JPH10281733A - 肉盛り部品の肉厚測定方法及び装置 - Google Patents

肉盛り部品の肉厚測定方法及び装置

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JPH10281733A
JPH10281733A JP9110097A JP9110097A JPH10281733A JP H10281733 A JPH10281733 A JP H10281733A JP 9110097 A JP9110097 A JP 9110097A JP 9110097 A JP9110097 A JP 9110097A JP H10281733 A JPH10281733 A JP H10281733A
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木 健 司 鈴
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダヘッドのバルブシート部に肉盛りを
施してバルブシートを形成したような肉盛り部品におい
て、肉盛り部の肉厚を非破壊で簡易に測定できるような
手法を提供する。 【解決手段】 シリンダヘッド7のR溝7aを施したバ
ルブシート部にレーザビームを用いて合金粉末を肉盛り
して肉盛り部を形成し、肉盛り部を所定の形状に加工し
てバルブの当たり面7bを設けたバルブシート5の当た
り面から深さ方向への肉盛り部の肉厚を測定する際に、
バルブシート5を少なくとも含む領域に光源を用いて線
状光線4を照射しつつ、バルブシートをCCDカメラ6
により撮影し、撮影により得られた画像を処理してバル
ブシートの当たり面7bと平行な方向における肉盛り幅
を特定し、予め得られた肉盛り幅(X),肉厚(Y),
及び係数(a)との関係式Y=aXを用いて肉厚を特定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基部材に対して肉
盛り部が形成された肉盛り部品の肉厚寸法等を非破壊に
て測定する肉盛り部品の肉厚測定方法及び装置に関し、
特に、内燃エンジンの一部をなすシリンダヘッドのバル
ブシート部に肉盛りされた肉盛り部の肉厚を測定するの
に適した肉盛り部品の肉厚測定方法及び装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】エンジンのシリンダヘ
ッドに設けられてバルブの接触座面の役割りをなすバル
ブシートとしては、鉄基焼結材の打ち込みものと、耐摩
耗合金をレーザビーム等の高密度エネルギビームを用い
て肉盛りするものとの2種類がある。
【0003】現状では前者のものが大半であり、バルブ
シートとしての鉄基焼結材の部品の形状およびシリンダ
ヘッドのバルブシート打ち込み前の形状はあらかじめ検
査されており、鉄基焼結材の部品の肉厚はバルブの傘部
が当たる当たり面の加工後も十分な厚さを保つことが確
認されている。
【0004】一方、高密度エネルギビームを用いて肉盛
りしバルブシートとするものは、レイアウトの自由度が
増し、冷却水の通路であるウォータジャケットに対して
バルブシートを接近させて設けることができ、従来部品
に比べてバルブシートの肉厚を薄くすることができる。
【0005】ところで、高密度エネルギビームを用いて
肉盛りするものは、当たり面の加工を行う際に加工の芯
ずれが発生すると、所望の肉厚よりも薄く加工される領
域が生じる。この薄肉に加工された製品はそのままエン
ジンに組み込むことができないため、当たり面加工後に
肉厚の検査を行う必要がある。
【0006】しかしながら、従来の非破壊による検査方
法では、高密度エネルギビームを用いて肉盛りしたバル
ブシートの肉厚を検査するのは困難であり、又、引き抜
き検査によりシリンダヘッドを破壊しての検査では、検
査に時間がかかりすぎ、人的工数を要する等の問題が生
じる。
【0007】上記の如き問題点に鑑み、本発明は、基部
材に対して形成された肉盛り部の肉厚を加工後に非破壊
でかつ自動計測できる肉盛り部品の肉厚測定方法および
