつ
説明する。図22は、本発明の第8の実施形態にかかる
スライダ形状を示したもので、(a)は斜視図、(b)
は平面図、(c)は側面図である。
【0106】本実施形態は、上記した図17に示した第
7の実施形態にクラウンを設けたスライダ形状を示した
ものである。本実施形態は、前方の動圧発生部2aと後
方の動圧発生部2bの表面が互いに同一平面上にくるこ
とのないように、該表面全体がディスク側に凸な関係に
形成されていることを特徴とする。即ち、スライダ20
3aのディスクに対向する面の形状を、例えば楕円筒状
もしくは円筒状の軌跡に合わせて湾曲させることにより
クラウンを形成している。
【0107】このような構造を実現する手段としては、
通常のスライダに利用されている方法、即ち、サスペン
ションを貼り付ける際の条件を選ぶ、スライダの腹面に
スクラッチを設けることにより表面張力を開放するなど
がある。
【0108】また、図示しないが、前方の動圧発生部2
aの後部と、後方の動圧発生部2bの前部に膜を積層す
ることによってディスク側に凸な形状とすることも可能
である。
【0109】さらに、前方の動圧発生部2aを前方から
後方に向けてディスクに近付けるように傾斜させるとと
もに、後方の動圧発生部2bを前方から後方に向けてデ
ィスクから遠ざけるように傾斜させることにより、全体
としてディスク側に凸な形状とすることも可能である。
【0110】このような構成によれば、前方の動圧発生
部2aに迎え角がつくことにより、動圧軸受としての効
果が増大し、ピッチングが大きくなるという特徴があ
る。ピッチングが大きいと、ディスク回転中にスライダ
203aとディスクとの隙間にごみが進入しても前方の
動圧発生部2aに付着しにくくなり、かつ、後方の動圧
発生部2bに付着したとしても、スライダ203aが前
のめりになる危険が少なく、安定した浮上もしくは接触
が可能となる。
【0111】また、このような構成によれば、ディスク
停止時におけるスライダ203aとディスクとの接触部
が、前方の動圧発生部2aの後端と、後方の動圧発生部
2bの前端になり、吸着がより起こりにくくなるという
利点もある。
【0112】さらに、このような構成によれば、上記し
た荷重変動や大気圧変動による浮上量変動を小さく抑え
ることが可能となる。スライダ203aをディスク方向
に押付ける荷重が所定の値よりも大きくなった場合や大
気圧が下がった場合のいずれの場合にも、前方の動圧発
生部2aにおける浮上量が低下し、ピッチングも低下す
るため、後方の動圧発生部2bはこれに伴って、ピッチ
ング依存性の影響により、浮上量が低下してしまう。と
ころが、クラウンの影響で迎え角がついている場合に
は、ピッチングの低下する割合が小さくなるため、後方
の動圧発生部2bにおける浮上量の低下も起こりにくく
なり、浮上量の安定化が実現できる。
【0113】第9の実施の形態 本発明の第9の実施形態について、図23を参照しつつ
説明する。図23は、本発明の第9の実施形態にかかる
スライダ形状を示したもので、(a)は斜視図、(b)
は平面図、(c)は側面図である。
【0114】本実施形態は、上記の第8の実施形態の変
形例を示したものである。本実施形態では、上述した全
ての実施形態で採用されていた深溝3の形成を行わない
ことが最も特徴とする構成である。つまり、上述した実
施形態で深溝3により前方側動圧発生部2aと後方側動
圧発生部2bとに分割されていた動圧発生部はスライダ
前方から後方へ連続的な動圧発生部2として形成されて
いる。更に段差6a,6bの形状を変形してランド部9
cをスライダの前方へ延出させるように構成している。
これに伴い負圧発生部を成している切欠部81a,81
bの形状もスライダ前方側へ延出されて面積が先の実施
形態と比較して大きくなっている。
【0115】ここで、切欠部81a,81bの領域は、
段差Wa,Wb近傍で発生する負圧の値を決定する要素
となっている。従って、後方の動圧発生部2bの前縁の
形状を適宜調整できることは、以下の点で有効である。
即ち、後方の動圧発生部2bの前縁に設けられるランド
部9cの形状を調整することにより、段差6a,6bの
ディスク回転方向に関する長さ、及び段差7a,7bの
領域とは独立に切欠部81a,81bの領域を設定する
ことが可能となる。つまり、段差6a,6bにより得ら
れるローリング防止機能や、段差7a,7bによる正圧
発生機能とは独立に負圧発生機能を調整することが可能
となり、設計の自由度を大幅に向上させることができ
る。
【0116】本実施形態のように、切欠部81a,81
bの領域を拡張することができれば、より大きな負圧を
発生させることが可能となるので、段差6a,6b,7
a,7bにより形成される領域を調整したり、ランド部
9a,9bの幅を長くするなどの手段により、段差7
a,7bの近傍でさらに大きな正圧を発生させる設計が
可能となり、後方の動圧発生部2bのローリング剛性及
