JP6077167B1 - 加熱室に回収部を有するマイクロ波製錬装置 - Google Patents

加熱室に回収部を有するマイクロ波製錬装置 Download PDF

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【課題】マイクロ波を加熱源とする製錬装置について、加熱によって生成された金属蒸気を回収する手段を改善して、回収効率の高い製錬装置を得ることができ、更に、装置の小型化及び簡素化、省エネルギー化並びに作業性の向上にも貢献するマイクロ波製錬装置の提供。【解決手段】マイクロ波を加熱源3とする製錬装置1において、マイクロ波を照射することによって、原材料6を加熱し還元するための加熱室2が設けられ、加熱室2の内側には、熱還元により生成した金属が凝縮される回収部4が設けられた構成であるマイクロ波製錬装置1。回収部が加熱室2の内壁に設けられ、加熱室2から取り外し可能な回収壁41である、マイクロ波製錬装置1。【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ波を加熱源とする製錬装置に関し、詳しくは、マイクロ波を照射することで加熱され、蒸気となった金属を回収する手段に特徴を有するマイクロ波製錬装置に関する。
従来から、鉱石等の原材料にマイクロ波を照射することで加熱し、還元する構成の製錬装置が知られている。
特許文献1(特願2009−35776に)記載の技術は、加熱源として「マイクロ波」を用いたものであり、「マグネシア系耐火物からなる筐体を有する反応炉(加熱室)と、この反応炉内にマイクロ波を照射するマイクロ波発振器と、前記反応炉内に鉄鉱石及び炭素源を含む原料を供給する原料供給装置と、前記反応炉から溶銑を取り出す取出部と、を有することを特徴とするマイクロ波製鉄炉」に関するものである。
しかし、この技術は、マイクロ波の照射により鉄を加熱することで溶融させ、溶融銑鉄(液体)を得るものであり、原材料をマイクロ波の照射により加熱すると、原材料が昇華されて蒸気(気体)が発生する技術には応用できない。特に、還元された金属を回収する手段に大きな相違があり、原材料から生成された蒸気(気体)を回収する手段については言及がない。
また、従来から、原材料を加熱することによって生成された金属蒸気について、これを回収する手段が提案されている。
特許文献2(特開2014−84501)に記載の技術は、透明な真空容器に充填した原材料を、集束した太陽光で加熱・還元し、発生したマグネシウム蒸気を熱的に分離した回収部にて凝縮し、回収するものである。即ち、加熱により生成されたマグネシウム蒸気を、回収部である壁面に凝縮させ、これを回収する技術である。
しかし、この技術は、太陽光を集束して加熱するものであり、マイクロ波を加熱源とする技術とは異なる。更に、発生した蒸気を回収部に導く手段については言及されていないばかりか、装置内における意図しない箇所にもマグネシウム蒸気が付着し、回収効率が十分でないという問題がある。
また、従来から、製錬装置の加熱室における壁面の構成に関する技術も提案されている。
特許文献3(特開2003−329370)に記載の技術は、加熱源として「マイクロ波」を用いたマイクロ波高温炉に関する技術であり、焼成室(加熱室)の壁面材料について、セラミックス繊維の積層布状体を壁面材料として使用し、マイクロ波透過性、保温性、成形容易性、軽量性及び低廉性を改善しようと試みたものである。
しかし、この技術は、製錬炉(製錬装置)ではなく、焼成炉に関するものであり、これを製錬装置に適用すると、壁面が多孔質である点、及び、壁面がマイクロ波を吸収せず低温に保持されることから、原材料から生成した金属蒸気が壁面に付着するという問題がある。
また、本出願人らが先に出願した特願2016−004089では、「原材料を加熱し還元する加熱室と、加熱により蒸発した原材料を凝縮する凝縮室から構成され、前記加熱室には、酸化マグネシウムと還元剤の混合物である原材料を、減圧雰囲気下において還元するための加熱源として、マイクロ波源が設けられ、前記加熱室は、導電性物質から成るシールドで覆われており、マルチモード又はシングルモードの共振構造であり、前記加熱室と前記凝縮室の間に、導電性物質から形成されたチョーク構造を有する円筒形の蒸気出
口が設けられたマグネシウム製錬装置」を提案している。
