JPH10280098A - 耐摩耗性に優れた高靭性レール - Google Patents

耐摩耗性に優れた高靭性レール

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JPH10280098A
JPH10280098A JP8982297A JP8982297A JPH10280098A JP H10280098 A JPH10280098 A JP H10280098A JP 8982297 A JP8982297 A JP 8982297A JP 8982297 A JP8982297 A JP 8982297A JP H10280098 A JPH10280098 A JP H10280098A
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rail
head
pearlite
toughness
wear resistance
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JP8982297A
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Masaharu Ueda
正治 上田
Koichi Uchino
耕一 内野
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重荷重鉄道の寒冷地用レールに要求される耐
摩耗性と靭性を同時に向上させる。 【解決手段】 レール軸断面において、頭部コーナー部
および頭頂部の該頭部表面を起点として少なくとも深さ
20mmの範囲の部分の金属組織が耐摩耗性に優れたH
v320以上の高炭素(C:0.85超〜1.20%)
パーライト組織を呈し、その他の部分の金属組織が靭性
の高いベイナイト組織を呈する二層構造からなることを
特徴とする耐摩耗性に優れた高靭性レール。 【効果】 本発明レールは、従来レールと比較して耐摩
耗性が向上しており、同時に、レール低部(柱部、底
部)の耐破壊靭性の改善により、冷温落重特性が大きく
向上している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重荷重鉄道に敷設
されたレールに要求されるレール頭部での耐摩耗性を有
し、かつ、重荷重鉄道の寒冷地に敷設されたレールに要
求される柱部および底部での耐破壊靭性を兼ね備えた耐
摩耗性および靭性に優れた高強度レールに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】鉄道輸送の高効率化の手段として、海外
鉱山鉄道などにおいては列車速度の向上や列車積載重量
の増加が図られている。このような鉄道輸送の効率化は
レール使用環境の過酷化を意味し、レール材質の一層の
改善が要求されるに至っている。具体的には、海外の重
荷重鉄道の曲線区間に敷設されたレールでは摩耗が急激
に増加し、レールの摩耗寿命の点で問題視されるように
なった。
【0003】しかしながら、最近のレール高強度化熱処
理技術の向上により、共析炭素鋼を用いた微細パーライ
ト組織を呈した下記に示すような高強度(高硬度)レー
ルが開発され、重荷重鉄道のレール寿命を飛躍的に改善
してきた。 頭部がソルバイト組織、または、微細なパーライト組
織の超大荷重用の熱処理レール(特公昭54−2549
0号公報参照)。 Cr、Nbなどの合金を添加し、耐摩耗性ばかりでな
く溶接部の硬度低下を改善した低合金熱処理レールの製
造法(特公昭59−19173号公報参照)。 これらのレールの特徴は、共析炭素含有鋼による微細パ
ーライト組織を呈する高強度(高硬度)の単一組織レー
ルであり、その目的とするところはレール頭部の耐摩耗
性のみを向上させるところにあった。
【0004】また、天然資源の枯渇により、海外鉱山鉄
道などにおいては自然環境の苛酷な地域までレールが敷
設されるようになってきた。このような鉄道輸送環境に
変化にともない、特に、海外の寒冷地の重荷重鉄道で
は、レール頭部での耐摩耗性に加えて、頭部内部および
足裏部に発生した疲労き裂から2次的に発生する脆性き
裂に対して、き裂伝播抵抗性(耐破壊靭性)のより一層
の向上が必要となってきた。そこで、これらの対策とし
て下記に示すようなレールが開発された。 レール頭部から発生し底部へ伝播する不安定破壊や底
部を水平方向に伝播する不安定破壊に対するき裂伝播停
止特性に優れた耐摩耗高強度熱処理レール(特公平4−
74424号公報参照)。 レール頭部の耐摩耗性を確保し、さらに、レール柱部
および底部の耐破壊靭性を向上させた耐摩耗・高靭性レ
ール(特開平5−345956号公報参照)。
【0005】これらのレールの特徴は、レール頭部に従
来レールと同様の耐摩耗性に優れた共析炭素含有の高強
度(高硬度)微細パーライト鋼を配置し、レール柱部お
よび底部についてはパーライト鋼よりも耐破壊靭性に優
れた焼戻しマルテンサイト鋼、焼戻しベイナイト鋼およ
びフェライト・パーライト鋼などを配置することによ
り、レール頭部での耐摩耗性の確保とレール柱部および