びばね剛性を向上させることができる。
【0117】なお、本実施形態においては、動圧発生部
2の前方側には先の実施形態と同様に段差4を形成する
ことによってランド部5が形成されて正圧発生部となっ
ている。
【0118】このように本発明のヘッドスライダにおい
ては、深溝3を設けることなくスライダの後方側に負圧
を発生させる構成を採用することによっても、先の実施
形態の「スライダ後方側で負圧を発生させた場合の作用
・効果」の欄に記載したような第1〜第5の特徴点で示
した作用・ 効果を得ることが可能である。
【0119】第10の実施の形態 本発明の第10の実施形態について、図24を参照しつ
つ説明する。図24は、本発明の第10の実施形態にか
かるスライダ形状を示したもので、(a)は斜視図、
(b)は平面図、(c)は側面図である。
【0120】本実施形態は、上記の第9の実施形態の変
形例を示したものである。本実施形態では、図23に示
した動圧発生部2をスライダの腹面を兼用して構成し、
このスライダ腹面に形成された動圧発生部2の前方側に
段差4を形成してランド部5を設け、動圧発生部2の後
方側には負圧を発生させるための切欠部81a,81b
を形成してランド部9a,9b,9cがそれぞれ設けら
れている。
【0121】このようにスライダ腹面を兼用してランド
部5及びランド部9a〜9cを同一の高さとし、1回の
エッチングにより形成するようにすれば、製作効率を著
しく向上させることができる。
【0122】第11の実施形態 本発明の第11の実施形態について、図25を参照しつ
つ説明する。図25は、本発明の第11の実施形態にか
かるスライダ形状を示したもので、(a)は斜視図、
(b)は平面図、(c)は側面図である。
【0123】本実施形態では、前方の動圧発生部2aの
ランド部5の後方に、第1の深さの段差30が設けら
れ、ランド部5の後方に前方の動圧発生部2aが延長さ
れている。そして、延長された前方の動圧発生部2aに
更に第2の深さの段差31a,31bを形成するように
切欠部32が設けられている。この切欠部32は、深溝
3側に開口して設けられる。
【0124】ここで、第1の深さ(段差30の持つ深
さ)をランド部5の前方に段差4と同じ深さとすれば、
ランド部5の形成時に段差30を同時に形成することが
可能である。
【0125】第2の深さ(段差31の持つ深さ)は数μ
mのオーダであり、ディスクの回転方向Aに沿って第1
の深さの段差30よりも深く形成されているので、ディ
スクの回転に伴い、スライダ203aに発生する空気流
の作用により、段差31aを基点に切欠部32の境界領
域において当該スライダ203aに負圧が発生する。
【0126】また、切欠部32は、動圧発生部2aの延
長部分によりその両側部を囲まれるように形成されてい
るため、負圧がスライダ側部で大気圧に開放されること
により低減されることなく効率的に発生する。また、動
圧発生部2aの延長部分により構成される側部は、スラ
イダ203の対ディスク表面接地面積を増やすことなく
負圧を効果的に発生させることができるので、一般の負
圧スライダが吸着作用に困窮するのに対し、かかる吸着
防止の面で非常に有利となる。また、このような構成に
よれば、正圧と負圧の和であるサスペンション荷重を小
さく設定することが可能である。
【0127】第12の実施の形態 本発明の第12の実施形態について、図26を参照しつ
つ説明する。図26は、本発明の第12の実施形態にか
かるスライダ形状を示したもので、(a)は斜視図、
(b)は平面図、(c)は側面図である。
【0128】本実施形態に係るスライダは、図25に示
した第11の実施形態に示したスライダの変形例を示す
もので、深溝3を設けないように構成した点が特徴であ
る。つまり、上述した実施形態で深溝3により前方側動
圧発生部2aと後方側動圧発生部2bとに分割されてい
た動圧発生部は段差31bとランド部5によって囲まれ
た切欠部32を介して分割されている。ランド部9a,
9b,9cの形状は、図23,図24に示した実施形態
とほぼ同様である。
【0129】切欠部32の深さは数μmのオーダであ
り、ディスク方向に突出する動圧発生部2aよりもディ
スクから遠ざかる方向へ深く形成されているので、ディ
スクの回転に伴い、スライダ203aに発生する空気流
の作用により、ランド部5の後縁を基点に切欠部32の
境界領域において当該スライダ203aに負圧が発生す
る。この圧力分布の様子を図27に示す。
【0130】この図27の圧力分布特性にも示されるよ
うに、切欠部32は、動圧発生部2aの延長部分に形成
された段差31bによりその両側部を囲まれるように形
成されているため、負圧がスライダ側部で大気圧に開放
されることにより低減されることなく効率的に発生す
る。また、動圧発生部2aの延長部分により構成される
段差31aは、スライダ203aの対ディスク表面接地
