JPH10279770A - ゴム変性スチレン系樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物およびその製造方法

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JPH10279770A
JPH10279770A JP8394697A JP8394697A JPH10279770A JP H10279770 A JPH10279770 A JP H10279770A JP 8394697 A JP8394697 A JP 8394697A JP 8394697 A JP8394697 A JP 8394697A JP H10279770 A JPH10279770 A JP H10279770A
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JP
Japan
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styrene
zirconium dichloride
rubber
copolymer
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Application number
JP8394697A
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English (en)
Inventor
Ryuichi Sugimoto
隆一 杉本
So Iwamoto
宗 岩本
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Publication of JPH10279770A publication Critical patent/JPH10279770A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃強度、及び外観とのバランスが優れてい
るゴム変性スチレン系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 スチレン系単量体の単独重合体またはス
チレン系単量体とスチレン系単量体に共重合可能な単量
体との共重合体にゴム状重合体粒子を分散させてなるゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物であって、該ゴム状重合体
が、スチレンとジエンの共重合体で、該共重合体のスチ
レンとジエンとのモル比が3/97〜85/15の範囲
にあり、該共重合体中に含まれる二重結合単位のモル数
[M]とジエン単位のモル数[M0]が下記式(1)
(数1)で表される関係にあり、 【数1】0.1<([M]/[M0])<0.9 25℃のスチレン溶液中で測定した5wt.%の溶液粘
度が5〜150CPSで、示差走査熱量計で求めたガラ
ス転移温度が−30℃以下であることを特徴とするゴム
変性スチレン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム変性スチレン
系樹脂組成物、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレンは成形加工性に優れ、成形
物とした場合、成形物の外観と、機械物性、電気特性、
寸法安定性等のバランスの良い樹脂であり、家庭電気製
品、電子機器等に広く用いられているが、さらにポリス
チレンの持つ欠点である脆さを改良するためにゴムを添
加グラフト化して、耐衝撃性を向上させた耐衝撃性ポリ
スチレンが用いられている。最近では大型でより複雑な
形状を有し、しかも肉厚が薄い成形物にも用いられるよ
うになった。このような状況から、成形加工性に優れ、
しかも高い衝撃強度を有するゴム変性スチレン系樹脂が
求められている。
【0003】ゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム粒子をス
チレン系樹脂に分散させたものであるが、その分散ゴム
粒子を形成するゴム状重合体の性質が、製品性能に重要
な影響を及ぼす事が知られている。分散ゴム粒子を形成
するゴム状重合体としては、従来アニオン重合等の重合
方法で製造されるポリブタジエンゴムやスチレン・ブタ
ジエンゴムあるいはエチレン・プロピレンゴム、エチレ
ン・プロピレン・ジエンゴム等が用いられている。
【0004】通常、ゴムの種類により樹脂中のゴム粒子
の粒径や構造も大きく変化することが知られている。例
えば、ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム粒子の形状とし
ては通常いわゆるサラミ製造をしているものが多いが、
ゴム成分としてスチレン含有量の多いスチレン−ブタジ
エンブロック共重合体を溶解したスチレン−モノマーを
用いて、スチレンモノマーの重合を行うと、単一オクル
ージョン構造を有する0.5μm以下のゴム粒子がポリ
スチレン中に分散された状態のポリマーが得られること
も知られている。(例えばAngew.Makromo
l.Chem.58/59P175−198(197
7))。
【0005】これらの方法によれば、ゴムの種類により
樹脂中のゴム粒子の粒径や構造が変化し、それによって
成形物の物性も変わってくる。
【0006】一方、最近シクロペンタジエニル骨格から
なる配粒子を有する遷移金属化合物とメチルアルミノキ
サンを助触媒を使用してなる触媒の存在下にエチレンや
スチレンやジエン等が重合して従来とは異なった物性の
重合体が得られることが報告されている。
【0007】例えば新しいプロピレン、エチレン、ジエ
ン共重合体として最近では特開平2−64111に架橋
構造を有するメタロセン化合物とアルミノキサンよりな
る触媒を用いてプロピレン、エチレン、ジエン共重合体
を合成する方法が公知である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ゴム変性スチレン系樹
脂の物性を改良するために従来のゴムを添加して耐衝撃
性を改善する方法では物性のバランスを改良する方法と
して必ずしも満足できるものではなかった。物性バラン
スを改善されたゴム変性スチレン系重合体の開発が望ま
れている。本発明の目的は耐衝撃性と剛性のバランスの
向上されたゴム変性スチレン系樹脂を提供することを目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、種々のゴム状重合体を用いた樹脂に
ついて鋭意検討した結果、ゴム変性スチレン系樹脂組成
物において、特定のゴム状重合体をスチレン系単量体の
単独重合体または共重合体に粒子状に分散させてなるゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物を成形物に用いた場合、成
形物の性能が優れたものとなることを見出し、本発明を
完成した。本発明は以下の発明により構成される。
【0010】 スチレン系単量体の単独重合体または
スチレン系単量体とスチレン系単量体に共重合可能な単
量体との共重合体にゴム状重合体粒子を分散させてなる
ゴム変性スチレン系樹脂組成物であって、ゴム状重合体
粒子の形成原料であるゴム状重合体が、スチレンとジエ
ンとからなる共重合体であって、該共重合体のスチレン
とジエンとのモル比が3/97〜85/15の範囲にあ
り、該共重合体中に含まれる二重結合単位のモル数
[M]とジエン単位のモル数[M0]が下記式(1)
(数2)で表される関係にあり、
【0011】
【数2】0.1<([M]/[M0])<0.9 25℃のスチレン溶液中で測定した5wt.%の溶液粘
度が5〜150cpsで表される範囲であり、示差走査
熱量計(DSC)で求めたガラス転移温度が−30℃以
下であることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成
物。
【0012】 ゴム状重合体が (A)下記一般式(1、2、3)(化2)
【0013】
【化2】 (A)M(R1)(R2)(R3) 一般式(1) (A)(B)M(R1)(R2) 一般式(2) (A)(B)(C)M(R1) 一般式(3) (式中A、BおよびCは、Mに結合または配位している
π系)の不飽和化合物よりなる基、シクロペンタジエニ
ル基またはその誘導体基、周期律表第13族、14族、
15族及び16族の複素原子がMに結合または配位して
いる基よりなる配位子であり、A、B及びCはそれぞれ
の間で一重結合、二重結合またはそれらの組合せで結合
されていても良い。A、BおよびCはMに結合または配
位しており、A,B及びCでMが共鳴結合しているもの
も含む。R1、R2、R3はそれぞれ水素原子、ハロゲン
原子、有機メタロイド基、アルコキシ基、アミノ基、炭
化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基を示し、それ
らはお互いに同一でも異なっていてもよい。R1、R2
びR3間で架橋していても良く、またR1、R2及びR3
Mとが架橋していてもよい。Mは周期律表第3族、第4
族、第5族、ランタノイド系またはアクチノイド系の金
属である。) (B)(B1)〜(B3)より選ばれた少なくとも一種
の、(A)と反応して安定なイオン性の錯体を形成する
化合物 (B1)アルミノキサン、(B2)(A)と反応して安
定なイオン性の錯体を形成する嵩高いアニオンとカチオ
ンから形成されるイオン性化合物、(B3)(A)と反
応して安定なイオン性の錯体を形成するルイス酸化合物 (C)必要に応じて少なくとも1個以上の炭化水素残基
を有する周期律表第1、2族または13族の有機金属化
合物よりなる触媒を使用してスチレンとジエンとを共重
合して得られたものであることを特徴とする記載のゴ
ム変成スチレン系共合体樹脂組成物。
