JPH10281662A - 溶融金属用容器の内張り不定形耐火物の乾燥方法およびその装置 - Google Patents

溶融金属用容器の内張り不定形耐火物の乾燥方法およびその装置

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JPH10281662A
JPH10281662A JP9059097A JP9059097A JPH10281662A JP H10281662 A JPH10281662 A JP H10281662A JP 9059097 A JP9059097 A JP 9059097A JP 9059097 A JP9059097 A JP 9059097A JP H10281662 A JPH10281662 A JP H10281662A
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molten metal
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JP9059097A
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Koji Tsutsui
康志 筒井
Yukihiro Nakamura
幸弘 中村
Shiro Sukenari
史郎 祐成
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐火物内に亀裂を発生させることなく、少な
いエネルギー消費で、溶融金属容器用内張り不定形耐火
物を迅速に乾燥できる装置を提供する。 【解決手段】 溶融金属用容器内にマイクロ波を導入す
るための導波管と、前記容器内を減圧状態にするための
排気管を備え、且つ前記容器上に載置して容器内の気密
を保つことができるシール構造を有する蓋状の装置を、
前記容器に被せ、内部を減圧に保った状態でマイクロ波
を照射する溶融金属用容器の内張り不定形耐火物の乾燥
方法において、前記不定形耐火物の表層部を赤外線加熱
により輻射加熱しながら、または、前記容器内の雰囲気
を昇温して前記不定形耐火物の表面を間接的に加熱しな
がら、マイクロ波を照射して、不定形耐火物を乾燥する
ことを特徴とする溶融金属用容器の内張り不定形耐火物
の乾燥方法、およびそのための装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融金属用容器の
内張り不定形耐火物の乾燥方法およびその装置に関する
ものである。なお、ここで言う溶融金属用容器とは、例
えば、製鋼工程における転炉、取鍋、脱ガス精錬炉等を
意味する。
【0002】
【従来の技術】従来より、溶融金属用容器に内張りされ
た不定形耐火物を乾燥する方法には、大容量ガスバーナ
ーによる耐火物表面からの片面加熱乾燥法が採用されて
きた。この方法で耐火物施工体背面における水分を十分
に除去するためには、背面が百数十℃の温度レベルに達
するまで耐火物表面を加熱し続けなければならない。こ
の際、背面の昇温は加熱面からの熱伝導のみによるた
め、しかも、耐火物中の水分が蒸発する過程で蒸発潜熱
を奪われるため、背面部の乾燥効率が非常に悪くなって
いた。特に、鉄皮にガス抜き孔等を有していない溶鋼の
脱ガス精錬容器等では、乾燥が著しく長時間化してい
た。また、加熱表面の温度は少なくとも300℃には達
しており、耐火物施工体内における加熱表面と背面との
間に生じる温度差や施工体内部蒸気圧の上昇により、耐
火物内に亀裂の発生や極端な場合には爆裂といった現象
が起こり易かった。
【0003】このバーナー加熱に対して、大気圧下でマ
イクロ波を用いて不定形耐火物内の水や耐火性骨材、耐
火性微粉といった誘電体を直接誘導加熱し、発生した水
蒸気を循環させた熱風により除去する不定形耐火物の乾
燥方法が知られている。しかしながら、大気圧下での乾
燥ゆえに、水分は材料温度が百数十℃に達するまで材料
内に自由水の形で存在し、周波数915または2450
MHz の工業用マイクロ波の、水への浸透深さが数cmであ
るため、耐火物施工体の肉厚があまり大きくなると、背
面まで浸透しないうちにマイクロ波エネルギーの大部分
が途中の水分子の振動等のために費やされる。そのた
め、マイクロ波が耐火物背面まで浸透し、乾燥が完了す
る迄には多大な時間を要する。
【0004】一方、近年、内部を減圧状態にできるマイ
クロ波オーブン容器内で、加熱源としてマイクロ波を照
射し、被乾燥物を加熱する乾燥方法が知られている。こ
