JPH10281256A - アルミデフケース鋳物の製造方法およびそれに用いる鋳型 - Google Patents

アルミデフケース鋳物の製造方法およびそれに用いる鋳型

Info

Publication number
JPH10281256A
JPH10281256A JP8524797A JP8524797A JPH10281256A JP H10281256 A JPH10281256 A JP H10281256A JP 8524797 A JP8524797 A JP 8524797A JP 8524797 A JP8524797 A JP 8524797A JP H10281256 A JPH10281256 A JP H10281256A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
differential case
mold
casting
aluminum
aluminum differential
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8524797A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Miyaki
清 宮木
Noboru Ashikawa
昇 芦川
Michihiro Ito
道寛 伊藤
Eishin Harano
英信 原野
Mitsuharu Nakano
光晴 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanagawa Seiki Co Ltd
Original Assignee
Yanagawa Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanagawa Seiki Co Ltd filed Critical Yanagawa Seiki Co Ltd
Priority to JP8524797A priority Critical patent/JPH10281256A/ja
Publication of JPH10281256A publication Critical patent/JPH10281256A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/38Constructional details
    • F16H2048/382Methods for manufacturing differential gearings

Landscapes

  • Retarders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性に優れたアルミデフケース鋳物の製造
方法およびそれに用いる鋳型を提供すること。 【解決手段】 スクイズキャストを行う鋳造装置に取着
され少なくとも一方が可動とされた開閉可能な金属製の
1対の主型26と、各主型26に配設されその先端が所
要の間隔を隔ててほぼ対向するようにして配設された金
属製の1対の入子ピン29a,29bと、各入子ピン2
9a,29bのそれぞれの先端部に所要の間隔を隔てて
着脱可能に取着される金属製の1対の置き中子30a,
30bと、前記各入子ピン30a,30bの先端部に取
着された各置き中子30a,30bの間に挿脱可能とさ
れ窓部6を形成可能な金属製の引抜摺動中子40とを有
することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミデフケース
鋳物の製造方法およびそれに用いる鋳型に係り、特に、
自動車のエンジンの駆動力を車輪駆動軸に伝達するデフ
ァレンシャルに好適な軽量のアルミデフケースを効率よ
く一体成型することのできる生産性に優れたアルミデフ
ケース鋳物の製造方法およびそれに用いる鋳型に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車等においては、エンジ
ンの駆動力をトランスミッション(変速機)に入力して
エンジンの駆動力を制御し、この制御されたエンジンの
駆動力をトランスミッションの出力軸から必要に応じて
プロペラシャフト(推進軸)を介してデフと称されるデ
ファレンシャル(差動装置)に入力し、デファレンシャ
ルによりエンジンの駆動力を車輪駆動軸に伝達するよう
にした駆動力伝達装置が用いられている。
【0003】このような従来のデフケースは、デフケー
スの回転軸心と軸心が一致するようにして車輪駆動軸が
挿通され内部と外部とを連通する1対の環状のジャーナ
ル部と、リングギアを取着するためにデフケースの外周
面に形成されデフケースの回転軸心に対して直交する方
向に位置するフランジ取着部とが形成されており、この
ように形成されたデフケースの内部にデファレンシャル
ギアが配設されるようになっている。
【0004】そして、このような従来のデフケースは、
図示しない砂型および砂中子からなる鋳型を用いて鋳鉄
系の金属素材鋳鉄、例えばFCD55をGDC(重力鋳
造)することにより成型されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の自動
車などにおいては、高性能化、省エネルギ化が求められ
ており、この高性能化、省エネルギ化を図るために自動
車の軽量化が図られている。そして、自動車の軽量化、
省エネルギ化を図るうえでデファレンシャルの軽量化が
求められており、デファレンシャルの軽量化を図るため
にデフケースの軽量化が求められている。
【0006】このようなデフケースの軽量化に対処する
ために、鉄鋼素材より軽量の非鉄金属素材、例えばアル
ミニウム合金により製せられたアルミデフケースが提案
されている。
【0007】しかしながら、従来のアルミデフケースに
おいては、鉄鋼素材により製せられたデフケースと同一
形状とすると、内部のデファレンシャルギアの装着部の
加工およびデファレンシャルギア等の組み立てを行うた
めの窓部が形成された部位の剛性が不足して、耐久性に
劣り、寿命が短く長期間に亘り安定した機能を保持する
ことができないという問題点があった。
【0008】このような問題点に対処するために、従来
のアルミデフケースにおいては、窓部のない構成が提案
されたが、このようなものは内部に形成するデファレン
