JPH10280352A - 路面の凍結防止及び氷雪融解システム - Google Patents

路面の凍結防止及び氷雪融解システム

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JPH10280352A
JPH10280352A JP10105597A JP10105597A JPH10280352A JP H10280352 A JPH10280352 A JP H10280352A JP 10105597 A JP10105597 A JP 10105597A JP 10105597 A JP10105597 A JP 10105597A JP H10280352 A JPH10280352 A JP H10280352A
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icing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】人手を要することなく効率的且つ経済的に広範
囲な路面の凍結防止が可能であると共に、防氷剤の補給
以外は無人運転が可能な路面の凍結防止及び氷雪融解シ
ステムを提供することにある。 【解決手段】防氷剤を貯蔵する貯蔵タンク1と、この貯
蔵タンク1に連接され防氷剤を所定の圧力で圧送する供
給装置3と、この供給装置3に連接され防氷剤の散布時
期及び散布量を調整する散布装置4と、この散布装置4
に連接されて路面下に配設され、所定の時期に所定の量
の防氷剤を路面5に散布する散布ユニット6とを具備し
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、防氷剤を路面に
散布し、路面の凍結の防止や氷雪の融解を行う路面の凍
結防止及び氷雪融解システムに関する。
【0002】
【従来の技術】気象変動の激しい積雪寒冷地や山間部な
どで強風や降雪が発生すると急速に気温が低下し、路面
が短時間で凍結し、運転障害や交通渋滞を招く。特にト
ンネル、立体交差、橋梁などの風の影響が大きい場所で
はその傾向が強い。このような場所における路面の凍結
を防止あるいは解消する手段として、従来から種々の方
式や工法が用いられている。公知のものを大別すると設
置(定置)方式と移動方式とに分けられる。
【0003】移動方式としては、車両に防氷剤散布装置
を搭載し、移動しながら必要箇所に防氷剤を散布する方
式のものが知られている。設置方式は所定場所に装置を
設置し、一定箇所のみの凍結防止又は融雪を行うもの
で、路面下に電熱線や温水などを流通させるパイプを埋
設したロ−ドヒ−ティング、スプリンクラ−やノズルな
どにより路面に散水するもの、舗装材料に予め凍結抑制
効果のある成分を混入して舗装する方法などが知られて
いる。
【0004】最近、新しい方式として、設置方式による
防氷剤の散布装置が提案されている。この方式は、道路
の近傍に防氷剤の貯蔵槽を設置し、この貯蔵槽と道路の
路面下に埋設した防氷剤散布手段とを配管で連結し、防
氷剤散布手段から防氷剤を散布して路面の凍結防止又は
融雪を行うものである。この方式によるものとして、特
開平8−81929号公報、特開平8−199505号
公報、特開平7−54320号公報等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の設置方式の防氷剤の散布装置には次のような問
題がある。 (a)路面に防氷剤を散布する手段として、多孔質舗装
材をブロック状に成型したものや、コンクリ−トブロッ
クにノズルを埋め込んだものを埋設しているため、車両
の通行により成型ブロックが破損したり、路面上の砂塵
などによる目詰りにより防氷剤が路面上に円滑に散布さ
れず、散布量が不安定となり易い。 (b)防氷剤の散布管理が充分できないので、時期的及
び量的に無駄な散布が行われることが多く、安価な融雪
剤(40〜60円/kg)の散布には利用し得ても、高