底部での耐破壊靭性の向上を図ったものであった。
【0006】しかし、近年海外の重荷重鉄道ではより一
層の鉄道輸送の高効率化のために、貨物の高積載化を強
力に進めており、特に寒冷地に敷設された急曲線のレー
ルでは上記開発のレールを使用しても、レール頭部での
耐摩耗性が十分に確保できず、摩耗によるレール寿命の
低下が問題となってきた。
【0007】このような背景から、レール頭部において
現状の共析炭素含有の高強度レール以上の耐摩耗性の向
上を図り、さらに、レール柱部および底部ついては耐破
壊靭性の抜本的な向上を図った、耐摩耗性および靭性に
優れた高強度レールの開発が求められるようになってき
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の共析炭素成分の
パーライト組織を呈したレール鋼においては、耐摩耗性
を向上させるため、パーライト組織中のラメラ間隔を微
細化し、硬さを向上させる方法が用いられている。しか
し、共析炭素成分のパーライト組織を呈したレール鋼で
は現状の硬さが上限(Hv420)であり、硬さの向上
を狙って熱処理冷却速度や合金の添加量を増加させる
と、パーライト組織中にベイナイトやマルテンサイト組
織が生成し、レールの耐摩耗性や靭性を低下させるとい
った問題点があった。
【0009】また、もう一つの解決方法としてはパーラ
イト組織より耐摩耗性が高い金属組織を呈した材料をレ
ール鋼として使用する方法が考えられるが、レールと車
輪のようなころがり摩耗環境下では微細パーライト組織
よりも安価で耐摩耗性に優れた材料は見いだされていな
いのが現状である。
【0010】従来レール鋼として用いられている共析炭
素成分のパーライト組織は硬さの低いフェライト組織と
板状の硬いセメンタイト組織の層状構造になっている。
本発明者らはパーライト組織の摩耗機構を解析した結
果、まずはじめに車輪の通過により柔らかなフェライト
相が絞り出され、その後ころがり面直下に硬いセメンタ
イト相のみが積層化し、耐摩耗性が確保されていること
を確認した。
【0011】そこで、本発明者らは耐摩耗性を向上させ
るためパーライト組織の硬さを向上させると同時に、炭
素量を高くし、耐摩耗性を確保しているパーライト組織
中の板状の硬いセメンタイト相の比率を増加させ、ころ
がり面直下でのセメンタイト相密度を高めることによ
り、耐摩耗性が飛躍的に向上することを実験により見い
だした。
【0012】しかし、炭素量を高くし、パーライト組織
中のセメンタイト密度を高める上記方法では、レール頭
部の耐摩耗性の向上は図れるものの、靭性が要求されて
いるレール柱部および底部については耐破壊靭性の向上
が殆ど望めず、また、このような高炭素材料では鋳片の
中心偏析部の濃化が激しい場合には、圧延後のレール柱
部に初析セメンタイトが多量に生成し易く、かえって柱
部の靭性が低下するといった問題点があった。
【0013】一般に、鋼の靭性を向上させる手段として
金属組織の微細化が有効である言われている。この金属
組織の細粒化は、オーステナイト粒の細粒化や粒内変態
などの方法によって可能であり、このオーステナイト粒
の細粒化には、低温加熱による圧延や制御圧延・制御冷
却が利用されている。しかし、レールにおいてはその圧
延成型性確保の観点から低温での圧延が非常に困難であ
り、また、レールの断面形状の複雑さから、制御圧延・
制御冷却も困難であった。
【0014】また、現状ではパーライト組織を呈するレ
ール鋼の靭性を向上させる手段として、低温再加熱熱処
理により靭性を向上させる方法がある。しかし、この低
温再加熱処理はレール頭部の耐摩耗性の大幅な低下を引
き起こし、また、レールの再加熱を必要とするために、
レール製造コストが高くなり、さらに、再加熱のために
レール製造における生産性も大きく低下するなど問題点
があった。
【0015】そこで、本発明者らはこの問題を解決する
ために、レール頭部においては現状の共析炭素含有の高
強度(高硬度)レール以上の耐摩耗性の向上を図り、さ
らに、レール柱部および底部については耐破壊靭性の抜
本的な向上を図るため、まず、レール頭部コーナー部お
よび頭頂部の該頭部表面を、従来レール鋼よりも炭素量
を増加させたパーライト組織を呈した材料とし、その他
の部分をベイナイト組織を呈した材料との二層構造とす
ることで、レール頭部での耐摩耗性の向上とレール柱部
および底部での耐破壊靭性の向上を同時に達成できるこ
とを実験により確認した。
【0016】すなわち本発明は、レール頭部コーナー部
および頭頂部の該頭部表面の部分と他の部分とが異なる
二層組織を特徴とした耐摩耗性および靭性に優れた高強
度レールを提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであって、その要旨とするとこ
ろは、レール軸断面において、頭部コーナー部および頭
頂部の該頭部表面を起点として少なくとも深さ20mm
の範囲の部分が重量%で、C :0.85超〜1.20
%、Si:0.10〜1.00%、Mn:0.10〜
1.50%を含有し、必要に応じてさらに、Cr:0.
