JPH10276715A - 支持物質上のアスパルテーム - Google Patents

支持物質上のアスパルテーム

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JPH10276715A
JPH10276715A JP9090544A JP9054497A JPH10276715A JP H10276715 A JPH10276715 A JP H10276715A JP 9090544 A JP9090544 A JP 9090544A JP 9054497 A JP9054497 A JP 9054497A JP H10276715 A JPH10276715 A JP H10276715A
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JP
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apm
aspartyl
methyl ester
aspartame
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JP9090544A
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Leopold Franciscus Buinandasu Furoigerusu
レオポルド フランシスカス ブィナンダス フロイゲルス
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Holland Sweetener Co VOF
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Holland Sweetener Co VOF
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】全部又は十分な量のAPMが、明らかに10重
量%を超える量の支持物質上に沈着し、溶解性及び取扱
い性が良好な組成物に変換させる簡単で効率的な方法を
提供する。 【解決手段】(1)使用するα−L−アスパルチル−L
−フェニルアラニンメチルエステルが、(a)主として
100μm未満である自発的な凝集状態で生成した粒子
及び/又は主として50μm未満である個々の粒子から
成り立ち、(b)密度が350kg/m3 以下のゆるみ
嵩密度を有し、(c)強制流動下で水溶性媒体からα−
L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステ
ルを晶析し、顆粒化してから、適当な性質を有する機能
を持たせる様に、生成した粒子を機械的に小さくするこ
とにより得られ、(2)α−L−アスパルチル−L−フ
ェニルアラニンメチルエステルが短時間に、食用支持物
質に緩い混合条件下で接触することを特徴とする支持物
質上のアスパルテームを製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾燥状態でα−L
−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル
及び支持物質を混合することにより、主として100μ
m未満の粒子径を有するα−L−アスパルチル−L−フ
ェニルアラニンメチルエステルを食用の支持物質に沈着
させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】その様な方法は、特公平5−7983に
おいて公知である。当該特許は、APMと当該蔗糖とを
混合することにより、微細で粉砕したα−L−アスパル
チル−L−フェニルアラニンメチルエステル(以降、ア
スパルテーム又はAPMと略記する)を顆粒状の砂糖
(蔗糖)の表面に均一に被覆できることが記載されてい
る。この特許とは別に、使用されるAPM及び顆粒状の
蔗糖は、各々、100μm未満(APM)及び0.01
〜3mmの粒子径を有する。しかしながら、この方法
は、10重量%以上のAPMを蔗糖上に沈着するのに全
く好ましくなく、0.5〜5重量%のAPMしか含まな
い製品を作製するのに好ましいとされている。組成物中
における高濃度のAPMの場合、相当の割合のAPMが
自由な形態で残存する。このことは、組成物の均一性や
安息角が小さいとして表現される流動性に対して障害と
なり、粉立ちの問題も生じる。使用する装置の内壁及び