価な凍結防止剤(270〜350円/kg)の散布には
適していない。 (c)防氷剤の散布をもっぱら降雪状況や路面温度又は
外気温度によりコントロ−ルしているため、降雪によら
ない路面の凍結には対応できない。路面の凍結は、降雪
時以外にも発生し、路面温度や気温だけで路面の凍結を
検知することはできないため、防氷剤の適正な散布がで
きない。また路面の凍結温度は道路の舗装材料等により
異なるので、路面温度や外気温だけで路面の凍結を検知
することは困難である。
【0006】この発明は、前記事情に着目してなされた
もので、その目的とするところは、路面が凍結するか、
凍結の恐れが発生すると、自動的に防氷剤を散布し、路
面上の防氷剤が所定の濃度になると散布を停止すること
により、防氷剤の特性を生かしつつ必要最小限の散布量
で適切に路面の凍結を防止し、経済性と省力化を図ると
共に、各装置の標準化及び施工方法の簡素化による施工
期間の短縮により安価で且つ維持管理が容易な路面の凍
結防止及び氷雪融解システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の特徴は、前記
目的を達成するために、請求項1は、防氷剤を貯蔵する
貯蔵装置と、この貯蔵装置に連接され防氷剤を所定の圧
力で圧送する供給装置と、この供給装置に連接され防氷
剤の散布時期及び散布量を調整する散布装置と、この散
布装置に連接されて路面下に埋設され、所定の時期に所
定の量の防氷剤を路面の散布する散布ユニットとを具備
した路面の凍結防止及び氷雪融解システムとしたことに
ある。
【0008】請求項2は、道路上における車両の通行を
検知する車両検知手段と、防氷剤の散布されていない路
面の状態を検知する路面状態検知手段と、前記防氷剤の
散布された路面の防氷剤の濃度を検知する濃度検知手段
とを具備し、これら各検知手段からの信号により防氷剤
の路面への散布時期及び散布量を制御できるようにした
請求項1記載の路面の凍結防止及び氷雪融解システムと
したことにある。
【0009】請求項3は、前記供給装置は、前記貯蔵装
置と供給管で連結された補助タンクを具備し、この補助
タンクには貯蔵装置の防氷剤が一定量以下になった場合
その残量を検出し、補給及び渇水の警報を発する2段階
の検出装置が具備されている請求項1又は2記載の路面
の凍結防止及び氷雪融解システムとしたことにある。
【0010】請求項4は、前記供給装置は、さらに、防
氷剤を圧送する加圧装置と、圧力を調整するための圧力
調整装置と、前記各検知手段からの信号により散布のた
めの信号を作成する信号発生部及び前記供給装置と信号
発生部を制御するための制御回路が組み込まれた制御盤
と、散布ユニットに防氷剤を供給する時期や時間を操作
するための操作盤とを具備している請求項1又は2記載
の路面の凍結防止及び氷雪融解システムとしたことにあ
る。
【0011】請求項5は、前記散布装置は、前記供給装
置と散布ユニットの間に設けられ、供給装置からの信号
により、散布ユニットから散布する防氷剤の散布時期、
時間及び量を調整するための、圧力調整装置と電磁弁と
流量調整弁とを具備している請求項1又は2記載の路面
の凍結防止及び氷雪融解システムとしたことにある。
【0012】請求項6は、前記散布ユニットは、1個な
いし複数個の散布ノズルを具備し、この散布ノズルの上
面が路面に露出するように埋設され、散布装置に連結さ
れた供給管により送られる防氷剤を路面に散布するよう
になっている請求項1又は2記載の路面の凍結防止及び
氷雪融解システムとしたことにある。
【0013】防氷剤は凍結防止作用と融雪作用とを具え
た液剤で、例えば酢酸カリウム配合製剤などが知られて
いる。このような防氷剤の貯蔵装置としては、例えば運
送可能な貯蔵タンクが用いられる。この貯蔵タンクは地
上又は地下に設置することができるが、設置費用及び維
持管理の面から地上設置が好ましく、また防氷剤の補給
が容易に行えるように道路の近傍に設置することが望ま
しい。
【0014】前記貯蔵タンクは供給管を介して、供給装