シャルギアの装着部の加工が非常に困難であるととも
に、デファレンシャルギアの組立ができなく、実用化さ
れていないのが現状である。そこで、窓部を形成しない
アルミデフケースの内部にデファレンシャルギアの装着
部を加工するとともに、デファレンシャルギアの組立を
可能とするために、デフケースを、デフケースの回転軸
心に対して直交する方向に2分割した2ピース構成と
し、分割したデフケースをボルトなどにより結合したの
ものが提案されているが、このような2ピース構成のも
のにおいては、部品点数が増加して製品の製造に多大な
労力と時間を必要とし、経済的負担が増加するととも
に、アルミデフケースの結合部の強度を確保するために
アルミデフケースの回転軸心方向の長さが増加してアル
ミデフケースが大型化するという問題点があった。
【0009】そこで、本出願人は、かかる問題点に対処
するため特願平8−38030号において、アルミニウ
ム合金により一体成型されるとともに、外周面に放射状
に配設され強度を増加させる複数の補強リブと、外周面
に形成され内部の加工および組立を可能ならしめる1つ
の窓部とを有することを特徴とするアルミデフケース、
および、内部の加工および組立を可能ならしめる1つの
窓部を形成可能な中子を、強度を増加させる複数の補強
リブを形成可能な主型の内部に配設して鋳型を形成し、
この鋳型の内部に溶融状態としたアルミニウム合金から
なる溶湯を注入することにより鋳物(鋳造品)を形成
し、その後、鋳物に熱処理を施し、その後、窓部を介し
て仕上げ加工を施すことを特徴とするアルミフケースの
製造方法を提案した。
【0010】そして、このような構成を採用したアルミ
デフケースおよびその製造方法によれば、デフケースが
大型化することなく、軽量で、長期間に亘り安定した機
能を保持することができるとともに、生産効率を確実に
向上させ、経済的負担を確実に低減することができると
いうものである。
【0011】ところで、前述したアルミデフケースの製
造方法においては、アルミデフケース鋳物を形成する際
に、分割された組み立て式の中子の着脱に多大な労力と
時間を要するという問題点があった。
【0012】そこで、大量生産に好適な生産性に優れた
アルミデフケース鋳物の製造方法およびそれに用いる鋳
型が求められていた。
【0013】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、生産性に優れたアルミデフケース鋳物の製造方
法およびそれに用いる鋳型を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明のアルミ
デフケース鋳物の製造方法の特徴は、アルミデフケース
の回転軸心と軸心が一致するようにして車輪駆動軸が挿
通され内部と外部とを連通する1対の環状のジャーナル
部と、リングギアを取着するためにアルミデフケースの
外周面に形成されアルミデフケースの回転軸心に対して
直交する方向に位置するフランジ取着部と、内部の加工
および組み立てを可能ならしめるためにアルミデフケー
スの外周面に形成され内部と外部とを連通する1つの窓
部とを有し一体成型されたアルミデフケースを形成する
ために用いるアルミデフケース鋳物の製造方法であっ
て、主型の内部に、引抜摺動中子および置き中子を配設
してキャビティを具備する鋳型を形成し、この鋳型のキ
ャビティにアルミニウム合金からなる溶湯をスクイズキ
ャストする点にある。そして、このような構成を採用し
たことにより、成型したアルミデフケース鋳物の内部に
位置する引抜摺動中子および置き中子を容易に分離する
ことができるので、生産効率を確実に向上させることが
できる。
【0015】また、特許請求の範囲の請求項2に記載の
本発明のアルミデフケース鋳物の製造に用いる鋳型の特
徴は、スクイズキャストを行う鋳造装置に取着され少な
くとも一方が可動とされた開閉可能な金属製の1対の主
型と、各主型に配設されその先端が所要の間隔を隔てて
ほぼ対向するようにして配設された金属製の1対の入子
ピンと、各入子ピンのそれぞれの先端部に所要の間隔を
隔てて着脱可能に取着される金属製の1対の置き中子
と、前記各入子ピンの先端部に取着された各置き中子の
間に挿脱可能とされ前記窓部を形成可能な金属製の引抜
摺動中子とを有する点にある。
【0016】また、特許請求の範囲の請求項3に記載の
本発明のアルミデフケース鋳物の製造に用いる鋳型の特
徴は、請求項2において、前記置き中子をアルミニウム
合金または樹脂により形成した点にある。
【0017】また、特許請求の範囲の請求項4に記載の
本発明のアルミデフケース鋳物の製造に用いる鋳型の特
徴は、請求項2または請求項3において、前記鋳型のキ
ャビティのフランジ形成部にゲートを設けた点にある。
【0018】また、特許請求の範囲の請求項5に記載の
本発明のアルミデフケース鋳物の製造に用いる鋳型の特
徴は、請求項2乃至請求項4の何れか1項において、前
記鋳型のキャビティ近傍に、キャビティに最初に注入し
た溶湯の温度低下を防止する加熱手段を設けた点にあ
る。
【0019】また、特許請求の範囲の請求項6に記載の
本発明のアルミデフケース鋳物の製造に用いる鋳型の特
徴は、請求項2乃至請求項5の何れか1項において、前
記置き中子にオイル溝を鋳造形成するためのオイル溝形
成凸部を設けた点にある。
【0020】そして、これらのような構成の本発明のア
ルミデフケース鋳物の製造に用いる鋳型を本発明のアル
ミデフケース鋳物の製造方法に沿って動作させることに
より、キャビティを容易に形成することができるととも
に、成型したアルミデフケース鋳物の内部に位置する引
抜摺動中子および置き中子を容易に分離することができ
るので、アルミデフケース鋳物の生産性を向上させるこ
とができる。また、アルミニウム合金または樹脂により
形成した置き中子は、耐久性および取り扱い性を向上さ
せることができる。さらに、キャビティのフランジ形成
部にゲートを設けることにより、アルミニウム合金から
なる溶湯の層流充填および指向性凝固を確実に行うこと
ができる。さらにまた、加熱手段は、アルミニウム合金
からなる溶湯の指向性凝固をより確実に行うことができ
る。また、オイル溝形成凸部は、アルミデフケース鋳物
に対する内部の加工工数を低減することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態により説明する。
【0022】なお、説明の便宜上、本発明に係るアルミ