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る肉盛り部品
の肉厚測定方法は、請求項1に記載されているように、
基部材のR溝を施した部位に高密度エネルギビームを用
いて合金粉末を肉盛りして肉盛り部を形成し、肉盛り部
を所定の形状に加工して加工面を設けた肉盛り部品にお
いて、加工面から深さ方向への肉盛り部の肉厚を測定す
る肉盛り部品の肉厚測定方法であって、肉盛り部を少な
くとも含む領域に光源を用いて線状光線を照射しつつ、
肉盛り部を撮影手段により撮影し、撮影により得られた
画像を処理して肉盛り部の加工面と平行な方向における
肉盛り幅を特定し、予め得られた肉盛り幅(X),肉厚
(Y),及び係数(a)との関係式Y=aXを用いて肉
厚を特定する構成となっている。
【0009】また、請求項2に記載されているように、
上記R溝の加工寸法がR3.0ないしR4.5であり、
上記係数aが0.13ないし0.21である構成となっ
ている。
【0010】また、請求項3に記載されているように、
上記線状光線として、基部材と肉盛り部との光の反射率
の差が10%以上の波長をもつものを使用する構成とな
っている。
【0011】また、請求項4に記載されているように、
上記線状光線として白色の線状光線を使用し、かつ、基
部材と肉盛り部との光の反射率の差が10%以上の波長
のみを通すフィルタを介して白色の線状光線を照射する
構成となっている。
【0012】また、請求項5に記載されているように、
上記基部材がアルミニウム合金からなり、かつ、上記肉
盛り部を形成する合金粉末が銅系合金からなる場合にお
いて、上記線状光線として白色の線状光線を使用し、か
つ、700nmないし800nmの波長のみを通すフィ
ルタを介して白色の線状光線を照射する構成となってい
る。
【0013】また、請求項6に記載されているように、
上記撮影手段による撮影方向と上記線状光線の照射方向
とのなす角度θが90度以内である構成となっている。
【0014】さらに、本発明に係る肉厚部品の肉厚測定
装置は、請求項7に記載されているように、基部材のR
溝を施した部位に高密度エネルギビームを用いて合金粉
末を肉盛りして肉盛り部を形成し、肉盛り部を所定形状
に加工して加工面を設けた肉盛り部品において、加工面
から深さ方向への肉厚を測定する肉盛り部品の肉厚測定
装置であって、肉盛り部を少なくとも含む領域に線状光
線を照射する照射手段と、肉盛り部を撮影する撮影手段
と、撮影手段により得られた画像を処理して肉盛り部の
加工面と平行な方向における肉盛り幅を特定する画像処
理手段と、画像処理手段により特定された肉盛り幅の情
報及び予め得られた肉盛り幅(X),肉厚(Y),及び
係数(a)との関係式Y=aXにより肉厚を算出して特
定する算出手段と、照射手段及び撮影手段を保持する保
持手段とを有する構成となっている。
【0015】さらに、請求項8に記載されているよう
に、上記保持手段は、照射手段による線状光線の照射方
向と撮影手段による撮影方向とのなす角度θが90度以
内となるように、照射手段と撮影手段とを一体的に保持
している構成となっている。
【0016】さらに、請求項9に記載されているよう
に、上記肉盛り部が環状形状をなし、上記保持手段は、
上記基部材の一部を支点として、照射手段及び撮影手段
が肉盛り部に対して相対的に移動して肉盛り部の表面全
域を走査するように回転する回転支持部を有する構成と
なっている。
【0017】さらに、請求項10に記載されているよう
に、上記撮影手段はCCDカメラであり、上記画像処理
手段は画像の両端の点を結ぶ直線の長さを肉盛り幅とし
て処理し特定する構成となっている。
【0018】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る肉盛り部品の肉
厚測定方法によれば、肉盛り部を含む領域に線状光線を
照射しつつその形状を撮影して、この撮影により得られ
た画像を処理して肉盛り幅を特定し、予め得られた肉盛
り幅と肉厚との関係式を用いて肉厚を特定することがで