置に内臓されている補助タンクに連接されていて、貯蔵
タンク内の防氷剤は補助タンクに供給されると共に、こ
の補助タンクにより貯蔵タンクの防氷剤の残量管理を行
うようになっている。すなわち、補助タンクに具備され
ている2段階検出スイッチにより、貯蔵タンクの防氷剤
の残量が一定レベルになった時に補給を促すための警報
を、さらに残量が減り渇水状態になった場合に警報を発
する仕組みとなっている。
【0015】供給装置には、さらに、防氷剤を圧送する
ための加圧ポンプと、その圧力を適正に調整するための
圧力調整タンク及び漏洩防止弁とが設けられており、こ
れらにより供給装置と供給管で連結されている散布装置
へは、常に一定した圧力で防氷剤が供給されることにな
る。
【0016】また、この供給装置には検知器である後記
センサ−からの信号により散布のための電気信号を作り
出す信号発生器とこれを制御するための制御回路が組み
込まれた制御盤及び散布ユニットに防氷剤を供給する時
期や時間を操作するための操作盤を具備している。
【0017】貯蔵タンクから供給装置に供給された防氷
剤は加圧され、供給管で連結された散布装置に供給され
る。この散布装置は、供給管内の圧力を検出する圧力ス
イッチと防氷剤の散布用圧力を一定に調整するための圧
力調整タンクと圧力スイッチ及び供給装置からの信号に
より散布ユニットに連結された防氷剤の供給管の開閉を
行う電磁弁と散布ユニットの後記散布ノズルの数毎に設
けた流量調整弁とから構成されていて、供給装置から供
給された防氷剤は、この散布装置により散布に要する所
定の圧力と散布量に調整される。
【0018】一つの散布装置に連結する散布ユニット
は、望ましくは1ユニットを連結し、道路状況によりさ
らに散布ユニットを増設する場合は散布装置を増設する
ことで対応する。路面に防氷剤を散布する散布ユニット
は、規格寸法に成形された金属ブロックからなる1個又
は複数個の散布ノズル及びこの散布ノズルと散布装置の
流量調整弁とを連結する供給管で構成されている。
【0019】散布ノズルからの防氷剤散布の方式として
は湧出、噴射、噴霧などがあるが、一般的な道路におい
ては維持管理及びコストの面から湧出形状の散布ノズル
を選択することが望ましい。散布ユニットを構成する散
布ノズルは、道路の形状及び環境に応じて道路の横断又
は縦断方向線上の任意の箇所に1個ないし複数個、望ま
しくは横断方向線上に走行車両の車輪幅程度の間隔で4
個程度を上面が路面に露出するように埋設する。散布ユ
ニットにより路面上に散布された防氷剤は、通過車両の
タイヤにより進行方向に拡散されるため、人的労力を要
せずに広範囲な散布が可能となる。
【0020】無人運転による自動散布可能なこの散布装
置においては、防氷剤の特性を生かし、無駄な散布を回
避し、適切な時期に適正な量の防氷剤を散布して路面の
凍結防止及び融雪を行うために、環境条件を検出する検
知器としてセンサ−が用いられる。すなわち、路面の防
氷剤濃度を検知し、濃度により散布量を制御するための
濃度センサ−、路面の凍結、乾燥、湿潤など防氷剤を散
布しない路面状態を検知する路面センサ−、外気温度を
検知する温度センサ−及び通過車両の状況を検知し散布
時期を制御するための車両センサ−が用いられる。
【0021】これらのセンサ−は、車両進行方向順に、
車両センサ−は路側に露出して、路面センサ−は路面に
埋設して、それぞれ散布ユニット配設地点の手前側に道
路の横断方向線上に設置される。また、濃度センサ−は
散布ユニット配設地点の後方に路面に埋設して設置し、
複数の散布ユニットを所定の間隔を距てて設置する場合
は各ユニットのほぼ中間地点に設置する。前記各センサ
−は上記検出信号を発し、検知センサ−変換器を経て電
気信号として制御装置に送信され、道路の状況、気温、
環境により予め設定した制御デ−タに基づき、制御装置
の指令によって各装置の機器の動作制御を行う。
【0022】散布ノズルは、走行車両の荷重による破
損、変形やタイヤなどによる摩耗に対する十分な強度と