詳しくは、加熱室にて、原材料をマイクロ波照射によって加熱し、これにより生成された蒸気を凝縮室へと移送し、この凝縮室にて蒸気が冷却され、凝縮した金属が得られるという技術である。
しかし、この本出願人による先提案技術では、加熱室とは別に凝縮室が必要であり、更に、生成した金属蒸気を凝縮室に移送する過程で、加熱室や蒸気出口等に蒸気が付着し凝縮するのを防ぐために、これらを加熱するヒーターが必要となるという問題がある。これらの要因によって、装置は大型化し、消費エネルギーが大きくなるという問題がある。
特開2009−035776 特開2014−084501 特開2003−329370
そこで、本発明の課題は、マイクロ波を加熱源とする製錬装置について、加熱によって生成された金属蒸気を回収する手段を改善することで、回収効率の高い製錬装置を得ることにあり、更に、装置の小型化及び簡素化、省エネルギー化並びに作業性の向上にも貢献するマイクロ波製錬装置を提供することにある。
上記本発明の課題は、下記の手段により達成される。
1.マイクロ波を加熱源とする製錬装置において、
マイクロ波を照射することによって、原材料を加熱し還元するための加熱室が設けられ、
前記加熱室の内側には、熱還元により生成した金属が凝縮される回収部が設けられた構成であることを特徴とするマイクロ波製錬装置。
2.回収部が、加熱室の内壁に設けられ、前記加熱室から取り外し可能な回収壁であることを特徴とする前記1に記載のマイクロ波製錬装置。
3.加熱室の内壁に、マイクロ波が照射されることで加熱される加温壁が設けられた構成であることを特徴とする前記1又は2に記載のマイクロ波製錬装置。
4.加温壁が、加熱源として使用されるマイクロ波の周波数にて、原材料よりも低い誘電損失を有する材料から形成されたことを特徴とする前記3に記載のマイクロ波製錬装置。
5.回収部が、原材料を収容する原材料容器であることを特徴とする前記1、3又は4のいずれかに記載のマイクロ波製錬装置。
6.原材料容器の内側に、取り外し可能な回収壁が設けられた構成であることを特徴とする前記5に記載のマイクロ波製錬装置。
前記1に示す発明によれば、加熱室の内側に、熱還元により生成された金属蒸気を凝縮させる回収部を設ければ、加熱室内において加熱、還元、凝縮及び回収の全作業を終えることができる。これにより、熱還元されて得られる金属の回収効率を上げることができ、
作業性も向上させることができる。
回収部は、マイクロ波の照射によって原材料が加熱され、熱還元により生成した金属蒸気を冷やすことで凝縮させ、固体に変化させた状態で付着させる部材である。従って、回収部は、熱還元により生成した金属を凝縮させる程度の温度を保持するものである。
この回収部を、加熱室に備えることで、凝縮室等を別途用意する必要がなく、装置の小型化や簡素化といった効果を得ることができる。また、金属蒸気を凝縮室等へ移送する必要が無いので、金属蒸気が意図しない箇所に付着することを防ぐためのヒーター等の加温手段を使用する必要が無く、省エネルギー化にも効果がある。
前記2に示す発明によれば、加熱室から取り外し可能な壁体(回収壁)を回収部とし、これを加熱室の内壁に設ければ、加熱・還元後に、この回収壁を加熱室から取り出した上で、付着した金属を回収することができる。よって、回収の作業性が向上し、取り残しも抑制されることから回収効率も向上させることができる。
前記3に示す発明によれば、加熱室の内壁の一部、即ち、前記した回収壁を含む回収部では無い壁部について、マイクロ波が照射されることで加熱される材料で形成された壁体(加温壁)を設けることによって、この加温壁が設置された箇所に、金属蒸気が付着し、凝縮することを防止することができる。
これは、回収部は、熱還元により生成した金属を凝縮させる程度の温度を保持するのに対して、加温壁は、熱還元により生成した金属を凝縮しない温度に加温されることによる。ただし、加温壁は、加熱室において原材料に照射するためのマイクロ波を吸収して加温されるものであり、別途エネルギーを消費して加温するものではないので、省エネルギー化という課題を解決することができる。
前記4に示す発明によれば、加温壁を形成する材料として、加熱源として使用されるマイクロ波の周波数にて、原材料よりも低い誘電損失を有する材料を採用すれば、加温壁は、原材料の加熱を阻害することなくマイクロ波を吸収し加温される。これにより、回収部以外の箇所に金属蒸気が付着し凝縮することを防止することができるので、回収効率を向上させることができる。更に、この加温壁は、別途エネルギーを消費して加温するものではないので、省エネルギー化という課題を解決することもできる。