面積を増やすことなく負圧を効果的に発生させることが
できるので、一般の負圧スライダが吸着作用に困窮する
のに対し、かかる吸着防止の面で非常に有利となるとい
った図25に示した第11の実施形態とほぼ同様の作用
・ 効果を得ることができる。
【0131】すなわち本実施形態は、スライダ前方とス
ライダ後方の2個所に別々の負圧発生部を設け、それぞ
れの負圧作用が独立に最適に作用できる構成としたもの
である。したがって、図18に説明した大気圧の変化お
よび荷重のばらつき等に対して所望の挙動を実現するこ
とが可能であり、さらにスライダ全体の浮上安全性をも
満足させる設計が可能となる。なお、スライダ後方側の
動圧発生部2bの構成・作用・ 効果については先に示し
た図23、図24の第9、第10の実施形態とほぼ同様
である。
【0132】第13の実施の形態 本発明の第13の実施形態について、図28を参照しつ
つ説明する。図28は、本発明の第13の実施形態にか
かるスライダ形状を示したもので、(a)は斜視図、
(b)は平面図、(c)は側面図である。
【0133】本実施形態に係るスライダは、前方側の動
圧発生部2aと、後方側の動圧発生部2bと、前方側の
動圧発生部2aに設けられた段差4により形成されるラ
ンド部5と、後方側の動圧発生部に形成されたランド部
9a,9b,9cと、ランド部9cからスライダ前方側
へ延出されてランド5と接続されたランド部9dとを主
に特徴的な構成としている。
【0134】前方側の動圧発生部に形成されたランド部
5は、スライダ後方側へ向かって凸形状となる略V字形
状を成し、このランド5に沿って正圧が発生する。後方
側のランド部9a〜9cの周囲では先の実施形態と同様
に切欠部81a,81bのポケットで負圧が発生し、ラ
ンド部9a,9b近傍では正圧が発生している。このよ
うに前方側のランド5と後方側のランド部9cとの間を
ランド部9dで接続した構成においても、先に示した実
施形態と同様の作用・ 効果を奏することができる。
【0135】第14の実施形態 本発明の第14の実施形態について、図29を参照しつ
つ説明する。図29は、本発明の第14の実施形態にか
かるスライダ形状を示したもので、(a)は斜視図、
(b)は平面図、(c)は側面図、(d)はスライダが
ディスク上に接地しているときの側面図である。
【0136】本実施形態においては、前方の動圧発生部
2aと後方の動圧発生部2bとの間に突出部2cを設け
ている。この突出部2cのディスク対向面は、そのディ
スク回転方向Aに略垂直な方向に関してほぼ中央に接地
パッド90が形成されるようにその両側部を後退させた
構成を有する。ここで、突出部2cは、機械加工もしく
はエッチングにより深溝3a,3bを設けることにより
形成される。また、接地パッド90は、その部分をマス
キングし、エッチングにより両側部を後退させることに
より形成される。
【0137】また、本実施形態においては、前後の動圧
発生部2a,2bに設けられるランド部5,9a,9
b,9c及びその間に位置する突出部2cに設けられる
接地パッド90のうち、接地パッド90が最もディスク
側に突出した構成となっている。このような構成とする
には、接地パッド90以外の面をエッチング等で後退さ
せる、接地パッド90がその頂点近傍に位置するように
クラウン(スライダのディスク対向面をディスク側に凸
形状としたもの)を設ける、もしくは、接地パッド90
の部分のみに保護膜を厚く形成する等の手段を施せばよ
い。ここで、図29(d)に示すように図示しないサス
ペンションにより、前方の動圧発生部2aと突出部2c
との間に荷重Pを付与するようにすれば、前方の動圧発
生部2aに設けられたランド部5と、突出部2cに設け
られた接触パッド90のみがディスク停止時にディスク
201上に接地するようになる。従って、磁極21が設
けられている後方の動圧発生部2bをディスク201と
非接触の状態に保つことができ、スライダ203aとデ
ィスク201との接地面積を低減することが可能とな
り、ひいてはスライダ203aとディスク201との吸
着を防止することが可能となる。また、後方の動圧発生
部2bをディスク201と非接触の状態に保つことがで
きれば、ディスク起動時に生じる摩耗粉等のごみが磁極
21の近傍に付着することを防止することができる。
【0138】ところで、荷重Pを付与する位置は上記し
た場合に限られない。例えば、後方の動圧発生部2bと
突出部2cとの間に荷重Pを付与するとすれば、前方の
動圧発生部2aをディスク201と非接触の状態に保つ
ことができ、やはりスライダ203aとディスク201
との接地面積を低減することが可能となり、ひいてはス
ライダ203aとディスク201との吸着を防止するこ
とが可能となる。また、荷重Pを付与する位置を適当に
選べば、接地パッド90のみを接地させることも可能と
なる。
【0139】なお、ここで、前方の動圧発生部2aにお