耐久性を有し、路面上の砂塵などによる目詰りがなく、
路盤の振動や伸縮などによるガタツキが発生しない形状
のもので、且つ保守点検が容易な構造であることが要求
される。これらの条件を満たすものとして、この発明で
は、金属材料を用いて円筒形のブロック状に成形し、万
一目詰りした場合などは散布ユニット全体を取り出すこ
となく、路面に露出しているキャップを取り外すだけで
点検及び清掃ができるシンプルな構造の散布ノズルとす
ることで対応している。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は、この発明の路面の凍結
防止及び氷雪融解システムの概略的構成を示すもので、
1は防氷剤を貯蔵する貯蔵装置としての貯蔵タンクであ
る。この貯蔵タンク1は供給管2aを介して防氷剤を所
定の圧力で圧送する供給装置3に接続されており、また
この供給装置3は供給管2bを介して防氷剤の散布時期
及び散布量を調整する散布装置4に接続されている。さ
らに、この散布装置4は供給管2cを介して路面5下に
配設された散布ユニット6に接続されており、この散布
ユニット6で所定の時期に所定の量の防氷剤を路面5に
散布するようになっている。
【0024】次に、各部の構成について詳細に説明する
と、貯蔵装置としての前記貯蔵タンク1には、例えば酢
酸カリウム等の凍結防止及び融雪作用を有する成分を主
成分とする防氷剤が貯蔵されている。
【0025】前記供給装置3には、補助タンク7が設け
られ、貯蔵タンク1から供給管2aによって補助タンク
7に防氷剤が供給されるようになっている。この補助タ
ンク7には防氷剤を自動供給するボ−ルタップ8が設け
られている。また、供給装置には補助タンク7内の防氷
剤を供給管2bに供給する加圧ポンプPが設けられてい
るとともに、供給管2bには供給管2b内の圧力が一定
になるように加圧ポンプPを制御する第1の圧力スイッ
チ9と供給管2b内の圧力変動を少なくし、一定量の加
圧された防氷剤を貯留する第1の調整タンク10及び漏
洩防止弁11が設けられている。
【0026】そして、供給管2b内の圧力が上がると第
1の圧力スイッチ9が働き加圧ポンプPが停止し、供給
管2b内の圧力が下がると第1の圧力スイッチ9の働き
により加圧ポンプPが起動するようになっており、漏洩
防止弁11は長時間使用しないとき供給管2bや電磁弁
の事故による散布ノズルからの液漏れを防止するように
なっている。
【0027】前記散布装置4には供給管2bの途中に電
磁弁12が設けられており、またこの電磁弁12の上流
側には、後述する散布ノズルから一定量の防氷剤が散布
されるように、防氷剤を一時的に貯留しておく第2の調
整タンク13及び漏液等により供給管2b内の防氷剤の
流量が低下すると、加圧ポンプPを停止させる第2の圧
力スイッチ14が設けられている。
【0028】前記電磁弁12は、供給装置3からの信号
により適正な時期及び量の防氷剤を散布ユニット6を構
成する散布ノズル17a〜17dに供給する弁であり、
この電磁弁12の下流側にはヘッダ−19を介して散布
ノズルからの散布量を各ノズル毎に調整する流量調整弁
15a〜15dが設けられている。さらに、流量調整弁
15a〜15bの下流側には散布ノズルからの防氷剤の
逆流を防止する逆止弁16a〜16dが設けられてい
る。
【0029】そして、流量調整弁15a〜15dは散布
ユニット6に供給する防氷剤の供給時期及び供給時間を
制御するようになっており、逆止弁16a〜16dは、
散布ノズルからの防氷剤の逆流を防止すると同時に、降
水時に散布ノズルから路面5の雨水が浸入して供給管2
c内に滞留し、気温低下により凍結するのを防止するよ
うになっている。
【0030】前記散布ユニット6は、路面5の幅方向
(横断方向)に離間して設けられた、例えば4個の散布
ノズル17a〜17dを具備している。4個の散布ノズ
ル17a〜17dの設置間隔は、大型車及び小型車のタ
イヤ間隔に対応したものとなっている。また、散布ノズ