前記5に示す発明によれば、回収部として、原材料を収容する原材料容器を利用することができる。
詳述すると、加熱源をマイクロ波とする加熱室では、マイクロ波を吸収する材料で形成されたものでなければ、基本的には温度が上昇しないところ、原材料容器を、マイクロ波を吸収しない材料で形成すれば、この原材料容器の温度は上昇せずに低温で保持される。マイクロ波による熱還元により生成された金属蒸気は、この低温で保持された原材料容器で冷却されることで凝縮し、還元された金属として付着することになる。よって、この原材料容器は、回収部として使用することができる。
この回収部である原材料容器を、加熱室から取り出せば、付着した金属の回収と、残渣の取り出しとを同時に行うことができ、作業性が向上する。
前記6に示す発明によれば、前記5に記載された原材料容器の内壁に回収壁を設けた構成により、原材料容器を加熱室から取り出さなくても、回収壁のみを取り出せばよく、これにより回収壁に付着した金属を容易に回収することができる。また、加熱室から原材料容器ごと取り出した場合でも、金属は回収壁のみに付着しており、付着した金属と残渣の分別が容易であり、作業性が向上すると共に、金属へ残渣が付着、混入することによる純度の低下を防ぐことができる。
本発明に係るマイクロ波製錬装置の一実施例を表す概略構成図 加温壁を設けた一実施例を表す概略構成図 原材料容器を回収部とした一実施例を表す概略構成図 容器回収壁を回収部とした一実施例を表す概略構成図 検証実験に用いたマイクロ波製錬装置の概略構成図 検証実験によって得られたマグネシウムのX線回折パターン
以下、添付の図面に従って本発明を詳細に説明する。
本発明に係るマイクロ波製錬装置(以下、単に「マイクロ波製錬装置」ともいう。)1の一実施例を表す概略構成図を、図1に示す。
図1に示されるように、マイクロ波製錬装置1は、少なくとも加熱室2、マイクロ波源3、回収部4、シールド5から構成され、加熱室2に原材料6が設置される構成である。
加熱室2は、マイクロ波を照射することにより原材料6が加熱される空間であり、高温に耐え得る材料から形成された加熱室筐体21によって形成される。
加熱室筐体21は、マイクロ波を吸収せず、原材料6や熱還元により生成された金属蒸気と反応せず、かつ耐熱温度が高い導電性物質で形成される。加熱室筐体21を形成する材料に限定はないが、例えば、アルミニウムやステンレス鋼を挙げることができる。
マイクロ波源3は、加熱室2に設置された原材料6を加熱するため、マイクロ波を発振させる装置である。
マイクロ波源3で発振されたマイクロ波は、導波管32を通して、マイクロ波導入口31から加熱室2に導入される。導波管32には、加熱室2で熱還元により生成した金属蒸気等が、マイクロ波源3へ移行しないように、マイクロ波透過性物質から形成されたマイクロ波透過窓33を設けてもよい。
回収部4は、マイクロ波の照射により、原材料6から熱還元によって生成された金属蒸気を回収する部材である。具体的には、この金属蒸気が、回収部4に接触又は接近することによって冷却された結果、回収部4に凝縮して付着する構成である。なお、本願において回収部4とは、熱還元により生成された金属が凝縮される部材全般をいい、後述する加熱室2の内壁に設けられる回収壁41、原材料容器9及び容器回収壁91等を含む概念である。
回収部4は、マイクロ波の照射によって原材料6が加熱され、熱還元により生成された金属蒸気を冷やすことで凝縮させ、固体に変化させた状態で付着させる部材である。従って、回収部4は、蒸気となった原材料6を凝縮させる程度の温度を保持するものである。
本発明は、マイクロ波を加熱源とした製錬装置に関するものであり、火力を加熱源とする製錬装置とは異なり、加熱室2全体が加熱されるのではなく、原材料6の他、マイクロ波を吸収する材料で形成された部材しか加熱されない。よって、回収部4が加熱されず、低温を保持するために、回収部4は、マイクロ波を吸収しないもの、即ち、マイクロ波の照射によっても加熱されない材料で形成される。