【0014】 スチレン系単量体の単独重合体または
スチレンとスチレン系単量体に共重合可能な単量体と、
前記ゴム状重合体とを溶融混合することを特徴とする請
求項または記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
【0015】 またはに記載のゴム状重合体をス
チレン系単量体或いはスチレン系単量体及びスチレン系
単量体に共重合可能な単量体に溶解し、この溶液を重合
させることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成物
の製造方法。
【0016】 ゴム状重合体を粒子化する際に、ゴム
状重合体が溶解した溶液100重量部に対し、有機過酸
化物を0.0005ないし0.05重量部添加する記
載のゴム変性スチレン系樹脂組成物の製造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明でいうスチレン系単量体と
は、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレ
ンのような側鎖アルキル置換スチレン、ビニルトルエ
ン、ビニルキシレン、o−t−ブチルスチレン、p−t
−ブチルスチレン、p−メチルスチレンのような核アル
キル置換スチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチ
レン、トリブロモスチレン、テトラヒドロスチレン等の
ハロゲン化スチレン及びp−ヒドロキシスチレン、o−
メトキシスチレン等が挙げられる。特に好ましくは、ス
チレン、α−メチルスチレン、及びp−メチルスチレン
である、スチレン系単量体はこれらのうちの一種又は二
種以上を混合して用いることができる。本発明ではスチ
レン系単量体の単独重合体の範囲にスチレン系単量体を
二種以上用いたものも含める。
【0018】また、本発明におけるスチレン系単量体に
共重合可能な単量体としてはアクリロニトリル、メタク
リロニトリル、フマロニトリル、マレオニトリル、α−
クロロアクリロニトリル等のビニルシアン化合物系単量
体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プ
ロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタ
クリル酸エステル系単量体、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリ
レート等のアクリル酸エステル系単量体、N−メチルマ
レイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単
量体や無水マレイン酸、アクリルアミド、アリルアミ
ン、アクリル酸等が挙げられ、特にアクリロニトリルや
メタクリル酸メチルが好ましい。
【0019】本発明の共重合体構成成分であるスチレン
系単量体に共重合可能な単量体の使用は特に制限はな
く、使用しなくてもよいし、一種または二種以上を組み
合わせて所望の物性が得られるように種類および使用量
を選択することができる。
【0020】通常はスチレン系単量体に共重合可能な単
量体の使用量は使用する全単量体の0%ないし95の範
囲にあることが好ましい。また一部を単量体の総和に対
して30重量%以下の割合において他の単量体の一種以
上を持って置き換えた3元系あるいは4元系共重合体で
も良い。
【0021】本発明はスチレンの重合体とゴム状重合体
よりなるいわゆるHIPS及びスチレンとアクリロニト
リルの共重合体とゴム状重合体よりなるいわゆるABS
樹脂の場合に特に優れた物性の樹脂組成物がえられる。
【0022】スチレンの重合体とゴム状重合体よりなる
樹脂組成物の場合は、ゴム状重合体の含有量は3〜30
重量%、好ましくは5〜20重量%である。
【0023】スチレンとアクリロニトリルの共重合体と
ゴム状重合体 よりなる樹脂組成物の場合は、ゴム状重
合体の含有量は3〜50重量%、好ましくは5〜40重
量%であり、スチレンとアクリロニトリル共重合体中の
スチレン含有量は40〜90重量%、好ましくは50〜
85重量%である。
【0024】ゴム状重合体粒子は、ゴム状重合体の所定
量を上記スチレン系単量体及びスチレン系単量体に共重
合可能な単量体の重合体に溶融混合させることにより、
スチレン系共重合体中にゴム状重合体粒子を分散状態で
形成させるものである。またはゴム状重合体の所定量を
添加したスチレン系単量体またはスチレン系単量体及び
スチレン系単量体に共重合可能な単量体の混合単量体の
混合物を重合させることにより、スチレン系共重合体中
にゴム状重合体粒子を分散状態で形成させるものであ
る。
【0025】上記で定義されたゴム状重合体であれば製
造法など特に制限なく使用できる。該ゴム状重合体の好
ましい重合方法の一例は下記一般式(1、2、3)(化
3)と助触媒よりなる触媒系でスチレンとジエンとから
なる不飽和化合物とを共重合して得られたものである。
【0026】
【化3】 (A)M(R1)(R2)(R3) 一般式(1) (A)(B)M(R1)(R2) 一般式(2) (A)(B)(C)M(R1) 一般式(3) (A、B、C、M、R1、R2およびR3は既に定義下も
のである) 該ゴム状重合体の好ましい製造は以下に示す遷移金属化
合物を触媒成分として含む触媒系を用いて行うことがで
きる。
【0027】該遷移金属化合物は、少なくとも一つのシ
クロペンタジエニル基またはその誘導体基や周期律表第
13族、14族、15族または第16族の複素原子を含
む基を配位子とする周期律表第3族、第4族、第5族、
ランタノイドまたはアクチノイドの金属を含む金属錯体
である。
【0028】これらの遷移金属錯体は有機化合物や無機
化合物から選ばれた担体、好ましくは無機化合物に担持
したものが好ましく使用される。有機化合物の担体とし
ては架橋ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、カーボン等、無機化合物としては無機酸化物、金属
炭酸塩、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩、例えばシリカ
ゲル、アルミナ、塩化マグネシウムまたは炭酸マグネシ
ウム等が例示される。
【0029】上記遷移金属化合物は助触媒、及び必要に
応じて他の成分を組み合わせて使用することも可能であ
る。
【0030】該遷移金属化合物としては前記の一般式
(1、2、3)で示された化合物が使用でき、これを具
体的に以下に示す。
【0031】ここで一般式(1)で示される化合物の具
体的な例を挙げれば次のようなものがある。ビス(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス
(メチルヒクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロラ
イド、ビス(1,2ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド、ビス(1,3ジメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス
(1,2,3トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロライド、ビス(1,2,4トリメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス
(1,2,3,4テトラメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(エ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライ
ド、ビス(1,2ジエチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロライド、ビス(1,3ジエチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロライド,ビス(イソ
プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロラ
イド、ビス(フェニルプロピルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロライド、ビス(t−ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロライド。
【0032】ビス(4−メチル−1−インデニル)ジル
コニウムジクロライド、ビス(5−メチルー1−インデ
ニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(6−メチル−
1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(7
−メチルー1−インデニル)ジルコニウムジクロライ
ド、ビス(5−メトキシー1−インデニル)ジルコニウ
ムジクロライド、ビス(2,3−ジメチル−1−インデ
ニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(4−7−ジメ
チルー1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビ
ス(4,7−ジメトキシー1−インデニル)ジルコニウ
ムジクロライド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジ
クロライド、(シクロペンタジエニル)(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロ
ペンタジエニル)(ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)
(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロライド、(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シ
クロペンタジエニル)(ペンタメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド。
【0033】(シクロペンタジエニル)(エチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロ
ペンタジエニル)(ジエチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)
(トリエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロライド、(シクロペンタジエニル)(テトラエチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シ
クロペンタジエニル)(ペンタエチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエ
ニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
(シクロペンタジエニル)(2、7−ジtブチルフルオ
レニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジ
エニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジ
クロライド、(シクロペンタジエニル)(4−メトキシ
フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(メチルシ
クロペンタジエニル)(t−ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロライド、(メチルシクロペンタ
ジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライ
ド、(メチルシクロペンタジエニル)(2、7−ジtブ
チルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(メチ
ルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニ
ル)ジルコニウムジクロライド、(メチルシクロペンタ
ジエニル)(4−メトキシフルオレニル)ジルコニウム
ジクロライド、(ジメチルシクロペンタジエニル)(フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(ジメチルシ
クロペンタジエニル)(2、7−ジtブチルフルオレニ
ル)ジルコニウムジクロライド。
【0034】(ジメチルシクロペンタジエニル)(オク
タヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
(ジメチルシクロペンタジエニル)(4−メトキシフル
オレニル)ジルコニウムジクロライド、(エチルシクロ
ペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロ
ライド、(エチルシクロペンタジエニル)(2、7−ジ
tブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
(エチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオ
レニル)ジルコニウムジクロライド、(エチルシクロペ
ンタジエニル)(4−メトキシフルオレニル)ジルコニ
ウムジクロライド、(ジエチルシクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(ジエチ
ルシクロペンタジエニル)(2、7−ジtブチルフルオ
レニル)ジルコニウムジクロライド、(ジエチルシクロ
ペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコ
ニウムジクロライド、(ジエチルシクロペンタジエニ
ル)(4−メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロ
ライド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロライド、エチレンビス(メチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス
(1,2ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロライド、エチレンビス(1,3ジメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビ
ス(1,2,3トリメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロライド、エチレンビス(1,2,4トリ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライ
ド、エチレンビス(1.2,3,4テトラメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド。
【0035】ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(エチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビ
ス(1,2ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロライド、エチレンビス(1.3ジエチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロライド、エチレンビス(フェニルプロピルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレ
ンビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニ
ウムジクロライド、エチレンビス(4−メチルー1−イ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス
(5−メチルー1−インデニル)ジルコニウムジクロラ
イド、ビス(6−メチル−1−インデニル)ジルコニウ
ムジクロライド、エチレンビス(7−メチルー1−イン
デニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(5−メトキ
シ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチ
レンビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロライド、エチレンビス(4,7−ジメチル
−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレ
ンビス(4,7−ジメトキシー1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロライド、エチレンビス(フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロライド、エチレンビス(4.5,6,
7テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロ
ライド、エチレンビス(フルオレニル)ジルコニウムジ
クロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
エチレン(シクロペンタジエニル)(ジメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン
(シクロペンタジエニル)(トリメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロライド、エテレン(シクロ
ペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペン
タジエニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエ
ニル)(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(ジエ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライ
ド、エチレン(シクロペンタジエニル)(トリエチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチ
レン(シクロペンタジエニル)(テトラエチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロライド。
【0036】エチレン(シクロペンタジエニル)(ペン
タエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロラ
イド、エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペン
タ ジエニル)(2、7−ジtブチルフルオレニル)ジ
ルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエ
ニル)(2、7−ジクロルフルオレニル)ジルコニウム
ジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(オ
クタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
エチレン(シクロペンタジエニル)(4−メトキシフル
オレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(メチ
ルシクロペンタジエニル)(t−ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(メチル
シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム
ジクロライド、エチレン(メチルシクロペンタジエニ
ル)(2、7−ジtブチルフルオレニル)ジルコニウム
ジクロライド、(メチルシクロペンタジエニル)(オク
タヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド。
【0037】エチレン(メチルシクロペンタジエニル)
(4−メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロライ
ド、エチレン(ジメチルシクロペンタジエニル)(フル
オレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(ジメ
チルシクロペンタジエニル)(2、7−ジtブチルフル
オレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(ジメ
チルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロブルオレニ
ル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(ジメチルシ
クロペンタジエニル)(4−メトキシフルオレニル)ジ
ルコニウムジクロライド、エチレン(エチルシクロペン
タジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライ
ド、エチレン(エチルシクロペンタジエニル)(2、7
−ジtブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライ
ド、エチレン(エチルシクロペンタジエニル)(オクタ
ヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチ
レン(エチルシクロペンタジエニル)(4−メトキシフ
ルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(ジ
エチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコ
ニウムジクロライド、エチレン(ジエチルシクロペンタ
ジエニル)(2、7−ジtブチルフルオレニル)ジルコ
ニウムジクロライド、エチレン(ジエチルシクロペンタ
ジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウム
ジクロライド、エチレン(ジエチルシクロペンタジエニ
ル)(4−メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロ
ライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(4,5−
メチレンフェナントレン)ジルコニウムジクロライド、
このほかに架橋部分エチレン基の代わりにイソプロピリ
デン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン
基、メチルフェニルメチレン基、ジフェニルメチレン
基、1,4−シクロペンタン−ジ−イリデン基、1,4
−シクロヘキサン−ジ−イリデン基、ジメチルシリレン
基、メチルフェニルシリレン基、ジフェニルシリレン
基、ジメチルゲルミレン基、ジメチルスタニレン基等が
結合した物が挙げられる。またジルコニウム原子の代わ
りにチタニウム原子及びハフニウム原子に変えた錯体、
さらにクロライドの代わりにブロマイド、ヨーダイド、
フルオライドに変えた錯体が挙げられる。
【0038】また2つのシクロペンタジエニル基を連結
する化合物の具体的な例を挙げれぱ次のようなものがあ
る。ジメチルシリレンビス(3−メチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン
ビス(2、4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2、4−
ジエチルシクロペンタジエニル)ジルゴニウムジクロラ
イド、ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジ
メチルシリレンビス(2,4−ジtブチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレ
ンビス(フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロライド、ジメチルシリレンビス(3−エチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチ
ルシリレンビス(2、4−ジフェニルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビ
ス(2、3、5−トリエチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(3−
イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロライド、ジメチルシリレンビス(3−フェニルプロピ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシリレンビス(3−t−ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロライド。
【0039】ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジ
エニル)(2、4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシ
クロペンタジエニル)(2,3,5−トリメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチル
シリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)
(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペン
タジエニル)(テトラメテルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,4−
ジメチルシクロペンタジエニル)(3−エチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシ
リレン(2.4−ジメチルシクロペンタジエニル)
(2,4−ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペン
タジエニル)(2.3,5−トリメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン
(メチルシクロペンタジエニル)(t−ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシ
リレン(メチルシクロペンタジエニル)(フェニルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド等が挙げ
られる。
【0040】またシクロペンタジエニル基を有しない化
合物としてビス〔N,N−ビス(トリメチルシリル)ベ
ンズアミジナートジルコニウムジクロライド、ビス
〔N,N−ジメチルアセトアミジナート)ジルコニウム
ジクロライド、ビス〔(t−ブトキシジメチルシリル)
−t−ブチルアミノジルコニウムジクロライド、ビス
〔(t−ブトキシジメチルシロキシ)ビス(トリメチル
シリルジルコニウム、ビス〔N,N−ジメチルアセトア
ミジナート)ジエトキシジルコニウム、ビス〔N,N−
ジメチルアセトアミジナ−ト)ビス(ジエチルアミノ)
ジルコニウム、ビス〔(t−ブトキシジメチルシロキ
シ)ビス(ジエチルアミノ)ジルコニウム、ビス〔(t
−ブトキシジメチルシリル)ーt−ブチルアミノ〕ジメ
チルジルコニウム、ブチレンビス〔N.N−ビス(トリ
メチルシリル)ベンズアミジナ−ト〕ジルコニウムジク
ロライド、δ一(t−ブチルアミノ)バレルーN.N−
ビス(トリメチルシリル)アミジナート〕ジルコニウム
ジクロライド、ジアミジナートチタンジクロラシドな
ど、ジルコニウム原子の代わりにチタニウム原子及びハ
フニウム原子に変えた錯体、あるいはランタノイド系列
やアクチノイド系列の金属錯体であってもよい。さらに
クロライドの変わりにブロマイド、ヨーダイド、フルオ
ライドに変えた錯体が挙げられる。これらの化合物は一
種でもあるいは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】助触媒として前記遷移金属化合物(A)と
反応して安定なイオン性錯体を形成しうる化合物(B)
が用いられ、下記(B−1)〜(B−3)の中から少な
くとも一種が使用される。
【0042】助触媒として前記遷移金属化合物(A)と
反応して安定なイオン性錯体を形成しうる化合物(B)
が用いられ、下記(B−1)〜(B−3)の中から少な
くとも一種が使用される。
【0043】この(B)成分としては、(B−1)
(A)成分の遷移金属化合物と反応して安定なイオン性