ル17a〜17dは、舗装が摩耗したり変形した場合に
も適応できるようにノズルの高さを調整可能に構成され
ており、散布ノズル17a〜17dの構造は後述する。
【0031】図2は防氷剤の散布制御系統図であり、異
なる4つのセンサ−使用し、路面5の状態及び路面5の
防氷剤濃度により散布ノズル17a〜17dからの防氷
剤の散布量を制御するようになっている。すなわち、 気温センサ−20a…気温が0℃以下になるとシステム
は起動し、路面状態を判別する。 車両センサ−20b…車両の通過を検知し、交通量によ
り防氷剤の散布の時間的間隔を設定する。車両の通過
は、超音波センサ−で検知する。車両センサ−20b
は、通過車両が散布ユニット6まで2秒程度で到達する
手前の地点に設置する。 路面センサ−20c…防氷剤を散布しない路面5の状
態、すなわち乾燥、濡れ湿潤、氷雪湿潤、凍結を判定す
るセンサ−で、路面5の静電容量と温度を測定して路面
状態を検知する。路面5が氷雪湿潤、凍結の場合には防
氷剤を散布する。路面センサ−20cは、散布ユニット
6の影響を受けない地点に設置する。 濃度センサ−20d…防氷剤散布路面の防氷剤濃度を温
度と静電容量から検知する。路面センサ−20cが氷雪
湿潤、凍結を検知した場合において、例えば防氷剤濃度
が1%以下になると防氷剤を散布し、2%以上になると
散布を中止する。濃度センサ−20dは、最も凍結の恐
れのある地点、例えば各散布ユニット6のほぼ中間地点
に設置する。
【0032】前記4個の散布ノズル17a〜17dは同
一構造であるため、その1つについて説明すると、図3
及び図4に示すように構成されている。21は一部に切
欠部21aを有する矩形状のベ−スであり、このベ−ス
21には下方に突出する4本の支持ボルト22が固定さ
れている。ベ−ス21の中央部における上面には上方へ
突出する円筒体23が一体に設けられ、この円筒体23
の中心部における内部には雌ねじを有する取付け管24
が上方に突出して設けられている。
【0033】さらに、前記円筒体23の内部は円環状の
空洞25に形成され、円筒体23の側壁には空洞25に
連通する接続口金26が設けられている。円筒体23の
上面は開口しており、この開口部には中間円板27を介
して円板状のキャップ28が重ねた状態に設けられてい
る。中間円板27の下部外周壁には円筒体23の内側に
嵌合する嵌合部29が設けられているとともに、板面中
央部には前記取付け管24に対応する通孔30が、板面
外周縁には複数個のノズル孔31が穿設されている。
【0034】前記キャップ28の下部外周壁には中間円
板27の内側に嵌合する嵌合部32が設けられていると
ともに、板面中央部には前記取付け管24に対応する通
孔33が、板面外周縁には前記ノズル孔31に対応し、
これより小径のノズル孔34が穿設されている。そし
て、円筒体23の開口部に中間円板27を介して円板状
のキャップ28が重ねた状態で、通孔30、33に締付
けボルト35を挿通し、締付けボルト35を取付け管2
4の雌ねじに締め付けることにより、円筒体23に対し
て中間円板27及びキャップ28が一体的に取り付けら
れている。また、前記接続口金26には供給管2cが接
続金具36によって接続されている。そして、4個の散
布ノズル17a〜17dはキャップ28の上面が路面5
と面一となるように地中に埋設されている。従って、締
付けボルト35を緩めることによってキャップ28を取
外すことができ、ノズル孔34が目詰まりした際の清掃
等の保守点検が容易に行える。
【0035】次に、図5に基づいて防氷剤散布制御シス
テムについて説明する。路面センサ−20cと濃度セン
サ−20dの信号の結果、散布制御条件が整うと、車両
センサ−20bの電源が入り、車両が通過すると通過信
号を供給装置3の車両感知信号処理部40に送り、散布
信号処理部41で作成した散布信号を散布装置4に送信
する。
【0036】路面センサ−20cは、防氷剤を散布しな
い道路の路面状態を検知するため、散布ユニット6から