05〜1.00%、Mo:0.01〜0.20%、V
:0.02〜0.30%、Nb:0.002〜0.0
50%、Co:0.10〜2.00%、B :0.00
05〜0.005%の1種または2種以上を含有し、残
部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ、その金属
組織がパーライト組織を呈し、前記範囲のパーライト組
織の硬さがHv320以上であり、その他の部分は重量
%で、C :0.05〜0.45%、Si:0.15〜
2.00%、Mn:0.50〜3.00%、Cr:0.
50〜3.00%を含有し、必要に応じてさらに、C
u:0.05〜0.50%、 Ni:0.05〜
4.00%、Mo:0.05〜0.60%、 V
:0.02〜0.30%、N :0.010〜0.0
25%、 Nb:0.002〜0.05%、B :0.
0005〜0.005%、Ti:0.01〜0.05%
の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避
的不純物からなり、かつ、その金属組織がベイナイト組
織を呈する二層構造からなることを特徴とする耐摩耗性
に優れた高靭性レールである。
【0018】以下に本発明について図面を用いながら説
明する。図1は本発明のレール軸断面であって、aは頭
頂部であり、bは頭部コーナー部(頭側部のほぼ半分或
いは全部を含んだ総称として用いる)である。また、斜
線部1はパーライト組織を呈し、硬さがHv320以上
である最小範囲(表面を起点としてこれより20mm)を
示しており、斜線部2はベイナイト組織を呈する他の材
料部分を示している。
【0019】図2(a) 、(b) は、本発明の一実施例をレ
ール軸断面で示したものである。図2において1の斜線
部分は、C :0.85超〜1.20%、 Si:
0.10〜1.00%、Mn:0.10〜1.50%を
含有し、必要に応じてさらに、Cr:0.05〜1.0
0、 Mo:0.01〜0.20、V :0.0
2〜0.30、 Nb:0.002〜0.05
0、Co:0.10〜2.00、 B:0.00
05〜0.005%の1種または2種以上を含有し、残
部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ、その金属
組織がパーライト組織を呈し、前記範囲のパーライト組
織の硬さがHv320以上の材料である。
【0020】図2(b)に示すように、パーライト組織を
呈した硬さHv320以上の材料をレール頭頂部a及び
頭部コーナー部b(頭側部全体を含む)に配置させる
か、あるいは、図2(a) に示すように、レール頭頂部
a、頭部コーナー部bから柱部c及び底部dのレール表
面全体をパーライト組織を呈した硬さHv320以上の
材料で覆うなど種々の形態をとりうる。すなわち、パー
ライト組織を呈した硬さHv320以上の材料1は、レ
ール軸断面において、少なくとも車輪とレールが接触す
るレール頭頂部aおよび頭部コーナー部bに存在し、そ
の被覆厚さがレール頭部コーナー部および頭頂部の該頭
部表面を起点として少なくとも深さ20mmの範囲とす
る。
【0021】本発明において、パーライト組織を呈した
Hv320以上の材料1の範囲を、レール頭部コーナー
部および頭頂部の該頭部表面を起点として少なくとも深
さ20mmの範囲に限定した理由について説明する。2
0mm未満では、レール頭部に要求されている耐摩耗範
囲が少なく、摩耗の進行により十分な寿命改善効果が得
られないためである。また、前記パーライト組織を呈し
たHv320以上の材料1の範囲がレール頭部コーナー
部および頭頂部の該頭部表面を起点として深さ30mm
以上の範囲であれば、さらに寿命改善効果が得られより
望ましい。
【0022】次に、本発明において、レール頭部コーナ
ー部および頭頂部の該頭部表面を起点として少なくとも
深さ20mmの範囲を従来レール鋼よりも炭素量を増加
させたパーライト組織に限定した理由を説明する。従来
の共析炭素含有のパーライト鋼よりも炭素量を増加させ
ることにより、パーライト組織の耐摩耗性を確保してい
る板状の硬いセメンタイト組織比率が増加し、車輪との
接触で形成されるころがり面直下でのセメンタイト密度
が高まり、結果として耐摩耗性が飛躍的に向上するから
である。
【0023】材料1の金属組織としては、パーライト組