デフケース鋳物を用いて形成されるアルミデフケースに
ついて先に説明し、本発明に係るアルミデフケース鋳物
の製造方法およびそれに用いる鋳型については後で説明
する。
【0023】図1から図6は本発明に係るアルミデフケ
ース鋳物の製造方法およびそれに用いる鋳型により成型
されたアルミデフケース鋳物に各種の加工を施して得ら
れるアルミデフケースの実施の形態を示すものであり、
図1は正面図、図2は左側面図、図3は図1のA−A線
に沿った断面図、図4は図1のB−B線に沿った断面
図、図5は背面図、図6はアルミデフケースに対するデ
ファレンシャルギアなどの取付状態およびアルミデフケ
ースのトランスミッションに対する取付状態の要部を示
す説明図である。
【0024】図1から図6に示すように、後述する本発
明に係るアルミデフケース鋳物の製造方法およびそれに
用いる鋳型1を用いて成型されたアルミデフフケース鋳
物(以下、単に、鋳物と記す)に各種の加工を施して得
られる完成品たるアルミデフケース2は、一体成型され
ており、ミッションケース23(図6)の内部に回転自
在に取着されるようになっている。このアルミデフケー
ス2は、図3において左右方向に示す左右1対の略環状
に形成されたジャーナル部3が適宜な間隔を隔てて形成
されている。そして、図3において左方に示す一方のジ
ャーナル部3Lには、例えば図示しない車輪駆動軸の一
方(左車輪駆動軸)が挿通可能な車軸貫通孔4Lが形成
されており、図3において右方に示す他方のジャーナル
部3Rには、例えば図示しない車輪駆動軸の他方(右車
輪駆動軸)が挿通可能な車軸貫通孔4Rが形成されてい
る。この各車軸貫通孔4L,4Rは、それぞれの軸心が
一致するように形成されるとともに、各ジャーナル部3
L,3Rの軸心は、アルミデフケース2の回転軸心RL
と一致するように形成されている。
【0025】前記各ジャーナル部3L,3Rは、軸方向
中央部に位置するそれぞれの基端部が各ジャーナル部3
L,3Rの外径寸法より大きい外径寸法とされた略筒状
の連結部5により一体的に接続されており、この連結部
5の外周面には、図1から図4に示すように、連結部5
の外周面を板厚方向に貫通する1個の窓部6が形成され
ている。この窓部6は、アルミデフケース2の内部に配
設されるそれぞれ1対のピニオン7および左右1対のサ
イドギア8からなるデファレンシャルギア9の装着部の
加工ならびにデファレンシャルギア9の組立など(図
6)に用いるアルミデフケース2の内部空間に接続され
ている。なお、窓部6の縁部は、額縁などと称される厚
肉形状とすることが強度(剛性)をより向上させるうえ
で好ましい。
【0026】前記連結部5の軸方向の略中央部には、ア
ルミデフケース2の回転軸心RLに対して直交するよう
にして図3において上下に示す上下1対のシャフト装着
孔10がそれぞれの軸心が一致するようにして形成され
ており、この各シャフト装着孔10には、ピニオンシャ
フト11が装着されるようになっている(図6)。
【0027】前記連結部5の外周面の図3において右端
部近傍には、リングギア12(図6)を取着するための
環状のフランジ部13が形成されている。このフランジ
部13には、図1、図4および図5に示すように、アル
ミデフケース2の回転軸心RLと平行に延在するように
して板厚方向に貫通する10箇所のねじ孔14がアルミ
デフケース2の回転軸心RLから等距離位置に等角度分
配置されている。そして、フランジ部13の図3におい
て右方に示すフランジ面15には、リングギア12(図
6)が当接する環状の座面16が形成されている。
【0028】そして、連結部5の外周面には、図1およ
び図5に示すように、強度を増加させる複数の補強リブ
17がアルミデフケース2の回転軸心RLから放射状に
図1に示すように窓部6の形成部位を除いて形成されて
おり、この補強リブ17の延長線上に前記ねじ孔14が
それぞれ形成されている。
【0029】さらに、連結部5の外周面には、図2およ
び図4に示すように、2個の切粉排出孔18が前記窓部
6と略対向するようにして形成されている。この切粉排
出孔18は、アルミデフケース用鋳型1の内部を機械加
工する際に発生する切粉(図示せず)をアルミデフケー
ス用鋳型1の外部へ排出するためのものであり、アルミ
デフケース用鋳型1の強度を損なわない範囲でできるだ
け大きく形成することが切粉を外部へ排出するうえで好
ましい。
【0030】なお、連結部5に設けるねじ孔14および
切粉排出孔18の数は、アルミデフケース2の仕様およ
び設計コンセプトなどの必要に応じて増減することがで
きる。
【0031】また、フランジ部13には、ねじ孔14の
代わりに図示しないリベット孔を設けて、アルミデフケ
ース2とリングギア12とをリベットにより結合させる
構成としてもよい。
【0032】さらにまた、図3に示すように、アルミデ
フケース2の内部の車軸貫通孔4L,4Rの根本近傍に
は、アルミデフケース2の内部の潤滑を行うための潤滑
油の流路となる相互に平行に延在する2本のオイル溝2
4がそれぞれ形成されている。
【0033】また、リングギア12の外周面には、トラ
ンスミッション19の出力軸20に取着されたドライブ
ギア21に噛合する歯部22が形成されている。
【0034】なお、アルミデフケース2に対するデファ
レンシャルギア9などの取付状態およびアルミデフケー
ス2のトランスミッション19に対する取付状態を図6
に示す。
【0035】さらに、アルミデフケース2に対するリン
グギア12、デファレンシャルギア9などの取付状態お
よびアルミデフケース2のトランスミッション19に対
する取付状態は、従来公知のものとと同様であり、その
詳しい説明は省略する。
【0036】したがって、エンジンの駆動力は、トラン
スミッション19の出力軸20からリングギア12に入
力され、これによりリングギア12とアルミデフケース
2とが一体回転し、アルミデフケース2の内部に配設さ
れたデファレンシャルギア9を介して図示しない車輪駆
動軸を駆動するようになっている。
【0037】そして、このようなアルミデフケース2
は、アルミニウム合金を本発明に係るアルミデフケース
鋳物の製造方法およびそれに用いる鋳型1を用いてスク
イズキャストして得られる一体成型された鋳物に、T6
(焼入れ焼もどし)またはT7(焼入れ後安定化処理)
の熱処理を施し、その後、旋盤、フライス盤、研削盤な