/又は包装材料へのAPMの過度の固着もまた、しばし
ば遭遇し、自由なAPM粒子は凝集し、得られる組成物
において、APMの溶解速度に逆効果となる。
【0003】α−L−アスパルチル−L−フェニルアラ
ニンメチルエステル(アスパルテーム;APM)は砂糖
の200倍の甘味度を有するジペプチド甘味料である。
アスパルテームは種々の食料品、ソフトドリンク、菓
子、薬品、卓上甘味料等、広く使用されている。APM
は、しばしば即席粉末飲料や即席デザート製品等の乾燥
混合物としても使用される。
【0004】APMの使用(及び/又は他の甘味料との
混合物の使用)、特に粉末APMの使用は、その製品に
おいて、粉立ちが十分に抑えられず(即ち、多くの微粉
を有する)、流動性が乏しく(このことは部分的に製品
が若干静電気を帯びることから生じる)、又は、例えば
凝集体の生成により、溶解時間がかなり長くなること
が、しばしば取扱い上の障害となる。
【0005】この様な問題点を少なくするために、食品
工業では、APMと食用支持物質(例えば、クエン酸、
マルトデキストリン、アセスルフェームK、アリターム
等)とを組成物に変える努力が払われた。他に、上述の
特許には、組成物において可能なAPM濃度が限定され
ている(通常は最大5重量%であるが、最大10重量%
まで)方法が記載されているか又は公知であり、その様
な組成物又は、例えば湿潤剤の様な補助物を含まずAP
M高濃度の組成物を製造する簡単な方法は記載されてお
らず、労力を費やす方法しか記載されているか又は公知
である。例えば、10重量%を超えるAPM濃度になる
様に、APMと他の物質から成る組成物が製造できる幾
つかの刊行物が知られている。しかしながら、その様な
刊行物によれば、出来た製品中の大部分のAPMは支持
物質上に沈着せず、通常はAPMの50重量%以下、し
ばしば、15重量%以下しか支持物質上に沈着しておら
ず、付加物の使用又は労力を費やす工程を含む方法であ
る。以下の方法が例として引用することができる。
【0006】−スプレードライ、又は支持物質と濃縮A
PM溶液とスプレーしてから乾燥する(ZA−9205
142); −凍結乾燥(US−A−3922369); −湿らせながら混合してから乾燥(US−A−5114
726); −湿らせながらバインダー存在下で混合してから乾燥
(特開昭59−059173); −微細混合として知られる、いわゆる“高せん断混
合”、即ち、高エネルギーを加えて粉砕する混合(特公
平2−16142);この特許は、APMの凝集を防止
するために、場合によっては、高せん断混合処理の前に
例えばタンブラー式混合機により混合(言わば、工程中
に他の物質を取り囲む様になり)し、APMが他の成分
又はその一部の中に均一に分布できることが記載されて
いる。しかしながら、この方法においては、APMは確
実に支持物質上に沈着しておらず、物理的混合粉が得ら
れるだけである;この特許の請求項に反して、偏析等が
依然として残っている。
【0007】−混合物を挽いて、均一な粒子径分布の混
合製品を得る(NL−A−7404428)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この様な方法は、特別
の装置又は特別の制御装置及びやっかいな工程、及び/
又は熱に比較的敏感なAPMの分解という別の危険を含
む工程が必要となる。高エネルギーを導入する混合は、
得られる最終製品における粉立ちやドリフトの問題だけ
でなく、エネルギー消費により、通常は都合が悪い。上
記の方法の多くは、APMの壁等への固着を低下するこ
とに有利とはならない。
【0009】それゆえに、APM及び食用支持物質を、
少ないエネルギーしか要しない混合を通して、全部又は
十分な量のAPM、又は殆ど全部、即ち、少なくとも5
0%(十分な量)、好ましくは、少なくとも85%(殆
ど全部)のAPMが、明らかに10重量%を超える量の
支持物質上に沈着し、溶解性及び取扱い性が良好な組成
物に変換させる簡単で効率的な方法が必要である。この
方法が、非常に乾いた条件下、例えば70%以下の相対
湿度下で、又は、非常に乾いた、非吸湿性支持物質を使
用して実施することが出来れば、非常に有利である。
【0010】
【課題を解決するための手段】驚くべきことに、主とし
て100μm未満の粒子径を有するα−L−アスパルチ
ル−L−フェニルアラニンメチルエステルを食用の支持
物質に沈着させ、乾燥状態でα−L−アスパルチル−L
−フェニルアラニンメチルエステル及び支持物質を混合
する方法において、(1)使用するα−L−アスパルチ