の方法により、容器内の自由水の沸点が低下することか
ら、低温での乾燥が可能となり、さらに、減圧下では水
蒸気が移動し易くなるため、効率の良い乾燥が図れる。
この減圧下における材料のマイクロ波乾燥技術として、
被乾燥物をマイクロ波等で加熱した後、減圧容器内にて
乾燥する方法及び装置が特公平1−16788号公報に
開示されている。
【0005】しかし、この特公平1−16788号公報
の発明では、水の蒸発潜熱による材料温度低下が進み、
しかも、溶融金属容器用内張り不定形耐火物のように、
肉厚が数百mmにも及ぶ施工体については、材料温度が沸
点を下回ることから、十分な乾燥は行えない。また、同
公報で開示されている装置は、マイクロ波オーブン兼減
圧用容器内に被乾燥物を収納し加熱乾燥する装置である
が、径が数mもあるような巨大な溶融金属用容器内に1
00〜700mmの厚みで内張り施工された不定形耐火物
に、上記の発明を適用しようとする場合、巨大な溶融金
属容器を収納できる乾燥装置が必要であり、その設備投
資額が高いという問題が、また、耐火物だけを選択的に
効率よくマイクロ波加熱することも難しいという問題が
ある。
【0006】また、特開平7−167567号公報に
は、溶融金属用容器の内張り不定形耐火物の乾燥装置に
関し、小さな設備投資額で、耐火物だけを効率よく減圧
下にてマイクロ波で加熱する不定形耐火物の乾燥装置の
発明が開示されている。すなわち、この発明は、容器内
にマイクロ波を導入するための導波管と、容器内を減圧
状態にするための排気管を備え、且つ前記容器上に載置
して容器内の気密を保つことができるようなシール構造
を有する蓋状の装置であって、容器にかぶせ、内部を減
圧に保った状態でマイクロ波を照射する不定形耐火物の
乾燥装置である。この装置では、容器内の雰囲気部の温
度は、マイクロ波で加熱された耐火物の表面からの放射
伝熱によってのみ、昇温する。そのため、容器内の自由
水の沸点は低下し、水蒸気が耐火物内を移動し易くな
り、乾燥後の材料特性を高めることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開平
7−167567号公報に記載の発明では、乾燥初期に
雰囲気の温度が自由水の沸点温度を下回るため、耐火物
表面等に水蒸気が結露するという現象が見られる。一
方、同公報に記載の発明では、容器内の雰囲気を制御す
るため、熱風を送り込んで結露を防止することはできな
い。この結露した水が照射したマイクロ波を吸収するた
め、マイクロ波のエネルギー変換効率が大幅に低下し、
乾燥が完了するまでに費やす時間は、大気圧下で熱風の
循環とマイクロ波照射を組み合わせた乾燥装置と比較し
て大きく改善されないという問題がある。
【0008】そこで、本発明は、減圧下でマイクロ波を
照射し、溶融金属用容器内張り不定形耐火物を、耐火物
表面等での結露を防止して耐火物のみを効率よく、また
施工肉厚の大小に関わらず、施工体背面まで短時間かつ
低温で乾燥でき、乾燥後材料の特性を高めることができ
る、溶融金属用容器の内張り不定形耐火物の乾燥方法お
よびその装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(1)
溶融金属用容器内にマイクロ波を導入するための導波
管と、前記容器内を減圧状態にするための排気管を備
え、且つ前記容器上に載置して容器内の気密を保つこと
ができるシール構造を有する蓋状の装置を、前記容器に
被せ、内部を減圧に保った状態でマイクロ波を照射する
溶融金属用容器の内張り不定形耐火物の乾燥方法におい
て、前記不定形耐火物の表層部を赤外線加熱により輻射
加熱しながら、マイクロ波を照射して、不定形耐火物を
乾燥することを特徴とする溶融金属用容器の内張り不定
形耐火物の乾燥方法、(2) 前記の赤外線加熱による
輻射加熱に代えて、前記容器内の雰囲気を昇温して前記
不定形耐火物の表面を間接的に加熱することを特徴とす
る上記(1)記載の溶融金属用容器の内張り不定形耐火
物の乾燥方法、(3) 溶融金属用容器内にマイクロ波
を導入するための導波管と、前記容器内を減圧状態にす
るための排気管を備え、且つ前記容器上に載置して容器
内の気密を保つことができるシール構造を有する蓋状の
装置であって、前記容器に被せ、内部を減圧に保った状
態でマイクロ波を照射する溶融金属用容器の内張り不定
形耐火物の乾燥装置において、耐火物表層部を輻射加熱
する赤外線加熱源を配設することを特徴とする溶融金属
用容器の内張り不定形耐火物の乾燥装置、(4) 前記