どの工作機械を用いて、各ジャーナル部3L,3R、各
車軸貫通孔4L,4R、シャフト装着孔10、図示しな
いデファレンシャルギア9の装着部、リングギアを取着
するためのねじ孔14および座面16等を所定の寸法お
よび形状に形成する機械加工を施して図1から図5に示
す完成品(アルミデフケース2)を得るようにされてい
る。
【0038】なお、アルミニウム合金の素材の種類によ
っては、T6またはT7の熱処理を必ずしも施す必要は
ない。
【0039】また、このように形成されたアルミデフケ
ース2は、1個の窓部6を介してピニオン7およびサイ
ドギア8からなるデファレンシャルギア9、ピニオン7
が取着されるピニオンシャフト11などがアルミデフケ
ース2の内部に取着するとともに、各ジャーナル部3
L,3Rの外周部には、軸受が取着されるようになって
いる(図6)。
【0040】つぎに、本発明に係るアルミデフケース鋳
物の製造に用いるための鋳型1について図7から図12
により説明する。
【0041】図7から図12は本発明に係るアルミデフ
ケース鋳物の製造に用いる鋳型の実施の形態の要部の構
造を示すものであり、図7は一部省略縦断面図であり、
図8は一部省略側半断面図であり、図9は下型を分割面
側から見て示す平面図であり、図10は上型を分割面側
から見て示す下面図であり、図11はキャビティ近傍の
拡大縦断面図であり、図12は入子ピンの先端部に形成
した位置決め突起を示す部分拡大斜視図である。
【0042】本実施の形態の鋳型1は、いわゆる2ヶ取
りと称される2個のアルミデフケース鋳物を同時に成型
するものである。
【0043】図7から図11に示すように、本実施の形
態の鋳型1は、金属により製せられた上下1対の主型2
6を有している。この主型26のうちの図7において上
方に示す一方は、スクイズマシンと称される図示しない
公知のスクイズキャストを行う鋳造装置の可動板に取着
される上型26aとされており、主型26のうちの図1
において下方に示す他方は、前記鋳造装置の固定板に取
着される下型26bとされている。
【0044】すなわち、本実施の形態においては、主型
26のうちの上型26aが可動、下型26bが固定とさ
れており、鋳造装置の可動板を昇降させることにより、
固定された下型26bに対して可動な上型26aが接離
し、上型26aと下型26bとが開閉可能となってい
る。
【0045】前記主型26には、それぞれダイス鋼など
により形成された入子形式の上下1対のダイ27がはめ
込まれている。これらのダイ27のうちの上型26aに
はめ込まれた一方は上ダイ27aとされ、下型26bに
はめ込まれた他方は下ダイ27bとされている。そし
て、各ダイ27には、図7において左右1対、総計2つ
のキャビティ28が形成されるようになっている。
【0046】すなわち、本実施の形態のキャビティ28
は、主型26にはめ込まれたダイ27に形成されてお
り、ダイ27を交換することにより、ショット数の増加
にともなうキャビティ28の損傷や変形に対して容易に
対応することができるようになっている。
【0047】なお、ダイ27を用いずに主型26にキャ
ビティ28を直接形成する構成であっても本質的には問
題ない。
【0048】前記各ダイ27には、前述したアルミデフ
ケース2のジャーナル部3L,3Rを形成するための金
属製の上下1対の入子ピン29a,29bがそれぞれ配
設されている。これら入子ピン29a,29bは、それ
ぞれその先端が所要の間隔を隔ててほぼ対向するように
して配設されている。そして、各入子ピン29a,29
bのそれぞれの先端部には、アルミニウム合金により形
成された上下1対の置き中子30a,30bが所要の間
隔を隔てて着脱自在に取着されている。また、下方に示
す置き中子30bは、上方に位置する置き中子30ba
とその下方に位置する置き中子30bbとに上下方向に
2分割されて組み立て可能になっている。この置き中子
30bは、着脱性など必要に応じて分割すればよく、本
質的には一体であることが望ましい。
【0049】なお、各置き中子30a,30ba,30
bbの素材としては、アルミニウム合金に限定されるも
のではなく、樹脂や樹脂に金属メッキを施したものなど
を用いてもよい。そして、各置き中子30a,30b
a,30bbの素材として樹脂を用いた場合には、各置
き中子30a,30ba,30bbの更なる軽量化を図
ることができ、その結果、操作性および取り扱い性を容
易に向上させることができる。
【0050】図11に詳示するように、上方に位置しそ
の先端が下方を向いた入子ピン29aの先端部の軸心位
置には、軸方向に対して直交する方向に弾性変形可能な
割りピン31がねじ止めされており、この入子ピン29
aに対して置き中子30aに形成されている装着孔32
を嵌合することにより、入子ピン29aの先端に置き中
子30aを容易に保持することができるようになってい
る。また、入子ピン29aの先端部の割りピン31の周
囲には、平面ほぼ四角形などの異形凸部33が形成され
ており、この異形凸部33を置き中子30aの入子ピン
29aの先端部と対向する面に形成した異形凹部34と
嵌合させることにより、入子ピン29aへ置き中子30
aを装着した際の置き中子30aの回転方向の位置を拘
束して位相ずれを防止することができるようになってい
る。
【0051】また、図11に詳示するように、下方に位
置しその先端が上方を向いた入子ピン29bの先端部に
は、図12に示すように、入子ピン29bより小径で、
先端に向かって徐々に小径とされるとともにその周面の
一部が平滑にされた位置決め突起35が形成されてお
り、この位置決め突起35に対して置き中子30ba、
30bbに形成された位置決め突起35に対応する異形
孔36a,36bと嵌合させることにより入子ピン29
bへ置き中子30ba,30bbを装着した際の置き中
子30ba,30bbの回転方向の位置を拘束して位相
ずれを防止することができるようになっている。さら
に、入子ピン29bの先端部は、下方から最も下方に位
置する置き中子30bbの図11に上下方向にて示す厚
さ方向のほぼ中央に位置するようにされており、これに
より、鋳物の内部に置き中子30ba,30bbが分離
せずに残った場合に、入子ピン29bを離脱させた後に
入子ピン29bの先端面が当接していた置き中子30b
bの異形孔36bの周りの面を叩くことにより置き中子
30ba,30bbを強制的に分離することができるよ