織であることが望ましいが、レールの冷却方法や素材の
偏析状態によってはパーライト組織中に微量なマルテン
サイト組織や初析セメンタイト組織が生成することがあ
る。しかし、パーライト組織中に微量なマルテンサイト
組織や初析セメンタイト組織が生成してもレールの靭
性、耐摩耗性および強度に大きな影響をおよぼさないた
め、本パーライト系レールの組織としては若干の初析セ
メンタイト組織の混在も含んでいる。
【0024】また、この部分における各成分を限定した
理由は以下の通りである。Cはパーライト変態を促進さ
せて、かつ、耐摩耗性を確保する有効な元素であり、通
常のレール鋼としてはC量0.60〜0.85%が添加
されているが、C量0.85%以下では耐摩耗性の向上
を図るためのパーライト組織中のセメンタイト密度が確
保できず、さらに、レール頭部内部疲労損傷の起点とな
る初析フェライトが生成し易くなる。また、C量1.2
0%を超えると、熱処理後のレール頭部に初析セメンタ
イトが多く生成し、延性および靱性が低下するため、C
量を0.85超〜1.20%に限定した。
【0025】Siはパーライト組織中のフェライト相へ
の固溶体硬化により強度を向上させる元素であるが、
0.10%未満ではその効果が十分に期待できず、ま
た、1.00%を超えるとレールの脆化をもたらし溶接
性も低下するので、Si量を0.10〜1.00%に限
定した。
【0026】Mnはパーライト変態温度を低下させ、焼
き入れ性を高めることによって高強度化に寄与し、さら
に、初析セメンタイトの生成を抑制する元素であるが、
0.10%未満の含有量ではその効果が小さく、熱処理
後のレール頭部の硬さが低下し、初析セメンタイトが生
成しやすくなる。また、1.50%を超えるとレールの
靭性に有害なマルテンサイト組織を生成させ易くするた
め、Mn量を0.10〜1.50%に限定した。なお、
Mnが1.00%を超えると、高炭素の本成分系では、
添加元素の組み合わせや冷却条件によっては、偏析部に
微量なマルテンサイト組織が生成する場合がある。この
微量なマルテンサイト組織はレールの靭性や耐摩耗性に
大きな影響におよぼさないが、熱処理においてパーライ
ト組織を安定的に生成させるには、Mn量を0.10〜
1.00%の範囲とすることがより望ましい。
【0027】また、上記の成分組成で製造されるレール
は強度、延性、靭性を向上させる目的で以下の元素を必
要に応じて1種または2種以上を添加する。Cr:0.
05〜1.00、 Mo:0.01〜0.20、V
:0.02〜0.30、 Nb:0.002〜0.
050、Co:0.10〜2.00、 B :0.0
005〜0.005%
【0028】次に、これらの化学成分の上記のように定
めた理由について説明する。Crはパーライトの平衡変
態点を上昇させ、結果としてパーライト組織を微細にし
て高強度化に寄与すると同時に、パーライト組織中のセ
メンタイト相を強化することによって耐摩耗性を向上さ
せる元素であるが、0.05%未満ではその効果が小さ
く、1.00%を超える過剰な添加はマルテンサイト組
織を多量に生成させ、鋼を脆化させるため、Cr添加量
を0.05〜1.00%に限定した。なお、Crが0.
60%を超えると、高炭素の本成分系では、添加元素の
組み合わせや冷却条件によっては、偏析部に微量なマル
テンサイト組織が生成する場合がある。この微量なマル
テンサイト組織はレールの靭性や耐摩耗性に大きな影響
におよぼさないが、熱処理においてパーライト組織を安
定的に生成させるには、Cr量を0.05〜0.60%
の範囲とすることがより望ましい。
【0029】MoはCr同様パーライトの平衡変態点を
上昇させ、結果としてパーライト組織を微細にすること
により高強度化に寄与し、耐摩耗性を向上させる元素で
あるが、0.01%未満ではその効果が小さく、0.2
0%を超える過剰な添加は、パーライト変態速度を低下
させて靭性に有害なマルテンサイト組織が生成し易くな
るため、Mo添加量を0.01〜0.20%に限定し
た。
【0030】Vは熱間圧延時の冷却課程で生成したV炭
・窒化物による析出硬化で強度を高め、さらに、高温度
に加熱する熱処理が行われる際に結晶粒の成長を抑制す
る作用によりオーステナイト粒を微細化させ、レールに
要求される強度と靭性を向上させるのに有効な成分であ
るが、0.02%未満ではその効果が期待できず、0.