ける段差4と接地パッド90を設けるために新たに設け
た突出部2cの後退深さとを同一の深さとし、1回のエ
ッチングにより形成するようにすれば、製作効率を向上
させることができるまた、本実施形態は図29に示した
場合に限られず、上記した全ての実施形態に示したスラ
イダ形状とも適宜組合せることが可能である。
【0140】第15の実施形態 本発明の第15の実施形態について、図30を参照しつ
つ説明する。図30は、本発明の第15の実施形態にか
かるスライダ形状を示したもので、(a)は斜視図、
(b)は平面図、(c)は側面図である。
【0141】本実施形態では、上記した第14の実施形
態で設けた突出部2cに相当する構成を設けず、接地パ
ッド90を直接設ける構成としている。接地パッド90
は、エッチングで深溝3を形成する際に、その部分をマ
スキングして残すことにより形成される。また、接地パ
ッド90を設ける位置は、図30に示した場合に限られ
ず、適宜変更することができ、接地パッド90の個数も
適宜変更することができる。また、接地パッド90の形
状も任意に設計することができる。例えば、図31(2
0)に示すように、中空半円筒状としてもよい。かかる
構成によれば、図31(d)に示したように、接地面積
を増やさずに、接地領域を拡大することができ、安定な
接地を可能とするとともに、接地パッド90のみを接地
させることも容易となる。従って、かかる構成によれば
吸着防止効果をさらに向上させることができる。
【0142】一方、本実施形態では、スライダ203a
の加工を全てエッチングにより行うことから、スライダ
203aの四隅を面取りすることも容易であり、種々の
要因によるローリング変動やピッチング変動あるいは浮
上量変動が生じても、スライダ203aがディスクと衝
突する危険を回避することが容易となる。また、装置に
衝撃が加わり、スライダ203aがディスクから一旦離
れ、再び接地する際にディスクに傷を付けることがあ
る。特に接地の際の姿勢がディスクと平行でない場合、
スライダの四隅のいずれかがディスクに鋭い傷を形成す
る原因となる。従って、スライダ203aの四隅を面取
りすることは、かかるディスクへの損傷を防止する効果
をも有する。
【0143】第16の実施形態 本発明の第16の実施形態について、図32を参照しつ
つ説明する。図32は、本発明の第16の実施形態にか
かるスライダ形状を示したもので、(a)は斜視図、
(b)は平面図、(c)は側面図である。
【0144】本実施形態の特徴は、深溝3をエッチング
で形成するため、前方の動圧発生部2aの後縁と、後方
の動圧発生部2bの前縁を任意の形状に加工できる点に
ある。本実施形態では、前方の動圧発生部2aの後縁に
凹部91aを設けて、効率よく負圧を発生させるように
するとともに、後方の動圧発生部2bの前縁にも凹部9
1bを設け、段差7a,7bを形成するために設けられ
る切欠部26a,26bの領域を拡張している。
【0145】ここで、切欠部26a,26bの領域は、
段差7a,7b近傍で発生する正圧の値、あるいはディ
スクの周速やスライダのピッチングの変化に伴う正圧の
挙動を決定する要素となっている。従って、後方の動圧
発生部2bの前縁の形状を適宜調整できることは、以下
の点で有効である。即ち、後方の動圧発生部2bの前縁
に設けられる凹部91bの形状を調整することにより、
段差6a,6bのディスク回転方向に関する長さと段差
7a,7bを形成するために設けられる切欠部26a,
26bの領域を独立に設定することが可能となる。つま
り、段差6a,6bにより得られるローリング防止機能
と、段差7a,7bによる正圧発生機能とを独立に調整
することが可能となり、設計の自由度を大幅に向上させ
ることができる。
【0146】また、凹部91bの形状を調整することに
より、段差6a,6bと、段差Xa,Xbのディスク回
転方向に沿った方向の長さを適宜変更することもでき
る。その際、段差7a,7bによる正圧発生機能とは独
立にその長さを決定することが出きるため、上記第6の
実施形態で説明したローリング防止機能の調整を容易に
行うことが可能となる。
【0147】第17の実施形態 本発明の第17の実施形態について、図33を参照しつ
つ説明する。図33は、本発明の第17の実施形態にか
かるスライダ形状を示したもので、(a)は斜視図、
(b)は平面図、(c)は側面図である。
【0148】本実施形態では、前方の動圧発生部2aの
後縁に凹部91aを設けて、負圧を発生させるようにす
るとともに、後方の動圧発生部2bの前縁にも凹部91
bを設け、負圧を発生させる段差Wa,Wbを形成する
ために設けられる切欠部81a,81bの領域を拡張し
ている。
【0149】ここで、切欠部81a,81bの領域は、
段差Wa,Wb近傍で発生する負圧の値を決定する要素
となっている。従って、後方の動圧発生部2bの前縁の
形状を適宜調整できることは、以下の点で有効である。