の錯体を形成する嵩高いアニオンとカチオンから形成さ
れるイオン性化合物,(B−2)アルミノキサン,(B
−3)(A)と反応して安定なイオン性の錯体を形成す
るルイス酸化合物を挙げることができる。
【0044】(B−1)成分としては、前記(A)成分
の遷移金属化合物と反応して、安定なイオン性の錯体を
形成するイオン性化合物であれば、いずれのものでも使
用できるが、次の一般式(4)(化4)、一般式(5)
(化5)
【0045】
【化4】 ([L1 −R4k+p ([Z]-q ・・・一般式(4)
【0046】
【化5】 ([L2k+p ([Z]-q ・・・一般式(5) 〔ただし、L2 はM2 、R563 、R7 3C又はR8
3 である。〕〔(4)、(5)式中、L1 はルイス塩
基、[Z]- は、非配位性アニオン[Z1- 及び[Z
2- 、ここで[Z1- は複数の基が元素に結合した
アニオンすなわち[M112 ・・・An- (ここ
で、M1 は周期律表第5〜15族元素、好ましくは周期
律表第13〜15族元素を示す。A1 〜An は、それぞ
れ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20のアルキル
基,炭素数2〜40のジアルキルアミノ基,炭素数1〜
20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭
素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数7〜40のア
ルキルアリール基,炭素数7〜40のアリールアルキル
基,炭素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基,炭素数
1〜20のアシルオキシ基,有機メタロイド基、又は炭
素数2〜20のヘテロ原子含有炭化水素基を示す。A1
〜An のうち2つ以上が環を形成していてもよい。nは
[(中心金属M1 の原子価)+1]の整数を示す。)、
[Z2- は、酸解離定数の逆数の対数(pKa)が−
10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸
及びルイス酸の組合わせの共役塩基、あるいは一般的に
超強酸と定義される共役塩基を示す。また、ルイス塩基
が配位していてもよい。
【0047】また、R4 は水素原子,炭素数1〜20の
アルキル基,炭素数6〜20のアリール基,アルキルア
リール基又はアリールアルキル基を示し、R5 及びR6
は、それぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペン
タジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基、R7
は炭素数1〜20のアルキル基,アリール基,アルキル
アリール基又はアリールアルキル基を示す。
【0048】R8 はテトラフェニルポルフィリン,フタ
ロシアニン等の大環状配位子を示す。kは[L1 −R
4 ],[L2 ]のイオン価数で1〜3の整数、pは1以
上の整数、q=(k×p)である。M2 は、周期律表第
1〜3、11〜13、17族元素を含むものであり、M
3 は、周期律表第7〜12族元素を示す。〕で表される
ものを好適に使用することができる。
【0049】ここで、L1 の具体例としては、アンモニ
ア、メチルアミン、アニリン、ジメチルアミン、ジエチ
ルアミン、N−メチルアニリン、ジフェニルアミン、
N,N−ジメチルアニリン、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリ−n−ブチルアミン、メチルジフェニ
ルアミン、ピリジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルア
ニリン、p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリンなどの
アミン類、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィン、ジフェニルホスフィンなどのホスフィン類、テト
ラヒドロチオフェンなどのチオエーテル類、安息香酸エ
チルなどのエステル類、アセトニトリル、ベンゾニトリ
ルなどのニトリル類などを挙げることができる。
【0050】R4 の具体例としては、水素、メチル基、
エチル基、ベンジル基、トリチル基などを挙げることが
でき、R5 、R6 の具体例としては、シクロペンタジエ
ニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロ
ペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル
基などを挙げることができる。
【0051】R7 の具体例としては、フェニル基、p−
トリル基、p−メトキシフェニル基などを挙げることが
でき、R8 の具体例としてはテトラフェニルポルフィ
ン、フタロシアニン、アリル、メタリルなどを挙げるこ
とができる。
【0052】また、M2 の具体例としては、Li、N
a、K、Ag、Cu、Br、I、I3などを挙げること
ができ、M3 の具体例としては、Mn、Fe、Co、N
i、Znなどを挙げることができる。
【0053】また、[Z1- 、すなわち[M112
・・・An ]において、M1 の具体例としては、B、
Al、Si、P、As、Sbなど、好ましくはB及びA
lが挙げられる。
【0054】また、A1 、A2 〜An の具体例として
は、ジアルキルアミノ基としてジメチルアミノ基,ジエ
チルアミノ基など、アルコキシ基若しくはアリールオキ
シ基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブトキシ基,
フェノキシ基など、炭化水素基としてメチル基,エチル
基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,
イソブチル基,n−オクチル基,n−エイコシル基,フ
ェニル基,p−トリル基,ベンジル基,4−t−ブチル
フェニル基,3,5−ジメチルフェニル基など、ハロゲ
ン原子としてフッ素,塩素,臭素,ヨウ素、ヘテロ原子
含有炭化水素基としてp−フルオロフェニル基,3,5
−ジフルオロフェニル基,ペンタクロロフェニル基,
3,4,5−トリフルオロフェニル基,ペンタフルオロ
フェニル基,3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェ
ニル基,ビス(トリメチルシリル)メチル基など、有機
メタロイド基としてペンタメチルアンチモン基,トリメ
チルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフェニルアル
シン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジフェニル硼
素などが挙げられる。
【0055】また、非配位性のアニオンすなわちpKa
が−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッ
ド酸及びルイス酸の組合わせの共役塩基[Z2- の具
体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン
(CF3 SO3- 、ビス(トリフルオロメタンスルホ
ニル)メチルアニオン、ビス(トリフルオロメタンスル
ホニル)ベンジルアニオン、ビス(トリフルオロメタン
スルホニル)アミド、過塩素酸アニオン(ClO4
- 、トリフルオロ酢酸アニオン(CF3 CO2 - 、ヘ
キサフルオロアンチモンアニオン(SbF6- 、フル
オロスルホン酸アニオン(FSO3- 、クロロスルホ
ン酸アニオン(ClSO3- 、フルオロスルホン酸ア
ニオン/5−フッ化アンチモン(FSO3 /SbF5
- 、フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化砒素(F
SO3 /AsF5- 、トリフルオロメタンスルホン酸
/5−フッ化アンチモン(CF3 SO3 /SbF5-
などを挙げることができる。
【0056】このような前記(A)成分の遷移金属化合
物と反応してイオン性の錯体を形成するイオン性化合
物、すなわち(B−1)成分化合物の具体例としては、
テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム、テトラフ
ェニル硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム、テトラフェ
ニル硼酸トリメチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸
テトラエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸メチル
(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラフェニル硼
酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラ
フェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム、テトラ
フェニル硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム、テ
トラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム、テトラフェ
ニル硼酸メチルピリジニウム、テトラフェニル硼酸ベン
ジルピリジニウム、テトラフェニル硼酸メチル(2−シ
アノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸トリ−n−ブチルアンモニウ