30%を超えて添加してもそれ以上の効果が期待できな
いことから、V量を0.02〜0.30%に限定した。
【0031】NbはVと同様にNb炭・窒化物を形成し
てオーステナイト粒を細粒化する有効な元素であり、そ
のオーステナイト粒成長抑制効果はVよりも高温度域
(1200℃近傍)まで作用し、レールの延性と靭性を
改善する。その効果は、0.002%未満では期待でき
ず、また、0.050%を超える過剰な添加を行っても
それ以上の効果が期待できない。従って、Nb量を0.
002〜0.050%に限定した。
【0032】Coはパーライトの変態エネルギーを増加
させて、パーライト組織を微細にすることにより強度を
向上させる元素であるが、0.10%未満ではその効果
が期待できず、また、2.00%を超える過剰な添加を
行ってもその効果が飽和域に達するため、Co量を0.
10〜2.00%に限定した。
【0033】Bは旧オーステナイト粒界から生成する初
析セメンタイトを抑制する効果があり、パーライト組織
を安定的に生成させるために有効な元素である。しか
し、0.0005%未満ではその効果が弱く、0.00
50%を越えて添加するとBの粗大な炭ほう化物が生成
し、レールの延性および靱性等を劣化させるため0.0
005〜0.0050%に限定した。
【0034】図における他の部分2は、C :0.05
〜0.45%、 Si:0.15〜2.00%、M
n:0.50〜3.00%、 Cr:0.50〜
3.00%を含有し、必要に応じてさらに、Cu:0.
05〜0.50%、 Ni:0.05〜4.00
%、Mo:0.05〜0.60%、 V :0.0
2〜0.30%、N :0.010〜0.025%、
Nb:0.002〜0.05%、B :0.0005〜
0.005%、Ti:0.01〜0.05%の1種また
は2種以上を含有し、ベイナイト組織を呈した材料で、
パーライト組織を呈した材料1で覆われたレール頭頂部
a、頭部コーナー部bおよび柱部c、底部dの表面以外
の部分に配置される。
【0035】本発明においてベイナイト組織を呈した材
料2をレール頭部コーナー部および頭頂部の表面以外の
部分に配置した理由について説明する。鋼中の介在物お
よびレールの表面疵などを起点として、レール頭部内部
および足裏部に発生した疲労き裂から2次的に発生する
脆性き裂に対して、その脆性き裂の発生位置およびき裂
伝播経路にパーライト鋼と比較して耐破壊靭性が高いベ
イナイト鋼を配置することにより、レールのき裂伝播抵
抗性(耐破壊靭性)を高めることが可能となるからであ
る。
【0036】なお、材料2の金属組織としては、ベイナ
イト組織であることが望ましいが、レールの冷却方法や
素材の偏析状態によってはベイナイト組織中に微量なフ
ェライト・パーライト組織やマルテンサイト組織が生成
することがある。しかし、ベイナイト組織中に微量なフ
ェライト・パーライト組織やマルテンサイト組織が生成
してもレールの靭性および強度に大きな影響をおよぼさ
ないため、材料2の金属組織としては若干のフェライト
・パーライト組織やマルテンサイト組織の混在も含んで
いる。
【0037】次に、本発明においてベイナイト組織を呈
した材料に限定した理由は、ベイナイト鋼はパーライト
鋼と比較して靭性が高く、圧延ままでも十分な強度と靭
性を確保することが可能であり、また、パーライト鋼と
の界面での接合性も良好であることからベイナイト組織
を呈する材料を選んだ。
【0038】また、この部分における各成分を限定した
理由は以下の通りである。Cは一定の強度を確保するた
めの必須元素であり、0.15%未満では、レールとし
ての最低限度の強度を確保することが難しくなり、0.
45%を越えると破壊靭性の低いパーライト組織が多く
生成してしまうため、C量を0.15〜0.45%に限
定した。
【0039】Siはベイナイト組織中のフェライト地に
固溶することによって強度を向上させる元素であり、脱
酸元素としても0.15%以上の添加が必要である。ま
た、2.00%を越えるとレール製造時の表面きずの問
題や、レール溶接時の接合性に不都合をもたらすため、
Si量を0.15〜2.00%に限定した。
【0040】Mnは鋼の焼入れ性を高め、Crとの相乗
作用でベイナイト変態を促進し、強度と靭性を同時に向
上させる効果を持つが、0.50%未満ではベイナイト
変態が安定せず、また、3.00%を越えると、ベイナ
イトの変態速度が大きく低下し、破壊靭性の低いマルテ
ンサイト組織が多く生成してしまうため、Mn量を0.