回収部4を形成する材料として、例えば、ステンレス鋼(SUS304、SUS430等)、耐熱鋼、石英等を挙げることができる。特に、金属による腐食を防ぐ観点から、SUS430が好ましい。
図1に示される実施例では、回収部4が、板状又は壁状の回収壁41であり、この回収壁41が、加熱室内壁22に沿って設置される。回収壁41は、例えば、加熱室2が円筒
形である場合には、円筒の側面である加熱室内壁22に沿った曲面を有する板状又は壁状の形状となる。
加熱室内壁22は、マイクロ波の照射によっても加熱されないので、低温に保持され、金属蒸気が凝縮して付着し易い。よって、金属蒸気が、加熱室内壁22へ直接付着するのを防ぐため、回収壁41は、加熱室内壁22を隙間無く埋めるように設置することが好ましい。
この回収壁41は、加熱室内壁22から取り外すことができ、加熱室2から取り出すことができる構成である。回収壁41を加熱室2から取り出す手段に限定はないが、例えば、後述するシールド5を加熱室筐体21から取り外し、この取り外した箇所を出入り口として、回収壁41を取り出す手段を挙げることができる。
この構成により、加熱・還元後に、この回収壁41を加熱室2から取り出した上で、付着した金属を回収することができる。よって、回収の作業性が向上する。回収壁41を、加熱室内壁22に取り付ける手段について限定は無く、公知公用の手段を特別の制限無く採用することができる。
シールド5は、加熱室2と外部を隔てる壁体であり、マイクロ波を吸収せず、原材料や熱還元によって生成される金属と反応せず、遮熱性と耐熱性を有する材料で形成される。加熱室筐体21と同様に、導電性物質で形成される。
シールド5を形成する材料として、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、耐熱鋼を挙げることができる。
シールド5は、加熱室2を形成する加熱室筐体21から取り外すことができる構成であることが好ましい。シールド5を取り外すことができれば、この取り外した箇所を出入り口として、原材料6や回収部4(回収壁41)を出し入れすることができる。
シールド5には、シールド孔51が設けられる。
シールド孔51は、加熱室2から空気を抜いて真空にするための通気孔であり、真空ポンプVに接続される。
シールド孔51は、加熱室2において照射されるマイクロ波の漏えいを防止するため、チョーク構造であることが好ましい。このシールド孔51は、1つ又は複数設けることができ、その数量に限定はない。
シールド孔51をチョーク構造とするために、その形状は円筒型とする。
シールド孔51の直径は、マイクロ波源3から発振されるマイクロ波の波長の1/8以下であり、好ましくは1/64以上であって、長さは、同じくマイクロ波源4から発振されるマイクロ波の波長の1/4以上であり、好ましくは1波長以下に形成されている。かかる大きさにシールド孔51を形成することで、チョーク構造となり、シールド孔51からマイクロ波が漏洩することを防ぐことができる。この構造により、加熱室2に電磁波(マイクロ波)エネルギーが閉じ込められ、マイクロ波は、マルチモード又はシングルモードの共振状態となり、電磁波エネルギーは、原材料6のみで消費され、原材料6にマイクロ波を効率よく照射することができ、還元に必要なエネルギーを最小限に抑えることができる。
原材料6は、主に金属の鉱石であり、これを加熱・還元することで金属を製錬することができる原料である。原材料6は、加熱室2に設置され、マイクロ波が照射されることによって加熱され、固体から気体(蒸気)に変化する。
本発明において、製錬の対象となる原材料に限定はない。例えば、マグネシウムを製錬しようとする場合は、ドロマイトや軽焼ドロマイトに還元剤を加えたもの等が原材料となる。
原材料6を加熱室2に設置する手段に限定はないが、例えば、図1に示されるように、加熱室2内に原材料架台7を設け、これに載置する手段を挙げることができる。また、後述するように、原材料容器9を用いる手段を用いることができる。
加熱室2の加熱室内壁22には、加温壁8を設けることができる。
加温壁8は、マイクロ波が照射されることで加熱される材料で形成される。例えば、加温壁8は、加熱源として使用されるマイクロ波の周波数にて、原材料6よりも低い誘電損失を有する材料から形成されることが好ましい。具体的には、適した誘電損失を有するように配合が調整されたセラミックス、炭素粉末又は炭化ケイ素粉末を少量混ぜ込んだセラミックス、前述のセラミックスにマイクロ波を透過する材料を被覆させたもの等を挙げることができる。
