JPH10280779A - 羽根板の接続方法と構造 - Google Patents

羽根板の接続方法と構造

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JPH10280779A
JPH10280779A JP9826097A JP9826097A JPH10280779A JP H10280779 A JPH10280779 A JP H10280779A JP 9826097 A JP9826097 A JP 9826097A JP 9826097 A JP9826097 A JP 9826097A JP H10280779 A JPH10280779 A JP H10280779A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐震構造の蝶番において、羽根板に備えた管
部にバネの内蔵に必要な段部を形成する手段として、リ
ングを挿入し溶接固定することにより旋削の手間を省き
大幅に加工コストを低減する。 【解決手段】 旗蝶番の主構成材である上羽根板2の管
部2Aの内面に、管材料を切断して形成したリング12
を挿入し、該リングの何れか側面を溶接固定して段部を
形成し、該段部より上側にスペーサ6を介してバネ7を
挿入して義星9で支え、回転軸4の先端4B周辺をリン
グ12の内径よりも細く削りリングに挿入して両者を組
み合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物等の構築物や容器
の出入口に設置する扉や蓋等の閉塞部材を開閉するため
の蝶番に関する。
【0002】
【従来の技術】出入口に設置する扉や蓋等の閉塞部材を
開閉可能に支承する金具には、金属性の薄板の一端を円
筒状に加工して管部とし、残余の部分を平坦な羽根部と
した羽根板を用い、該管部の一部を二枚の羽根板の管部
の軸心が一致するように切除して組合せ、回転軸を挿入
し羽根板が回動自在となるように軸の上下を係止し、二
枚の羽根板を閉じたとき密着に必要な量だけ、羽根部の
厚み中心と管部中心の間を偏心させた構造の蝶番が最も
多く使用される。
【0003】しかし扉や蓋等の閉塞部材の多様化に合わ
せ蝶番の機能は徐々に増え、例えば上下・左右・前後の
各方向の取付位置の調節機構を備えた形式、旗蝶番と呼
ばれる羽根部表面同士間の密着を必要とせずに何れか一
方が容易に外すことの出来る形式、地震等の災害時に建
物か閉塞部材自体が歪み、開閉が妨げられるのを緩和す
るために、羽根板に備えた管部の接続部分にバネを内蔵
し、緊急時に過大な負荷が蝶番に掛かると、上下羽根板
の間に設けた隙間を縮めて破損を防止する自動調節機構
を備えた耐震形式の蝶番等が提供されるようになった。
【0004】耐震形の旗蝶番では自動調節機構のため
に、上下管部の接触面を意図的に距離を置いて離し、上
管部内面の中程に段部を設け該段部を利用して強力な圧
縮バネを格納し、正常な使用状態では該圧縮バネは上羽
根板に掛かる荷重よりも強く縮むことがなく、逆に荷重
が強い異常状態では圧縮バネは縮み、上下管部の接触面
の隙間の範囲の変形では、蝶番の損傷を回避もしくは緩
和するので開閉機能は存続し、扉か扉枠の変形部分を除
去すると再び開閉が可能となる構造である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本来蝶番は主要部分を
板金加工により製造し、切削等の加工を一部の部品のみ
に限定した、全体的に製造し易い構造であったが、蝶番
の機能増に伴い必然的に部品数が増え製造コストの増加
を招くようになったために、量産に適した形状や材料的
に合成樹脂の採用等により、製造コストを下げる努力が
なされているが、強度を必要とする部分には金属材料が
依然として使用される。
【0006】蝶番を構成する部材に於いて、最も強度が
必要な部材は羽根板と該羽根板に備えた管部と、該管部
を利用し羽根板同士を接続する軸であり、この内で管部
と軸は回転を円滑に司る部分であり、嵌合精度が要求さ
れてドリル等の孔加工を施すことがあるが、こうした加
工は防錆対策上ステンレス鋼を使用するものでは、該鋼
の加工性の悪さが製造コストを高かめる原因となってい
る。
【0007】特に蝶番を取り付ける相手の扉か扉枠が変
形したときに、その変形による歪みを直接蝶番が受け
て、開閉機能が果たせなくなるような場合を避けるため
に、旗蝶番の羽根板に備えた管部に、前記歪みを吸収す
る耐震機構を設けたものでは、予め圧縮したバネを管部
に内蔵する必要があるので、管部内にドリルまたはリー
マ等による段部の加工の必要が生じ、この加工自体が蝶
番全体の加工費に較べ少なからぬ割合を占めるコスト上
の問題を提起する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、方形形状の薄
肉鋼板の一辺を円筒状に曲げて管部に、残りの部分を平
坦な羽根部とし、該羽根部面に取付孔を必要の数だけ開