即ち、後方の動圧発生部2bの前縁に設けられる凹部9
1bの形状を調整することにより、段差6a,6bのデ
ィスク回転方向に関する長さ、及び段差7a,7bを形
成するために設けられる切欠部26a,26bの領域と
は独立に切欠部81a,81bの領域を設定することが
可能となる。つまり、段差6a,6bにより得られるロ
ーリング防止機能や、段差7a,7bによる正圧発生機
能とは独立に負圧発生機能を調整することが可能とな
り、設計の自由度を大幅に向上させることができる。
【0150】本実施形態のように、切欠部81a,81
bの領域を拡張することができれば、より大きな負圧を
発生させることが可能となるので、切欠部26a,26
bの領域を調整したり、ランド部9a,9bの幅を長く
するなどの手段により、段差7a,7bの近傍でさらに
大きな正圧を発生させる設計が可能となり、後方の動圧
発生部2bのローリング剛性及びばね剛性を向上させる
ことができる。
【0151】以上、種々の実施形態について説明した
が、いずれもスライダ203aの後方動圧発生部2b上
に形成されるランド部9はスライダ長手方向の中心軸線
を中心に対称形状としたが、これは必ずしも対称形状で
ある必要はなく、状況に応じて非対称とすることも可能
である。
【0152】また、上記した各実施形態は、ヨー角依存
性によらずにディスク内外周における浮上量もしくは接
触力を一定に維持する機能を有するものであるから、M
Rヘッドを採用し、ディスク内外周でトラックずれを防
止するためにヨー角変動が生じないようなシークを行う
場合にも、非常に適したスライダ形状であるといえる。
【0153】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ヨー角依存性の低減により過渡的な浮上量変動を抑制す
ることができるとともに、ディスク内外周での浮上量一
定化もしくはヘッド−ディスク間の接触力の一定化を実
現することが可能なヘッドスライダを提供することがで
きる。
【0154】また、本発明にかかるヘッドスライダを用
いることにより、ヘッドスライダの低浮上化、あるいは
ヘッド−ディスク間の低荷重かつ安定な接触が可能とな
ることから、記録密度の向上を図ることが可能な記録再
生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 記録再生装置の一例である磁気ディスク装置
の概略図。
【図2】 スライダの浮上姿勢に関する説明図。
【図3】 本発明の第1の実施形態にかかるヘッドスラ
イダの形状を示した図。
【図4】 後方の動圧発生部のピッチングに対して、同
動圧発生部の後端のスペーシングを一定とした場合の浮
上力をプロットした図。
【図5】 前方の動圧発生部のディスク回転方向に関す
る全長Lとランド部の同方向に関する長さSとの比率に
対する、スライダの後端のスペーシングを一定とした場
合のディスク内外周での浮上力の比をプロットした図。
【図6】 ディスクの周速に対するスライダのピッチン
グ及びヘッドが設けられる後方の動圧発生部の後端にお
けるスペーシングの変化を示した図。
【図7】 ディスク起動時の状態を示した説明図。
【図8】 本発明の第1の実施形態にかかるヘッドスラ
イダの変形例の形状を示した図。
【図9】 本発明の第2の実施形態にかかるヘッドスラ
イダの形状を示した図。
【図10】 本発明の第2の実施形態にかかるヘッドス
ライダの変形例の形状を示した図。
【図11】 本発明の第3の実施形態にかかるヘッドス
ライダの形状を示した図。
【図12】 本発明の第4の実施形態にかかるヘッドス
ライダの形状を示した図。
【図13】 後方の動圧発生部におけるディスクの回転
方向と略垂直な方向(スライダ幅方向)に関する圧力分
布を示した図。
【図14】 本発明の第5の実施形態にかかるヘッドス
ライダの形状を示した図。
【図15】 本発明の第5の実施形態にかかるヘッドス
ライダの変形例の形状を示した図。
【図16】 本発明の第6の実施形態にかかるヘッドス
ライダの形状を示した図。
【図17】 本発明の第7の実施形態にかかるヘッドス
ライダの形状を示した図。
【図18】 本発明の第7の実施形態にかかるスライダ
と従来のスライダの浮上量変動についての説明図。
【図19】 本発明の第7の実施形態にかかるスライダ
の圧力分布特性を示した図。
【図20】 従来のスライダの圧力分布特性を示した
図。
【図21】 本発明の第7の実施形態の変形例にかかる
スライダの形状を示した図。
【図22】 本発明の第8の実施形態にかかるヘッドス
ライダの形状を示した図。
【図23】 本発明の第9の実施形態にかかるヘッドス
ライダの形状を示した図。
【図24】 本発明の第10の実施形態にかかるヘッド
スライダの形状を示した図。
【図25】 本発明の第11の実施形態にかかるヘッド
スライダの形状を示した図。
【図26】 本発明の第12の実施形態にかかるヘッド