うになっている。
【0052】なお、前記異形凸部33、異形凹部34、
位置決め突起35、異形孔36a,36bの形状および
構成は、入子ピン29a,29bに置き中子30a,3
0ba,30bbを装着した際に、置き中子30a,3
0ba,30bbの回転を防止することができる形状お
よび構成であればよく、特に、本実施の形態の形状およ
び構成に限定されるものではない。
【0053】前記置き中子30aの上面および置き中子
30bの下面には、前述したオイル溝24を形成するた
めのオイル溝形成凸部37がそれぞれ形成されている。
【0054】前記上下1対の置き中子30a,30bの
間には、前述したアルミデフケース2の窓部6を形成可
能な金属製の引抜摺動中子40が配設されている。この
引抜摺動中子40は、主型26の側面の外側に配設され
た往復動油圧シリンダなどの往復動アクチュエータ38
の出力軸38aに接続されており、往復動アクチュエー
タ38を駆動することにより、引抜摺動中子40を図7
において左右方向に進退可能とし、その結果、引抜摺動
中子40は、各入子ピン29a,29bの先端部に取着
された各置き中子30a,30bの間に挿脱可能とされ
ている。そして、引抜摺動中子40の基部41には、前
述したアルミデフケース2の窓部6を形成するための窓
形成部44が形成されており、引抜摺動中子40の先端
には、前述したアルミデフケース2の切粉排出孔18を
形成する2個の切粉排出孔形成突部43が形成されてい
る。
【0055】前記上型26aには、図8に示すように、
金属製の前後1対の鋳抜き孔形成ピン45がその先端を
各キャビティ28内に位置するようにして配設されてい
る。この鋳抜き孔形成ピン45は、上型26aに配設さ
れた往復動油圧シリンダなどの往復動アクチュエータ4
6の出力軸46aに接続されており、この往復動アクチ
ュエータ46を駆動することにより各鋳抜き孔形成ピン
45を図8において左右方向に進退可能とし、その結
果、鋳抜き孔形成ピン45は、置き中子30の側面に対
して遠近可能とされている。
【0056】前記主型26に配設したダイ27により鋳
物の外部の形状が規制され、前記置き中子30a,30
bおよび引抜摺動中子40により鋳物の内部の形状が規
制され、前述したアルミデフケース2に対応した内部に
空間を有する鋳物のキャビティ28が形成されるように
なっている。
【0057】前記入子ピン29a,29bにより前述し
たアルミデフケース2のジャーナル部3L,3Rを形成
するための基礎となる鋳抜き孔が形成され、前記鋳抜き
孔形成ピン45により前述したアルミデフケース2のシ
ャフト装着孔10を形成するための基礎となる鋳抜き孔
が形成されるようになっている。
【0058】また、本実施の形態においては、ダイ27
に左右1対のキャビティ28が形成されるようになって
おり、これにより、本実施の形態においては、左右1対
の引抜摺動中子40がそれぞれに形成された切粉排出孔
形成突部43を相互に対向するようにして配設されてい
る。そして、本実施の形態においては、前述したアルミ
デフケース2のジャーナル部3L,3Rの鋳抜き孔を形
成するための入子ピン29a,29bが上下方向に配設
されており、前述したアルミデフケース2のシャフト装
着孔10の鋳抜き孔を形成するための鋳抜き孔形成ピン
45が入子ピン29a,29bの軸方向に対して直交す
る方向に配設されている。さらに、前述したアルミデフ
ケース2のフランジ部13を形成するためのフランジ形
成部39が分割面たるパーティングラインPLに沿って
形成されている。
【0059】前記左右1対のキャビティ28の中間部位
には、各キャビティ28に対してアルミニウム合金から
なる溶湯を注入するための平面ほぼ円形の湯口48が形
成されており、この湯口48の下方には、鋳造装置のプ
ランジャ49が位置するようになっている。また、湯口
48の下部の周りには、プランジャ49が挿脱可能なス
プールブッシュ50が配設されている。そして、湯口4
8とフランジ形成部39とは、図9に示すように、平面
ほぼ三日月状に形成されたランナー51により連通され
ている。すなわち、フランジ形成部39の切粉排出孔形
成突部43側に、ランナー51に連通するゲート52が
形成されている。
【0060】前記上ダイ27aおよび下ダイ27bのキ
ャビティ28近傍には、流路53a,53bがキャビテ
ィ28を水平方向に取り囲むようにしてして形成されて
いる。この流路53a,53bには、各キャビティ28
に対してアルミニウム合金からなる溶湯を注入した際の
溶湯の冷却に用いるためのものであり、少なくとも冷却
流体が流動可能にされている。また、この流路53a,
53bのうちの下ダイ27bに形成された流路53b、
すなわち、下ダイ27bのキャビティ28近傍に形成さ
れた流路53bは、キャビティ28に最初に注入した溶
湯の温度低下を防止する加熱手段47としても機能する
ものであり、この流路53bを加熱手段47として用い
る場合には、キャビティ28に溶湯を充填完了するまで
キャビティ28に最初に注入した溶湯の温度低下を防止
するための加熱流体が流動可能とされている。すなわ
ち、下ダイ27bの流路43bには、冷却流体と加熱流
体とが所のタイミングで切り換えられて流動するように
されている。なお、下ダイ27bに2系統の流路を形成
して、一方を冷却流体用とし、他方を加熱流体用に用い
る構成としてもよい。さらに、加熱手段47としては、
キャビティ28近傍に加熱ヒータを配設した構成を用い
てもよく、キャビティ28へ最初に注入した溶湯の温度
と、キャビティ28へ最後に注入した溶湯の温度との温
度差を少なくすることのできる構成であれば、特に、本
実施の形態の構成に限定されるものではない。さらにま
た、加熱手段47としては、キャビティ28に溶湯を注
入する際に下ダイ27bを所定温度に加熱し、キャビテ
ィ28に対する溶湯の注入が終了したら下ダイ27bへ
の加熱を停止するように制御することが鋳型サイクルを
短縮するうえで好ましい。なお、加熱手段47は、キャ
ビティ28の数や大きさなどの必要に応じて設ければよ
く、必ずしも必要なものではない。
【0061】図7に示すように、本実施の形態の鋳型1
には、鋳造後に鋳型1から鋳物を取り出す際に、上型2
6aと下型26bとの開閉動作に連動して、上型26a
詳しくは上ダイ27aに付着した鋳物を下方に落として
鋳型1から強制的に離間させるための複数の押出しピン