ム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフ
ェニルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモ
ニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベ
ンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアン
モニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
トリフェニル(メチル)アンモニウム、テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム、テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリ
ニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ト
リメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)硼酸メチルピリジニウム、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸ベンジルピリジニウム、テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(2−シア
ノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸ベンジル(2−シアノピリジニウム)、テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(4−シア
ノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸トリフェニルホスホニウム、テトラキス[ビス
(3,5−ジトリフルオロメチル)フェニル]硼酸ジメ
チルアニリニウム、テトラフェニル硼酸フェロセニウ
ム、テトラフェニル硼酸銀、テトラフェニル硼酸トリチ
ル、テトラフェニル硼酸テトラフェニルポルフィリンマ
ンガン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フ
ェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
硼酸(1,1’−ジメチルフェロセニウム)、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセ
ニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチ
ル、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウ
ム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナトリ
ウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テオ
ラフェニルポルフィリンマンガン、テトラフルオロ硼酸
銀、ヘキサフルオロ燐酸銀、ヘキサフルオロ砒素酸銀、
過塩素酸銀、トリフルオロ酢酸銀、トリフルオロメタン
スルホン酸銀などを挙げることができる。
【0057】この(B−1)成分である、該(A)成分
の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成する
イオン性化合物は一種用いてもよく、また二種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0058】一方、(B−2)成分のアルミノキサンと
しては、一般式(6)(化6)
【0059】
【化6】 〔式中、R9 は炭素数1〜20、好ましくは1〜12の
アルキル基,アルケニル基,アリール基,アリールアル
キル基などの炭化水素基、sは重合度を示し、通常3〜
50、好ましくは7〜40の整数である。〕、及び一般
式(7)(化7)
【0060】
【化7】 〔式中、R9 及びsは、前記と同じである。〕及びこれ
らの組み合わせで、示されるアルミノキサン化合物を挙
げることができる。
【0061】前記アルミノキサンの製造法としては、ア
ルキルアルミニウムと水などの縮合剤とを接触させる方
法が挙げられるが、その手段については、特に限定はな
く、公知の方法に準じて反応させればよい。例えば、
有機アルミニウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、こ
れを水と接触させる方法、重合時に当初有機アルミニ
ウム化合物を加えておき、後に水を添加する方法、金
属塩などに含有されている結晶水、無機物や有機物への
吸着水を有機アルミニウム化合物と反応させる方法、
テトラアルキルジアルミノキサンにトリアルキルアルミ
ニウムを反応させ、さらに水を反応させる方法などがあ
る。なお、アルミノキサンとしては、トルエン不溶性の
ものであってもよい。これらのアルミノキサンは一種用
いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0062】(B−3)成分の(A)と反応して安定な
イオン性錯体を形成するルイス酸については、特に制限
はなく、有機化合物でも固体状無機化合物でもよい。
【0063】例えば、有機化合物としては、硼素化合物
やアルミニウム化合物などが、無機化合物としてはマグ
ネシウム化合物,アルミニウム化合物などが好ましく用
いられる。
【0064】該アルミニウム化合物としては、例えばビ
ス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)
アルミニウムメチル,(1,1−ビ−2−ナフトキシ)
アルミニウムメチルなどが、マグネシウム化合物として
は、例えば塩化マグネシウム,ジエトキシマグネシウム
などが、アルミニウム化合物としては、酸化アルミニウ
ム,塩化アルミニウムなどが、硼素化合物としては、例
えばトリフェニル硼素、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼素、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)フェニル]硼素、トリス[(4−フルオロメチル)
フェニル]硼素、トリメチル硼素、トリエチル硼素、ト
リ−n−ブチル硼素、トリス(フルオロメチル)硼素、
トリス(ペンタフルオロエチル)硼素、トリス(ノナフ
ルオロブチル)硼素、トリス(2,4,6−トリフルオ
ロフェニル)硼素、トリス(3,5−ジフルオロ)硼
素、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェ
ニル]硼素、ビス(ペンタフルオロフェニル)フルオロ
硼素、ジフェニルフルオロ硼素、ビス(ペンタフルオロ
フェニル)クロロ硼素、ジメチルフルオロ硼素、ジエチ
ルフルオロ硼素、ジ−n−ブチルフルオロ硼素、ペンタ
フルオロフェニルジフルオロ硼素、フェニルジフルオロ
硼素、ペンタフルオロフェニルジクロロ硼素、メチルジ
フルオロ硼素、エチルジフルオロ硼素、n−ブチルジフ
ルオロ硼素などが挙げられる。これらのルイス酸は一種
用いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0065】該重合用触媒における(A)触媒成分と
(B)触媒成分との使用割合は、(B)触媒成分として
(B−1)化合物を用いた場合には、モル比で好ましく
は10:1〜1:100、より好ましくは2:1〜1:
10の範囲が望ましく、また(B−2)化合物を用いた
場合には、モル比で好ましくは1:1〜1:100,0
00、より好ましくは1:10〜1:10,000の範
囲が望ましい。前記(A)触媒成分と(B−3)触媒成
分との使用割合は、モル比で、好ましくは1:0.1〜
1:2,000、より好ましくは1:0.2〜1:1,
000、さらに好ましくは1:0.5〜1:500の範
囲が望ましい。また、触媒成分(B)としては(B−
1),(B−2),(B−3)などを単独又は二種以上
組み合わせて用いることもできる。
【0066】該重合用触媒は、前記の(A)成分及び
(B)成分を主成分として含有するものであってもよい
し、また、(A)成分、(B)成分及び(C)少なくと
も1個以上の金属と炭化水素基の結合を有する周期律表
第1、第2または第13族の有機金属化合物を含有する
ものも使用できる。
【0067】(C)成分としては特に有機アルミニウム
化合物が好ましく使用できる。ここで、(C)成分の有
機アルミニウム化合物としては、一般式(8)(化8)
【0068】
【化8】 R10 r AlQ3-r 一般式(8) 〔式中、R10は炭素数1〜10のアルキル基、Qは水素
原子,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20
のアリール基又はハロゲン原子を示し、rは1〜3の整
数である。〕で示される化合物が用いられる。
【0069】前記一般式(8)で示される化合物の具体
例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジ
エチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジク
ロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアル
ミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリ
ド、ジエチルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウ
ムセスキクロリド等が挙げられる。これらの有機アルミ
ニウム化合物は一種用いてもよく、二種以上を組合せて
用いてもよい。
【0070】前記(A)触媒成分と(C)触媒成分との
使用割合は、モル比で好ましくは1:1〜1:10,0
00、より好ましくは1:5〜1:2,000、さらに
好ましくは1:10ないし1:1,000の範囲が望ま
しい。該(C)触媒成分を用いることにより、遷移金属
当たりの重合活性を向上させることができるが、あまり
多いと有機アルミニウム化合物が無駄になるとともに、
共重合体中に多量に残存し、好ましくない。
【0071】本発明においては、触媒成分の少なくとも
一種を適当な担体に担持して用いることができる。該担
体の種類については、特に制限はなく、無機酸化物担
体、それ以外の無機担体及び有機担体のいずれも用いる
ことができるが、特に無機酸化物担体あるいはそれ以外
の無機担体が好ましい。無機酸化物担体としては、具体
的には、SiO2 ,Al23 ,MgO,ZrO2 ,T
lO2 ,Fe23 ,B 23 ,CaO,ZnO,Ba
O,ThO2 やこれらの混合物、例えば、シリカアルミ
ナ,ゼオライト,フェライト,グラスファイバーなどが
挙げられる。これらの中では、特にSiO2 ,Al2
3 が好ましい。なお、上記無機酸化物担体は、少量の炭
酸塩,硝酸塩,硫酸塩などを含有してもよい。
【0072】一方、上記以外の担体としては、MgCl
2 ,Mg(OC252 などのマグネシウム化合物な
どで代表される一般式MgR11 x1 y で表されるマグ
ネシウム化合物やその錯塩も使用できる。
【0073】助触媒としてはこれらを1種ないし2種以
上混合して使用することができる。
【0074】ゴム状重合体の重合方法は溶媒重合法ある
いは実質的に溶媒の存在しない塊状重合法、気相重合法
などの従来の方法が利用でき、また重合条件についても
特に制限はなく通常、反応温度は常温〜250℃、圧力
が常圧〜50kg/cm2で行われる。
【0075】本発明において用いられるスチレンとジエ
ンとの共重合体は、スチレンとジエンを共重合して得ら
れるものであり、ジエンとしては直鎖でも、分岐があっ
てもまた環状でもよく、酸素、硫黄、硼素等のヘテロ原
子や原子団を含んでいてもよい。例えば1,3−ブタジ
エン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘ
キサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジ
エン、7−メチル−1,6−オクタジエン、1,7−オ
クタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエ
ン、1,10−ウンデカジエン、1,11−ドデカジエ
ン、1,13−テトラデカジエン、ノルボルナジエン、
ビニリデンノルボルネン、ジビニルベンゼン、ジビニル
シクロヘキサン、シクロペンタジエン等が例示され、特
に好ましくは1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエ
ン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、7
−メチル−1,6−オクタジエン、1,9−デカジエン
及びビニリデンノルボルネンである。
【0076】その重合方法は溶媒重合法あるいは実質的
に溶媒の存在しない塊状重合法、気相重合法などの従来
の方法が利用でき、また重合条件についても特に制限は
なく通常、反応温度は常温〜250℃、圧力が常圧〜5
0kg/cm2で行われる。
【0077】通常このような方法で得られたゴム状重合
体であるスチレン、ジエン共重合体中のスチレンとジエ
ンのモル比は3/97〜85/15の範囲にあることが
好ましく、より好ましくは5/95〜80/20であ
る。
【0078】スチレン含量が3モル%に満たないとスチ
レン系樹脂の成形加工性、物性のバランスの改良効果が
小さくなる。また85モル%を越えるとゴムとしての性
質、効果が小さくなるので好ましくない。
【0079】本発明のゴム状重合体は該重合体中に含ま
れる二重結合単位のモル数[M]とジエン単位のモル数
[M0]が下記式(1)(数3)で表される関係にあり
ることが必要である。
【0080】
【数3】0.1<([M]/[M0])<0.9 [M]/[M0]が0.1未満ではスチレン系単量体の
グラフト反応が起こりにくいので本発明の効果が達成で
きない。また[M]/[M0]が0.9を超えると加熱
によりゴム成分の架橋を生じてゴムが固くなって本発明
の効果がでないので好ましくない。本発明のゴム状重合
体は前記のように不飽和結合の量が重要であり、特定の
触媒系で重合したものであれば、そのまま使用できる。
【0081】さらにこのゴム状重合体の分子量として
は、25℃のスチレン溶液中で5wt.%での溶液粘度
が5〜150cpsで表される範囲、好ましくは10〜
50cpsの範囲であり、示差走査熱量計(DSC)で
求めたガラス転移温度が−30℃以下、好ましくは−3
5℃以下である。
【0082】上記各成分の混合、あるいは必要に応じ添
加される酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止
剤、あるいは他の核剤など公知の添加剤との混合方法に
ついては特に制限は無く、それぞれの成分をヘンシェル
ミキサー、V型ブレンダー等で混合後、押出機、あるい
はロール。バンバリーミキサー、ニーダー等で溶融混合
し一度造粒してペレット状にしておくことが好ましい。
【0083】また本発明は上記のゴム状重合体をスチレ
ン系単量体或いはスチレン系単量体及びスチレン系単量
体に共重合可能な単量体の混合物に溶解し、この溶液を
重合させるゴム変性スチレン系樹脂組成物の製造方法で
ある。
【0084】ゴム状重合体を溶解したスチレン系単量体
を含む溶液を重合させることによりゴム状重合体にスチ
レン系単量体がグラフトされるため、単なるブレンドに
比べて耐衝撃強度と剛性のバランスが良好になり好まし
い。
【0085】すなわち重合方法としてはゴム状重合体を
スチレン系単量体或いはスチレン系単量体及びスチレン
系単量体に共重合可能な単量体の混合物に溶解した溶液
を塊状重合又は塊状一懸濁二段重合法にて重合する等に
より得られるが、重合方法は特に限定はなく熱重合或い
は触媒重合により製造される。
【0086】ゴム溶液にはベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、アセトン、イソプロピルベンゼ
ン、メチルエチルケトンや塩化メチレンなどの溶剤が含
まれていてもよい。
【0087】本発明においては、ゴム状重合体にスチレ
ン系モノマーをグラフトさせて、さらにゴム状重合体を
粒子化して樹脂中に分散させるがこれらの反応は熱重合
あるいは反応の際に重合開始剤を使用することも好まし
い。
【0088】例えば本発明で用いることのできる重合開
始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイド、t−ブチルパ−オキシピバレー
ト、t−ブチルパ−オキシベンゾエート、t−ブチルパ
−オキシイソブチレート、t−ブチルパ−オキシオクト
エート、クミルパ−オキシオクトエート、1,1−ビス
(t−ブチルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシロ
キサン、2,2−ビス(t−ブチルパ−オキシ)オクタ
ン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)
バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパ−オキシ)ブ
タン、t−ブチルパ−オキシマレイン酸、t−ブチルパ
−オキシイソプロピルカーボネート、ジクミルパーオキ
サイド、t−ブチルハイドロパ−オキサイド、クメンハ
オドロパーオキサイド等が挙げられる。これらは単独で
はあるいは2種以上組み合わせて用いられる。これらの
重合開始剤の使用量としては例えば有機過酸化物を使用
する場合には有機過酸化物をゴム状重合体を溶解した溶
液100重量部に対し、0.0005〜0.05重量部
使用することが好ましい。0.05重量部より多く使用
すると巨大粒子が一部生成し、成形品の表面状態が悪く
なることがあるので好ましくない。
【0089】本発明において、スチレン系共重合体の分
子量調節のために連鎖移動剤を使用することができる。
例えばα−メチルスチレンダイマー、t−ドデシルメル
カプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメ
ルカプタン等の使用が可能である。
【0090】本発明の重合では溶液重合あるいは塊状重
合であるが、その重合工程では特定の反応槽に限定され
ず、例えば完全混合型反応槽、管型反応槽、塔型反応槽
等が用いられ、それらの反応槽の種類や数は特に限定さ
れない。
【0091】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物に
は必要に応じてヒンダードフェノール系酸化防止剤、リ
ン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤、
ミネラル油等の流動性改良剤、ステアリン酸、ステアリ
ン酸亜鉛、有機ポリシロキサン等の離型剤を原料溶液或
いは重合の途中もしくは重合の終了した時点で添加して
もよい。
【0092】
【実施例】以下実施例を示して本発明を具体的に説明す
る。
【0093】物性の評価 (1)アイゾット衝撃強度:JISK−6871に準じ
て測定 (2)曲げ弾性率:JIS K7203に準じて測定し
た。 (3)[M]の測定法:共重合体に含まれる二重結合単