ル−L−フェニルアラニンメチルエステルが、(a)主
として100μm未満である自発的な凝集状態で生成し
た粒子及び/又は主として50μm未満である個々の粒
子から成り立ち、(b)密度が350kg/m3 以下の
ゆるみ嵩密度を有し、(c)強制流動下で水溶性媒体か
らα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチル
エステルを晶析し、顆粒化してから、適当な性質を有す
る機能を持たせる様に、生成した粒子を機械的に小さく
することにより得られ、(2)α−L−アスパルチル−
L−フェニルアラニンメチルエステルが短時間に、支持
物質に対して1:1〜1:30の重量割合で、20〜2
000μmの粒子径を有する食用支持物質に緩い混合条
件下で接触することにより支持物質上のアスパルテーム
を製造できることを見出だした。
【0011】この方法により、エネルギーが少なく、添
加物、補助剤又は湿潤剤を使用する必要性がない方法
で、APMを支持物質に沈着する簡単な方法が提供され
る。十分な量のAPMが支持物質上に沈着せず、APM
又は組成物を物理的に混合した物と比較して、得られる
組成物は、小さい安息角を有し、改善された流動性を有
する;さらに、この組成物は粉立ちやドリフトの恐れが
なく、壁等へ固着する傾向が非常に小さいことを示す。
選択する支持物質により、最大50重量%のAPMを支
持物質上に含有することが可能である。
【0012】本方法を通して、APMの大部分が食用の
支持物質上に沈着している非常に均一で好ましい組成物
が、例えば、0.5〜20分という非常に短時間で、非
常に小さい消費エネルギーで得られる。本方法の著しい
効果は、例えば、低い相対湿度(例えば、70%以下、
又は40%以下)の場合、又は、湿らない又は僅かしか
湿らない支持物質を使用する場合の様な非常に乾燥した
条件下で、APMの高濃度が支持物質に完全に又は殆ど
完全に結合している様な素晴らしい組成物が得られるこ
とである。
【0013】本発明の方法が、支持物質に結合している
比較的高濃度のAPMを含有する得られる組成物を、簡
単な方法、簡単な攪拌操作を1つ以上追加し、少ないエ
ネルギーにより、他の支持物質、特別に好適な最終製品
の為に、着色剤、香料及び/又はその他の成分の存在下
または存在しないで、流動性、溶解性、粉立ちやドリフ
トの恐れがないこと等の性質が変化しないで、APM濃
度が低い濃度、例えば0.5〜5重量%で均一な組成物
に変換することができる更なる効果を提供することも見
出だされた。さらなる処理において、支持物質に結合し
ている比較的高濃度のAPMを含有する組成物は、支持
されたAPMの元組成物又は前混合物として見なすこと
が出来る。得られる組成物と追加の支持物質の重量比
は、1:1〜1:20の範囲が好ましい。
【0014】表現可能な本発明の最終的な効果は、本発
明の混合操作が採用した緩やかな条件のために、いわゆ
る“過混合”の恐れが少ないことである。
【0015】“過混合”とは、混合時間が何らかの理由
で厳密に混合に必要な時間より長くなった時に、既に良
く混合されていた組成物が二次分離する現象と理解され
ている。長い混合時間で二次的に凝集する傾向を示す粉
末組成物は分離粉末として知られている。分離が起こら
ない場合、その粒子は凝集粒子として知られている。凝
集粒子及び分離粒子の挙動についての更なる情報は“M
ixing inthe Process Indus
tries, 第2版、p.10〜16(1992),
著者:N.Harnby等,発行所:Butterwo
rth &Heinemann Ltd, Oxfor
d”にも掲載されている。当業者は凝集(混合)粒子と
自由流動(混合)粒子とを時には区別できる;本発明に
より得られる組成物の流動性は、支持物質の粒子径およ
び特性により大部分決定され、しばしば自由流動性にな
る。
【0016】本発明に使用できるAPMは、強制流動下
で水性媒体から晶析、その後の顆粒化、乾燥及びAPM
の一部が350kg/m3 以下の自由バルク密度を有す
る様に処理する限りでは、大部分が100μm未満の自
然と集合した状態の固体のAPM及び/又は大部分が5
0μm未満である個々の粒子から成るいかなるAPMで
もよい。“自然の集合”とは、本発明において、乾燥形
態で、特に何もしないで自然に集合するAPM粒子を意
味すると理解される。“大部分が100μm未満”と
は、集合体を含むAPM粒子の少なくとも99重量%が
100μm未満であることを意味すると理解される。