54が各キャビティ28および湯口の上部に配設されて
いる。この押出しピン54は、イジェクト機構などと称
される従来公知の駆動機構をもって上型26aと下型2
6bとの開閉動作に連動して駆動されるものでありその
詳しい説明は省略する。
【0062】つぎに、前述した構成からなる本実施の形
態の作用について製造方法とともに図7から図13によ
り説明する。
【0063】図7から図12は上型と下型とが閉じてキ
ャビティが形成された閉状態を示しており、図13は上
型と下型とが開いて置き中子が着脱可能な開状態におけ
るキャビティ部位を示す説明図である。
【0064】本実施の形態の鋳型1を用いて鋳物を形成
する場合には、まず、鋳造装置を駆動して、上型26a
を下型26bから離間させるとともに、往復動アクチュ
エータ38,46の各出力軸38a,46aを後退させ
て引抜摺動中子40の先端部に形成された切粉排出孔形
成突部43および鋳抜き孔形成ピン45をキャビティ2
8から離間した退避状態として鋳型1を図13に示すよ
うに開状態とする。また、流路53bを加熱手段47と
して機能させるために所定の温度の加熱流体を流動させ
少なくとも下ダイ27bを所定の温度に保持する。
【0065】そして、この鋳型1の開状態で、置き中子
30aを上型26aの上ダイ27aの入子ピン29aに
ロボットなどでワンタッチで装着する。ついで、予め組
み合わせた置き中子30ba,30bbを下型26bの
下ダイ27bの入子ピン29bにロボットなどでワンタ
ッチで装着する。
【0066】つぎに、各入子ピン29a,29bに対す
る各置き中子30a,30ba,30bbの装着が終了
したら、往復動アクチュエータ38を駆動して往復動ア
クチュエータ38の各出力軸38aを前進させ、引抜摺
動中子40を所定位置へ前進させ、置き中子30aと引
抜摺動中子40とを組み合わせる。ついで、往復動アク
チュエータ46を駆動して往復動アクチュエータ46の
各出力軸46aを前進させ鋳抜き孔形成ピン45を所定
位置へ前進させる。
【0067】つぎに、置き中子30aと引抜摺動中子4
0とを組み合わせた状態で上型26aを下型26bに向
かって移動することにより型締めを行い上型26aと下
型26bとが当接した閉状態とする。すると、上方に位
置する置き中子30aと下方に位置する置き中子30b
a,30bbが引抜摺動中子40を挟持し、これらは入
子ピン29a,29bにより固定される。その結果、主
型26の内部に、引抜摺動中子40および置き中子30
a,30ba,30bbを配設して中空形成可能なキャ
ビティ28を具備する鋳型1が形成される。
【0068】つぎに、鋳型1のキャビティ28の内部に
アルミニウム合金からなる溶湯をスクイズキャストす
る。
【0069】この時、アルミニウム合金からなる溶湯
は、鋳造装置のプランジャ49により湯口48に向かっ
て所定量が射出され、この射出された溶湯は、平面ほぼ
三日月状に形成されたランナー51を介してゲート52
からフランジ形成部39へ注入される。このランナー5
1の形状とアルミニウム合金からなる溶湯をフランジ形
成部39に連通するゲート52からキャビティ28の内
部へ注入することが溶湯の層流充填および指向性凝固を
適正に行ううえで好ましいことがシュミレーションによ
り確認できた。
【0070】また、本実施の形態においては、溶湯をキ
ャビティ28の内部へ注入する際に、加熱手段47によ
り下ダイ27bが所定の温度に保持可能とされているの
で、キャビティ28へ最初に注入した溶湯の温度と、キ
ャビティ28へ最後に注入した溶湯の温度との温度差を
少なくし、溶湯の指向性凝固をより確実に行うことがで
きる。
【0071】つぎに、鋳型1のキャビティ28の内部に
アルミニウム合金からなる溶湯をスクイズキャストした
ら、所定のタイミングで流路53bに冷却流体を流通さ
せ、鋳型1を冷却する。
【0072】そして、鋳型1を所定温度まで冷却した
ら、上型26aを下型26bから離間させる。すると、
鋳物はその内部に位置する引抜摺動中子40および置き
中子30a,30ba,30bbに保持されてるので上
型26aとともに上昇し、下型26bの下ダイ27bの
入子ピン29bが鋳物から離間する。ついで、往復動ア
クチュエータ46を駆動して往復動アクチュエータ46
の各出力軸46aを後退させることにより、鋳抜き孔形
成ピン45が鋳物から離間する。ついで、往復動アクチ
ュエータ38を駆動して往復動アクチュエータ38の各
出力軸38aを後退させることにより、引抜摺動中子4
0が鋳物から離間する。そして、引抜摺動中子40が鋳
物から離間すると、各押出しピン54により、鋳物が上
型26aから分離し、その結果、鋳型1から鋳物が分離
する。そして、鋳物の内部には、上方に位置する入子ピ
ン29aに保持された置き中子30aと、下方に位置す
る入子ピン29bから分離した置き中子30ba,30
bbが残るので、こられを人手などにより鋳物の内部か
ら分離することにより、鋳物が完成する。
【0073】以下、前記動作を順次繰り返すことによ
り、前述したアルミデフケース2を形成するための一体
形成されたアルミデフフケース鋳物が順次形成される。
【0074】なお、本実施の形態の鋳物1を用いた場合
の鋳物の成型サイクルは、ほぼ110秒程度であった。
【0075】このように、本実施の形態によれば、主型
26の内部に、引抜摺動中子40および置き中子30
a,30ba,30bbを配設するという簡単な構成
で、中空形成可能なキャビティ28を容易に形成するこ
とができるとともに、成型した鋳物の内部に位置する引
抜摺動中子40および置き中子30a,30ba,30
bbを容易に分離することができるので、生産効率を確
実に向上させることができる。
【0076】そして、アルミニウム合金により形成した
置き中子30a,30ba,30bbは、繰り返し使用
することができるので、置き中子30a,30ba,3
0bbの耐久性を向上させることができるとともに、破
損しにくいので取り扱い性を向上させることができる。
【0077】さらに、キャビティ28のフランジ形成部
39にゲート52を設けることにより、アルミニウム合
金からなる溶湯の層流充填および指向性凝固を確実に行
うことができるので、その結果、いわゆる湯廻りが適正
かつ良好となり、アルミデフケース鋳物に引け巣(収縮
巣)が生じるのを防止することができ、歩留まりを向上
させることができる。