の防氷剤の影響を受けない手前の地点の車道路面に設置
する。路面の静電容量及び路面温度の信号を路面センサ
変換器42を介して路面状態計測処理部43に送り、外
気温を考慮して、路面の状態(乾燥、濡れ湿潤、氷雪湿
潤、凍結)を判定表示し、氷雪湿潤、凍結の信号を路面
状態判別処理部44に送る。路面状態を表示し、氷雪湿
潤、凍結の信号を散布制御条件処理部46に送り、散布
制御条件処理部46は電磁弁11を制御して防氷剤の散
布を制御する。
【0037】濃度センサ−20dは、防氷剤散布区域の
防氷剤濃度を検知するため、各散布ユニット6の中間地
点のような路面凍結の恐れの多い地点の、車道路面に設
置する。そして、路面の防氷剤濃度が凍結濃度より低い
場合には防氷剤を散布する。散布濃度の上限は、防氷剤
の拡散範囲により異なる。散布路面の防氷剤濃度を測定
し、濃度センサ変換器45を介して散布制御条件処理部
46に信号を送り、電磁弁12を制御して防氷剤の散布
を制御する。
【0038】また、前記車両センサ−20bは、通過車
両を検知するもので、歩行者や自転車の影響受けない位
置であって、車両センサ−20bで検知してから車両が
散布ユニット6を通過するまで約2秒程度の時間を要す
る手前の地点に設置する。車両の通過は超音波センサ−
で検知し、効果的な防氷剤の散布を行う。車両が通過す
ると、車両が散布ユニット6上を通過するころに散布ノ
ズル17a〜17dに防氷剤を供給するようになってい
る。
【0039】したがって、次の制御ができる。 交通量が少ない場合:自然拡散ができる間隔に散布時間
の間隔を調整 適当な交通量の場合:車両通過毎に散布 交通量が多い場合 :設定時間間隔で散布
【0040】次に、この発明の路面の凍結防止及び氷雪
融解システムの制御方法を図6及び図7に基づいて説明
する。ステップS1において自動運転か否かを判断し、
YESのときはステップS2に進み、路面センサ−20
cによって路面状態を判別する。ここで、路面センサ−
20cは、散布しない路面5の状態(乾燥、濡れ湿潤、
氷雪湿潤、凍結)を判定する。具体的には路面5の静電
容量と温度を測定して路面状態を検知する。そして、ス
テップS3において、路面5が氷雪湿潤、凍結であるか
否かを判定し、YESの場合にはステップS4に進み、
NOの場合にはステップS5に進む。
【0041】ステップS4において、気温センサ−20
aが外気温を検知し、気温が−0℃以下を検知すると、
ステップS6に移り、NOの場合には判定を繰り返す。
ステップS6において、路面温度が低下しているか否か
を判定し、YESの場合にはステップS7に進み、NO
の場合には判定を繰り返す。ステップS7において、散
布路面の防氷剤濃度を測定し、濃度が1%以下の場合に
はステップS8に進んで散布制御を行う。ここで、通過
車両の状況を勘案して濃度が2%になるまで防氷剤を散
布し、ステップS7でNOの場合には散布制御を停止す
る。
【0042】また、前記ステップS5において、路面が
乾燥しているか否かを判定し、YESの場合には60m
inの遅延タイマ−(ステップS9)を介してステップ
S10に進み、NOの場合には湿潤と判定する。ステッ
プS10において、散布制御を行い、路面が氷雪の状態
であるか否かを判定し、YESの場合にはステップS7
に進み、NOの場合には乾燥と判断してリリ−フバルブ
を開とする。
【0043】次に、ステップS11において加圧ポンプ
Pを起動し、ステップS12において、車両センサ−2
0bによって車両検知間隔を判定し、短い(交通量が多
い)か否かを判定し、YESのときはステップS13に
進み、一定のインタ−バルで防氷剤を散布する。また、
NOのときは、ステップS14に進み、車両検知毎に防
氷剤を散布する。なお、ステップS1で、NOとなり、
手動と判定したときには、試験と判断し、ステップS1
5に進み、防氷剤を試験散布し、さらにステップS16
に進んでリリ−フバルブを試験的に開とする。
【0044】このように、気温が0℃以下に低下する