回収部4は、原材料6から熱還元によって生成された金属蒸気を凝縮させる程度の温度を保持できるのに対して、加温壁8は、金属蒸気を凝縮させない程度の温度に加温されることになり、加温壁8に金属蒸気が付着されることを防止することができる構成である。
尚、製錬の対象がマグネシウムである場合は、加温壁は、200度以上の温度を保持することで、マグネシウム蒸気の付着を防ぐことができる。
図2に示されるように、加熱室内壁22の一部に、回収壁41を設け、加熱室内壁22の他の部分には、板状又は壁状の加温壁8を設けることができる。換言すれば、加熱室内壁22のうち、回収部4が設置されていない部分に対して、加温壁8が設けられる。
かかる構成を採用することによって、この加温壁8には金属蒸気が付着しないので、回収壁41以外の箇所に金属蒸気が付着し凝縮することを防止することができる。この作用効果によって、生成された金属の回収効率を向上させることができる。
加温壁8は、加熱室2において原材料6に照射するためのマイクロ波を吸収して加温されるものであり、ヒーター等を使用し、他のエネルギーを消費して加温するものではない。よって、省エネルギー化という課題を解決することができる。
加温壁8を加熱室内壁22に取り付ける手段に限定はなく、公知公用の技術を特別の制限無く採用することができる。
図3に示されるように、原材料6は、原材料容器9に収容した上で、加熱室2に設置することができる。
図3に示される実施例では、原材料容器9は、シールド孔51から加熱室2に挿通される態様である。かかる態様では、シールド孔51に挿通された原材料容器9から、マイクロ波が外部に漏洩することを防止しなければならない。そこで、上述のとおり、シールド孔51の直径は、マイクロ波源3から発振されるマイクロ波の波長の1/8以下であり、好ましくは1/64以上であって、長さは、同じくマイクロ波源3から発振されるマイクロ波の波長の1/4以上であり、好ましくは1波長以下に形成することが好ましい。そして、原材料容器9の直径も、上記シールド孔51を挿通することができる径とすることが好ましい。
原材料容器9の形状に限定はないが、上述のとおり、チョーク構造を有するシールド孔51を挿通させるため、円筒型の形状であることが好ましい。
原材料容器9は、回収部4として使用することができる。
原材料容器9は、収容される原材料6にマイクロ波が照射されるように、マイクロ波透過物質で形成される。このマイクロ波透過物質は、マイクロ波を吸収しないので、原材料容器9は、マイクロ波の照射によって加熱されず、比較的低温を保持することができる。原材料容器9を形成する材料として、例えば、石英を挙げることができる。
熱還元により生成された金属蒸気は、この低温で保持された原材料容器9で冷却されることで凝縮し、還元された金属として付着することになる。よって、この原材料容器9は、回収部4として使用することができる。
この回収部4として使用される原材料容器9を、加熱室2から取り出せば、付着した金属の回収と、残渣の取り出しとを同時に行うことができ、作業性が向上する。
図4に示されるように、原材料容器9の内壁に、容器回収壁91を設けることで、これを回収部4として使用することができる。
容器回収壁91は、マイクロ波を吸収しないもの、即ち、マイクロ波の照射によっても加熱されない材料で形成される。容器回収壁91を形成する材料として、例えば、ステンレス鋼(SUS304、SUS430等)、耐熱鋼、石英等を挙げることができる。特に、金属による腐食を防ぐ観点から、SUS430が好ましい。
容器回収壁9は、上述した回収壁41と同様に、熱還元により生成された金属蒸気が、容器回収壁91に接触又は接近することで冷却され、凝縮して付着する。
容器回収壁91の形状に限定はないが、原材料容器9の内壁に沿って設置するため、薄肉の円筒形状であることが好ましい。
この回収部4として使用される容器回収壁91を、原材料容器9と共に加熱室2から取り出せば、付着した金属の回収と、残渣の取り出しとを同時に行うことができ、作業性が向上する。特に、金属は容器回収壁91のみに付着しており、付着した金属と残渣の分別が容易であることから、更に作業性が向上すると共に、残渣の混入による純度の低下を防ぐことができる。