きることから、非破壊により肉盛り部の肉厚を測定で
き、これにより、抜き取り検査あるいは破壊検査の手法
によるものに比べて、工数の低減、及び製造コストの低
減という優れた効果がもたらされる。
【0019】本発明の請求項2に係る肉盛り部品の肉厚
測定方法によれば、R溝を施した部分における基部材と
肉盛りの合金粉末との界面での溶着が確実に行われ、特
に、係数aを0.13〜0.21とすることでR3.0
〜R4.5のR溝に肉盛りを施した場合の肉盛り部の肉
厚をより高精度に特定することができるという優れた効
果がもたらされる。
【0020】本発明の請求項3に係る肉盛り部品の肉厚
測定方法によれば、基部品と肉盛り部との光の反射率の
差が10%以上の波長をもつ線状光線を照射すること
で、基部材と肉盛り部との境界を明確に撮影でき、これ
により、肉厚の測定誤差を低減できるという優れた効果
がもたらされる。さらに、異種材料の組み合わせにおい
て特定の材料の形状を測定でき、これまでにない汎用性
を得ることができるという優れた効果がもたらされる。
【0021】本発明の請求項4に係る肉盛り部品の肉厚
測定方法によれば、線状光線として特殊な短波長の光を
使用しなくても、フィルタを交換することにより、鉄
基、銅基、ニッケル基等の合金粉末による肉盛り幅を測
定することができ、これにより、安価でかつ小型の装置
を構成できるという優れた効果がもたらされる。
【0022】本発明の請求項5に係る肉盛り部品の肉厚
測定方法によれば、肉盛り部の形状を高精度で撮影して
画像として取り込めることから、肉厚の測定精度がより
向上し、良品か否かの判定を確実に行うことができると
いう優れた効果がもたらされる。
【0023】本発明の請求項6に係る肉盛り部品の肉厚
測定方法によれば、線状光線を照射する肉盛り部領域の
表面状態による撮影感度の低下を抑制でき、これによ
り、肉厚の測定を高精度に行うことができ、良品か否か
の判定を確実に行うことができるという優れた効果がも
たらされる。
【0024】本発明の請求項7に係る肉盛り部品の肉厚
測定装置によれば、非破壊により肉厚の高精度な測定が
行え、検査速度の向上、工数の低減、及び製造コストの
低減が達成できるのはもちろんのこと、肉盛り部の表面
形状を撮影し画像処理を行って肉盛り幅を求めるたけ
で、予め得られた関数式により肉厚を求めることができ
るため、実測に必要な他の測定手段を必要とせず、結果
として、装置の小型化が達成できるという優れた効果が
もたらされる。
【0025】本発明の請求項8に係る肉盛り部品の肉厚
測定装置によれば、線状光線を照射する肉盛り部領域の
表面状態による撮影感度の低下を抑制でき、これによ
り、肉厚の測定を高精度に行うことができるのはもちろ
んのこと、照射手段と撮影手段との相対的な位置関係を
所望の状態に確実に保持することができるという優れた
効果がもらされる。
【0026】本発明の請求項9に係る肉盛り部品の肉厚
測定装置によれば、例えば、基部材の一部を支点として
回転支持部を回転させることで、測定位置のずれを防止
しつつ、連続的に任意の測定部位を測定することがで
き、これにより、測定時間の短縮化すなわち検査速度の
向上を達成することができるという優れた効果がもたら
される。
【0027】本発明の請求項10に係る肉盛り部品の肉
厚測定装置によれば、撮影手段としてCCDカメラを用
いることで、装置全体の小型化を達成することができ、
又、測定対象物との相対的な距離を短くすることができ
ることから、測定に要する空間すなわち測定場所をでき
るだけ狭くして作業場の有効利用を行うことができ、さ
らに、取り込まれた画像の両端の点を結ぶ直線の長さを
肉盛り幅として特定することで、データの解析速度を上
げることができ、これにより、検査工程に要する時間の
短縮化を達成することができるという優れた効果がもた
らされる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0029】図1は、本発明に係る肉盛り部品の肉厚測
定装置を用いて肉盛り部品を測定する状態を示す斜視図
である。