50〜3.00%に限定した。
【0041】Crはベイナイト組織中のセメンタイトを
微細に分散させ、微細化によりベイナイト鋼の強度と靱
性を同時に向上させる元素であるが、0.50%未満で
はその効果が小さく、また、3.00%を越える添加
は、Mnと同様にベイナイトの変態速度が大きく低下
し、破壊靭性の低いマルテンサイト組織が多く生成して
しまうため、Cr量を0.50〜3.00%の範囲に限
定した。
【0042】また、上記の成分組成で製造されるレール
は強度、延性、靭性を向上させる目的で以下の元素を必
要に応じて1種または2種以上を添加する。
【0043】Cu:0.05〜0.50%、 N
i:0.05〜4.00%、Mo:0.05〜0.60
%、 V :0.02〜0.30%、N :0.0
10〜0.025%、 Nb:0.002〜0.05
%、B :0.0005〜0.005%、Ti:0.0
1〜0.05%
【0044】Cuはベイナイト鋼の靭性を損なわず強度
を向上させる元素であるが、その効果は0.05〜0.
50%の範囲で最も大きく、また、0.50%を越えと
赤熱脆性を生じることから、Cu量を0.05〜0.5
0%の範囲に限定した。
【0045】Niはオーステナイトを安定化する元素で
あり、ベイナイト変態温度を下げ、ベイナイト組織を微
細化させ、靱性を向上させる元素であるが、0.05%
未満ではその効果が著しく小さく、また、4.00%を
越える添加を行ってもその効果の向上が十分に期待でき
ないため、Ni量を0.05〜4.00%の範囲に限定
した。
【0046】MoはCrと同様に、ベイナイト変態の安
定化およびベイナイト組織の微細化に有効な元素である
が、0.05%未満ではその効果が小さく、また、0.
60%を超える過剰な添加はベイナイト変態速度を低下
させ、靭性に有害なマルテンサイト組織を多く生成させ
るため、Mo量を0.05〜0.60%の範囲に限定し
た。
【0047】VはNと結合してVNの窒化物を生成する
ことにより、圧延および再加熱時のγ粒を細かくし、さ
らに、析出硬化によりベイナイト組織の靱性や強度を向
上させる元素であるが、0.02%未満では、窒化物の
生成が困難になり、また、0.30%を越えると析出物
の粗大化により靭性を低下させるため、V量を0.02
〜0.30%に限定した。
【0048】NはVと結合してVNの窒化物を生成する
ことにより、圧延および再加熱時のγ粒を細かくし、さ
らに、析出硬化によりベイナイト組織の靱性や強度を向
上させる元素であるが、0.010%未満では、窒化物
の生成が困難になり、また、0.025%を越えると、
溶鋼溶製時に、Nによるブローホールなどの内部欠陥を
生成させ易いため、N量を0.010〜0.025%以
下に限定した。
【0049】Nbは圧延時のγ再結晶を抑制することに
より、オーステナイト粒度を微細化し、靭性を改善し、
さらに、Vと同様の析出硬化によりベイナイト組織の強
度を向上させる元素であるが、0.002%未満ではそ
の効果が小さく、0.05%を越えるNbの金属間化合
物や粗大析出物が生成して靭性を低下させることから、
Nb量を0.002〜0.05%の範囲に限定した。
【0050】Bは旧オーステナイト粒界から生成するフ
ェライトの生成を抑制し、ベイナイト変態を安定化する
のに有効な元素であるが、0.0005%未満ではその
効果が弱く、0.0050%を越えて添加するとBの粗
大な炭ほう化物が生成し、レール靭性を低下させるため
0.0005〜0.0050%に限定した。
【0051】Tiは、溶解・凝固時に析出したTi
(C,N)がレール圧延時加熱の高温でも溶解しないこ
とを利用して、レール圧延加熱時のオーステナイト結晶
粒の微細化を図り、また、溶接継ぎ手部の靭性改善にも
寄与する元素であるが、0.01%未満ではその効果が
少なく、0.05%を越えると粗大なTi(C,N)が
生成して、レール使用中の疲労損傷の起点となるため、
Ti量を0.01〜0.05%に限定した。
【0052】以上のように、レール頭部コーナー部およ
び頭頂部の該頭部表面を起点として少なくとも深さ20
mmの範囲の部分に、C:0.85超〜1.20%、S
i:0.10〜1.00%、Mn:0.10〜1.50
%を含有し、さらに必要に応じて、Cr:0.05〜
1.00、Mo:0.01〜0.20、V:0.02〜
0.30、Nb:0.002〜0.050、Co:0.