位のモル数[M]は赤外吸収スペクトルやNMRスペク
トルから求めることが可能であり、本願の実施例では赤
外吸収スペクトルから共重合体中に含まれる二重結合単
位のモル数を算出した。 (4)[M0]の測定法 共重合体に含まれるジエンに起因する単位はNMRスペ
クトルやゴムを製造する時のジエンの反応量から求める
ことが可能であり、本願の実施例ではゴムの合成時に使
用したジエンの量から未反応単量体を回収した回収でき
たジエンとの差として求め、ジエン単位のモル数とし
た。
【0094】実施例1 〔スチレン/ジエン共重合体の合成〕内容積200リッ
トルのステンレス製オートクレーブにエチルベンゼン1
00リットル、さらにトリフェニルカルベニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート20ミリモル
を入れ、さらに20℃でスチレン15kgを導入して、
常法にしたがって合成したペンタメチルシクロペンタジ
エニルメトキシチタニウムジクロリド4ミリモルを10
0mlのトルエンに溶解した溶液を加えて、さらに20
℃に保ちながら1,4−ヘキサジエンを装入し、70℃
で6時間重合した。
【0095】重合終了後、イソプロピルアルコール50
リットルを加えてポリマーを凝固させた後、ポリマーを
ろ過して取り出し、80℃で8時間真空乾燥してスチレ
ン/ブタジエン共重合体(以下、ゴム状共重合体と記
す。)を得た。得られたゴム状共重合体のスチレンとジ
エンとのモル比は35/65、([M]/[M0])が
0.8、25℃のスチレン溶液中で5wt.%での溶液
粘度が24cps、DSCで求めたガラス転移温度が−
35℃であった。
【0096】〔樹脂組成物の製造〕ポリスチレン(三井
東圧化学(株)製トーポレックス525−51)100
重量部に対し、上記ゴム状重合体を8重量部加え、さら
に酸化防止剤0.1重量部、ステアリン酸カルシウム
0.1重量部を加えヘンシェルミキサーで混合した後、
押し出し機で230℃で加熱混合しペレットを得た。こ
のペレットを用い射出成形機(小松製作所(株)社製、
FSM55T)でテストピースを成形し物性を測定した
ところアイゾット衝撃強度は5.8kg・cm/cm、
曲げ弾性率は2.5kg/cm2であった。
【0097】実施例2 3基の直列の攪拌機付き反応器の出口に予熱器、ついで
真空槽を連結した連続塊状重合装置を用いてゴム変性ス
チレン系樹脂を製造した。第1基目の攪拌機付き反応槽
に実施例1で得られたゴム状重合体4.2重量部、エチ
ルベンゼン15重量部、スチレン79重量部、有機過酸
化物として1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン0.005重量部よ
りなる原料液を連続的に供給した。第1基目の反応温度
は142℃、第2基目は反応温度を145℃、第3基目
は反応温度を145℃し、予熱器の温度を210〜25
0℃に保持し、真空槽の真空度は40Torrとした。
得られたポリマーの物性測定結果はアイゾット衝撃強度
は11.6kg・cm/cm、曲げ弾性率は2.5kg
/cm2であった。
【0098】実施例3 実施例1においてスチレンとジエンのモル比を変えて重
合しゴム状共重合体を得た。このゴム状共重合体のスチ
レンとジエンとのモル比は15/85、([M]/[M
0])は0.8、25℃のスチレン溶液中で5wt.%
での溶液粘度が36cps、、DSCで求めたガラス転
移温度が−40℃であった。ゴム状重合体を上記のもの
に代えた以外は実施例1と同様にして行い、アイゾット
衝撃強度は12.5kg・cm/cm、曲げ弾性率は
2.4kg/cm2であった。
【0099】比較例1 ゴム状共重合体を混合せず、ポリスチレン(三井東圧化
学(株)社製、トーポレックス525−51)だけを用
いた他は実施例1と同様に行ったところ、アイゾット衝
撃強度は2.5kg・cm/cm、曲げ弾性率は3.5
kg/cm2であった。
【0100】実施例4 1,4−ヘキサジエンの代わりに7−メチル−1,6−
オクタジエン2.5kgを用いた他は実施例1と同様に
して共重合をおこないスチレン/ジエン共重合体を得
た。得られたゴム状共重合体はスチレンとジエンとのモ
ル比が30/70、([M]/[M0])が0.8、2
5℃のスチレン溶液中で5wt.%での溶液粘度が28
cps、、DSCで求めたガラス転移温度が−38℃で
あった。ゴム状重合体を上記のものに代えた以外は実施
例2と同様にして行い、アイゾット衝撃強度は10.8
kg・cm/cm、曲げ弾性率は2.5kg/cm2
あった。
【0101】
【発明の効果】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、衝撃強度、及び外観とのバランスが優れており、家
庭電気製品、電気機器等の部品材料の用途において産業
上状の利用価値は大きいものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体の単独重合体またはス
    チレン系単量体とスチレン系単量体に共重合可能な単量
    体との共重合体にゴム状重合体粒子を分散させてなるゴ
    ム変性スチレン系樹脂組成物であって、ゴム状重合体粒
    子の形成原料であるゴム状重合体が、スチレンとジエン
    とからなる共重合体であって、該共重合体のスチレンと
    ジエンとのモル比が3/97〜85/15の範囲にあ
    り、該共重合体中に含まれる二重結合単位のモル数
    [M]とジエン単位のモル数[M0]が下記式(1)
    (数1)で表される関係にあり、 【数1】0.1<([M]/[M0])<0.9 25℃のスチレン溶液中で測定した5wt.%の溶液粘
    度が5〜150cpsで表される範囲であり、示差走査
    熱量計(DSC)で求めたガラス転移温度が−30℃以
    下であることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 ゴム状重合体が (A)下記一般式(1、2、3)(化1) 【化1】 (A)M(R1)(R2)(R3) 一般式(1) (A)(B)M(R1)(R2) 一般式(2) (A)(B)(C)M(R1) 一般式(3) (式中A、BおよびCは、Mに結合または配位している
    π系)の不飽和化合物よりなる基、シクロペンタジエニ
    ル基またはその誘導体基、周期律表第13族、14族、
    15族及び16族の複素原子がMに結合または配位して
    いる基よりなる配位子であり、A、B及びCはそれぞれ
    の間で一重結合、二重結合またはそれらの組合せで結合
    されていても良い。A、BおよびCはMに結合または配
    位しており、A,B及びCでMが共鳴結合しているもの
    も含む。R1、R2、R3はそれぞれ水素原子、ハロゲン
    原子、有機メタロイド基、アルコキシ基、アミノ基、炭
    化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基を示し、それ
    らはお互いに同一でも異なっていてもよい。R1、R2
    びR3間で架橋していても良く、またR1、R2及びR3
    Mとが架橋していてもよい。Mは周期律表第3族、第4
    族、第5族、ランタノイド系またはアクチノイド系の金
    属である。) (B)(B1)〜(B3)より選ばれた少なくとも一種
    の、(A)と反応して安定なイオン性の錯体を形成する
    化合物 (B1)アルミノキサン、(B2)(A)と反応して安
    定なイオン性の錯体を形成する嵩高いアニオンとカチオ
    ンから形成されるイオン性化合物、(B3)(A)と反
    応して安定なイオン性の錯体を形成するルイス酸化合物 (C)必要に応じて少なくとも1個以上の炭化水素残基
    を有する周期律表第1、2族または13族の有機金属化
    合物よりなる触媒を使用して、スチレンとジエンとを共
    重合して得られたものであることを特徴とする請求項1
    記載のゴム変成スチレン系共合体樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 スチレン系単量体の単独重合体またはス
    チレンとスチレン系単量体に共重合可能な単量体と、前
    記ゴム状重合体とを溶融混合することを特徴とする請求
    項1または2記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載のゴム状
    重合体をスチレン系単量体或いはスチレン系単量体及び
    スチレン系単量体に共重合可能な単量体に溶解し、この
    溶液を重合させることを特徴とするゴム変性スチレン系
    樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 ゴム状重合体を粒子化する際に、ゴム状
    重合体が溶解した溶液100重量部に対し、有機過酸化
    物を0.0005ないし0.05重量部添加する請求項
    4記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物の製造方法。
JP8394697A 1997-04-02 1997-04-02 ゴム変性スチレン系樹脂組成物およびその製造方法 Pending JPH10279770A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002172673A (ja) * 2000-09-29 2002-06-18 Denki Kagaku Kogyo Kk 異型押出成形品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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