【0030】図1に示されるように、本装置は、肉盛り
部領域に線状光線を照射する照射手段としての光源1及
び照射銃2と、所定の波長のみを通すフィルタ3と、肉
盛り部を撮影する撮影手段としてのCCDカメラ6と、
この照射銃2あるいは光源1及び照射銃2とCCDカメ
ラ6とを一体的に保持する保持手段としての腕付き丸棒
部材8と、CCDカメラ6により撮影された画像を処理
して肉盛り部の加工面と平行な方向における肉盛り幅を
特定する画像処理手段及び画像処理手段により特定され
た肉盛り幅(X)の情報を予め得られた肉盛り幅
(X),肉厚(Y),及び係数(a)との関係式Y=a
Xに代入して肉厚を算出して特定する算出手段等を組み
込んだコンピュータ9等により構成されている。
【0031】また、本実施例では、エンジンのシリンダ
ヘッド7を基部材としてこのバルブシート部に肉盛り材
料としての合金粉末を溶着してバルブシート5を形成し
たものを測定対象物である肉盛り部品として採用したも
のである。
【0032】このシリンダヘッド7は、アルミ合金(A
C2A)の鋳造品であり、肉盛り材料としての合金粉末
には、その材料組成が重量%で、Co:12.5%、F
e:6.4%、Ni:12.7%、V:1.9%、N
b:2.2%、Mn:1.2%、Al:1.0%、残部
Cu及び不純物からなる銅系合金粉末を用いたものであ
る。
【0033】そして、高密度エネルギのレーザビームと
して、加工点出力4.0kWのCOレーザを用いて、
R溝加工されたバルブシート部への合金粉末の供給量を
45g/min、シールドガスとしてのAr供給量を1
0l/min、加工速度を1.0m/minにて肉盛り
加工を施し、その後、肉盛り部の表面をバルブシートの
形状に加工したものである。
【0034】ここで、本発明で定義される肉盛り部の肉
盛り幅(X)と肉厚(Y)との関係を図2に示す。尚、
図2は、バルブシートの部分においてシリンダヘッド7
を切断した断面図である。
【0035】本図に示されるように、半径RのR溝7a
が施された領域に肉盛りされた肉盛り部は、バルブの傘
部(不図示)が密接するように加工されて加工面として
のバルブ当たり面7bが形成されている。この状態にお
いて、当たり面7bから深さ方向すなわち当たり面7b
に垂直な方向でR溝7aとの境界までの距離を肉厚
(Y)とし、又、当たり面7bと平行な方向における肉
盛り部の両端間の距離を肉盛り幅(X)としている。
【0036】また、本発明で用いられる照射手段である
光源1としては、最終的に線状光線が得られるものであ
ればよく、従って、例えば白色光源であるハロゲンラン
プを使用し、照射銃2の光照射口に線状光線にするため
のマスクを取り付けたものを適用することも可能であ
る。
【0037】さらに、照射光が線状光線であっても、測
定精度を上げるためには、基部材と肉盛り部との光の反
射率の差が少なくとも10%以上必要である。
【0038】図3は、光源としてハロゲンランプを用い
た場合において、基材としてのアルミ鋳造シリンダヘッ
ドと肉盛り材料としての銅系合金とにおける光の波長と
反射率の関係を示すものである。図3から明らかなよう
に、アルミ鋳造品と銅系合金との光の反射率は、波長が
約570nmでほぼ同じ値になり、それよりも長い波長
では、アルミ鋳造品に比べて銅系合金の反射率が高くな
っている。
【0039】従って、銅系合金のバルブシート5の形状
を測定するには、銅系合金の反射率がアルミ鋳造品すな
わちシリンダヘッドの反射率よりも高くなる波長が57
0nmを超える光を用いるのが好ましい。
【0040】尚、波長が570nm以下の光でも、反射
率の差が10%以上あれば用いることは可能である。
【0041】さらに、800nm以上の波長をもつ光で
は、可視光の領域を大幅に超えることから、波長700
nmないし800nmの光がより好ましい。この700
nmないし800nmの波長をもつ光を使用する場合
は、750nmの波長にて光透過率のピークをもちこの
領域の波長の光のみを通すバンドパスフィルタ3を用い
ることで対応できる。
【0042】次に、本発明に用いられる撮影手段として