赤外線加熱源に代えて、容器内の雰囲気を昇温して耐火
物の表面を間接的に加熱する抵抗加熱源を配設すること
を特徴とする上記(3)記載の溶融金属用容器の内張り
不定形耐火物の乾燥装置、である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1は、請求項1または請求
項3に記載の本発明に係る溶融金属用容器の内張り不定
形耐火物の乾燥装置を鉛直上方向から見た概略図であ
り、図2は、鉛直面による断面図である。脱ガス精錬炉
1内に不定形耐火物2を合計約15t、250mmの肉厚
になるように流し込み施工した後一定時間養生し、養生
強度が発現したところで、脱ガス精錬炉1に、6本のマ
イクロ波導入用の導波管3、3個の赤外線電球4、2本
の空気及び水蒸気排出用の排気管5を装備した密閉蓋6
をかぶせる。密閉蓋6に関しては、容器内の減圧に耐え
得るように補強を施している。マイクロ波パワーユニッ
ト7の出力は、各最大5kW、合計最大30kWである。1
個の赤外線電球4の容量は2kWのものを使用した。ま
た、各赤外線電球4の周囲には、放射の能率を高めるた
め、アルミニウム製の反射板8を設置してある。減圧ポ
ンプ9の吸引能力の仕様は、実験室で求めた乾燥時の水
蒸気の発生速度を考慮にいれて決定した。
【0011】図2に示すように、導波管3内と脱ガス精
錬炉1内の間は、気密性を保ちつつマイクロ波を透過す
るような材質、例えば石英ガラス10等で仕切られてい
る。また、排気管5内と脱ガス精錬炉1内の間には、排
気管内にマイクロ波が侵入しないように、マイクロ波の
波長より目の小さい金属製の網11を設置している。こ
こで、密閉蓋あるいは各配管等に用いられている材質
は、マイクロ波を透過しない金属製のものであればよ
く、ここでは鋼鉄製のものを使用している。
【0012】図3は、請求項2または請求項4に記載の
本発明に係る溶融金属用容器の内張り不定形耐火物の乾
燥装置を鉛直上方向から見た概略図であり、図4は、鉛
直面による断面図である。この乾燥装置は、上記図1、
図2の乾燥装置の耐火物表層部を輻射加熱する赤外線加
熱源に代えて、容器内の雰囲気を昇温して耐火物の表面
を間接的に加熱する抵抗加熱源を配設したものに相当す
る乾燥装置である。具体的には、抵抗加熱源として単相
並列結線した4本の炭化ケイ素発熱体20を配設した。
1本の炭化ケイ素発熱体20は、直径20mm、全長80
0mm、定格電力70kWのものを使用した。また、炭化ケ
イ素発熱体20は、耐火碍管21で絶縁性を確保しつ
つ、金属製の固定治具22で密閉蓋の内側に設置した。
炭化ケイ素発熱体と固定治具の間の絶縁構造の詳細を図
5のa部分拡大図に示す。炭化ケイ素発熱体と密閉蓋の
内側には、密閉蓋への熱負荷が高くならないように、断
熱材23を設置している。
【0013】乾燥は、容器内を減圧状態にし、気密性を
確認した後、赤外線電球に電力投入しながら、耐火物の
表面温度が水の沸点以上の所定温度になるように制御し
つつ、または炭化ケイ素発熱体に電力投入しながら、容
器内の雰囲気温度が水の沸点以上の所定温度になるよう
に制御しつつ、耐火物にマイクロ波を照射し加熱するこ
とにより行う。なお、不定形耐火物2の施工厚みは、溶
鋼温度、処理量、処理時間等によって適宜選択される。
【0014】ここで、本発明に用いるマイクロ波照射装
置は、周波数が2450MHz の工業用マイクロ波照射装
置であり、減圧用のポンプは、水封式減圧ポンプ等、多
量の水蒸気を含んだ気体についても大きな排気速度が得
られるものが望ましい。各赤外線電球4または炭化ケイ
素発熱体20は配電盤12に連結し、ボルトメーター1
3を見ながら、スライダック14で投入電力を調整す
る。本発明では封液循環ポンプ15、封液冷却器16お
よびセパレータータンク17を装備し、封水の循環利用
による低コスト化を図っている。更に、容器内に照射さ
れるマイクロ波を反射、攪拌することにより、不定形耐
火物表面に均一に当たるように、アルミニウム等金属製
のスターラーファン18を密閉蓋6のほぼ中央部に設置
している。また、下面は盲板19をボルト締めすること
によりシールしている。
【0015】乾燥中の容器内の圧力および照射するマイ
クロ波出力は、不定形耐火物の材質、施工肉厚(施工
量)等によって適宜選択されるが、圧力は30Torrから
250Torrの範囲が好ましく、マイクロ波出力は耐火物
1kgあたり0.5W以上15W以下が望ましい。これ
は、内部圧力が30Torrよりも下がると、容器内で生じ
るマイクロ波の放電現象によりマイクロ波のエネルギー