【0017】晶析、分離、乾燥、顆粒化及び粉砕により
得られ、本発明の方法で使用されるAPMの粒子径は、
自然に集合した粒子を含めて粒子の少なくとも99重量
%が100μm未満であり、好ましくは少なくとも85
重量%が80μm未満である。さらに好ましくは、少な
くとも99重量%が80μm未満であり、少なくとも8
5重量%が60μm未満である。特に、少なくとも99
重量%が50μm未満であり、少なくとも99重量%が
25μm未満であることが最も好ましい。本発明で使用
されるAPMが全体的又は部分的に集合体から構成され
ている場合は、APM集合体は、大部分が50μm未
満、好ましくは40μm未満、特に好ましくは25μm
未満の個々のAPM粒子から成り立っていなければなら
ない。APM粒子の大部分が25μm未満の場合に、ド
リフトの恐れ、溶解速度、流動性等で一番良い結果が得
られる。
【0018】本発明での支持物質としては、強力甘味料
と組合わせて使用される、公知の固体食料成分、例え
ば、増量剤の群から選択できる。この様な成分の例は、
グルコースの様で、右旋糖又は果糖の様な単糖類、フラ
クトース、サッカロースの様でショ糖、甘蔗糖やてんさ
いの様な二糖類、ラクトースやマルトース、スタキオー
スやラフィノースの様なオリゴ糖、澱粉の様な多糖類、
サイクロデキストリン、イヌリン(ポリフラクトース)
やポリデキストロースの様なフラクトース、ソルビトー
ル、マニトール、マルチトール、ラクチトール、キシリ
トール、エリスリトール、トレハロース、パラチトー
ル、スクロース、イヌリンおよびイソマルトの様な糖ア
ルコール及びその他の炭水化物や多価アルコールなどの
広い群から選らぶことができる。これらの物質の幾つか
は、一水和デキストロースの様な水和物としても使用で
きる。乳酸、リンゴ酸、クエン酸の様な食用酸、又はそ
の様な食用酸の塩、又は蛋白質の加水分解塩及びバニラ
の様な乾燥食料も支持物質として使用してもよい。
【0019】本発明の方法で通常使用される固体支持物
質は、通常比較的狭い分布、例えば、大きい方から10
%の粒子径と、小さい方から10%の粒子径との差が最
大約500μmで、その全ての粒子径が20〜2000
μmに範囲にある粒子径を有する。製品の少なくとも9
0重量%が20〜500μmの範囲に存在する支持物質
が最も好ましい。支持物質の性質に応じて、その様な粒
子径を有する製品は市販されている製品として入手可能
であるか、又は、市販の製品を当業者にとって公知の方
法、例えば、篩分や時には挽いて、分級により簡単に分
離することができる。種々の支持物質、例えば、クエン
酸やマルトデキストリンの場合において、500μmを
超える粒子径、例えば、約1200〜2000μmの粒
子径を有する支持物質を使用することも可能である。
【0020】既述の20〜2000μmの粒子径の範囲
よりも狭いか又は20〜500μm粒子径分布よりも狭
い粒子径を有する支持物質から選択することが好まし
い。狭い粒子径分布、例えば、支持物質の少なくとも8
0重量%が、最大値と最小値とが200μm違わない範
囲におさまる場合、個々の粒子の甘味力の点及組成物の
外観の点において均一な製品が得られる。流動性も通常
は良好となる。
【0021】違う支持物質を混合して使用することも可
能である。本発明の方法において使用する前に、支持物
質と、APMで甘味付与された所望の最終製品に添加す
べき1つ以上の着色剤又は香料の全量又は一部と混合し
ていても構わない。選択した支持物質により、例えば、
湿潤度及び着色剤や香料として時には使用される添加物
に関し、支持されたAPMの処理方法を若干変更しなけ
ればならない。当業者は、プロセス条件及び装置を適切
に選択することによりその変更を容易に見いだすことが
可能である。Pharmeuropa,Vol.4
(3),p.228−230(1992)に提案されて
いる分類及び試験方法は、使用する支持物質の湿潤度に
ついて良い情報を提供する。その分類によれば、79%
の相対湿度で空気中で15%を超える湿気を吸収する物
質を非常に湿潤性の物質と呼ばれる。その様な物質は、
本発明の範囲内の支持物質として使用することができる
が、この場合、使用可能な湿気の影響下でのみ支持物質
への固着が可能となり、言い換えれば、湿らせるのに使
用される公知の方法とは比較される方法である。
【0022】2〜15%の湿気を吸収する物質は、湿潤
物質と呼ばれる;0.2%未満しか吸収しない物質は、
非湿潤物質と呼ばれる。25℃、相対湿度79%で0.