スライダの形状を示した図。
【図27】 本発明の第12の実施形態にかかるヘッド
スライダの圧力分布特性を示した図。
【図28】 本発明の第13の実施形態にかかるヘッド
スライダの形状を示した図。
【図29】 本発明の第14の実施形態にかかるヘッド
スライダの形状を示した図。
【図30】 本発明の第15の実施形態にかかるヘッド
スライダの形状を示した図。
【図31】 本発明の第15の実施形態の変形例にかか
るヘッドスライダの形状を示した図。
【図32】 本発明の第16の実施形態にかかるヘッド
スライダの形状を示した図。
【図33】 本発明の第17の実施形態にかかるヘッド
スライダの形状を示した図。
【図34】 従来のスライダを採用した磁気ディスク装
置の概略図。
【図35】 従来のテーパフラットスライダの概略を示
した斜視図。
【図36】 シーク時における等価的なヨー角変動の説
明図。
【符号の説明】
203a ヘッドスライダ 2a,2b 動圧発生部 3 深溝 4,6a,6b,7a,7b,8a,8b,Xa,X
b,Ya,Yb,Wa,Wb,30,31a,31b
段差 5,9a,9b,9c ランド部 10,11 マージン 20 記録再生ヘッド 21 磁極 25a,25b,26a,26b、27a、27b、8
1a,81b 切欠部

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転可能な記録媒体であるディスク上で情
    報の記録再生を行う記録再生ヘッドを搭載したヘッドス
    ライダにおいて、 前記ヘッドスライダの前記ディスクと対向する面に形成
    され動圧を発生させるための動圧発生部と、 前記ヘッドスライダの前記ディスクと対向する面内で前
    記ディスクの回転方向に関して前記ヘッドスライダの中
    央部分よりも後方側に設けられ負圧を発生させるための
    負圧発生部とを備えたことを特徴とするヘッドスライ
    ダ。
  2. 【請求項2】回転可能な記録媒体であるディスク上で情
    報の記録再生を行う記録再生ヘッドを搭載したヘッドス
    ライダにおいて、 前記ヘッドスライダの前記ディスクと対向する面に設け
    られ、前記ディスクの回転方向に沿って配列される少な
    くとも2つの動圧発生部と、 前記ヘッドスライダの前記ディスクと対向する面に設け
    られ、前記動圧発生部のうち前記ディスクの回転方向に
    関して最も前方に位置する動圧発生部と該回転方向に関
    して最も後方に位置する動圧発生部との間に位置し、前
    記ディスク方向に最も突出して設けられる接地パッドと
    を有することを特徴とするヘッドスライダ。
  3. 【請求項3】回転可能な記録媒体であるディスク上で情
    報の記録再生を行う記録再生ヘッドを搭載したヘッドス
    ライダにおいて、 前記ヘッドスライダの前記ディスクと対向する面に設け
    られ、前記ディスクの回転方向に沿って溝を挟んで配列
    される少なくとも2つの動圧発生部を有し、 前記動圧発生部のうち前記ディスクの回転方向に関して
    最も後方に位置する動圧発生部の前記溝に面した前縁に
    は、凹部が形成されていることを特徴とするヘッドスラ
    イダ。
  4. 【請求項4】前記負圧発生部は、前記動圧発生部に切欠
    部を形成することにより構成されて成ることを特徴とす
    る請求項1記載のヘッドスライダ。
  5. 【請求項5】前記動圧発生部は、前記ディスクの回転方
    向に沿って少なくとも2つ設けられており、前記負圧発
    生部は前記動圧発生部のうち前記ディスクの回転方向に
    関して最も後方に位置する動圧発生部に設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載のヘッドスライダ。
  6. 【請求項6】前記動圧発生部は、前記ディスクの回転方
    向に沿った長さよりも該回転方向に略垂直な方向に沿っ
    た長さの方が長い形状を有していることを特徴とする請
    求項1、2、3のいずれか1項に記載のヘッドスライ
    ダ。
  7. 【請求項7】前記前記動圧発生部のうち前記ディスクの
    回転方向に関して最も後方に位置する動圧発生部には、
    負圧を発生させるための負圧発生部が設けられているこ
    とを特徴とする請求項2または3に記載のヘッドスライ
    ダ。
  8. 【請求項8】前記動圧発生部は、正圧を発生させるため
    の領域と負圧を発生させるための領域とを含んで成るこ
    とを特徴とする請求項1または7のいずれかに記載のヘ
    ッドスライダ。
  9. 【請求項9】前記動圧発生部のうち前記ディスクの回転
    方向に関して最も後方に位置する動圧発生部には、該回
    転方向にほぼ沿った第1の段差及び該回転方向と略垂直