が浪費されてしまい、250Torrを超えると水の沸点が
70℃を超え、低温での乾燥が困難となるからである。
また、マイクロ波出力が0.5Wより小さいと、マイク
ロ波が耐火物の表面付近で減衰してしまい、15Wを超
えて照射すると、容器内での放電現象が顕著になりエネ
ルギー効率が悪くなると共に、耐火物表面部が過度に加
熱されたり、急激な蒸発により耐火物内部の水蒸気圧力
が大きくなり過ぎたりして、施工体内に亀裂が多数発生
する。
【0016】赤外線電球の投入電力は、耐火物表層部に
埋め込んだ熱電対で連続測定している耐火物の表層部の
温度を見ながら、また、炭化ケイ素発熱体の投入電力
は、熱電対で連続測定している容器内の雰囲気温度を見
ながら、調整する。赤外線電球または炭化ケイ素発熱体
の役割は、水蒸気が耐火物表面等に結露することを防止
することなので、耐火物の表層部をまたは容器内の雰囲
気を水の沸点以上に加熱する。ただし、耐火物材料中の
MgOが水和による膨張、脱水による収縮を生じる影響
で組織の劣化が懸念される場合には、水の沸点以上、9
0℃以下の範囲になるように投入電力を調整する必要が
ある。これは、100℃以上では、MgOの水和反応速
度が温度とともに著しく増大するからである。水和反応
等、組織への劣化を懸念する必要が無い場合には、施工
体内に亀裂が発生する耐火物内部の水蒸気圧力にならな
い程度に、熱輻射または雰囲気からの熱伝達で耐火物の
表層温度を上げてよい。なお、赤外線加熱の場合、耐火
物からの熱伝達で、雰囲気温度が水の沸点以上に到達し
たなら、耐火物表面での結露は起きなくなるので、それ
以降は、赤外線加熱を中止してもかまわない。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。本発明の乾燥装置による乾燥法と比較用の従来乾燥
法について、乾燥効率を調査した結果を表1に示す。表
1は、水硬性セメントを結合剤とし、水和反応による組
織劣化の心配がないアルミナ−スピネル中性系の不定形
耐火物を、脱ガス精錬炉内に250mmの厚みで施工し、
数日間の養生の後、本発明装置による乾燥効率と、従来
乾燥装置による乾燥効率との間で比較を行ったものであ
る。
【0018】表1のNo.1は、耐火物表層部を輻射加
熱する赤外線加熱源を配設した本発明の実施例であり、
No.2は、この赤外線加熱源に代えて、容器内の雰囲
気を昇温して耐火物の表面を間接的に加熱する抵抗加熱
源を配設した本発明の他の実施例である。
【0019】表1で比較例として揚げたNo.3のガス
バーナーによる乾燥は、COGガス(コークス炉ガス)
を時間当たり100Nm3 燃焼した場合の結果であり、同
じくNo.4の熱風+マイクロ波乾燥は、脱ガス精錬炉
内に250℃の熱風を循環させながらマイクロ波を照射
した場合の結果である。また、同じくNo.5のマイク
ロ波+減圧乾燥は、本発明者が以前に開発した装置の試
験結果である。乾燥は、本発明例、比較例に関わらず、
施工体背面が雰囲気下の水の沸点より70℃高い温度に
達した時点をもって終了した。また、脱水率は、〔1−
(乾燥実験終了後、試料内に存在する水の重量)/(添
加水分中、自由水として存在する水の重量)〕と定義し
ている。
【0020】表1より、本発明である減圧下でマイクロ
波を照射しながら赤外線加熱できる装置を用いた乾燥方
法は、いずれの比較例より大幅に短い時間で乾燥を終了
でき、且つ脱水率も比較例より優れている。また、本発
明の場合は、比較例のマイクロ波+減圧乾燥と同様に、
耐火物内の温度勾配が、比較例のガスバーナー、熱風+
マイクロ波乾燥に比べ、小さいことから、乾燥中の亀裂
発生等は全く心配しなくていいことが分かった。
【0021】さらに、本発明の乾燥装置を用いると、乾
燥時間が短いこと、耐火物表面の結露が防止されてマイ
クロ波のエネルギー変換効率が向上したこと、熱風発生
よりも雰囲気を減圧状態に保つ方が消費エネルギーが少
なくてすむことから、赤外線加熱で消費されるエネルギ
ーを割り引いても、比較例に比べ、大幅にエネルギーコ
スト的に優れる。また、本発明の乾燥方法により、脱ガ
ス精錬容器の鉄皮基数を減らせるため、鉄皮更新の費用
および鉄皮のメンテナンス費用が従来の3分の2になっ
たことを確認している。
【0022】また、本発明装置による乾燥と、比較例と
して示す従来の乾燥方法により乾燥した耐火物のスラグ
に対する耐食性、耐熱スポーリング性、材料強度等の材
料機能を調べた結果、全ての機能に対して同等以上であ
ることが分かった。なお、本発明における装置は、脱ガ