2〜2%の湿気を吸収する物質は、僅かに湿潤性である
物質と呼ばれる。湿潤度が低い支持物質が本発明では明
瞭に有利である。低い相対湿度、例えば、相対湿度が7
0%未満で実施した場合、有利なことは明瞭である。特
に、湿潤性支持物質は実際に、所謂、“乾燥品”例えば
即席粉末飲料等に適さない(但し、その様な湿潤性支持
物質を使用しないことが、本発明の限定を意味するもの
でない。)。使用に適する支持物質は、少なくともソル
ビトールの様な湿潤度及びそれより低い湿潤度を有す
る、例えば、キシリトール、マリトール、サッカロー
ス、イソマルト及びラルチトールを含む。
【0023】既述の様に、本発明で使用されるAPM
は、なかんずく、強制流動による水溶性媒体からの晶析
から得ることができる。強制流動によるAPMの晶析方
法は、当業者にとって公知である;本発明の範囲におい
て、水溶性媒体中で実施される方法であればどんな方法
でもよい。APMは中和晶析を通してAPM塩酸塩の様
な塩としても得ることができる。“水溶性媒体”とは、
水又は例えば最大25wt%の低級アルコール(C1
3 )までの限られた濃度を含有する水と理解される。
強制流動は、例えば、晶析に使用される溶液の一部又は
全部を循環するか、又は、攪拌や別の方法により晶析に
使用される溶液を流動させ続けることにより実現でき
る。晶析は、例えば、直接冷却又は間接冷却、又は蒸発
による水溶性溶媒の除去により実施される。勿論、強制
流動なしでの晶析により得られるAPM、即ち、所謂静
置晶析により得られるAPMは、強制流動による再晶析
を通して本発明に使用できる範囲で使用可能なAPMに
変換することも可能である。
【0024】晶析により生成する固体APMは、当業者
に公知のいかなる方法において、残存している水溶性溶
媒から分離することができ、公知の方法により乾燥およ
び顆粒化され、その後、粉砕により小粒化される。好適
な乾燥法の例は、流動床乾燥、超音波乾燥、真空乾燥等
がある。乾燥、顆粒化及び粉砕されたAPMが350k
g/m3 以下のゆるみ嵩密度を有すれば、乾燥と顆粒化
の順序は重要でない。乾燥と顆粒化は、例えば、高速櫂
型乾燥機(HPSD)を使用すれば、一つのプロセスに
まとめることが可能である。得られるAPMの粒子径の
大きい方、即ち、粒子径の大きい方から15重量%の範
囲が本発明の範囲に入らない場合、その範囲に入る様
に、本発明の方法に使用する前に、例えば粉砕によるA
PMの分級を最初に実施しなければならない。この目的
の為の方法として、種々の方法が使用でき、最も簡単な
方法は、上限値の目開きを有する篩、及び/又は、粉砕
により分離する方法である。小粒化は、(場合により粉
砕を通して)は、例えば、釘付型粉砕機又はボールミル
により実施できる。この様にして、乾燥、顆粒化してか
ら小粒化されて得られたAPMは、通常は350kg/
3 以下のゆるみ嵩密度を有する。
【0025】ゆるみ嵩密度(又はFBD)は、ASTM
D1895−89(1990)の方法により定量され
る。
【0026】本発明の方法に使用される支持物質及びA
PMは、乾燥状態で使用される。APMの場合、“乾燥
状態”は、105℃で4時間加熱して、その重量減少か
ら定量する方法(LOD法)により、最大4.5重量%
までの水分がAPM中又はAPM上に存在することを意
味する。支持物質の湿気量に対する一般的な定義は、使
用される支持物質が非常に雑多なため難しい。めのこ勘
定で、製品表示中において製造者が引用した含水量が上
限値として使用でき、その量は、15重量%までの量と
して表示されるかもしれない。他の定義の方法は、支持
物質に固着した水気が見えない、又は、乾燥していると
感じられる支持物質であるとする方法である。既述の様
に、ある支持物質は、水和物として使用することもでき
る。この様な例では、約9.1重量%の含水量のデキス
トロース1水和物や13重量%の含水量のマルトリン−
M500(商標名)では、乾燥していると感じる。
【0027】APMと支持物質の重量比は、本発明の方
法において、それほど重要でない。APM/支持物質の
重量比が相当低いと、支持物質の全ての粒子がAPMに
完全に取り囲まれないが、殆ど全て、即ち、しばしば9
5重量%以上、少なくとも85重量%のAPMが支持物
質に結合する。このことは例えば顕微鏡により容易に観
察することが可能である。APM/支持物質の重量比が
非常に高い、例えば1以上であると、全てのAPMが支
持物質に結合することは不可能である。少なくとも50
重量%を超えるAPM粒子が自由な生成物として、組成
物中に残存し、この組成物は流動性、生成物の均一性
(及び凝集の危険)やドリフトの問題の様な生成物の性
質に関して不十分である。APMの溶解速度の場合も、
逆の効果となる。これらの事は、本発明の方法におい
て、APMと支持物質との重量比が1までの範囲であれ
ば十分な品質が得られることにある。それゆえに、本発
明の方法によれば、APMと支持物質との重量比は通常