と、気温センサ−20aが検知してシステムを起動す
る。散布しない路面5が氷雪湿潤又は凍結すると、路面
センサ−20cが検知し、散布路面の防氷剤濃度を測定
し、濃度センサ−20dが検知して例えば濃度が1%以
下の場合には、通過車両の状況を勘案して濃度が2%に
なるまで防氷剤を散布する。防氷剤の散布時期及び散布
時間は、車両センサ−20bから散布装置までの距離及
び散布装置の間隔により設定する。
【0045】したがって、この発明の実施の形態によれ
ば、 (1) 車両の走行路面の状態を直接検知して、防氷剤
を散布する。 (2) 散布量は凍結しないような濃度を維持できる。 (3) 通行車両に合わせて散布するので、防氷剤の流
失が少ない。 (4) 金属製ノズルは交通障害が少なく、目詰りの心
配がない。 などという効果があり、従来の散布装置に見られたよう
な、路面の状態に関係なく散布するものであるため過剰
散布となる、夕方などに生ずる融雪水の凍結が防げな
い、再凍結の恐れがある、通過車両が少ないと防氷剤の
溝ができ効果的な散布ができない、透水舗装の場合には
目詰まりの回復が困難である、という諸々の問題点を解
消できる。
【0046】なお、前記ヘッダ−19に供給される防氷
剤は、散布ユニット6の必要とする全量が供給される。
その場合、各散布ノズル17a〜17dの散布装置4か
らの距離や高さが異なると防氷剤が均等に散布できない
が、各散布ノズル17a〜17dの流量は流量調整弁1
5a〜15dによって個々に調整されるので、均等に散
布することができる。また、本実施形態では、散布ユニ
ット6には道路の横断方向に4個の散布ノズル17a〜
17dを設置しているが、これは大型車と小型車に対応
するためであり、その個数は限定されるものではない。
【0047】また、供給装置3に設置した第1の圧力調
整タンク10は、加圧ポンプPの円滑な起動停止とある
程度の加圧防氷剤を貯留しておくためのもので、散布装
置4の第2の圧力調整タンク13は、散布装置4と供給
装置3の距離が離れたときに防氷剤の供給を円滑に行う
ための補助的タンクで、供給管2bが細くても圧力低下
に伴い自動的に補助タンクに防氷剤を供給することがで
きる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
つぎのような効果がある。 1)防氷剤を路面に散布することにより、通過車両のタ
イヤによって車両の進行方向に防氷剤が拡散されるの
で、人手を要することなく効率的に広範囲な路面の凍結
防止が可能であると共に、防氷剤の補給以外は無人運転
することができ、且つ構造がシンプルなため取扱い、維
持管理も容易で大幅な省略化が図れる。 2)各装置および機器の標準化、規格化を図ることによ
り工場生産が可能となり、設置場所の状況や使用目的に
応じて装置又は機器を選択し、数量を増減することがで
きることから、製造コストの低廉化をはかれる。また、
路面下には散布ユニット(供給管と散布ノズル)だけを
埋設すればよく、路面下に埋設する配管などは、路面を
掘り起こすことなく、路面に溝を切削するグル−ビング
工法を採用して容易に埋設することができるので、施工
期間が短縮され、総じて安価な装置の提供が可能であ
る。 3)車両の通過、防氷剤無散布路面の乾燥、濡れ具合、
凍結等の状態、及び散布路面の防氷剤濃度を検知し、そ
の検知結果により防氷剤散布の時期、散布量を制御する
ようにしたので、防氷剤の無駄な散布を回避することが
でき、且つ効率的である。 4)コンパクトな装置であるため設置場所の制限がな
く、所望する場所に容易に設置が可能である。このこと
は、市街地は勿論のこと、路面の凍結に迅速に対応しき
れない遠隔地や気象変動が激しく特に強風の影響を受け
るトンネルの出入口、立体交差路、橋梁などの凍結防
止、融雪システムとして利用可能であることを意味す
る。 5)散布ユニットを構成する散布ノズルは金属材料から
なり、ブロックに埋め込まず、路面下に直接埋設するこ
とから、車両荷重、路盤の振動や伸縮に耐え、変形、破