は、小型で高感度のCCDカメラ6、あるいは、大型の
カメラに望遠レンズを取り付けたもの等を用いることが
可能であり、装置全体の小型化等の点からCCDカメラ
6を用いるのが好ましい。
【0043】また、図4に示されるように、撮影手段で
あるCCDカメラ6と照射手段である照射銃2との相対
的な位置関係は、CCDカメラ6に取り込まれる光の強
度を高くして撮影画像の精度を上げるために、撮影方向
と線状光線4とのなす角度θが90度以下となるように
配置するのが好ましい。尚、本実施例では、角度θが9
0度となるように配置している。
【0044】さらに、これらCCDカメラ6及び照射銃
2を保持手段としての腕付き丸棒部材8に一体的に固定
することで、両者の相対的な位置関係を確実に維持する
ことが可能である。
【0045】また、この丸棒部材8は、その少なくとも
下方部分の外径をシリンダヘッド7のバルブ軸挿通孔
(不図示)に挿入適合可能な寸法(例えば外径6mm)
とすることにより、丸棒部材8の下方部分をバルブ軸挿
通孔に嵌め込み、この嵌め込み部分を回転支持部として
丸棒部材8を回転させることができる。
【0046】これにより、所定の角度関係を維持した状
態で、CCDカメラ6及び照射銃2を肉盛り部であるバ
ルブシート5の表面全周に亘って走査させることができ
る。
【0047】従って、複数の位置にて肉厚を測定する場
合でも、丸棒部材8を所定角度回転させるだけで容易に
測定位置への位置決めを行うことができ、測定時間の短
縮化が可能となる。
【0048】尚、保持手段としては、上述の腕付き丸棒
部材8に限られるものではなく、照射銃2及びCCDカ
メラ6と肉盛り部との間に、相対的な移動を行わせて肉
盛り部表面の走査ができるものであれば、他の手段でも
よい。
【0049】次に、本発明に係る測定方法の一実施例を
図5にフローチャートとして示す。
【0050】先ず、肉盛りを施す基部材としてのシリン
ダヘッド7の材料及びバルブシート5を形成するのに用
いられた肉盛材料から、線状光線として使用する波長を
特定し、この波長のみを通すフィルタ3を決定する。ま
た、基部材のR溝の寸法から、肉盛り幅(X)と肉厚
(Y)との関係式Y=aXの係数aを決定し、コンピュ
ータ9に入力する。
【0051】次に、図1に示すように、測定装置が設置
された状態で、肉盛り部領域すなわちバルブシート5の
領域の測定位置に線状光線4を照射しつつ、CCDカメ
ラ6により撮影して測定を開始する。
【0052】次に、CCDカメラ6により撮影された形
状画像の画像データをコンピュータ9内の画像処理手段
に送り、この画像データの解析を行い、肉盛り幅(X)
を数値化して特定する。
【0053】次に、コンピュータ9内の算出手段におい
て、得られた肉盛り幅(X)の数値データを予め決定さ
れた関係式Y=aXに代入して演算し、肉厚(Y)の値
を求める。
【0054】そして、得られた肉厚(Y)の値が、所定
の許容範囲に含まれるか否かを比較し、良(OK)又は
否(NG)の判定結果を出力手段により出力する。
【0055】ここで、判定結果を出力手段により出力さ
せるまでもなく、得られた肉厚(Y)の値のみを出力さ
せて、作業者がその値(X)を確認して、良否の判定を
行うことも可能である。
【0056】以上のようにして肉厚の測定及びOK又は
NGの判定が行われると、シリンダヘッドの加工ライン
においては、OKの場合次の加工工程へ、一方、NGの
場合はラインから抜き取られて再加工あるいは不良品と
して処理されることになる。
【0057】図6は、4気筒エンジンに組み込まれるア
ルミ鋳造のシリンダヘッドの吸気側バルブシート部に、
前述の銅系合金分末を肉盛して当たり面7b加工を施
し、このバルブシート部の直径を通る断面において、図
2にて定義した肉盛り幅(X)と肉厚(Y)との値をメ
ジャー等の測定器を用いて実際に測定したものである。
【0058】図6から明らかなように、R溝寸法がR
4.5の場合、肉盛り幅(X)と肉厚(Y)との関係式
はY=0.13X、すなわち、係数a=0.13であ
り、又、R溝寸法がR3.0の場合、関係式はY=0.