は最大1:1〜最小1:30となる。この重量比が小さ
いと、攪拌時間を、0.5〜20分間の通常の混合時間
の範囲内で、少し長めの時間を選択することが勧められ
る。少なくとも85重量%のAPMが支持物質に結合す
るという優良な組成物が得られることから、重量比は、
1:3〜1:8が好ましい。この意味は、APMよりも
10重量%超過する支持物質量が適していることを意味
する。
【0028】本発明の方法では、APMは支持物質と短
時間、例えば、0.5〜20分間、エネルギーをそれ程
使用せずに混合し、緩やかな条件で接触される。実際、
長時間混合しても凝集は起こらない。混合機の型は特に
限定されないが、タンブラー型混合機又はリボン攪拌機
の様な混合機を使用することが好ましい。この様な混合
機では、粉立による小粒化の恐れはなく、混合工程後に
支持物質に良く固着し続ける。この様な混合工程は、A
PMと支持物質とを例えば5分間スパテラで攪拌するこ
とにより、実験室規模で簡単に模倣することが可能であ
る。
【0029】本発明の方法の有利さは、水分が食用支持
物質へのAPMの結合に影響しない条件下で当該方法を
実施する場合に特に顕著である。特に、低い相対湿度、
例えば、70%以下、又は40%以下の条件下で、非常
に乾燥した支持物質を使用して混合工程を実施する場合
がこれに相当する。高い相対湿度、又は水分の多い物質
を使用する場合、支持物質へのAPMの固着の相当な部
分は、水架橋又はそれに類似する結合に起因する。この
様な結合機構は、低い相対湿度及び乾燥製品の場合は不
可能である。特にその様な条件下では、本発明の方法
は、違う組成を有するプロセスと異なってくる。このこ
とは、非常に驚くべきことである。
【0030】
【実施例】本発明を以下の実施例及び比較例により説明
するが、これらにより本発明は何等限定されるものでな
い。
【0031】以下の技術、方法及び装置を採用した。
【0032】支持物質へのAPMの沈着に関する結果
は、ビデオ顕微鏡とモニターから成るMoritex社
製検査顕微鏡による形態分析を使用して評価され、この
顕微鏡には、倍率35倍、50倍、75倍、100倍、
150倍及び210倍の段階式調整ズームレンズにより
が装着されている。サンプルは斜入性ハロゲン光により
調査された。35倍、100倍及び210倍で、各々、
良い外観、詳細な像及び最小粒子の痕跡が観察された。
この様な観察で、0〜15%,15〜50%,50〜8
5%又は85%を超えるAPMが支持物質に結合してい
るかどうか見積もることが可能である。このことは、表
1中の+及び−で表示されている。
【0033】APMの溶解速度は、走査型UVスペクト
ロメーターを使用して測定された。0.5gのAPM
を、Vortex製で25cmの深さの1000ミリリ
ットルビーカー中の塵及び粒子が無い(pH=7、温度
=23℃)攪拌された脱イオン水500ミリリットル加
え、254nmの紫外線吸収が定常状態に達するまでの
時間により評価した。その溶解時間は分で定量された。
組成物中のAPMの溶解時間が、出発物質の溶解速度よ
りも長いか短いかは、表2の+及び−で表示されてい
る。
【0034】得られた組成物の流動性は、DIN IS
O 4324による安息角により定量された。安息角が
低いことは、例えば、他の系にこの製品を投下するのに
重要である流動性が改善されたことを示す。その様な場
合において、良好な流動性は架橋構造の生成の恐れの軽
減も意味する。
【0035】以下の出発物質を以下の実施例及び比較例
で使用した。
【0036】A1:攪拌晶析を通して得られたAPM,
含水量を3重量%に乾燥した以外は、処理していない;
10〜200μmの粒子径;ゆるみ嵩密度=176kg
/m3 。顕微鏡によれば、粒子が部分的に均一な凝集体
になっていることが観察された。
【0037】A2:攪拌晶析を通して得られたAPMを
顆粒化して乾燥し分級した。以下の性質(含水量、粒子
径、ゆるみ嵩密度)を有する二つの製品を作製した。
【0038】A2a:含水量=3.0%,200〜700
μmの粒子径;ゆるみ嵩密度=525kg/m32b:含水量=2.5%,50〜250μmの粒子径;
ゆるみ嵩密度=475kg/m3
【0039】顕微鏡によれば、粒子が部分的に均一な凝
集体になっていることが観察された。
【0040】A3:攪拌晶析を通して得られたAPMを
顆粒化して乾燥し、粉砕により小粒化した。表1に示す
含水量(LOD)、粒子径分布(p.s.d.)及びゆ
るみ嵩密度(FBD)を有する六つの製品を作製した。
【0041】顕微鏡によれば、粒子が部分的に均一な凝
集体になっていることが観察された。
【0042】A4:攪拌晶析を通して得られたAPMを
乾燥する以外は処理しなかった。以下の表1に示すLO
D、p.s.d.及びFBDを有する二つの製品を作製
した。
【0043】A5:攪拌晶析を通して得られたAPMを
湿潤顆粒化及び乾燥して表1に示すLOD、p.s.