10〜2.00、B:0.0005〜0.005%、T
i:0.01〜0.05%の1種または2種以上を含有
し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ、そ
の金属組織がパーライト組織を呈し、前記範囲のパーラ
イト組織の硬さがHv320以上である材料1を配置
し、その他の部分に、C :0.05〜0.45%、S
i:0.15〜2.00%、Mn:0.50〜3.00
%、Cr:0.50〜3.00%を含有し、さらに必要
に応じて、Cu:0.05〜0.50%、Ni:0.0
5〜4.00%、Mo:0.05〜0.60%、V:
0.02〜0.30%、N:0.010〜0.025
%、Nb:0.002〜0.05%、B:0.0005
〜0.005%、Ti:0.01〜0.05%の1種ま
たは2種以上を含有し、残部が鉄および不可避的不純物
からなり、その金属組織がベイナイト組織を呈する材料
2を配置した理由は、レール頭部コーナー部および頭頂
部の該頭部表面に従来レールよりも炭素量が高いパーラ
イト組織を呈した材料を配置することで、レール頭部で
の耐摩耗性の向上を図り、さらに、その内部にベイナイ
ト組織を呈する材料を配置することにより、レール柱部
や底部の耐破壊靭性を向上させ、レール頭部および足裏
部に発生した疲労き裂から2次的に発生する脆性き裂に
対して、耐破壊靭性を大きく向上させることができるか
らである。
【0053】上記のように、レール軸断面において異種
金属の二層構造からなる本発明は、爆着圧延、クラッド
法、鋳ぐるみ鋳造法、積層分散鋳造法、複層連続鋳造法
など任意の方法でブルームあるいはスラブを製造したの
ち、通常の熱間成型圧延法によってレールに製造され
る。
【0054】さらに、必要によっては、本レールの頭部
および底部などの材質を改善するために熱処理が施され
る。このようにして製造された本レールは、重荷重鉄道
の寒冷地のレールに要求される頭部での耐摩耗性と柱部
および底部での耐破壊靭性を兼ね備えている。
【0055】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。表
1には、本発明レールと比較レールの化学成分、軸断面
形状(本発明レールのみ)、熱処理条件を示す。さら
に、表1にはレール頭表部(耐摩耗材料)、柱部・底部
(高靭性材料:本発明レールのみ)の硬さ、組織、およ
び、図3に示す西原式摩耗試験機によるレール頭表部材
料(耐摩耗材料)の摩耗試験結果も併記した。また、図
4は表1に示す本発明レールと比較レールのレール頭表
部材料(耐摩耗材料)の摩耗試験結果を硬さと摩耗量の
関係で比較したものである。表2には、本発明レールと
比較レールの実レールによる落重試験結果を示す。な
お、レールの構成は以下のとおりである。
【0056】・本発明レール(14本) 符号:A〜N :上記成分範囲で、レール頭部コーナー部および頭頂部
の該頭部表面を起点として少なくとも深さ20mmの範
囲の部分の金属組織がパーライト組織を呈し、前記範囲
のパーライト組織の硬さがHv320以上であり、その
他の部分の金属組織がベイナイト組織を呈する二層構造
からなる耐摩耗性に優れた高靭性レール。 ・比較レール(4本) 符号:O〜R :共析炭素含有鋼による比較レール。
【0057】摩耗試験条件は次のとおりとした。 ・試験機 :西原式摩耗試験機 ・試験片形状:円盤状試験片(外径:30mm、厚さ:
8mm) ・試験荷重 :686N ・すべり率 :20% ・相手材 :パーライト鋼(HV380) ・雰囲気 :大気中 ・冷却 :空気による強制冷却(流量:100Nl
/min) ・繰返し回数:70万回
【0058】落重試験条件は次のとおりとした。 ・試験機 :落重試験機 ・試験片長さ :1.3m ・支点間の距離:1.0m ・支持方法 :頭部を上にして試験する(頭部に落錘
を落とす) ・落錘の重さ :1000kg ・落錘の高さ :10m ・試験温度 :+20〜−100℃
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【発明の効果】図4に示したように、本発明レールは比
較レールよりも炭素量を高めることにより、比較レール
よりも同一硬さにおいて摩耗量が少なく、耐摩耗性が大
きく向上している。また、表2に示すように、本発明レ
ールは柱部および底部に耐破壊靭性が高いベイナイト鋼
を配置したことにより、比較レールが−40℃で全て破
断するのに対して、本発明レールは−70℃の低温度域
まで全てのレールが破断せず、レールの耐破壊靭性が大
きく向上している。このように本発明によれば、重荷重
鉄道の寒冷地においても耐摩耗性と靭性に優れたレール
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレール軸断面における各部の呼称と、
レールの二層状態を軸断面で模式的に示した図。
【図2】(a)、(b)はともに本発明の実施例であ
り、各部におけるレール二層状態を模式的に示した図。
【図3】西原式摩耗試験機の概略図。
【図4】表1に示す本発明レールと比較レールの頭表部
材料(耐摩耗材料)の摩耗試験結果を硬さと摩耗量の関
係で比較した図。
【符号の説明】
1:パーライト組織を呈するHv320以上の材料 2:ベイナイト組織を呈する材料 a:レール頭頂部 b:レール頭部コーナー部 c:レール柱部 d:レール底部 3:レール試験片 4:相手材 5:冷却ノズル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レール軸断面において、頭部コーナー部