【0078】さらにまた、加熱手段47は、キャビティ
28へ溶湯を充填完了するまで、キャビティ28へ最初
に注入した溶湯の温度低下を確実に防止することができ
るので、アルミニウム合金からなる溶湯の指向性凝固を
より確実に行うことができる。
【0079】また、置き中子30aの上面および置き中
子30bの下面に形成されたオイル溝形成凸部37は、
アルミデフケース鋳物に対する後加工によるアルミデフ
ケース2の内部の潤滑を行うための潤滑油の流路となる
オイル溝24の形成を省くことができるので、アルミデ
フケース鋳物に対する内部の加工工数を低減することが
でき、その結果、アルミデフケース2を形成するために
必要な経済的負担を確実に低減することができる。
【0080】なお、本発明は、前記実施の形態に限定さ
れるものではなく、必要に応じて変更することができ
る。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように本発明のアルミデフ
ケース鋳物の製造方法およびそれに用いる鋳型によれ
ば、主型の内部に、引抜摺動中子および置き中子を配設
するという簡単な構成で、中空形成可能なキャビティを
容易に形成することができるとともに、成型した鋳物の
内部に位置する引抜摺動中子および置き中子を容易に分
離することができるので、生産効率を確実に向上させる
ことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るアルミデフケース鋳物の製造方
法およびそれに用いる鋳型により成型されたアルミデフ
ケース鋳物に各種の加工を施して得られるアルミデフケ
ースの実施の形態を示す正面図
【図2】 図1の左側面図
【図3】 図1のA−A線に沿った断面図
【図4】 図1のB−B線に沿った断面図
【図5】 図1の背面図
【図6】 本発明に係るアルミデフケース鋳物の製造方
法およびそれに用いる鋳型により成型されたアルミデフ
ケース鋳物に各種の加工を施して得られるアルミデフケ
ースに対するデファレンシャルギアなどの取付状態およ
びアルミデフケースのトランスミッションに対する取付
状態の要部を示す説明図
【図7】 本発明に係るアルミデフケース鋳物の製造に
用いる鋳型の実施の形態の上型と下型とが閉じてキャビ
ティが形成された閉状態における要部の構造を示す一部
省略縦断面図
【図8】 図7の一部省略側半断面図
【図9】 図7の下型を分割面側から見て示す平面図
【図10】 図7上型を分割面側から見て示す下面図
【図11】 図7のキャビティ近傍の拡大縦断面図
【図12】 図7の入子ピンの先端部に形成した位置決
め突起を示す部分拡大斜視図
【図13】 本発明に係るアルミデフケース鋳物の製造
に用いる鋳型の実施の形態の上型と下型とが開いて置き
中子が着脱可能な開状態におけるキャビティ部位を示す
説明図
【符号の説明】
1 鋳型 2 アルミデフケース 6 窓部 26 主型 26a 上型 26b 下型 27 ダイ 27a 上ダイ 27b 下ダイ 28 キャビティ 29a、29b 入子ピン 30a、30b、30ba、30bb 置き中子 37 オイル溝形成凸部 38 往復動アクチュエータ 39 フランジ形成部 40 引抜摺動中子 47 加熱手段 53a、53b 流路 48 湯口 51 ランナー 52 ゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原野 英信 三重県亀山市和田町1012 柳河精機株式会 社亀山工場内 (72)発明者 中野 光晴 東京都西多摩郡瑞穂町高根字山下277 柳 河精機株式会社テクニカルセンター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミデフケースの回転軸心と軸心が一
    致するようにして車輪駆動軸が挿通され内部と外部とを
    連通する1対の環状のジャーナル部と、リングギアを取
    着するためにアルミデフケースの外周面に形成されアル
    ミデフケースの回転軸心に対して直交する方向に位置す
    るフランジ取着部と、内部の加工および組み立てを可能
    ならしめるためにアルミデフケースの外周面に形成され
    内部と外部とを連通する1つの窓部とを有し一体成型さ
    れたアルミデフケースを形成するために用いるアルミデ
    フケース鋳物の製造方法であって、 主型の内部に、引抜摺動中子および置き中子を配設して
    キャビティを具備する鋳型を形成し、この鋳型のキャビ
    ティにアルミニウム合金からなる溶湯をスクイズキャス
    トすることを特徴とするアルミデフケース鋳物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 スクイズキャストを行う鋳造装置に取着
    され少なくとも一方が可動とされた開閉可能な金属製の
    1対の主型と、各主型に配設されその先端が所要の間隔
    を隔ててほぼ対向するようにして配設された金属製の1
    対の入子ピンと、各入子ピンのそれぞれの先端部に所要
    の間隔を隔てて着脱可能に取着される金属製の1対の置
    き中子と、前記各入子ピンの先端部に取着された各置き
    中子の間に挿脱可能とされ前記窓部を形成可能な金属製
    の引抜摺動中子とを有することを特徴とするアルミデフ
    ケース鋳物を製造するための鋳型。
  3. 【請求項3】 前記置き中子をアルミニウム合金または
    樹脂により形成したことを特徴とする請求項2に記載の
    アルミデフケース鋳物を製造するための鋳型。
  4. 【請求項4】 前記鋳型のキャビティのフランジ形成部
    にゲートを設けたことを特徴とする請求項2または請求
    項3に記載のアルミデフケース鋳物を製造するための鋳
    型。
  5. 【請求項5】 前記鋳型のキャビティ近傍に、キャビテ
    ィに最初に注入した溶湯の温度低下を防止する加熱手段
    を設けたことを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れ
    か1項に記載のアルミデフケース鋳物を製造するための
    鋳型。
  6. 【請求項6】 前記置き中子にオイル溝を鋳造形成する
    ためのオイル溝形成凸部を設けたことを特徴とする請求
    項2乃至請求項5の何れか1項に記載のアルミデフケー
    ス鋳物を製造するための鋳型。