d.及びFBDを有する製品を作製した。
【0044】A6:攪拌晶析を通して得られたAPMを
湿潤顆粒化及び乾燥し、粉砕により小粒化し、表1に示
すLOD、p.s.d.及びFBDを有する製品が得ら
れた。
【0045】
【表1】
【0046】B1:デキストロース1水和物;含水量=
9.2重量%、10〜300μmの粒子径(その内、3
2%が100μm未満、50%が100〜200μm,
12%が200〜250μm及び6%が250μmを超
える)。
【0047】B2:クエン酸;含水量=0.1重量%未
満、100〜500μmの粒子径(その内、0.4%が
100μm未満、7.2%が100〜200μm,5
0.2%が200〜250μm,42.1%が300μ
mを超え、0.3%が500μmを超える)。
【0048】B3:マルトデキストリン;デキストロー
ス当量(“DE値”)=10〜15;含水量=5.6重
量%、10〜300μmの粒子径(その内、10%が2
0μm未満、16%が20〜50μm,16%が50〜
80μm,33%が100〜200μm、5%が200
〜250μm、4%が250μmを超える)。
【0049】A3の製品の一つを使用する実施例及び他
の比較例において、APMの一部及び支持物質の一部を
混合した。この混合は、室温で相対湿度40〜50%
で、ポリエチレン製試料瓶中で5分間スパテラで攪拌す
るか、又は、4リットルの実験室リボン撹拌機(Pfl
eiderer社製)中で40rpmで20分間混合す
るか、又は、大気下及び50〜85%の相対湿度下でタ
ンブラードライヤー中で50rpmで10分間混合する
ことにより実施した。得られた組成物は、Morite
x社製検査顕微鏡により、形態を決定するために観察さ
れた。APMが支持物質に沈着しているかどうか、及
び、どの程度のAPMが支持物質に沈着しているかどう
か、又は、どの程度、自由なAPM又はAPMの凝集体
が依然として存在しているかということを見積もること
は容易であった。得られた組成物は、既述の様に他の試
験を実施し、その結果は表に示されている。
【0050】種々の実験及び比較実験の結果を以下の表
2に示す。
【0051】1.支持物質上に沈着したAPMの量の顕
微鏡評価を以下の表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】表中の+.−等は以下の意味を有する: −− :全くAPMが支持物質上に沈着しなかった。
【0054】− :約15%未満のAPMしか支持物質
上に沈着しなかった。
【0055】+/−:おおよそ15〜50%のAPMが
支持物質上に沈着した。
【0056】+ :おおよそ50〜85%のAPMが支
持物質上に沈着した。
【0057】++ :85%以上のAPMが支持物質上
に沈着した。
【0058】2.APMの出発原料の溶解時間に対する
組成物中のAPMの溶解時間の比較が以下の表3に示
す。
【0059】
【表3】
【0060】表中の+.−等は以下の意味を有する: −− :組成物中のAPMの溶解時間が2倍以上長い。
【0061】− :組成物中のAPMの溶解時間が1.