けた羽根板を二枚、各管部の軸心を合わせながら上下に
積み重ね、上下管部を貫通するように回転軸を挿入し、
該回転軸を下羽根板の管部に固定し上羽根板の管部とは
回動自在とし、上羽根板の管部にバネを内蔵し該管部の
下方か回転軸の上方への移動を吸収する耐震機構を備え
た旗蝶番にあって、管部に設ける段部と回転軸の先端の
形状を、(A)上羽根板の管部を折り曲げ、羽根部表面
と管部の端面を溶接等により固定して所定の形状とし、
(B)管状材料を切断してリングを制作し、(C)上羽
根板の管部内面に、予め加工したリングを所定の位置に
挿入した後、何れか側を溶接により固定して段部を形成
し、(D)上管部に挿入する回転軸の先端を前記リング
の内径に嵌合するように細く加工する、諸工程により製
造し両者を組合せ接続した蝶番構造であることを特徴と
する羽根板の接続方法と、該方法により製作した上羽根
板に備えた管部内面の所定の位置にリングを挿入した
後、該リングの何れか側を管部内壁に溶接により固定し
て段部を形成し、該段部をバネの受け座を兼用すると共
に、回転軸先端周囲を前記リングの内径に嵌合するよう
に細く加工し、該先端を挿入する構造であることを特徴
とする羽根板の接続構造である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、耐震形旗蝶番の上下羽
根板に備えた管部の何れか内面に、圧縮バネを内蔵する
ために段部を形成する必要がある場合に、管部の内面を
孔開け工具による中ぐり加工で旋削する代わりに、加工
対象の羽根板を板金加工後の溶接処理完了の段階のま
ま、管部内面に必要形状のリングを挿入して、反対側の
円周を溶接で固定して段部となし、挿入する軸先端を細
く加工し前記リングと嵌合する構造の採用により、従来
に較べ加工時間を大幅に減じた。
【0010】この構造の採用により、蝶番の主構成材で
ある羽根板の材質がステンレス鋼でも、従来通りの板金
加工による折り曲げと溶接に止まり、しかも内面を旋削
する必要もなく、一方リングの製造は管状材料の切断に
より容易に得られ、回転軸側に挿入時の逃げを設けてあ
るので、溶接自体も簡易治具との併用によりスポット溶
接程度で仕上げを必要としない等、全体的に加工内容が
極めて簡単になる。
【0011】
【作用】本発明の耐震構造の羽根板の接続方法と構造
は、管部の生産時に仕上加工に要する手間を機能に差し
障りなく大幅に減少した。
【0012】
【実施例】図1は耐震構造の旗蝶番1の上面図を、図2
は図1のa−a線に沿う断面図を示し、旗蝶番1は上下
羽根板2,3とボール5付の回転軸4とスペーサ6とバ
ネ7と義星8,9並びにスカート10から構成され、上
羽根板2の管部2A内にはリング12が挿入されて溶接
により固定され、該リングを境にして上側にスペーサ6
を介しバネ7を圧縮した状態で挿入し、管部2A上端に
固定した義星9により支える。
【0013】回転軸4の先端4B周辺をリング12より
も細めに削り、該軸を下羽根板3の管部3A内部に、圧
入等の手段により挿入後に軸の後端4Aを溶接固定し、
先端の窪み4Cにボール5を挿入し、該窪み先端をかし
めて抜け止め処理を行ない、上羽根板2の管部2A内部
に挿入すれば、上羽根板2は下羽根板3の回転軸4に対
して回動自在に保持される。
【0014】この状態のときが正常な形状の旗蝶番1で
あり、管部2Aの下端と管部3Aの上端との間にLなる
距離が保たれ、管部2A内部に固定したリング12が形
成する上面に接したスペーサ6の下面とボール5の先端
が接触し、旗蝶番1に扉を取り付けることにより上羽根
板2に荷重が加わっても、予めバネ7の反発力を該荷重
以上に設定してあるのでスペーサ6は動くことはなく、
また上羽根板2を下羽根板3から取り外してもバネ7は
動くことはない。
【0015】図3は上羽根板2にバネ7の反発力以上の
荷重が加わったときで、この状態ではブッシュ6はボー
ル5と接触した儘で、リング12の上面から離れて回転
軸4は移動し、管部2Aの下端と管部3Aの上端との間
がL1 に縮むが、この様な状況は災害等の影響で扉と扉
枠(変形は扉枠側に起きることが多い)の関係が変形に
より崩れたときに相当し扉の開閉が出来なくなるが、変
形力を内蔵バネが受けて旗蝶番1自体の破損を防止する
ので、扉と扉枠の変形部分を除去すると再度開閉出来る
ようになる。
【0016】図2,3に示す上下羽根板2,3の材質は
共にステンレス鋼であるが、従来通り板金加工と溶接に
より成形すればよく、成形後に位置決め用治具(図示せ
ず)を使用してリング12を正しい位置に挿入し溶接固
定すると、管部2Aの内面をドリル等の工具により旋削
する必要はなく、回転軸4も製作過程で外形の一部の切
削を追加工すればよく、旗蝶番1の加工工数を大幅に減
ずることができた。
【0017】
【比較例】図4は本実施例以前の耐震旗蝶番21の断面
図で、上下羽根板22,23とボール25付の回転軸2
4とスペーサ26とバネ27と義星28,29並びにス
カート30から構成され、上羽根板22の管部22A内