    な方向にほぼ沿った第2の段差を形成する第1の切欠部
    が設けられていることを特徴とする請求項2または3の
    いずれかに記載のヘッドスライダ。
  10. 【請求項10】前記負圧発生部は、前記ディスクの回転
    方向とほぼ直交する方向に沿って配置される第1、第2
    のランド部と、これら第1、第2のランド部に挟まれて
    前記ディスクの回転方向にほぼ沿って配置される第3の
    ランド部とを備え、第1及び第2のランド部と第3のラ
    ンド部とでそれぞれ囲まれた領域で負圧を発生するよう
    に構成したことを特徴とする請求項1または請求項7の
    いずれかに記載のヘッドスライダ。
  11. 【請求項11】前記負圧発生部には、前記ディスクの回
    転方向にほぼ沿った第1の段差及び該回転方向と略垂直
    な方向にほぼ沿った第2の段差を形成する第1の切欠部
    と、前記第1の段差と対向する第3の段差を形成する第
    2の切欠部とが設けられていることを特徴とする請求項
    8記載のヘッドスライダ。
  12. 【請求項12】前記負圧発生部には、前記ディスクの回
    転方向にほぼ沿った第1の段差及び該回転方向と略垂直
    な方向にほぼ沿った第2の段差を形成する第1の切欠部
    と、前記第1の段差と対向する第3の段差及び前記第2
    の段差のほぼ反対方向へ延びる第4の段差を形成する第
    2の切欠部とを設けたことを特徴とする請求項8記載の
    ヘッドスライダ。
  13. 【請求項13】前記第1の切欠部及び前記第2の切欠部
    は、前記ヘッドスライダの両側部近傍にそれぞれ一対づ
    つ設けられることを特徴とする請求項11または12記
    載のヘッドスライダ。
  14. 【請求項14】前記第3のランド部を前記第1及び第2
    のランド部に対する前記ディスクの回転方向上流側に突
    出させ、この突出量は必要とする前記負圧の大きさに応
    じて決定されて成ることを特徴とする請求項10記載の
    ヘッドスライダ。
  15. 【請求項15】前記動圧発生部のうち前記ディスクの回
    転方向に関して最も前方に位置する動圧発生部と該回転
    方向に関して最も後方に位置する動圧発生部との間に位
    置し、前記ディスク方向に最も突出して設けられる接地
    パッドを更に備えたことを特徴とする請求項3または5
    記載のヘッドスライダ。
  16. 【請求項16】前記動圧発生部のうち前記ディスクの回
    転方向に関して最も後方に位置する動圧発生部の側端部
    を面取りしたことを特徴とする請求項2、3、5のいず
    れか1項に記載のヘッドスライダ。
  17. 【請求項17】前記動圧発生部のうち前記ディスクの回
    転方向に関して最も後方に位置する動圧発生部に、正圧
    発生用段差と、この正圧発生用段差よりも該回転方向に
    略垂直な方向に関して内側に位置する負圧発生用段差と
    を設けたことを特徴とする請求項2、3、5のいずれか
    1項に記載のヘッドスライダ。
  18. 【請求項18】前記動圧発生部のうち前記ディスクの回
    転方向に関して最も前方に位置する動圧発生部に、前記
    ディスクの回転方向と略垂直な方向に沿った段差を形成
    することによりランド部を設けたことを特徴とする請求
    項2、3、5のいずれか1項に記載のヘッドスライダ。
  19. 【請求項19】前記動圧発生部のうち前記ディスクの回
    転方向に関して最も前方に位置する動圧発生部に、前記
    ディスクの回転方向と略垂直な方向に沿った段差を形成
    することによりランド部を設け、該ランド部の該回転方
    向に関する長さを該動圧発生部の該回転方向に関する全
    長の10%より大きく50%より小さい長さとすること
    を特徴とする請求項2、3、5のいずれか1項に記載の
    ヘッドスライダ。
  20. 【請求項20】前記ランド部の前記回転方向に関する長
    さを前記動圧発生部の前記回転方向に関する全長のほぼ
    30%の長さとすることを特徴とする請求項19記載の
    ヘッドスライダ。
  21. 【請求項21】前記ランド部の接地面積は、該ランド部
    が設けられる動圧発生部よりも前記ディスクの回転方向
    に向って後方に位置する動圧発生部の接地面積よりも小
    さいことを特徴とする請求項19記載のヘッドスライ
    ダ。
  22. 【請求項22】前記動圧発生部のうち前記ディスクの回
    転方向に関して最も前方に位置する動圧発生部に、前記
    ディスクの回転方向と略垂直な方向に沿った段差を形成
    することにより設けられるランド部と、このランド部よ
    りも該回転方向に関して後方に設けられる負圧発生用段