損、摩耗することなく、且つ保守点検が容易な形状、構
造であるから、掃除が容易で、目詰りが減少し、耐久性
が大幅に向上する。 6)防氷剤は、融雪剤と異なり、融雪剤と凍結防止剤の
両作用を持ち高価であるが、検知手段により、防氷剤の
散布を必要とする時期に、必要な時間長だけ必要量を散
布するようにしたので経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の路面の凍結防止及び氷雪
融解システムの概略的構成図。
【図2】同実施形態の散布制御の系統図。
【図3】同実施形態の湧出ノズルの斜視図。
【図4】同実施形態の湧出ノズルの縦断側面図。
【図5】同実施形態の防氷剤散布制御システムのブロッ
ク図。
【図6】同実施形態の防氷剤散布制御方法のフロ−チャ
−ト図。
【図7】同実施形態の防氷剤散布制御方法のフロ−チャ
−ト図。
【符号の説明】
1 貯蔵タンク 3 供給装置 4 散布装置 6 散布ユニット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防氷剤を貯蔵する貯蔵装置と、この貯蔵
    装置に連接され防氷剤を所定の圧力で圧送する供給装置
    と、この供給装置に連接され防氷剤の散布時期及び散布
    量を調整する散布装置と、この散布装置に連接されて路
    面下に配設され、所定の時期に所定の量の防氷剤を路面
    に散布する散布ユニットとを具備したことを特徴とする
    路面の凍結防止及び氷雪融解システム。
  2. 【請求項2】 道路上における車両の通行を検知する車
    両検知手段と、防氷剤の散布されていない路面の状態を
    検知する路面状態検知手段と、防氷剤の散布された路面
    の防氷剤の濃度を検知する濃度検知手段とを具備し、こ
    れら各検知手段からの信号により防氷剤の路面への散布
    時期及び散布量を制御できるようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載の路面の凍結防止及び氷雪融解システ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記供給装置は、前記貯蔵装置と供給管
    で連結された補助タンクを具備し、この補助タンクには
    貯蔵装置の防氷剤が一定量以下になった場合その残量を
    検出し、補給及び渇水の警報を発する2段階の検出装置
    が具備されていることを特徴とする請求項1又は2記載
    の路面の凍結防止及び氷雪融解システム。
  4. 【請求項4】 前記供給装置は、さらに、防氷剤を圧送
    する加圧装置と、圧力を調整するための圧力調整装置
    と、前記各検知手段からの信号により散布のための信号
    を作成する信号発生部及び前記供給装置と信号発生部を
    制御するための制御回路が組み込まれた制御盤と、散布
    ユニットに防氷剤を供給する時期や時間を操作するため
    の操作盤とを具備していることを特徴とする請求項1又
    は2記載の路面の凍結防止及び氷雪融解システム。
  5. 【請求項5】 前記散布装置は、前記供給装置と散布ユ
    ニットの間に設けられ、供給装置からの信号により、散
    布ユニットから散布する防氷剤の散布時期、時間及び量
    を調整するための、圧力調整装置と電磁弁と流量調整弁
    とを具備していることを特徴とする請求項1又は2記載
    の路面の凍結防止及び氷雪融解システム。
  6. 【請求項6】 前記散布ユニットは、1個ないし複数個
    の散布ノズルを具備し、この散布ノズルの上面が路面に
    露出するように埋設され、散布装置に連結された供給管
    により送られる防氷剤を路面に散布することを特徴とす
    る請求項1又は2記載の路面の凍結防止及び氷雪融解シ
    ステム。
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