1〜2倍長い。
【0062】+/−:組成物中のAPMの溶解時間がほ
ぼ同じ(0.9〜1.1倍)。
【0063】+ :組成物中のAPMの溶解時間が短い
(0.5〜0.9倍)。
【0064】++ :組成物中のAPMの溶解時間がさ
らに短い(0.5倍以下)。
【0065】表2及び表3に記載の実験は、相対湿度4
0〜50%で実施した。表中の*の印が付いている実験
では、スパテラでの混合とリボン混合機を実施したが。
結果に差異はなかった。
【0066】更に、二三の実験はタンブラー混合機中で
実施した。製品A3a、A3b、A3c及びA3dの等容量の均
一混合物を最初に調製した。その1.0kgを各々タン
ブラー混合機(Indola社、K4BV415AC
型、3.8リットル)中で、B1,B2及びB3(APM
/支持物質の重量比=1:5)と50rpmで10分間
混合した。どの場合においても、粉立ちやドリフティン
グの問題が起こらない流動性が良好な組成物が得られ
た。
【0067】B2を含有する得られた組成物の一つは、
5倍量のB1と同じ混合機中で混合した。Morite
x社製検査顕微鏡を使用する形態調査は、この様にして
得られた組成物中の殆ど全てのAPMが支持物質に結合
し、比例的にB1及びB2支持粒子間に分布していること
が明らかにした。最後の混合により、流動性が良く、粉
立ちやドリフティングの問題が起こらないことが示され
た。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主として100μm未満の粒子径を有する
    α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエ
    ステルを食用の支持物質に沈着させ、乾燥状態でα−L
    −アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル
    及び支持物質を混合する方法において、(1)使用する
    α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエ
    ステルが、(a)主として100μm未満である自発的
    な凝集状態で生成した粒子及び/又は主として50μm
    未満である個々の粒子から成り立ち、(b)密度が35
    0kg/m3 以下のゆるみ嵩密度を有し、(c)強制流
    動下で水溶性媒体からα−L−アスパルチル−L−フェ
    ニルアラニンメチルエステルを晶析し、顆粒化してか
    ら、適当な性質を有する機能を持たせる様に、生成した
    粒子を機械的に小さくすることにより得られ、(2)α
    −L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエス
    テルが短時間に、支持物質に対して1:1〜1:30の
    重量割合で、20〜2000μmの粒子径を有する食用
    支持物質に緩い混合条件下で接触することを特徴とする
    支持物質上のアスパルテームを製造する方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の支持物質上のアスパルテ
    ーム製造方法において、α−L−アスパルチル−L−フ
    ェニルアラニンメチルエステルが、主として80μm以
    下の粒子径を有することを特徴とする支持物質上のアス
    パルテーム製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の支持物質上
    のアスパルテーム製造方法において、α−L−アスパル
    チル−L−フェニルアラニンメチルエステルが、主とし
    て50μm以下の粒子径を有することを特徴とする支持
    物質上のアスパルテーム製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3に記載の支持物質上のアスパ
    ルテーム製造方法において、α−L−アスパルチル−L
    −フェニルアラニンメチルエステルが、主として25μ
    m以下の粒子径を有することを特徴とする支持物質上の
    アスパルテーム製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4に記載の支持物質上のアスパ
    ルテーム製造方法において、支持物質が単糖類、二糖
    類、オリゴ糖、多糖類、糖アルコール、炭水化物及び多
    価アルコール、食用酸及びその塩、バニラの様な蛋白加
    水分解塩及び他の乾燥栄養物の群から選ばれることを特
    徴とする支持物質上のアスパルテーム製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の支持物質上のアスパルテ
    ーム製造方法において、支持物質の最大粒子から10%
    までの大きな粒子と最小粒子から10%までぼ小さな粒
    子との差が500μmを越えないことを特徴とする支持
    物質上のアスパルテーム製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6に記載の支持物質上のアスパ
    ルテーム製造方法において、支持物質の少なくとも80
    重量%は、最大粒子径と最小粒子径との差が200μm
    を越えない範囲内に入ることを特徴とする支持物質上の
    アスパルテーム製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜7に記載の支持物質上のアスパ
    ルテーム製造方法において、α−L−アスパルチル−L
    −フェニルアラニンメチルエステルと支持物質を重量比
    が1:3〜1:8で混合することを特徴とする支持物質
    上のアスパルテーム製造方法。
  9. 【請求項9】主として100μm未満の粒子径を有する
    α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエ
    ステルを食用の支持物質に沈着させ、乾燥状態でα−L
    −アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル
    及び支持物質を混合する方法において、請求項1〜8で
    得られる組成物を短時間に、支持物質に対して1:1〜
    1:20の重量割合で、緩い混合条件下でさらに支持物
    質に接触させることを特徴とする支持物質上のアスパル
    テームを製造する方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜9に記載の支持物質上のアス
    パルテーム製造方法において、乾燥状態での混合を70
    %以下の湿度で実施することを特徴とする支持物質上の
    アスパルテームを製造する方法。
  11. 【請求項11】明細書及び実施例に実際に記載されてい
    る方法。
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