21X、すなわち、係数a=0.21となっている。
【0059】従って、R溝寸法がR4.5の場合は、関
係式としてY=0.13Xを採用することができ、又、
R3.0の場合は、Y=0.21を採用することができ
る。
【0060】図7は、前述の丸棒部材8を回転させて、
CCDカメラ6及び照射銃2が、肉盛り部であるバルブ
シート5の上方をその円形状に沿って回転速度0.5m
/minで走査するようにして、0.5秒間隔でのサン
プリング測定を行ったものの画像データの一例を示すも
のである。図7に示されるような得られた画像の両端の
点(A点,B点)を結ぶ直線の長さをコンピュータ9に
より計算し、この計算値を肉盛り幅(X)の値として用
いて、関係式Y=aXに代入して肉厚(Y)の値を求め
る。
【0061】これにより、データの解析速度を上げるこ
とができ、検査(測定)工程に要する時間の短縮化を達
成することが可能となる。
【0062】図8は、シリンダヘッドのバルブシート部
に肉盛りした部分に対して、正常な当たり面7bの加工
を施したものと、加工工具の加工軸を偏倚させて当たり
面7bの加工を施したものとの2種類について、本発明
の装置を用いて肉厚(Y)を測定した結果を示すもので
ある。尚、本図においては、○印が正常な当たり面加工
を施したものの測定結果、×印が加工軸を偏倚させて当
たり面加工を施したものの測定結果をそれぞれ示すもの
である。
【0063】ここで、バルブシート5の肉厚(Y)の許
容範囲としては、これまでの知見に基づき、中心値0.
8mmで、上限値0.85mm、下限値0.75mmに
設定し、製品の良(OK),否(NG)判定を行うと、
正常な当たり面加工を施したものの肉厚は全て許容範囲
内であるが、加工軸を偏倚させて当たり面加工を施した
ものの肉厚は測定位置によっては許容範囲外となってい
るのが確認できる。
【0064】このように、肉盛り部品の良否判定のアル
ゴリズムとしては、中心値を設定し、この中心値に対し
て上下限値を決定して、この許容範囲を超える値が存在
する場合には、NG判定を行い、又、すべての値が、許
容範囲内にある場合は、OK判定を行って、その判定に
応じた信号を出力させることができる。
【0065】尚、図8に示す肉厚測定結果と、判定した
バルブシート部分の断面を実際に観察しその肉盛り幅と
肉厚を調べて得られた結果とを比較したところ、測定誤
差は3%以内であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る肉盛り部品の肉厚測定装置の一実
施例を示す図である。
【図2】本発明に係る肉盛り幅と肉厚の定義を示す図で
ある。
【図3】本発明に係る測定対象としてのアルミ鋳造品の
シリンダヘッドと肉盛り用の銅系合金の光の波長と反射
率の関係を示す図である。
【図4】本発明に係る線状の白色光の照射方法とCCD
カメラの撮影方向との相対的な位置関係を示す図であ
る。
【図5】本発明に係る肉盛り部品の肉厚測定方法の一実
施例をフローチャートにした図である。
【図6】本発明に係る基部材のR溝の違いによる肉盛り
幅と肉厚の関係を示す図である。
【図7】本発明に係る肉盛り幅を規定する一実施例を示
す図である。
【図8】本発明に係る測定装置及び方法を用いて測定さ
れた測定位置と肉厚の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 光源 2 照射銃(照射手段) 3 フィルタ 4 線状光線 5 バルブシート(肉盛り部) 6 CCDカメラ(撮影手段) 7 シリンダヘッド(基部材) 7a R溝 7b 当たり面(加工面) 8 腕付き丸棒部材(保持手段) 9 コンピュータ(画像処理手段、算出手段)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基部材のR溝を施した部位に高密度エネ
    ルギビームを用いて合金粉末を肉盛りして肉盛り部を形
    成し、肉盛り部を所定の形状に加工して加工面を設けた
    肉盛り部品において、加工面から深さ方向への肉盛り部
    の肉厚を測定する肉盛り部品の肉厚測定方法であって、 前記肉盛り部を少なくとも含む領域に光源を用いて線状
    光線を照射しつつ、肉盛り部を撮影手段により撮影し、
    撮影により得られた画像を処理して肉盛り部の加工面と
    平行な方向における肉盛り幅を特定し、予め得られた肉
    盛り幅(X),肉厚(Y),及び係数(a)との関係式
    Y=aXを用いて肉厚を特定することを特徴とする肉盛
    り部品の肉厚測定方法。
  2. 【請求項2】 R溝の加工寸法がR3.0ないしR4.