    差とを設けたことを特徴とする請求項2、3、5のいず
    れか1項に記載のヘッドスライダ。
  23. 【請求項23】回転可能な記録媒体であるディスクと、
    このディスク上で情報の記録再生を行う記録再生ヘッド
    と、この記録再生ヘッドを搭載するヘッドスライダと、
    このヘッドスライダを支持し前記ディスク上を移動させ
    るアクチュエータとを備えた記録再生装置において、 前記ヘッドスライダの前記ディスクと対向する面に形成
    され動圧を発生させるための動圧発生部と、 前記ヘッドスライダの前記ディスクと対向する面内で前
    記ディスクの回転方向に関して前記ヘッドスライダの中
    央部分よりも後方側に設けられ負圧を発生させるための
    負圧発生部とを備えたことを特徴とする記録再生装置。
  24. 【請求項24】回転可能な記録媒体であるディスクと、
    このディスク上で情報の記録再生を行う記録再生ヘッド
    と、この記録再生ヘッドを搭載するヘッドスライダと、
    このヘッドスライダを支持し前記ディスク上を移動させ
    るアクチュエータとを備えた記録再生装置において、 前記ヘッドスライダの前記ディスクと対向する面に設け
    られ、前記ディスクの回転方向に沿って配列される少な
    くとも2つの動圧発生部と、 前記ヘッドスライダの前記ディスクと対向する面に設け
    られ、前記動圧発生部のうち前記ディスクの回転方向に
    関して最も前方に位置する動圧発生部と該回転方向に関
    して最も後方に位置する動圧発生部との間に位置し、前
    記ディスク方向に最も突出して設けられる接地パッドと
    を有することを特徴とする記録再生装置。
  25. 【請求項25】回転可能な記録媒体であるディスクと、
    このディスク上で情報の記録再生を行う記録再生ヘッド
    と、この記録再生ヘッドを搭載するヘッドスライダと、
    このヘッドスライダを支持し前記ディスク上を移動させ
    るアクチュエータとを備えた記録再生装置において、 前記ヘッドスライダの前記ディスクと対向する面に設け
    られ、前記ディスクの回転方向に沿って溝を挟んで配列
    される少なくとも2つの動圧発生部を有し、 前記動圧発生部のうち前記ディスクの回転方向に関して
    最も後方に位置する動圧発生部の前記溝に面した前縁に
    は、凹部が形成されていることを特徴とする記録再生装
    置。
  26. 【請求項26】前記負圧発生部は、前記動圧発生部に切
    欠部を形成することにより構成されて成ることを特徴と
    する請求項23記載の記録再生装置。
  27. 【請求項27】前記動圧発生部は、前記ディスクの回転
    方向に沿って少なくとも2つ設けられており、前記負圧
    発生部は前記動圧発生部のうち前記ディスクの回転方向
    に関して最も後方に位置する動圧発生部に設けられてい
    ることを特徴とする請求項23記載の記録再生装置。
  28. 【請求項28】前記動圧発生部は、前記ディスクの回転
    方向に沿った長さよりも該回転方向に略垂直な方向に沿
    った長さの方が長い形状を有していることを特徴とする
    請求項23、24、25のいずれか1項に記載の記録再
    生装置。
  29. 【請求項29】前記前記動圧発生部のうち前記ディスク
    の回転方向に関して最も後方に位置する動圧発生部に
    は、負圧を発生させるための負圧発生部が設けられてい
    ることを特徴とする請求項24または25に記載の記録
    再生装置。
  30. 【請求項30】前記負圧発生部は、正圧を発生させるた
    めの領域と負圧を発生されるための領域とを含んで成る
    ことを特徴とする請求項23または29のいずれかに記
    載の記録再生装置。
  31. 【請求項31】前記動圧発生部のうち前記ディスクの回
    転方向に関して最も後方に位置する動圧発生部には、該
    回転方向にほぼ沿った第1の段差及び該回転方向と略垂
    直な方向にほぼ沿った第2の段差を形成する第1の切欠
    部が設けられていることを特徴とする請求項24または
    25のいずれかに記載の記録再生装置。
  32. 【請求項32】前記負圧発生部は、前記ディスクの回転
    方向とほぼ直交する方向に沿って配置される第1、第2
    のランド部と、これら第1、第2のランド部に挟まれて
    前記ディスクの回転方向にほぼ沿って配置される第3の
    ランド部とを備え、第1及び第2のランド部と第3のラ
    ンド部とでそれぞれ囲まれた領域で負圧を発生するよう
    に構成したことを特徴とする請求項23または請求項2
    9のいずれかに記載のヘッドスライダ。
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