図3又は4に示されるように、原材料6を原材料容器9に収容する場合、この原材料容器9の外周の全部又は一部を断熱材Iで包囲してもよい。断熱材Iで原材料容器9を包囲した場合、断熱材で包囲された部分の原材料容器9の内壁は、包囲されていない内壁よりも高温となる。これは、原材料6が加熱されたことにより、その輻射熱等で原材料容器9の内部が加温されるが、この温度が断熱材Iによって保持されるためである。これにより、断熱材Iで包囲された部分の原材料容器9の内壁には、金属蒸気が凝縮し難い。これは、加熱室内壁22に、加温壁8を設置した場合の作用効果と同様である。
以上のように、断熱材Iを使用すると、原材料容器9の内壁のうち、金属が凝縮される部分を制御することができるので、回収時の作業性を向上させることができる。
なお、後述する検証実験における概略構成図を示す図5では、断熱材Iで、原材料容器9の外周の一部を包囲している。
・実施例
本発明に係るマイクロ波製錬装置1を使用して、検証実験を行った。この検証に使用した製錬装置の概略構成図を、図5に示す。図5に示される構成は、基本的な構成が図3に示される装置と共通しており、原材料容器9は、1つとした。加熱効率を高めるため、原材料容器9を断熱材Iで包囲した。
原材料6として、軽焼ドロマイトとフェロシリコンの混合ペレットを用いた。この混合ペレットは、直径:13mm、高さ:12mmの円筒形であり、これを5つ縦に積み上げて原材料容器9に収容した。
マイクロ波源3として、2.45GHzのマグネトロン発振器を使用した。
原材料容器9は、石英試験管を使用した。
加熱室2にマイクロ波を導入し、原材料6に照射することにより、原材料6を約100
0℃まで加熱し、この状態を75分間保持した。
マイクロ波による加熱を終え、原材料容器9を加熱室2から取り出すと、原材料容器9の内壁に、金属光沢のある金属マグネシウムを回収することができた。
図5に示されるように、凝縮した金属Mは、原材料容器9の内壁のうち、断熱材Iに覆われていない部分に凝縮した。
この凝縮した金属Mを解析すると、図6に示される特性を確認できた。
図6は、凝縮した金属Mを回収し、これをX線により解析したX線回折パターンである。縦軸は、X線の強度[cps:counts per second]を示し、横軸は、2θ[degree]を示す。
この図6に示されるX線回折パターンは、金属マグネシウムの回折パターンと一致しており、回収した金属Mは、金属マグネシウムであることが確認できた。この検証によって、本発明に係る製錬装置1を使用することで、マグネシウムの製錬が可能であることが確認できた。
1 マイクロ波製錬装置
2 加熱室
21 加熱室筐体
22 加熱室内壁
3 マイクロ波源
31 マイクロ波導入口
32 導波管
33 マイクロ波透過窓
4 回収部
41 回収壁
5 シールド
51 シールド孔
6 原材料
7 原材料架台
8 加温壁
9 原材料容器
91 容器回収壁
V 真空装置
I 断熱材
M 凝縮した金属

Claims (6)

  1. マイクロ波を加熱源とする製錬装置において、
    マイクロ波を照射することによって、原材料を加熱し還元するための加熱室が設けられ、
    前記加熱室の内側には、熱還元により生成した金属が凝縮される回収部が設けられた構成であることを特徴とするマイクロ波製錬装置。
  2. 回収部が、加熱室の内壁に設けられ、前記加熱室から取り外し可能な回収壁であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波製錬装置。
  3. 加熱室の内壁に、マイクロ波が照射されることで加熱される加温壁が設けられた構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロ波製錬装置。
  4. 加温壁が、加熱源として使用されるマイクロ波の周波数にて、原材料よりも低い誘電損失を有する材料から形成されたことを特徴とする請求項3に記載のマイクロ波製錬装置。
  5. 回収部が、原材料を収容する原材料容器であることを特徴とする請求項1、3又は4のいずれかに記載のマイクロ波製錬装置。
  6. 原材料容器の内側に、取り外し可能な回収壁が設けられた構成であることを特徴とする請求項5に記載のマイクロ波製錬装置。
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