    5であり、係数aが0.13ないし0.21であること
    を特徴とする請求項1記載の肉盛り部品の肉厚測定方
    法。
  3. 【請求項3】 線状光線として、基部材と肉盛り部との
    光の反射率の差が10%以上の波長をもつものを使用す
    ることを特徴とする請求項1記載の肉盛り部品の肉厚測
    定方法。
  4. 【請求項4】 線状光線として白色の線状光線を使用
    し、かつ、基部材と肉盛り部との光の反射率の差が10
    %以上の波長のみを通すフィルタを介して白色の線状光
    線を照射することを特徴とする請求項1記載の肉盛り部
    品の肉厚測定方法。
  5. 【請求項5】 基部材がアルミニウム合金からなり、か
    つ、肉盛り部を形成する合金粉末が銅系合金からなる場
    合において、線状光線として白色の線状光線を使用し、
    かつ700nmないし800nmの波長のみを通すフィ
    ルタを介して白色の線状光線を照射することを特徴とす
    る請求項1記載の肉盛り部品の肉厚測定方法。
  6. 【請求項6】 撮影手段による撮影方向と線状光線の照
    射方向とのなす角度θが90度以内であることを特徴と
    する請求項1記載の肉盛り部品の肉厚測定方法。
  7. 【請求項7】 基部材のR溝を施した部位に高密度エネ
    ルギビームを用いて合金粉末を肉盛りして肉盛り部を形
    成し、肉盛り部を所定形状に加工して加工面を設けた肉
    盛り部品において、加工面から深さ方向への肉盛り部の
    肉厚を測定する肉盛り部品の肉厚測定装置であって、 肉盛り部を少なくとも含む領域に線状光線を照射する照
    射手段と、肉盛り部を撮影する撮影手段と、撮影手段に
    より得られた画像を処理して肉盛り部の加工面と平行な
    方向における肉盛り幅を特定する画像処理手段と、画像
    処理手段により特定された肉盛り幅の情報及び予め得ら
    れた肉盛り幅(X),肉厚(Y),及び係数(a)との
    関係式Y=aXにより肉厚を算出して特定する算出手段
    と、照射手段及び撮影手段を保持する保持手段とを有す
    ることを特徴とする肉盛り部品の肉厚測定装置。
  8. 【請求項8】 保持手段は、照射手段による線状光線の
    照射方向と撮影手段による撮影方向とのなす角度θが9
    0度以内となるように、照射手段と撮影手段とを一体的
    に保持していることを特徴とする請求項7記載の肉盛り
    部品の肉厚測定装置。
  9. 【請求項9】 肉盛り部が環状形状をなし、保持手段
    は、基部材の一部を支点として、照射手段及び撮影手段
    が肉盛り部に対して相対的に移動して肉盛り部の表面全
    域を走査するように回転する回転支持部を有することを
    特徴とする請求項7記載の肉盛り部品の肉厚測定装置。
  10. 【請求項10】 撮影手段はCCDカメラであり、画像
    処理手段は画像の両端の点を結ぶ直線の長さを肉盛り幅
    として処理し特定することを特徴とする請求項9記載の
    肉盛り部品の肉厚測定装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003067233A1 (de) * 2002-02-08 2003-08-14 Cooper Power Tools Gmbh & Co. Oberflächenkonturerkennungsvorrichtung
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KR101221099B1 (ko) 2010-11-18 2013-02-06 (주) 인텍플러스 Led칩 검사장치 및 검사방법
CN110220547A (zh) * 2019-06-06 2019-09-10 安徽捷泰智能科技有限公司 一种智能高频阀检测装置

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