    および頭頂部の該頭部表面を起点として少なくとも深さ
    20mmの範囲の部分が重量%で、 C :0.85超〜1.20%、 Si:0.10〜1.00%、 Mn:0.10〜1.50% を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、か
    つ、その金属組織がパーライト組織を呈し、前記範囲の
    パーライト組織の硬さがHv320以上であり、その他
    の部分は重量%で、 C :0.05〜0.45%、 Si:0.15〜2.00%、 Mn:0.50〜3.00%、 Cr:0.50〜3.00% を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、か
    つ、その金属組織がベイナイト組織を呈する二層構造か
    らなることを特徴とする耐摩耗性に優れた高靭性レー
    ル。
  2. 【請求項2】 レール軸断面において、頭部コーナー部
    および頭頂部の該頭部表面を起点として少なくとも深さ
    20mmの範囲の部分が重量%で、 C :0.85超〜1.20%、 Si:0.10〜1.00%、 Mn:0.10〜1.50% を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、か
    つ、その金属組織がパーライト組織を呈し、前記範囲の
    パーライト組織の硬さがHv320以上であり、その他
    の部分は重量%で、 C :0.05〜0.45%、 Si:0.15〜2.00%、 Mn:0.50〜3.00%、 Cr:0.50〜3.00% を含有し、さらに、 Cu:0.05〜0.50%、 Ni:0.05〜
    4.00%、 Mo:0.05〜0.60%、 V :0.02〜
    0.30%、 N :0.010〜0.025%、 Nb:0.002
    〜0.05%、 B :0.0005〜0.005%、Ti:0.01〜
    0.05% の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避
    的不純物からなり、かつ、その金属組織がベイナイト組
    織を呈する二層構造からなることを特徴とする耐摩耗性
    に優れた高靭性レール。
  3. 【請求項3】 レール軸断面において、頭部コーナー部
    および頭頂部の該頭部表面を起点として少なくとも深さ
    20mmの範囲の部分が重量%で、 C :0.85超〜1.20%、 Si:0.10〜1.00%、 Mn:0.10〜1.50% を含有し、さらに、 Cr:0.05〜1.00%、Mo:0.01〜0.2
    0%、 V :0.02〜0.30%、Nb:0.002〜0.
    050%、 Co:0.10〜2.00%、B :0.0005〜
    0.005% の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避
    的不純物からなり、かつ、その金属組織がパーライト組
    織を呈し、前記範囲のパーライト組織の硬さがHv32
    0以上であり、その他の部分は重量%で、 C :0.05〜0.45%、 Si:0.15〜2.00%、 Mn:0.50〜3.00%、 Cr:0.50〜3.00% を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、か
    つ、その金属組織がベイナイト組織を呈する二層構造か
    らなることを特徴とする耐摩耗性に優れた高靭性レー
    ル。
  4. 【請求項4】レール軸断面において、頭部コーナー部お
    よび頭頂部の該頭部表面を起点として少なくとも深さ2
    0mmの範囲の部分が重量%で、 C :0.85超〜1.20%、 Si:0.10〜1.00%、 Mn:0.10〜1.50% を含有し、さらに、 Cr:0.05〜1.00%、Mo:0.01〜0.2
    0%、 V :0.02〜0.30%、Nb:0.002〜0.
    050%、 Co:0.10〜2.00%、B :0.0005〜
    0.005% の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避
    的不純物からなり、かつ、その金属組織がパーライト組
    織を呈し、前記範囲のパーライト組織の硬さがHv32
    0以上であり、その他の部分は重量%で、 C :0.05〜0.45%、 Si:0.15〜2.00%、 Mn:0.50〜3.00%、 Cr:0.50〜3.00% を含有し、さらに、 Cu:0.05〜0.50%、 Ni:0.05〜
    4.00%、 Mo:0.05〜0.60%、 V :0.02〜
    0.30%、 N :0.010〜0.025%、 Nb:0.002
    〜0.05%、 B :0.0005〜0.005%、Ti:0.01〜
    0.05% の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避
    的不純物からなり、かつ、その金属組織がベイナイト組
    織を呈する二層構造からなることを特徴とする耐摩耗性
    に優れた高靭性レール。
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