JP8524797A 1997-04-03 1997-04-03 アルミデフケース鋳物の製造方法およびそれに用いる鋳型 Pending JPH10281256A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8524797A JPH10281256A (ja) 1997-04-03 1997-04-03 アルミデフケース鋳物の製造方法およびそれに用いる鋳型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8524797A JPH10281256A (ja) 1997-04-03 1997-04-03 アルミデフケース鋳物の製造方法およびそれに用いる鋳型

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10281256A true JPH10281256A (ja) 1998-10-23

Family

ID=13853251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8524797A Pending JPH10281256A (ja) 1997-04-03 1997-04-03 アルミデフケース鋳物の製造方法およびそれに用いる鋳型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10281256A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008023582A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Yanagawa Seiki Co Ltd 鋳造方法および鋳造用鋳型ならびに置き中子
JP2008155241A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Honda Motor Co Ltd 鋳造方法及び鋳造装置
JP2012067889A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Toyota Motor Corp リングギヤの溶接方法及び溶接構造
KR101521852B1 (ko) * 2014-12-15 2015-05-19 주식회사 네오오토 자동변속기용 차동장치
WO2021002419A1 (ja) * 2019-07-04 2021-01-07 武蔵精密工業株式会社 差動装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008023582A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Yanagawa Seiki Co Ltd 鋳造方法および鋳造用鋳型ならびに置き中子
JP2008155241A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Honda Motor Co Ltd 鋳造方法及び鋳造装置
JP4628349B2 (ja) * 2006-12-22 2011-02-09 本田技研工業株式会社 鋳造方法及び鋳造装置
JP2012067889A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Toyota Motor Corp リングギヤの溶接方法及び溶接構造
KR101521852B1 (ko) * 2014-12-15 2015-05-19 주식회사 네오오토 자동변속기용 차동장치
WO2021002419A1 (ja) * 2019-07-04 2021-01-07 武蔵精密工業株式会社 差動装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1909995B1 (en) Method and apparatus for manufacturing turbine or compressor wheels
JP3149374B2 (ja) 自転車用中空クランクとその製造方法
CN100389904C (zh) 半固态模铸方法
JP3112440B2 (ja) 車体用構造部品としての軽金属製の薄肉鋳造構造部品とその鋳造製造方法
US7299854B2 (en) Semi-solid molding method
KR20150032196A (ko) 주조 및 성형 공구를 사용하여 금속 구성요소를 제조하는 방법 및 장치
WO2007018063A1 (ja) ダイカスト鋳造用金型、ダイカスト鋳造用金型の製造方法および鋳造方法
JPH10281256A (ja) アルミデフケース鋳物の製造方法およびそれに用いる鋳型
KR101619722B1 (ko) 알루미늄 클러치 하우징 제조용 3단 다이캐스팅 금형
US20030196775A1 (en) Semi-solid molding apparatus and method
JP3154054B2 (ja) ダイカスト機の鋳込み装置
JP2004306062A (ja) 車両ホイールの製造方法
JPH09229163A (ja) デフケースおよびその製造方法
CN109562444B (zh) 凸轮轴的制造过程和使用它获得的凸轮轴
CN116516189B (zh) 一种镁合金车轮铸锻成形方法
JP2976788B2 (ja) ロードホイールにおける鍛造用ディスク素材の鋳造方法および鋳造装置
CN110014132A (zh) 良品率高的挤压铸造模具
EP2018916A1 (en) Cylinder body of engine and method of manufacturing the same
JP5134268B2 (ja) 中空部材の製造方法
JP4545716B2 (ja) 鋳造方法および鋳造用鋳型ならびに置き中子
CN209349490U (zh) 一种用于制造铝合金轮毂的压铸模具
JP2003028211A (ja) ブレーキキャリパーボディーおよびその製造方法
JPH0523826A (ja) 中空チルドカムシヤフトおよびその製造方法
JPH06234055A (ja) 高硬度アルミ鋳造品の製造方法
CN117862462A (zh) 一种电动车车架一体加工成型装置及工艺