ス精錬炉に限らず、溶融金属用容器全般にわたり、内張
り施工された不定形耐火物の乾燥に適用可能である。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
溶融金属用容器内張り不定形耐火物を、耐火物表面等で
の結露を防止して耐火物のみを効率よく、また施工肉厚
の大小に関わらず、施工体背面まで短時間かつ低温で乾
燥でき、乾燥後材料の特性を高めることができるため、
本発明は、工業的に価値の高い発明であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である乾燥装置の構成例を平
面図で説明する図である。
【図2】図1の乾燥装置を鉛直方向の断面図で説明する
図である。
【図3】本発明の他の実施例の乾燥装置の構成例を平面
図で説明する図である。
【図4】図3の乾燥装置を鉛直方向の断面図で説明する
図である。
【図5】図4におけるa部拡大図であり、(イ)は断面
を直角の方向から見た場合、(ロ)は断面方向から見た
場合を示している。
【符号の説明】
1 脱ガス精錬炉 2 不定形耐火物 3 マイクロ波導波管 4 赤外線電球 5 蒸気排気管 6 密閉蓋 7 マイクロ波パワーユニット 8 反射板 9 減圧ポンプ 10 石英ガラス 11 金属網 12 配電盤 13 ボルトメーター 14 スライダック 15 循環ポンプ 16 冷却器 17 セパレータータンク 18 スターラーファン 19 盲板 20 炭化ケイ素発熱体 21 耐火碍管 22 発熱体の固定治具 23 断熱材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F26B 23/04 F26B 23/04 A 23/08 23/08 C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属用容器内にマイクロ波を導入す
    るための導波管と、前記容器内を減圧状態にするための
    排気管を備え、且つ前記容器上に載置して容器内の気密
    を保つことができるシール構造を有する蓋状の装置を、
    前記容器に被せ、内部を減圧に保った状態でマイクロ波
    を照射する溶融金属用容器の内張り不定形耐火物の乾燥
    方法において、前記不定形耐火物の表層部を赤外線加熱
    により輻射加熱しながら、マイクロ波を照射して、不定
    形耐火物を乾燥することを特徴とする溶融金属用容器の
    内張り不定形耐火物の乾燥方法。
  2. 【請求項2】 前記の赤外線加熱による輻射加熱に代え
    て、前記容器内の雰囲気を昇温して前記不定形耐火物の
    表面を間接的に加熱することを特徴とする請求項1記載
    の溶融金属用容器の内張り不定形耐火物の乾燥方法。
  3. 【請求項3】 溶融金属用容器内にマイクロ波を導入す
    るための導波管と、前記容器内を減圧状態にするための
    排気管を備え、且つ前記容器上に載置して容器内の気密
    を保つことができるシール構造を有する蓋状の装置であ
    って、前記容器に被せ、内部を減圧に保った状態でマイ
    クロ波を照射する溶融金属用容器の内張り不定形耐火物
    の乾燥装置において、耐火物表層部を輻射加熱する赤外
    線加熱源を配設することを特徴とする溶融金属用容器の
    内張り不定形耐火物の乾燥装置。
  4. 【請求項4】 前記赤外線加熱源に代えて、容器内の雰
    囲気を昇温して耐火物の表面を間接的に加熱する抵抗加
    熱源を配設することを特徴とする請求項3記載の溶融金
    属用容器の内張り不定形耐火物の乾燥装置。
JP9059097A 1997-04-09 1997-04-09 溶融金属用容器の内張り不定形耐火物の乾燥方法およびその装置 Withdrawn JPH10281662A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109869985A (zh) * 2019-03-11 2019-06-11 湖南省金润碲业有限公司 一种废旧金属回收除湿装置

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CN109869985A (zh) * 2019-03-11 2019-06-11 湖南省金润碲业有限公司 一种废旧金属回收除湿装置

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