面22Bの中央より上側に向け、スペーサ26とバネ2
7を圧縮した状態で挿入するための内筒22Cが設けら
れ、バネ27は管部22A上端に固定した義星29によ
り支える。
【0018】この構造は内筒22Cが必要不可欠である
が、材質がステンレス鋼であるために加工が難しく、ま
たスペーサ26が内筒22C面を摺動し所定の位置で停
止する必要があるために、内面22Bと内筒22Cとの
内径差(段差)が小さ過ぎては役に立たず、しかも摺動
面の仕上がりを考慮すると、加工速度は遅くなり生産性
は低下してコストの低減が難しく、また羽根板22,2
3は薄板を折り曲げて製作するので羽根部も管部と同一
厚みであり、管部22Aの内面を旋削することは部分的
に薄くなるので強度上好ましい事ではなく、一方回転軸
24は実施例に較べ簡単であるがこの程度では加工費の
違いは殆どない。
【0019】
【発明の効果】本発明になる羽根板の接続方法と構造に
より下記の効果が得られた。 羽根板に備えた管部内面の旋削の必要がなくなり旗蝶
番の製造が極めて容易になった。 羽根板の厚みに変動がなくなり強度上好ましい結果を
得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例における旗蝶番の上面図である。
【図2】 図1のa−a線に沿う正面の断面図である。
【図3】 図2の断面図において、上羽根板が下方に移
動した時の状態図である。
【図4】 比較例における旗蝶番の正面の断面図である
【符号の説明】
2,3 羽根板 2A,3A 管部 4 回転軸 5 ボール 6 スペーサ 7 バネ 12 リング
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方形形状の薄肉鋼板の一辺を円筒状に曲
    げて管部に、残りの部分を平坦な羽根部とし、該羽根部
    面に取付孔を必要の数だけ開けた羽根板を二枚、各管部
    の軸心を合わせながら上下に積み重ね、上下管部を貫通
    するように回転軸を挿入し、該回転軸を下羽根板の管部
    に固定し上羽根板の管部とは回動自在とし、上羽根板の
    管部にバネを内蔵し該管部の下方か回転軸の上方への移
    動を吸収する耐震機構を備えた旗蝶番にあって、 管部に設ける段部と回転軸の先端の形状を、(A)上羽
    根板(2)の管部(2A)を折り曲げ、羽根部表面と管
    部の端面を溶接等により固定して所定の形状とし、
    (B)管状材料を切断してリング(12)を制作し、
    (C)上羽根板(2)の管部(2A)内面に、予め加工
    したリング(12)を所定の位置に挿入した後、何れか
    側を溶接により固定して段部を形成し、(D)上管部
    (2A)に挿入する回転軸(4)の先端を前記リング
    (12)の内径に嵌合するように細く加工する、 諸工程により製造し両者を組合せ接続した蝶番構造であ
    ることを特徴とする羽根板の接続方法。
  2. 【請求項2】 方形形状の薄肉鋼板の一辺を円筒状に曲
    げて管部とし、残りの部分を平坦な羽根部とし、該羽根
    部面に取付孔を必要の数だけ開けた羽根板を二枚、各管
    部の軸心を合わせながら上下に積み重ね、上・下管部を
    貫通するように回転軸を挿入し、該回転軸を下羽根板の
    管部に固定し上羽根板の管部とは回動自在とし、上羽根
    板の管部にバネを内蔵し、該管部の下方か回転軸の上方
    への移動を吸収する耐震機構を備えた旗蝶番にあって、 上羽根板(2)に備えた管部(2A)内面の所定の位置
    にリング(12)を挿入した後、該リングの何れか側を
    管部内壁に溶接により固定して段部を形成し、該段部を
    バネ(7)の受け座を兼用すると共に、回転軸(4)先
    端周囲を前記リングの内径に嵌合するように細く加工
    し、該先端を挿入する構造であることを特徴とする羽根
    板の接続構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008069586A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Kitamura Tekkosho:Kk 対震機能付き開閉装置の取付け工法
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CN101949245A (zh) * 2009-07-03 2011-01-19 茵科门控(珠海保税区)有限公司 铰链装置及其制造方法
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KR20180102090A (ko) * 2015-12-11 2018-09-14 에코 슐테 게엠베하 운트 콤파니 카게 도어 힌지

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